JP6091868B2 - ズームレンズ - Google Patents
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Description
さらに、上記構成において、レンズシフト方式により手振れ補正を行うズームレンズが知られている(特許文献1)。
例えば、特許文献1においては、第2群中の像側群を手振れ補正群とし、第3群をフォーカス群としている。
ここで、実際にズームレンズを製品とする際には、第1群と第4群と固定しておいて、移動が必要な第2群と第3群とをユニット構成にすることが考えられる。そして、第2群と第3群とからなるユニットにVCM(ボイスコイルモータ)を組み込んで、VCMにより合焦動作を高速化することが好ましい。
しかしながら、特許文献1の構成では、前述のように、望遠端としたときに第2群と第3群とが大きく離れてしまうので、第2群と第3群とからなるユニットにVCMを組み込むような構成は採用できない。
また、特許文献1においては、第4群が一枚のレンズで構成されるところ、最終群が一枚レンズでは性能確保が困難である。
また、特許文献2、3においては、第3群をフォーカス群とすることでインナーフォーカスを実現しているが、手振れ補正機能を持たせる群がない。
物体側より順に、
負の屈折力を有する第1レンズ群、
正の屈折力を有する第2レンズ群、
負の屈折力を有する第3レンズ群、および、
正の屈折力を有する第4レンズ群を備え、
広角端から望遠端への変倍の際、前記第1レンズ群及び第4レンズ群が光軸方向において固定されるズームレンズであって、
前記第2レンズ群は、物体側より順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群と正の屈折力を有する第2Bレンズ群とを有し、前記第2Bレンズ群を光軸方向に移動させることで近接物体から無限物体に対して合焦機能を持たせ、
前記第3レンズ群を光軸に対して垂直な方向にシフトすることによって像をシフトさせる
ことを特徴とする。
図1は、本発明に係るズームレンズを示す図である。
(なお、図1は、実施例1に従って設計したものである。実施例1の詳細な設計値は後記を参照されたい。)
ズームレンズは、物体側より順に、
負の屈折力を有する第1レンズ群G1、
正の屈折力を有する第2レンズ群G2、
負の屈折力を有する第3レンズ群G3、
正の屈折力を有する第4レンズ群G4、で構成されている。
IPは像面を表し、本ズームレンズを、交換レンズシステムカメラ、監視カメラ、ビデオカメラまたはデジタルスチルカメラの撮影光学系として使用する際には、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面に相当する。
本ズームレンズを銀塩フィルム用カメラの光学系に使用する場合、像面IPはフィルム面に相当する。
すなわち、
第1レンズ群G1と第2Aレンズ群G2Aとの間隔、
第2レンズ群G2Aと第2Bレンズ群G2Bとの間隔、
第2Bレンズ群G2Bと第3レンズ群G3との間隔、
第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔、がいずれも変化するように、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3が光軸に沿った方向にそれぞれ移動する。
また、第2群レンズG2の後ろ側群(第2Bレンズ群G2B)に合焦機能を持たせることでインナーフォーカスを実現している。
また、第3レンズ群G3を光軸に対して垂直な方向にシフトさせることによって、像をシフトさせることが可能な構成となっている。
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負レンズを2枚配置することで負の屈折力を分散させ、特に広角位置での軸第収差の補正を容易にしている。
更には第1レンズ群に非球面形状を含む面を少なくとも1面有することで、特に広角位置での軸外収差の補正を良好にすることができる。
好ましくは非球面形状を含むレンズは第1レンズ群の物体側より2番目の負レンズに設けることが、非球面形状を有するレンズの小型化も図ることが出来るので望ましい。
また第1レンズ群G1に物体側に凸面を向けた正レンズを配置することで、第1レンズ群G1で発生する色収差や望遠端での球面収差の補正を容易にしている。
(条件式1)の上限値を超えて第1レンズ群G1の屈折力が弱くなると、第1レンズ群G1のレンズ径が大きくなり、また厚みも大きくなるのでズームレンズが大型化してしまい、好ましくない。
(条件式1)の下限値を下回って第1レンズ群G1の屈折力が強くなると、諸収差を補正することが困難となり、高性能化が図れなくなり好ましくない。
正の屈折力を有する第2Aレンズ群G2Aと、
正の屈折力を有する第2Bレンズ群G2Bと、から構成されている。
第2Aレンズ群G2Aは、物体側に凸面を向けた正レンズと、像側に凹面を向けた負レンズと、で構成されている。
なお、第2Aレンズ群G2は、非球面形状を含む面を少なくとも1面有している。
第2Aレンズ群G2Aは、非球面形状を含む面を少なくとも1面有することで、変倍時に発生する軸外収差の変動を良好に補正することが可能である。
また第2Aレンズ群G2Aは正レンズと負レンズとで構成されることで色収差を良好に補正している。
望ましくは、第2Aレンズ群G2Aを構成している負レンズ群は、物体側に凸面を向けた負レンズに構成することで、変倍時に発生する軸外収差を良好に補正することが可能である。
第2Bレンズ群G2Bは、負レンズと正レンズとの接合レンズで構成されている。第2Bレンズ群G2Bは、物体側より順に負レンズと正レンズとで構成することで、合焦時に発生する色収差の変動を良好に補正している。
望ましくは、接合レンズとすることで、第2Bレンズ群G2Bの構成を小型、簡易化することができる。
第2Bレンズ群G2Bの実線の曲線2baは、無限遠物体に合焦しているときに広角端から望遠端への変倍に伴う際の像面変動を補正するための移動軌跡を示す。
第2Bレンズ群G2Bの点線の曲線2bbは、近距離物体に合焦しているときに広角端から望遠端への変倍に伴う際の像面変動を補正するための移動軌跡を示す。
第3レンズ群G3を光軸に対して垂直な方向にシフトさせることによって、像をシフトさせることが可能な構成となっている。
第3群レンズG3を光軸に垂直な方向に変位可能な構成とすることで優れたブレ補正機能を有することができる。
第3レンズ群G3は正レンズと負レンズとで構成することで、像シフト時に発生する色収差を良好に補正している。
望ましくは、第3レンズ群G3を構成する正レンズは、物体側に凸のメニスカス形状にすることで体積を減らし、重量の軽減を図ることでアクチュエータへの負荷を減らすことが可能となる。
更には接合レンズとすることで構成を簡易化することができる。
f2Aは第2レンズ群G2中の物体側に構成される正の屈折力を有する前記第2Aレンズ群G2Aの焦点距離、
f2Bは第2レンズ群G2中の像側に構成される正の屈折力を有する前記第2Bレンズ群G2Bの焦点距離、
f3は第3レンズ群の焦点距離、
ftは望遠端におけるレンズ系全体での焦点距離、
を表している。
(条件式2)は、フォーカス群である第2Bレンズ群G2Bに最適な合焦機能をもたせるための条件式である。
第2Bレンズ群G2Bに近接物体から無限物体に対する合焦機能を持たせている。
(条件式2)の上限値を超えるとフォーカスレンズ群である第2Bレンズ群G2Bの屈折力が弱くなりすぎてしまい、フォーカス機能での移動量が大きくなることで、ズームレンズとして小型化が図れなくなってしまう為好ましくない。
(条件式2)の下限値を下回ると、フォーカスレンズ群である第2Bレンズ群G2Bの屈折力が強くなりすぎ、フォーカス時の収差変動を良好に補正することが困難になるので好ましくない。
(条件式3)は、性能を確保しつつもフォーカス群を小型化させるための条件式である。
(条件式3)の上限値を超えると、第2Aレンズ群G2Aの屈折力が弱くなりすぎてしまい、フォーカス機能を備える第2Bレンズ群G2Bへの集光作用が弱くなり、結果、第2Bレンズ群G2Bが大きくなることで、重量の増加につながり、ズームレンズの大型化、駆動装置の大型化につながる為好ましくない。
(条件式3)の下限値を下回ると、第2Aレンズ群G2Aの屈折力が強くなりすぎ、変倍時の収差変動を良好に補正することが困難になるので好ましくない。
(条件式4)は、防振群である第3レンズ群G3に最適な防振機能を持たせるための条件式である。
第3レンズ群G3は、像シフト時にシフトすることで像振れを補正している。
(条件式4)の上限値を超えるとシフトレンズ群である第3レンズ群G3の屈折力が弱くなりすぎてしまい、シフト量が大きくなり、駆動に必要な仕事量が増え、駆動機能の小型化が図れなくなってしまう。
(条件式4)の下限値を下回ると、シフトレンズ群である第3レンズ群G3の屈折力が強くなりすぎ、像シフト補正を制御するのが複雑となり、像振れの残りなどが生じて好ましくない。
第4レンズ群G4は、物体側より順に、正レンズと負レンズとを配置することで色収差を補正し、高性能化を図っている。
また、望ましくは、正レンズと負レンズとの接合レンズを配置することで、製造時の組み付け誤差等の影響を少なくし、安定した光学品質を得ることができる。
第4レンズ群G4は、物体側より順に正レンズと負レンズとで構成され、次の条件を満足することが好ましい。
(条件式5)は、最終レンズ群である第4レンズ群について、画質等の性能を確保するための条件式である。
(条件式5)の下限値を下回って第4レンズ群G4の屈折力が強くなると、広角端状態から望遠端状態まで変倍時の収差変動を良好に補正することが困難になるので好ましくない。
(条件式5a)の上限値を超えて第4レンズ群G4の屈折力が弱くなると、射出瞳を遠ざけることが困難になり、撮像素子への入射に強い勾配を持つことで入射光量の低下、カラーフィルタへの誤入射など画質劣化につながるので好ましくない。
表1に、各実施例と各条件式との対応を示した。
riは第i番目の光学面の曲率半径、
diは第i面と第i+1面との面間隔、
ndiとνdiはそれぞれd線に対する第i番目の光学部材の材料の屈折率、アッベ数を示す。
バックフォーカス(BF)は、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算した値である。
レンズ全長は、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカス(BF)を加えた値である。
長さの単位は、mmである。
またKをコーニック定数、A4、A6、A8、A10を非球面係数、光軸からの高さHの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてxとするとき、非球面形状は、
で表示される。
但しRは曲率半径である。また例えば「E-Z」の表示は「10-Z」を意味する。
fは焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角を示す。
表2に実施例1を示す。
また、図1は本発明の数値実施例1の広角端におけるレンズ断面図である。
図2は、数値実施例1の広角端における収差図である。
図3は、数値実施例1の中間のズーム位置における収差図である。
図4は、数値実施例1の望遠端における収差図である。
表3に実施例2を示す。
また、図5は、実施例2の広角端におけるレンズ断面図である。
図6は、実施例2の広角端における収差図である。
図7は、実施例2の中間のズーム位置における収差図である。
図8は、実施例2の望遠端における収差図である。
表4に実施例3を示す。
図9は、実施例3の広角端におけるレンズ断面図である。
図10は、実施例3の広角端における収差図である。
図11は、実施例3の中間のズーム位置における収差図である。
図12は、実施例3の望遠端における収差図である。
表5に実施例4を示す。
また、図13は、実施例4の広角端におけるレンズ断面図である。
図14は、実施例4の広角端における収差図である。
図15は、実施例4の中間のズーム位置における収差図である。
図16は、実施例4の望遠端における収差図である。
表6に実施例5を示す。
また、図17は、実施例5の広角端におけるレンズ断面図である。
図18は、実施例5の広角端における収差図である。
図19は、実施例5の中間のズーム位置における収差図である。
図20は、実施例5の望遠端における収差図である。
Claims (7)
- 物体側より順に、
負の屈折力を有する第1レンズ群、
正の屈折力を有する第2レンズ群、
負の屈折力を有する第3レンズ群、および、
正の屈折力を有する第4レンズ群から構成され、
広角端から望遠端への変倍の際、前記第1レンズ群及び第4レンズ群が光軸方向において固定されるズームレンズであって、
前記第2レンズ群は、物体側より順に、正の屈折力を有する第2Aレンズ群と正の屈折力を有する第2Bレンズ群とを有し、前記第2Bレンズ群を光軸方向に移動させることで近接物体から無限物体に対して合焦機能を持たせ、
前記第3レンズ群を光軸に対して垂直な方向にシフトすることによって像をシフトさせる
ことを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1に記載のズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた二枚の負レンズと、物体側に凸面を向けた正レンズと、を有し、次の条件を満足する
ことを特徴とするズームレンズ。
0.3<|f1/ft|<1.0 ・・・(条件式1)
ここで、
f1は、前記第1レンズ群の焦点距離であり、
ftは望遠端におけるレンズ系全体での焦点距離である。 - 請求項1または請求項2に記載のズームレンズにおいて、
前記第2Aレンズ群は、非球面形状を含む面を少なくとも1面有し、かつ、少なくとも正レンズと負レンズとで構成され、
前記第2Bレンズ群は、物体側から順に負レンズと正レンズとを有し、
さらに、次の条件を満足する
ことを特徴とするズームレンズ
0.3<f2B/ft<1.0 ・・・(条件式2)
0.3<f2A/ft<1.2 ・・・(条件式3)
ここで、
f2Aは前記第2レンズ群中の物体側に構成される正の屈折力を有する前記第2Aレンズ群の焦点距離であり、
f2Bは前記第2レンズ群中の像側に構成される正の屈折力を有する前記第2Bレンズ群の焦点距離である。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のズームレンズにおいて、
前記第3レンズ群は、少なくとも、物体側より順に正レンズおよび負レンズを有しており、かつ、次の条件を満足する
ことを特徴とするズームレンズ。
0.3<f3/ft<1.2 ・・・(条件式4)
ここで、
f3は前記第3レンズ群の焦点距離である。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のズームレンズにおいて、
前記第4レンズ群は、物体側より順に正レンズと負レンズとを有し、かつ、以下の条件を満足する
ことを特徴とするズームレンズ。
1.5<f4/ft ・・・(条件式5)
ここで、f4は前記第4レンズ群の焦点距離である。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のズームレンズと、
前記ズームレンズが形成する光学像を受光して電気的な画像信号に変換する撮像素子と、を備えた撮像装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載のズームレンズを交換レンズとして着脱できる筐体を有し、
前記筐体内に、前記ズームレンズが形成する光学像を受光して電気的な画像信号に変換する撮像素子を収納したカメラ。
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