JP6089612B2 - インクジェット記録用インク、装置、記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク、装置、記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6089612B2
JP6089612B2 JP2012249876A JP2012249876A JP6089612B2 JP 6089612 B2 JP6089612 B2 JP 6089612B2 JP 2012249876 A JP2012249876 A JP 2012249876A JP 2012249876 A JP2012249876 A JP 2012249876A JP 6089612 B2 JP6089612 B2 JP 6089612B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
weight
recording
pigment
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012249876A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014098074A (ja
Inventor
井上 智博
智博 井上
真理子 小島
真理子 小島
享 大嶋
享 大嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2012249876A priority Critical patent/JP6089612B2/ja
Publication of JP2014098074A publication Critical patent/JP2014098074A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6089612B2 publication Critical patent/JP6089612B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明はインクジェット記録装置、インクジェット記録方法に関するものである。
普通紙に記録することを目的とするインクジェット印刷は、従来、安全性や環境配慮といった点から水性インクが主流である。従来オフィスや家庭で用いられてきた水性インクジェット記録用インクは、特に乾燥手段を用いなくても自然乾燥で十分対応できるものが殆どであった。
しかしながら、近年、印刷速度の高速化や多様なメディアへの対応が求められており、自然乾燥では乾燥が追いつかず、用紙の搬送に支障をきたす恐れが生じている。そのため、様々な乾燥手段が提案されている。たとえば、高温の空気を記録媒体に吹き付ける手段、輻射加熱手段、伝導加熱手段等、記録媒体を強制的に乾燥させるために一般的な加熱手段が提案されている。
これらの中で、赤外線を照射して加熱乾燥する方法は、特に印字画像部、すなわち着滴インクや記録メディア中の液体成分を直接加熱乾燥することが可能であり有効である。また、温風や熱風による加熱乾燥に比べて、記録メディアが不要に熱せられることがなく、さらにヘッド近傍にまで送風が影響することもないため、吐出安定性などの信頼性にも影響しない方法である。
赤外線加熱を有効に行なうには、インク中に赤外線を吸収する物質を含むことが必要であり、赤外線吸収能力の高い化合物をインクに添加する方法が従来から提案されている。
たとえば、特許文献1の特公昭60−44336号公報では、印刷用溶剤型インキ中に赤外線吸収剤であるベンゼンチオール系ニッケル錯体を溶剤系インク組成中で用いている。
しかし、このような組成では乾燥時に多量の溶剤が蒸発するため、環境や人体への悪影響が大きいという欠点がある。
特許文献2の特開2001−226618号公報では、赤外線吸収能力を有する染料を用いた水性インクが開示されている。ここで用いられている赤外線吸収染料は水に不溶であるため、界面活性剤を用いて分散機で水中に分散させているが、このような分散手段では、メディアにインクが着弾した後、十分な定着性を得ることができない。熱の吸収により溶媒の蒸発は促進されるが、定着成分が不十分であること、また染料が滲み出し易くシャープな画像が得られにくいという欠点がある。
赤外線吸収剤としては、フタロシアニン化合物、オニウム化合物、シアニン化合物、ニッケル錯体などが挙げられるが、いずれも近赤外(700〜2500nm)領域の吸収が中心であり、インクに添加して赤外加熱効果を上げるためには多量の添加が必要となる。
これらの赤外線吸収剤をインクに多量に添加すると、保存安定性が低下したり、インクとしての発色性が変化するなどの影響があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、赤外線を用いて印字画像を加熱乾燥するインクジェット記録装置において、インクジェット用インクとしての基本特性(発色性、吐出安定性など)に影響せずに、効率的に乾燥可能な印字画像を形成できるインクおよびインクジェット記録装置を提供することである。
赤外線を用いて印字画像を加熱乾燥するインクジェット記録装置に使用するインクが、少なくとも水、色材およびカーボンナノチューブを含有することにより、発色性、保存安定性を損なうことなく、効率的に印字画像の強制乾燥が可能になることを見い出した。
さらに、インク中の色材が染料である場合には、印字後の色変化を強制乾燥で抑えることが可能となるためにより効果的である。
また、インク中に下記一般式(1)で示される界面活性剤を含有することで、カーボンナノチューブをインク中で安定に分散させることが可能であり、効果的である。
ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、又はアリル基を表し、Lは0〜7の整数を表し、nは20〜200の整数を表す。
また、本発明は、水吸収性の低い印刷用塗工紙などの記録メディアに対しても非常に効果が認められる。特に、記録メディアが塗工層を設けてなり、動的走査吸収計で測定した接触時間100msにおける純水の転移量が3〜15ml/mである記録メディアに対しても大きな効果が認められる。
従って上記課題は、本発明の下記(1)〜(6)によって解決される。
(1)「インクを収容したインク収容部、インク滴を吐出させるための記録ヘッド、画像印字後の記録メディアに赤外線を照射する手段を設けたインクジェット記録装置に用いるインクであって、該インクが少なくとも水、色材およびカーボンナノチューブを含むことを特徴とするインクジェット記録用インク」、
(2)「前記インク中の色材が染料であることを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェット記録用インク」、
(3)「前記インク中に長鎖親水性基を有する多環芳香族化合物材料を含有することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のインクジェット記録用インク」、
(4)「前記インク中に下記一般式(1)で示される界面活性剤を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、又は置換若しくは未置換のアリル基を表し、Lは0〜7の整数を表し、nは20〜200の整数を表す)、
(5)「少なくともインクを収容したインク収容部、インク滴を吐出させるための記録ヘッド、画像印字後の記録メディアに赤外線を照射する手段を設けたインクジェット記録装置において、前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のインクを用いることを特徴とするインクジェット記録装置」、
(6)「記録メディアが塗工層を設けてなり、動的走査吸収計で測定した接触時間100msにおける純水の転移量が3〜15ml/mである記録メディアに対して、前記第(5)項に記載のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴とするインクジェット記録方法」。
本発明によれば、インクジェット用インクとしての基本特性(発色性、吐出安定性など)に影響せずに、赤外線照射装置にて効率的に乾燥可能な印字画像を形成できるインクを提供することができた。
乾燥過程で印字画像の色調変化が起こりやすい染料の場合に、本発明は乾燥が効果的に行われるため、大きな効果が認められる。
カーボンナノチューブをインク中で安定に分散させるのに効果的であった。
インクジェット用インクとしての基本特性(発色性、吐出安定性など)に影響せずに、赤外線照射装置にて効率的に乾燥可能な印字画像を形成できるインクジェット記録装置を提供することができた。
水吸収性の低い印刷用塗工紙などの記録メディアに対して非常に効果が認められた。
本発明のインクジェット記録装置の一例を示す図である。 本発明のインクジェット記録装置における赤外線照射装置の一例を示す図である。
本発明のインク組成物について説明する。
まず、本発明に用いるカーボンナノチューブについて説明する。
カーボンナノチューブ(Carbon Nano-Tube、略称CNT)は、グラフェン(六員環ネットワーク)シートを筒型に巻いた形状しており、その直径は数nm〜100nmで、長さは数nm〜数μmである。1枚のグラフェンシートが筒状になった単層タイプ(Single wall carbon Nano-Tube;SWCNT)と重層構造になった多層タイプ(Multi wall Carbon Nano-Tube;MWCNT)がある。CNTは、導電性の高さ、表面積の大きさ(閉口状態で1,000m/g、開口状態で2,000m/gに逹す。)、高強度(鋼鉄の20倍の強度、特に繊維方向の引っ張り強度ではダイヤモンドすら凌駕する)である。また、ALの半分という軽さ、柔軟性と高ヤング率、銅の1,000倍以上の高電流密度耐性、銅の10倍の高熱伝導特性、細長い、などの主な特性から各種用途材料として検討されている。しかし、高い熱伝導性による液体の放熱のための利用を志向するものは多くない。
CNTのうち、SWCNTは優れた熱伝導性を示すが、分散性の観点からは多層タイプのほうが好ましい。つまり、本発明においては双方とも有効に利用することができる。また、双方を併用することもできる。
カーボンナノチューブの製造方法は、アーク放電、CVD法、レーザーアブレーション法などが挙げられるが、本発明では特に限定されるものではない。
本発明においては、水系インクにカーボンナノチューブ(CNT)を含有させるため、水系溶媒に分散させる必要があるが、CNTは、互いに引きつけ合って絡み合った束をつくる性質がある。このようなCNTは各種溶媒に解けず、無論、水にも分散し難い。したがって本発明において、これをほぐし水系溶媒に対する分散する分散処理をすることが好ましい。分散方法としては、親水性の官能基を化学修飾したり、界面活性剤や樹脂などの分散剤を用いて公知の分散方法を用いて分散すれば良い。例えば、長鎖親水性基を有する多環芳香族化合物材料を分散等のため好適に用いることができる。これは、親水性含有芳香族化合物のパイ(π)スタッキング性を利用せんとするものである。ここで、パイ(π)スタッキング性とは、平面構造を有する芳香族化合物同士が表面のπ電子によって互いに引き付け合い、積み重ねられるように寄り集まる性質をいう。従来のからの意味と異なるところはない。該多環芳香族化合物材料が有する前記親水性基は、スタッキングされた後のCNT−多環芳香族化合物材料の水性液への分散に寄与する。この親水性基は、例えば好適には、セグメント鎖部分が回転してCNTの表面側と異なる方向の水媒体側に向き易い嵩高なものであることができる。例えば20個以上のエチレンオキサイドが付加(従って20個以上の親水性エーテル基を含有)したポリエトキシエタノール基であることができる。なお、このような長鎖親水性基含有のパイ(π)スタッキング性芳香族化合物は、九州大学の中嶋直敏教授らの提案(Chem.Lett.36(2007)1140)とは異なる。該提案では、エピガロカテキンガレート(カテキン類の1種で、ナフタレン環に2個のベンゼン環と2個のヒドロキシ基が置換、2個のベンゼン環基はそれぞれ3個のヒドロキシ基を有するカテキン)のCNTの分散能に着目している。また、親水性基としてヒドロキシを複数有するピレン化合物を分散剤として用いることを提案している。ポリエトキシエタノール基を有するものではない。
本発明では下記一般式(1)で示した界面活性剤をインク中に含有した場合にカーボンナノチューブの分散安定性に非常に効果がある。しかし、上記のように、長鎖親水性基を有する多環芳香族化合物材料であれば、他の材料を用いることもできる。
(ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、又はアリル基を表し、Lは0〜7の整数を表し、nは20〜200の整数を表す。該アリル基は置換若しくは未置換のアリル基であってよい。)
カーボンナノチューブの分散方法としては、特開2003−238126号公報、特開2008−230935号公報、特許4355570号公報などが挙げられ、また、市販の分散液を用いることもできる。
従来から、カーボンナノチューブをパターニングするために、インクジェット法が用いられてきたが、この際用いるインクにはカーボンナノチューブが主成分として含有されている。が、本発明は、色材を主成分としたインクに赤外線吸収機能を付与するためにカーボンナノチューブを微量添加するものである。
カーボンナノチューブの添加量としては、0.1〜5重量%程度が好ましい。0.1%未満であると、インクの赤外線吸収効果すなわち赤外線ヒーターの乾燥効果が十分ではなく、5%を超えると、カーボンナノチューブの分散安定性が低下し、さらにインクとしての発色性への影響も無視できなくなる。
次に本発明のインク組成物について説明する。
本発明のインク構成成分としては、たとえば、水、色材、前記カーボンナノチューブ、湿潤剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、その他添加剤(防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等)、樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
まず色材としては、顔料、染料があるが、染料である場合には、印字後の色変化を強制乾燥で抑えることが可能となるためにより効果的である。
染料としては、従来公知のものであればいずれも使用することができる。水溶性染料としてはカラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で、好ましくは耐水、耐光性が優れたものが用いられる。
これら染料を具体的に挙げれば、
酸性染料および食用染料として、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,29,45,92,249、C.I.アシッドブラック 1,2,7,24,26,94、C.I.フードイエロー 3,4、C.I.フードレッド 7,9,14、C.I.フードブラック 1,2;
直接性染料として、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227、C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62,102、C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202、C.I.ダイレクトブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171;
塩基性染料として、C.I.べーシックイエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91、C.I.ベーシックレッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112、C.I.べーシックブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155、C.I.ベーシックブラック 2,8;
反応性染料として、C.I.リアクティブブラック 3,4,7,11,12,17
C.I.リアクティブイエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67、C.I.リアクティブレッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97
C.I.リアクティブブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95;等が使用できる。
顔料としては、無機顔料として、酸化チタン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、カーボンブラックを使用することができる。コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。該アゾ顔料には例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが含まれる。該多環式顔料には例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料などが含まれる。該染料キレートには例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどが含まれる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。インク組成物中の色材としての顔料の添加量は、0.5〜25重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15重量%程度である。
一般に顔料濃度が高くなると画像濃度が上がり画質が向上するが、定着性や吐出安定性、目詰まり等の信頼性に対しては悪影響が出易くなる。
本発明において好ましく用いられる顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、138、150、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
その他、顔料(例えばカーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なのものとしたものであっても良い。これは、顔料粒子を含有させた樹脂微粒子と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂微粒子に封入または吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、該顔料がインク中に分散していてもよい。
顔料の粒径については特に制限はないが、最大個数換算で最大頻度が20〜150nmの粒径の顔料インクを用いることが本発明では好ましい。粒径が150nmを超えると、インク組成物としての顔料分散安定性が悪くなるばかりでなく、吐出安定性も劣化し、画像濃度などの画像品質も低くなり好ましくない。粒径が20nm未満では、インク組成物の保存安定性、プリンタでの噴射特性は安定するが、そのように細かな粒径にまで分散せしめるのは、分散操作や、分級操作が複雑となり、経済的に記録液を製造することが困難となる。分散剤を用いて顔料を分散する場合には、従来公知のものであればいずれも使用することができる。たとえば、高分子分散剤、水溶性界面活性剤などが挙げられる。
次に湿潤剤、水溶性有機溶剤についてだが、これらはインクを所望の物性にするため、インクの乾燥を防止するため、またインクの溶解安定性を向上させるため等の目的で必要に応じて使用することができる。
水溶性有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコーノレ、ポリプロピレングリコール、1,5ペンタンジオール、1,6へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプローラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチローラクトン等を用いることができる。
その他の添加剤で防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム等が挙げられる。防錆剤としては、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。その例として、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、第4級アンモニウム水酸化物やジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化アンモニウム、第4級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。
本発明のインク組成物は前記構成成分を水性媒体中に溶解し、さらに必要に応じて攪拌混合して作製する。攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができるが、本発明は製造方法に左右されるものではない。
次に、本発明において使用されるインクジェット記録装置について、一例を挙げて説明する。本発明において使用されるインクジェット記録装置は、インクを収容したインク収容部、ここから供給されるインクジェット記録用インクのインク滴を吐出させるための記録ヘッドの他、画像印字後の記録メディアに赤外線を照射する手段を設けたものである。
図1に示したように、本発明では画像印字後に赤外線照射装置を用いて印字画像を乾燥するものである。赤外線照射による加熱乾燥装置は被加熱物に共振吸収されたエネルギーが分子の運動を誘発し、その摩擦により熱を生じさせて液成分を蒸発させるものである。
例えばハロゲンランプ、セラミックヒーター、遠赤外線ヒーター、赤外線ランプなどが挙げられるが、本発明では赤外線照射装置を特に限定するものではない。
また、本発明では、水吸収性の悪い塗工紙などの記録メディアにおいても優れた画像を形成することができる。ここで、水吸収性の悪い塗工紙とは、支持体の少なくとも一方の面に塗工層を設けてなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の記録メディアへの転移量が3〜15ml/mである印刷用塗工紙を示す。
吸液特性は協和精工(株)製動的走査吸液計(DSA)を用いて測定することができる。
動的走査吸収液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。
動的走査吸液計は、吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する、試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する。そして、予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行なう、という方法によって測定を自動化したものである。
紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材繊維主体の紙、木材繊維及び合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質などが挙げられる。
前記紙としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材パルプ、古紙パルプなどが用いられる。
前記木材パルプとしては、例えば、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、TMPなどが挙げられる。
前記支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。
該白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のような白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機顔料等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記支持体を抄造する際に使用される内添サイズ剤としては、例えば、中性抄紙に用いられる中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤などが挙げられる。
これらの中でも、中性ロジンサイズ剤又はアルケニル無水コハク酸が特に好適である。
前記アルキルケテンダイマーは、そのサイズ効果が高いことから添加量は少なくて済むが、記録用紙(メディア)表面の摩擦係数が下がり滑りやすくなるため、インクジェット記録時の搬送性の点からは好ましくない場合がある。
前記塗工層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
塗工層において使用する顔料としては、顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いる。
無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クロライト等の顔料を挙げることができる。
カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷用の用紙に近い風合いとすることができるので好ましい。
カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等がある。しかし光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80重量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50重量%以上を占めていることが望ましい。
またカオリンの配合量は、50重量部以上が好ましい。
50重量部未満であると、光沢度において十分な効果が期待しにくい。
上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90重量部未満がより好適である。
一方、有機顔料としては、例えば、スチレン・アクリル共重合体粒子、スチレン・ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。
これら有機顔料は2種以上が混合されても良い。
有機顔料の配合量は、2〜20重量部である。
有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高・高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができる。
2重量部未満では、前記効果がなく、20重量部を超えると、塗工液の流動性が悪化し、塗工操業性の低下に繋がることと、コスト面からも経済的ではない。
有機顔料にはその形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性および塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径が0.2〜3.0μmの範囲にあることが望ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
バインダーとしては、水性樹脂を使用するのが好ましい。
水性樹脂としては、水溶性樹脂及び水分散性樹脂の少なくともいずれかが好適に用いられる。
前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、ポリビニルアルコール及びポリビニルアルコールの変性物、ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンの変性物、セルロースの変性物、合成樹脂が挙げられる。
また、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉、又は各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの変性物としては、例えばアニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。前記ポリビニルピロリドンの変性物には、例えばポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、四級化したビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウムの共重合体等が挙げられる。前記セルロースの変性物としては、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等セルロース;カチオン化ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。前記合成樹脂としては、例えばポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、メラミン樹脂、又はこれらの変性物、ポリエステルとポリウレタンの共重合体等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、インク吸収性の観点から、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルとポリウレタンの共重合体等が特に好ましい。
前記塗工層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、支持体に塗工層液を含浸又は付着する方法により行なうことができる。
塗工層液の含浸又は付着方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレス、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工することも可能である。しかしコストの点から、抄紙機に設置されているコンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレスなどで含浸又は付着させ、オンマシンで仕上げても良い。
市販品としては、OKトップコート、OKアストロ・グロス、OKノンリンクル、SA金藤+、OK金藤+、OKノンリンクル、(F)MCOP、OKアストロ・ダル、OKアストロ・マット、OKウルトラアクアサテン、OKエンボス絹目、OKエンボス梨地、OKエンボス布目、OKエンボスホームスパン、OKオプトグロス、OK嵩王、OKカサブランカ、OKカサブランカ−V、OKカサブランカ−X、OK金藤片面、OKコートL、OKコートLグリーン100、OKコートNグリーン100、OKコートV、OK中質コート(オフセット用)、OKトップコートS、OKトップコートダル、OKトップコートマットN、OKトリニティ、OKトリニティNaVi、OKトリニティNaVi−V、OKネオトップコート、OKネオトップコートマット、OKノンリンクルAL、OKノンリンクルDL、OKノンリンクルBL、OKホワイトL、OKマットコートLグリーン100、OKマットコートグリーン100、OKロイヤルコート、OKホワイトL、Zコート、Zコートグリーン100、ウルトラサテン金藤N、ゴールデンマット、サテン金藤N、ニューエイジ、ニューエイジグリーン100、ミラーコート・ゴールド、ミラーコート・プラチナ、ロイヤルコートL、ロストンカラー、PODスーパーグロス、PODグロスコート、PODマットコート(以上、王子製紙社製)、ブロードマットA、ブロードグロスA、ホワイトパールコートN、ニューVマット、パールコート、ディグニティ、ビスタグロス、NパールコートL、ユトリロ、EP−Dグロス、EP−Lグロス、EP−Lマット、EP−Dプレミアムホワイト、EP−スーパー上質、(以上、三菱製紙社製)、Hi−α、αマット、キンマリHi−L、ミューコート、ミューマット、ミューホワイト(以上、北越製紙社製)などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
以下の処方で混合攪拌後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
水溶性染料 Acid Red 254 2.0重量部
カーボンナノチューブ水分散液 10重量部
(名城ナノカーボン社製 M10H カーボンナノチューブ濃度10%)
界面活性剤 前記一般式(1)L=0、n=40 0.5重量部
界面活性剤 CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH 1.5重量部
1,3−ブタンジオール 18重量部
グリセリン 6重量部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1重量部
イオン交換水 61.9重量部
以上のようにして作製したインクをインクジェットプリンターリコー製IPSiO GX5000に充填して、NBSリコー社製 Type6200紙に解像度600dpiで印字した。そして印字直後に近赤外線照射ユニット(ウシオ電機社製 UH−MA1−CL1000)に60m/minの速度で印刷物を通過させて、以下の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
<画像乾燥性>
印字乾燥直後の印刷物について、印字部へろ紙を押し当てて、ろ紙への転写具合を目視で観察し以下の評価基準により評価した。
A:ろ紙への転写が全く見られない
B:ろ紙への転写が若干見られる
C:ろ紙への転写が明らかに見られる
<画像特性>
印字乾燥直後の印刷物について、X−Rite社製反射カラー測色濃度計を用いて、画像濃度およびL*a*b*値を測定し、カーボンナノチューブ無添加の場合(対応する比較例)との色差△Eを求めて、以下の基準で評価した。
[色差△E]
A:△E<1
B:1≦△E<4
C:4≦△E
<吐出安定性>(間欠印写試験)
後述する印刷パターンを20枚連続で印写後、20分間吐出を実施しない休止状態にし、これを50回繰り返し、累計で1000枚印写後、もう1枚同チャートを印写した時の5%チャートベタ部の筋,白抜け,噴射乱れの有無を目視にて以下の基準で評価した。なお、印刷パターンは、画像領域中、印字面積が、紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、上記インクを100%dutyで印字した。
A:ベタ部に白抜け、スジ、噴射乱れがない。
B:ベタ部に白抜けはないが、スジ、噴射乱れが若干認められる。
C:ベタ部に白抜け、スジ、噴射乱れが一部に認められる。
D:ベタ部に白抜け、スジ、噴射乱れが全域にわたって認められる。
[実施例2]
実施例1で作製したインクをインクジェットプリンタ リコー社製IPSiO GX5000に充填して、王子製紙社製OKトップコート紙に解像度1200dpiで印字した。
そして、印字直後に近赤外線照射ユニット(ウシオ電機社製 UH−MA1−CL1000)に60m/minの速度で印刷物を通過させて、実施例1と同様な評価を行った。
[実施例3]
以下の処方で混合攪拌後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
水溶性染料 Acid Red 254 2.0重量部
カーボンナノチューブ水分散液 10重量部
(名城ナノカーボン社製 M10H カーボンナノチューブ濃度10%)
界面活性剤 CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH 1.5重量部
1,3−ブタンジオール 18重量部
グリセリン 6重量部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1重量部
イオン交換水 62.4重量部
以上のようにして作製したインクを実施例2と同様にして評価した。
[実施例4]
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製 KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して顔料分散液を得た。
C.I.ピグメントブルー15:3 15重量部
(大日本精化株式会社製 シアニンブルーA−292)
カーボンナノチューブ(名城ナノカーボン社製) 5重量部
界面活性剤 前記一般式(1)L=0、n=20 13重量部
アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製) 2重量部
イオン交換水 65重量部
上記顔料分散液を用いて、以下の処方で混合攪拌後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
上記顔料分散液 40重量部
界面活性剤 CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH 2重量部
1,3−ブタンジオール 18重量部
グリセリン 6重量部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1重量部
イオン交換水 33.9重量部
以上のようにして作製したインクを実施例2と同様にして評価した。
[比較例1]
実施例1において、以下のインク(カーボンナノチューブ未添加)を用いた以外は同様にして評価した。
水溶性染料 Acid Red 254 2.0重量部
界面活性剤 前記一般式(1)L=0、n=40 0.5重量部
界面活性剤 CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH 1.5重量部
1,3−ブタンジオール 18重量部
グリセリン 6重量部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1重量部
イオン交換水 71.9重量部
以上のようにして作製したインクを実施例1と同様にして評価した。
[比較例2]
比較例1で作製したインクについて、実施例2と同様にして評価した。
[比較例3]
実施例3において、以下のインク(カーボンナノチューブ未添加)を用いた以外は同様にして評価した。
水溶性染料 Acid Red 254 2.0重量部
界面活性剤 CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH 1.5重量部
1,3−ブタンジオール 18重量部
グリセリン 6重量部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1重量部
イオン交換水 72.4重量部
[比較例4]
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製 KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して近赤外線吸収剤分散液を作製した。
近赤外線吸収剤(FF IRSORB 201/富士フィルム社製) 20重量部
界面活性剤 前記一般式(1)L=0、n=40 5重量部
イオン交換水 75重量部
上記分散液を用いて、以下の処方で混合攪拌後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
水溶性染料 Acid Red 254 2.0重量部
上記近赤外線吸収剤分散液 10重量部
界面活性剤 CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH 1.5重量部
1,3−ブタンジオール 18重量部
グリセリン 6重量部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1重量部
イオン交換水 62.4重量部
以上のようにして作製したインクを実施例2と同様にして評価した。
[比較例5]
比較例4において、以下のインク処方を用いた以外は同様な評価を行った。
水溶性染料 Acid Red 254 2.0重量部
上記近赤外線吸収剤分散液 25重量部
界面活性剤 CH(CH12O(CHCHO)CHCOOH 1.5重量部
1,3−ブタンジオール 18重量部
グリセリン 6重量部
防腐防黴剤 プロキセルLV(アビシア社製) 0.1重量部
イオン交換水 47.4重量部
以上のようにして作製したインクを実施例2と同様にして評価した。
[比較例6]
実施例4において、以下の顔料分散液(カーボンナノチューブ未添加)を用いた以外は、同様な処方にてインクを作製して同様にして評価した。
C.I.ピグメントブルー15:3 15重量部
(大日本精化株式会社製、シアニンブルーA−292)
界面活性剤 前記一般式(1)L=0、n=20 13重量部
アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製) 2重量部
イオン交換水 70重量部
表中の色差△Eは、比較例のカーボンナノチューブ未添加インクを基準として求めた。
比較例1基準:実施例1
比較例2基準:実施例2、比較例4、比較例5
比較例3基準:実施例3
比較例6基準:実施例4
特公昭60−44336号公報 特開2001−226618号公報

Claims (6)

  1. インクを収容したインク収容部、インク滴を吐出させるための記録ヘッド、画像印字後の記録メディアに赤外線を照射する手段を設けたインクジェット記録装置に用いるインクであって、該インクが少なくとも水、色材およびカーボンナノチューブを含み、前記カーボンナノチューブの含有量が、1質量%〜5質量%であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記インク中の色材が染料および有機顔料の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記インク中に長鎖親水性基を有する多環芳香族化合物材料を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記インク中に下記一般式(1)で示される界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
    (ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、又は置換若しくは未置換のアリル基を表し、Lは0〜7の整数を表し、nは20〜200の整数を表す。
  5. 少なくともインクを収容したインク収容部、インク滴を吐出させるための記録ヘッド、画像印字後の記録メディアに赤外線を照射する手段を設けたインクジェット記録装置において、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクを用いることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 記録メディアが塗工層を設けてなり、動的走査吸収計で測定した接触時間100msにおける純水の転移量が3〜15ml/mである記録メディアに対して、請求項5に記載のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2012249876A 2012-11-14 2012-11-14 インクジェット記録用インク、装置、記録方法 Active JP6089612B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012249876A JP6089612B2 (ja) 2012-11-14 2012-11-14 インクジェット記録用インク、装置、記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012249876A JP6089612B2 (ja) 2012-11-14 2012-11-14 インクジェット記録用インク、装置、記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014098074A JP2014098074A (ja) 2014-05-29
JP6089612B2 true JP6089612B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=50940349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012249876A Active JP6089612B2 (ja) 2012-11-14 2012-11-14 インクジェット記録用インク、装置、記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6089612B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201401721D0 (en) 2014-01-31 2014-03-19 Univ Manchester Ink formulation
DE102015100535A1 (de) * 2015-01-15 2016-07-21 Océ Printing Systems GmbH & Co. KG Verfahren und Vorrichtung zum Drucken mit Temperaturverlauf zur optimalen Lösemittelpenetration
JP6946627B2 (ja) * 2016-09-15 2021-10-06 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 インクセット、インクカートリッジセット、記録装置、及び、記録方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE426073B (sv) * 1975-04-23 1982-12-06 O & R Inktchemie Tryckferg, som torkar snabbt under inverkan av verme, innehallande fenolharts, omettad polyester samt peroxidkatalysator
NL182155C (nl) * 1976-01-28 1988-01-18 O & R Inktchemie Werkwijze voor het bereiden van een drukinkt alsmede werkwijze voor het bedrukken van een materiaal onder toepassing van een aldus bereide drukinkt.
JPS6044336B2 (ja) * 1980-04-11 1985-10-03 三井東圧化学株式会社 熱乾燥性又は熱硬化性の促進された組成物
JP2001226618A (ja) * 1999-12-07 2001-08-21 Konica Corp インク、画像形成方法、プリンター並びにインク等の乾燥方法及び装置
JP2002080764A (ja) * 2000-06-28 2002-03-19 Konica Corp インクジェット記録液、レーザー熱転写材料、印刷版材料、インクジェット記録方法
JP2003026981A (ja) * 2001-07-12 2003-01-29 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用油中水型エマルションインク、および該インクを用いた印刷方法
US6975063B2 (en) * 2002-04-12 2005-12-13 Si Diamond Technology, Inc. Metallization of carbon nanotubes for field emission applications
US6798127B2 (en) * 2002-10-09 2004-09-28 Nano-Proprietary, Inc. Enhanced field emission from carbon nanotubes mixed with particles
US8187794B2 (en) * 2007-04-23 2012-05-29 Eastman Kodak Company Ablatable elements for making flexographic printing plates
JP2009214457A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Ricoh Co Ltd インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2010036455A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Fujifilm Corp インクジェット記録方法
JP2010069870A (ja) * 2008-08-19 2010-04-02 Fujifilm Corp インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
US9133344B2 (en) * 2009-06-26 2015-09-15 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink-jet inks having polymers and near-infrared absorbing dyes
JP5663899B2 (ja) * 2010-03-03 2015-02-04 株式会社リコー 光硬化型液体インク、光硬化型液体インクの製造方法、現像装置及び画像形成装置
JP2011209114A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 赤外線検出センサ
CN102093774B (zh) * 2010-12-31 2013-11-06 清华大学 导电墨水及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014098074A (ja) 2014-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5263584B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクメディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP6075075B2 (ja) インクジェット記録方法及び記録用インクと記録用メディアのセット
US8883275B2 (en) Inkjet recording medium and ink set, and inkjet recording method
JP5118832B2 (ja) 記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
US8814340B2 (en) Image forming method, and image formed matter
JP7310128B2 (ja) 接触部材、印刷装置、及び印刷方法
JP5811759B2 (ja) 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物
JP2013189596A (ja) 水性インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法
JP2008163238A (ja) 記録用インク、インクメディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物
BR112014008927B1 (pt) Tinta para jato de tinta, método de gravação a jato de tinta e aparelhode gravação a jato de tinta
JP7225960B2 (ja) 接触部材、乾燥装置、及び印刷装置
JP6089612B2 (ja) インクジェット記録用インク、装置、記録方法
JP2009113499A (ja) 組成物と方法
JP2005193660A (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法、並びにインクジェット記録方法
JP2006272689A (ja) インクジェット記録用紙
JP2011143705A (ja) 油性インクジェット印刷方法及びインクセット
JP2009096054A (ja) 画像記録方法及び画像記録装置、並びに画像記録物
JP7114962B2 (ja) 記録方法、及び記録装置
JP2018196952A (ja) 画像形成方法、画像形成装置、画像形成システム、及び画像形成物の製造方法
JP2010082904A (ja) インクジェット記録用紙
JP2014173023A (ja) 水性記録用液体、記録方法、記録装置
JP2013188982A (ja) インクジェット記録装置及び記録方法
JP7367402B2 (ja) 印刷装置、接触部材、及び乾燥装置
JP5512356B2 (ja) インクジェット画像形成方法。
JP2011212940A (ja) 画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20150624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150703

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170123

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6089612

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151