JP6093047B2 - 車両タイヤと転動面との間の発生可能摩擦を推定するための方法およびシステム - Google Patents

車両タイヤと転動面との間の発生可能摩擦を推定するための方法およびシステム Download PDF

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Description

本発明は、車両タイヤと転動面との間の発生可能摩擦(potential friction)を推定するための方法およびシステムに関する。
発生可能摩擦を推定するためのシステムが当技術分野で知られている。例えば、米国特許出願公開第2011/0166761号、米国特許出願公開第2012/0179327号、米国特許出願公開第2011/0264300号、欧州特許第0444772号、欧州特許第1510428号、米国特許第6094614号を参照されたい。
本明細書および特許請求の範囲において、「発生可能摩擦」は、接触摩擦/運動量曲線での絶対最大点の座標を示すものと意図される。運動量は、(長手方向)スリップまたはドリフト角でよい。第1の場合には、接触摩擦は、タイヤと転動面との接触面で交換される長手方向の力Fと、タイヤに作用する垂直負荷Fとの比として定義される。第2の場合には、接触摩擦は、タイヤと転動面との接触面で交換される横方向の力Fと、タイヤに作用する垂直負荷Fとの比として定義される。
本明細書および特許請求の範囲では、「接触摩擦/運動量曲線」は、接触摩擦および運動量の実験データのばらつきを考慮するように、所定の不確定帯域を有する曲線を示すものと意図される。
本明細書および特許請求の範囲において、遷移転動条件は、加速または制動中の実質的に直線の転動条件、一定の速度でコーナリングする条件、または(好ましくは極端ではない)加速または制動を行いながらコーナリングする条件を示すものと意図される。
本明細書において、「自由転動」条件は、タイヤに加えられる長手方向および/または横方向の力が実質的に存在しない、実質的に定常の転動条件を示すものと意図される。
本明細書および特許請求の範囲において:
− 用語「横方向」および「横方向に」は、タイヤの回転軸に実質的に平行な方向で測定される量を示すために使用される;
− 用語「半径方向」および「半径方向に」は、タイヤの回転軸に実質的に垂直な方向で、すなわち、タイヤの回転軸に交差し、そのような回転軸に垂直な平面内にある方向で測定される量を示すために使用される;
− 用語「長手方向」および「長手方向に」は、タイヤに対して接線方向で測定され、横方向および半径方向に実質的に垂直な(すなわちタイヤ/車両の前進運動の方向での)量を示すために使用される。
タイヤ−転動面システムの条件、すなわち、タイヤの動作条件(例えば、タイヤに作用する垂直負荷、タイヤの膨張圧、速度、摩耗、温度など)、タイヤ自体の特性(構造、トレッド化合物など)、および/または転動面の特性および条件(スリップしやすい要因、雪、氷、落ち葉、粗さなどの存在)の変化に伴って、接触摩擦と運動量との関係は、異なる曲線によって表され、それに対応して異なる発生可能摩擦が存在する。
図1は、タイヤ−転動面(花崗岩、セメント、およびアスファルト)システムの3つの異なる条件に関する、接触摩擦(F/F)/スリップ(ε)曲線の3つの例を表す。
実際、発生可能摩擦は限度条件を特定し、それを超えると、タイヤの粘着条件が低下し始め、最終的に漸近条件に達し、この漸近条件では、スリップが増加するときに接触摩擦が実質的に一定であり、最大摩擦(すなわち発生可能摩擦自体)よりも小さい。
各接触摩擦/運動量曲線において、直線、非直線、漸近線(図1での領域A、B、Cをそれぞれ参照)の実質的に3つの領域を識別することが可能である。
直線領域は、実質的に「自由転動」または「定常状態」の条件を表し、この条件下では、接触摩擦は、運動量が増加するにつれて実質的に線形に増加する。この領域では、タイヤ−転動面システムの様々な条件に関する接触摩擦/運動量曲線は、原点の近くに集中する傾向があり、実質的に互いに重なり、スリップおよび接触摩擦を得るための測定値の不可避の特性的不確定性により、互いに見分けられなくなる。
漸近領域は、運動量が増加するときに接触摩擦が実質的に一定のままである前述した漸近条件を表す。
非直線領域は、実質的に遷移転動の条件を表し、この条件下では、接触摩擦は、運動量が増加するにつれて実質的に非線形に増加する。この領域では、接触摩擦/運動量曲線は、互いに離隔する。
本出願人は、線形領域の傾きと発生可能摩擦との間に相関性がないことを観察した。すなわち、線形領域でより大きい傾きを有する曲線が、より小さい傾きを有する別の曲線に比べて低い発生可能摩擦を有する場合があり得る。しかし、それにも関わらず、本出願人は、より低い発生可能摩擦に関する曲線が、より高い発生可能摩擦に関する曲線よりも先に線形領域から非線形領域へ移行することを観察した。すなわち、より低い発生可能摩擦を有する曲線は、他の曲線に先立って離れて区別可能になり、したがって比較的短い線形領域を有する。
この観察に基づいて、本出願人は、接触摩擦/運動量基準曲線がより高い発生可能摩擦でのそれぞれの基準曲線から実質的に区別可能になる点での運動量および/または接触摩擦閾値を選択することによって、ならびに接触摩擦/運動量作業点をそのような閾値およびそのような基準曲線と比較することによって、より低い発生可能摩擦での基準曲線が他の基準曲線から区別可能になるとすぐに発生可能摩擦に関する情報を得ることが可能であり、次いで、接触摩擦および/または運動量の現行値が増加するとき、他の基準曲線もより高い発生可能摩擦でのそれぞれの基準曲線から区別可能になるときに、さらに正確な情報を得ることが可能であることを見出した。
したがって、第1の態様において、本発明は、タイヤと転動面との間の発生可能摩擦μを推定する方法に関する。
この推定方法は、運動量閾値および/または接触摩擦閾値に関して動作することができる。
運動量閾値の使用の場合、推定方法は、
− μp2>μp1である発生可能摩擦の第1および第2の基準値μp1、μp2にそれぞれ対応する第1および第2の接触摩擦/運動量基準曲線を提供するステップと、
− 第1および第2の運動量閾値を提供するステップであって、前記第1の閾値が、前記第1の基準曲線が前記第2の基準曲線から実質的に区別可能である運動量値に対応し、かつ前記第2の閾値が、前記第2の基準曲線が少なくとも1つの第3の基準曲線から実質的に区別可能である運動量値に対応し、少なくとも1つの第3の基準曲線が、発生可能摩擦の第3の基準値μp3に対応し、μp3>μp2であるステップと、
− タイヤと転動面との間の接触摩擦μを決定するステップと、
− タイヤと転動面との間の運動量の現行値を決定するステップと、
− 接触摩擦μと運動量の現行値とによって与えられる現行作業点を決定するステップと、
− 運動量の現行値を第1および第2の運動量閾値と比較するステップと、
− 運動量の現行値が第1および第2の運動量閾値の間に含まれ、かつ前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上である場合、発生可能摩擦の値が前記第1の基準値μp1よりも大きいと判断するステップと、
− 運動量の現行値が第2の運動量閾値よりも大きく、かつ前記作業点が前記第2の基準曲線よりも上である場合、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2よりも大きいと判断するステップと、
− 運動量の現行値が第2の運動量閾値よりも大きく、かつ前記作業点が前記第1および前記第2の基準曲線の間に含まれる場合、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1と発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2との間に含まれると判断するステップと、
− 現行の運動量が第1の運動量閾値よりも大きく、かつ前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上でない場合、発生可能摩擦の値が前記第1の基準値μp1以下であると判断するステップと
を含む。
接触摩擦閾値の使用の場合、推定方法は、
− μp2>μp1である発生可能摩擦の第1および第2の基準値μp1、μp2にそれぞれ対応する第1および第2の接触摩擦/運動量基準曲線を提供するステップと、
− 第1および第2の接触摩擦閾値を提供するステップであって、前記第1の閾値が、前記第1の基準曲線が前記第2の基準曲線から実質的に区別可能である接触摩擦値に対応し、かつ前記第2の閾値が、前記第2の基準曲線が少なくとも1つの第3の基準曲線から実質的に区別可能である接触摩擦値に対応し、少なくとも1つの第3の基準曲線が、発生可能摩擦の第3の基準値μp3に対応し、μp3>μp2であるステップと、
− タイヤと転動面との間の接触摩擦μを決定するステップと、
− タイヤと転動面との間の運動量の現行値を決定するステップと、
− 接触摩擦μと運動量の現行値とによって与えられる現行作業点を決定するステップと、
− 前記接触摩擦μを第1および第2の接触摩擦閾値と比較するステップと、
− 接触摩擦μが第1および第2の接触摩擦閾値の間に含まれ、かつ前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上である場合、発生可能摩擦の値が第1の基準値μp1よりも大きいと判断するステップと、
− 接触摩擦μが第2の接触摩擦閾値よりも大きく、かつ前記作業点が前記第2の基準曲線よりも上である場合、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2よりも大きいと判断するステップと、
− 接触摩擦μが第2の閾値よりも大きく、かつ前記作業点が前記第1および前記第2の基準曲線の間に含まれる場合、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1と発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2との間に含まれると判断するステップと、
− 接触摩擦μが第1の接触摩擦閾値よりも大きく、かつ前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上でない場合、発生可能摩擦の値が前記第1の基準値μp1以下であると判断するステップと
を含む。
第2の態様において、本発明は、タイヤと転動面との間の発生可能摩擦を推定するためのシステムであって、
・ メモリであって、μp2>μp1である発生可能摩擦の第1および第2の基準値μp1、μp2にそれぞれ対応する第1および第2の接触摩擦/運動量基準曲線と、第1および第2の運動量閾値または第1および第2の接触摩擦閾値とが記憶され、前記第1の閾値が、前記第1の基準曲線が前記第2の基準曲線から実質的に区別可能であるそれぞれ運動量値または接触摩擦値に対応し、かつ前記第2の閾値が、前記第2の基準曲線が少なくとも1つの第3の基準曲線から実質的に区別可能であるそれぞれ運動量値または接触摩擦値に対応し、少なくとも1つの第3の基準曲線が、発生可能摩擦の第3の基準値μp3に対応し、μp3>μp2である、メモリと、
・ 少なくとも1つの処理モジュールであって、
− タイヤと転動面との間の接触摩擦μを決定し、
− タイヤと転動面との間の運動量の現行値を決定し、
− 接触摩擦μと運動量の現行値とによって与えられる現行作業点を決定し、
− それぞれ、運動量の現行値を第1および第2の運動量閾値と比較する、または接触摩擦μを第1および第2の接触摩擦閾値と比較し、
− 運動量の現行値または接触摩擦μがそれぞれの第1および第2の閾値の間に含まれ、かつ前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上である場合、発生可能摩擦の値が前記第1の基準値μp1よりも大きいと判断し、
− 運動量の現行値または接触摩擦μがそれぞれの第2の閾値よりも大きく、かつ前記作業点が前記第2の基準曲線よりも上である場合、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2よりも大きいと判断し、
− 運動量の現行値または接触摩擦μがそれぞれの第2の閾値よりも大きく、かつ前記作業点が前記第1および前記第2の基準曲線の間に含まれる場合、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1と発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2との間に含まれると判断し、
− 現行の運動量または接触摩擦μがそれぞれの第1の閾値よりも大きく、かつ前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上でない場合、発生可能摩擦の値が前記第1の基準値μp1以下であると判断する
ように構成される、少なくとも1つの処理モジュールと
を含むシステムに関する。
前述の態様の少なくとも1つにおける本発明は、以下の好ましい特徴の少なくとも1つを有することができる。
好ましくは、前記第1の接触摩擦/運動量基準曲線は、0.3以下の発生可能摩擦の基準値μp1に対応するように選択される。
好ましくは、前記第1の接触摩擦/運動量基準曲線は、少なくとも0.15に等しい発生可能摩擦の基準値μp1に対応するように選択される。
好ましくは、前記第2の接触摩擦/運動量基準曲線は、0.35〜0.5の間に含まれる発生可能摩擦の基準値μp2に対応するように選択される。
好ましくは、前記少なくとも1つの第3の接触摩擦/運動量基準曲線は、少なくとも0.55に等しい発生可能摩擦の基準値μp3に対応するように選択される。
好ましくは、第1の接触摩擦閾値は、発生可能摩擦の第1の基準値μp1よりも小さい。
好ましくは、第1の基準曲線は、第1の接触摩擦閾値が0.05〜0.2の間に含まれるように選択される。
好ましくは、第2の接触摩擦閾値は、発生可能摩擦の第1の基準値μp1よりも大きく、かつ発生可能摩擦の第2の値μp2よりも小さい。
好ましくは、第2の基準曲線は、第2の接触摩擦閾値が0.25〜0.4の間に含まれるように選択される。
好ましい実施形態では、第1および第2の運動量閾値と第1および第2の接触摩擦閾値との両方が提供され、および運動量の現行値が、第1の運動量閾値よりも小さい場合:
− 接触摩擦μが前記第1および前記第2の接触摩擦閾値の間に含まれている場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1よりも大きいと判断し;
− 接触摩擦μが前記第2の接触摩擦閾値よりも大きい場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2よりも大きいと判断する。
この好ましい実施形態では、運動量の現行値が第1および第2の運動量閾値の間に含まれている場合、かつ接触摩擦μが前記第2の接触摩擦閾値よりも大きい場合、好ましくは、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2よりも大きいと判断される。
好ましい実施形態では、第1および第2の運動量閾値と第1および第2の接触摩擦閾値との両方が提供され、および接触摩擦が、第1の接触摩擦閾値よりも小さい場合:
− 運動量の現行値が第1の運動量閾値よりも大きい場合には、発生可能摩擦の値が前記第1の基準値μp1以下であると判断する。
この好ましい実施形態では、接触摩擦が第1および第2の接触摩擦閾値の間に含まれている場合、かつ運動量の現行値が第2の運動量閾値よりも大きく、かつ作業点が前記第1の基準曲線よりも上である場合、好ましくは、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1と前記第2の基準値μp2との間に含まれると判断される。
好ましい実施形態では、第1および第2の運動量閾値と第1および第2の接触摩擦閾値との両方が提供され、および接触摩擦が第1の接触摩擦閾値よりも小さく、かつ運動量の現行値が第1の運動量閾値よりも小さい場合、好ましくは、発生可能摩擦の推定値が取得できないと判断される。
好ましい実施形態では、前記運動量が、タイヤのドリフト角αであり、および前記接触摩擦μが、横方向接触摩擦F/Fである。この好ましい実施形態では、第1の基準曲線は、好ましくは、第1の運動量閾値が0.5°〜1.2°の間に含まれるドリフト角に対応するように選択される。第2の基準曲線は、好ましくは、第2の運動量閾値が1.2°〜2.5°の間に含まれるドリフト角に対応するように選択される。
好ましい実施形態では、前記運動量は、タイヤの長手方向スリップεであり、および前記接触摩擦μは、長手方向接触摩擦F/Fである。この好ましい実施形態では、第1の基準曲線は、好ましくは、第1の運動量閾値が少なくとも0.5%に等しいスリップに対応するように選択される。
より好ましくは、第1の基準曲線は、第1の運動量閾値が0.5°〜1.2°の間に含まれるスリップに対応するように選択される。
好ましくは、第2の基準曲線は、第2の運動量閾値が少なくとも0.9%に等しいスリップに対応するように選択される。より好ましくは、第2の基準曲線は、第2の運動量閾値が0.9〜1.5%の間に含まれるスリップに対応するように選択される。
好ましい実施形態では、タイヤの現行横方向加速度が絶対値で所定の横方向加速度値よりも大きいときに、作業点が、横方向接触摩擦F/Fおよびドリフト角αの値から決定され、および/または、タイヤの現行横方向加速度が絶対値で所定の横方向加速度値よりも小さく、かつタイヤの長手方向加速度が絶対値で所定の長手方向加速度値よりも大きいとき、作業点が、長手方向接触摩擦F/Fおよび長手方向スリップεの値から決定される。
有利には、タイヤは、遷移転動条件で、転動面上で回転される。
本発明のシステムおよび/または方法を使用する車両を制御するためのシステムでは、対象の車両に適した仕様を有するモデル/サイズのタイヤに関して接触摩擦/運動量基準曲線が選択される。
好ましくは、システムは、車両に搭載されたおよび/またはタイヤ上に位置決めされた監視モジュールを含む。監視モジュールは、有利には、タイヤと転動面との接触面で交換される長手方向および/または横方向の力、タイヤに作用する垂直負荷、長手方向スリップ、および/またはタイヤのドリフト角に相関される物理量を検出して処理するように構成される。
好ましい実施形態では、監視モジュールは、転動中にタイヤが受ける変形を検出するのに適した、タイヤに位置決めされた監視デバイスを含む。好ましくは、監視デバイスは、トレッドと逆側の部分でタイヤの内面に関連付けられる2軸または3軸タイプの加速度計を含む。
監視モジュールは、GPS受信機、および/またはABSエンコーダ、および/またはフォニックホイール、および/またはジャイロスコープを含むことができる。
本発明のさらなる特性および利点は、単に非限定の例として提供される本発明のいくつかの例示的実施形態の以下の詳細な説明から明らかになろう。そのような説明は、添付図面を参照して行われる。
3つの異なる発生可能摩擦値に対応する、3つの異なる転動面の接触摩擦/スリップ曲線特性の3つの例を概略的に示す。 本発明の一実施形態による発生可能摩擦を推定するためのシステムを概略的に示す。 3つの異なる転動面の特性曲線の3つの例を用いた接触摩擦/スリップのグラフを示し、2つのスリップ閾値と2つの接触摩擦/スリップ基準曲線とを使用する本発明の一実施形態による推定アルゴリズムの動作を概略的に示す。 車両の長手方向/横方向加速度の関数として、本発明による発生可能摩擦の推定アルゴリズムの3つの作業領域を概略的に示す。 本発明の方法およびシステムの性能を評価するために本出願人によって実施された実験テストの結果を示す。 本発明の方法およびシステムの性能を評価するために本出願人によって実施された実験テストの結果を示す。 本発明の方法およびシステムの性能を評価するために本出願人によって実施された実験テストの結果を示す。 本発明の方法およびシステムの性能を評価するために本出願人によって実施された実験テストの結果を示す。 本発明の方法およびシステムの性能を評価するために本出願人によって実施された実験テストの結果を示す。 本発明の方法およびシステムの性能を評価するために本出願人によって実施された実験テストの結果を示す。 本発明の方法およびシステムの性能を評価するために本出願人によって実施された実験テストの結果を示す。 本発明の方法およびシステムの性能を評価するために本出願人によって実施された実験テストの結果を示す。 本発明の方法およびシステムの性能を評価するために本出願人によって実施された実験テストの結果を示す。 3つの異なる転動面の特性曲線の3つの例を用いた接触摩擦/スリップのグラフを示し、2つの接触摩擦閾値と2つの接触摩擦/スリップ基準曲線とを使用する本発明の一実施形態による推定アルゴリズムの動作を概略的に示す図である。 3つの異なる転動面の特性曲線の3つの例を用いた接触摩擦/スリップのグラフを示し、2つのスリップ閾値と2つの接触摩擦との両方、および2つの接触摩擦/スリップ基準曲線を使用する本発明の一実施形態による推定アルゴリズムの動作を概略的に示す。
以下の説明では、図面を説明するために、同じ機能を有する構造的要素を示すために同一の参照番号を使用する。
図2は、車両タイヤと転動面との間の発生可能摩擦を推定するためのシステム(全体を参照番号100で示される)を示す。
システム100は、本発明による推定を実施するために構成された少なくとも1つの処理モジュールを含む。
この少なくとも1つの処理モジュールは、適切に構成されたハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアによって実装することができる。
例えば、システム100は、監視モジュール150と、接触摩擦μを推定するためのモジュール110と、運動量ε/αを推定するためのモジュール120と、メモリ130と、発生可能摩擦μを推定するためのモジュール140とを含むことがある。
監視モジュール150は、車両に搭載しておよび/またはタイヤ上に位置決めすることができ、タイヤと転動面との接触面で交換される長手方向および/または横方向の力、タイヤに作用する垂直負荷、長手方向スリップ、および/またはタイヤのドリフト角に相関される物理量を(典型的には信号獲得によって)検出して処理するように構成される。
モジュール110は、監視モジュール150によって検出される量に基づいて、長手方向および/または横方向接触摩擦μを決定するように構成される。
モジュール120は、監視モジュール150によって検出される量に基づいて、タイヤの(長手方向)スリップεおよび/またはドリフト角αを決定するように構成される。
メモリ130は、所定の接触摩擦/運動量基準曲線μ(ε/α)と、所定の運動量および/または接触摩擦閾値ε/μthiとを記憶する。
また、メモリ130は、本発明の推定方法に従って推定される発生可能摩擦値、および/またはモジュール110および120によって決定される運動量および/または接触摩擦値を記憶することもできる。
モジュール140は、本発明の教示に従って、モジュール110、120、および130によって提供されるデータに基づいて発生可能摩擦μの推定アルゴリズムを実行するように構成される。
また、図2の例において、モジュール110、120、130、140、150が個別の実体として示されている場合、それらは、単一のモジュールまたは異なる数のモジュールを形成することができ、および/または図示されているのとは異なる方法で組み合わせることができることに留意されたい。
好ましくは、モジュール110、120、および140は、所定の時点で(例えば、車輪の各回転毎に、または所定の頻度に従って)前述の決定/推定を実施するように構成される。
監視モジュール150は、転動中にタイヤが受ける変形を検出するのに適した、タイヤに位置決めされた監視デバイス(例えば、トレッドと逆側のタイヤ部分でタイヤの内面に関連付けられる2軸または3軸タイプの加速度計を含む)、および/またはGPS受信機、および/またはABSエンコーダ、および/またはフォニックホイール、および/またはジャイロスコープを含むことができる。
タイヤと転動面との接触面で交換される長手方向の力Fおよび横方向の力F、ならびにタイヤに作用する垂直負荷Fは、例えば、タイヤが受ける変形を検出するのに適した、タイヤに位置決めされた前述の監視デバイスによって提供されるデータを使用することによって決定することができる。
関係:
ε=(ωR−V)/ωR(加速時)またはε=(ωR−V)/V(減速時)
によって定義される長手方向スリップεは、例えば、各タイヤの転動速度ωRを決定するためにABSエンコーダまたはフォニックホイールによって提供されるデータと、車両の前進運動の速度Vを決定するためにGPSによって提供されるデータとを使用して決定することができる。
さらに、ドリフト角αは、例えばジャイロスコープおよび/または加速度計によって提供されるデータを使用して決定することができる。
説明を簡単にするために、本明細書では以後、長手方向接触摩擦(タイヤと転動面との接触面で交換される長手方向の力Fとタイヤに作用する垂直負荷Fとの比として定義される)および(長手方向)スリップεのデータからの発生可能摩擦の推定に言及する。
図3および図4は、本発明の一実施形態による発生可能摩擦の推定アルゴリズムの動作原理を概略的に示す。
この実施形態によれば、アルゴリズムは、(例えば、車輪の各回転毎に、または所定の頻度に従って実施される)以下のステップを含む。
a)モジュール110および120によって提供される接触摩擦F/Fと現行スリップεの値によって与えられるタイヤの現行作業点を決定するステップ;
b)現行スリップεを、メモリ130によって提供されるスリップの第1の閾値εと比較するステップ;
c)現行スリップεが前記第1の閾値εよりも小さい場合、発生可能摩擦の推定値が取得できない(N.A.)ことを示す出力を提供するステップ。場合により、自由転動条件が存在すると判断することが可能であった場合には、自由転動条件で機能する発生可能摩擦の推定アルゴリズムを使用することができる;
d)現行スリップεが前記第1の閾値εよりも大きい場合、現行スリップεを、メモリ130によって提供されるスリップの第2の閾値ε(ε>ε)とも比較するステップ;
e)現行スリップεが前記第1の閾値εと前記第2の閾値εの間に含まれる場合、かつ
e1)前記作業点が、発生可能摩擦の第1の基準値μp1に対応する第1の接触摩擦/スリップ基準曲線よりも上にある場合には、発生可能摩擦の値が前記第1の基準値μp1以下であることを排除し、すなわち、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の第1の基準値μp1よりも大きい(μ>μp1)と判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常には低くない」(NVL)ことを示す結果を提供するステップ;
e2)前記作業点が、前記第1の基準曲線よりも下にある、または前記第1の基準曲線上にある場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1以下である(μ≦μp1)と判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常に低い」(VL)ことを示す結果を提供するステップ;
f)現行スリップεが前記第2の閾値εよりも大きい場合、
f1)前記作業点が、発生可能摩擦の第2の基準値μp2に対応する第2の接触摩擦/スリップ基準曲線よりも上にある(μp2>μp1)場合には、発生可能摩擦の値が前記第2の値μp2以下であることを排除し、すなわち、発生可能摩擦が発生可能摩擦の第2の基準値μp2よりも大きい(μ>μp2)と判断し、出力で、発生可能摩擦が「低くない」(NL)ことを示す結果を提供するステップ;
f2)前記作業点が、前記第1の基準曲線と前記第2の基準曲線の間に含まれる場合には、発生可能摩擦の値が非常に低いことを排除し、すなわち、発生可能摩擦の値が前記第1の基準値μp1と前記第2の基準値μp2の間に含まれる(μp1<μ≦μp2)と判断し、出力で、発生可能摩擦が「低い」(L)ことを示す結果を提供するステップ;
f3)前記作業点が、前記第1の基準曲線よりも下にある、または前記第1の基準曲線上にある場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1以下である(μ≦μp1)と判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常に低い」(VL)ことを示す結果を提供するステップ。
図3は、発生可能摩擦の第1の基準値μp1に対応する第1の基準曲線(μp1=約0.2);発生可能摩擦の第2の基準値μp2に対応する第2の基準曲線(μp2=約0.4);μp2よりも大きい発生可能摩擦の値μp3(この例では、μp3=約1)に対応する第3の接触摩擦(F/F)/スリップ(ε)曲線;および第1のスリップ閾値εと第2のスリップ閾値ε(それぞれ0.7%と1.2%)を示す。εとεでの垂直線は、平面(F/F)/εを3つの垂直作業領域に分割する。すなわち、ε<εを有する第1の領域。ここでは、接触摩擦/スリップ曲線が並んでおり、実質的に区別不能である;ε<ε<εを有する第2の領域。ここでは、より低い発生可能摩擦(μp1、約0.2)での第1の基準曲線が、より高い発生可能摩擦である、それよりも上の他の曲線から区別可能になる;およびε>εを有する第3の領域。ここでは、発生可能摩擦μp2での第2の基準曲線も、より高い発生可能摩擦である、それよりも上の他の曲線から区別可能になる。
第1の閾値εは、より低い発生可能摩擦μp1に対応する第1の基準曲線が、より高い発生可能摩擦に対応する他の曲線から実質的に区別可能になるスリップ値に対応する。さらに、第2の閾値εは、μp1よりも高い発生可能摩擦μp2に対応する第2の基準曲線が、μp2よりも高い発生可能摩擦μp3である第3の曲線から実質的に区別可能になるスリップ値に対応する。第2の閾値εが定義された後、第3の曲線は、発生可能摩擦の推定アルゴリズムのこの実施形態によって使用されないことが観察される。したがって、メモリ130にそのような曲線を記憶する必要はない。
第1の領域では、本説明のアルゴリズムのこの実施形態による発生可能摩擦の推定は、取得できない(N.A.)。
第2の領域では、タイヤ−転動面システムは、比較的低い(ε<ε<ε)スリップ(長手方向加速度値aに対応する)遷移転動条件内にある。この領域では、アルゴリズムは、2つの領域、すなわち発生可能摩擦が「非常には低くない」(μ>μp1)領域NVLと、発生可能摩擦が「非常に低い」(μ≦μp1)領域VLとを区別することが可能である。発生可能摩擦μ>μp1を有する曲線は、この領域内では依然として並んでおり、したがって、アルゴリズムのこの実施形態では、さらなる情報を得ることは可能でない。
第3の領域では、タイヤ−転動面システムは、より高い(ε>ε)スリップ(長手方向加速度値aに対応する)を有する遷移転動条件内にある。この領域では、アルゴリズムは、3つの領域、すなわち発生可能摩擦が「低くない」(μ>μp2)領域NLと、発生可能摩擦が「低い」(μp1<μ≦μp2)領域Lと、発生可能摩擦が「非常に低い」(μ≦μp1)領域とを区別することが可能である。
本発明のアルゴリズムの特性によれば、発生可能摩擦の推定は、漸進的論理に従って実施され、これは、遷移転動条件が進行するにつれて(例えば長手方向加速度値aの絶対値の増加と共に)連続的な判別レベルによって進められる。
特に、図4を参照すると、自由転動条件(例えば、ほぼ一定の低速での直線転動)から遷移転動条件(レベル1)に移るとき、発生可能摩擦の2つの領域VLとNVL(「非常に低い」と「非常には低くない」)を判別することが可能であり、次いで遷移転動条件が進行するとき、発生可能摩擦の3つの領域VL、L、およびNL(「非常に低い」、「低い」、および「低くない」)を判別するように対応することが可能である(レベル2)。
タイヤと転動面との間の発生可能摩擦μは、スリップ値が増加するにつれてより高い精度で推定されるが、高いスリップおよび/または接触摩擦値に達する必要はない。
漸進的論理により、より低い発生可能摩擦を有する第1の基準曲線がより高い発生可能摩擦を有する他の基準曲線から区別可能になる領域に接触摩擦およびスリップの利用可能なデータが入るとすぐに、発生可能摩擦に関する有用な情報を得る(すなわち、比較的低い加速度/減速度値に関して既に、非常に低い発生可能摩擦を有する危険な状況を排除し始める)ことが可能である。次いで、現行の接触摩擦および/または運動量値が増加するにつれて、さらに他の基準曲線が、より高い発生可能摩擦を有するそれぞれの基準曲線から区別可能になるとき、発生可能摩擦に関するさらに正確な情報を得ることが可能である。
実験結果の説明によって後述もするように、本発明は、比較的低いスリップ(長手方向加速度)値での高リスク状況を迅速に排除することが可能であり、現行の発生可能摩擦値をより高い精度で決定するためにより高いスリップ(長手方向加速度)値が利用可能になるのを待機する必要はない。
さらに、対象の表面の発生可能摩擦値とは大きく異なる接触摩擦値での中程度〜高い発生可能摩擦を有する転動面を識別することを可能にする。
ある基準曲線を他の基準曲線から区別することができる可能性は、好ましくは、監視モジュール150によって得られた実験データのばらつき/精度を考慮に入れることによって確立される。実験データの精度および信頼度が大きいほど、スリップ閾値εおよびεをより小さくすることができ、第1および第2の基準曲線の間の発生可能摩擦の差Δμp1/2(Δμp1/2=μp2−μp1)をより小さくすることができる。
一例として、現在利用可能なセンサを考えると、基準曲線は、Δμ/2が少なくとも0.15に等しくなるように、より好ましくは0.30未満(例えば、0.20)になるように選択することができる。
好ましくは、第1の基準曲線、すなわち最低の発生可能摩擦μp1に対応する基準曲線は、μp1が少なくとも0.15に等しくなるように、より好ましくは0.15≦μp1<0.3になるように選択される。
好ましくは、第2の基準曲線、すなわちμp1よりも大きい発生可能摩擦μp2に対応する基準曲線は、μp2が少なくとも0.35に等しくなるように、より好ましくは0.35≦μp2<0.50になるように選択される。
好ましくは、第1の基準曲線、すなわち最低の発生可能摩擦μp1に対応する基準曲線は、第1の閾値εが0.5%≦ε≦0.9%の範囲内になるように選択される。
好ましくは、第2の基準曲線、すなわち発生可能摩擦μp2>μp1に対応する基準曲線は、第2の閾値εが0.9%≦ε≦1.5%(ε>ε)の範囲内になるように選択される。
実験データのばらつき/精度を考慮に入れるために、接触摩擦/スリップ基準曲線は、好ましくは所定の不確定性帯域を伴って考慮される。例えば、発生可能摩擦μp1を有する第1の基準曲線の場合、発生可能摩擦μp1+Δμ(例えば、0.05<Δμ<0.1)を有する基準曲線よりも下、またはその基準曲線上にある作業点は全て、μp1以下の発生可能摩擦を有する点とみなされる。同じことが、発生可能摩擦μp2を有する第2の基準曲線にも当てはまる。
一例として、2つのスリップ閾値εおよびε、発生可能摩擦μp1およびμ2を有する2つの基準曲線、ならびにεおよびεによって定義される3つの作業領域を考慮して、発生可能摩擦の推定アルゴリズムを説明してきたことに留意されたい。
しかし、本発明のアルゴリズムは、それぞれのN個の基準曲線上で選択されるN(N>2)個のスリップ閾値を考慮して実施することができ、したがってN+1個の作業領域を定義する。N個のスリップ閾値は、それぞれのN個の基準曲線が、より高い発生可能摩擦を有する基準曲線から実質的に区別可能になるスリップ値にそれぞれ対応する。メモリ130には、好ましくは、N個の基準曲線およびN個のスリップ閾値が記憶される。発生可能摩擦μpΝを有する基準曲線Nが発生可能摩擦μpΝ+1>μpΝを有する基準曲線N+1から実質的に区別可能になるスリップ値に対応する閾値εが定義されると、メモリ130に曲線N+1も記憶する必要はない。閾値ε〜εi+1(1≦i<N)によって定義される各領域において、アルゴリズムは、i個の基準曲線によって定義される発生可能摩擦値のi+1個の領域を判別することが可能であり、これらは、そのような領域において、より高い発生可能摩擦を有する基準曲線から区別可能である。したがって、Nが増加するにつれて、アルゴリズムは、増加するスリップ値εに関して、発生可能摩擦のさらに多数の領域を区別することが可能になる。
例えば、発生可能摩擦μp3>μp2を有する第3の基準曲線が、より高い発生可能摩擦を有する基準曲線から実質的に区別可能になるスリップ値に対応する第3のスリップ閾値εの場合、第3の基準曲線は、好ましくは、μp3>0.55、より好ましくは0.55≦μp2≦0.8、および/または1.5%≦ε≦2.5%になるように選択することができる。
一般に、3つ以上の閾値/曲線が存在するとき、そのような曲線は、最高値を有するスリップ閾値が好ましくは約5%以下であるように選択される。
また、発生可能摩擦の推定アルゴリズムを、接触摩擦F/Fおよび(長手方向)スリップを参照して本明細書で詳細に述べるが、本発明のアルゴリズムは、全く同様に、横方向接触摩擦(タイヤと転動面との接触面で交換される長手方向の力Fと、タイヤに作用する垂直負荷Fとの比として定義される)およびドリフト角αのデータから発生可能摩擦の推定が実施される場合にも当てはまることに留意されたい。
この場合、第1の基準曲線、すなわち最低の発生可能摩擦μp1に対応する基準曲線は、好ましくは、第1の閾値αが0.5°≦α≦1.2°の範囲内になるように選択される。
好ましくは、第2の基準曲線、すなわち発生可能摩擦μp2(>μp1)に対応する基準曲線は、第2の閾値αが1.2°≦α≦2.5°(α>α)の範囲内になるように選択される。
好ましい実施形態では、発生可能摩擦の推定アルゴリズムは、タイヤ−転動面システムの所定の条件に応じて、発生可能摩擦を、横方向接触摩擦およびドリフト角αのデータから決定するか、および/または長手方向接触摩擦およびスリップεのデータから決定するかを確立するように構成される。
例えば、発生可能摩擦の推定アルゴリズムは、タイヤの横方向加速度が絶対値で所定の横方向加速度値(例えば1m/s)よりも大きいとき、横方向接触摩擦およびドリフト角αのデータを使用するように構成することができ、またはタイヤの横方向加速度が絶対値で前記所定の横方向加速度値(例えば1m/s)よりも小さく、タイヤの長手方向加速度が絶対値で所定の長手方向加速度値(例えば0.2m/s)よりも大きいとき、長手方向接触摩擦および(長手方向)スリップεのデータを使用するように構成することができる。
本発明の性能を評価するために、本出願人は実験テストを実施した。実験テストにおいて、2つのスリップ閾値(ε=0.7%、ε=1.2%)および2つの基準曲線(約0.2のμp1、約0.4のμp2)を用いた図3に示されるタイプの本発明の一実施形態による推定アルゴリズムを使用して、発生可能摩擦値を推定した。
テストは、様々な転動面上を走行するVolvo S60車両に取り付けられたPirelli PZero(商標)タイヤを用いて実施した。
図5は、直線転動で、20km/hの速度から最大加速度1m/sで加速させた車両に関して、長手方向ダイナミクス(フォニックホイールによって得られたスリップデータを用いた接触摩擦および長手方向スリップ)について、測定された発生可能摩擦μが約0.2である濡れた花崗岩の転動面上で右前輪で得られた結果を示す。
車輪回転数、および実施された全車輪回転数に対する車輪回転数のパーセンテージに関して結果が提供される。
見て分かるように、テストされた条件において、システムは、車輪回転数の32%に関しては実質的な自由転動の領域(ε<0.7%)にあり、車輪回転数の35%に関しては低スリップ領域(0.7%≦ε<1.2%)にあり、車輪回転数の33%に関してはより高スリップ領域(ε≧1.2%)にあった。したがって、アルゴリズムは、実施された車輪回転数の68%に関して推定結果を提供することが可能であった。
低スリップ領域(0.7%≦ε<1.2%)では、アルゴリズムは、そのような領域で実施された391回転のうち390回転(99.74%)で、適正な結果(VL、発生可能摩擦μ≦0.2、「非常に低い」)を提供した。高スリップ領域(ε≧1.2%)では、アルゴリズムは、そのような領域で実施された365回転のうち347回転(95.07%)で、適正な結果を提供した。この領域で生じた18個のエラーは、「低い」発生可能摩擦値(L、0.2<μ≦0.4)の推定として生じた。他方、アルゴリズムは、「低くない」発生可能摩擦値(NL、μ>0.4)の推定を提供しなかった。
図6aは、発生可能摩擦μ=0.85および最大加速度3m/sを有する乾燥したセメントの転動面上でテストが実施されたことを除いて、図5に示される結果を与えたテストと同様の条件で得られた結果を示す。
見て分かるように、テストされた条件において、システムは、車輪回転数の28%に関しては実質的な自由転動の条件(ε<0.7%)にあり、車輪回転数の67%に関しては低スリップ領域(0.7%≦ε<1.2%)にあり、車輪回転数の5%に関してはより高スリップ領域(ε≧1.2%)にあった。したがって、アルゴリズムは、実施された車輪回転数の72%に関して推定結果を提供することが可能であった。
低スリップ領域(0.7%≦ε<1.2%)では、アルゴリズムは、そのような領域で実施された719回転のうち714回転(99.30%)で、適正な結果(NVL、発生可能摩擦μ>0.2、「非常には低くない」)を提供した。高スリップ領域(ε≧1.2%)では、アルゴリズムは、そのような領域で実施された52回転のうち52回転(100.00%)で、適正な結果(NL、発生可能摩擦μ>0.2、「低くない」)を提供した。
図6bは、フォニックホイールを用いてではなく監視デバイスによってスリップが得られたことを除き、図6aに示される結果をもたらしたテストと同じ条件で得られた結果を示す。監視デバイスは、トレッドと逆側の部分でタイヤの内面に位置決めされ、転動中にタイヤが受ける変形を検出するために3軸加速度計を装備された。
この場合、低スリップ領域(0.7%≦ε<1.2%)では、アルゴリズムは、そのような領域で実施された719回転のうち716回転(99.58%)で、適正な結果(NVL、発生可能摩擦μ>0.2、「非常には低くない」)を提供した。残りのデータは、図6aに示されるデータと同様である。
図7a〜図7dは、ABSシステムの作動に関する本発明による推定アルゴリズムのテストの結果を示す。
テストは、Volvo S60車両に取り付けられたPirelli PZero(商標)タイヤを用いて実施した。
特に、図7aは、高グリップ表面(乾燥したアスファルト、μ=約1)上での直線転動条件での(横軸に示される)走行時間(単位は秒)中の車両の速度の推移を示す。図7bは、対応する加速度値を示す。図7cおよび図7dは、それぞれ車両の左前輪および右前輪に関して、本発明による推定アルゴリズムによって推定される発生可能摩擦のレベルを示す。図中、約7.5秒での垂直な破線は、ABSの作動の瞬間を表す。見て分かるように、本発明による推定アルゴリズムは、ABSの介入前に、発生可能摩擦の第1の推定値(μ>0.2、「非常には低くない」、NVL)を提供することが可能である。
車両が低い発生可能摩擦の条件にあるか高い発生可能摩擦の条件にあるかどうかに従って様々な介入論理によって動作するABSシステムでは、そのような情報は、2つの論理のどちらが採用されるかをシステムが事前に(場合によっては実際の作動前でさえ)知るために非常に有用となり得る。
図8は、車両に関して、長手方向ダイナミクスについて、図3に示されるタイプの本発明の一実施形態による推定アルゴリズムによって、2つのスリップ閾値(ε=0.7%、ε=1.2%)および2つの基準曲線(μp1=約0.2、μp2=約0.4)を用いて、乾燥したアスファルト(μ=約1)上でVolvo S60車両に取り付けられたPirelli PZero(商標)タイヤで得られた発生可能摩擦の推定結果を示す。
図9は、横方向ダイナミクス、すなわち2つのドリフト角閾値(α=1°、α=2°)および2つの基準曲線(約0.2のμp1、約0.4のμp2)を用いて得られた同様の結果を示す。
図8および図9で、略記NA、VL、NVL、NLは、それぞれ、取得できない、非常に低い(μ≦0.2)、非常には低くない(μ>0.2)、低い(0.2≦μ<0.4)、または低くない(μ>0.4)推定結果を示す。
対象の乾燥したアスファルト表面(約1のμp1)に関して予想された結果は、領域ε≦ε<εまたはα≦α<αにおける比較的低い加速度値に関するNVL(μ>0.2)、および領域ε>εまたはα>αにおけるより高い加速度値に関するNL(μ>0.4)であった。
図8では、本発明による推定アルゴリズムの基礎を成す漸進的論理に従って得られた適正な結果(NVLおよびNL)のパーセンテージは、合計で85%に達する。図9では、結果の80%が、発生可能摩擦NL(μ>0.4)の領域内にある。
取得できない結果のパーセンテージは、いずれにせよ10%未満である。
以下の表1は、Volvo S60車両に取り付けられたPirelli PZero(商標)タイヤを用いて、様々な転動面に関して、スリップ閾値ε=0.7%およびε=1.2%を達するのに必要な長手方向加速度/減速度値と接触摩擦/発生可能摩擦μとの比を示す。
見て分かるように、第1の閾値εに達し、本発明による推定アルゴリズムを作動させるのに必要とされる加速度/減速度値は比較的低い。例えば、都市走行では、長手方向加速度0.7m/sが時間の30%を超えることがあると考えられる。さらに、典型的には、標準の制動は、約2〜3m/sの減速度に関わる。
また、閾値εに達するときの接触摩擦/発生可能摩擦の得られるパーセンテージは、いずれにせよ50%未満であることに留意されたい。これは、本発明による推定アルゴリズムが、対象の表面の発生可能摩擦値に達する十分に前に常に作動されることを意味する。さらに、閾値εに達したときの接触摩擦/発生可能摩擦の得られるパーセンテージは、40〜80%の間に含まれる。したがって、本発明による推定アルゴリズムは、対象の表面の発生可能摩擦値に達するはるかに前に、発生可能摩擦の3つの領域を区別することが可能である高スリップ領域に達するように対応した。以下の表2は、横方向ダイナミクス(横方向接触摩擦F/Fおよびドリフト角α)、ドリフト角閾値α=1°およびα=2°、3つの転動面、および横方向加速度値を考慮することを除き、表1と同様の結果を示す。
発生可能摩擦の推定アルゴリズムを、スリップ閾値εを考察して一例として上述したことに留意されたい。
しかし、本発明のアルゴリズムは、前述のスリップ閾値ではなく、接触摩擦閾値を考慮して、完全に同様に実施することができる。
このタイプの実装の一実施形態が図10に概略的に示されており、この図は、発生可能摩擦の第1の基準値μp1(μp1は約0.2である)に対応する第1の基準曲線;発生可能摩擦の第2の基準値μp2(μp2は約0.4である)に対応する第2の基準曲線;発生可能摩擦の第3の基準値μp3(μp3>μp2(この例ではμp3は約1である))に対応する第3の基準曲線;および接触摩擦の第1の閾値μth1と第2の閾値μth2(μth2>μp2>μth1)を示す。
スリップ閾値を参照して上述したのと同様に、第1の閾値μth1は、より低い発生可能摩擦μp1に対応する第1の基準曲線が、より高い発生可能摩擦μp2、μp3に対応する他の曲線から実質的に区別可能になる接触摩擦の値に対応する。さらに、第2の閾値μth2は、μp1よりも大きい発生可能摩擦μp2での第2の基準曲線が、より高い発生可能摩擦μp3に対応する第3の基準曲線から実質的に区別可能になる接触摩擦の値に対応する。
好ましくは、第1の基準曲線は、μp1が少なくとも0.15に等しくなるように、より好ましくは0.15≦μp1≦0.3になるように選択される。
好ましくは、第2の基準曲線は、μp2が少なくとも0.35に等しくなるように、より好ましくは0.35≦μp2<0.50になるように選択される。
好ましくは、第1の基準曲線は、第1の閾値μth1が、範囲0.05≦μth1≦0.20内(この例ではμth1=0.15)になるように選択される。
好ましくは、第2の基準曲線は、第2の閾値μth2が、0.25≦μth2≦0.40(この例では、μth2=0.3)の範囲内になるように選択される。
図10の実施形態によれば、アルゴリズムは、(例えば、各車輪回転毎に、または所定の頻度に従って実施される)以下のステップを含む。
a)モジュール110および120によって提供される接触摩擦F/Fと現行スリップεの値によって与えられるタイヤの現行作業点を決定するステップ;
b)接触摩擦F/Fを、メモリ130によって提供される接触摩擦の第1の閾値μth1と比較するステップ;
c)接触摩擦F/Fが前記第1の閾値μth1よりも小さい場合、発生可能摩擦の推定値が取得できない(N.A.)ことを示す出力を提供するステップ;
d)接触摩擦F/Fが前記第1の閾値μth1よりも大きい場合、接触摩擦F/Fを、メモリ130によって提供される第1の閾値μth2とも比較するステップ;
e)接触摩擦F/Fが前記第1の閾値μth1と前記第2の閾値μth2の間に含まれる場合、かつ
e1)前記作業点が、発生可能摩擦の第1の基準値μp1に対応する第1の接触摩擦/スリップ基準曲線よりも上にある場合には、発生可能摩擦の値が前記第1の基準値μp1以下であることを排除し、すなわち、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の第1の基準値μp1よりも大きいと判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常には低くない」(NVL、μ>μp1)ことを示す結果を提供するステップ;
e2)前記作業点が、前記第1の基準曲線よりも下にある、または前記第1の基準曲線上にある場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1以下であると判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常に低い」(VL、μ≦μp1)ことを示す結果を提供するステップ;
f)接触摩擦F/Fが前記第2の閾値μth2よりも大きい場合、
f1)前記作業点が、発生可能摩擦の第2の基準値μp2に対応する第2の接触摩擦/スリップ基準曲線よりも上にある場合には、発生可能摩擦の値が前記第2の基準値μp2以下であることを排除し、すなわち、発生可能摩擦が発生可能摩擦の第2の基準値μp2よりも大きいと判断し、出力で、発生可能摩擦が「低くない」(NL、μ>μp2)ことを示す結果を提供するステップ;
f2)前記作業点が、前記第1の基準曲線と前記第2の基準曲線の間に含まれる(すなわち、第2の基準曲線よりも下にある、または第2の基準曲線上にある)場合には、発生可能摩擦の値が非常に低いことを排除し、すなわち、発生可能摩擦の値が、前記第1の基準値μp1と前記第2の基準値μp2の間に含まれると判断し、出力で、発生可能摩擦が「低い」(L、μp1<μ≦μp2)ことを示す結果を提供するステップ。
発生可能摩擦の推定アルゴリズムを、スリップ閾値εまたは接触摩擦閾値μを考察して一例として上述したことに留意されたい。
1つまたは他のタイプの閾値の使用は、例えば、実験データの精度および/または信頼度に基づいて、および/または所定の性能要件に基づいて設定することができる。例えば、接触摩擦のデータの精度/信頼度がより高い場合、接触摩擦閾値を使用することが好ましいことがある。他方、スリップのデータの精度/信頼度のより高い場合、スリップ閾値を使用することが好ましいことがある。
さらに、発生可能摩擦の低い値(すなわち低いスリップ値)をより迅速に判別することが必要とされる用途では、スリップ閾値を使用することが好ましいことがある。他方、発生可能摩擦の高い値をより迅速に判別することが必要とされる用途では、接触摩擦閾値を使用することが好ましいことがある。
また、好ましい実施形態によれば、本発明のアルゴリズムは、接触摩擦閾値とスリップ(またはドリフト)閾値との両方を考慮しながら、図3および図10を参照して上述したものと全く同様に実施することができることに留意されたい。
このタイプの実装の一例が図11に概略的に示される。図11には、図10の基準曲線および発生可能摩擦閾値μth1およびμth2に加えて、図3に示されるものと同様のスリップ閾値εおよびεが示されている。
図11の実施形態によれば、(発生可能摩擦閾値μth1およびμth2と、スリップ閾値εおよびεとを用いて決定される作業点を比較する)アルゴリズムは、発生可能摩擦の以下の5つの領域を識別することが可能である。すなわち、μ<μth1かつε<εによって定義される領域N.A.(「取得不能」)。ここでは、アルゴリズムは、発生可能摩擦の推定を提供することが不可能である;μth1<μ<μth2、ε<ε、かつ第1の基準曲線よりも上の作業点によって定義される領域NVL。ここでは、アルゴリズムは、「非常には低くない」(μ>μp1)という発生可能摩擦の推定を提供する;ε>ε、かつ第1の基準曲線上またはそれよりも下の作業点によって定義される領域VL。ここでは、アルゴリズムは、「非常に低い」(μ≦μp1)という発生可能摩擦の推定を提供する;ε>ε、かつ第1および第2の基準曲線の間に含まれる作業点によって定義される領域L。ここでは、アルゴリズムは、「低い」(μp1<μ≦μ2)という発生可能摩擦の推定を提供する;μ>μth2、かつ第2の基準曲線よりも上の作業点によって定義される領域NL。ここでは、アルゴリズムは、「低くない」(μ>μp2)という発生可能摩擦の推定を提供する。
特に、アルゴリズムは、(例えば、各車輪回転毎に、または所定の頻度に従って実施される)以下のステップを含む。
1)モジュール110および120によって提供される接触摩擦F/Fと現行スリップεの値によって与えられるタイヤの現行作業点を決定するステップ;
2)現行スリップεをスリップの第1の閾値εと比較し、接触摩擦F/Fを接触摩擦の第1の閾値μth1と比較するステップ;
3)現行スリップεと接触摩擦F/Fとの両方がそれぞれの第1の閾値εおよびμth1よりも下である場合、発生可能摩擦の推定値が取得できない(N.A.)ことを示す出力を提供し、および/または自由転動条件で動作する発生可能摩擦の推定アルゴリズムを参照するステップ;
4)現行スリップεのみが第1の閾値εよりも小さい場合、
− 接触摩擦F/Fが第1および第2の接触摩擦閾値μth1およびμth2との間に含まれる場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の第1の値μp1よりも大きいと判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常には低くない」(NVL、μ>μp1)ことを示す結果を提供するステップ;
− 接触摩擦F/Fが第2の閾値μth2よりも大きい場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の第2の基準値μp2よりも大きいと判断し、出力で、発生可能摩擦が「低くない」(NL、μ>μp2)ことを示す結果を提供するステップ;
5)現行スリップεが、第1および第2の閾値εvεの間に含まれる場合、
− 作業点が、第1の接触摩擦/スリップ基準曲線よりも上にある場合、かつ接触摩擦F/Fが第1および第2の接触摩擦閾値μth1およびμth2の間に含まれる場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の第1の基準値μp1よりも大きいと判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常には低くない」(NVL、μ>μp1)ことを示す結果を提供するステップ;
− 作業点が第1の接触摩擦/スリップ基準曲線よりも上にある場合、かつ接触摩擦F/Fが第2の接触摩擦閾値μth2よりも大きい場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の第2の基準値μp2よりも大きいと判断し、出力で、発生可能摩擦が「低くない」(NL、μ>μp2)ことを示す結果を提供するステップ;
− 作業点が前記第1の基準曲線よりも下にある、または前記第1の基準曲線上にある場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μ以下であると判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常に低い」(VL、μ≦μp1)ことを示す結果を提供するステップ;
6)現行スリップεが第2の閾値εよりも大きい場合、図3および図4を参照して点f1)〜f3)で述べたように進むステップ。
同様に、点4)〜6)に従って進む代わりに、推定アルゴリズムは、点3)の後、以下のように進むこともできる。
4’)接触摩擦F/Fが、第1の閾値μth1よりも小さい場合、
− 現行スリップεがスリップの第1の閾値εよりも大きい場合、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の第1の基準値μp1以下であると判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常に低い」(VL、μ≦μp1)ことを示す結果を提供するステップ;
5’)接触摩擦F/Fが第1および第2の閾値μth1およびμth2の間に含まれる場合、
− 作業点が、前記第1の基準曲線よりも下にある、または前記第1の基準曲線上にある場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1以下であると判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常に低い」(VL、μ≦μp1)ことを示す結果を提供するステップ;
− 現行スリップεがスリップの第2の閾値εよりも小さい場合、かつ作業点が第1の接触摩擦/スリップ基準曲線よりも上にある場合には、発生可能摩擦の値が発生可能摩擦の第1の基準値μp1よりも大きいと判断し、出力で、発生可能摩擦が「非常には低くない」(NVL、μ>μp1)ことを示す結果を提供するステップ;
− 現行スリップεがスリップの第2の閾値εよりも大きい場合、かつ作業点が第1の接触摩擦/スリップ基準曲線よりも上にある場合には、発生可能摩擦の値が前記第1の基準値μp1と前記第2の基準値μp2の間に含まれると判断し、出力で、発生可能摩擦が「低い」(L、μp1<μ≦μp2)ことを示す結果を提供するステップ;
6’)接触摩擦F/Fが第2の閾値μth2よりも大きい場合、図10を参照して点f1)〜f2)で述べたように進むステップ。
図3および図10の例で判別される領域と、図11の例で判別される領域との比較から分かるように、スリップ閾値と接触摩擦閾値との両方の使用が、発生可能摩擦をより詳細に推定することを可能にする。
さらに、現実の表面に対する摩擦曲線が数値基準曲線(知られているモデルによって導出可能であり、メモリ130に表現/定義されている)によって表されるものとは異なることがあることを考慮して、本出願人は、スリップ閾値と接触摩擦閾値との併用によって、発生可能摩擦のより正確な推定値が得られることが保証されると考える。
図3の実施形態を参照して既に上述したように、図10および図11の実施形態の発生可能摩擦の推定アルゴリズムを、接触摩擦F/Fおよび(長手方向)スリップを参照して詳細に述べてきたが、本発明の推定アルゴリズムは、全く同様に、横方向接触摩擦F/Fおよびドリフト角αのデータから発生可能摩擦の推定が実施される場合にも当てはまることを理解すべきである。
その様々な実施形態において、タイヤ−転動面システムの発生可能摩擦のリアルタイムでの推定を実施することを可能にする本発明は、車両のダイナミクスの能動制御システムにおいて、および先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance Systems)、例えばアダプティブクルーズコントロールシステム、衝突回避システム、プリクラッシュシステム、アンチロックブレーキシステム(ABS)などに関して非常に有用であり得る。
例えば、既に上述したように、車両が低い発生可能摩擦の条件にあるか高い発生可能摩擦の条件にあるかに従って異なる介入論理によって動作するABSシステムにおいて、本発明による推定アルゴリズムは、2つの論理のどちらが採用されるかをABSシステムが事前に(場合によってはその作動前でさえ)知ることができるようにするのに非常に重要となり得る。
さらに、安全な距離を推定および制御する、またはスリップしやすい状況を示すためのシステムの場合、本発明による推定アルゴリズムは、そのようなシステムが、発生可能摩擦のリアルタイムでの推定を用いて動作できるようにするのに非常に有用であることがあり、誤警報の提供を避ける。そのような誤警報は、ユーザにとって煩わしく、または最悪の場合、生じ得る危険な状況をユーザに信号通知できなくする。
また、本発明による推定アルゴリズムは、改良された性能を得るために他の技術と共に使用することもできる。例えば、自由転動条件で発生可能摩擦を決定するための技術、および/またはタイヤ−転動面システムの状態(例えば転動面の粗さ)およびそれらの変化を認識することが可能な技術と共に使用することができる。この場合、交差論理の使用は、有利には、車両がもはや遷移転動状態で走行していないときでさえ、タイヤ−転動面システムの条件が実質的に変わらない限り、本発明の推定方法を用いて推定される発生可能摩擦のデータの利用を可能にすることができる。

Claims (23)

  1. タイヤと転動面との間の発生可能摩擦μを推定する方法であって、
    − μp2>μp1である発生可能摩擦の第1および第2の基準値μp1、μp2にそれぞれ対応する第1および第2の接触摩擦/運動量基準曲線を提供するステップと、
    − 第1および第2の運動量閾値または第1および第2の接触摩擦閾値を提供するステップであって、前記第1の閾値が、前記第1の基準曲線が前記第2の基準曲線から実質的に区別可能であるそれぞれ運動量値または接触摩擦値に対応し、かつ前記第2の閾値が、前記第2の基準曲線が少なくとも1つの第3の基準曲線から実質的に区別可能であるそれぞれ運動量値または接触摩擦値に対応し、前記少なくとも1つの第3の基準曲線が、発生可能摩擦の第3の基準値μp3に対応し、μp3>μp2であるステップと、
    − 前記タイヤと前記転動面との間の前記接触摩擦μを決定するステップと、
    − 前記タイヤと前記転動面との間の運動量の現行値を決定するステップと、
    − 前記接触摩擦μと前記運動量の前記現行値とによって与えられる現行作業点を決定するステップと、
    − それぞれ、前記運動量の前記現行値を前記第1および前記第2の運動量閾値と比較する、または前記接触摩擦μを前記第1および前記第2の接触摩擦閾値と比較するステップと、
    − 前記運動量の前記現行値または前記接触摩擦μが前記それぞれの第1および第2の閾値の間に含まれる場合、前記第1の基準曲線を用いて前記発生可能摩擦を推定するステップであって、
    前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上である場合、前記発生可能摩擦の前記値が前記第1の基準値μp1よりも大きいと判断するステップ、および
    − 前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上でない場合、前記発生可能摩擦の前記値が前記第1の基準値μ p1 以下であると判断するステップ、
    を含む、推定するステップと、
    − 前記運動量の前記現行値または前記接触摩擦μが前記それぞれの第2の閾値よりも大きい場合、前記第1および第2の基準曲線を用いて前記発生可能摩擦を推定するステップであって、
    前記作業点が前記第2の基準曲線よりも上である場合、前記発生可能摩擦の前記値が発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2よりも大きいと判断するステップ
    前記作業点が前記第1および前記第2の基準曲線の間に含まれる場合、前記発生可能摩擦の前記値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1と発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2との間に含まれると判断するステップ、および
    前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上でない場合、前記発生可能摩擦の前記値が前記第1の基準値μp1以下であると判断するステッ
    を含む、推定するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記第1の接触摩擦/運動量基準曲線が、0.3以下の発生可能摩擦の基準値μp1に対応するように選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の接触摩擦/運動量基準曲線が、少なくとも0.15に等しい発生可能摩擦の基準値μp1に対応するように選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第2の接触摩擦/運動量基準曲線が、0.35〜0.5の間に含まれる発生可能摩擦の基準値μp2に対応するように選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1の接触摩擦閾値が、発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1よりも小さい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1の基準曲線が、前記第1の接触摩擦閾値が0.05〜0.2の間に含まれるように選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第2の接触摩擦閾値が、発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1よりも大きく、かつ発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2よりも小さい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第2の基準曲線が、前記第2の接触摩擦値が0.25〜0.4の間に含まれるように選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第1および前記第2の運動量閾値と前記第1および前記第2の接触摩擦閾値との両方が提供され、および前記運動量の前記現行値が、前記第1の運動量閾値よりも小さい場合、
    − 前記接触摩擦μが前記第1および前記第2の接触摩擦閾値の間に含まれている場合には、前記発生可能摩擦の前記値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1よりも大きいと判断し;
    − 前記接触摩擦μが前記第2の接触摩擦閾値よりも大きい場合には、前記発生可能摩擦の前記値が発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2よりも大きいと判断する、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記運動量の前記現行値が前記第1および前記第2の運動量閾値の間に含まれている場合、かつ前記接触摩擦μが前記第2の接触摩擦閾値よりも大きい場合、前記発生可能摩擦の前記値が発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2よりも大きいと判断する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第1および前記第2の運動量閾値と前記第1および前記第2の接触摩擦閾値との両方が提供され、および前記接触摩擦が、前記第1の接触摩擦閾値よりも小さい場合、
    − 前記運動量の前記現行値が前記第1の運動量閾値よりも大きい場合には、前記発生可能摩擦の前記値が前記第1の基準値μp1以下であると判断する、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記接触摩擦が前記第1および前記第2の接触摩擦閾値の間に含まれている場合、かつ前記運動量の前記現行値が前記第2の運動量閾値よりも大きく、かつ前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上である場合、前記発生可能摩擦の前記値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1と前記第2の基準値μp2との間に含まれると判断する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1および前記第2の運動量閾値と前記第1および前記第2の接触摩擦閾値との両方が提供され、および前記接触摩擦が前記第1の接触摩擦閾値よりも小さく、かつ前記運動量の前記現行値が前記第1の運動量閾値よりも小さい場合、前記発生可能摩擦の推定値が取得できないと判断する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記運動量が、前記タイヤのドリフト角αであり、および前記接触摩擦μが、横方向接触摩擦F/Fである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第1の基準曲線が、前記第1の運動量閾値が0.5°〜1.2°の間に含まれるドリフト角に対応するように選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第2の基準曲線が、前記第2の運動量閾値が1.2°〜2.5°の間に含まれるドリフト角に対応するように選択される、請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記運動量が、前記タイヤの長手方向スリップεであり、および前記接触摩擦μが、長手方向接触摩擦F/Fである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記第1の基準曲線が、前記第1の運動量閾値が少なくとも0.5%に等しいスリップに対応するように選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記第2の基準曲線が、前記第2の運動量閾値が少なくとも0.9%に等しいスリップに対応するように選択される、請求項17または18に記載の方法。
  20. 前記タイヤの現行横方向加速度が絶対値で所定の横方向加速度値よりも大きいときに、前記作業点が、横方向接触摩擦F/Fおよびドリフト角αの値から決定される、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記タイヤの現行横方向加速度が絶対値で所定の横方向加速度値よりも小さく、かつ前記タイヤの長手方向加速度が絶対値で所定の長手方向加速度値よりも大きいとき、前記作業点が、長手方向接触摩擦F/Fおよび長手方向スリップεの値から決定される、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記タイヤが、遷移転動条件で、転動面上で回転される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. タイヤと転動面との間の発生可能摩擦を推定するためのシステム(100)であって、
    ・ メモリ(130)であって、μp2>μp1である発生可能摩擦の第1および第2の基準値μp1、μp2にそれぞれ対応する第1および第2の接触摩擦/運動量基準曲線と、第1および第2の運動量閾値または第1および第2の接触摩擦閾値とが記憶され、前記第1の閾値が、前記第1の基準曲線が前記第2の基準曲線から実質的に区別可能であるそれぞれ運動量値または接触摩擦値に対応し、かつ前記第2の閾値が、前記第2の基準曲線が少なくとも1つの第3の基準曲線から実質的に区別可能であるそれぞれ運動量値または接触摩擦値に対応し、前記少なくとも1つの第3の基準曲線が、発生可能摩擦の第3の基準値μp3に対応し、μp3>μp2である、メモリ(130)と、
    ・ 少なくとも1つの処理モジュール(110、120、140、150)であって、
    − 前記タイヤと前記転動面との間の前記接触摩擦μを決定し、
    − 前記タイヤと前記転動面との間の運動量の現行値を決定し、
    − 前記接触摩擦μと前記運動量の前記現行値とによって与えられる現行作業点を決定し、
    − それぞれ、前記運動量の前記現行値を前記第1および前記第2の運動量閾値と比較し、または前記接触摩擦μを前記第1および前記第2の接触摩擦閾値と比較し、
    − 前記運動量の前記現行値または前記接触摩擦μが前記それぞれの第1および第2の閾値の間に含まれる場合、前記第1の基準曲線を用いて前記発生可能摩擦を推定し、
    − 前記運動量の前記現行値または前記接触摩擦μが前記それぞれの第2の閾値よりも大きい場合、前記第1および第2の基準曲線を用いて前記発生可能摩擦を推定する
    ように構成される、少なくとも1つの処理モジュール(110、120、140、150)と
    を含むシステム(100)であって、
    前記第1の基準曲線を用いて前記発生可能摩擦を推定することは、
    − 前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上である場合、前記発生可能摩擦の前記値が前記第1の基準値μ p1 よりも大きいと判断すること、および
    − 前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上でない場合、前記発生可能摩擦の前記値が前記第1の基準値μ p1 以下であると判断すること、
    を含み、
    前記第1および第2の基準曲線を用いて前記発生可能摩擦を推定することは、
    − 前記作業点が前記第2の基準曲線よりも上である場合、前記発生可能摩擦の前記値が発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2よりも大きいと判断すること、
    − 前記作業点が前記第1および前記第2の基準曲線の間に含まれる場合、前記発生可能摩擦の前記値が発生可能摩擦の前記第1の基準値μp1と発生可能摩擦の前記第2の基準値μp2との間に含まれると判断すること、および
    − 前記作業点が前記第1の基準曲線よりも上でない場合、前記発生可能摩擦の前記値が前記第1の基準値μp1以下であると判断すること
    を含む、システム(100)。
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