JP6093228B2 - 摩擦材 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、鉄道車両、産業機械等のブレーキパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等に用いられる摩擦材に関し、特に、優れた耐熱性と耐摩耗性を有する摩擦材に関する。
近年、車両の燃費向上や原材料の高騰といった環境変化の影響を受けて、車両部品の軽量化や小型化の要求が高まっている。ブレーキ部品に関しては、ブレーキディスクの小径化に伴い、摩擦材への熱的及び機械的負荷が増加している。
また、ブレーキ部品の耐熱性及び強度を高める観点から、例えば、ロータに従来のFC製(片状黒鉛鋳鉄)からセラミックス複合材料(Ceramic Matrix Composites(以下「CMC」と称する))が適用される等、相手材の材料も多様化している。
このような状況下、高温及び高負荷下での耐熱性、耐摩耗性及び耐フェード性等の性能がより一層優れた摩擦材が望まれている。
従来の摩擦材としては、有機繊維等の繊維状物質を繊維基材とし、これに結合材や摩擦調整材を配合したNon−Asbestos−Organic系摩擦材(以下「NAO材」と称する)が広く知られている。特許文献1及び特許文献2には、有機結合材を使用した摩擦材を非酸化性雰囲気下、250〜700℃の高温にて焼成炭化させることで耐熱性及びフェード性を高めた摩擦材が記載されている。また、特許文献3には、有機結合材を用いた摩擦材を不活性ガス中で550〜1300℃で焼成炭化することで耐熱性及び耐フェード性を向上した摩擦材が記載されている。
一方、金属を基材とすることで強度及び耐フェード性を高めた摩擦材が提案されており、特許文献4では銅を基材とした焼結摩擦材が記載されている。
特開平5−215164号公報 特開平9−111007号公報 特開2006−306970号公報 特開2007−107067号公報
しかしながら特許文献1〜3に記載の有機結合材を炭化させた摩擦材では、使用時において製造時の温度を超える高温下に長時間さらされる場合に熱分解し、強度、耐摩耗性及びフェードの低下を招く懸念がある。
また、特許文献4に記載される金属を基材とした摩擦材では、NAO材に比べて重量が増加することや、基材である金属の融点付近の高温下で強度が低下したり、塑性流動を起こしたりするため摩耗の増加や相手材と固着するといった問題が懸念される。
このように従来の摩擦材では、特にCMCロータを相手材とするような高温及び高負荷領域における性能に改良の余地があった。
本発明は上記課題を解決するものであり、高温及び高負荷領域においても耐熱性及び耐摩耗性に優れた摩擦材を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の複数種のセラミックスをマトリックスとし、かつ、炭素繊維を用いることにより上記課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は以下の摩擦材に関する。
〔1〕 ジルコニアと、アルミナ、チタニア、及びマグネシアからなる群より選ばれる少なくとも一種とを含むセラミックスをマトリックスとし、炭素繊維を含有する摩擦材。
〔2〕 前記ジルコニアを30〜80体積%含む、〔1〕に記載の摩擦材。
〔3〕 前記アルミナ、チタニア、及びマグネシアからなる群より選ばれる少なくとも一種を10〜30体積%含む、〔1〕または〔2〕に記載の摩擦材。
〔4〕 前記炭素繊維を5〜40体積%含む、〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の摩擦材。
本発明によれば、高耐熱性、高靭性、高強度の素材をマトリックスとして用い、さらに炭素繊維を含有することで、摩擦材が熱分解等の影響を受けることがなく、高温及び高負荷領域での使用時においても耐熱性及び耐摩耗性に優れた摩擦材を提供することができる。また、制動時における欠けや割れに対しても耐久性を有する摩擦材を提供することができる。
<摩擦材の構成>
本発明の摩擦材は、ジルコニアと、アルミナ、チタニア、及びマグネシアからなる群より選ばれる少なくとも一種とを含むセラミックスをマトリックス(母材)とする。セラミックスをマトリックスとすることで、高温及び高負荷領域での使用時においても摩擦材が熱分解等の影響を受けることがなく、耐熱性及び耐摩耗性に優れた摩擦材とすることができる。また、酸化物系セラミックスを二種以上の混合組成とすることで摩擦特性を向上させることができる。なかでもジルコニアは機械的強度や靭性が高いため、摩擦材の強度を高めることができる。そして、アルミナ、チタニア、及びマグネシアからなる群より選ばれる少なくとも一種をジルコニアと共に配合することによりジルコニアの持つ高い機械的強度や靭性を維持しつつ、高負荷時の摩擦係数の向上、優れた効力安定性、耐摩耗性の実現が可能となる。
ジルコニアは安定化されていることが好ましく、例えば、イットリア(Y)安定化ジルコニア又はカルシア(CaO)安定化ジルコニアが特に好ましい。また、ジルコニアの一次粒子の平均粒径は焼結性の観点から100nm以下が好ましい。
アルミナとしてはα―アルミナが好ましい。また、一次粒子の平均粒径は焼結性の観点から5〜500nmが好ましい。
チタニアとしてはルチル型が好ましい。また、一次粒子の平均粒径は焼結性の観点から0.1〜10μmが好ましい。
マグネシアの一次粒子の平均粒径は焼結性の観点から1〜100nmが好ましい。
摩擦材におけるジルコニアの含有量は、焼結性の観点から30〜80体積%が好ましく、40〜70体積%がより好ましい。
また、摩擦材におけるアルミナ、チタニア、及びマグネシアからなる群より選ばれる少なくとも一種の含有量は、焼結性の観点から10〜30体積%が好ましく、10〜20体積%がより好ましい。
セラミックスとしては、上記に加え、他の成分を含んでいてもよい。例えば、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス等を用いることができる。酸化物系セラミックスとしては、フォルステライト、シリカ、ジルコン、ムライト、フェライト、コーディエライト、ステアタイト、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、フッ化アパタイト等が挙げられる。窒化物系セラミックスとしては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素、サイアロン等が挙げられる。炭化物系セラミックスとしては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン等が挙げられる。
さらに、セラミックスの焼結性を高めるために、必要に応じて焼結助剤を添加してもよい。焼結助剤としては特に限定されるものではなく、通常の焼結助剤として使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる、例えば、Y、MgO、ZrO、Al、HfO等が挙げられる。焼結助剤の含有量は、摩擦材全体において1〜15重量%であることが好ましい。
本発明の摩擦材はさらに、炭素繊維を含有する。セラミックスマトリックスのみからなる摩擦材では、強度が高く摩擦係数が高い反面、摩擦界面のせん断応力が大きくなる為、摩擦材の摩耗が増大し、摩擦係数が不安定となるおそれがある。炭素繊維を含有することにより摩擦材の耐摩耗性が向上するとともに、制動時の欠けや割れを抑制することができる。
また、セラミックスを二種以上の混合組成としても、依然として耐衝撃性が低く、制動時の欠けや割れが発生するおそれがあるため、炭素繊維を含有することにより破壊靭性を改善することができ、制動時の欠けや割れをより良好に抑制することができる。
炭素繊維としては、平均繊維長が0.1〜6.0mmであることが好ましく、0.1〜3.0mmがより好ましい。平均繊維長がかかる範囲であれば炭素繊維の引き抜き効果が大きく、摩擦材が欠けにくく、強度も保たれる。また平均直径が5〜20μmであることが好ましい。なお、炭素繊維は、原料の段階で上記繊維長のものを配合してもよいし、配合段階で混合条件等を適宜設定することにより上記範囲となるように調整してもよい。また、炭素繊維は束の状態よりも単繊維に解繊した状態で用いた方が、分散性の点で好ましい。
炭素繊維の摩擦材全体における含有量は5〜40体積%が好ましく、5〜30体積%がさらに好ましく、5〜25体積%が特に好ましい。炭素繊維は母材の亀裂伝播を抑制する効果が見込め、セラミックスのみでは発生しやすい欠けや割れの抑制にも効果がある。ただし、セラミックス骨格の結合性を維持する観点から、上限を40体積%とすることが好ましく、かかる範囲であれば耐摩耗性を向上できる。
本発明の摩擦材は、炭素繊維以外にも炭素材料を任意に含んでいてもよい。炭素材料としては、フラーレン、カーボンナノチューブ、黒鉛、アモルファスカーボン、活性炭、及びコークス等が挙げられる。かかる炭素材料をさらに含むことで、摩擦材の耐摩耗性を向上させることができる。なお炭素材料は単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の摩擦材はさらに、ケイ素、チタン、鉄、ニッケル等の金属(粉末)を含有してもよく、ケイ素、チタン及び鉄からなる群より選ばれる一種以上の金属を含有することが好ましい。金属を含有することで、摩擦材の潤滑性付与による耐摩耗性向上に有効である。添加する金属は、耐摩耗性改善効果が大きく、高融点かつ低環境負荷の観点から、ケイ素及びチタンが特に好ましい。なお、これらの金属は単体で用いられ、セラミックス材料としての炭化ケイ素や炭化チタン、窒化ケイ素等の金属化合物とは区別される。
摩擦材における金属の含有量は1〜5体積%が好ましい。かかる範囲であれば耐摩耗性を向上しつつ摩擦係数及び摩擦材強度を良好に維持できる。
また、金属を添加すると耐摩耗性を向上できる一方でセラミックスの焼結性が低下する懸念があるため、加圧焼結により緻密化を図ることが好ましい。
本発明の摩擦材は、本発明の効果を損なわない範囲で上記以外の配合成分として、スチール繊維等の金属繊維、炭化ケイ素繊維、Al−SiO系セラミック繊維、生体溶解性無機繊維等の無機繊維といった繊維基材や、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、バーミキュライト、マイカ等の無機化合物、酸化鉄、酸化スズ等の金属酸化物、固体潤滑材といった摩擦調整材等を含有してもよい。
上記成分から構成される本発明の摩擦材は、密度が60%以上であることが好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。密度がかかる範囲であればセラミックス間の結合力が強化され、耐摩耗性、制動時の欠けや割れの抑制に優れた摩擦材を得ることができる。なおここでの密度とは、下記式から算出される相対密度である。
(焼結体密度/理論密度)×100=相対密度(%)
密度を上記範囲とするには、例えば、焼結温度を高める、または加圧焼結等の方法が挙げられる。
<摩擦材の製造方法>
本発明の摩擦材は、上記のセラミックスの原料となる粉体と、炭素繊維と、必要に応じて任意の配合成分とを所定量配合して原料粉末を調製する工程、続いて成形工程、及び焼結工程を経て得ることができる。
上記原料粉末を調製する工程は、例えば、セラミックスの原料となる粉体と炭素繊維と他の配合成分とを、エタノール等の分散媒中でボールミルにより所定時間混合した後、乾燥して分散媒を除去し、ふるい目が100〜500μmの範囲のふるい等を用いて整粒する工程を順次含むことが好ましい。
また、上記セラミックスの原料となる粉体と炭素繊維と他の配合成分とを混合する方法として、分散媒を使わずにサンプルミルにより所定時間乾式混合してもよい。
なお、各材料を混合する順序は特に限定されず、全ての材料を一度に混合してもよいし、セラミックス原料と炭素繊維を混合・整粒した後に、他の任意成分を混合・整粒してもよい。
上記成形工程及び焼結工程では、公知のセラミックスの成形方法及び焼結方法が適宜用いられる。
成形方法としては例えば、一軸加圧成形、CIP成形(冷間静水圧成形)等の乾式成形法が挙げられる。
一軸加圧成形とは、粉体調合物を金型中で一軸加圧を行うことにより成形体を得る方法である。CIP成形とは、顆粒等の粉体調合物、あるいはあらかじめほぼ所定の形状にされた予備成形体をゴム製の容器に入れて、それを静水圧で加圧することにより成形体を得る方法である。この方法は圧力を周囲から均等に加えるもので、一軸加圧成形より均一な成形体の製造に適する。
成形方法としては上記乾式成形法の他、射出成形、押出成形等の塑性成形法;泥漿鋳込み、加圧鋳込み、回転鋳込み等の鋳込み成形法;ドクターブレード法等のテープ成形法等も適用できる。
上記成形方法は単独でも、2種以上を組み合わせてもよい。
焼結方法としては、例えば、雰囲気焼結法、反応焼結法、常圧焼結法、熱プラズマ焼結法等が挙げられる。また、焼結温度及び焼結温度での保持時間はセラミックスの種類に応じて適宜設定することができ、通常1000〜2000℃、2〜6時間が好ましく、1000〜1800℃、2〜4時間がより好ましい。
また、加圧しながら焼結を行うことも可能であり、かかる方法として、HP(ホットプレス)、HIP成形(熱間静水圧成形)及び放電プラズマ焼結法等の加圧焼結法を適用することもできる。また、HPとは一軸加圧成形しながら焼結を行う方法である。HIP成形とは静水圧で加圧しながら焼結を行う方法である。焼結圧力、焼結温度及び焼結温度での保持時間はセラミックスの種類に応じて適宜設定することができ、通常10〜400MPa、1000〜2000℃、0.5〜6時間が好ましく、10〜200MPa、1000〜1800℃、0.5〜4時間がより好ましく、10〜200MPa、1000〜1400℃、0.5〜4時間が特に好ましい。
なお、焼結は、セラミックスの種類や添加する材料の種類によって、大気中や、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス中で行ってもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガス等のような還元性ガス中で行ってもよい。また、真空中で行ってもよい。
上記の工程を経て得られる焼結体を、必要に応じて切削、研削、研摩等の処理を施すことにより本発明の摩擦材が製造される。
なお、本発明に係る摩擦材は乾式摩擦材、湿式摩擦材のいずれにも適用できる。
以下に示す実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
使用材料を下記に示す。
イットリア安定化ジルコニア:東ソー(株)製 TZ−3Y−E(平均粒径40nm)
炭素繊維:東邦テナックス(株)製 PAN繊維(平均繊維長3mmチョップ品)
α−アルミナ:大明化学工業(株)製 TM−DAR(平均粒径0.1μm)
ルチル型チタニア:(株)高純度化学研究所製(平均粒径2μm)
マグネシア:和光純薬工業(株)製(平均粒径50nm)
実施例1(ジルコニアとアルミナ)
上記材料のうち炭素繊維以外の成分を、表1に示す比率で配合したものをエタノール溶媒中で回転速度400rpmにて60分間ボールミル混合し、乾燥後、200μmのふるいを用いて整粒した。ここに、表1に示す比率で炭素繊維を配合し、回転速度10000rpmにて5秒間サンプルミル混合して、原料粉を得た。原料粉をアルゴン雰囲気下、焼結面圧20MPa、焼結温度1300℃、保持時間2時間の条件下でホットプレス成形した後、焼結体を得た。
実施例2〜4(ジルコニアとチタニア)
上記材料のうち炭素繊維以外の成分を、表1に示す比率で配合したものをエタノール溶媒中で回転速度400rpmにて60分間ボールミル混合し、乾燥後、200μmのふるいを用いて整粒した。ここに、表1に示す比率で炭素繊維を配合し、回転速度10000rpmにて5秒間サンプルミル混合して、原料粉を得た。原料粉をアルゴン雰囲気下、焼結面圧20MPa、焼結温度1300℃、保持時間2時間の条件下でホットプレス成形した後、焼結体を得た。
実施例5(ジルコニアとマグネシア)
上記材料のうち炭素繊維以外の成分を、表1に示す比率で配合したものをエタノール溶媒中で回転速度400rpmにて60分間ボールミル混合し、乾燥後、200μmのふるいを用いて整粒した。ここに、表1に示す比率で炭素繊維を配合し、回転速度10000rpmにて5秒間サンプルミル混合して、原料粉を得た。原料粉をアルゴン雰囲気下、焼結面圧20MPa、焼結温度1300℃、保持時間2時間の条件下でホットプレス成形した後、焼結体を得た。
比較例1〜4、参考例1
配合成分を表1に示す比率とした以外は実施例1と同様に焼結体を作製した。
<物性評価>
1)相対密度(%)
(焼結体密度/理論密度)×100により、相対密度を求めた。
焼結体密度は得られた焼結体の重量と体積から算出し、理論密度は原材料の真密度と配合割合から算出した。
2)曲げ試験
焼結体から試験片(3×4×40mm)を作製し、JIS R 1601に準拠して試験を行った。
なお、曲げ強度の基準値は30MPa以上である。
<摩擦試験>
焼結体から試験片(13×15×35mm)を作製し、曙エンジニアリング(株)製フリクションアナライザー摩擦試験機によりJASO−C406に準拠して摩擦試験を実施した。
相手材:SGLカーボン製CMCロータ
上記試験により、第一フェード最低摩擦係数(1Fminμ)、第一フェード最大摩擦係数(1Fmaxμ)、第一フェード最大摩擦係数と第一フェード最小摩擦係数との差(1Fmaxμ−minμ)、パッド摩耗量(mm)、ロータ摩耗量(μm)、制動時欠け・割れの有無(1:試験片破壊、2:試験片中央部の割れ、3:試験片端部の欠け大、4:試験片端部の欠け小、5:欠け無し(目視))について評価した。
なお、第一フェード最大摩擦係数と第一フェード最小摩擦係数の各摩擦係数は大きいほど好ましく、第一フェード最大摩擦係数と第一フェード最小摩擦係数との差、及びパッド摩耗量、ロータ摩耗量は小さいほど好ましい。
実施例、比較例及び参考例の各焼結体(摩擦材)について、上記の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006093228
表1の結果から、実施例の摩擦材はいずれも、十分な耐摩耗性と高い強度を示した。一方、比較例の摩擦材では摩擦試験中に割れが発生してしまい摩擦試験を行うことができなかった。これより、セラミックスに加えて炭素繊維を含有することで、摩擦材の欠けや割れの抑制が達成できることが確認できる。また、各実施例と参考例1の対比から、ジルコニアと、アルミナ、チタニア、及びマグネシアからなる群より選ばれる少なくとも一種とを含む、混合組成のセラミックスをマトリックスとすることで、実施例の摩擦材では、参考例1よりも第一フェード最低摩擦係数が向上し、参考例1と同等以上の耐摩耗性を示すことが確認できる。

Claims (3)

  1. ジルコニアと、アルミナ、チタニア、及びマグネシアからなる群より選ばれる少なくとも一種とを含むセラミックスをマトリックスとし、炭素繊維を5〜40体積%含有する摩擦材。
  2. 前記ジルコニアを30〜80体積%含む、請求項1に記載の摩擦材。
  3. 前記アルミナ、チタニア、及びマグネシアからなる群より選ばれる少なくとも一種を10〜30体積%含む、請求項1または2に記載の摩擦材。
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