JP6089802B2 - 車両の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動伝達系に設けられた変速機の変速制御に伴って締結要素を締結状態と開放状態とに切り換える車両の変速制御装置に関し、変速中のアクセルペダル踏込時の制御に関する。
従来、原動機から駆動輪に至る駆動伝達系に設けられた変速機の締結要素を締結/開放させて変速を行う車両の変速制御装置は、アクセル開度と車速との関係に基づいて変速段を決定するのが一般的である。
また、このような変速制御装置において、締結要素の入力回転数を出力回転数に同期させたタイミングで締結要素を締結させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−202124号公報
上述の従来技術において、アップ変速制御によるイナーシャフェーズ中に、アクセルペダルの踏込増加操作が行われた場合、アクセル開度と車速との関係に基づいてダウン変速判定されることがある。
しかしながら、アップ変速の途中から、さらにダウン変速を実行した場合、単に、アップ変速やダウン変速のみを実行する場合よりも変速に時間を要し、その分、ドライバのアクセルペダル操作に応じた要求駆動トルクに達するのにも時間を要する。
特に、上記従来技術のように、変速時に締結要素の入出力側の回転数を同期させる場合、このダウン変速判定時点から、再び、ダウン変速に向けて、締結要素を同期回転させる必要があり、より変速に時間を要する。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、アップ変速時のイナーシャフェーズ中にドライバがアクセルペダル踏込増加操作を行った場合に、要求駆動トルクを得るのに要する時間を短縮可能な車両の変速制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、
変速機の変速制御を行う変速制御手段は、アップ変速時において前記変速機の入力回転数を変速前の回転数から変速後の回転数に制御しているイナーシャフェーズ中に、アクセルペダルの踏込増加操作が行われたイナーシャフェーズ中踏込時には、前記踏込増加操作に基づく要求駆動トルクを求め、この要求駆動トルクが、アップ変速後のギア比により実現可能であるか否か判定し、実現可能判定時は、アップ変速を継続し、非実現可能判定時は、変速開始前の変速段に移行するトルク応答変速処理を実行するアクセルペダル踏込増加時変速制御部を備えていることを特徴とする車両の変速制御装置とした。
本発明では、アップ変速のイナーシャフェーズ中にアクセルペダルの踏込増加操作が行われたイナーシャフェーズ中踏込時には、アクセルペダル踏込増加時変速制御部は、トルク応答変速処理に基づき、アップ変速後のギア比でも要求駆動トルクが実現可能であるか否かを判定する。
そして、アップ変速後のギア比でも要求駆動トルクを実現可能な場合は、アップ変速を継続実行する。したがって、このアップ変速継続時には、アップ変速を中止してダウン変速を実行する場合と比較して、ダウン変速を実行しない分だけ要求駆動トルクに到達する時間を短縮できる。
実施の形態1の車両の変速制御装置が適用された電気自動車の駆動系構成と制御系構成とを示す全体システム構成図である。 実施の形態1の車両の変速制御装置の変速制御系の詳細構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態1の車両の変速制御装置において変速コントローラにて実行される変速制御に用いられる自動変速機のアップ変速線とダウン変速線の一例を示す変速マップ図である。 実施の形態1の車両の変速制御装置の駆動系に設けられた締結要素としての係合クラッチの説明図であり、(a)は要部断面図、(b)〜(d)は、その動作を示す(a)において上方から下方を見下ろした平面図であって、(b)は締結初期のシンクロ初期の状態を示し、(c)はシンクロ途中を示し、(d)はシンクロ終了時を示す。 実施の形態1の車両の変速制御装置の変速コントローラのアクセルペダル踏込増加時変速制御部にて実行されるトルク応答変速処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1の車両の変速制御装置においてイナーシャフェーズ中踏込時にアップ変速を継続したときにモータトルクに余裕が無い場合の動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態1の車両の変速制御装置においてイナーシャフェーズ中踏込時にアップ変速を継続したときにモータトルクに余裕が有る場合の動作例を説明するタイムチャートである。 実施の形態1の車両の変速制御装置においてイナーシャフェーズ中踏込時にダウン変速を実行したときにモータトルクに余裕が無い場合の動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態1の車両の変速制御装置においてイナーシャフェーズ中踏込時にダウン変速を実行したときにモータトルクに余裕が有る場合の動作例を示すタイムチャートである。 他の実施の形態の車両の変速制御装置を適用するハイブリッド車両の駆動系構成を示すシステム構成図である。
以下、本発明の車両の変速制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態1に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1の車両の変速制御装置の構成を説明する。
図1は、実施の形態1の車両の変速制御装置が適用された電気自動車(車両の一例)の駆動系と制御系の構成を示す全体システム図である。以下、図1に基づき駆動系構成と制御系構成を説明する。
前記電気自動車の駆動系構成としては、図1に示すように、モータジェネレータ(原動機)MGと、自動変速機3と、駆動輪14と、を備えている。
モータジェネレータMGは、力行時に駆動モータとして用いられ、回生時にジェネレータとして用いられ、そのモータ軸が自動変速機3の変速機入力軸6に接続される。
自動変速機3は、変速比の異なる2つのギア対のいずれかで動力を伝達する常時噛み合い式有段変速機であり、減速比の小さなハイギア段(高速段)と減速比の大きなローギア段(低速段)を有する2段変速のものである。この自動変速機3は、ローギア段を実現するロー側変速機構8及びハイギア段を実現するハイ側変速機構9により構成される。ここで、変速機入力軸6及び変速機出力軸7は、それぞれ平行に配置される。
ロー側変速機構8は、ロー側伝動経路を選択するためのもので、変速機出力軸7上に配置している。このロー側変速機構8は、低速段ギア対80(ギア81,ギア82)が、変速機入出力軸6,7間を駆動結合するように、変速機出力軸7に対するギア81の係合/開放を行う係合クラッチ(ダウン時締結クラッチ)83により構成されている。ここで、低速段ギア対80は、変速機出力軸7上に回転自在に支持したギア81と、ギア81と噛み合い、変速機入力軸6と共に回転するギア82と、から構成されている。
ハイ側変速機構9は、ハイ側伝動経路を選択するためのもので、変速機入力軸6上に配置されている。このハイ側変速機構9は、高速段ギア対90(ギア91,ギア92)が、変速機入出力軸6,7間を駆動結合するように、変速機入力軸6に対するギア91の摩擦締結/開放を行う摩擦クラッチ(ダウン時開放クラッチ)93により構成されている。ここで、高速段ギア対90は、変速機入力軸6上に回転自在に支持したギア91と、ギア91に噛み合い、変速機出力軸7と共に回転するギア92と、から構成されている。
変速機出力軸7は、ギア11が固定され、このギア11と、これに噛合するギア12とからなるファイナルドライブギア組を介して、ディファレンシャルギア装置13が変速機出力軸7に駆動結合されている。これにより、変速機出力軸7に達したモータジェネレータMGのモータ動力がファイナルドライブギア組(ギア11,12)及びディファレンシャルギア装置13を経て左右の駆動輪14(なお、図1では一方の駆動輪のみを示した)に伝達される。
(変速制御系の詳細構成)
図2は、前記電気自動車の変速制御系の詳細構成を示し、図3は、変速制御において用いられる変速マップの一例を示す。以下、図2及び図3に基づき、変速制御系の詳細構成を説明する。
電気自動車の制御系のうち変速制御系の構成としては、図2に示すように、係合クラッチ83と、摩擦クラッチ93と、モータジェネレータMGと、変速コントローラ21と、モータコントローラ28と、を備えている。つまり、係合クラッチ83と摩擦クラッチ93は、変速コントローラ21からの指令によりアップ変速/ダウン変速の変速制御を行う構成としている。モータジェネレータMGは、変速コントローラ21(もしくは、変速コントローラ21から変速情報を入力する統合コントローラ30(図1参照))からのモータコントローラ28に対する指令によりモータトルク応答性の制御を行う構成としている。
係合クラッチ83は、シンクロ式の噛み合い係合によるクラッチであり、図1に示すように、ギア81に設けたクラッチギア84と、変速機出力軸7に結合したクラッチハブ85と、カップリングスリーブ86と、を有する。そして、図2に示す電動アクチュエータ41によりカップリングスリーブ86をストローク駆動させることで、係合/開放する。
この係合クラッチ83の係合と開放は、カップリングスリーブ86の位置によって決まる。そこで、変速コントローラ21は、スリーブ位置センサ27の値を読み込み、スリーブ位置が係合位置又は開放位置になるように電動アクチュエータ41に電流を与える位置サーボコントローラ51(例えば、PID制御による位置サーボ系)を備えている。
そして、カップリングスリーブ86が、図1に示すようにクラッチギア84及びクラッチハブ85の外周クラッチ歯の双方に噛合した係合位置にあるとき、ギア81を変速機出力軸7に駆動連結する。一方、カップリングスリーブ86が、図1に示す位置から軸線方向へ変位することでクラッチギア84及びクラッチハブ85の外周クラッチ歯の一方と非噛み合い状態の開放位置にあるとき、ギア81を変速機出力軸7から切り離す。
さらに、図4に基づいて、係合クラッチ83の同期機構について説明を加える。
カップリングスリーブ86は、クラッチハブ85(図1参照)の外周に形成されたスプライン部(図示省略に)に噛み合った状態を維持しながら、図4(a)において左右方向である軸方向に移動可能に支持されている。そして、カップリングスリーブ86の軸方向の移動は、電動アクチュエータ41(図2参照)の駆動により成される。
クラッチギア84の外周には、カップリングスリーブ86の内周に形成されたスプライン部86aと噛み合い可能なスプライン部84aが形成されている。さらに、クラッチギア84には、テーパ状のコーン部84bの外周に、軸方向に移動可能にシンクロナイザリング87が装着されている。
シンクロナイザリング87は、外周に、カップリングスリーブ86のスプライン部86aと噛み合い可能なスプライン部87aが形成されている。また、シンクロナイザリング87は、カップリングスリーブ86に設けられたキー88に対して、キー溝87c(図4(b)など参照)による隙間の分だけ、回転方向に相対移動可能に構成されている。
次に、係合クラッチ83における同期機構による同期動作を説明する。
係合クラッチ83では、開放状態から締結する場合、カップリングスリーブ86によりシンクロナイザリング87を軸方向に押し、シンクロナイザリング87とコーン部84bとの間に生じる摩擦力によりカップリングスリーブ86とクラッチギア84とを同期回転させて締結させる。
以下、同期機構による同期回転動作について簡単に説明する。
カップリングスリーブ86を、電動アクチュエータ41(図2参照)により、図4(a)に示すように、キー88と共に、クラッチギア84の方向へ軸方向に移動させ、シンクロナイザリング87を、コーン部84bに接触させる。
シンクロナイザリング87がコーン部84bに接触すると、両者の間には相対回転が生じているため、シンクロナイザリング87は、図4(b)に示すキー溝87cの隙間分だけ回動する。これにより、シンクロナイザリング87のスプライン部87aのチャンファ部87bと、カップリングスリーブ86のスプライン部86aのチャンファ部86bとが、図4(b)に示すように、軸方向で向き合ったインデックス状態となる。
このインデックス状態からさらにカップリングスリーブ86が軸方向に移動すると、両チャンファ部87b,86bが接触し、シンクロナイザリング87がコーン部84bをさらに押して摩擦トルクが発生し、シンクロナイザリング87及びカップリングスリーブ86と、クラッチギア84と、の同期が行われる。
この同期が終了すると、シンクロナイザリング87とコーン部84bとの間の摩擦トルクが消滅し、カップリングスリーブ86がさらに軸方向に移動する。これにより、カップリングスリーブ86のスプライン部86aが、シンクロナイザリング87を押し分け、図4(d)に示すように、クラッチギア84のスプライン部84aと噛み合い、変速が終了する。
以上のように、ギア81とクラッチハブ85との間に設けられ、カップリングスリーブ86の軸方向の移動に伴って、係合クラッチ83の入力側と出力側との相対移動に伴って生じる摩擦力により入力側と出力側とを同期回転させる構成、すなわち、クラッチギア84,カップリングスリーブ86、シンクロナイザリング87が同期機構を構成する。
次に、図1に戻り、摩擦クラッチ93について説明する。
摩擦クラッチ93は、ギア91と共に回転するドリブンプレート94と、変速機入力軸6と共に回転するドライブプレート95と、を有する。そして、図2に示す電動アクチュエータ42により両プレート94,95に押付け力を与えるスライダ96を駆動することで、摩擦クラッチ93を摩擦締結/開放する。
この摩擦クラッチ93の伝達トルク容量はスライダ96の位置によって決まり、また、スライダ96はネジ機構となっており、電動アクチュエータ42の入力が0(ゼロ)のとき、位置を保持する機構となっている。変速コントローラ21は、スライダ位置センサ26の値を読み込み、所望の伝達トルク容量が得られるスライダ位置になるように電動アクチュエータ42に電流を与える位置サーボコントローラ52(例えば、PID制御による位置サーボ系)を備えている。
そして、摩擦クラッチ93は、図1に示す変速機入力軸6と一体に回転し、クラッチ摩擦締結のときギア91を変速機入力軸6に駆動連結し、クラッチ開放のとき、ギア91と変速機入力軸6の駆動連結を切り離す。
図2に戻り、モータジェネレータMGは、統合コントローラ30(図1参照)から出力される指令を入力するモータコントローラ28によって力行制御または回生制御される。つまり、モータコントローラ28がモータトルク指令を入力すると、モータジェネレータMGが力行制御される。また、モータコントローラ28が回生トルク指令を入力すると、モータジェネレータMGが回生制御される。これに加え、アクセル開度に対するモータトルクの応答性(時定数)の変更制御が行われる。
[変速制御手段の構成]
変速コントローラ21は、車速センサ22やアクセル開度センサ23やブレーキストロークセンサ24や前後Gセンサ25等からの情報を入力し、図3に示す変速マップを用い、自動変速機3の変速制御(アップ変速、ダウン変速)を行う。すなわち、変速コントローラ21は、ローギア段へのダウン変速時には、係合クラッチ83を締結させる一方で摩擦クラッチ93を開放させる。また、ハイギア段へのアップ変速時には、係合クラッチ83を開放させる一方で摩擦クラッチ93を締結させる。
(アクセルペダル踏込増加時変速制御部の構成)
図1及び図2に示す変速コントローラ21では、上記の変速制御に加え、アップ変速時のイナーシャフェーズ中のアクセルペダル(図示省略)の踏込増加操作であるイナーシャフェーズ中踏込時に、そのままアップ変速を継続するか、変速前のローギア段へ移行するかを判定するトルク応答変速処理を実行する。
すなわち、通常、変速制御は、前述したように、図3の変速マップに基づいてローギア段かハイギア段かの判定結果に基づいて変速制御を行う。
それに対し、本実施の形態1では、イナーシャフェーズ中踏込時には、図3の変速マップに関わらず、その踏込増加操作に基づく要求駆動トルクtFoに応じて変速を制御するトルク応答変速処理を実行する。なお、踏込増加とは、アクセルペダル(図示省略)を全く踏み込んでいない状態からの踏込、並びに踏込状態からの踏み増しの両方を指すものである。
以下に、このトルク応答変速処理について図5のフローチャートに基づいて説明する。
このトルク応答変速処理は、アップ変速判定が成されたことにより開始され、最初のステップS101では、アップ変速が開始され、かつ、係合クラッチ83が開放されたか否か、すなわち、イナーシャフーズが開始されたか否かを判定する。そして、アップ変速開始後、係合クラッチ83が開放されるまでは、ステップS101の判定を繰り返し、係合クラッチ83が開放されて、モータ回転数Nmoを、変速後回転数(afNmohi)に向けて制御するイナーシャフェーズに入った場合は、ステップS102に進む。
次のステップS102では、アクセル開度センサ23の出力に基づいて図示を省略したアクセルペダルの踏込量が増加されたか否かを判定する。そして、踏込増加が成されない場合は、ステップS103に進み、踏込増加が成された場合はステップS104に進む。さらに、ステップS104では、アップ変速が終了したか否か判定し、アップ変速終了の場合はトルク応答変速処理を実行することなくエンドに進み、アップ変速を終了しない場合はステップS102に戻る。
アクセルペダル(図示省略)の踏込増加操作が行われた場合に進むステップS103では、この踏込増加操作に応じた要求駆動トルクtFoが、アップ変速後のハイギア段のギア比で実現可能であるか否か判定する。そして、判定結果が実現可能である場合はステップS105に進み、非実現可能な場合は、ステップS110に進む。
すなわち、図3の変速マップにおいて、例えば、車両状態がa1点からb1点に移動した場合、アップ変速判定が行われる。このアップ変速の制御中に、アクセルペダル(図示省略)の踏込増加操作が行われて、その要求駆動トルク(=要求モータトルク)tFoがc1点である場合、この要求駆動トルクtFoは、例えば、ハイギア段のまま、c2点でも実現可能である。一方、要求駆動トルクtFoが、d1点の場合、この要求駆動トルクtFoは、ハイギア段では、非実現可能である。ステップS103では、このような判定を実施する。
ステップS103にて、要求駆動トルクtFoがアップ変速後のギア段(ハイギア段)にて実現可能と判定された場合に進むステップS105では、アップ変速を継続し、ステップS106に進む。
ステップS106では、モータトルクTmoに余裕があるか否か判定し、余裕がある場合ステップS107に進み、余裕がない場合は、ステップS107を飛ばしてステップS108に進む。
この余裕とは、例えば、前述した図3において、車両状態が点b1の場合、同車速にてハイギア段のままでも、余裕トルクTyoだけ上昇可能である。この余裕トルクTyoが上述した余裕を意味する。
ステップS106にて余裕有りと判定されて進むステップS107では、モータトルクTmo並びに締結状態の摩擦クラッチ93の伝達トルクTcl2を、余裕トルクTyoに応じて上昇させた後、ステップS108に進む。なお、この上昇分のトルクは、余裕トルクTyoの100%とすることもできるし、種々の条件に応じ、その一部のトルクとすることもできる。また、例えば、ローからハイへのアップ変速線までのトルクなどとすることもできる。
ステップS107に続くステップS108では、変速が終了したか否か判定し、変速終了しない場合は、実行中の変速を続行してステップS108の判定を繰り返し、変速が終了したらステップS109に進む。
変速終了時に進むステップS109では、ドライバのアクセルペダル(図示省略)の踏込増加操作に応じた要求駆動トルクtFoに向けてモータトルクTmoを増加させる。
一方、ステップS103において、要求駆動トルクtFoがアップ変速後のギア比では非実現可能な場合に進むステップS110では、アップ変速前のギア比、すなわち、ローギア段への変速(ダウン変速)に移行した後、ステップS111に進む。
このステップS110におけるダウン変速への移行により、係合クラッチ83を係合締結させる一方で摩擦クラッチ93を開放させる。この係合クラッチ83の係合締結は、まず、係合クラッチ83の入出力側を同期させるようモータ回転数Nmoを制御し、この同期後に電動アクチュエータ41を駆動させて係合締結させる。そして、この係合クラッチ83の係合締結完了後に、電動アクチュエータ42を駆動させて摩擦クラッチ93を開放させ、この開放が終了した時点がダウン変速の変速終了時点となる。
ダウン変速への移行後に進むステップS111では、前述したステップS106と同様に、ハイギア段状態で余裕トルクTyoが有るか否か判定する。そして、余裕トルクTyoが有る場合はステップS112に進んで、余裕トルクTyoに応じてモータトルクTmo及び摩擦クラッチ93の伝達トルクTcl2を上昇させ、余裕トルクTyoが無い場合はステップS112の処理を飛ばしてステップS108に進む。
(実施の形態1の作用)
次に、実施の形態1の車両の変速制御装置の作用を図6〜図9のタイムチャートに基づいて説明する。
図6〜図9は、それぞれ、アップ変速時のイナーシャフェーズ中にドライバがアクセルペダル(図示省略)の踏込増加操作を行った場合であるイナーシャフェーズ中踏込時の動作例を示している。そして、図6は、イナーシャフェーズ中踏込時にアップ変速を継続し、かつ、余裕トルクTyoが無かった場合の動作を示している。図7は、イナーシャフェーズ中踏込時にアップ変速を継続し、かつ、余裕トルクTyoが有った場合の動作例を示している。また、図8は、イナーシャフェーズ中踏込時にダウン変速に移行し、かつ、余裕トルクTyoが無かった場合の動作例を示している。また、図9は、イナーシャフェーズ中踏込時にダウン変速に移行し、かつ、余裕トルクTyoが有った場合の動作を示している。
まず、図6の動作例について説明する。
この動作例では、t11の時点以前は、自動変速機3は、ローギア段に制御されており、t11の時点で、変速開始判定(アップ変速)が開始されている。
なお、t11の時点のアップ変速開始判定は、車速VSPと要求駆動トルクtFoとの関係が、図3に示す変速線を横切る(例えば、車両状態が点a1からb1へ変化する)ことにより成される。
この変速開始判定により、変速コントローラ21では、自動変速機3をローギア段からハイギア段に変速する制御を実施し、係合クラッチ83を開放する一方、摩擦クラッチ93を締結させる。この場合、まず、図6のt11の時点から、摩擦クラッチ93を開放状態から徐々に締結させる。そして、摩擦クラッチ93の伝達トルクTcl2がモータトルクTmo相当となり、係合クラッチ83の伝達トルクTcl1が0近傍となったt12の時点で電動アクチュエータ41を駆動させて係合クラッチ83の開放動作を開始する。この開放動作により、t13の時点にて係合クラッチ83が開放され、イナーシャフェーズ状態となる。
そこで、変速コントローラ21は、t13の時点からモータジェネレータMGの回転数であるモータ回転数Nmoを、ハイギア段における変速後回転数afNmohiに向けて制御する。そして、モータ回転数Nmoが、変速後回転数afNmohiになって、摩擦クラッチ93のスリップが無くなり変速終了状態となったt15の時点から、摩擦クラッチ93を完全締結に向けて制御するとともに、モータトルクTmoを要求駆動トルクtFoに向けて上昇させ、アクセルペダル踏込増加操作に応じた加速が開始される。
このとき、係合クラッチ83を開放させたt13の時点から、モータ回転数Nmoを変速後回転数afNmohiに制御し変速終了となるt15の時点までの期間がイナーシャフェーズである。
この動作例では、このイナーシャフェーズ中のt14の時点に、ドライバによるアクセルペダル(図示省略)の踏込増加操作が実行されている。
そして、この動作例では、この時、図5のフローチャートのステップS103において、要求駆動トルクtFoを、アップ変速後のギア比にて実現可能と判定され、その結果、ステップS105の処理に基づいて、ハイギア段へのアップ変速が継続される。
なお、この動作例では、ステップS106の処理において、モータトルクTmoの余裕有りと判定されず、モータトルクTmoは、図6に示すように、イナーシャフェーズ時のトルクに維持されている。
したがって、ドライバによるアクセルペダル(図示省略)の踏込増加操作が行われたt14の時点で、図3の変速マップに基づいて、ハイギア段へのアップ変速を中止して、ローギア段に向けてダウン変速を実行する場合と比較して、要求駆動トルクtFoに達する時間を短縮することができる。すなわち、t14の時点から、ダウン変速を実行する場合、係合クラッチ83を、まず、入出力回転数の同期を行い、その後、電動アクチュエータ41を駆動させて係合締結状態とし、さらに、電動アクチュエータ42を駆動させて摩擦クラッチ93を開放させる必要がある。その場合、変速終了が、図示のt15の時点よりも後の時点になり、その後、モータトルクTmoを増加させて加速を開始し、要求駆動トルクtFoに達するのは、図6の例のt16の時点よりも、さらに後になる。
この場合、ドライバがアクセルペダル操作を行ってから要求駆動トルクtFoに達するのに時間を要することから、ドライバに対して加速不足による違和感を与えるおそれがある。
それに対し、本実施の形態1では、イナーシャフェーズ中のアクセルペダル踏込増加操作が行われたイナーシャフェーズ中踏込時には、図3の変速マップに基づく変速制御ではなく、図5のフローチャートに示すトルク応答変速処理に基づく変速判定を行う。これにより、ダウン変速に要する時間を省略して、要求駆動トルクtFoに短時間に達することができ、上記の加速応答遅れによる違和感をドライバに与えるのを抑制できる。
次に、図7に示す動作例、すなわち、前述のようにイナーシャフェーズ中踏込時にアップ変速を継続し、かつ、余裕トルクTyoが有った場合の動作例について説明する。
この図7の動作例でも、図6の動作例と同様に、t21の時点で、変速判定されてアップ変速を開始し、t22の時点で摩擦クラッチ93の伝達トルクTcl2がモータトルクTmoに達し、トルクフェーズを終了している。
さらに、t23の時点で係合クラッチ83の開放動作が完了し、モータ回転数Nmoを制御するイナーシャフェーズが開始されている。そして、t24の時点で、アクセルペダル(図示省略)の踏込増加操作が実行されて、図5のステップS103において、アップ変速後のギア比で要求駆動トルクtFoを実現可能と判定されて、ステップS105の処理に基づくアップ変速継続が行われている。
ここまでの処理は、前述した図6の場合と同様である。
それに対し、この図7に示す動作例では、図5のステップS106の処理により、モータトルクに余裕有りと判定され、ステップS107の処理に基づいて、図7に示すように、モータトルクTmo及び摩擦クラッチ93の伝達トルクTcl2がt24の時点から増加されている。
この場合、変速終了時点であるt25の時点で、要求駆動トルクtFoにほぼ達しており、t25の変速終了時点からの加速は、殆ど必要ない状態となっており、図6に示した例よりも、さらに短時間で要求駆動トルクtFoに達することができる。
したがって、高い加速応答性を得ることができる。
次に、図8に示すイナーシャフェーズ中踏込時にダウン変速を実行し、かつ、余裕トルクTyoが無かった場合の動作例について説明する。
この図8に示す例も、前述の図6、図7の動作例と同様に、t31の時点で、変速判定されてアップ変速を開始し、t32の時点で摩擦クラッチ93の伝達トルクTcl2がモータトルクTmoに達し、トルクフェーズを終了している。
さらに、t33の時点で係合クラッチ83の開放動作が完了し、モータ回転数Nmoを制御するイナーシャフェーズが開始され、t34の時点で、アクセルペダル(図示省略)の踏込増加操作が実行されている。
ここまでの動作は、前述した図6、図7の場合と同様である。
そして、この図8に示す例では、アクセルペダル踏込増加操作が実行されたt34の時点にて、図5のステップS103において要求駆動トルクtFoがハイギア段では達成できないと判定されている。この判定により、図5のステップS110の処理により、アップ変速前であるローギア段への移行処理が実施されている。
したがって、図8に示すように、t34の時点から、モータ回転数Nmoがローギア段での変速後回転数afNmoloに向けて制御され、係合クラッチ83の入出力回転数の同期が成されている。そして、同期が完了したt35の時点から電動アクチュエータ41を駆動させて、t36の時点で係合クラッチ83を係合締結させている。
さらに、係合クラッチ83の係合締結が完了したt36の時点からt37の時点の期間で電動アクチュエータ42を駆動させて摩擦クラッチ93の開放を行い、t37の時点で、変速を終了している。
そして、変速終了したt37の時点から、モータトルクTmoを上昇させて加速を開始し、t38の時点で要求駆動トルクtFoに達している。
この場合、図6や図7に示した例と比較して、アクセルペダル踏込増加操作が行われた後に、係合クラッチ83の同期、係合締結、摩擦クラッチ93の開放の分だけ、時間を要する。特に、本実施の形態1では、係合クラッチ83の同期後の係合締結、摩擦クラッチ93の開放を、それぞれ、電動アクチュエータ41,42により行っているため、その動作に時間を要し、その分、要求駆動トルクtFoに達するのに時間を要することになる。
しかしながら、この動作例の場合は、アップ変速後のハイギア段では、要求駆動トルクtFoを得ることができないため、この変速動作が必要となる。
次に、図9に示すイナーシャフェーズ中踏込時にダウン変速を実行し、かつ、余裕トルクTyoが有った場合の動作例について説明する。
この動作例は、図8の動作例と同様に、アップ変速を中止してダウン変速を行っているが、図8の動作例と比較して、要求駆動トルクtFoに達するのに要する時間を短縮した例である。
図9の動作例も、アクセルペダル踏込増加操作が行われたt44の時点までの動作は、図8の動作例と同様である。
図8の動作例との相違点は、図5のステップS110にてアップ変速前のギア比(ハイギア段)へ移行判定後に進むステップS111にて、モータトルクTmoに余裕有りと判定されている。この判定により、ステップS112において、モータトルクTmo及び摩擦クラッチ93の伝達トルクTcl2の増加処理が実行されている。
このため、図9に示すように、t44の時点以降の係合クラッチ83の同期回転時期において、モータトルクTmo及び摩擦クラッチ93の伝達トルクTcl2が上昇し、車両前後加速度が上昇している。
これにより、図8の動作例よりも車両前後加速度が早期に上昇し、加速応答性を向上できる。
加えて、変速終了時点(t47の時点)におけるモータトルクTmoが、図8の動作例の場合よりも高くなることから、要求駆動トルクtFoに達するt48の時点までに要する時間も短縮できる。
したがって、アップ変速を中止して、ダウン変速を実行する場合でも、要求駆動トルクtFoに達するのに要する時間を短縮し、加速応答性を向上できる。
(実施の形態1の効果)
次に、実施の形態1の効果を説明する。
実施の形態1の車両の変速制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
a)実施の形態1の車両の変速制御装置は、
原動機としてのモータジェネレータMGから駆動輪14への駆動伝達系に設けられ、アクチュエータとしての電動アクチュエータ41,42の駆動により締結要素を締結及び開放させて複数段の変速を行なう自動変速機3と、
自動変速機3の変速制御を行う変速制御手段としての変速コントローラ21と、
を備えた車両の変速制御装置であって、
変速コントローラ21は、アップ変速時において自動変速機3の入力回転数を変速前の回転数から変速後の回転数に制御しているイナーシャフェーズ中に、アクセルペダルの踏込増加操作が行われたイナーシャフェーズ中踏込時には、踏込増加操作に基づき要求駆動トルクtFoを求め、この要求駆動トルクtFoが、アップ変速後のギア比(ハイギア段)により実現可能であるか否か判定し、実現可能判定時は、アップ変速を継続し、非実現可能判定時は、変速開始前の変速段に移行するトルク応答変速処理(ステップS101〜S105、S110の処理)を実行するアクセルペダル踏込増加時変速制御部(図5のフローチャートの処理を実行する構成)を備えていることを特徴とする。
このように、要求駆動トルクtFoがアップ変速後のギア比(ハイギア段)により実現可能である場合ダウン変速を実行しないことにより、ダウン変速を実行する場合と比較して、要求駆動トルクtFoを得るのに要する時間を短縮することができる。
また、これにより、加速応答性を高めることができる。
b)実施の形態1の車両の変速制御装置は、
締結要素として、アップ変速時に開放される係合クラッチ83及びアップ変速時に締結される摩擦クラッチ93を備え、
イナーシャフェーズは、係合クラッチ83の開放後から変速終了までのフェーズであることを特徴とする。
自動変速機3がアップ変速時に係合クラッチ83を開放する構成では、係合クラッチ83の開放を終えたイナーシャフェーズ中にドライバのアクセルペダル踏込増加操作によりダウン変速を実行する場合、係合クラッチ83を再び、係合させる必要がある。
この場合、係合クラッチ83の入出力回転数を同期させた後に係合締結させることになり、単に摩擦クラッチを締結する場合よりも、余計に時間を要する。これに対し、本実施の形態1では、トルク応答変速処理により、上記a)のように、ダウン変速を行うことなく要求駆動トルクtFoを得ることが可能であるため、上記a)の時間短縮効果が、より高まる。
c)実施の形態1の車両の変速制御装置は、
原動機としてモータジェネレータMGを備え、
アクセルペダル踏込増加時変速制御部(図5のフローチャートの処理を実行する構成)は、トルク応答変速処理(ステップS101〜S105、S110の処理)により、変速開始前のローギア段へ移行する際に、モータトルクTmoの出力に余裕がある場合は、モータトルクTmo及び摩擦クラッチ93の伝達トルクTcl2を増加させるダウン変速時トルク増加処理(ステップS111、112の処理)を実行することを特徴とする。
このため、このダウン変速時トルク増加処理を実行しない場合と比較して、ダウン変速のためのイナーシャフェーズ中に車両を加速可能であり、これらのトルク増加を行わないものよりも、要求駆動トルクtFoに達する時間を短縮可能である。
これにより、加速応答性をさらに高めることができる。
d)実施の形態1の車両の変速制御装置は、
原動機としてモータジェネレータMGを備え、
アクセルペダル踏込増加時変速制御部(図5のフローチャートの処理を実行する構成)は、トルク応答変速処理により、アップ変速の継続の際に、モータトルクTmoの出力に余裕がある場合は、モータトルクTmo及び摩擦クラッチ93の伝達トルクTcl2を増加させるアップ変速時トルク増加処理(S106,S107)を実行することを特徴とする。
このため、このアップ変速時トルク増加処理を実行しない場合と比較して、アップ変速継続のためのイナーシャフェーズ中に車両を加速可能であり、これらのトルク増加を行わないものよりも、要求駆動トルクtFoに達する時間を短縮可能である。
これにより、加速応答性をさらに高めることができる。
e)実施の形態1の車両の変速制御装置は、
締結要素を締結及び開放させるアクチュエータが、電動アクチュエータ41,42であることを特徴とする。
電動アクチュエータ41,42により締結要素(係合クラッチ83、摩擦クラッチ93)の締結及び開放させる場合、例えば、油圧を用いる場合と比較して、相対的にその動作に時間を要するのが一般的である。
このため、上記a)〜d)で述べた要求駆動トルクtFoに達する時間短縮による効果が、いっそう有効となる。
以上、本発明の車両の変速制御装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施の形態では、本発明の車両の変速制御装置を、原動機としてモータジェネレータのみ備えた電気自動車に適用した例を示した。しかし、本発明の車両の変速制御装置は、原動機としてエンジンとモータジェネレータを備えたハイブリッド車両や、原動機としてエンジンのみを備えたエンジン車両にも適用することもできる。よって、実施の形態では、回転数制御を行う対象の原動機としてモータジェネレータを示したが、これに限定されず、エンジンを制御対象とすることもできる。
ここで、原動機としてエンジンと2つのモータジェネレータを備えたハイブリッド車両としては、図10に示すように、実施の形態1にて示した駆動系に、エンジン1、発電用モータジェネレータMG1、動力分配装置2を加えたものとしてもよい。
なお、動力分配装置2は、リングギアRGと、サンギアSGと、ピニオンPGを支持するキャリアPCと、を有するシングルピニオン型遊星歯車により構成されている。リングギアRGには、変速機出力軸7に固定されたギア92に噛み合わされている。キャリアPCには、エンジン出力軸4が接続されている。サンギアSGには、発電用モータジェネレータMG1のモータ出力軸5が接続されている。すなわち、動力分配装置2は、発電用モータジェネレータMG1(サンギアSG)の回転速度と、エンジン1(キャリアPC)の回転速度と、が決まると、リングギアRG(高速段ギア対90のギア92)の回転速度が自動的に決まる無段変速機能を有する。
そして、駆動用モータジェネレータMG2は、発電用モータジェネレータMG1が発電した電力を使って駆動し、変速機入力軸6から自動変速機3を介して変速機出力軸7へ出力する。また、動力分配装置2からの出力トルクと、自動変速機3からの出力トルクとが、変速機出力軸7にて合成される。なお、発電用モータジェネレータMG1は、主としてジェネレータとして発電用に使用するが、走行状況によっては駆動用モータとして使用してもよい。
また、実施の形態では、締結要素の締結及び開放を行うアクチュエータとして電動アクチュエータを示したが、アクチュエータとしては電動のものに限られず、油圧アクチュエータなど他のアクチュエータを用いることができる。
また、実施の形態では、変速機の締結要素のダウン変速時締結クラッチとして、係合クラッチ(ドグクラッチ)を用い、ダウン変速時開放クラッチとして摩擦クラッチを示したが、これに限定されず、両クラッチを摩擦クラッチとしたものにも適用することができる。
加えて、変速機として、ハイギア段とローギア段の2段変速を行う自動変速機を示した。しかし、変速機としては、複数の変速段を有する変速機であれば、3段以上の変速機であってもよい。その場合、1速−2速間、2速―3速間、など各変速段の間でのアップ変速時に本発明を適用することができる。
さらに、実施の形態1では、ダウン変速時トルク増加処理とアップ変速時トルク増加処理との両方を実行する例を示したが、これに限定されない。すなわち、両トルク増加処理を実行しない場合でも、トルク応答変速処理による効果を得ることができる。また、各トルク増加処理を実行する場合でも、いずれか一方のみを実行するようにしてもよい。
1 エンジン(原動機)
3 自動変速機
14 駆動輪
21 変速コントローラ(変速制御手段:アクセルペダル踏込増加時変速制御部)
41 電動アクチュエータ
42 電動アクチュエータ
83 係合クラッチ
93 摩擦クラッチ
MG モータジェネレータ(原動機)
MG2 駆動用モータジェネレータ(原動機)
Tcl2 (摩擦クラッチの)伝達トルク
tFo 要求駆動トルク
Tmo モータトルク
Tyo 余裕トルク

Claims (5)

  1. 原動機から駆動輪への駆動伝達系に設けられ、アクチュエータの駆動により締結要素を締結及び開放させて複数段の変速を行なう変速機と、
    前記変速機の変速制御を行う変速制御手段と、
    を備えた車両の変速制御装置であって、
    前記変速制御手段は、アップ変速時において前記変速機の入力回転数を変速前の回転数から変速後の回転数に制御しているイナーシャフェーズ中に、アクセルペダルの踏込増加操作が行われたイナーシャフェーズ中踏込時には、前記踏込増加操作に基づき要求駆動トルクを求め、この要求駆動トルクが、アップ変速後のギア比により実現可能であるか否か判定し、実現可能判定時は、アップ変速を継続し、非実現可能判定時は、変速開始前の変速段に移行するトルク応答変速処理を実行するアクセルペダル踏込増加時変速制御部を備えていることを特徴とする車両の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両の変速制御装置において、
    前記締結要素として、前記アップ変速時に開放される係合クラッチ及び前記アップ変速時に締結される摩擦クラッチを備え、
    前記イナーシャフェーズは、前記係合クラッチの開放後から変速終了までのフェーズであることを特徴とする車両の変速制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の変速制御装置において、
    前記原動機としてモータを備え、
    前記アクセルペダル踏込増加時変速制御部は、前記トルク応答変速処理により、変速開始前の変速段へ移行する際に、モータトルクの出力に余裕がある場合は、前記モータトルク及び摩擦クラッチの伝達トルクを増加させるダウン変速時トルク増加処理を実行することを特徴とする車両の変速制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車両の変速制御装置において、
    前記原動機としてモータを備え、
    前記アクセルペダル踏込増加時変速制御部は、前記トルク応答変速処理により、前記アップ変速の継続の際に、モータトルクの出力に余裕がある場合は、前記モータトルク及び摩擦クラッチの伝達トルクを増加させるアップ変速時トルク増加処理を実行することを特徴とする車両の変速制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載された車両の変速制御装置において、
    前記アクチュエータが、電動アクチュエータであることを特徴とする車両の変速制御装置。
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