JP6088566B2 - 封口板、封口板の製造方法、及び、密閉型電池 - Google Patents

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Description

本発明は、容器内部の圧力を逃がす弁を備える封口板、この封口板の製造方法、及び、密閉型電池に関する。
密閉型電池は、容器内の圧力が設計許容値以上になった場合に内部のガスを放出する安全弁(圧力逃し弁または防爆弁)を備えている。この安全弁は、電池の容器に設けられている場合と、容器内に電極などを入れた後でこの容器を密閉するために取り付けられる封口板に設けられる場合がある。一般に、加工のしやすさから、安全弁を封口板に一体に設けることが多い。
特許文献1に記載された封口体(封口板)とその製造方法によれば、四角形の凹部の内周に沿う環状溝と対角線に沿うX字状の裂け目予定溝を有している。そして、それぞれ浅溝部と深溝部による2段階に刻印加工(型押し成形)することで封口体に一体に安全弁を形成することが開示されている。
特許文献2に記載された二次電池によれば、ガス排出弁(安全弁)を電池蓋に一体に設けているガス排出弁は、小判形の楕円形の凹部の内周に沿う外周溝部と、円弧の中心を結ぶ中央溝要素と、円弧の中心から外周溝部に延びる放射溝要素と、を有している。そして、これらの溝によって作られる2つの台形領域および2つの三角形領域が飛散しないように電池蓋(封口板)に繋ぎ止める不連続部を外周溝部の途中に有している。
特許文献3に記載された密閉型電池の封口板及びその製造方法によれば、封口板の凹部に一体に形成された小判形の凹部に弁を有している。凹部の内周に沿う一定幅の第1の溝と、第1の溝の底面にさらに幅の細い第2の溝をコイニング(圧縮加工)によって封口板に一体に成形している。この弁の製造方法の手順は以下のとおりであることが開示されている。まず、第1の圧縮加工の前段の工程で小判形の凹部を形成し、後段の工程で凹部の内周に沿い一定幅の第1の溝をコイニングによって形成する。これによって、第1の溝よりも内側に膨出部が形成される。次に、第2の圧縮加工において、膨出部を囲繞する所定領域の輪郭に沿って第2の溝をコイニングによって形成すると、所定領域が段部となってさらに膨出部が溝の深さと反対方向に膨出される。そして、第2の溝部の破断圧力を安定させるために、圧縮加工後に焼鈍処理を行っている。
特許第5059033号公報 特開2011−181214号公報 特開平11−273640号公報
ところで、密閉型電池の中でも充放電を繰り返す二次電池の場合、充電または放電の際に内部に発生するガスによって、設計上の許容圧力に近い内圧が掛ることがある。二次電池の利用分野は広がっており、安全弁(防爆弁)の信頼性が求められている。特に、内圧による繰り返し負荷に対する耐久性、すなわち許容圧力未満で繰り返される引張応力に対する安全弁の耐久性が重要視されている。繰り返し負荷に対する安全弁の耐久性を向上させるためには、封口板に一体に形成される安全弁の開封部分となる溝の底部の板厚を大きくすればよい。
しかしながら、溝の底部の板厚を大きくするということは、所望する圧力でその安全弁が作動しなくなることを意味する。つまり、安全弁の耐久性を向上させることと、作動圧力で確実に安全弁が開かれる安定性と確保することとは、両立させることが難しい。そして、特許文献1−3に記載されたいずれの技術でも、安全弁に対する許容圧力未満での繰り返し耐久性に関する検討はされていない。
そこで、本発明は、許容圧力未満の内圧による繰り返し応力に対する耐久性と、作動圧力で確実に開封される安定性とを両立する信頼性の高い安全弁を備える封口板、この封口板の製造方法、及び、この封口板が設けられた密閉型電池を提供する。
本発明に係る一実施形態の封口板は、プレート部と安全弁とを備える。プレート部は、密閉型電池の容器の開口部を塞いで、容器とともに外殻を形成する。安全弁は、プレート部の一部に一体に形成される。この安全弁は、外側凹部と、内側凹部と、外周湾曲部と、つのハッチ部と、リガメント部と、第1の周溝と、第1の横断溝と、第2の周溝と、を含む。外側凹部は、プレート部の外表面から凹んでいる。内側凹部は、外側凹部に一致する位置にプレート部の内表面から凹んでいる。外周湾曲部は、外側凹部と内側凹部との間にプレート部から一続きにかつ外側凹部の内周に沿って一定の幅に形成され、外側凹部の方へ膨出している。ハッチ部は、外周湾曲部の内側に外周湾曲部から一続きに形成され、外側凹部の方へそれぞれ膨出している。リガメント部は、ハッチ部のそれぞれを外周湾曲部に連結させる。第1の周溝は、外周湾曲部とハッチ部との間に配置され、外側凹部側から凹んでいる。第1の横断溝は、つのハッチ部の間に配置され、外側凹部側から凹み、第1の周溝に連続する。第2の周溝は、少なくともリガメント部を除いて第1の周溝の中に形成される。
このとき、上記封口板において、外側凹部は外表面に垂直な内周縁を有し、内側凹部は内周縁に対応する位置から外へ拡開する傾斜縁を有する。また、上記封口板において、ハッチ部は第1の周溝及び第1の横断溝で囲われた内側に外周湾曲部よりも厚みの大きい厚肉部を有していることも好ましい。また、上記封口板は、第1の横断溝に形成されて第2の周溝に連続する第2の横断溝をさらに備えてもよい。
また、上記封口板において、第1の周溝はリガメント部で不連続に形成され、リガメント部は外周湾曲部と同じ板厚でハッチ部へ連結されてもよい。または、上記封口板において、第1の周溝はリガメント部において不連続に形成され、第2の周溝はリガメント部から第1の周溝よりも離間して不連続に形成され、リガメント部は外周湾曲部と同じ板厚でハッチ部へ連結されていてもよい。または、上記封口板において、第1の周溝はリガメント部において連続して形成され、リガメント部は第1の周溝の底部と同じ板厚で外周湾曲部をハッチ部に連結されていてもよい。
また、上記封口板において、外側凹部及び内側凹部が楕円形に形成され、第1の横断溝が楕円形の長径方向に対して斜めに第1の周溝に連続する斜角溝を含むか、第1の横断溝が楕円形の長径方向に延びた中央溝とこの中央溝から第1の周溝へ斜めに連続する斜角溝とを含んでもよい。または、上記封口板において、外側凹部及び内側凹部が平行な一対の直線縁部を含む楕円形に形成され、第1の周溝が直線縁部に沿う直線溝を含み、第1の横断溝が直線溝に斜めに連続する斜角溝を含むか、第1の横断溝が直線溝に対して短くかつ平行に延びた中央溝とこの中央溝から直線溝に斜めに連続する斜角溝とを含んでもよい。また、このとき上記封口板において、リガメント部は斜角溝に対して鋭角を成す直線溝の離れた位置に配置されるか、リガメント部は斜角溝に対して鈍角を成す直線溝の離れた位置に配置されるとよい。
そして、本発明に係る一実施形態の密閉型電池は、開口部を有した容器とこの開口部を塞ぐ封口板とによって外殻を形成する密閉型電池であって、封口板が上述のいずれかの封口板であることが好ましい。
本発明に係る一実施形態の封口板の製造方法は、上述の封口板のプレート部に安全弁を形成する封口板の製造方法であって、凹部加工工程と、第1の刻印工程と、第2の刻印工程とを含む。凹部加工工程では、外側凹部を形成する外型と内側凹部を外側凹部に一致させて形成する内型とで板厚方向にプレート部を挟んで成形する。第1の刻印工程では、第1の周溝及び第1の横断溝を外側凹部に形成する第1の刻印と内側凹部に当てられる受型とで板厚方向にプレート部を挟んで外側凹部の方へ膨出するように外周湾曲部及びハッチ部を成形する。第2の刻印工程では、第2の周溝を少なくともリガメント部を除いて第1の周溝の中に形成する第2の刻印と受型とで挟んで成形する。
このとき、凹部加工工程において外型が第1の周溝及び第1の横断溝で囲われる範囲の内側のハッチ部のそれぞれに外周湾曲部よりも板厚の大きい厚肉部を形成してもよい。また、凹部加工工程において、外型が外表面に対して垂直な内周縁を外周凹部に形成し、内型が内周縁に対応する位置から外へ拡開する傾斜縁を内側凹部に形成してもよい。
本発明に係る封口板によれば、プレート部の一部に一体に安全弁が形成され、その安全弁は、外周湾曲部とこの内側に配置される2つのハッチ部とを有している。外周湾曲部とハッチ部はいずれも外側凹部の方へ膨出した形に形成されている。外周湾曲部とハッチ部との間には第1の周溝が形成され、ハッチ部どうしの間には第1の横断溝が形成されている。また、第1の周溝の中に少なくともリガメント部を残して第2の周溝が形成される。したがって、内表面側から圧力がかかった場合、圧力が小さいと外周湾曲部が延ばされるように撓むことで、外周湾曲部とハッチ部との間の第1の周溝及び第2の周溝はすぼまる方向に変位し、第2の周溝の底部は圧縮応力を受けることになる。したがって、ハッチが開かれない程度、すなわち安全弁が開放されない作動圧力以下の内圧が繰り返し加わっても、第2の周溝の底部に作用する応力の変化は小さいため、繰り返し内圧が加わることに対する安全弁の耐久性が向上する。また、第1の周溝に対して第1の横断溝が連続する交差部に開放起点が設けられる。この交差部は、安全弁の中心部から外れた位置であり、密閉型電池の容器の内部圧力によって安全弁に作用する応力は、中心部よりも交差部の方が小さい。安全弁に設定される作動圧力は、開放起点に対して設定されるので、設定された作動圧力に対して実際にハッチ部が開放される内部圧力は、ばらつきが小さくなる。
そして本発明に係る密閉型電池によれば、上述の安全弁が形成された封口板を有するので、充電と放電が繰り返された場合に容器の中で発生するガスによって内部圧力が安全弁の作動圧力以下で繰り返し変動しても、安全弁が疲労によって開封されることを防止でき、密閉型電池の耐用年数を延ばすことができる。
本発明に係る封口板の製造方法によれば、封口板に安全弁を一体に形成する際に、凹部加工工程と第1の刻印工程と第2の刻印工程との3段階に分けて施工される。一度に加工される変形量が少なくなるので、加工部分及びその周辺に及ぼす熱や応力の負荷を軽減することができるとともに、加工の際に型に加わる負荷も軽減できる。特に、第2の刻印は、リガメント部を除いて第2の周溝を加工する、すなわちリガメント部が設けられる範囲に第2の周溝を加工しないように型面の一部が切り欠かれているので、プレート部と第2の刻印との間に介在される潤滑油などが切り欠かれた部分から排出されやすくなる。その結果、第2の刻印の耐用年数を延ばすことができる。
本発明に係る第1の実施形態の密閉型電池の斜視図。 図1中のF2部の安全弁を拡大した斜視図。 図2の安全弁を示し、(A)は安全弁の平面図、(B)はF31−F31線に沿う安全弁の断面図、(C)はF32−F32線に沿う安全弁の断面図。 図2の安全弁の凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程のそれぞれで変形される領域を模式的に示す図。 図2の安全弁の凹部加工工程を施した封口板を示し、(A)は外側凹部が加工された封口板の平面図、(B)はF51−F51線に沿う封口板の断面図。 図5の封口板に第1の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第1の周溝及び第1の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF61線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF62線及びF63線を通る封口板の部分的な断面図。 図6の封口板に第2の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第2の周溝及び第2の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF71線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF72線及びF73線を通る封口板の部分的な断面図。 図2のハッチ部が開放された状態の安全弁の斜視図。 本発明に係る第2の実施形態の封口板に設けられる安全弁の斜視図。 図9の安全弁を示し、(A)は安全弁の平面図、(B)はF101−F101線に沿う安全弁の断面図、(C)はF102−F102線に沿う安全弁の断面図。 図9の安全弁の凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程のそれぞれで変形される領域を模式的に示す図。 図9の安全弁の凹部加工工程を施した封口板を示し、(A)は外側凹部が加工された封口板の平面図、(B)はF121−F121線に沿う封口板の断面図、(C)はF122−F122線に沿う封口板の断面図。 図12の封口板に第1の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第1の周溝及び第1の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF131線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF132線を通る封口板の部分的な断面図。 図13の封口板に第2の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第2の周溝及び第2の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF141線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF142線を通る封口板の部分的な断面図。 本発明に係る第3の実施形態の封口板に設けられる安全弁の斜視図。 図15の安全弁の凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程のそれぞれで変形される領域を模式的に示す図。 図15の安全弁の凹部加工工程及び第1の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第1の周溝及び第1の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF171線〜F173線を通る封口板の部分的な断面図。 図17の封口板に第2の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第2の周溝及び第2の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF181線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF182線及びF183線を通る封口板の部分的な断面図。 本発明に係る第4の実施形態の封口板に設けられる安全弁の斜視図。 図19の安全弁の凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程のそれぞれで変形される領域を模式的に示す図。 図19の安全弁の凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第2の周溝が加工された封口板の平面図、(B)はF211線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF212線を通る封口板の部分的な断面図、(D)はF213線を通る封口板の部分的な断面図。 本発明に係る第5の実施形態の封口板に設けられる安全弁の斜視図。 図22の安全弁の凹部加工工程及び第1の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第1の周溝及び第1の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF231線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF232線及びF233線を通る封口板の部分的な断面図。 図23の封口板に第2の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第2の周溝及び第2の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF241線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF242線及びF243線を通る封口板の部分的な断面図。 本発明に係る第6の実施形態の封口板に設けられる安全弁の斜視図。 図25の安全弁の凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程のそれぞれで変形される領域を模式的に示す図。 図25の安全弁の凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第2の周溝及び第2の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF271線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF272線を通る封口板の部分的な断面図、(D)はF273線を通る封口板の部分的な断面図。 本発明に係る第7の実施形態の封口板に設けられる安全弁の斜視図。 図28の安全弁の凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程のそれぞれで変形される領域を模式的に示す図。 図28の安全弁の凹部加工工程を施した封口板を示し、(A)は外側凹部及び厚肉部が加工された封口板の平面図、(B)はF301−F301線に沿う封口板の断面図、(C)はF302−F302線に沿う封口板の断面図。 図30の封口板に第1の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第1の周溝及び第1の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF311線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF312線を通る封口板の部分的な断面図、(D)はF313線を通る封口板の部分的な断面図。 図31の封口板に第2の刻印工程を施した封口板を示し、(A)は第2の周溝及び第2の横断溝が加工された封口板の平面図、(B)はF321線を通る封口板の部分的な断面図、(C)はF322線を通る封口板の部分的な断面図、(D)はF323線を通る封口板の部分的な断面図。 他の実施形態の安全弁の溝のパターンを示す図。
本発明に係る第1の実施形態の密閉型電池1について、図1から図8を参照して説明する。図1に示す密閉型電池1は、開口部2Aを有した容器2とこの開口部2Aを塞ぐ封口板3とによって密封された外殻が形成されている。容器2は、コアを電解液とともに格納している。コアは、セパレータを介在させ、正極及び負極を積層してあるいは捲回して造られている。正極及び負極の端子41,42は、容器2の内側から外側へ封口板3を貫通し、絶縁部材43を介して封口板3に固定されている。本実施形態の密閉型電池1の容器2は、端子41,42が並ぶ方向を横切る方向に偏平した角形に形成されている。
また、封口板3は、プレート部3Aと安全弁3Bとを備えている。プレート部3Aは、密閉型電池1の容器2の開口部2Aを塞いで容器2とともに外殻を形成する。安全弁3Bは、端子41,42どうしの間となる位置のプレート部3Aの一部に一体に形成されている。プレート部3Aは、容器2の開口部2Aと嵌り合う段差を外周部3Cに有している。プレート部3Aの外周部3Cと容器2の開口部2Aの縁とが付き合わされることで造られた開先は、レーザ溶接などによってシール溶接される。なお、密閉型電池1に適用される密封手段であれば、容器2と封口板3との密封手段は、溶接以外の方法で接合されてもよい。
安全弁3Bは、図2に示すように、外側凹部301と、内側凹部302と、外周湾曲部303と、ハッチ部304と、リガメント部305と、第1の周溝31、第1の横断溝32と、第2の周溝33と、を少なくとも含む。本実施形態の場合、さらに第2の横断溝34を含んでいる。図2及び図3の(B)及び(C)に示すように、外側凹部301は、外殻となる封口板3すなわちプレート部3Aの外表面から凹んでいる。内側凹部302は、外側凹部301に対して一致し、外殻となる封口板3すなわちプレート部3Aの内表面から凹んでいる。外側凹部301は、プレート部3Aの外表面に垂直な内周縁306を有し、内側凹部302は、内周縁306に対応する位置から容器2の内側に向かって拡開する傾斜縁307を有している。本実施形態の場合、外側凹部301及び内側凹部302は、楕円形、より詳しくは平行な一対の直線縁部を含む楕円形に形成される。
外周湾曲部303は、図3の(B)及び(C)に示すように、外側凹部301と内側凹部302との間にプレート部3Aに一続きにかつ外側凹部301の内周縁306に沿って一定幅に形成され、外側凹部301の方に膨出している。このとき、外周湾曲部303は、プレート部3Aの外表面よりも突出しないように形成される。また、外周湾曲部303の内表面側は、外周湾曲部303が外側に膨らんでいることによって、内側凹部302の傾斜縁307になだらかに連続するように形成される。これにより、加工の際の変形や密閉型電池1の内部圧力によって外周湾曲部303とプレート部3Aとの連続部に作用する応力は、緩和される。
ハッチ部304は、少なくとも2つ、本実施形態では図2及び図3の(A)に示すように、楕円形に形成された外側凹部301及び内側凹部302の平行な直線縁部に沿う方向に2つ配置される。ハッチ部304は、図3の(B)及び(C)に示すように外周湾曲部303の内側にこの外周湾曲部303に一続きに形成され、外側凹部301側へ膨出している。
リガメント部305は、図2、図3(A)及び(C)に示すように、ハッチ部304のそれぞれを外周湾曲部303に連結させる。このリガメント部305は、密閉型電池1の容器2の内部圧力が安全弁3Bに設定された作動圧力を超えた場合に開放されたハッチ部304を異物として飛散させないために設けられる。したがって、リガメント部305は、ハッチ部304が開放される際の起点に設定される位置から遠い位置に設けられることが好ましい。
第1の周溝31は、図2及び図3に示すように、外周湾曲部303とハッチ部304との間に配置され、外側凹部301側から凹んでいる。第1の周溝31は、直線溝311と円弧溝312とを含む。直線溝311は、外側凹部301の一対に設けられる直線縁部に沿う部分である。円弧溝312は、平行に延びた2つの直線溝311の一方の直線溝311の端部から他方の直線溝311の端部へ向かって円弧でつなぐように延びている。また、第1の横断溝32は、2つのハッチ部304の間を横断するように配置され、外側凹部301側から第1の周溝31と同じ深さに凹んでおり、第1の周溝31の直線溝311を一方から他方に向かって接続する。
本実施形態の場合、図2及び図3に示すように、第1の周溝31は、リガメント部305において不連続に形成されている。言い換えると、リガメント部305は、第1の周溝31を横切って配置される。具体的には、リガメント部305は、直線溝311の端部と円弧溝312の間に配置される。したがって、リガメント部305は、外周湾曲部303と同じ板厚でハッチ部304へ連結される。
また、第1の横断溝32は、楕円形に形成された外側凹部301の長径方向に対して、すなわち直線溝311に対して、斜めに連続する斜角溝321を含んでいる。直線溝311と斜角溝321との交差する角度は、本実施形態において30°〜60°の間、好ましくは約45°に傾いた状態である。
第2の周溝33は、図2及び図3に示すように、少なくともリガメント部305を除いて第1の周溝31の中に形成される。本実施形態では、第2の周溝33は第1の周溝31の全域にわたって設けられる。第2の横断溝34は、第1の横断溝32の中に第2の周溝33と同じ深さに形成され、第2の周溝33に連続する。つまり、第2の周溝33及び第2の横断溝は、第1の周溝31及び第1の横断溝32と同じ範囲にわたって形成されており、したがって、第2の周溝33は、直線溝331及び円弧溝332を含み、第2の横断溝34は、斜角溝341を含む。
既に述べたように、リガメント部305は、ハッチ部304が開放されるときの起点となる位置から離れた位置に設けることが好ましい。本実施形態の場合、上述のように第1の周溝31、第1の横断溝32、第2の周溝33および第2の横断溝34が形成される結果、第1の周溝と第1の横断溝32が交差する部分、すなわち第2の周溝33と第2の横断溝34が交差する部分が開放起点Xとなりやすい。そこで、リガメント部305は、それぞれのハッチ部304に対して開放起点Xから溝伝いに遠い位置、すなわち斜角溝321に対して鋭角を成す側の直線溝311の端部と円弧溝312の間にリガメント部305を設ける。
以上のように構成される安全弁3Bをプレート部3Aに一体に形成する封口板3の製造方法を図4から図7を参照して説明する。本発明に係る一実施形態の封口板3の製造方法によれば、凹部加工工程と、第1の刻印工程と、第2の刻印工程とを含み、三段階に分けて加工されることで、プレート部3Aの一部に一体に安全弁3Bが形成される。
図4は、各工程において加工される範囲を模式的に示している。図4中の下から順番に、凹部加工工程で型押しされる領域P1、第1の刻印工程で第1の刻印によって型押しされる領域P2、第2の刻印工程で第2の刻印によって型押しされる領域P3を示す。いずれも、説明上分かりやすいように誇張して図示されている。
図5は封口板3の材料に対して凹部加工工程を施した状態を示し、図6は図5の封口板3に対して第1の刻印工程を施した状態を示し、図7は図6の封口板に対して第2の刻印工程を施した状態を示す。
凹部加工工程では、封口板3のプレート部3Aを外型と内型とで板厚方向に挟んで押しつぶすプレス加工によって、図5に示すように外側凹部301及び内側凹部302をプレート部3Aの一部に同時に成形する。このとき、プレート部3Aは、安全弁3Bが加工される前の一次材料である。外型は、板厚方向に外殻の外表面から外側凹部301を形成する凸型である。内型は、板厚方向に外殻の内表面から内側凹部302を外側凹部301に一致させて形成する凸型である。加工された範囲を外側凹部301側から見た平面図を図5(A)に示し、外側凹部301及び内側凹部302が形成された範囲の断面図を図5(B)に示す。
第1の刻印工程では、凹部加工工程を経たプレート部3Aを第1の刻印と受型とで板厚方向に挟んでプレス加工することによって、外周湾曲部303と、2つのハッチ部304と、リガメント部305とを形成する。第1の刻印は、第1の周溝31及び第1の横断溝32を成形する凸型を有しており、外側凹部301に押し当てられる。受型は、内側凹部302に嵌る凸型を有し、内側凹部302に当てられる。第1の刻印工程を経ることで外側凹部301に第1の周溝31及び第1の横断溝32が加工された平面図を図6(A)に示し、図6(A)中のF61線に沿う断面(リガメント部305の断面)を図6(B)に、図6(A)中のF62線に沿う断面(第1の周溝31の断面)及びF63線に沿う断面(第1の横断溝32の断面)を図6(C)にそれぞれ示す。
また、第1の刻印工程を経ることで、外周湾曲部303は第1の周溝31の外側に形成され、2つのハッチ部304は第1の周溝31及び第1の横断溝32で囲われる内側に形成される。外周湾曲部303及びハッチ部304は、平坦な受型に対して第1の刻印を押し当てることで、外側凹部301側に膨出する。また、第1の周溝31を加工しない不連続部がリガメント部305となるべく残される。
第2の刻印工程では、第1の刻印工程を経たプレート部3Aを第2の刻印と受型とで板厚方向に挟んでプレス加工することによって、第1の周溝31の中に第2の周溝33を少なくともリガメント部305を除いて形成する。本実施形態の場合、安全弁3Bは第2の横断溝34も有しているので、第2の刻印は、第2の周溝33及び第2の横断溝34を第1の周溝31の中及び第1の横断溝32の中にそれぞれ形成する凸型を有している。
第2の周溝33は、第1の周溝31の不連続部に合致する不連続部を有している。リガメント部305は、この不連続部、すなわちハッチ部304のそれぞれを外周湾曲部303に連結する部分である。第2の刻印工程を経ることで第1の周溝31及び第1の横断溝32の中に第2の周溝及び第2の横断溝がそれぞれ加工され平面図を図7(A)に示し、図7(A)中のF71線に沿う断面(リガメント部305の断面)を図7(B)に、図7(A)中のF72線に沿う断面(第1の周溝31及び第2の周溝33の断面)及びF73線に沿う断面(第1の横断溝32及び第2の横断溝34の断面)を図7(C)にそれぞれ示す。
以上の製造方法によって作られた封口板3は、図2及び図3に示す安全弁3Bがプレート部3Aに一体に形成され、密閉型電池1に組み込まれる。密閉型電池1の容器2に内部圧力が加わると、安全弁3Bが容器2の外側に向かって押圧される。このとき、外周湾曲部303及びハッチ部304は、外側凹部301側に膨出しているので、内圧が比較的小さい間は、外周湾曲部303が外側へ押し出されるように変位することによって、外周湾曲部303の内周、すなわち第1の周溝31及び第2の周溝33が設けられた部分がすぼまるように変位する。したがって、第1の周溝31及び第2の周溝33の底部に圧縮応力が作用する。安全弁3Bの作動圧力(開封される圧力)として予め設定された圧力に内部圧力が近づくと、第1の周溝31及び第2の周溝33の底部に引張応力が作用するようになる。
また、第1の横断溝32及び第2の横断溝34は、第1の周溝31及び第2の周溝33に対して傾斜した斜角溝321,341であるため、ハッチ部304は、斜角溝321,341と鈍角を成す直線溝311,331に面した縁304Aよりも斜角溝321,341と鋭角を成す直線溝311,331に面した縁304Bの方が長い。さらに、斜角溝321,341と鋭角を成す直線溝311,331の端部と円弧溝312,332との間にリガメント部305が設けられている。したがって、ハッチ部304は、直線溝311,331に沿って長い縁304Bの方が外周湾曲部303に対する結合力が強い。その結果、斜角溝321,341である第1の横断溝32及び第2の横断溝34の底部には、この溝に沿う方向の剪断応力が作用することとなる。
そして、安全弁3Bの作動圧力よりも内部圧力が高くなると、斜角溝321,341と直線溝311,331とが鈍角を成す角部が開放起点Xとなって、この開放起点Xから第2の周溝33及び第2の横断溝34の底部に沿って安全弁3Bが開封され、内部圧力を発生していたガスが放出される。リガメント部305は、安全弁3Bの開放起点Xに対して溝伝いに遠い位置に配置されている。具体的には、ハッチ部304の中心に対してほぼ対称となる位置にリガメント部305と開放起点Xとが配置される。安全弁3Bが開放されると、放出されるガスの勢いによって、ハッチ部304は、図8に示すようにリガメント部305を支点に容器2の外側へ、リガメント部305を捩るように回動する。ハッチ部304を開放させるエネルギーは、リガメント部305を変形させるエネルギーとして吸収される。
以上のように、本発明に係る密閉型電池1の封口板3に設けられた安全弁3Bは、設定された作動圧力を超える圧力が容器2の内部に発生することによって開放された場合でも、リガメント部305を有しているので、ハッチ部304が飛散しない。また、外周湾曲部303及びハッチ部304は、外側に向かって膨出しているが、外側凹部301の内側に収まっている。つまり、安全弁3Bは、封口板の外表面を突出しないように成形されている。したがって、密閉型電池1の製造工程において、封口板3を重ねても、安全弁3Bに傷がつくことを防止できる。
安全弁3Bを開放させる内部圧力に起因する引張応力は、安全弁3Bの中心部分に集中する。安全弁3Bが楕円形である場合、長径方向に沿う溝があると、その溝に応力が集中しやすい。したがって、安全弁3Bが平行な直線部分を有している場合、そのどちら側があるいは直線部分のどの位置が開放起点Xになるか定まりにくく、安全弁3Bの作動性能が安定しなくなる。本願発明に係る封口板3の安全弁3Bは、第1の横断溝32及び第2の横断溝34を設けているので、開放起点Xは、第1の周溝31及び第2の周溝33と第1の横断溝32及び第2の横断溝34との交差部(溝の連結部)に特定される。つまり、安全弁3Bの作動性能が安定する。
特に、第1の横断溝32及び第2の横断溝34は、第1の周溝31及び第2の周溝33の直線溝311,331に対して斜めに接続される斜角溝321,341である。したがって、第2の横断溝34の底部に作用する溝に交差する方向の引張応力は、第2の横断溝34が直線溝311,331に対して平行に配置された場合に底部に作用する引張応力に比べて小さくなり、代わりに、第2の横断溝34の底部には、この溝に沿う方向に剪断応力が作用する。密閉型電池1が充電と放電を繰り返される二次電池である場合、安全弁3Bを開封する作動圧力よりも低い内部圧力が繰り返し作用することが想定される。内部圧力によって第2の横断溝34の底部に繰り返し作用する応力が第2の横断溝34に沿う剪断応力であることで、繰り返し応力による疲労破壊に至るまでの耐久性が向上する。つまり、作動圧力に対する安全弁3Bの作動性能が安定するとともに、作動圧力以下における安全弁3Bの耐久性も向上する。
さらに、この封口板3の製造方法によれば、凹部加工工程においてプレス加工で押しつぶして外側凹部301及び内側凹部302を成形するので、安全弁3B及びその周辺の材料強度が高まるとともに、安全弁3Bの安定した作動性能を得ることができる。また、第1の周溝31及び第1の横断溝32の中に第2の周溝33および第2の横断溝34を形成することで、一度に加工される変形量を少なくできるので、変形による熱や高い応力が加工時に局部的に発生することを防止できる。つまり、本発明に係る封口板の製造方法によれば、プレス加工によって形成された安全弁3Bの材料特性のばらつきを抑えることができ、安全弁3Bの作動性能が安定する。
以下に、本発明に係る第2から第7の実施形態の封口板3について説明する。各実施形態において、第1の実施形態の封口板3と同じ機能を有する構成は、各実施形態中でも同じ符号を付し、詳細な説明は第1の実施形態の対応する記載及び図面を参酌することとする。したがって、以下の各実施形態の説明では、異なる点を中心に説明し、そのほかの詳細は、第1の実施形態から当該実施形態のひとつ前までの実施形態中に説明されたものとする。
本発明に係る第2の実施形態の封口板3について、図9から図14を参照して説明する。図9は、封口板3の一部に一体に形成された安全弁3Bの斜視図である。外周湾曲部303及びハッチ部304は、第1の周溝31及び第1の横断溝32によって区画され、外側凹部301側に膨出している。また、第1の周溝31及び第1の横断溝32の中には、第2の周溝33および第2の横断溝34が形成されている。第2の実施形態では、それぞれのハッチ部304の中央部に厚肉部308を有している点が、第1の実施形態の安全弁3Bと異なっている。
図10(A)は、図9の安全弁3Bを外側凹部301側から見た平面図であり、第1の横断溝32及び第2の横断溝34が斜めに配置された中央部(F101−F101線)の断面図を図10(B)に、リガメント部305を通る(F102−F102線)断面図を図10(C)に、それぞれ示す。図10(C)に示されるように、厚肉部308は、ハッチ部304の中央部において外側凹部301側に突出し、内側凹部302側には突出していない。また、ハッチ部304は、厚肉部308を有していても、外側凹部301の中に収まっている。
この厚肉部308は、封口板3に安全弁3Bを形成する過程で造られる。図11は、凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程においてそれぞれ加工される範囲を模式的に示している。図11中の下から順番に、凹部加工工程で型押しされる領域P1、第1の刻印工程で第1の刻印によって型押しされる領域P2、第2の刻印工程で第2の刻印によって型押しされる領域P3を示す。凹部加工工程で型押しされる領域P1の中に、異なるハッチングを施した領域P4は、厚肉部308を形成するために外側凹部301よりも型が引っ込んでいる。
図12は、凹部加工工程が施された封口板3の安全弁3Bの部分を示す。図12(A)は、外側凹部301側から見た加工部分の平面図であり、図12(B)は、外側凹部301及び内側凹部302が加工された中央部(F121−F121線)を通る断面図であり、図12(C)は、厚肉部308が形成された部分(F122−F122線)を通る断面図である。図12(C)を見てわかるように、厚肉部308は、外側凹部301側に突出しており、内側凹部302側には突出していない。また、図12に示すように凹部加工工程では、外周湾曲部303及びハッチ部304が区画されておらず、外側凹部301側にも膨出していない。
図13は、凹部加工工程の後、さらに第1の刻印工程が施された封口板3の安全弁3Bの部分を示す。図13(A)は平面図、図13(B)はリガメント部305を通る部分(F131線)の断面図、図13(C)は第1の周溝31の円弧溝312を横切る部分(F132線)の断面図である。図からは分かりにくいが、厚肉部308が設けられていることによって、外周湾曲部303に対してハッチ部304が外側凹部301側へ膨出する大きさは、少し小さく抑えられる。
図14は、第1の刻印工程の後、第2の刻印工程が施された封口板3の完成した安全弁3Bを示す。図14(A)は完成した安全弁3Bの平面図、図14(B)はリガメント部305を通る部分(F141線)の断面図、図14(C)は第2の周溝33の円弧溝332を横切る部分(F142線)の断面図である。図14に示すように、第2の周溝33及び第2の横断溝34は、第1の周溝31及び第1の横断溝32の全長にわたって形成される。
以上のように構成された第2の実施形態の封口板3は、密閉型電池1に組み立てられ、容器2内に発生するガスによって安全弁3Bの作動圧力以上の内部圧力を受けると、第1の実施形態の図8に示したのと同様に、ハッチ部304が開放される。安全弁3Bの作動圧力に対して十分に低い圧力を繰り返し受ける場合、ハッチ部304に厚肉部308を有しているので変形量が少なく、第1の実施形態の封口板3に設けられた安全弁3Bよりも繰り返し応力による疲労に対する耐久性が向上する。
本発明に係る第3の実施形態の封口板3について、図15から図18を参照して説明する。図15は、封口板3の一部に一体に形成された安全弁3Bの斜視図である。外周湾曲部303及びハッチ部304は、第1の周溝31及び第1の横断溝32によって区画され、外側凹部301側に膨出している。また、第2の周溝33及び第2の横断溝34は、第1の周溝31及び第1の横断溝32の中に形成されている。第3の実施形態の安全弁3Bは、第1の周溝31がリガメント部305においても連続して、すなわちリガメント部305を横切って形成されている点が、第1の実施形態の安全弁3Bと異なっている。
図16は、凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程においてそれぞれ加工される範囲を模式的に示している。図16中の下から順番に、凹部加工工程で型押しされる領域P1、第1の刻印工程で第1の刻印によって型押しされる領域P2、第2の刻印工程で第2の刻印によって型押しされる領域P3をそれぞれ示す。本実施形態では、この第1の刻印工程で使用される第1の刻印の形状が異なっている。具体的には、第1の刻印は、リガメント部305を横切る凸型、すなわち図16の領域P2に示すように第1の周溝31を全周にわたって形成する凸型を有している。
凹部加工工程は、第1の実施形態と同じであるので、図5及びその説明を参酌するものとする。図17は、第1の刻印工程が施された封口板3の安全弁3Bの部分を示す。図17(A)は加工部分の平面図、図17(B)はリガメント部305を横切る第1の周溝31の部分(F171線)、第1の周溝31の円弧溝312の部分(F172線)、及び第1の横断溝32の部分(F173線)のそれぞれ共通する断面図である。第1の刻印工程が施されることによって、外周湾曲部303及びハッチ部304は、区画され、外側凹部301側へ膨出する。
図18は、第2の刻印工程が施された封口板3の安全弁3Bの部分を示す。図18(A)は完成した安全弁3Bの平面図、図18(B)はリガメント部305を通る(F181線)の断面図、図18(C)は第2の周溝33の円弧溝332を横切る部分(F182線)及び第2の横断溝34を横切る部分(F183線)の共通する断面図である。図16及び図18で分かるように、リガメント部305は、第2の周溝33が形成されていない部分で構成されることになる。
以上のように構成される安全弁3Bにおいて、第2の周溝33が形成されていない部分に、リガメント部305が形成されているが、リガメント部305の機能を満たすべく、第1の周溝31の深さを浅くする、あるいは、リガメント部305を形成するために第2の周溝を設けない範囲を広くする等、寸法が調整される。リガメント部305の形状が異なっている点を除いて、第3の実施形態の封口板3に設けられた安全弁3Bは、第1の実施形態の封口板3に設けられた安全弁3Bと同じである。したがって、密閉型電池1の封口板3に第3の実施形態の封口板3を採用した場合、第1の実施形態と同様に安全弁3Bの作動圧力以上の内部圧力を受けると、ハッチ部304が開放される。また、第3の実施形態の安全弁3Bもまた、外周湾曲部303及びハッチ部304が外側凹部301側に膨出しているとともに第1の横断溝32及び第2の横断溝34を有していることで、安全弁3Bの作動圧力に対して十分に低い圧力を繰り返し受ける場合、繰り返し応力に対する耐久性が高い。また第1及び第2の実施形態の封口板3の安全弁3Bと同様に、開放起点Xが決まっているので、作動圧力によってハッチ部304が開放される作動安定性に優れている。
本発明に係る第4の実施形態の封口板3について、図19から図21を参照して説明する。図19は、封口板3の一部に一体に形成された安全弁3Bの斜視図である。外周湾曲部303及びハッチ部304は、第1の周溝31及び第1の横断溝32によって区画され、外側凹部301側に膨出している。第1の周溝31は、リガメント部305を除いて形成されている。第2の周溝33は、第1の周溝31の全体に形成されている。第4の実施形態の安全弁3Bは、第2の横断溝34が形成されない点が、第1の実施形態と異なっている。
図20は、凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程においてそれぞれ加工される範囲を模式的に示している。図20中の下から順番に、凹部加工工程で型押しされる領域P1、第1の刻印工程で第1の刻印によって型押しされる領域P2、第2の刻印工程で第2の刻印によって型押しされる領域P3をそれぞれ示す。本実施形態では、この第2の刻印工程で使用される第2の刻印の形状が異なっている。具体的には、第2の刻印は、第2の横断溝34を含まない凸型、すなわち図20の領域P3に示すように、リガメント部305を除く範囲の第2の周溝33を有した凸型を有している。
凹部加工工程及び第1の刻印工程は、第1の実施形態と同じであるので、図5、図6及びそれらの説明を参酌するものとする。図21は、第2の刻印工程が施された封口板3の安全弁3Bの部分を示す。図21(A)は完成した安全弁3Bの平面図、図21(B)はリガメント部305を通る部分(F211線)の断面図、図21(C)は第2の周溝33の円弧溝332を横切る部分(F212線)の断面図、図21(D)は第2の横断溝が加工されなかった第1の横断溝32を横切る部分(F213線)の断面図である。
以上のように構成された第4の実施形態の封口板3の安全弁3Bは、第2の横断溝が設けられていない分だけ、第1の横断溝32に沿う方向に作用する剪断応力に対して高い強度を有する。したがって、第4の実施形態の封口板3の安全弁3Bは、作動圧力に対してハッチ部304が開放される作動安定を維持しつつ、作動圧力よりも低い圧力が繰り返しかかった場合の繰り返し応力による疲労に対する耐久性が、第1の実施形態よりも向上する。また、繰り返し応力の大きさも比較して大きい応力まで耐えることが可能になる。
本発明に係る第5の実施形態の封口板3について、図22から図24を参照して説明する。図22は、封口板3の一部に一体に形成された安全弁3Bの斜視図である。外周湾曲部303及びハッチ部304は、第1の周溝31及び第1の横断溝32によって区画され、外側凹部301側に膨出している。第2の周溝33および第2の横断溝34は、第1の周溝31及び第1の横断溝32の中に形成されている。第5の実施形態の封口板3の安全弁3Bは、第1の横断溝32及び第2の横断溝34が第1の実施形態の安全弁3Bと異なっている。
図22に示すように、第1の横断溝32は、第1の周溝31の直線溝311よりも短く平行に延びた中央溝322と、この両端から第1の周溝31の直線溝311へ斜めに延びた斜角溝321とを含む。したがって、第2の横断溝34もまた第1の横断溝32の中に形成されるので、中央溝342及び斜角溝341を含む。
第5の実施形態の場合も他の実施形態と同様に、凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程によって、安全弁3Bが封口板3の一部に一体に形成される。凹部加工工程で型押しされる領域P1は、第1の実施形態と同じであるので、図5及びその説明を参酌するものとする。
図23は、第1の刻印工程が施された封口板3の安全弁3Bの部分を示す。図23(A)は加工部分の平面図、図23(B)はリガメント部305を通る部分(F231線)の断面図、図23(C)は第1の周溝31の円弧溝312を横切る部分(F232線)及び第1の横断溝32の中央溝322を横切る部分(F233線)のそれぞれ共通する断面図である。したがって、第1の刻印工程において使用される第1の刻印は、図23(A)に示すように、中央溝322及び斜角溝321を含む第1の横断溝32を形成する凸型を有している。
図24は、第2の刻印工程が施された封口板3の安全弁3Bの部分を示す。図24(A)は完成した安全弁3Bの平面図、図24(B)はリガメント部305を通る部分(F241線)の断面図、図24(C)は第2の周溝33の円弧溝332を横切る部分(F242線)及び第2の横断溝34の中央溝342を横切る部分(F243線)のそれぞれ共通する断面図である。図24に示すように、第2の周溝33及び第2の横断溝34は、第1の実施形態と同様に、第1の周溝31及び第1の横断溝32の全長にわたって形成されている。
第5の実施形態では、安全弁3Bが中央溝322,342を有していることによって、開放起点Xは、中央溝322,342と斜角溝321,341との交点に設定される。つまり、中央溝322,342の長さ及び中央溝322,342と斜角溝321,341との交差角度を調整することによって、安全弁3Bの作動圧力を設定しやすくなる。溝の深さを調整するよりも中央溝322,342の長さや斜角溝321,341の配置を変更する方が、自由度が大きく調整しやすい。
本発明に係る第6の実施形態の封口板3について、図25から図27を参照して説明する。図25は、封口板3の一部に一体に形成された安全弁3Bの斜視図である。外周湾曲部303及びハッチ部304は、第1の周溝31及び第1の横断溝32によって区画され、外側凹部301側に膨出している。また、第1の周溝31は、第5の実施形態と同様に、リガメント部305を除いて形成されている。
第6の実施形態の安全弁3Bは、第2の周溝33および第2の横断溝34が形成される範囲が第5の実施形態の安全弁3Bと異なっている。具体的には、第2の周溝33は、リガメント部305及びその近傍を除く範囲に形成される。すなわち、第2の周溝33は、第1の周溝31よりもリガメント部305から離間して不連続に形成される。また、第2の横断溝34は、第1の横断溝32の中央溝322に形成されない。
図26は、凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程においてそれぞれ加工される範囲を模式的に示している。図26中の下から順番に、凹部加工工程で型押しされる領域P1、第1の刻印工程で第1の刻印によって型押しされる領域P2、第2の刻印工程で第2の刻印によって型押しされる領域P3をそれぞれ示す。つまり、第1の刻印工程で使用される第1の刻印は、図26の領域P2に対応する凸型を有し、第2の刻印工程で使用される第2の刻印は、図26の領域P3に対応する凸型を有している。
凹部加工工程は、第1の実施形態と同様であるので、図5及びその説明を参酌するものとする。また、第1の刻印工程は、第5の実施形態と同様であるので、図23及びその説明を参酌するものとする。図27は、第2の刻印工程が施された封口板3の安全弁3Bの部分を示す。図27(A)は完成した安全弁3Bの平面図、図27(B)はリガメント部305を通る部分(F271線)の断面図、図27(C)は第2の周溝33の円弧溝332を横切る部分(F272線)の断面図、図27(D)は第2の横断溝34のうち中央溝342が形成されない第1の横断溝32の中央溝322を横切る部分(F273線)の断面図である。
以上のように構成された第6の実施形態の封口板3の安全弁3Bは、中央溝322が第1の横断溝32の深さに形成される。つまり、第2の横断溝34の中央溝342が形成されない分だけ、第5の実施形態の場合よりも中央溝322の部分の溝が浅く、底部が分厚い。また、リガメント部305近傍も、第2の周溝33が形成されない分だけリガメント部305の剛性が増す。したがって、第6の実施形態の安全弁3Bは、安全弁3Bの作動圧力よりも低い内部圧力による繰り返し応力が加わる場合、第5の実施形態の安全弁3Bに比べて、繰り返し応力による疲労に対する耐久性が増すとともに、繰り返し応力の大きさも比較して大きい応力まで耐えることが可能になる。
開放起点Xは、第2の周溝33の直線溝331と第2の横断溝34の斜角溝341とが交差する位置に設定されてもよいし、第2の横断溝34の斜角溝341と第1の横断溝32の中央溝322とが交差する位置に設定してもよい。第2の横断溝34の中央溝342を図26や図27に示すように全く形成しなくてもよいし、部分的にあるいは断続的に設けてもよい。第2の横断溝34の中央溝342が形成される範囲を変えることで、安全弁3Bの作動圧力に対する応答性、及び、作動圧力よりも低い内部圧力に起因する繰り返し応力として許容できる大きさ及びその繰り返し応力による疲労に対する耐久性を調整することが可能である。
本発明に係る第7の実施形態の封口板3について、図28から図32を参照して説明する。図28は、封口板3の一部に一体に形成された安全弁3Bの斜視図である。外周湾曲部303及びハッチ部304は、第1の周溝31及び第1の横断溝32によって区画され、外側凹部301側に膨出している。第1の周溝31は、第1の実施形態と同様にリガメント部305を除いて形成され、第1の横断溝32は、第5の実施形態と同様に中央溝322及び斜角溝321を含んでいる。また、第2の周溝33および第2の横断溝34は、第1の周溝31及び第1の横断溝32の全長にわたって形成されている。つまり、第2の横断溝34も中央溝342及び斜角溝341を含んでいる。
第7の実施形態の安全弁3Bは、それぞれのハッチ部304の中央部に厚肉部308を有している点が、第5の実施形態の安全弁3Bと異なっている。厚肉部308は、封口板3に安全弁3Bを形成する凹部加工工程において作られる。図29は、凹部加工工程、第1の刻印工程、及び第2の刻印工程においてそれぞれ加工される範囲を模式的に示している。図29中の下から順番に、凹部加工工程で型押しされる領域P1,P4、第1の刻印工程で第1の刻印によって型押しされる領域P2、第2の刻印工程で第2の刻印によって型押しされる領域P3を示す。凹部加工工程において厚肉部308が形成される領域P4は、第1の横断溝32の中央溝322及び第2の横断溝34の中央溝342が設けられているため、その分だけ第2の実施形態の厚肉部308が形成される領域P4に比べて小さい。
図30は、凹部加工工程が施された封口板3の安全弁3Bの部分を示す。図30(A)は、外側凹部301側から見た加工部分の平面図であり、図30(B)は、外側凹部301及び内側凹部302が加工された中央部(F301−F301線)を通る断面図であり、図30(C)は、厚肉部308が形成された部分(F302−F302線)を通る断面図である。第2の実施形態と同様に、図30(C)に示すように厚肉部308は、外側凹部301側に突出しており、内側凹部302側には突出していない。
図31は、第1の刻印工程が施された封口板3の安全弁3Bの部分を示す。図31(A)は平面図、図31(B)はリガメント部305を通る部分(F311線)の断面図、図31(C)は第1の周溝31の円弧溝312を横切る部分(F312線)の断面図、図31(D)は第1の横断溝32の中央溝322を横切る部分(F313線)の断面図である。図からは分かりにくいが、厚肉部308が設けられていることによって、外周湾曲部303に対してハッチ部304が外側凹部301側へ膨出する大きさは少し小さく抑えられる。
図32は、第2の刻印工程が施された封口板3の完成した安全弁3Bを示す。図32(A)は完成した安全弁3Bの平面図、図32(B)はリガメント部305を通る部分(F321線)の断面図、図32(C)は第2の周溝33の円弧溝332を横切る部分(F322線)の断面図、図32(D)は第2の横断溝34の中央溝342を横切る部分(F323線)の断面図である。
以上のように構成された第7の実施形態の安全弁3Bは、第5の実施形態と同じ溝のパターンを有するとともに第2の実施形態と同様にハッチ部304に厚肉部308を備えている。厚肉部308が設けられているので、封口板3の安全弁3Bとして内部圧力を受ける場合、ハッチ部304の中央が撓む変形を抑えることができる。その結果、中央溝322,342に作用する応力が軽減されるため、繰り返し応力による疲労に対する耐久性が向上する。また、安全弁3Bの作動圧力に対する開放起点Xは、斜角溝321,341と中央溝322,342との交差部に設定される。
最後に、上述した封口板3に設けられる安全弁3Bの第1の周溝31、第1の横断溝32、第2の周溝33、及び第2の横断溝34の配置、すなわち外周湾曲部303とハッチ部304とを区画する溝のパターンについて、種々の変形例を図33に示す。図33中において、類似するパターンのものどうしを枠で囲っている。図33では、リガメント部305が第1の周溝31を横切るように表記しているが、第3の実施形態のように第1の周溝31がリガメント部を横切って形成されていてもよい。また、第2の周溝33及び第2の横断溝34は、第1の周溝31及び第1の横断溝32の全長にわたって配置されていてもよいし、第3、第4、または第6の実施形態のように部分的に配置されていてもよい。さらに、第2及び第7の実施形態のようにハッチ部304に厚肉部308を有していてもよい。
第1の実施形態の安全弁3Bに対して第1の横断溝32及び第2の横断溝34の角度が鈍角なものを図33(A)に、鋭角なものを図33の(B)に示す。また、第1の実施形態の安全弁3Bに対して第1の周溝31及び第2の周溝33の直線溝311,331どうしの間の距離が広いものを図33の(C)示し、第1の周溝31及び第2の周溝33が楕円形であるが直線部を有さないものを図33の(D)に示す。
第5の実施形態の安全弁3Bに対して第1の横断溝32及び第2の横断溝34の中央溝322,342が短いものを図33の(E)に示し、長いものを図33(F)に示す。第1の実施形態の安全弁3Bに対し、第1の横断溝32及び第2の横断溝34の角度が逆向きに傾斜しかつリガメント部305が鈍角側に設けられるものを図33の(G)に示し、第1の横断溝32及び第2の横断溝34が第1の周溝31及び第2の周溝33に垂直かつリガメント部305が交差部の近傍に配置されるものを図33(H)に示す。
図33の(I)および(J)は第1の横断溝32及び第2の横断溝34において中央溝322,342が交差するように配置されている。図33の(K)及び(L)は(G)及び(H)に比べてリガメント部305の配置が異なっており、第1の周溝31及び第2の周溝33の直線溝311,331に対して第1の横断溝32及び第2の横断溝34の斜角溝321,341が鈍角を成す側の端部にリガメント部305を配置している。
第1の実施形態の安全弁3Bに対して第1の横断溝32及び第2の横断溝34が「S」字形に屈曲したものを図33の(M)及び(N)に示し、緩やかに湾曲したものを図33の(Q)及び(R)に示す。このとき(M)と(Q)は曲りが浅く、(N)と(R)は曲りが深い。図33の(Q)では第1の横断溝32及び第2の横断溝34が安全弁3Bの中心に点対称であることに対し、直線溝311,331に沿う中心面で面対称に設けたものを(S)に示す。また、第1の実施形態の安全弁3Bに対して円弧溝312,332を横切るようにリガメント部305を配置したものを(O)、複数のハッチ部304を有したものを(P)及び(T)にそれぞれ示す。
以上の各実施形態及び変形例は、安全弁3Bを有した封口板3及びその封口板3を備える密閉型電池1について説明したが、この安全弁3Bの構造は、封口板3とともに密閉型電池1の外殻を構成する容器2に設けられてもよいし、他の密閉型の電子部品、例えば電解コンデンサの容器に設けられていてもよい。また、各実施形態の間で異なる構成及び構造は、他の実施形態にも応用可能であり、その構成及び構造に起因する効果を同様に得ることができるとともに、それらの組み合わせは制限されない。
以上、本発明の封口板、この封口板を備える密閉型電池、及び封口板の製造方法について、いくつかの実施形態を説明した。これらの実施形態は、発明を理解しやすくするために一例を示したに過ぎない、したがって、これらの実施形態に発明を限定することを意図したものではない。本発明は、他の様々な形でも実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更をすることが可能である。また、上述の各実施形態の変形例は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に対しそれらの均等の範囲も含む。
1…密閉型電池、2…容器、3…封口板、3A…プレート部、3B…安全弁、301…外側凹部、302…内側凹部、303…外周湾曲部、304…ハッチ部、305…リガメント部、308…厚肉部、31…第1の周溝、311…直線溝、312…円弧溝、32…第1の横断溝、321…斜角溝、322…中央溝、33…第2の周溝、331…直線溝、332…円弧溝、34…第2の横断溝、341…斜角溝、342…中央溝。

Claims (17)

  1. 密閉型電池の容器の開口部を塞いで前記容器とともに外殻を形成するプレート部と、
    前記プレート部の一部に一体に形成される安全弁と、を備え、
    前記安全弁は、
    前記プレート部の外表面から凹んだ外側凹部と、
    前記外側凹部に一致して前記プレート部の内表面から凹んだ内側凹部と、
    前記外側凹部と前記内側凹部との間に前記プレート部に一続きにかつ前記外側凹部の内周に沿って一定の幅に形成され前記外側凹部の方へ膨出した外周湾曲部と、
    前記外周湾曲部の内側に前記外周湾曲部に一続きに形成され前記外側凹部の方へ膨出した2つのハッチ部と、
    前記ハッチ部のそれぞれを前記外周湾曲部に連結させるリガメント部と、
    前記外周湾曲部と前記ハッチ部との間に前記外側凹部側から凹んだ第1の周溝と、
    つの前記ハッチ部の間に前記外側凹部側から凹み前記第1の周溝に連続する第1の横断溝と、
    少なくとも前記リガメント部を除いて前記第1の周溝の中に形成される第2の周溝と、
    を含むことを特徴とする封口板。
  2. 前記外側凹部は、前記外表面に垂直な内周縁を有し、
    前記内側凹部は、前記内周縁に対応する位置から拡開する傾斜縁を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載された封口板。
  3. 前記第1の横断溝に形成されて前記第2の周溝に連続する第2の横断溝をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された封口板。
  4. 前記第1の周溝は、前記リガメント部において不連続に形成され、
    前記リガメント部は、前記外周湾曲部と同じ板厚で前記ハッチ部へ連結される
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された封口板。
  5. 前記第1の周溝は、前記リガメント部において不連続に形成され、
    前記第2の周溝は、前記リガメント部から前記第1の周溝よりも離間して不連続に形成され、
    前記リガメント部は、前記外周湾曲部と同じ板厚で前記ハッチ部へ連結される
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された封口板。
  6. 前記第1の周溝は、前記リガメント部において連続して形成され、
    前記リガメント部は、前記第1の周溝の底部と同じ板厚で前記外周湾曲部を前記ハッチ部に連結する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された封口板。
  7. 前記外側凹部及び前記内側凹部は、楕円形に形成され、
    前記第1の横断溝は、前記楕円形の長径方向に対して斜めに前記第1の周溝に連続する斜角溝を含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載された封口板。
  8. 前記外側凹部及び前記内側凹部は、楕円形に形成され、
    前記第1の横断溝は、前記楕円形の長径方向に延びた中央溝と、前記中央溝から前記第1の周溝へ斜めに連続する斜角溝と、を含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載された封口板。
  9. 前記外側凹部及び前記内側凹部は、平行な一対の直線縁部を含む楕円形に形成され、
    前記第1の周溝は、前記直線縁部に沿う直線溝を含み、
    前記第1の横断溝は、前記直線溝に斜めに連続する斜角溝を含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載された封口板。
  10. 前記外側凹部及び前記内側凹部は、平行な一対の直線縁部を含む楕円形に形成され、
    前記第1の周溝は、前記直線縁部に沿う直線溝を含み、
    前記第1の横断溝は、前記直線溝に対して短くかつ平行に延びた中央溝と、前記中央溝から前記直線溝に斜めに連続する斜角溝を含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載された封口板。
  11. 前記リガメント部は、前記斜角溝に対して鋭角を成す前記直線溝の離れた位置に配置される
    ことを特徴とする請求項9又は請求項10のいずれか1項に記載された封口板。
  12. 前記リガメント部は、前記斜角溝に対して鈍角を成す前記直線溝の離れた位置に配置される
    ことを特徴とする請求項9又は請求項10のいずれか1項に記載された封口板。
  13. 前記ハッチ部は、前記第1の周溝及び前記第1の横断溝で囲われた内側に前記外周湾曲部よりも厚みの大きい厚肉部を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載された封口板。
  14. 開口部を有した容器と前記開口部を塞ぐ封口板とによって外殻を形成する密閉型電池であって、
    前記封口板は、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載された封口板である
    ことを特徴とする密閉型電池。
  15. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載された封口板の前記プレート部に前記安全弁を形成する封口板の製造方法であって、
    前記外側凹部を形成する外型と前記内側凹部を前記外側凹部に一致させて形成する内型とで板厚方向に前記プレート部を挟んで成形する凹部加工工程と、
    前記第1の周溝及び前記第1の横断溝を前記外側凹部に形成する第1の刻印と前記内側凹部に当てられる受型とで板厚方向に前記プレート部を挟んで前記外側凹部の方へ膨出するように前記外周湾曲部及び前記ハッチ部を成形する第1の刻印工程と、
    前記第2の周溝を少なくとも前記リガメント部を除いて前記第1の周溝の中に形成する第2の刻印と前記受型とで挟んで成形する第2の刻印工程と、
    を含むことを特徴とする封口板の製造方法。
  16. 前記凹部加工工程において、
    前記外型は、前記第1の周溝及び前記第1の横断溝で囲われる範囲の内側の前記ハッチ部のそれぞれに前記外周湾曲部よりも板厚の大きい厚肉部を形成する
    ことを特徴とする請求項15に記載された封口板の製造方法。
  17. 前記凹部加工工程において、
    前記外型は、前記外表面に対して垂直な内周縁を前記外側凹部に形成し、
    前記内型は、前記内周縁に対応する位置から外へ拡開する傾斜縁を前記内側凹部に形成する
    ことを特徴とする請求項15または請求項16に記載された封口板の製造方法。
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