JP6090683B1 - ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント及びポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの製造方法 - Google Patents

ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント及びポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 強度と柔軟性を十分に兼備するポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントを提供する。【解決手段】 本発明のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含み、前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量が、30万〜60万であり、前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、結合単位A(CF2−CF2)と結合単位B(CH2−CH2)と、を有しており、前記結合単位Aの含有量と前記結合単位Bの含有量の合計が前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対して4モル%を超え8モル%以下である。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント及びポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの製造方法に関する。
従来、フッ化ビニリデンをモノマー単位として構成されたフッ化ビニリデン系樹脂を含むモノフィラメント(ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント)が知られている。ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントは、引張強度、耐衝撃性、耐候性、及び耐水性などの諸特性に優れているだけでなく、比重が大きく、屈折率が水に近く且つ吸水率が低いという特性も有している。そのため、フッ化ビニリデン系樹脂は、様々な工業資材の形成材料として広く用いられており、特に、釣糸や魚網などの水産資材の形成材料として好適に用いられている。
例えば、特許文献1には、フッ化ビニリデンとフッ化ビニリデン以外のモノマー(以下、コモノマーと称する)を重合させた共重合体を含むポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントが開示されている。具体的には、特許文献1には、炭素数が2〜10であり且つ少なくとも一つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルケン由来のモノマーとフッ化ビニリデンを重合させた共重合体を含むポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントが開示されている。
また、特許文献2には、フッ化ビニリデンとコモノマー(六フッ化プロピレン)の共重合体を含み且つ糸径0.5mm以上であるモノフィラメントが開示されており、特許文献3には、フッ化ビニリデンとコモノマー(フッ化オレフィン)の共重合体を含み且つ糸径が0.6〜2.7mmのポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントが開示されている。
ここで、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントは、一般的に、長期間の使用に耐えうる十分な強度(具体的には、引張強度及び結節強度)を有するのみならず、柔軟性を兼備していることが望ましい。特に、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントを釣糸や魚網などの水産資源の形成材料として用いる場合、柔軟性はより重要である。
例えば、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントを釣糸として用いる場合、柔軟性の低いポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントを用いると、道糸をリールに巻いた際に巻癖がついてばらけ易くなり、リールから脱落する虞がある。また、柔軟性の低いポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントをハリスとして用いると、糸結びに時間を要し、作業性が低下することとなる。このような問題は、釣糸であるポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの号数(糸径)が大きくなればなるほどより顕著となる。
しかしながら、特許文献1乃至3に開示されたポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントは、強度(引張強度及び結節強度)と柔軟性を十分に兼備していないという問題があり、更なる改良が求められている。
国際公開第2002/64867号 特許第2571538号公報 特許第4728146号公報
本発明の課題は、強度と柔軟性を十分に兼備するポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント、及びポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの製造方法を提供することである。
本発明者が特許文献1乃至3の問題点について鋭意研究を行ったところ、以下の知見が得られた。
特許文献1のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントについては、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの柔軟性を上げるためにコモノマーを用いているものの、コモノマーを用いることによりポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの強度が不十分となっている。これに対し、コモノマーの添加量を調整することによりポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントに強度と柔軟性を兼備させることも考えられるが、強度を上げるためにコモノマーの添加量を少なくすると柔軟性が不十分になる一方、柔軟性を上げるためにコモノマーの添加量を多くすると強度が不十分になる。また、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの強度を上げるため、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント作製時における延伸倍率を大きくすることにより共重合体の結晶化を促す(配向結晶化を促す)ことや、共重合体の重量平均分子量を上げることが考えられる。しかしながら、延伸倍率を大きくすると、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの柔軟性が下がるのみならずポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント作製時に糸切れが多発する一因となり、重量平均分子量を上げると、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの紡糸性が悪化し、実質的にポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントを作製できない場合がある。
また、特許文献2及び3のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントについては、糸径が比較的大きいため、コモノマーを用いるだけでは柔軟性が不十分である。ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの柔軟性を上げるため、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント作製時における延伸倍率を低くすることで共重合体の結晶化を抑制する(配向結晶化を抑制する)ことが考えられる。しかしながら、延伸倍率を低くするとポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの強度が下がり、強度と柔軟性を十分に兼備させることができない。
このように、特許文献1乃至3では、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの作製において、その強度と柔軟性がトレードオフの関係になり易い。
本発明者は、研究の過程において、重合方法によってポリフッ化ビニリデン系樹脂の物性が異なることを発見した。つまり、ある重合方法によって得られるポリフッ化ビニリデン系樹脂と、他の重合方法によって得られるポリフッ化ビニリデン系樹脂は、強度及び柔軟性が異なることを発見した。
このような知見の下、本発明者は、重合方法によってポリフッ化ビニリデン系樹脂の物性が相違する原因について鋭意研究を行い、その結果、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量及びポリフッ化ビニリデン系樹脂を構成する結合単位の比率が重合方法によって異なることが一因であることを見出し、本発明を創出した。
本発明のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含み、前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量が、30万〜60万であり、前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、後述する式(a)で表される結合単位Aと、後述する式(b)で表される結合単位Bと、を有しており、前記結合単位Aの含有量と前記結合単位Bの含有量の合計が前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対して4モル%を超え8モル%以下である。
本発明のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントは、好ましくは、前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、フッ化ビニリデンの単独重合体である。
また、好ましくは、前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、2.3〜4.0である。
本発明の別の局面によれば、ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの製造方法を提供する。
本発明のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの製造方法は、溶融させたポリフッ化ビニリデン系樹脂をフィラメント状に押し出す押出工程、フィラメント状に押し出したポリフッ化ビニリデン系樹脂を冷却する冷却工程、冷却したポリフッ化ビニリデン系樹脂を延伸する延伸工程と、を有し、前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、30万〜60万の重量平均分子量を有し、且つ、後述する式(a)で表される結合単位Aと、後述する式(b)で表される結合単位Bと、を有しており、前記結合単位Aの含有量と前記結合単位Bの含有量の合計が前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対して4モル%を超え8モル%以下である。
好ましくは、前記押出工程が、紡口パックを有する紡糸ヘッドを用いて、溶融させたポリフッ化ビニリデン系樹脂をフィラメント状に押し出す工程であり、
前記紡口パックが、フィラメント状のポリフッ化ビニリデン系樹脂が吐出される紡口部を有しており、前記押出工程中に前記紡口部が加熱される。
好ましくは、前記冷却工程において、フィラメント状に押し出したポリフッ化ビニリデン系樹脂の冷却条件が、下記式(1)及び(2)を満たす。
式(1):−13A+78A+26≦B≦−13A+78A+46
式(2):C>41ln(A)+64
但し、Aは、製造するモノフィラメントの糸径(mm)を表し、Bは、冷却温度(℃)を表し、Cは、冷却時間(秒)を表し、ln(A)はAの自然対数を表す。
本発明のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含んでおり、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、その重量平均分子量が30万〜60万であり、且つ、結合単位Aと結合単位Bの含有量の合計が4モル%を超え8モル%以下である。そのため、本発明のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントは、強度と柔軟性を十分に兼備する。
本発明のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの製造ラインの一例を示す概略図。 図1に示す製造ラインのうち、押出機と紡糸ヘッドを示す概略拡大図。
以下、本発明のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントについて説明するが、本明細書において、「〜」で結ばれた数値は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。複数の下限値と複数の上限値が別個に記載されている場合、任意の下限値と上限値を選択し、「〜」で結ぶことができる。
また、本明細書では、以降、「ポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント」を単に「モノフィラメント」と略称する。
<モノフィラメントに含まれるポリフッ化ビニリデン系樹脂について>
本発明のモノフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含んでいる。ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化ビニリデンの重合によって形成される下記式(1)で表される繰り返し単位を含む樹脂である。なお、下記式(1)は、便宜上、CH−CFと表されているが、CF−CHも含んでいる。
Figure 0006090683
ポリフッ化ビニリデン系樹脂において、隣り合った繰り返し単位の結合形態は、3種類存在し、これらの結合形態は、それぞれ頭−頭結合、尾−尾結合、及び頭−尾結合と一般的に称される。
頭−頭結合は、下記式(2)で表されるように一方の繰り返し単位に含まれるCFと他方の繰り返し単位に含まれるCFが連結した結合形態である。尾−尾結合は、下記式(3)で表されるように一方の繰り返し単位に含まれるCHと他方の繰り返し単位に含まれるCHが連結した結合形態である。頭−尾結合は、下記式(4)で表されるように一方の繰り返し単位に含まれるCFと他方の繰り返し単位に含まれるCHが連結した結合形態である。
Figure 0006090683
本発明のモノフィラメントに含まれるポリフッ化ビニリデン系樹脂は、式(2)に示す頭−頭結合に由来する下記式(a)で表される結合単位Aと、式(3)に示す尾−尾結合に由来する下記式(b)で表される結合単位Bと、式(4)に示す頭−尾結合に由来する下記式(c)で表される結合単位Cを有する。
Figure 0006090683
本発明者は、鋭意研究の結果、ポリフッ化ビニリデン系樹脂に含まれる上記繰り返し単位の頭−頭結合、頭−尾結合、及び尾−尾結合の比率によってモノフィラメントの強度と柔軟性が大きく変化することを発見した。
そして、本発明者は、試行錯誤の結果、特定の重量平均分子量を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂全体(100モル%)に対して結合単位Aの含有量と結合単位Bの含有量の合計を特定の範囲とした場合に、強度と柔軟性を十分に兼備するモノフィラメントを製造できることを見出した。
具体的には、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対して、結合単位Aと結合単位Bの含有量の合計は、4モル%を超え、好ましくは4.5モル%以上であり、より好ましくは5.0モル%以上である。また、前記含有量の合計の上限値は、8モル%であり、好ましくは7モル%であり、より好ましくは6モル%である。
結合単位Aと結合単位Bの含有量の合計が4モル%以下である場合、強度に優れるものの柔軟性に劣るモノフィラメントが得られ易くなる。他方、結合単位Aと結合単位Bの含有量の合計が8モル%を上回る場合、柔軟性に優れるものの強度に劣るモノフィラメントが得られ易くなる。
なお、ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対する結合単位Aの含有量と結合単位Bの含有量は、それぞれ、19F−NMR(核磁気共鳴)法を用いたスペクトル解析によって測定することができる。具体的な測定方法は、本明細書の実施例の欄に記す。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対する結合単位A及び結合単位Bの含有量の多寡によってモノフィラメントの強度と柔軟性が変動する理由は明らかではないが、本発明者はその一因について以下のように推測している。
通常、モノフィラメントは、溶融紡糸によって得られる。つまり、モノフィラメントは、溶融した樹脂(ポリフッ化ビニリデン系樹脂)をフィラメント状にし、これを冷却・固化して得られた原糸を延伸する工程を経て製造される。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対して結合単位Aの含有量と結合単位Bの含有量の合計が4モル%以下である場合、溶融したフィラメント状のポリフッ化ビニリデン系樹脂を冷却・固化した後、延伸する過程において、ポリフッ化ビニリデン系樹脂フィラメントの配向度及び結晶化度が高くなる。その結果、柔軟性に劣るモノフィラメントが得られ易くなると考えられる。
他方、結合単位Aの含有量と結合単位Bの含有量の合計が8モル%を上回る場合、溶融したフィラメント状のポリフッ化ビニリデン系樹脂を冷却・固化した後、延伸する過程において、ポリフッ化ビニリデン系フィラメントの配向度及び結晶化度が低くなる。そのため、結合単位Aと結合単位Bの含有量の合計が8モル%を上回る原糸を延伸しても強度に劣るモノフィラメントが得られ易くなると考えられる。
この点、ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対する結合単位A及び結合単位Bの含有量の合計が4モル%を超え8モル%以下であると、ポリフッ化ビニリデン系樹脂フィラメントの配向度と結晶化度が適度となり易く、その結果、強度と柔軟性を十分に兼備するモノフィラメントが得られると考えられる。
本発明では、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量の下限値は、30万であり、好ましくは33万であり、より好ましくは36万である。また、その上限値は、60万であり、好ましくは50万であり、より好ましくは45万である。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量が30万を下回ると、モノフィラメントの強度(特に引張強度が低下)する虞がある。
また、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量が60万を上回ると、溶融状態におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂の粘度が大きくなり過ぎ、溶融紡糸によってモノフィラメントを製造することが困難である。
なお、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
本発明で用いられるポリフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化ビニリデンの単独重合体(ポリフッ化ビニリデン)であってもよいし、フッ化ビニリデンとコモノマーの共重合体であってもよい。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂がポリフッ化ビニリデンである場合、ポリフッ化ビニリデンは、実質的に上記式(1)で表される繰り返し単位のみから構成されている。ポリフッ化ビニリデン中において、結合単位A及びBを除く他の結合単位は、全て結合単位Cである。
他方、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が共重合体である場合、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、上記式(1)で表される繰り返し単位の他、コモノマー由来の繰り返し単位を含んでいる。
共重合体としては、例えば、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体、及びフッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で用いることもでき、2種以上を混合して用いることもできる。
共重合体中において、コモノマー由来の繰り返し単位の含有量は特に限定されないが、ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体(100モル%)に対して10モル%以下であることが好ましく、より好ましくは5モル%以下であり、さらに好ましくは3モル%以下であり、特に好ましくは1モル%以下である。
コモノマー由来の繰り返し単位が10モル%を超えて含まれていると、モノフィラメントの物性がフッ化ビニリデン以外のコモノマーによって影響を受けやすくなり、強度と柔軟性を十分に兼備したモノフィラメントが得られ難くなる虞がある。
本発明では、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、実質的に上記式(1)で表される繰り返し単位のみから構成された、フッ化ビニリデンの単独重合体(ポリフッ化ビニリデン)であることが好ましい。ポリフッ化ビニリデンを用いることにより、モノフィラメントの物性がコモノマーの影響を受けなくなるためである。
なお、「実質的に式(1)で表される繰り返し単位のみから構成された」とは、ポリフッ化ビニリデンが、完全に式(1)で表される繰り返し単位のみから構成されている場合のみならず、本発明の技術分野で許容される程度にコモノマー由来の繰り返し単位を微量に含んでいる場合を含む。具体的には、コモノマー由来の繰り返し単位が、0.2モル%以下含まれている場合を含み、好ましくは0.1モル%以下含まれている場合を含み、より好ましくは0.05モル%以下含まれている場合を含む。
モノフィラメントに含まれる樹脂成分は、実質的にポリフッ化ビニリデン系樹脂のみであってもよく、ポリフッ化ビニリデン系樹脂に加え、ポリフッ化ビニリデン系樹脂以外の樹脂成分を含んでいてもよい。もっとも、モノフィラメントの物性がポリフッ化ビニリデン系樹脂以外の樹脂成分によって影響されないように、モノフィラメントに含まれる樹脂成分は、実質的にポリフッ化ビニリデン系樹脂のみであることが好ましい。
なお、「モノフィラメントに含まれる樹脂成分が、実質的にポリフッ化ビニリデン系樹脂のみである」とは、フィラメントに含まれる樹脂成分が完全にポリフッ化ビニリデン系樹脂だけである場合だけでなく、ポリフッ化ビニリデン系樹脂に加え、本発明の技術分野で許容される程度にポリフッ化ビニリデン系樹脂以外の樹脂成分が微量に混合されている場合を含む。
具体的には、フィラメントに含まれる樹脂成分全体に対して、ポリフッ化ビニリデン系樹脂以外の樹脂成分が1質量%以下混合されている場合を含み、好ましくは0.5質量%以下混合されている場合を含み、より好ましくは0.1質量%以下混合されている場合を含む。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂以外の樹脂成分としては、ポリフッ化ビニリデンと親和性の高いフッ素系樹脂を用いることが好ましい。
このようなフッ素系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを挙げることができる。
本発明のモノフィラメントは、樹脂成分以外に添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、顔料、可塑剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、耐候剤、耐光剤、結晶化抑制剤、金属化合物、比重調整剤、撥水処理剤、親水処理剤などが挙げられる。例えば、樹脂成分に顔料を混合することにより、モノフィラメントの視認性を向上させたり、或いは、より魚の食い気を誘う色調に着色したりすることができる。
また、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂において、多分散度の下限値は特に限定されないが、好ましくは2.3であり、より好ましくは2.4であり、特に好ましくは3.0である。また、多分散度の上限値は4.0であり、より好ましくは3.5である。
なお、多分散度は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量(Mw)をその数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)である。ポリフッ化ビニリデン系樹脂の数平均分子量は、重量平均分子量と同様にGPCを用いて測定することができる。
多分散度が2.3を下回る場合、モノフィラメントの柔軟性と耐摩耗性が低下する虞がある。他方、多分散度が4.0を超えるポリフッ化ビニリデン系樹脂は、溶融紡糸の際に糸切れを生じ易く、溶融紡糸によってモノフィラメントを製造することが困難である。
このように、本発明のモノフィラメントは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含んでおり、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、その重量平均分子量が30万〜60万であり、且つ、ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対する結合単位Aの含有量と結合単位Bの含有量の合計が4モル%を超え8モル%以下である。そのため、本発明のモノフィラメントは、優れた強度と柔軟性を有する。
<モノフィラメントの製造方法>
本発明のモノフィラメントの製造方法の一例について説明する。もっとも、本発明のモノフィラメントは、以下の製造方法で製造されたものに限定されない。モノフィラメントの製造方法は、以下の工程A乃至Dを含んでいる。
(工程A)ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶融及び混練し、フィラメント状に押し出す押出工程。
(工程B)フィラメント状に押し出したポリフッ化ビニリデン系樹脂を冷却し未延伸の原糸を得る冷却工程。
(工程C)未延伸の原糸を延伸する延伸工程。
(工程D)延伸した原糸を加熱し収縮させる緩和工程。
図1は、本発明のモノフィラメントが有するモノフィラメントの製造工程を模式的に示す概要図であり、図2はその部分拡大概要図である。
モノフィラメントF3は、例えば、図1に示すような一連の工程によって連続的に製造される。つまり、押出機1によって溶融及び混練されたポリフッ化ビニリデン系樹脂は、押出機1の吐出口に連結された紡糸ヘッド2を介して溶融フィラメントF1とされる。その後、溶融フィラメントF1を冷却槽3によって冷却して未延伸の原糸F2を得る。その後、液槽42を有する第1延伸装置4及び第1乾熱槽52を有する第2延伸装置5によって原糸を2段延伸し、これを第2乾熱槽6によって加熱して収縮させることでモノフィラメントF3が得られる。得られたモノフィラメントF3は、最終的に巻き取り機7に巻き取られ保管される。以下、図1及び図2を適宜参照しつつ各工程について詳述する。
[工程A]
本工程では、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶融及び混練し、フィラメント状に押し出す工程である。本工程を経て得られるフィラメント状のポリフッ化ビニリデン系樹脂(以下、溶融フィラメントと称する)は、30万〜60万の重量平均分子量を有すると共に、上記式(a)で表される結合単位A及び上記式(b)で表される結合単位Bを有しており、結合単位Aの含有量と結合単位Bの含有量の合計が、ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体(100モル%)に対して4モルを超え8モル%以下である。
このような重量平均分子量並びに結合単位A及びBの含有量を具備するポリフッ化ビニリデン系樹脂は、例えば、懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂と乳化重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂を押出機1によって溶融及び混練することによって得ることができる。
懸濁重合法は、水中に分散したモノマーを重合させることによりビーズ状の樹脂を得る方法であり、乳化重合法とは、モノマーに乳化剤(界面活性剤)を添加して重合させることにより樹脂を得る方法である。
懸濁重合法では、比較的低温(50℃以下)でモノマーが重合される。懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂は、結合単位A及びBの含有量が少なくなり易く且つ重量平均分子量も低くなり易い傾向にある。他方、乳化重合法では、比較的高温(120℃程度)でモノマーが重合される。乳化重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂は、結合単位A及びBの含有量が多くなり易く且つ重量平均分子量も大きくなり易い傾向にある。
そのため、懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂と乳化重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶融及び混練することにより、重量平均分子量が30万〜60万で且つ結合単位A及びBの含有量の合計が4モル%を超え8モル%以下のポリフッ化ビニリデン系樹脂を容易に準備することができる。
また、懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂は、多分散度が小さくなり易い傾向にあるのに対し、乳化重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂は、多分散度が大きくなり易い傾向にある。
そのため、懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂と乳化重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶融及び混練することにより、多分散度が2.3〜4.0のポリフッ化ビニリデン系樹脂を容易に得ることができる。
また、乳化重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂は、懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂に比して、溶融時における樹脂の流動性が低く、押出機1の内部で異常滞留が生じる虞がある。他方、懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂は、溶融時における樹脂の流動性が非常に高く、モノフィラメントの製造中に糸切れが生じる虞がある。
この点、懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂と乳化重合法によって重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂とを溶融及び適宜混練することにより、押出機1の内部における異常滞留及び糸切れの両方を効果的に防止することができる。
もっとも、本発明では、必ずしも乳化重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂と懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂を併用しなくてはいけないわけではなく、乳化重合法又は懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂のみを用いてもよい。なお、懸濁重合法よりも乳化重合法の方が、上述した重量平均分子量並びに結合単位A及びBの含有量を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂を得やすい。
溶融フィラメントに含まれる、懸濁重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂と乳化重合法で重合されたポリフッ化ビニリデン系樹脂の各含有量は特に限定されないが、通常、溶融フィラメント全体に対して前者が0〜50質量%であり、後者が50〜100質量%である。この含有量は、各重合法によって得られた樹脂の平均重合分子量並びに結合単位A及びBの含有量を測定した後に適宜設定することが可能である。
また、工程Aでは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂だけでなく、上述したポリフッ化ビニリデン系樹脂以外の樹脂を共に溶融及び混練してもよい。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶融及び混練には、通常、押出機1の内部に設けられた加熱シリンダー11及びスクリュー12が用いられる。
具体的には、ホッパー13を介して押出機1の内部に導入されたポリフッ化ビニリデン系樹脂は、加熱シリンダー11によって溶融され且つスクリュー12によって混練されながら押出機1の吐出口へ向かって送り出される。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂の混練が不十分であると、製造するモノフィラメントF3の強度と柔軟性がその長手方向に亘って均質とならない虞があるため、スクリュー12の選択は非常に重要である。スクリュー12は、混練する樹脂の性質に合わせて適宜選択することができ、本発明では高剪断タイプのスクリューが用いられることが好ましい。高剪断タイプのスクリューとしては、例えば、バリアタイプのスクリュー、ソリッドヘッド分離タイプのスクリュー、内部帰還タイプのスクリューなどが挙げられる。バリアタイプのスクリューは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を強く剪断するために、加熱シリンダー11との間隙(クリアランス)を狭くしたエレメントを最下流部に設置したスクリューである。
加熱シリンダー11による加熱温度は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が十分に溶融可能であれば特に限定されないが、好ましくは220℃〜300℃であり、好ましくは240℃〜290℃である。加熱温度が220℃未満であると、溶融樹脂の粘度が高すぎて糸切れを生じる虞がある。他方、加熱温度が300℃を超えるとポリフッ化ビニリデン系樹脂が変性によって異物化する虞がある。
押出機1によって溶融・混練されたポリフッ化ビニリデン系樹脂は、その吐出口に設けられた紡糸ヘッド2に送り出される。紡糸ヘッド2は、紡糸ヘッド本体21と紡糸ヘッド本体21に取り付けられた紡口パック22を有しており、紡糸ヘッド本体21の内部には、ギアポンプ211が設けられている。図2に示すように、紡糸ヘッド2に送り出されたポリフッ化ビニリデンは、ギアポンプ211によって一定の流量で紡口パック22に送り出される。紡口パック22は、ポリフッ化ビニリデンに含まれる異物(例えば、ポリフッ化ビニリデンの熱変性によって生じる異物)を漉し取ると共に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を一定の糸径を有する溶融フィラメントF1に成形する部材である。
本発明では、好ましくは、紡糸ヘッド本体21の入口からギアポンプ211に至る配管の中途部、及び、ギアポンプ211から紡口パック22に至る配管の中途部のうち少なくとも何れか一方の中途部に静止型混合機212(スタティックミキサー)が取り付けられており、より好ましくは図2に示すように、紡糸ヘッド2の入口からギアポンプ211に至る配管の中途部、及び、ギアポンプ211から紡口パック22に至る配管の中途部に静止型混合機212が取り付けられている。
静止型混合機212は、押出機1が備えるスクリュー12とは異なり、モーターによって駆動しない混合機である。静止型混合機212は、例えば、矩形の板部材を所定角度でねじった形状のミキシングエレメントを複数有している。具体的には、矩形の板状体を右に180°ねじった形状の右ミキシングエレメントと、同部材を左に180°ねじった形状の左ミキシングエレメントが、管内の長手方向に交互に配置されている。このようなミキシングエレメントの連続構造によって、配管を流れる溶融樹脂の分割、転換及び反転作用が繰り返され、その結果、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が均一に混練される。
静止型混合機212としては、例えば、ニュースタティックミキサー(東京日進ジャバラ(株)製)、ラモンドスーパーミキサー(環境科学工業(株)製)、ノリタケスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド製)などの市販のものを用いることができる。
静止型混合機212に含まれるミキシングエレメントの数は特に限定されず、紡糸ヘッド本体21の内部においてポリフッ化ビニリデン系樹脂が流れる配管の内径や、ギアポンプ211の圧力などを考慮して適宜設定することができる。ミキシングエレメントの数が多ければ多いほどポリフッ化ビニリデン系樹脂をより均一に混練できる。しかし、ミキシングエレメントの数が多ければ圧力損失が大きくなり、溶融フィラメントF1を適度な圧力で紡口パック22から押し出すことができない虞がある。これを考慮すると、ミキシングエレメントの数は、4〜12個であることが好ましい。
静止型混合機212を用いることにより、押出機1のスクリュー12のみを用いるよりも、より均一にポリフッ化ビニリデン系樹脂を混練することができ、溶融フィラメントF1の糸切れをより効果的に防ぐことができる。
紡糸ヘッド本体21の吐出口から吐出された溶融ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、紡糸ヘッド本体21の吐出口に設けられた紡口パック22に送り出される。紡口パック22は、上窄まりな内部空間を有する筒状の蓋体23と、蓋体23の下端開口部に設けられた目皿24と、目皿24の下方に設けられた紡口部25と、紡口パック22を加熱する紡口ヒーター26と、を有する。なお、特に図示しないが、紡口部25は、紡口ホルダーによって蓋体23に連結されており、蓋体23は、蓋体ホルダーによって紡糸ヘッド本体21の吐出口に連結されている。
溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂は、蓋体23の内部空間を通った後、目皿24に含まれるフィルター27によって異物が漉し採られる。その後、溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂は、紡口部25から溶融フィラメントF1として吐出される。紡口部25は、溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂が吐出される吐出孔28を備え、且つ、目皿24の下端部を覆う部材である。紡口部25は、通常、金属製であり、それ故、口金とも称される。
ここで、吐出孔28から吐出される溶融フィラメントF1は、メルトフラクチャー現象を生じる場合や、内部に空洞が発生する場合がある。溶融フィラメントF1がメルトフラクチャー現象を生じると、溶融フィラメントF1の表面に微細な凹凸が発生するため、製造したモノフィラメントF3の表面にザラツキ感が生じ、その結果、モノフィラメントF3の取り扱い性や耐摩耗性が低下する虞がある。また、溶融フィラメントF1の内部に空洞が発生すると、モノフィラメントF3の強度が低下する虞がある。
一般的に、溶融フィラメントF1のメルトフラクチャー現象及び空洞の発生を抑制するため、押出機1の加熱シリンダー11による加熱温度や紡糸ヘッド本体21の温度を上げる(例えば、300℃以上とする)ことが知られているが、加熱温度を上げ過ぎると、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が変性し易くなる。
この点、本発明者は、メルトフラクチャー現象及び空洞の発生は、紡口パック22、特に紡口部25の温度が、紡糸ヘッド本体21から紡口パック22に送り出される溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂の温度と大きく異なる場合に発生し易いことを知見し、この知見に基づき、紡口パック22を加熱することで、紡口パック22に送りだされる溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂と紡口パック22(特に、紡口部25)の温度差を低減させることにより、溶融フィラメントF1がメルトフラクチャー現象を生じ難くなり、且つ、溶融フィラメントF1の内部に空洞が発生し難くなることを見出した。
本実施形態では、紡口パック22の紡口部25の近傍に(図2では、紡口部25の周囲に)紡口ヒーター26が設けられており、この紡口ヒーター26によって紡口部25が溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂と同程度の温度となるように加熱されている。紡口ヒーター26は特に限定されないが、例えば、バンドヒーターやアルミ鋳込みヒーターなどが用いられる。
紡口部25の加熱温度は、紡口パック22に送り出される溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂の温度に合わせて適宜変更することができる。好ましくは、紡口部25の加熱温度は、溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂の温度の±20℃であり、より好ましくは±10℃であり、特に好ましくは±5℃である。なお、紡口パック22に送り出される溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂の温度は紡糸ヘッド本体21の温度と略等しい。そのため、モノフィラメントの製造中に、溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂の温度を測定することが難しい場合、紡糸ヘッド本体21の温度を溶融したポリフッ化ビニリデン系樹脂の温度として採用することができる。
紡口パック22を加熱することにより、溶融フィラメントF1に対するメルトフラクチャー現象及び空洞の発生を抑制できるため、加熱シリンダー11や紡糸ヘッド本体21の温度を上げすぎることなく、溶融フィラメントF1を製造できる。そのため、加熱シリンダー11や紡糸ヘッド本体21の過度な加熱によるポリフッ化ビニリデン系樹脂の変性を効果的に防止でき、溶融フィラメントF1の糸切れを防ぐことができる。
なお、紡口ヒーター26の位置は、紡口パック22を加熱できることを条件に適宜変更することができる。例えば、紡口ヒーター26は、蓋体23の周囲に設けてもよい(図示せず)。もっとも、本発明者の知見によれば、メルトフラクチャー現象を効果的に防止するには、紡口部25を加熱することが最も望ましく、それ故、紡口ヒーター26は、図2で示すように、紡口部25の周囲に配置されているとが望ましい。一般的に、紡口部25は、外気によって温度低下し易く、且つ、溶融フィラメントF1が吐出される吐出孔28を有しているため、溶融フィラメントF1のメルトフラクチャー現象の発生に最も影響する部材であるためである。
[工程B]
工程Bでは、工程Aを経て製造された溶融フィラメントF1を冷却し原糸F2を得る。
具体的には、図1に示すように、紡口パック22の紡口部25の吐出孔28から吐出された溶融フィラメントF1は、冷却液が満たされた冷却槽3に導入され、冷却液によって冷却されて固化することにより未延伸状態の原糸F2となる。冷却によって得られた未延伸状態の原糸F2は、搬送ローラー31などの搬送手段を介して冷却槽3から引き上げられる。
本工程で用いられる冷却液は、特に限定されないが、水、グリセリン、ポリエチレングリコールなどポリフッ化ビニリデン系樹脂と不活性な液体が用いられる。
冷却液の温度(冷却温度)と冷却液に浸す時間(冷却時間)は、特に限定されない。もっとも、本発明者が見出したところによると、最終的に製造するモノフィラメントF3の糸径(目標とするモノフィラメントF3の糸径)によって、最適な冷却温度と冷却時間が異なり、冷却温度と冷却時間が不適であると、本工程で製造した原糸F2の内部に空洞が発生し易くなるだけでなく、原糸F2が白化することによりモノフィラメントの透明性が低下する虞がある。
本発明者が、最終的に製造するモノフィラメントF3の糸径に対する最適な冷却時間と冷却温度を探索したところ、以下の式(1)及び式(2)を満たす冷却条件が好ましいことを見出した。
式(1):−13A+78A+26≦B≦−13A+78A+46
式(2):C>41ln(A)+64
但し、Aは、製造するモノフィラメントの糸径(mm)を表し、Bは、冷却温度(℃)を表し、Cは、冷却時間(秒)を表す。また、ln(A)はAの自然対数を表す。なお、41ln(A)の表記は、41×ln(A)を意味する。
なお、冷却時間の上限値は特に限定されないが、好ましくは、式(3)を満たすことが好ましい。
式(3):C<41ln(A)+100
[工程C]
工程Cでは、未延伸の原糸F2が延伸される。
本実施形態では、原糸F2は、第1延伸装置4と第2延伸装置5によって2段延伸される。第1延伸装置4は、2つのテンションローラー41と、2つのテンションローラー41の間に配置された液槽42と、を有する装置である。上流にあるテンションローラー41と下流にあるテンションローラー41の回転速度を異ならせることにより、原糸F2が液槽42中で長手方向に延伸される。液槽42には、熱媒体が満たされており、この熱媒体により原糸F2が加熱されつつ延伸される。このような熱媒体としては、例えば、ポリエチレングリコール、グリセリン、シリコンオイルなどが用いられ、好ましくはグリセリンが用いられる。熱媒体としてグリセリンを採用することで、原糸F2の白化を効果的に防止できる。熱媒体の温度は、特に限定されないが、通常140℃〜180℃である。なお、特に図示しないが、第1延伸装置4によって延伸された原糸F2は、洗浄液を満たした洗浄槽に導入され、その表面から熱媒体が洗い落とされることが好ましい。洗浄液としては、通常、水が用いられる。
第2延伸装置5は、2つのテンションローラー51と、2つのテンションローラー51の間に配置された第1乾熱槽52と、を有する装置である。上流にあるテンションローラー51と下流にあるテンションローラー51の回転速度を異ならせることにより、原糸F2が第1乾熱槽52中で長手方向に延伸される。第1乾熱槽52内には、ヒーター(図示せず)が設けられており、ヒーターによって原糸F2が加熱されつつ延伸される。ヒーターによる原糸F2の加熱温度は特に限定されないが、通常140℃〜180℃である。
なお、本実施形態では2段延伸を採用しているが、延伸処理は1段延伸処理であってもよく、2段以上の多段延伸処理であってもよい。原糸F2の総延伸倍率は、特に限定されず、目標とするモノフィラメントF3の糸径などを考慮して適宜設定することができる。
[工程D]
工程Dは、延伸した原糸F2をヒーターによって加熱し、若干収縮させる(熱緩和させる)工程である。本実施形態では、2段延伸した原糸F2を、内部にヒーター(図示せず)を有する第2乾熱槽6に導入することで熱緩和が実施される。熱緩和は、モノフィラメントF3の寸法安定性や表面の平滑性を向上させる処理である。ヒーターによる原糸F2の加熱温度は、通常、70〜200℃であり、好ましくは120〜180℃である。
本工程を経て製造されたモノフィラメントF3は、最終的に巻き取り機7に巻き取られ保管される。
上述の工程を経て製造されたモノフィラメントF3は、工業資材の形成材料として用いることができる。好ましくは、モノフィラメントF3は釣糸の形成材料として用いられる。モノフィラメントF3を釣糸の形成材料とする場合、モノフィラメントF3をそのまま釣糸として用いることもできるが、モノフィラメントF3を本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂以外の樹脂(例えば、重量平均分子量が本発明と異なるポリフッ化ビニリデン系樹脂)により被覆することにより鞘芯構造の釣糸を製造することもできる。
鞘芯構造の釣糸は、例えば、複数のエクストルーダー型押出機を有する複合紡糸装置と鞘芯構造を形成し得る紡口部25を有する紡口パック22を用いることで製造できる。
本発明のモノフィラメントは、優れた強度と柔軟性を有する。モノフィラメントの強度の指標として様々なパラメータが存在するが、例えば、モノフィラメントの引張強度及び結節強度などを強度の指標とすることができる(これらの測定方法については、後の実施例の欄にて詳述する)。
通常、モノフィラメントの引張強度は、その糸径が大きくなればなるほど低下する傾向にある。この特性を考慮すると、モノフィラメントは、下記式(4)の関係を満たすことが望ましい。
式(4):−165ln(A)+550<D
但し、Aは、モノフィラメントの糸径(mm)であり、Dは引張強度(MPa)である。
本発明のモノフィラメントは、糸径を大きくしても、その引張強度が大きく低下し難いという特性を有しており、上記式(4)の関係を満たし易いだけでなく、上述のように強度のみならず柔軟性を兼備している。従って、本発明のモノフィラメントは、0.1mm以下の細径の釣糸から2mmを超える太径の釣糸にまで応用でき、その結果、本発明のモノフィラメントは、ルアー釣り用道糸や、磯釣りや船釣りに使用されるハリスやショックリーダーとして、またマグロなどの大型魚類のショックリーダーやハリスとして使用できる。
本発明のモノフィラメントを釣糸として用いる場合、その引張伸度は特に限定されず、用途や糸径によって適宜変更できるが、20%〜50%であることが好ましく、20%〜40%であることがより好ましい。
本発明のモノフィラメントの糸径は特に限定されないが、その下限値は通常0.05mmであり、好ましくは0.1mmであり、より好ましくは0.2mmであり、特に好ましくは0.3mmである。また、モノフィラメントの糸径の上限値は、通常2.5mmであり、好ましくは2.0mmであり、より好ましくは1.5mmであり、特に好ましくは1.0mmである。なお、本発明では、モノフィラメントの断面形状は円形だけに限定されず、三角形状であってもよく、四角形状であってもよく、その他の多角形状であってもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに説明する。なお、本発明は、下記実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例では、製造したモノフィラメントをそのまま釣糸として使用した。
<モノフィラメントの原料樹脂>
6種類のポリフッ化ビニリデン(樹脂A乃至F)を用意した。樹脂A乃至C及びFは乳化重合法で重合されたものであり、樹脂D及びEは懸濁重合法で重合されたものである。
樹脂A乃至Fの数平均分子量、重量平均分子量、多分散度、及び樹脂全体に対する結合単位Aと結合単位Bの含有量の合計は、以下の表1の通りである。
樹脂A乃至Fの数平均分子量、重量平均分子量、及び多分散度については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された値であり、結合単位Aと結合単位Bの含有量の合計は、19F−NMR(核磁気共鳴)法を用いたスペクトル解析によって測定された値である。これらの測定方法の詳細は後に記す。
Figure 0006090683
<各種測定方法>
(1)モノフィラメントの強度について
[モノフィラメントの引張強度の測定方法]
製造したモノフィラメントを切断し、長さ200mmのサンプルを5本用意し、JIS L 1013の規定に準じて、室温20℃、相対湿度65%の温湿度調整室内で24時間これらのサンプルを放置した。
その後、引張試験機((株)島津製作所製、製品名「オートグラフS−500D」)を用いて、各サンプルに対して、引張速度300mm/分の条件で引張強度を測定し、5本のサンプルの引張強度の平均値を求めた。
[モノフィラメントの結節強度の測定方法]
製造したモノフィラメントを切断し、長さ200mmのサンプルを5本用意し、JIS L 1013の規定に準じて、室温20℃、相対湿度65%の温湿度調整室内で24時間これらのサンプルを放置した。
その後、各サンプルを真結びで一回強く結節した。そして、引張試験機((株)島津製作所製、製品名「オートグラフS−500D」)を用いて、各サンプルに対して、引張速度300mm/分の条件で結節強度を測定し、5本のサンプルの結節強度の平均値を求めた。
(2)モノフィラメントの柔軟性について
[モノフィラメントの引張伸度の測定方法]
製造したモノフィラメントを切断し、長さ200mmのサンプルを5本用意し、JIS L 1013の規定に準じて、室温20℃、相対湿度65%の温湿度調整室内で24時間これらのサンプルを放置した。
その後、引張試験機((株)島津製作所製、製品名「オートグラフS−500D」)を用いて、各サンプルに対して、引張速度300mm/分の条件で引張強度を測定し、5本のサンプルの引張伸度の平均値を求めた。
[モノフィラメントの曲げ剛性の測定方法]
製造したモノフィラメントを切断し、長さ200mmのサンプルを10本用意し、純曲げ試験機(カトーテック(株)製、製品名「KES−FB2」)を使用して曲げ剛性を測定した。
具体的には、各サンプルをチャック間距離1cmで把持し、曲げ曲率を−2.5から+2.5の範囲において、等速度曲率の純曲げを行い、この際の曲げモーメントを測定することにより、単位長さ当たりの曲げ剛性(gf・cm)を求め、10本のサンプルの曲げ剛性の平均を求めた。曲げ剛性が大きいほどサンプルを曲げ難い(柔軟性に劣る)と言える。
[モノフィラメントの巻癖指数の測定方法]
製造した長さ1.0m(L1)のモノフィラメントを、外径66mmのスプールにモノフィラメントを巻き付け、70℃の恒温室に24時間放置して熱処理を施した。
その後、熱処理を行う前のモノフィラメントの長さ(L1)と熱処理後のモノフィラメントの長さ(L2)に基づき、以下の式から巻癖指数を算出した。巻癖指数(%)={(L1−L2)/L1}×100。巻癖指数の値が大きいほどモノフィラメントに巻癖が付き易い(柔軟性に劣る)と言える。
[モノフィラメントのばらけ易さの評価方法]
通常、モノフィラメントの柔軟性が低いとモノフィラメントをリールに巻回した際に巻癖がつきやすく、それが一因なり、モノフィラメントがリールから脱落し易い(ばらけ易い)。
そのため、本願では、モノフィラメントを実際にリールに巻回したうえで実釣試験を行い、釣りの最中にモノフィラメントがリールから脱落し易いか否かについて評価を行い、この結果をモノフィラメントの柔軟性の指標とした。
(3)その他の測定・評価方法
[モノフィラメントの糸径の測定方法]
マイクロメーター(株式会社ミツトヨ製)を使用し、モノフィラメントの糸径をその長手方向に沿って5カ所無作為に測定し、その平均値を算出した。
[モノフィラメントの耐摩耗性の評価方法]
モノフィラメントの端部に500gr(グレーン)の重りを取り付け、円筒状砥石の周面にモノフィラメントの側面を押し付けた。その後、円筒状砥石の周面上において、モノフィラメントを長手方向一方側と長手方向他方側に交互に摺動させ、砥石によってモノフィラメントが切断されるまでの摺動回数(砥石で擦った回数)を測定した。
[モノフィラメントのザラツキの評価方法]
製造したモノフィラメントの周面を手で触り、ザラツキを感じるか否かを評価した。
[モノフィラメントの空洞の測定方法]
製造したモノフィラメントを側面から目視で確認し、モノフィラメント100m長さ単位での空洞数を測定した。
[数平均分子量及び重量平均分子量の測定方法]
数平均分子量及び重量平均分子量の測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置(東ソー(株)製、製品名「HLC−8220GPC」)を用いた。カラムとして昭和電工(株)製、製品名「Shodex KD806M」を2本用い、プレカラムとして昭和電工(株)製、製品名「Shodex KD−G」を1本用い、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を使用した。測定温度は40℃であり、流量は10ml/分であった。
得られた数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算量である。得られた数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)から多分散度(Mw/Mn)を算出した。
[結合形態の検出方法]
ポリフッ化ビニリデンの結合形態は、核磁気共鳴装置(日本電子(株)製、製品名「JAM−AL400」)を用いて、周波数400MHzで19Fスペクトル測定を行った。
具体的には、まず測定試料をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解することで検体溶液を調製した。検体溶液を用い、90ppm乃至100ppmを結合単位C(CF−CH)に由来するシグナルとし、113ppm乃至117ppmを結合単位A(CF−CF)に由来するシグナルとして、それぞれの領域でのシグナル強度の積分値の比率から各結合単位の含有量を算出した。結合単位B(CH−CH)の含有量は、ポリフッ化ビニリデン全体(100モル%)から結合単位Aと結合単位Cの合計量を減算することで求めた。
[実施例1]
図2に示すように、吐出口に紡糸ヘッドが取りつけられた押出機を用意した。押出機は、その内部にバリアタイプのスクリュー(Maddock型)を備えており、紡糸ヘッドは、図2に示すように、静止型混合機及びギアポンプを内部に備える紡糸ヘッド本体と紡口パックを備えていた。なお、紡口パックの紡口部が有する吐出孔の直径は1.6mmであり、紡糸ヘッド本体の温度は265℃であり、紡口パックの紡口部は、紡口ヒーターによって280℃に加熱した。
樹脂Aを押出機に供給した後、溶融及び混練された樹脂Aを紡口パックの吐出孔から押し出して溶融フィラメントを形成した。
押し出した溶融フィラメントを、直ちに60℃のグリセリンを満たした冷却槽に26秒間導入し、固化させることにより原糸を製造した。固化したフィラメント状の樹脂A(原糸)を搬送ローラーを用いて冷却槽から引き取った。
冷却槽から引き取った原糸に対し、複数のテンションローラーを用いて搬送しつつ延伸処理を行うことでフィラメントを製造した。具体的には、165℃のグリセリンを満たした延伸槽内で延伸倍率5.0倍で1次延伸処理を行った後、温水で原糸を洗浄し、その後、160℃の第1乾熱槽中で延伸倍率1.25倍で2次延伸処理を行った。その後、160℃の第2乾熱槽中で緩和処理を行い5%収縮させることで総延伸倍率が5.9倍のモノフィラメントを得た。
その後、得られたモノフィラメントの表面に仕上げ油剤を塗布した。製造したモノフィラメントの糸径は、0.38mmであった。
このようにして製造したモノフィラメントの強度及び柔軟性を評価した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表2に示す。なお、表2の「ばらけ易さ」の項目について、「○」は、モノフィラメントがリールから殆ど脱落しなかった(ばらけなかった)ことを表し、「△」は、モノフィラメントがリールから時々脱落したことを表し、「×」は、モノフィラメントがリールから頻繁に脱落したことを表す(表3及び表4についても同様)。
[実施例2]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Aと樹脂Bの混合樹脂(樹脂A:樹脂B=80:20(質量比))とし、混合樹脂の一部を数平均分子量及び重量平均分子量の測定、並びに、結合形態の検出に用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表2に示す。
[実施例3]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Aと樹脂Bの混合樹脂(樹脂A:樹脂B=60:40(質量比))とし、混合樹脂の一部を数平均分子量及び重量平均分子量の測定、並びに、結合形態の検出に用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表2に示す。
[実施例4]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Aと樹脂Cの混合樹脂(樹脂A:樹脂C=80:20(質量比))とし、混合樹脂の一部を数平均分子量及び重量平均分子量の測定、並びに、結合形態の検出に用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表2に示す。
[実施例5]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Aと樹脂Dの混合樹脂(樹脂A:樹脂D=80:20(質量比))とし、混合樹脂の一部を数平均分子量及び重量平均分子量の測定、並びに、結合形態の検出に用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表2に示す。
[実施例6]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Aと樹脂Dの混合樹脂(樹脂A:樹脂D=60:40(質量比))とし、混合樹脂の一部を数平均分子量及び重量平均分子量の測定、並びに、結合形態の検出に用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表2に示す。
[実施例7]
ギアポンプの吐出量を変更し、且つ、1次延伸処理の延伸倍率を4.75倍に変更して総延伸倍率を5.6倍としたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表2に示す。
[実施例8]
吐出孔の直径が3.0mmの紡口部を有する紡口パックを使用し、紡糸ヘッド本体の温度を260℃とし、紡口部を加熱する紡口ヒーターの温度を270℃にし、冷却槽を満たすグリセリンの温度(冷却温度)を90℃とし、冷却槽に導入した時間(冷却時間)を65秒としたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.78mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表2に示す。
[実施例9]
吐出孔の直径が7.5mmの紡口部を有する紡口パックを使用し、紡糸ヘッド本体の温度を250℃とし、紡口部を加熱する紡口ヒーターの温度を260℃にし、冷却槽を満たすグリセリンの温度(冷却温度)を135℃とし、冷却槽に導入した時間(冷却時間)を100秒としたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径1.93mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表2に示す。
Figure 0006090683
[実施例10]
紡口ヒーターによって紡口パックの紡口部を加熱しなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表3に示す。
[実施例11]
冷却温度を60℃としたこと以外は、実施例8と同様の条件で糸径0.78mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表3に示す。
[実施例12]
冷却時間を50秒としたこと以外は、実施例9と同様の条件で糸径1.93mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表3に示す。
[実施例13]
冷却温度を110℃としたこと以外は、実施例9と同様の条件で糸径1.93mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表3に示す。
Figure 0006090683
[比較例1]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Dとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表4に示す。
[比較例2]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Dと樹脂Eの混合樹脂(樹脂D:樹脂E=60:40(質量比))とし、混合樹脂の一部を数平均分子量及び重量平均分子量の測定、並びに、結合形態の検出に用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表4に示す。
[比較例3]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Aと樹脂Dの混合樹脂(樹脂A:樹脂D=30:70(質量比))とし、混合樹脂の一部を数平均分子量及び重量平均分子量の測定、並びに、結合形態の検出に用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表4に示す。
[比較例4]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Aと樹脂Cの混合樹脂(樹脂A:樹脂C=50:50(質量比))とし、混合樹脂の一部を数平均分子量及び重量平均分子量の測定、並びに、結合形態の検出に用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表4に示す。
[比較例5]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Bとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表4に示す。
[比較例6]
モノフィラメントの原料樹脂を樹脂Fとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で糸径0.38mmのモノフィラメントを製造した。このモノフィラメントの組成や各種物性の測定結果などを表4に示す。
Figure 0006090683
<評価>
同じ糸径(0.38mm)を有する実施例1乃至7及び10のモノフィラメントと、比較例1乃至6を比較する。
実施例1乃至7及び10のモノフィラメントは、比較例1乃至3に比して若干強度(引張強度及び結節強度)に劣るものの、比較例1乃至3よりも優れた柔軟性(曲げ剛性及び巻癖指数)を有しており、さらにばらけ易さと耐摩耗性に優れることが読み取れる。これは、実施例1乃至7及び10のモノフィラメントに含まれるポリフッ化ビニリデンにおいて、結合単位A及び結合単位Bの含有量の合計が4モル%よりも大きいのに対し、比較例1乃至3のモノフィラメントでは、同含有量の合計が4モル%以下であることに起因すると考えられる。また、比較例6のモノフィラメントは、同含有量の合計が8モル%を超えている。そのため、実施例1乃至7及び10のモノフィラメントに比して著しく強度に劣っている。
比較例4及び5のモノフィラメントは、実施例1乃至7及び10のモノフィラメントと同程度の柔軟性を有するものの、強度が劣っている。これは、実施例1乃至7及び10のモノフィラメントに含まれるポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量が30万以上であるのに対し、比較例4及び5のモノフィラメントでは、ポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量が30万未満であることに起因すると考えられる。
実施例8及び11のモノフィラメントは糸径0.78mmであり、実施例9、12及び13のモノフィラメントは糸径1.93mmである。これらのモノフィラメントは、糸径0.38mmのモノフィラメント(実施例1乃至7及び10)に比して強度が低いものの、大径のモノフィラメントとしては十分な強度を有する。これは、実施例8、9、11乃至13のモノフィラメントが、本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂を含んでいるためであると言える。
また、実施例1と実施例10を比較すると、紡口パックの紡口部を紡口ヒーターで加熱しない場合、モノフィラメントの表面にザラツキが発生することが分かる。
実施例1乃至10のモノフィラメントには、空洞が発生しなかったが、実施例11乃至13のモノフィラメントは空洞が発生した。これは、実施例1乃至10のモノフィラメントが上記式(1)又は(2)の冷却条件を満たしているのに対し、実施例11乃至13のモノフィラメントが上記式(1)又は(2)の冷却条件を満たしていないためであると考えられる。
1…押出機、2…紡糸ヘッド、21…紡口ヘッド本体、212…静止型混合機、22…紡口パック、26…紡口ヒーター、3…冷却槽、4…第1延伸装置、5…第2延伸装置、6…第2乾熱槽、7…巻き取り機

Claims (6)

  1. ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含み、
    前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量が、30万〜60万であり、
    前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、下記式(a)で表される結合単位Aと、下記式(b)で表される結合単位Bと、を有しており、
    前記結合単位Aの含有量と前記結合単位Bの含有量の合計が前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対して4モル%を超え8モル%以下である、ことを特徴とするポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント。
    Figure 0006090683
  2. 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、フッ化ビニリデンの単独重合体である、請求項1に記載のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント。
  3. 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、2.3〜4.0である、請求項1又は2に記載のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメント。
  4. 溶融させたポリフッ化ビニリデン系樹脂をフィラメント状に押し出す押出工程、
    フィラメント状に押し出したポリフッ化ビニリデン系樹脂を冷却する冷却工程、
    冷却したポリフッ化ビニリデン系樹脂を延伸する延伸工程と、を有し、
    前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、30万〜60万の重量平均分子量を有し、且つ、下記式(a)で表される結合単位Aと、下記式(b)で表される結合単位Bと、を有しており、
    前記結合単位Aの含有量と前記結合単位Bの含有量の合計が前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂全体に対して4モル%を超え8モル%以下である、ことを特徴とするポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの製造方法。
    Figure 0006090683
  5. 前記押出工程が、紡口パックを有する紡糸ヘッドを用いて、溶融させたポリフッ化ビニリデン系樹脂をフィラメント状に押し出す工程であり、
    前記紡口パックが、フィラメント状のポリフッ化ビニリデン系樹脂が吐出される紡口部を有しており、
    前記押出工程中に前記紡口部が加熱される、請求項4に記載のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの製造方法。
  6. 前記冷却工程において、フィラメント状に押し出したポリフッ化ビニリデン系樹脂の冷却条件が、下記式(1)及び(2)を満たす、請求項4又は5に記載のポリフッ化ビニリデン系モノフィラメントの製造方法。
    式(1):−13A+78A+26≦B≦−13A+78A+46
    式(2):C>41ln(A)+64
    但し、Aは、製造するモノフィラメントの糸径(mm)を表し、Bは、冷却温度(℃)を表し、Cは、冷却時間(秒)を表し、ln(A)はAの自然対数を表す。
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