JP6087905B2 - 連続的分析物監視のための方法および装置 - Google Patents

連続的分析物監視のための方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6087905B2
JP6087905B2 JP2014509470A JP2014509470A JP6087905B2 JP 6087905 B2 JP6087905 B2 JP 6087905B2 JP 2014509470 A JP2014509470 A JP 2014509470A JP 2014509470 A JP2014509470 A JP 2014509470A JP 6087905 B2 JP6087905 B2 JP 6087905B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
analyte
layer
electrode
predetermined time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014509470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014516658A (ja
Inventor
ジェファーソン ローズ
ジェファーソン ローズ
アシュウィン ケイ ラオ
アシュウィン ケイ ラオ
ニーン ヤーン
ニーン ヤーン
チア−ホゥン チウ
チア−ホゥン チウ
イーン ルオ
イーン ルオ
レベッカ ケイ ゴットリーブ
レベッカ ケイ ゴットリーブ
Original Assignee
メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド
メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド, メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド filed Critical メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド
Publication of JP2014516658A publication Critical patent/JP2014516658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6087905B2 publication Critical patent/JP6087905B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/145Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue
    • A61B5/1468Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue using chemical or electrochemical methods, e.g. by polarographic means
    • A61B5/1473Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue using chemical or electrochemical methods, e.g. by polarographic means invasive, e.g. introduced into the body by a catheter
    • A61B5/14735Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue using chemical or electrochemical methods, e.g. by polarographic means invasive, e.g. introduced into the body by a catheter comprising an immobilised reagent
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/145Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue
    • A61B5/14532Measuring characteristics of blood in vivo, e.g. gas concentration, pH value; Measuring characteristics of body fluids or tissues, e.g. interstitial fluid, cerebral tissue for measuring glucose, e.g. by tissue impedance measurement
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/28Electrolytic cell components
    • G01N27/30Electrodes, e.g. test electrodes; Half-cells
    • G01N27/327Biochemical electrodes, e.g. electrical or mechanical details for in vitro measurements
    • G01N27/3271Amperometric enzyme electrodes for analytes in body fluids, e.g. glucose in blood
    • G01N27/3272Test elements therefor, i.e. disposable laminated substrates with electrodes, reagent and channels

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

分析物センサ(糖尿病の管理に使用されるグルコースセンサなど)と、このようなセンサを製作および使用するための方法および材料。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年5月6日に出願された米国出願番号第13/102,390号による第120条に基づく優先権を主張し、同出願の内容は参照により取り入れられる。
バイオセンサなどの分析物センサは、生元素を使用して基質の化学分析物を検出可能信号に変換するデバイスを含む。多様な分析物に使用される多種のバイオセンサが存在する。最も研究の進んでいるタイプのバイオセンサは、糖尿病のための有効なグルコースレベル制御に重要な電流測定グルコースセンサである。
一般的なグルコースセンサは、以下の化学反応にしたがって機能する。
グルコースオキシダーゼは、グルコースと酸素との間の反応に触媒作用を及ぼしてグルコン酸と過酸化水素とを生成するのに使用される(式1)。Hは式2に示されているように電気化学的に反応し、ポテンショスタットによって電流が測定され得る。当該技術で周知の様々な酸化還元酵素で発生するこれらの反応が、多数のセンサ設計で使用される。
英国特許出願公開第2450002号 米国特許第6251260号
分析物センサ技術は成熟しておりセンサ技術の新たな応用が開発されているので、分析物の測定が望ましい多様な状況でのセンサの使用を容易にする方法および材料の必要性が存在する。
ここに開示される本件発明の実施形態は、糖尿病の管理に使用される電流測定グルコースセンサなどの分析物センサおよびセンサシステムとともに、このようなセンサおよびセンサシステムを使用して分析物を監視するための最適方法とを含む。本件発明の一実施形態は、長尺のベース層と、ベース層に配置されるとともに基準電極と作用電極と対向電極とを包含する導電層と、導電層に配置される分析物検知層と、分析物検知層に配置される分析物調整層であって、分析物調整層で拡散する分析物の拡散を調整する組成物を包含する分析物調整層と、分析物センサ装置に配置されるカバー層であって、分析物が分析物調整層と接触して拡散し分析物検知層と接触することを促進するようにカバー層に配置される孔を包含するカバー層とを包含する分析物センサ装置である。本発明の典型的な実施形態は、生体適合材料から成る、および/または哺乳類への埋め込みのために設計された構造要素と要素の構成とを有する。本発明の方法実施形態は、ここに開示されるセンサ実施形態を製作および使用するための方法を含む。本発明の或る実施形態は、特定のセンサ要素および/または特定のセンサ要素群を使用して、ここに開示されるセンサ実施形態の一つ以上の特性(センサ初期化および始動など)を発生および促進する方法を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、電極または孔などのセンサ装置の要素は、センサの機能を促進するように、特定の構成を有するべく設計される、および/または特定の材料で製作される、および/または他の要素に対して配置される。本発明のこのような実施形態の一つでは、作用電極と対向電極と基準電極とは、センサ接続機能を促進する構成でベースおよび/または導電層に分散配置される。
任意であるが、装置の実施形態は、例えば冗長検知能力を提供するため、複数の作用電極および/または対向電極および/または基準電極(例えば三つの作用電極、一つの基準電極、一つの対向電極)を包含する。本発明の或る実施形態は単一のセンサを包含する。本発明の他の実施形態は多数のセンサを包含する。本発明のいくつかの実施形態では、パルス電圧が使用されてセンサの一つ以上の電極から信号を得る。任意であるが、複数の作用、対向、および基準電極がユニットとして一緒に構成され、ユニットの反復パターンで導電層に分散配置される。本発明の或る実施形態では、生体内に埋め込まれた時にセンサのねじれおよび曲がりを許容する可撓性材料から長尺のベース層が作成され、生体内に埋め込まれた時にセンサ装置がねじれて曲がる際に少なくとも一つの作用電極との生体内流体接触を容易にする構成で、電極がグループ化される。いくつかの実施形態では、一つ以上の電極を有するセンサの一部分が生体内環境から取り出されて生体外環境に露出される場合にセンサが機能し続けるような構成で、電極がグループ化される。
本発明の実施形態では、第1所定時間に第1電極電位を分析物センサに印加することと、第2所定時間に第2電極電位を分析物センサに印加することと、センサ持続時間にわたって第1電極電位および第2電極電位の印加を連続的に反復することと、センサ持続時間中に分析物センサからの信号を受信および監視することとを包含する、分析物を検知する方法が提供される。実施形態において、センサは、第1電極電位の印加に先立つ水和および導入を含む初期化が可能である。センサ持続時間は、好ましくはセンサが体内に埋め込まれて分析物検知に使用されている時間全体である。初期化のためなどの水和および/または他の導入期間が使用される場合には、同じ第1および第2電極電位がこの期間中にも使用されるのでなければ、センサ持続時間は好ましくは導入期間の後で開始する。実施形態では、本発明の電圧切換は、異なる時間、例えば一つまた所定数の分析物読取値を得るのに要する時間、持続する。ある実施形態では、センサに電流が印加されないように、物理的に、または電子機器が他の方法で切断されることによりセンサが電子機器から分断されるまで、センサの検知期間全体にわたってセンサ時間が持続する。センサ持続時間は、30分を超える、1時間を超える、3時間を超える、または一日など、それ以上の時間であってもよい。
実施形態において、第3電極電位は第3所定時間に分析物センサに印加され、第1電極電位、第2電極電位、および第3電極電位の印加がセンサ持続時間にわたって反復される。実施形態では、追加の電極電位が追加の時間中に印加され得る。本発明の実施形態では、異なる電極電位はステップ電位である。好適な実施形態では、二つ、三つ、またはそれ以上の異なる電位が使用されるのであっても、電極電位はセンサ接続時間にわたって連続的に変えられる。
本件発明の実施形態では、グルコースなどの分析物の濃度は、分析物センサから受信および監視される信号から計算されるとよい。分析物の濃度の計算は、第1所定時間中および/または第2所定時間中に分析物センサからの信号の全体的変化を評価することを含むとよい。実施形態において、計算は、第1所定時間および/または第2所定時間中に分析物センサからの信号の緩和動特性を分析することを含み得る。実施形態において、計算は、第1および/または第2所定時間中に分析物センサから受信した信号から総電荷移動量を計算することを含み得る。1サイクルについて二つ以上の電圧が使用される場合には、これらの時間にも計算が行われ得る。
本件発明の実施形態では、分析物の濃度の計算、またはセンサの他の特徴の評価にいくつかの式が使用されるとよい。これらは、センサが適切に機能しているかどうかを判断するのに使用されてもよい。例えば、使用が考えられる二つの式は、
または
である。
付加的に、または代替例として、センサから受信した信号の分析は、以下の式の一つ以上の成分を使用して達成され得る。
本件発明の実施形態では、第1所定時間は10秒である。実施形態において、第2所定時間は約10秒であるとよい。実施形態において、第1および第2所定時間は、サイクルの他の所定時間とともに、1,3,5,7,10,15,30,45,60,90,120秒から成る群から非依存的に選択されるとよい。
実施形態では、第1電極電位と第2電極電位の少なくとも一方は約535ミリボルトである。可能な電極電位は、例えば、−535,0,177,280,535,635,または1.070ミリボルトでよい。
分析物検知システムを含む本件発明の実施形態が開示され、分析物検知システムは、哺乳類への埋め込みのための分析物センサと、分析物センサとの通信状態にあるセンサ電子機器とを包含し、センサ電子機器は、第1所定時間に第1電極電位を分析物センサに印加し、第2所定時間に第2電極電位を分析物センサに印加し、センサ持続時間にわたって第1電極電位および第2電極電位の印加を連続的に反復し、センサ持続時間中に分析物センサから信号を受信する回路網を含む。実施形態では、センサ電子機器は、第1所定時間の第1電極電位の印加に先立って分析物センサを起動する回路網を含み得る。いくつかの実施形態において、センサ電子機器は、第3所定時間に第3電極電位を分析物センサに印加し、センサ持続時間にわたって第1電極電位と第2電極電位と第3電極電位との印加を反復する回路網を含む。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3電極電位はステップ電極電位である。
いくつかの実施形態において、分析物検知システムは電子機器との通信状態にある監視機器を包含し、監視機器は、分析物センサから受信した信号を監視して、この信号から分析物の濃度を計算する回路網を含む。監視機器は、センサおよび/またはセンサ電子部品に直接接続されても、データを無線で受信してもよい。センサ電子部品はモニタの一部であるか、モニタから分離していてもよい。
本発明の一般的実施形態では、信号を送受信する設計の要素、モニタ、プロセッサ、その他などの要素(電子部品など)とともに、薬物注入ポンプなどセンサデータを使用して患者の生理機能を調整し得る機器にセンサが効果的に結合されている。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、哺乳類で検知された生体機能特徴値に基づくセンサからの信号を受信できるセンサ入力と、このセンサ入力に結合されるプロセッサとにセンサが効果的に結合され、プロセッサはセンサから受信した一つ以上の信号を特徴確認することができる。ここに開示される多様なセンサ構成がこのようなシステムで使用され得る。任意であるが、例えば、センサは三つの作用電極、一つの対向電極、そして一つの基準電極を包含する。ある実施形態では、少なくとも一つの作用電極が、グルコースオキシダーゼを包含する分析物検知層でコーティングされ、少なくとも一つの作用電極がグルコースオキシダーゼを包含する分析物検知層でコーティングされない。
本件発明の他の目的、特徴、利点は、以下の詳細な説明から当業者には明白になるだろう。しかし、詳細な説明および特定の例は、本件発明のいくつかの実施形態を示すが、例として挙げられたもので限定ではないことが理解されるべきである。本件発明の範囲内の多くの変更および変形は、本発明の趣旨を逸脱することなく行われてもよく、本発明はこのような変形のすべてを含む。
図1は、グルコースとグルコースオキシダーゼとの間の周知の反応の概略を示す。段階的に示されているように、この反応はグルコースオキシダーゼ(GO)とグルコースと水中の酸素とを必要とする。還元半反応では、2個の陽子と電子とが1‐Dグルコースから酵素へ移動してd‐グルコノラクトンを生成する。酸化半反応では、酵素が分子状酸素によって酸化されて過酸化水素を生成する。d‐グルコノラクトンは次に水と反応し、ラクトン環を加水分解してグルコン酸を発生させる。本発明の或る電気化学センサでは、この反応により発生される過酸化水素は作用電極で酸化される(H→2H++O+2e)。 図2は、今回の本発明の典型的な層状分析物センサ構成の概略図である。 図3は、本件発明の特徴を具現する、皮下センサ挿入セットと遠隔測定法による特徴的モニタ送信機器とデータ受信機器とを図示する斜視図である。 図4Aは、本発明の或る実施形態を使用して実験中に取得された電流読取値(Isigs)と時間とのグラフを提示する。 図4Bは、本発明の或る実施形態を使用して実験中に取得された電流読取値(Isigs)と時間とのグラフを提示する。 図5Aは、本件発明の実施形態による単純電極システムでの線形拡散の特性を図示するグラフを提供する。 図5Bは、本件発明の実施形態による単純電極システムでの線形拡散の特性を図示するグラフを提供する。 図6Aは、本件発明の実施形態による式を使用して形成された波形を示すグラフを提供する。図6Aは、第1および第2電圧からの測定電流を示す。 図6Bは、本件発明の実施形態による式を使用して形成された波形を示すグラフを提供する。図6Bは第1電圧について測定および計算された電流を示す。 図6Cは、本件発明の実施形態による式を使用して形成された波形を示すグラフを提供する。図6Cは第2電圧について測定および計算された電流を示す。 図7は、本発明の実施形態を実行する際に使用され得る種類のポテンショスタット(例えばステップ波形を発生させてIsigその他の値を検出できる回路網を含む)を示す。
他に定義されなければ、ここで使用される当該技術の用語、記号、そして科学用語または術語は、本件発明が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味を有するものとする。いくつかの事例では、一般に理解されている意味を持つ用語が、明瞭化のためおよび/または容易な参照のため、ここに定義されており、このような定義をここに含めることは、当該技術で一般的に理解されているものとの実質的な相違を表すと必ずしも解釈されるべきではない。記載または参照される技術および手順の多くはよく理解されており、従来の方法を使用して当業者により一般に採用されるものである。適切であれば、市販のキットおよび試薬の使用を必要とする手順は、概して、他に記されていなければ製造者による規定のプロトコルおよび/またはパラメータにしたがって実行される。いくつかの用語は以下で定義される。
ここに言及されるすべての刊行物は、この出版物が引用されているものと関係する方法および/または材料を開示および説明するため参照により取り入れられる。ここに引用される刊行物は、本出願の出願日に先立つ開示ゆえに引用されている。いずれも、本件発明より早い優先日または前の日付のために刊行物に先行する権利を本発明者が持たないことを容認するものとして解釈されないものとする。さらに、実際の公開日が示されたものと異なっていることもあり、自主的な確認を必要とする。
今回の組成および方法などについて説明する前に、説明される特定の方法、プロトコル、および試薬は当然変わることがあるので、本件発明がこれらに限定されないことが理解されなければならない。ここで使用される術語は特定の実施形態を説明することのみを目的とし、添付の請求項のみによって限定される本件発明の範囲を限定する意図はないことも理解されなければならない。
明細書および添付の請求項で使用される際に、単数形の“a”、“and”、および“the”は、明らかに逆を指す内容でないかぎり複数の指示対象も含む。ゆえに、例えば、“an oxidoreductase(酸化還元酵素)”との言及は、複数のこのような酸化還元酵素と、当業者に周知の同等物とを含むといった具合である。整数以外の値を数値的な特徴とし得る値(溶液中の化合物の濃度など)に言及する明細書および関連の請求項に記載のすべての数字は、“about(約)”の語によって修飾されているものと理解される。
ここに使用される際の「分析物」の語は広義語であって、分析され得る体液(例えば血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液、または尿)などの流体中の物質または化学成分を限定することなく含む通常の意味で使用される。分析物は、自然発生的な物質、人工物質、代謝物、および/または反応生成物を含み得る。いくつかの実施形態では、検知領域、機器、および方法により測定される分析物は、グルコースである。しかし、ラクタートを含むがこれに限定されない他の分析物も同様に考えられる。血液または間質液で自然発生する塩、砂糖、タンパク脂肪、ビタミン、およびホルモンは、或る実施形態では分析物を構成し得る。分析物は、体液に自然に存在する、つまり内因性であり得る。例えば代謝産物、ホルモン、抗原、抗体、その他。代替的に、分析物は体内へ導入される、つまり外因性で、例えば、撮像用の造影剤、放射性同位体、化学薬品、フッ化炭素ベースの合成血液、またはインシュリンを限定的でなく含む薬物または医薬組成物でもよい。薬物および医薬組成物の代謝産物も分析物と考えられる。
「酸化還元酵素」の語は、当該技術で受容されている意味にしたがって、つまり一つの分子(水素または電子供与体とも呼ばれる還元体)から別の分子(水素または電子受容体とも呼ばれる酸化体)への電子の移動に触媒作用を及ぼす酵素として使用される。典型的な酸化還元酵素は、グルコースオキシダーゼとラクタートオキシダーゼとを含む。「担体ポリペプチド」または「担体タンパク質」の語は、ポリペプチドの安定性、例えば、ポリペプチドを包含する組成物の物理的および化学的特性(グルコース酸化能力など)など或る定性特徴をある時間中に維持するという酸化還元酵素ポリペプチドの能力を維持するために含まれる添加剤という、当該技術で受容された意味にしたがって使用される。当該技術で一般に使用される典型的な担体プロテインは、アルブミンである。
ここに使用される際の「センサ」の語は広義語であって、分析物を検知する分析物監視機器の一つまたは複数の部分を限定ではなく含むものとして通常の意味で使用される。一実施形態において、センサは、作用電極と、基準電極と、任意で、センサ本体の一箇所に電気化学反応面を形成するセンサ本体を貫通してこれに固定される対向電極とを有する電気化学電池と、本体の別の箇所の電子接続部と、本体に付着されて電気化学反応面を被覆する膜システムとを含む。センサの一般的な動作中に、生体試料(例えば、血液または間質液)、あるいはその一部分が、酵素(例えばグルコースオキシダーゼ)と(直接的に、または一つ以上の膜または領域を通過した後に)接触し、生体試料(またはその部分)の反応は、生体試料の分析物レベルの判断を可能にする反応生成物の形成を結果的に招く。
ここに使用される際の「電気化学反応面」および「電気活性面」の語は広義語であって、電気化学反応が行われる電極の表面を限定ではなく含む通常の意味で使用される。一例において、作用電極は、検出される分析物の酵素触媒反応によって発生される過酸化水素を測定し、反応して電流を生成する(例えば、グルコースオキシダーゼを利用するグルコース分析物の検出はHを副産物として発生させ、Hは作用電極の表面と反応して、二つの陽子(2H)と、二つの電子(2e)と、検出される電子流を発生させる酸素の一分子(O)とを発生させる)。対向電極の事例では、作用電極により生成される電流のバランスを取るため、還元可能な種類、例えばOが電極表面で還元される。
「検知領域」の語はここでは広義語として使用され、特定の分析物の検出を担当する監視機器の領域を限定ではなく含む通常の意味で使用される。図の実施形態において、検知領域は、非電導体と、作用電極と、基準電極と、本体を貫通してこれに固定され、本体に電気化学反応面を形成する対向電極と、本体の別の箇所の電子接続手段と、電気化学反応面を被覆する一つ以上の層とを包含し得る。
ここに使用される際の「電気電位」および「電位」の語は広義語であって、電流フローの原因である回路の二つの点の間の電気電位差を限定ではなく含む通常の意味で使用される。ここに使用される際の「システムノイズ」の語は広義語であって、例えば、ガウス、動作関連、フリッカ、運動、または他の白色ノイズを含み得る不要な電子または拡散関連のノイズを限定ではなく含む通常の意味で使用される。
ここに使用される際の「干渉物質」および「干渉種」の語は広義語であって、センサにおいて当該の分析物の測定に干渉して分析物測定を正確に表さない信号を発生させる作用および/または化学種/化合物を含むがこれらに限定されない通常の意味で使用される。電気化学センサの一例において、干渉種は、測定される分析物と重複する酸化電位を持つ化合物である。
以下で詳細に記されるように、本発明の実施形態は、当該の分析物の濃度または流体中の分析物の濃度または存在を示す物質を測定する電気化学センサの使用に関連する。いくつかの実施形態では、センサは連続的な機器、例えば皮下的、経皮的、または血管内の機器である。いくつかの実施形態では、機器は複数の間欠的血液試料を分析できる。ここに開示されるセンサ実施形態は、侵襲性、低侵襲性、および非侵襲性の検知技術を含む何らかの周知の技術を使用して、当該の分析物の濃度を示す出力信号を提供することができる。一般的に、センサは、生体内または試験管内での分析物の測定値として酸素の存在下における分析物と酵素との間の酵素反応の生成物または反応物を検知するタイプのものである。このようなセンサは一般的に、分析物が中を移動する、酵素を囲繞する膜を包含する。生成物はこの時、電気化学的な方法を使用して測定され、こうして電極システムの出力は分析物の測定値として機能する。いくつかの実施形において、センサは、分析物を測定するために電流測定、電量測定、伝導度、および/または電位差測定技術を使用できる。
ここに開示される本発明の実施形態は、例えば糖尿病患者の血中グルコースレベルの皮下的または経皮的な監視に使用される種類のセンサを提供する。糖尿病および他の命にかかわる病気の治療のため、様々な埋め込み可能な電気化学バイオセンサが開発されている。多くの既存のセンサ設計は、何らかの形の不動化酵素を使用してその生体特異性を達成する。ここに説明される本発明の実施形態は、例えば、米国特許出願第20050115832号、米国特許第6,001,067号、第6,702,857号、第6,212,416号、第6,119,028号、第6,400,974号、第6,595,919号、第6,141,573号、第6,122,536号、第6,512,939号、第5,605,152号、第4,431,004号、第4,703,756号、第6,514,718号、第5,985,129号、第5,390,691号、第5,391,250号、第5,482,473号、第5,299,571号、第5,568,806号、第5,494,562号、第6,120,676号、第6,542,765号、およびPCT国際公開番号WO01/58348号、WO04/021877号、WO03/034902号、WO03/035117号、WO03/035891号、WO03/023388号、WO03/022128号、WO03/022352号、WO03/023708号、WO03/036255号、WO03/036310号、WO08/042,625号、WO03/074107号、および欧州特許出願第EP1153571号を含む多様な周知の電気化学センサにより適応および実行されることが可能であり、これらの各々の内容は参照により取り入れられている。
以下で詳細に記すように、ここに開示される本発明の実施形態は、高い材料特性および/またはアーキテクチャ構成を有するセンサ要素と、このような要素を含む構造のセンサシステム(センサと、モニタ、プロセッサ、その他などの関連の電子部品とを包含するもの)とを提供する。開示はさらに、このようなセンサおよび/またはアーキテクチャ構成を製作および使用するための方法を提供する。本発明のいくつかの実施形態は、グルコースおよび/またはラクタートセンサに関係するが、ここに開示される様々な要素(電極および電極設計など)は、当該技術で周知の多様なセンサのいずれか一つとの使用に適応可能である。ここに開示される分析物センサ要素、これらの要素を製作および使用するアーキテクチャおよび方法は、様々な層状センサ構造を確立するのに使用され得る。本発明のこのようなセンサは、多様なセンサ構成が多様な分析種を検査するべく設計されるようにする驚くほどの程度の柔軟性、多様性、および特徴を呈する。
本件発明の典型的な実施形態では、処理可能信号への分析物濃度の変換は電気化学的手段によるものである。これらの変換器は、当該技術で周知の多様な電流測定、電位差測定、または電気伝導ベースのセンサのいずれかを含むとよい。また、当該発明のマイクロ加工センサ技術および材料は、実質的に非平面の、また代替的には実質的平面状態に加工された他の種類の変換器(音響波検知機器、サーミスタ、気体検知電極、電界効果トランジスタ、光学およびエバネセント電界導波管、その他)に適用されてもよい。バイオセンサとともに、各タイプの変換器またはバイオセンサが利用される種類の分析用途でも使用される変換器についての有益な説明および表が、Trends in Biotech(1984,2(3),59〜65)のChristopher R. Loweによる論文に見られる。
本発明の実施形態の特定の態様が、以下の段落で詳細に記される。
I.本発明の典型的要素、構成、および分析物センサの実施形態
A.本発明の実施形態に見られる典型的なアーキテクチャ
図2は、本件発明の典型的なセンサ実施形態100の断面を図示している。このセンサ実施形態は、一般的には当該技術で受容されている方法および/またはここに開示される本発明の特定方法により互いの上に配置される様々な導電性および非導電性の構成要素による層の形である複数の構成部分から形成される。センサの構成部分は一般的に、図2に示されたセンサ構造体の容易な特徴確認を可能にするため、層としての特徴を持つ。しかし、本発明の或る実施形態では、多数のセンサ構成要素が一つ以上の異質な層を形成するようにこれらの構成要素が組み合わされることを、熟練者は理解するだろう。これに関連して、層状の構成要素の順序が本発明の様々な実施形態で変更され得ることを当業者は理解するだろう。
図2に示された実施形態は、センサ100を支持するベース層102を含む。ベース層102は、自己支持型であるか当該技術で周知のように別の材料によって支持される金属および/またはセラミックおよび/またはポリマー基板などの材料で製作され得る。本発明の実施形態は、ベース層102に配置される、および/またはこれと組み合わされる導電層104を含む。一般的に導電層は一つ以上の電極を包含する。作用センサ100は一般的に、作用電極と対向電極と基準電極など、複数の電極を含む。他の実施形態は、複数の作用および/または対向および/または基準電極、および/または多数の機能を実施する一つ以上の電極、例えば基準電極と対向電極の両方として機能するものも含んでもよい。
以下で詳細に記されるように、ベース層102および/または導電層104は多くの周知の技術および材料を使用して生成され得る。本発明の或る実施形態では、配置された導電層104を所望パターンの導電経路にエッチングすることによってセンサの電気回路が画定される。センサ100の一般的な電気回路は、接点パッドを形成する近位端部の領域とセンサ電極を形成する遠位端部の領域とを含む二つ以上の隣接の導電経路を包含する。ポリマーコーティングなどの電気絶縁カバー層106がセンサ100の部分に配置され得る。絶縁保護カバー層106としての使用について許容可能なポリマーコーティングは、シリコン化合物など非毒性の生体適合性ポリマー、ポリイミド、生体適合性はんだマスク、エポキシアクリレートコポリマー、その他を含み得るが、これらに限定されるわけではない。本件発明のセンサでは、一つ以上の露出領域または孔108がカバー層106に形成されて、導電層104を外部環境に開放するとともに、例えば、グルコースなどの分析物がセンサの層に浸透して検知要素により検知されるようにする。開口部108は、レーザアブレーション、テープマスキング、化学的ミーリングまたはエッチング、あるいはフォトリソグラフィー現像、その他を含むいくつかの技術によって形成され得る。本発明の或る実施形態では、製造中に二次フォトレジストが保護層106に塗着されて、除去されると開口部108を形成する保護層の領域を画定する。露出した電極および/または接点パッドはまた、表面の準備および/または導電領域の補強を行う付加的めっき処理などの二次処理を(孔108を通して)受けてもよい。
図2に示されたセンサ構成では、(一般的にセンサ化学反応層であって、この層の材料が化学反応を受けると導電層により検知され得る信号を発生させる)分析物検知層110が、導電層104の一つ以上の露出電極に配置されている。一般的に、分析物検知層110は酵素層である。最も一般的には、分析物検知層110は、酸素および/または過酸化水素を発生および/または利用することが可能な酵素、例えばグルコースオキシダーゼ酵素を包含する。任意であるが、分析物検知層の酵素が、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、その他などの第2担体タンパク質と組み合わされる。例示的な実施形態では、分析物検知層110のグルコースオキシダーゼなどの酸化還元酵素がグルコースと反応して、次に、電極で電流を調整する化合物である過酸化水素を発生させる。この電流の調整は過酸化水素の濃度に左右され、過酸化水素の濃度はグルコースの濃度と相関し、グルコースの濃度はこの電流の調整を監視することにより判断され得る。本発明の特定実施形態では、(ここでは陽極作用電極とも称される)陽極である作用電極で過酸化水素が酸化され、その結果生じる電流は過酸化水素濃度に比例している。過酸化水素濃度を変更することにより生じるこのような電流の調整は、汎用センサ電流測定バイオセンサ検出器など、様々なセンサ検出装置のいずれか一つ、またはMedtronic MiniMed製のグルコース監視デバイスなど当該技術で周知である他の多様な類似デバイスの一つによって監視され得る。
本発明の実施形態では、分析物検知層110は、導電層のいくつかの部分にわたって、または導電層の領域全体にわたって形成され得る。一般的には、陽極または陰極である作用電極に分析物検知層110が配置される。任意であるが、分析物検知層110が対向および/または基準電極に配置されてもよい。分析物検知層110は厚さが約1000ミクロン(μm)まででよいが、一般的に分析物検知層は、当該技術ですでに記載されているセンサに見られるものと比較するとかなり薄く、例えば一般的には厚さが1,0.5,0.25,または0.1ミクロンである。後で詳細に記すように、この分析物検知層110を生成するためのいくつかの方法は、基材(白金黒電極の反応面など)への層のブラシ研磨とともに、スピンコーティングプロセス、浸漬または乾燥プロセス、低せん断力スプレープロセス、インクジェット印刷プロセス、シルクスクリーンプロセス、その他を含む。本発明の或る実施形態では、(1)層の正確な位置特定を可能にするためと、(2)電極(電着プロセスにより生成される白金黒など)の反応面のアーキテクチャへ層を深く押入するために、ブラシ研磨が使用される。
一般的に、分析物検知層110はコーティングされるか、一つ以上の付加層に隣接して配置される。任意であるが、一つ以上の付加層は、分析物検知層110の上に配置されるタンパク質層116を含む。一般的に、タンパク質層116はヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、その他などのタンパク質を包含する。一般的に、タンパク質層116はヒト血清アルブミンを包含する。本発明のいくつかの実施形態において、付加層は、分析物、検知層110の上方に配置されて分析物検知層110との分析物接触を調節する分析物調整層112を含む。例えば、分析物調整膜層112は、分析物検知層に存在するグルコースオキシダーゼなどの酵素と接触するグルコースの量を調節するグルコース制限膜を包含し得る。このようなグルコース制限膜は、ポリジメチルシロキサンなどのシリコン化合物、ポリウレタン、ポリ尿素セルロースアセテート、ナフィオン、スルホン酸ポリエステル(Kodak AQなど)、ヒドロゲル、または当業者に周知の他の適当な親水膜など、このような目的に適していることが知られている多様な材料から製作され得る。
本発明の一般的実施形態では、接着促進層114が、分析物調整層112と分析物検知層110の接触および/または接着を容易にするため、図2に示されているようにこれらの間に配置される。本発明の特定実施形態では、接着促進層114が、分析物調整層112とタンパク質層116との接触および/または接着を容易にするため、図2に示されているようにこれらの間に配置される。接着促進層114は、このような層の間の接合を容易にする当該技術で周知の多様な材料のいずれか一つから製作され得る。一般的に、接着促進層114はシラン化合物を包含する。代替的実施形態では、接着促進層114が存在しない分析物検知層110との直接接触状態で分析物調整膜層112が配置されるように、分析物検知層110のタンパク質または同様の分子が充分に架橋されるか他の方法で準備され得る。
本発明の或る実施形態では、後述する干渉拒絶層などの付加層を含むようにセンサが設計される。
B.本発明の実施形態で使用される一般的な分析物センサ構成要素
以下の開示は、本発明のセンサ実施形態で使用される一般的な要素/構成要素の例を提供する。これらの要素は離散ユニット(層など)として説明されるが、後述する要素/構成要素〈支持ベース構成要素および/または導電性構成要素および/または分析物検知構成要素の基材として作用するとともに、センサの電極としても機能する要素〉の材料特性および/または機能のいくつかまたはすべての組み合わせを有する要素を含むようにセンサが設計され得ることを、当業者は理解している。これらの薄膜分析物センサは後述するものなどいくつかのセンサシステムでの使用に適応可能であることを当業者は理解している。
ベース構成要素
本発明のセンサは一般的に、ベース構成要素(図2の要素102などを参照)を含む。「ベース構成要素」の語は当該技術で受容されている術語にしたがってここに使用され、一般的には互いの上に積み重ねられて機能的センサを包含する複数の構成要素のための支持マトリクスとなる装置の構成要素を指す。一つの形において、ベース構成要素は、絶縁性(電気絶縁性および/または防水性)材料の薄膜シートを包含する。このベース構成要素は、誘電特性、防水性、および密閉性など所望の品質を有する多様な材料で製作され得る。いくつかの材料は、金属、および/またはセラミック、および/またはポリマー基材、その他を含む。
ベース構成要素は、自己支持型であっても、当該技術で周知の別の材料によって支持されてもよい。図2に示されたセンサ構成の一実施形態では、ベース構成要素102はセラミックを包含する。代替的に、ベース構成要素はポリイミドなどのポリマー材料を包含する。例示的実施形態では、セラミックベースは主としてAl(96%など)である組成を包含する。埋め込み可能な機器とともに使用するための絶縁性ベース構成要素としてのアルミナの使用は、参照によりここに取り入れられる米国特許第4,940,858号、第4,678,868号、および第6,472,122号に開示されている。本発明のベース構成要素は、当該技術で周知の他の要素、例えば防水性ビア(WO03/023388などを参照)を含み得る。特定のセンサ設計に応じて、ベース構成要素は比較的厚い(50,100,200,300,400,500、1000ミクロンより厚い)構成要素であり得る。代替的に、約30ミクロンより薄いものなどの薄い構成要素に、アルミナなどの非導電性セラミックを利用することもできる。
導電性構成要素
本発明の電気化学センサは一般的に、検査される分析物またはその副産物(酸素および/または過酸化水素など)と接触するための少なくとも一つの電極を含むベース構成要素に配置される導電性構成要素を含む(図2の要素104を参照)。「導電性構成要素」の語は当該技術で受容されている術語にしたがってここに使用され、検出可能信号を測定してこれを検出装置へ伝導できる電極などの導電性センサ要素を指す。この例示的な一例は、分析物の濃度の変化を受けない基準電極と比較した分析物またはその副産物の濃度の変化などの刺激への露出に応じた電流の増減を測定できる導電性構成要素、分析物検知構成要素110に存在する組成物(グルコースオキシダーゼ酵素など)と分析物が相互作用する時に使用される共反応物(酸素など)、またはこの相互作用の反応生成物(過酸化水素など)である。このような要素の例示的な例は、過酸化水素または酸素などの分子が可変濃度で存在する状態で可変検出可能信号を発生させることのできる電極を含む。一般的に導電性構成要素のこれらの電極の一つは、耐食性金属または炭素で製作され得る作用電極である。炭素作用電極はガラス質または黒鉛状であるとよく、固体またはペーストから製作され得る。金属作用電極は、パラジウムまたは金を含む白金族金属、または二酸化ルテニウムなどの耐食性かつ金属導電性の酸化物から製作されるとよい。代替的に、電極は銀/塩化銀電極組成物を包含してもよい。作用電極は、ワイヤ、あるいは例えばコーティングまたは印刷により基板に塗着される導電性薄膜でよい。一般的に、金属または炭素導体の表面の一部分のみが、分析物含有溶液と電解接触状態にある。この部分は電極の作用面と呼ばれる。電極の残りの表面は一般的に、電気絶縁性のカバー構成要素106により溶液から絶縁されている。この保護カバー構成要素106を生成するのに有益な材料の例は、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、およびポリシロキサンなどのシリコンのようなポリマーを含む。
作用電極に加えて、本発明の分析物センサは一般的に、基準電極または基準および対向の複合電極(準基準電極または対向/基準電極とも称される)を含む。センサが対向/基準電極を有していない場合には、作用電極と同じか異なる材料から製作されるとよい別の対向電極を含むとよい。本件発明の典型的なセンサは、一つ以上の作用電極と、一つ以上の対向、基準、および/または対向/基準電極を有する。本件発明のセンサの一実施形態は、二つ、三つ、四つ、またはそれ以上の作用電極を有する。センサのこれらの作用電極は一体的に接続されても、分離したままであってもよい。
生体内の使用については一般的に、本件発明の実施形態は、血液など哺乳類の体液との直接接触のため哺乳類の皮膚に皮下的に埋め込まれる。代替的に、腹腔内の空間など哺乳類の体内の他の領域にセンサが埋め込まれることが可能である。多数の作用電極が使用される時には、一緒に、または体内の異なる位置に埋め込まれるとよい。対向、基準、および/または、対向/基準電極は、作用電極に近接して、または哺乳類の体内の他の位置に埋め込まれてもよい。本件発明の実施形態は、ナノ構造材料から構築される電極を包含するセンサを含む。ここに使用される際に、「ナノ構造材料」は100nmより小さい寸法を少なくとも一つ有するように製造される物体である。例は、単壁ナノチューブ、複壁ナノチューブ、多壁ナノチューブ、ナノチューブ束、フラーレン、コクーン、ナノワイヤ、ナノファイバ、オニオン、その他を含むが、これらに限定されるわけではない。
干渉拒絶構成要素
本発明の電気化学センサは、電極の表面と検査される環境との間に配置される干渉拒絶構成要素を任意で含む。特に、或るセンサ実施形態は、一定電位が印加される状態で作用電極の表面での酵素反応により発生される過酸化水素の酸化および/または還元に依存している。過酸化水素の直接酸化に基づく電流測定検出は比較的高い酸化電位を必要とするため、この検出方式を使用するセンサは、アスコルビン酸、尿酸、およびアセトアミノフェンなど、体液中に存在する酸化の可能性のある種からの干渉を受けることがある。これに関して、「干渉拒絶構成要素」の語は、当該技術で受容されている術語にしたがって使用され、検知される分析物により発生される信号の検出を干渉するような、酸化可能性のある種により発生される偽信号を阻止するように機能するセンサのコーティングまたは膜を指している。或る干渉拒絶構成要素は、サイズ排除(特定サイズの干渉種を排除することなどによる)を介して機能する。干渉拒絶構成要素の例は、親水性ポリウレタン、セルロースアセテート(ポリ(エチレングリコール)などの作用剤を取り入れたセルロースアセテートを含む)、ポリエーテルスルホン、ポリテトラ‐フルオロエチレン、全フッ素置換イオノマーであるNafionTM、ポリフェニレンジアミン、エポキシ、その他などの化合物による一つ以上の層またはコーティングを含む。このような干渉拒絶構成要素の例示的な説明は、例えば、参照により取り入られるWard et al.のBiosensors and Bioelectronics 17(2002年)181〜189と、Choi et al.のAnalytical Chimica Acta 461(2002年)252〜260に見られる。他の干渉拒絶構成要素は例えば、分子量範囲に基づく化合物の移動を制限することが観察されているもの、例えば米国特許第5,755,939号に開示されているセルロースアセテートを含み、その内容は参照により取り入れられる。本発明の実施形態において有益な干渉拒絶膜は、米国特許出願番号第12/572,087号にも記載されており、その内容は参照により取り入れられる。任意であるが、干渉拒絶膜は、架橋メタクリル酸ポリマーまたは架橋一級アミンを包含する。本発明の或る実施形態では、架橋メタクリル酸ポリマーは、100キロダルトンと1000キロダルトンの間の平均分子量を有するポリ(2‐ヒドロキシエチル・メタクリル酸)(pHEMA)ポリマーを包含する。一般的に、親水性架橋剤によってポリマーが架橋される。
分析物検知構成要素
本発明の電気化学センサは、センサの電極に配置される分析物検知構成要素(図2の要素110などを参照)を含む。「分析物検知構成要素」の語は、当該技術で受容された術語にしたがってここで使用され、分析物センサ装置によりその存在が検出される分析物を認識するかこれと反応することのできる材料を包含する構成要素を指す。一般的に分析物検知構成要素のこの材料は、一般的に導電性構成要素の電極を介して、検知対象の分析物との相互作用の後で検出可能信号を発生させる。これに関して、分析物検知構成要素と導電性構成要素の電極とは、分析物センサと関連する装置により読み取られる電気信号を発生させるように組み合わせで作用する。一般的に、分析物検知構成要素は、導電性構成要素(酸素および/または過酸化水素など)、例えばグルコースオキシダーゼ酵素の電極での電流変化を測定することにより濃度変化が測定され得る分子と反応してこれを発生させることのできる酸化還元酵素を包含する。過酸化水素などの分子を発生させることが可能な酵素は、当該技術で周知のいくつかのプロセスにしたがって電極に配置される。分析物検知構成要素は、センサの様々な電極のすべてまたは一部分をコーティングできる。この状況では、分析物検知構成要素は電極を同程度にコーティングするとよい。代替的に、分析物検知構成要素が異なる電極を異なる程度にコーティングして、例えば作用電極のコーティング面が対向および/または基準電極のコーティング面より広くてもよい。
本発明のこの要素の一般的なセンサ実施形態では、一定の比(グルコースオキシダーゼの安定化特性のために一般的に最適化されたものなど)で第2タンパク質(アルブミンなど)と結合されてから、電極表面に塗着されて薄い酵素構成要素を形成する酵素(グルコースオキシダーゼなど)を利用する。典型的な実施形態では、分析物検知構成要素はGOxとHSAの混合物を包含する。GOxを有する分析物検知構成要素の典型的な実施形態において、GOxは、検知環境(哺乳類の体など)に存在するグルコースと反応して、図1に示された反応にしたがって過酸化水素を発生させ、こうして発生された過酸化水素は導電性構成要素の作用電極で陽極検出される。
上記のように、酵素および第2タンパク質(アルブミンなど)は一般的な処理を受けて(タンパク質混合物に架橋剤を添加することなどにより)架橋マトリクスを形成する。当該技術で周知のように、酵素に保有されている生物活性、その機械的および/または動作上の安定性などの要因を調整するため、架橋条件が操作されるとよい。例示的な架橋手順は、参照により取り入れられる米国特許出願第10/335,506号およびPCT公開第WO03/035891号に記載されている。例えば、グルタルアルデヒドなどであるがこれに限定されることのないアミン架橋試薬がタンパク質混合物に添加され得る。タンパク質混合物への架橋試薬の添加はタンパク質ペーストを生成する。添加される架橋試薬の濃度は、タンパク質混合物の濃度にしたがって変化してもよい。グルタルアルデヒドは例示的な架橋試薬であるが、他の架橋試薬が使用されてもよいか、グルタルアルデヒドの代わりに使用されてもよい。当業者には自明であるように、他の適当な架橋剤が使用されてもよい。
GOxおよび/または担体タンパク質の濃度が、本発明の異なる実施例について変化してもよい。例えば、GOx濃度は50mg/ml(およそ10,000U/ml)からおよそ700mg/ml(およそ150,000U/ml)の範囲内でよい。一般的に、GOx濃度は約115mg/ml(およそ22,000U/ml)である。このような実施形態では、GOx濃度に応じて、HSA濃度が約0.5%〜30%(w/v)の間で変化する。一般的にHSA濃度は約1〜10%w/vであり、最も一般的には約5%w/vである。本発明の代替的実施形態では、コラーゲンまたはBSAまたはこのような状況で使用される他の構造タンパク質が、HSAの代わりにまたはこれに加えて使用され得る。分析物検知構成要素の例示的酵素としてGOxが言及されたが、グルコースデヒドロゲナーゼまたはヘキソキナーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、ラクタートオキシダーゼ、その他を含むがこれらに限定されない他のタンパク質および/または酵素が使用されるか、GOxの代わりに使用されてもよい。当業者には自明であるように、他のタンパク質および/または酵素が使用されてもよい。また、HSAが実施例で使用されるが、BSA、コラーゲン、その他など他の構造タンパク質がHSAの代わりに、またはこれに加えて使用されてもよい。
上記のように、本発明のいくつかの実施形態では、分析物検知構成要素は、導電要素(酸素および/または過酸化水素濃度の変化を検知する電極など)により検知され得る信号(酸素および/または過酸化水素濃度の変化など)を発生させることが可能な組成物(グルコースオキシダーゼなど)を含む。しかし、存在が検出される目標分析物との相互作用の後で導電要素により検知され得る検出可能信号を発生させることが可能である組成物から、他の有益な分析物検知構成要素が形成され得る。いくつかの実施形態では、検知される分析物との反応の際に過酸化水素濃度を調整する酵素を組成物が包含する。代替的に、検知される分析物との反応の際に酸素濃度を調整する酵素を組成物が包含する。これに関連して、生理学的分析物との反応で過酸化水素および/または酸素を使用するか発生させる多様な酵素が当該技術では周知であって、これらの酵素は分析物検知構成要素へ容易に取り入れられる。当該技術で周知の他の様々な酵素は、ここに記載されるセンサ設計に組み込まれる電極などの導電要素により調整が検出され得る化合物を生成および/または利用できる。このような酵素は例えば、Richard F.Taylor(編)出版社:Marcel Dekker;1991年1月7日の「タンパク質不動化:基礎と応用」(バイオプロセス技術第14巻)15〜29ページの表1および/または111〜112ページの表18に明記されており、これらの内容全体が参照により取り入れられる。
他の有益な分析物検知構成要素は、存在が検出される目標分析物と相互作用を行った後に導電要素により検知され得る検出可能信号を発生させることが目標分析物との相互作用により可能である抗体を含むように形成され得る。例えば米国特許第5,427,912号(参照により取り入れられる)は、試料中の分析物の濃度を電気化学的に判断するための抗体ベースの装置を記載している。この機器では、試験対象の試料、酵素受容ポリペプチド、分析物の類似体に結合された酵素供与ポリペプチド(酵素供与ポリペプチド結合体)、標識基質、および測定対象の分析物に固有の抗体を含む混合物が形成される。分析物と酵素供与ポリペプチド結合体とは、競合的に抗体と結合する。酵素供与ポリペプチド結合体が抗体に結合されない時には、酵素受容ポリペプチドと自発的に結合して活性酵素錯体を形成するだろう。次に活性酵素は標識基質を加水分解し、その結果、電気活性標識を発生させ、これは次に電極の表面で酸化される。電気活性化合物の酸化から生じる電流が測定されて、試料中の分析物の濃度と相関される。米国特許第5,149,630号(参照により取り入れられる)には、リガンド(抗原、不完全抗原、または抗体など)の電気化学的に固有な結合検査が記載され、構成部分の少なくとも一つには酵素の標識が付けられ、この検査は、酵素基質と、基質反応と関連する電極との間の電子の移動が、錯体の形成により、または非結合の酵素標識構成部分に対するリガンド錯体の変位により乱される程度を判断するステップを含む。米国特許第6,410,251号(参照により取り入られる)は、抗原と抗体の間の結合など特定の結合を、標識の検出のための酸化還元反応とともに利用することにより、特定の結合ペア、例えば抗原/抗体ペアの抗原の一つの構成部材を検出または検査するための装置および方法を記載しており、検知面エリアを備える酸素マイクロ電極が使用されている。加えて、米国特許第4,402,819号(参照により取り入れられる)は、分析において特定の抗体濃度と相関される透過性である予選択された陽イオンの透過性に影響するイオン担体が結合された抗原を含む不溶性の膜を使用する、希釈液血清試料中の(分析物としての)抗体の量的判断のための抗体選択性電位測定電極と、対応の分析方法とを記載している。関連の開示については、参照により取り入れられる米国特許第6,703,210号、第5,981,203号、第5,705,399号、第4,894,253号も参照すること。
酵素と抗体に加えて、ここに開示されるセンサの分析物検知構成要素での使用のための他の例示的な材料は、特定タイプの細胞または細胞構成部分と結合するポリマー(ポリペプチド、炭水化物、その他)、一本鎖DNA、抗原、その他を含む。検出可能な信号は、例えば、所望の分析物(細胞など)の色変化または視認可能な蓄積など、視覚的に検出可能な変化であってもよい。検知要素は、本質的に非反応性の材料(つまり対照物)から形成されてもよい。上記の代替的センサ要素は例えば、細胞選別検査または、ウィルス(HIV,C型肝炎等)、細菌、原生動物、その他などの病原生物の存在についての検査に使用するためのセンサに含まれると有益である。
やはり考えられるのは、外部環境に存在して、それ自体が電極の電流の測定可能な変化を引き起こし得る分析物を測定する分析物センサである。このような分析物を測定するセンサでは、分析物検知構成要素は任意でよい。
タンパク質構成要素
本発明の電気化学センサは、分析物検知構成要素と分析物調整構成要素との間に配置されるタンパク質構成要素(図2の要素116などを参照)を任意で含む。「タンパク質構成要素」の語は、当該技術で受容された術語にしたがって使用され、分析物検知構成要素および/または分析物調整構成要素との適合性のために選択される担体タンパク質その他を含有する構成要素を指す。典型的な実施形態において、タンパク質構成要素はヒト血清アルブミンなどのアルブミンを包含する。HSA濃度は約0.5%〜30%(w/v)の間で変動し得る。一般的にHSA濃度は約1〜10%w/vであり、最も一般的には約5%w/vである。本発明の代替的実施形態では、これらの状況で使用されるコラーゲンまたはBSAまたは他の構造タンパク質が、HSAの代わりに、またはこれに加えて使用され得る。この構成要素は一般的に、当該技術で受容されているプロトコルにしたがって分析物検知構成要素に架橋される。
接着促進構成要素
本発明の電気化学センサは、一つ以上の接着促進(AP)構成要素(図2の要素114などを参照)を含み得る。「接着促進構成要素」の語は、当該技術で受容されている術語にしたがって使用され、センサの隣接構成要素の間の接着を促進する能力のために選択された材料を含む構成要素を指す。一般的に、接着促進構成要素は、分析物検知構成要素と分析物調整構成要素との間に配置される。一般的に、接着促進構成要素は、任意のタンパク質構成要素と分析物調整構成要素との間に配置される。接着促進構成要素は、このような構成要素の間の結合を促進する当該技術で周知の多様な材料のいずれか一つから製作され、当該技術で周知の多様な方法のいずれか一つによって形成される。一般的に、接着促進構成要素は、γ‐アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物を包含する。
R′が一般的には終端アミンを備える脂肪族基であってRが接着を促進する低級アルキル基であるシラン結合試薬、特に式R′Si(OR)の使用は、当該技術で周知である(例えば、参照により取り入れられる米国特許第5,212,050号を参照)。例えば、γ‐アミノプロピルトリエトキシシランなどのシランとグルタルアルデヒドとがステッププロセスで使用されてウシ血清アルブミン(BSA)およびグルコースオキシダーゼ(GOx)を電極表面に装着および同時架橋する化学修飾電極は、当該技術でよく知られている(Yao,T.Analytica Chim.Acta 1983年,148 27〜33など参照)。
本発明の或る実施形態において、接着促進構成要素は、分析物調整構成要素を通したグルコースなどの分析物の拡散を制限するように作用するポリジメチルシロキサン(PDMS)化合物などの隣接構成要素にも存在し得る一つ以上の化合物を包含する。例示的な実施形態において、配合は0.5〜20%のPDMS、一般的には5〜15%のPDMS、最も一般的には10%のPDMSを包含する。本発明の或る実施形態では、接着促進構成要素は層状のセンサシステムの中で架橋され、それに対応して、分析物調整構成要素などの近位の構成要素に存在する部分を架橋する能力のために選択される作用剤を含む。本発明の例示的実施形態では、接着促進構成要素は、分析物検知構成要素および/またはタンパク質構成要素などの近位の構成要素に存在するタンパク質のアミンまたはカルボキシル部分、および/または分析物調整層などの近位の層に配置される化合物に存在するシロキサン部分を架橋する能力のために選択される作用剤を含む。
分析物調整構成要素
本発明の電気化学センサは、センサの上に配置される分析物調整構成要素(図2の要素112などを参照)を含む。「分析物調整構成要素」の語は、当該技術で受容されている術語にしたがって使用され、グルコースなどの一つ以上の分析物の構成要素における拡散を調整するように機能するセンサ上の膜を一般的に形成する構成要素を指す。本発明の或る実施形態では、分析物調整構成要素は、グルコースなどの一つ以上の分析物の構成要素における拡散を防止または制限するように機能する分析物制限膜である。本発明の他の実施形態において、分析物調整構成要素は、構成要素における一つ以上の分析物の拡散を促進するように機能する。任意であるが、分析物調整構成要素は構成要素のうち一つのタイプの分子(グルコースなど)の拡散を防止または制限するのと同時に、構成要素における他のタイプの分子(Oなど)の拡散は許容または促進するように形成される。
グルコースセンサに関して、周知の酵素電極では、血液からのグルコースおよび酸素は、アスコルビン酸および尿酸などの干渉物質とともに、センサの一次膜で拡散する。グルコース、酸素、および干渉物質が分析物検知構成要素に達すると、グルコースオキシダーゼなどの酵素が、過酸化水素およびグルコノラクトンへのグルコースの変換に触媒作用を及ぼす。過酸化水素は分析物調整構成要素で再び拡散するか、電極へ拡散し、ここで反応を受けて酸素および陽子を形成し、グルコース濃度に比例する電流を発生させる。センサ膜アセンブリは、グルコースの透過を選択的に許容することを含むいくつかの機能を果たす。これに関連して、例示的な分析物調整構成要素は、水、酸素、および少なくとも一つの選択性分析物の透過を許容するとともに、水を吸収する能力を有する半透膜であり、この膜は水溶性で親水性のポリマーを有する。
例示的な様々な分析物調整構成要素は当該技術で周知であり、例えば米国特許第6,319,540号、第5,882,494号、第5,786,439号、第5,777,060号、第5,771,868号、第5,391,250号に記載され、各々の開示は参照により取り入れられる。そこに記載されているヒドロゲルは、周囲の水構成要素を提供するのに好都合である様々な埋め込み可能な機器には特に有益である。本発明のいくつかの実施形態では、分析物調整構成要素はPDMSを含む。本発明の或る実施形態では、分析物調整構成要素は、近位の構成要素に存在するシロキサン部分を架橋する能力のために選択される作用剤を含む。関係性の高い本発明の実施形態では、接着促進構成要素は、近位の構成要素に存在するタンパク質のアミンまたはカルボキシル部分を架橋する能力のために選択される作用剤を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、参照により取り入れられる米国特許出願番号第12/643,790号に開示されているものなど、線状ポリウレタン/ポリ尿素ポリマーと分枝状アクリル酸塩ポリマーとの混合物を包含するように、分析物調整層が形成される。一般的に、これらのポリマーは重量%が1:1と1:20の間の比で一緒に混合され、ポリウレタン/ポリ尿素ポリマーは、ジイソシアン酸と、親水性ジオールまたは親水性ジアミンを包含する親水性ポリマーと、アミノ、ヒドロキシルまたはカルボキシル酸官能基を末端に有するシロキサンと、ブチル、プロピル、エチル、メチル‐アクリル酸塩を包含する混合物から形成される分枝状アクリル酸塩ポリマーと、アミノアクリル酸塩と、シロキサンアクリル酸塩と、ポリ(酸化エチレン)アクリル酸塩とを包含する混合物から形成される。一般的に、分析物調整層は、摂氏22から40度の温度範囲にわたって摂氏1度あたり2%未満しか変化しない浸透性をグルコースが示すように形成される。
カバー構成要素
本発明の電気化学センサは、一般的に電気絶縁性の保護構成要素である一つ以上のカバー構成要素(図2の要素106などを参照)を含む。一般的に、カバー構成要素はコーティング、シース、またはチューブの形であるとよく、分析物調整構成要素の少なくとも一部分に配置される。絶縁性保護カバー構成要素としての使用のための許容可能なポリマーコーティングは、シリコン化合物などの非毒性の生体適合性ポリマー、ポリイミド、生体適合性はんだマスク、エポキシアクリル酸塩コポリマー、その他を含み得るが、これらに限定されるわけではない。これらのコーティングは光画像形成可能で、導電性構成要素における孔のフォトリソグラフィー形成を促進することができる。一般的なカバー構成要素は、シリコン上にスパンを包含する。当該技術で周知のように、この構成要素は市販のRTV(室温加硫)シリコン組成物であり得る。これに関して典型的な化学反応は、ポリジメチルシロキサン(アセトキシベース)である。
C.本発明の典型的な分析物センサシステム実施形態
センサ要素およびセンサの実施形態は、例えば様々な状況(哺乳類への埋め込みなど)での使用に適合させるため、一般的に分析物センサとともに使用される他の様々なシステム要素(穿孔部材、挿入セット、その他などの構造要素とともに、プロセッサ、モニタ、薬物注入ポンプ、その他などの電子部品)に効果的に結合され得る。発明の一実施形態は、利用者について検知される生理学的特徴値に基づくセンサからの信号を受信できる入力要素と、受信した信号を分析するためのプロセッサとを含む発明の実施形態を使用して、利用者の生理学的特徴を監視する方法を含む。本発明の典型的な実施形態では、プロセッサは生理学的特徴値の動的作用を判断し、こうして判断された生理学的特徴値の動的作用に基づいて観察可能なインジケータを提供する。いくつかの実施形態では、生理学的特徴値は利用者の血中グルコース濃度の測定値である。他の実施形態では、受信信号を分析して動的作用を判断するプロセスは、例えば、センサ機能、分析物濃度測定値、干渉物の存在、その他についての確認情報を提供するように考案された手法でセンサ装置へ比較冗長を取り入れるため、生理学的特徴値を反復的に測定して一連の生理学的特徴値を求めることを含む。
本発明の実施形態は、機器の利用者が、検知された生理学的特徴(血中グルコース濃度など)の生理学的ステータスを容易に監視して、必要であれば調整する(インシュリン管理を介した血中グルコース濃度の調整など)ことができるようにした方式および形式でこの特徴の測定値からのデータを表示する機器を含む。本発明の例示的な実施形態は、検知された利用者の生理学的特徴値に基づく信号であるセンサからの信号を受信できるセンサ入力と、センサからの受信信号からの利用者の検知生理学的特徴値の複数の測定値を記憶するためのメモリと、検知された生理学的特徴値の複数の測定値のテキストおよび/またはグラフィック表示(テキスト、線グラフその他、棒グラフその他、格子状パターンその他、またはそれらの組み合わせ)を提示するためのディスプレイとを包含する機器である。一般的に、グラフィック表示は、検知された生理学的特徴値の実時間測定値を表示する。このような機器は様々な状況で、例えば他の医療機器との組み合わせで使用され得る。本発明のいくつかの実施形態では、この機器は少なくとも一つの他の医療器具(グルコースセンサなど)との組み合わせで使用される。
例示的なシステム実施形態は、グルコースセンサと送信器とポンプ受信器とグルコース計とから成る。このシステムでは、送信器からの無線信号が5分ごとにポンプ受信器へ送信されて実時間センサグルコース(SC)値を提供する。利用者が血中グルコースを自己監視し、自分のインシュリンポンプを使用してインシュリンを投与できるように、値/グラフがポンプ受信器のモニタに表示される。一般的に、ここに開示される機器の実施形態は、有線または無線接続を介して第2医療器具と通信する。無線通信は、例えば、RF遠隔測定法、赤外線送信、光学送信、音波および超音波送信、その他を介した信号の送信とともに発生する放射信号の受信を含み得る。任意であるが、この機器は薬物注入ポンプ(インシュリンポンプなど)の一体的部分である。このようなデバイスでは一般的に、生理学的特徴値は、複数の血中グルコース測定値を含む。
図3は、本発明の例示的な一実施形態による、皮下センサ挿入システムとセンサ電子機器のブロック図との斜視図を提示する。このようなセンサシステム実施形態とともに一般的に使用される追加要素は、例えば、参照により取り入れられる米国特許出願第20070163894号に開示されている。図3は、利用者の身体の選択部位における可撓性センサ12その他の作用部分の皮下的配置のために設けられる皮下センサセット10を含む、遠隔測定法による特徴的モニタシステム1を提示する。センサセット10の皮下または経皮部分は、尖端44を有する中空のスロット挿入ニードル14と、カニューレ16とを含む。カニューレ16の内側には、カニューレ16に形成された窓部22を通して一つ以上のセンサ電極20を利用者の体液に露出させるセンサ12の検知部分18が設けられている。検知部分18は、絶縁層の一つを通してやはり露出されている導電性接点パッドその他を終端とする接続部分24に接合されている。接続部分24と接点パッドとは概ね、センサ電極20から導出される信号に応答して利用者の状態を監視するためディスプレイ214に結合された適当なモニタ200への直接有線電気接続に適合している。参照により取り入れられているFLEX CIRCUIT CONNECTOR(可撓性回路コネクタ)という名称の米国特許第5,482,473号に図示および説明されているコネクタブロック28(その他)により、接続部分24がモニタ200または特徴的なモニタ送信器100に電気接続されると有利であろう。
図3に示されているように、本件発明の実施形態によれば、皮下センサセット10は、有線または無線の特徴的モニタシステムとともに機能するように構成または形成されるとよい。センサ12の近位部分は、利用者の皮膚への配置に適合した取付ベース30に取り付けられる。取付ベース30は、適当な感圧接着層32でコーティングされた下側面を有するパッドであるとよく、センサセット10が使用準備状態となるまで接着層32をコーティングして保護するために、剥離紙片34が通常は設けられている。取付ベース30は上層36および下層38を含み、可撓性センサ12の接続部分24は層36,38の間に挟持されている。接続部分24は、下方のベース層38に形成されるボア40を通って下向きに延出するような角度で曲げられたセンサ12の作用検知部分18に接合された前方区分を有する。任意であるが、接着層32(または体内組織と接触している装置の別の部分)は、炎症反応を軽減する抗炎症剤および/または感染の機会を低下させる抗菌剤を含む。挿入ニードル14は、上方ベース層36に形成されるニードルポート42を通した、また下方ベース層38の下方ボア40を通した滑合による収容に適合している。挿入後に、挿入ニードル14が引き抜かれると、検知部分18およびセンサ電極20とを含むカニューレ16が選択挿入部位の定位置に残る。この実施形態では、遠隔測定法による特徴的モニタ送信器100は、センサセット10のコネクタ部分24のコネクタブロック28に電気結合されるコネクタ104を通してケーブル102によりセンサセット10に結合される。
図3の実施形態において、遠隔測定法による特徴的モニタ100は、プリント回路基板108を支持するハウジング106と、バッテリ110と、アンテナ112と、コネクタ104を備えるケーブル102とを含む。いくつかの実施形態では、超音波溶接で密閉されて防水性(耐水性)シールを形成し、水、クリーナ、アルコール、その他による浸漬(または塗布)による洗浄を可能にする上方ケース114および下方ケース116からハウジング106が形成される。いくつかの実施形態では、上方および下方ケース114,116は医療用プラスチックから形成される。しかし、代替的実施形態では、上方ケース114と下方ケース116とが、スナップ嵌め、密閉リング、RTV(シリコンシーラント)など他の方法によって接続されて一緒に接合されるか、金属、複合体、セラミック、その他など他の材料から形成されてもよい。他の実施形態では、独立したケースが省略されることが可能であり、電子機器との適合性を有して妥当な防水性を持つエポキシまたは他の成形性材料にアセンブリが入れられるだけである。図示するように、下方ケース116は適当な感圧接着層118でコーティングされる下側面を有して、センサセットの遠隔測定法による特徴的モニタ送信器100が使用準備状態となるまで接着層118をコーティングして保護するために、剥離紙片120が通常は設けられる。
図3に示された例示的実施形態では、皮下的センサセット10が、利用者の状態を表す特定の血液パラメータを監視するのに使用されるタイプの可撓性薄膜電気化学的センサ12の正確な配置を容易にする。センサ12は体内の血中グルコースレベルを監視し、米国特許第4,562,751号、第4,678,408号、第4,685,903号、第4,573,994号に記載されているような外部または埋め込み可能タイプの自動または半自動薬剤注入ポンプとともに使用されて、糖尿病患者へのインシュリン投与を制御するとよい。
図3に示された例示的実施形態では、センサ電極10は様々な検知用途で使用されるとよく、様々な形で構成されるとよい。例えば、いくつかのタイプの生体分子が触媒として使用される生理学的パラメータ検知用途でセンサ電極10が使用されるとよい。例えば、センサ電極20との反応に触媒作用を及ぼすグルコースオキシダーゼ酵素を有するグルコースおよび酸素センサにおいて、センサ電極10が使用されてもよい。センサ電極10は、生体分子または他のいくつかの触媒とともに、血管性または非血管性の環境で人体に配置されてもよい。例えば、センサ電極20と生体分子とが血管に配置されて血流を受けるか、人体の皮下または腹膜領域に配置されてもよい。
図3に示された本発明の実施形態では、センサ信号200のモニタはセンサ電子機器200と呼ばれてもよい。モニタ200は、電源とセンサインタフェースと処理電子機器(つまりプロセッサ)とデータフォーマット用電子機器とを含むとよい。モニタ200は、接続部分24のコネクタブロック28に電気的に結合されるコネクタを通してケーブル102によりセンサセット10に結合されるとよい。代替的実施形態では、ケーブルが省略されてもよい。本発明のこの実施形態では、モニタ200はセンサセット10の接続部分104への直接接続のための適切なコネクタを含むとよい。センサセット10の上など、違う箇所に配置されてセンサセット全体でのモニタ200の配置を容易にするコネクタ部分104を有するようにセンサセット10が変形されてもよい。
D.本発明の実施形態と関連の特徴
ここに開示される本発明の実施形態は、センサ初期化および/または生体内での始動(例えば、センサが環境に設置されて、生体内に埋め込みされた後で有意義な情報の送信を開始するのに要する導入時間)を容易にする要素および/または要素の構成を含むように設計された埋め込み可能な分析物センサおよびセンサシステムを中心としている。特に、センサ初期化および/または使用前の始動に要する時間量は比較的長い(例えば電流測定グルコースセンサでは、センサ始動初期化時間は2から10時間の範囲である)ことは当該技術では周知であり、この要因が医療の管理でのこのようなセンサの使用を妨げる。例えば、病院設定では、比較的長いセンサ初期化および/または始動期間が患者の健康に関する重要な情報(糖尿病患者の過血糖または低血糖など)の受理を遅らせることにより、このような情報の受理時に断定される治療(インスリン投与など)を遅らせる。加えて、病院設定での長いセンサ初期化および/または始動期間は病院スタッフによる反復的監視を必要とし、これは患者介護コストに関与する要因である。これらの理由から、病院設定での初期化および/または生体内での始動時間を短くしたセンサと、長いセンサ初期化および/または始動時間を短縮する要素および/または要素構成を含むように設計されたセンサおよびセンサシステムが、非常に望ましい。例えばグルコースセンサでは、センサ初期化および/または始動時間の15〜30分の短縮が非常に望ましいが、それは例えば、このような短い初期化時間が、(1)このような医療機器の費用有効性に関与する要因である病院職員による患者の監視の必要性を低下させ、(2)患者の健康に関する重要な情報の受理の遅延を抑制する、からである。
病院以外の設定(病気の管理にグルコースセンサを使用する糖尿病患者など)で分析物センサを使用する個人では、比較的長いセンサ初期化および/または始動期間は、利用者にとって不都合であるとともに利用者の健康に関する情報の受理の遅れのために、やはり問題である。糖尿病の管理におけるグルコースセンサ、インシュリン注入ポンプ、その他の使用は、例えば、健康な個人の生理学的インシュリン濃度の上下とほぼ一致するように患者がインシュリンを投与するとこの慢性病に関連する罹患率および死亡率の問題は劇的に減少することを示す研究のため、近年増加している。結果的に、糖尿病などの慢性病を患っている患者は、病気の管理、特に血中グルコースレベルの細かい監視および調整に能動的な役割を果たすように医療従事者に指示される。これに関連して、多くの糖尿病患者は医療訓練を受けていないため、このような管理に関連する複雑性、例えば、患者の活動的な日常生活から見て不都合である2時間の始動期間のため血中グルコースレベルの最適な監視および調整が行われないことがある。これらの理由から、要素および/または要素構成を含むように設計されたセンサおよびセンサシステムがセンサ初期化および/または始動時間を短縮できることは、医療の訓練を受けていない糖尿病患者によってこのようなセンサが操作される状況では、慢性糖尿病を患っている個人で観察される周知の罹患率および死亡率を低下させることが分かっている行動である、患者による好都合な病気の管理を促進するため、非常に望ましい。
ここに開示される分析物センサおよびセンサシステムは一般的に、哺乳類の体内に埋め込み可能であるように設計されるが、ここに開示される発明は特定の環境に限定されず、むしろ、例えば、間質液、全血、リンパ液、血漿、血清、唾液、尿素、便、汗、粘液、涙、脳脊髄液、鼻水、子宮頸管または膣分泌物、***、胸膜液、羊水、腹膜液、中耳液、関節液、胃吸引液、その他などの体液を含む大部分の体内および試験管内の液体試料の分析のための多様な状況で使用され得る。加えて、固体または乾燥試料が適切な溶剤で分解されて、分析に適した液体混合物が得られる。
ここに開示される発明は、いくつかの実施形態を有する。本発明の例示的実施形態の一つは、長尺の(つまり幅より著しく長い長さを有する)ベース層と、ベース層に配置されて基準電極と作用電極と対向電極とを包含する導電層と、導電層に配置される分析物検知層と、分析物検知層に配置される分析物調整層であって、分析物調整層で拡散する分析物の拡散を調整する組成物を包含する分析物調整層と、分析物センサ装置に配置されるカバー層であって、分析物調整層における分析物の接触および拡散と分析物検知層との接触とを促進するようにカバー層に配置される孔を包含するカバー層とを包含する分析物センサ装置である。本発明の典型的な実施形態は、生体適合材料から成る、および/または哺乳類への埋め込みのために考案された構造的特徴を有する。本発明の方法実施形態は、ここに開示されるセンサ実施形態を製作および使用するための方法を含む。本発明の或る実施形態は、特定のセンサ要素および/または特定のセンサ要素群を使用して、ここに開示されるセンサ実施形態の一つ以上の機能を生成および/または促進する方法を含む。
ここに開示されているように、ベース層に配置されて、作用電極と対向電極と基準電極とを包含する導電層は、導電層がベース層の少なくとも一部分に配置されて必ずしもベース層を完全に被覆する必要のない実施形態を含むことを当業者は理解している。これは例えば、センサ内の他の層、例えば、分析物検知層が導電層の少なくとも一部分に配置されるセンサ実施形態を包含する導電層に配置される分析物検知層と、分析物検知などの少なくとも一部分に配置される分析物調整層を包含する分析物検知に配置される分析物調整層を指すことを当業者は理解するだろう。任意であるが、電極はセンサ構造体の単一の表面または側面に配置され得る。代替的に、電極が、センサ構造体の多数の表面または側面に配置され得る(例えば電極が配置されている表面にセンサ材料のビアによって接続され得る)。本発明の或る実施形態では、電極の反応面は異なる相対的なエリア/サイズのものであり、例えば1Xの基準電極と、2.6Xの作用電極と、3.6Xの対向電極である。
本発明の或る実施形態では、電極または孔などの装置の要素は特定の構成を有するように設計される、および/または特定の材料から製作される、および/またはセンサの機能を促進するように他の要素に対して配置される。例えば、特定の理論または作用の機構により拘束されることなく、センサ実施形態(単純な3電極実施形態)は単一電極の周囲の局所環境変化を受けやすいようである。例えば、基準電極または別の電極の上部または付近の気泡、および/または基準電極または別の電極の上部または付近での流体の滞留または半滞留プールは、結果的にセンサ性能を損なう。これに関連して、電極エリアの分散によってセンサは狭い局所エリアへの信号損失(水和、流体の滞留、患者の免疫応答、その他の欠如によって発生するもの)を補正するため、分散電極構成は好都合であると思われる。
いくつかのセンサ実施形態では、フレックス回路アセンブリ(つまり剛性材料よりも可撓性を利用する回路アセンブリ)の中で分散電極が構成/配置される。このようなフレックス回路アセンブリ実施形態は、(例えばパッドの剛性および着用者の不快感を低下させることにより)着用者の快適性とともにパラメータ測定性能を促進するように構成される要素(例えば電極、電線管、接点パッド、その他)の相互接続アセンブリを提供し、参照により取り入れられる国特許出願第12/184,046号(2008年7月31日出願)に、より詳細に開示されている。
典型的な分析物センサ装置実施形態は、複数の作用電極と対向電極と基準電極とを包含する。任意であるが、複数の作用、対向、基準電極はユニットとして一緒にまとめられ、ユニットの反復的パターンで導電層に分散配置される。付加的に、複数の作用、対向、および基準電極が一緒にまとめられて、ユニットの非反復的パターンで導電層に分散配置される。本発明の或る実施形態では、生体内に埋め込まれる時にセンサのねじれおよび曲がりを可能にする材料から長尺ベース層が製作され、生体内に埋め込まれる時にセンサ装置がねじれて曲がる際に作用電極の少なくとも一つとの生体内流体接触を促進する構成で電極がまとめられる。いくつかの実施形態では、一つ以上の電極を有するセンサの一部分が生体内環境から取り出されて生体外環境に露出された場合にも、センサが最適の機能を維持し続けるようにする構成で電極がまとめられる。
一般的に、センサの電極は矩形のものである、つまり長辺と短辺とを有する(矩形の辺を含むがエッジは丸い)。本発明のいくつかの実施形態では、電極構成は、分散電極パターンの少なくとも一つの電極の長辺が分散電極パターンの少なくとも一つの他の電極(任意で分散電極パターンのすべての電極)の長辺と平行であるようなものである。参照により取り入れられている米国特許出願第12/184,046号(2008年7月31日出願)に開示されているように、このような構成を有するセンサ実施形態は、このパターンで構成される電極のないセンサよりも良好な始動プロファイルを呈することが観察されている。本発明のいくつかの実施形態では、センサの水和および/またはセンサの始動または初期化を促進するような連続的な手法で、分析物を包含する流体が基準電極と作用電極と対向電極と接触するように、カバー層に孔が配置される。
センサ装置の様々な要素は、センサの強度、水和、および/または機能を促進するように、装置の或る箇所に配置される、および/または或る形状で構成される、および/または特定の材料から構築される。本発明のこのような実施形態の一つは、センサの強度および耐久性を促進するポリイミドまたは誘電セラミック材料から成る長尺ベースを含む。本発明の或る実施形態では、作用および/または対向および/または基準電極の構造的特徴および/または相対位置は、センサの製造、使用、および/または機能に影響するように設計される。本発明のこのような実施形態の一つは、電極に配置される層(グルコースオキシダーゼを包含する分析物検知層)の層剥離を阻止するように一つ以上の丸いエッジを有する電極を含む。本発明の関連の実施形態は、本発明のセンサ実施形態を使用するセンサ層(一つ以上の丸いエッジを有する一つ以上の電極を有するものなど)の層剥離を阻止するための方法を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、電極に配置される層の広がりを阻止するように、バリヤ要素が装置に配置される。任意であるが、金属または他の構造などの要素がダム構造の上部に配置される。本発明の関連実施形態は、本発明のセンサ実施形態(このようなバリヤ構造を有するように構築されるもの)に配置される化合物の移動を阻止するための方法を含む。任意であるが、バリヤ要素は電極の反応面を包囲するように装置に配置される。このようなバリヤ要素は様々な材料、例えばポリイミドから製作され得る。本発明の様々な実施形態では、これらの要素は電極の一部として形成されるか、代替的に、形成後に(エポキシその他を使用するなどして)電極に接合される。
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも一つの電極が可撓性の導電性ワイヤから形成される。任意であるが、可撓性の導電性ワイヤはコイル状構成で装置に配置される。或る実施形態では、ワイヤ電極は白金、銀、および/またはパラジウム組成物から形成される。任意であるが、当該の分析物がワイヤ電極と接触できるように配置される少なくとも5,10,15個の開口部を有するチューブカバーに、ワイヤ電極が配置される。ワイヤ電極、および/または上で開示されたもののような分散電極パターンを包含する本発明の実施形態は、生体内で使用される際に装置が撓曲すると発生する潜在的に脆弱な電子要素の振とうおよび衝突に関連する問題を軽減または克服するように設計された方法での使用が可能である。特に、生体内に埋め込まれた装置は患者の日常的な活動(屈伸、歩行、その他)の間に様々な機械的応力を受ける。このような応力は、脆弱で破損しやすい機器の中の要素、特に電極を損傷する可能性を有することが、当該技術で知られている。本発明の実施形態は、患者の日常的な活動から生じる機械的応力の結果として最適な機能を失う可能性が低い要素(可撓性ワイヤ電極など)および/またはアーキテクチャ(分散電極構成など)を使用することにより問題を克服するように設計されている。
本発明の別の実施形態は、リボンケーブルなどベースに配置される一連の電極を包含する多重導体センサである。この構成は、センサの製造/生産、例えば、進歩的なレーザアブレーションを必要とするプロセスにおいて有益である。このような実施形態の一つでは、一つ以上の作用、対向、および基準電極、および/またはこのような複数の電極グループを備える単一ワイヤを生産するようにレーザアブレーションのパターンが制御される。任意であるが、これは、センサ製造に先立って区分に切断されるリール形状のものである。この設計の例示的実施形態の一つは、ワイヤ/リボン本体に沿って多数の読取点(穿孔など)を備えるワイヤ電極を包含する。このワイヤは、複数の窓部を有するシースまたはチューブの中に配置され得る。続いて、分析物調整層などの層がワイヤの一部分または代替的にワイヤ全体にコーティングされる。本発明の関連の実施形態は、このようなセンサを製造する方法を含み、この方法のステップはワイヤ電極をリールの形に配置することを含み、これは後で製造プロセス中に区分に切断される。
本発明の或る実施形態において、装置の電極は白金組成物を包含し、装置は、長尺のベース層と導電層との間に配置されるチタン組成物を包含する。任意の実施形態では、チタン組成物と導電層との間に配置される金組成物を装置が包含する。或る実施形態は、フォトリソグラフィーを含むプロセスを介してこれらの層の一つ以上を形成する。本発明のこのような実施形態は一般的に、センサ内の層状材料の間の接合の向上、および/または腐食の低下、および/または生体適合性プロファイルの向上を呈する。このような材料は例えば、或る腐食防止絶縁要素がセンサ設計から除去されるようにする腐食プロファイルが低下したセンサを製作するのに使用される。本発明の関連実施形態は、センサ要素の腐食を防止するための方法、および/または、本発明のセンサ実施形態(このような材料を使用するように構築されたもの)の生体適合性を向上させるための方法を含む。本発明のこのような実施形態を製作するのに使用される或る方法については、内容が参照により取り入れられる米国特許第7,033,336号などを参照すること。
加えて、本発明の様々な実施形態の電極は、センサ装置の機能に影響するため様々な材料(分析物調整層など)でコーティング可能である。本発明のいくつかの実施形態において、親水性の分析物調整層は、電極(導電性ワイヤなど)の反応面の少なくとも50,75%または100%にわたってコーティングされる。例えば、ここに開示される本発明の或る実施形態(電流測定グルコースセンサなど)は、「酸素不足問題」として知られるものを克服するように設計された要素および/または要素群を含む。この問題は、分析物と酸素との反応を介して分析物を測定するように設計されたセンサでは、酸素濃度は過剰でなければならないという事実に関連する。酸素が過剰でない(そして代わりに速度制限反応物である)場合には、センサ信号が酸素濃度に比例し、設計ではセンサの測定対象である分析物に比例しなくなる。このような条件下では、センサが適切に機能しないだろう。そのため、酸素および分析物の浸透性が異なる生体適合膜(グルコース制限膜など)を含み、センサ初期化始動時間を向上させるように機能する要素を有するセンサの必要性が存在する。
任意であるが、本発明の実施形態は、(例えば冗長検知能力を提供するため)複数の作用電極および/または対向電極および/または基準電極を含む。本発明のこのような実施形態は、例えば、GOxコーティング作用電極の信号をGOxでコーティングされていない作用電極の信号と比較する(真信号を得るための信号減算/キャンセルプロセスが後に続くバックグラウンド検出など)ことにより、生体内のバックグラウンド信号を取り除くように設計されたプロセッサ(信号減算/キャンセルプロセスに適したプログラムに連結されるものなど)を含む、本発明の実施形態で使用され得る。本発明のこれらの実施形態のうち或るものは、グルコース信号曲線の上下端部でグルコースを検出するのに特に有益である。本発明の類似の実施形態は、例えばGOxコーティング作用電極の信号をGOxでコーティングされていない作用電極の信号と比較することにより干渉を取り除くのに使用される。本発明の実施形態は、装置の電極の電位を媒介するのに充分な箇所および量でプルシアンブルー組成物を電極にコーティングすることを含み得る。本発明の関連の実施形態は、開示されたセンサ装置の電極の電位を(プルシアンブルー組成物を使用することなどにより)媒介するための方法を含む。プルシアンブルーの式は当該技術では周知であり、Fe4[Fe(CN6)]3×HO,CI番号7510とKe[Fe(Cn)6]×HO 同上CI番号77520を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、センサ層のアーキテクチャまたは厚さはセンサの特性を最適化するのに使用される。例えば本発明のいくつかの実施形態では、長尺ベース層は、少なくとも100ミクロンの厚さである誘電体またはポリイミドセラミック材料から成る。本発明のいくつかの実施形態では、分析物調整層は少なくとも6,7,8,9,10,15,20,25,30ミクロンの厚さである。本発明の或る実施形態は、分析物調整層については厚い層(25または30ミクロンなど)を使用するが、それは、このような実施形態では、信号の範囲(グルコース濃度など)にわたって分析物信号の直線性をともに最適化することが観察されているためである。このような厚い層は、例えば(余剰材料などのため)分析物調整層の寿命が長い本発明の或る実施形態では望ましい特性、つまり或る種の長期間センサ実施形態に特に適したものにする特性を有する。
本発明の典型的な実施形態は、分析物検知層と分析物調整層との間に配置される接着促進層などの層を包含し得る。任意でこのような実施形態では、接着促進層の第1化合物は分析物検知層の第2化合物に架橋される。本発明の或る実施形態は、干渉拒絶層、例えばNAFION(分子式C7HF13O5S.C2F4、CAS番号[31175‐20‐9]を有するテトラフルオロエチレンスルホン酸コポリマー)および/またはセルロースアセテート組成物から成るものを含む。干渉拒絶膜(IRM)はNAFIONと、電流測定センサのアセトアミノフェノールにより発生され得る干渉信号を阻止する際のその有効性とを包含する。一般的に、IRMは分析物検知層(グルコースオキシダーゼを包含するものなど)の下に配置される。本発明の或る実施形態では、電極の反応面と分析物検知層との間にIRMが配置される。本発明の関連の実施形態は、本発明の様々なセンサ実施形態の干渉化合物により発生される一つ以上の信号を(干渉拒絶層を使用することなどにより)阻止するための方法を含む。
本発明の典型的な実施形態において、センサは、信号を送信および/または受信する設計の要素、モニタ、ポンプ、プロセッサ、その他などの要素(電子部品など)に効果的に結合されている。例えば、本発明のくつかの実施形態では、センサは、哺乳類で検知される生理学的特徴値に基づくセンサからの信号を受信できるセンサ入力と、センサ入力に結合されるプロセッサと効果的に結合され、プロセッサはセンサから受信した一つ以上の信号を特徴確認することができる。ここに開示される多様なセンサ構成がこのようなシステムで使用され得る。任意であるが、例えば、センサは三つの作用電極、一つの対向電極、および一つの基準電極を包含する。或る実施形態では、少なくとも一つの作用電極がグルコースオキシダーゼを包含する分析物検知層でコーティングされ(また任意で二つがGOxでコーティングされ)、少なくとも一つの作用電極は、グルコースオキシダーゼを包含する分析物検知層でコーティングされていない。本発明のこのような実施形態は、例えば、GOxコーティング作用電極の信号をGOxでコーティングされていない作用電極の信号と比較することにより、生体内のバックグラウンド信号を取り除く設計のセンサ実施形態で例えば使用され得る(バックグラウンド検出の後で減算/キャンセルプロセスが行われて真信号が得られる)。
本発明の実施形態は、センサ機能のいくつかの面を最適化する要素の構成および/またはアーキテクチャを有するセンサおよびセンサシステムを含む。例えば、本発明の或る実施形態は、多数のセンサセットおよび/または多数の穿孔部材(ニードルなど)および/もしくは患者の生体内挿入部位での使用のため挿入装置に設けられるカニューレなどのセンサシステム要素など、多数および/または冗長の要素を含むように構築される。例えば、センサセットは、参照によりここに取り入れられる2011年1月18日出願の米国特許出願番号第13/008,723号に開示されているような二重穿孔部材を含むとよい。本発明のこの実施形態は、患者の身体特徴を監視するためのセンサ装置であり、この装置は、装置を患者に固定するのに適合したベース要素と、ベース要素に結合されてこれから延出する第1穿孔部材であって、第1センサ配置部位で患者の少なくとも一つの身体特徴を判断するための少なくとも一つの電極を有する少なくとも一つの第1電気化学センサに効果的に結合される(構造支持体を設ける、および/または包囲する)第1穿孔部材とともに、ベース要素に結合されてこれから延出し、第2センサ配置部位で患者の少なくとも一つの身体特徴を判断するための少なくとも一つの電極を有する少なくとも一つの第2電気化学センサに効果的に結合される第2穿孔部材を包含する。本発明のいくつかの実施形態では、このようなセンサは集中治療ユニットなどでの病院設定で(糖尿病患者の間質液または血液の血中グルコースレベルを測定するなどのために)使用される。本発明の他の実施形態では、血中グルコースが日常的に監視されている糖尿病患者により、緊急状況でこの装置が使用される。
ここに開示されるセンサシステムの実施形態は、一般的に、(緊急状況での使用を促進するなどのため)可撓性センサ基材など生体内での使用を促進する要素に結合される。このような実施形態では、一つ以上の検知セットが各可撓性基材に結合され、例えば四つの検知セットを有する実施形態では二つが各基材に結合される。当該技術で周知の多様な材料が本発明のこのような実施形態を製作するのに使用され得る。このような実施形態では、ケーブルは、ある距離(約3,4,5,6,7,8,9,10フィートの長さなど)にわたってノイズが最小である電流(10nAのような低電流など)アナログ信号を運ぶことができる。この電流を運ぶのに使用されるワイヤは、例えば金属メッシュ(編みおよび/または織りメッシュなど)、固体金属ラップ(アルミ箔に近いものなど)を使用することにより干渉/クロストークによるノイズを最小にするために絶縁されるか、(アセンブリの周りに多くの髪状ワイヤを巻き付けると、中実ラップと同じ作用を達成する)巻き状態の個別金属ワイヤである。コネクタは、剛性プラスチック(ポリカーボネート、ABS、ポリエチレン、PVC、ビニルなど)のような材料で製作され得る。ケーブルの外側スリーブは、ポリウレタン、ビニル、シリコン、ポリアミドなどのような可撓性/洗浄可能な(薬品耐性を持つ)材料で製作され得る。本体の材料は可撓性ベース、例えば小児科用パルスオキシメータセンサまたは布製バンドエイドで使用されるものに類似している。
上記のように、或るセンサシステム実施形態では、可撓性回路アセンブリに電極が構築/配置される。本発明のこのような実施形態では、可撓性基材/センサを含むセンサシステムのアーキテクチャが、(1)第1センサが第2センサにより発生される信号に影響しない(およびその逆)、また(2)別の組織性外膜からの検知を行うため別のセンサからの信号が相互作用を行わないのに充分に大きい距離だけ分離されている。同時に、発明の典型的な実施形態では、一緒の包装が容易であって単一の挿入作用を有するのに充分なほど可撓性基材が近接している。
本発明の一実施形態は、患者の分析物を監視するための装置であり、この装置は、装置を患者に固定するのに適合したベース要素と、ベース要素に結合されてこれから延出する第1穿孔部材と、第1穿孔部材に効果的に接続されて第1電気化学センサ配置部位での患者の少なくとも一つの生理学的特徴を判断するための第1電気化学センサ電極を包含する第1電気化学センサと、ベース要素に結合されてこれから延出する第2穿孔部材と、第2穿孔部材に効果的に結合されて第2電気化学センサ配置部位での患者の少なくとも一つの生理学的特徴を判断するための第2電気化学センサ電極を包含する第2電気化学センサとを包含する。本発明のこのような実施形態では、第1または第2電気化学センサにより監視される少なくとも一つの生理学的特徴は、患者の自然発生的分析物の濃度を包含する。第1穿孔部材は第1電気化学センサを患者の第1組織区画に配置し、第2穿孔部材は第2電気化学センサを患者の第2組織区画に配置し、第1および第2穿孔部材は、第1電気化学センサの埋め込みから生じる生理学的応答が第2電気化学センサにより発生されるセンサ信号を変化させるのを回避するように選択される構成で、ベースに配置される。
本発明のいくつかの実施形態において、ベースは、患者に埋め込まれた電気化学センサの移動を受けてねじれおよび曲げが生じる可撓性センサ基材(ポリイミドなどのポリマー組成物から生成されるものなど)を包含する。接点パッドなどの様々なセンサ要素は一般的に、このような可撓性基材に配置される。本発明のいくつかの実施形態では、接点パッドは可撓性センサ基材のエッジ付近に配設され、基材上の導線がセンサを接点パッドに接続し、例えば接点パッドが検査対象物質によって汚れるのを防止する。実施形態は、センサアレイのセンサ接点パッドと同じ構成で配設される複数の基板接点パッドを有するプリント回路基板を含み得る。導電性エラストマ、スティックプローブ、カンチレバープローブ、導電性接着剤、ウェハ・基板接合技術、または他の接点素子などのコネクタは、センサ接点パッドと基板接点パッドとの間に接触を設けることによりセンサをプリント回路基板に結合し、接点は好ましくはリバーシブルで非永久的である。
一般的に、可撓性センサ基材は、接点パッドと、接点パッドに効果的に結合される電気接続要素に電気化学センサ電極を接続する電気導体とを含む。任意であるが、装置は、二つの電気導体に接続される二つの接点と、可撓性センサ基材に配置される作用、対向、および基準電極を包含する二組の電気化学センサ電極とを包含し、その構成では二つの接点パッドは、電源への電気接続を容易にするように可撓性センサ基材の中央領域に一緒に配置され、二組の電気化学センサ電極の各々は、センサ分離を最大にするように可撓性センサ基材の両側に配置され、二つの接点パッドは、電源への電気接続を容易にするように可撓性センサ基材の片側に一緒に配置され、二組の電気化学センサ電極は患者使用のための小型設計を提供するように可撓性センサ基材の反対側で列状に一緒に配置され、あるいは二つの接点パッドは、電源への電気接続を容易にするように可撓性センサ基材の片側に一緒に配置され、二組の電気化学センサ電極は、交互配置構成で一緒に配置されていないセンサ電極と比較して各セットの電気化学センサ電極の間の大きな距離を提供しながら患者使用のための小型設計を提供するように、可撓性センサ基材の反対側に交互配置構成で一緒に配置される。本発明の典型的な実施形態では、接点パッドおよび電極は少なくとも15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25ミリメートル離間している。
本発明の或る実施形態において、少なくとも一つの電気化学センサ電極は、酸化還元酵素のためのリガンドへの露出時に過酸化水素を発生させる酸化還元酵素を包含する。例えばいくつかの実施形態では、第1および第2電気化学センサは、作用電極と対向電極と基準電極とを包含し、第1電気化学センサの作用電極はグルコースオキシダーゼでコーティングされ、第2電気化学センサの作用電極はグルコースオキシダーゼでコーティングされない。任意であるが、第1および第2電気化学センサは、ユニットとして一緒にまとめられてユニットの反復的パターンとして分散配置される複数の作用、対向、および基準電極を包含する。
本発明のいくつかの実施形態では、第1および第2電気化学センサは、第1および第2電気化学センサからの信号を受信できるセンサ入力に効果的に結合され、センサ入力にプロセッサが結合されて、プロセッサは、第1および第2電気化学センサから受信した一つ以上の信号の特徴を把握することができる。任意であるが、電極から信号を得るのにパルス電圧が使用される。本発明の或る実施形態において、プロセッサは、第1作用電位に応答して作用電極から受信する第1信号を第2作用電位に応答して作用電極から受信する第2信号と比較することができる。
本発明の関連実施形態は、患者のグルコース濃度を監視するための装置であり、この装置は、装置を患者に固定するように構成された可撓性センサ基材と、可撓性センサ基材に結合されてこれから延出する第1穿孔部材であって、第1電気化学センサ配置部位でのグルコース濃度を測定するための第1電気化学センサ電極を包含する第1電気化学センサに効果的に結合される第1穿孔部材と、可撓性センサ基材に結合されてこれから延出する第2穿孔部材であって、第2電気化学センサ配置部位で患者の少なくとも一つの生理学的特徴を判断するための第2電気化学センサ電極を包含する第2電気化学センサに効果的に結合される第2穿孔部材と、第1および第2電気化学センサから受信した複数の信号の特徴を把握することのできるプロセッサとを包含する。本発明のこのような実施形態では、第1穿孔部材は第1電気化学センサを患者の第1組織区画に配置し、第2穿孔部材は第2電気化学センサを患者の第2組織区画に配置し、第1および第2穿孔部材は、第1電気化学センサの埋め込みに対する生理科学的反応が、第2電気化学センサにより発生されるセンサ信号に影響することを回避するように選択された構成で、可撓性センサ基材に配置される。
任意であるが、第1および第2電気化学センサは、長尺のベース層と、ベース層に配置されて基準電極と作用電極と対向電極とを包含する導電層と、導電層に配置される分析物検知層と、分析物検知層に配置される分析物調整層であって、分析物調整層で拡散する分析物の拡散を調整する組成物を包含する分析物調整層と、分析物センサに配置されるカバー層であって、患者に存在する分析物が分析物調整層と接触してここに拡散し分析物検知層と接触するのを促進するようにカバー層に位置する開口部を包含するカバー層とを包含する。一般的に、第1および第2電気化学センサは、ユニットとして一緒にまとめられてユニットの反復的パターンとして導電層に分散配置される複数の作用、対向、および基準電極を包含する。
本発明の或る実施形態において、第1電気化学センサはグルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極を包含し、第2電気化学センサはグルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極を包含せず、プロセッサは、患者のグルコース濃度に基づくものではないバックグラウンド信号を特定するように、作用電極から受信された信号を比較することにより患者のグルコース濃度についての情報を得ることができる。任意であるが例えば、第1および第2電気化学センサの作用電極はグルコースオキシダーゼでコーティングされ、プロセッサは、グルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極から受信した信号を比較することにより、患者のグルコース濃度についての情報を得ることができる。本発明の或る実施形態では、電極からの信号を得るのに使用されるパルス電圧方式から導出されるセンサ情報にアクセスするのにプロセッサが使用される。任意であるが、プロセッサは第1作用電位(280,535,635ミリボルトなど)に応答して作用電極から受信される第1信号を第2作用電位(280,535,635ミリボルトなど)に応答して作用電極から受信される第2信号と比較することができる。
本発明の或る実施形態では、第1および第2電気化学センサは、三つの作用電極と一つの対向電極と一つの基準電極とを包含し、第1および第2電気化学センサの少なくとも一つの作用電極はグルコースオキシダーゼでコーティングされ、第1および第2電気化学センサの少なくとも一つの作用電極はグルコースオキシダーゼでコーティングされない。任意であるが、第1および第2電気化学センサの少なくとも二つの作用電極はグルコースオキシダーゼでコーティングされる。本発明の別の実施形態は、患者の体内の分析物を監視する方法であり、この方法は、分析物センサを患者に埋め込むことを包含し、分析物センサは、装置を患者に固定するように構成されたベース要素と、ベース要素に結合されてこれから延出する第1穿孔部材と、第1穿孔部材に効果的に結合されて、第1電気化学センサ配置部位で患者の少なくとも一つの生理学的特徴を判断するための第1電気化学センサ電極を包含する第1電気化学センサと、ベース要素に結合されてこれから延出する第2穿孔部材と、第2穿孔部材に効果的に結合されて、第2電気化学センサ配置部位で患者の少なくとも一つの生理学的特徴を判断するための第2電気化学センサ電極を包含する第2電気化学センサと、第1および第2電気化学センサから信号を受信できるセンサ入力と、センサ入力に結合されるプロセッサであって、第1および第2電気化学センサから受信した一つ以上の信号の特徴を明らかにすることができるプロセッサとを包含する。本発明のこのような実施形態では、第1および第2電気化学センサにより監視される少なくとも一つの生理学的特徴は、患者の自然発生的な分析物の濃度を包含し、第1穿孔部材は第1電気化学センサを患者の第1組織区画に配置し、第2穿孔部材は第2電気化学センサを患者の第2組織区画に配置し、第1および第2穿孔部材は、分析物が監視されるように、第1電気化学センサの埋め込みにより生じる生理学的反応が、第2電気化学センサにより発生されるセンサ信号を変化させること、第1および第2電気化学センサ電極での電流の変化を検知すること、そして電流変化を分析物の有無と相関させることを回避するように選択される構成で、ベースに配置される。
本発明のいくつかの方法実施形態において、第1電気化学センサはグルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極を包含し、第2電気化学センサはグルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極を包含せず、この方法は、プロセッサを使用して、患者のグルコース濃度に基づかないバックグラウンド信号が特徴確認されるように第1および第2電気化学センサの作用電極から受信した信号を比較することにより、患者のグルコース濃度についての情報を得ることを包含する。任意であるが、第1電気化学センサはグルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極を包含し、第2電気化学センサはグルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極を包含し、この方法は、プロセッサを使用して、第1および第2電気化学センサの作用電極から受信した信号を比較することにより患者のグルコース濃度についての情報を得ることを包含する。一般的に、第1および第2電気化学センサの少なくとも一つは間質空間に埋め込まれる。
センサ挿入セット装置のいくつかの実施形態において、第1および第2(および/または第3など)電気化学センサは、一つの作用、対向、および基準電極を包含する。代替的に、複数の電気化学センサは、例えばここに開示されるような分散構成を有する複数の作用、対向、および基準電極を包含する。本発明の或る実施形態では、複数のセンサのうち少なくとも二つが、同じ生理学的特徴、例えば血中グルコース濃度により発生される信号を測定するように設計される。本発明の実施形態は例えば、グルコースオキシダーゼなどの酸化還元酵素でコーティングされる作用電極を有する複数の電気化学センサを含み、複数の生体内挿入部位で観察されるグルコース濃度の試料を採取して比較するように考案される方法で使用される。代替的に、センサ装置の複数のセンサのうち少なくとも二つは、異なる特徴、例えば血中グルコースと無関係であるバックグラウンドまたは干渉信号(「ノイズ」など)を包含する第1特徴と、血中グルコース濃度を包含する第2特徴とにより発生される信号を測定するように設計される。本発明の例示的実施形態において、第1センサはグルコースオキシダーゼを測定するように設計されてグルコースオキシダーゼで被覆される一つ以上の作用電極を包含し、一方、第2比較センサは、血中グルコースと無関係であるバックグラウンドまたは干渉信号を測定するように設計され、グルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極(または複数の作用電極)を有していない。
本発明の実施形態は、生体内の単一の挿入部位で一緒に配置されるような手法で単一の穿孔部材に結合される複数のセンサを含み得る。本発明のこのような実施形態の一つは、患者の身体特徴を監視するためのセンサ装置を包含し、この装置は、装置を患者に固定するように構成されたベース要素と、ベース要素に結合されるとともにこれから延出する第1穿孔部材であって、第1センサ配置部位で患者の少なくとも一つの身体特徴を判断するための少なくとも一つの電極を有する少なくとも二つの電気化学センサに効果的に結合される(例えば構造的支持を提供する、および/または包囲する)第1穿孔部材と、ベース要素に結合されてこれから延出するとともに、第2センサ配置部位で患者の少なくとも一つの身体特徴を判断するための少なくとも一つの電極を有する少なくとも二つの電気化学センサにやはり効果的に結合される第2穿孔部材とを包含する。本発明のいくつかの実施形態では、穿孔部材に結合される少なくとも二つの電気化学センサは、同じ特徴、例えば血中グルコース濃度により発生される信号を測定するように設計される。代替的に、穿孔部材に結合される少なくとも二つの電気化学センサは、異なる特徴、例えば、血中グルコースと関係しないバックグラウンドまたは干渉信号(「ノイズ」など)を包含する第1特徴と、血中グルコース濃度を包含する第2特徴とにより発生される信号を測定するように設計されている。
本発明の典型的な実施形態は、複数のセンサにより生成される二つ(以上)の信号を比較し、それから例えば、複数の信号の比較に基づく生理学的特徴読取値を提供するプロセッサを含む。例示的な一実施形態では、例えば、センサが挿入される異なる部位で血中グルコースなどの生理学的特徴の比較評価を行うため、グルコースオキシダーゼなどの酸化還元酵素でコーティングされた要素を有する複数のセンサの間で計算比較を行うアルゴリズムをプロセッサが使用する。別の例示的実施形態では、例えば血中グルコースと関係のない信号を減算し、こうして最適なセンサ出力を提供するため、グルコースオキシダーゼなどの酸化還元酵素でコーティングされた要素を有する少なくとも一つのセンサと、グルコースオキシダーゼでコーティングされていない少なくとも一つのセンサ(例えば血中グルコースと関係ないバックグラウンドまたは干渉信号を特定するように機能する)とを有する複数のセンサの間で計算比較を行うアルゴリズムをプロセスが含む。本発明のある種の実施形態は、単一チャネルまたは通信回線へ多数のセンサ信号を織り込むことなどにより、複数のセンサから受信した信号を多重化することが可能な装置を含む。本発明のこのような多重化実施形態では、すべてのセンサ出力の相対的および包括的な読取値を得るため、各信号からの情報区分が交互配置されて、時間、周波数、または空間により分離される。本発明のある種の多重化実施形態は、アルゴリズムを使用して、複数のセンサから受信した信号の間の計算比較を行う(センサ信号の中間値、平均値、正規化値を提供する)プロセッサを含む。
上に開示されたもののような複数のセンサを含む本発明の実施形態は、患者の組織への異物の挿入に関連する問題(免疫反応など)、および/または所与の挿入部位に見られる可変的な解剖学的特徴(個人ごとに厚さおよび/または深さの異なる皮層、脂肪組織沈殿物の有無または程度、既存の瘢痕組織の存在、その他など)、水和およびセンサの初期化に影響する現象を縮小または克服するように設計される方法で使用され得る。特に、例えば挿入部位での可変性が高く予測不能な局所的免疫反応を含む患者の生理機能は、埋め込み型センサについての問題を引き起こす。例えば、異物が体内に埋め込まれた時に、免疫システムが反応する一つの方法は、(例えば線維性カプセルに収納されるように)線維層において対象物を「遮断する」ことであり、これは、(物理的バリヤとして作用する線維層により)生体内分析物(グルコースなど)の能力がセンサと接触することを阻止することにより分析物センサの性能を損なう現象である。加えて、例えば可変性が高く予測不能な繊維特性を異なる挿入部位に含む患者の解剖学的特徴は、血流から埋め込みセンサの部位までの異なる速度の分析物の拡散を例えば含み得る埋め込み型センサについての問題を引き起こすことがあり、この現象は、血中グルコース濃度についての比較的確実および/または正確な読取値(現在または「実時間」読取値)を得るというセンサの能力を妨げることにより分析物センサの性能を損なう。
本発明の典型的な方法および機器実施形態では、このような装置のセンサは、第1センサのための第1挿入部位での生理学的反応が第1センサのための第1挿入部位で発生される信号に影響を与えない充分な大きさであるように選択される距離だけ分離されている。加えて、発明の或る実施形態では、このような装置のセンサは、別の組織性外膜からセンサが検知を行うことができるのにまったく充分な距離だけ分離されている。例えば、本発明の一実施形態では、装置の要素群は、第1および第2穿孔部材が患者へ挿入される時に第1および第2センサが少なくとも5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,20,25ミリメートルの組織だけ分離されるように配設される。本発明の別の実施形態では、装置の要素群は、第1および第2穿孔部材が患者へ挿入される時に間質空間(つまり器官表皮の組織または一部の間の小さな狭い空間)などの第1解剖学的特徴および/または特徴の層に第1センサが配置されるように配設され、第2センサは、器官の組織または一部に第2解剖学的特徴および/または特性の層に配置される。例示的な一実施形態では、第1センサは表皮内に配置され、第2センサは真皮に配置される。本発明の別の実施形態では、第1センサは脂肪組織に配置され、第2センサは筋肉組織内に配置される。本発明のいくつかの実施形態では、穿孔部材は平行構成のベースに配置される。代替的に、穿孔部材は、(第1センサが第1解剖学的特徴に配置されて、第2センサが第2解剖学的特徴に配置されるなどの)非平行構成でベースに配置される。任意であるが、本発明の実施形態の少なくとも二つのセンサは、これらが埋め込まれる組織のほぼ同じ深さに配置される。代替的に、本発明の実施形態の少なくとも二つのセンサは、これらが埋め込まれる組織内で異なる深さに配置される。
上記のような複数のセンサを含む本発明の実施形態は、単一の挿入部位で上記の問題の一つ以上を補正するかその発生を克服する手法で多数の挿入部位での多数の生理学的な特徴読取値を提供することにより、単一センサについて発生することが観察されている様々な問題を克服できる。例えば、これらの要素を含むような構造を持つ本発明の実施形態を使用することにより、単一挿入部位での免疫反応または問題を含む解剖学的特徴(瘢痕組織など)は、本発明のこのような実施形態により提供される多数の/冗長なセンサ信号を考慮すると、多数のセンサ装置の機能を損なうことはない。加えて、複数のセンサを含む本発明の実施形態は、単一挿入部位で単一センサについて発生し得る「ドリフト」(つまり、測定された特性に関係なくセンサの出力信号が時間とともに変化する現象)に関連する問題について特徴確認し、これを補正、克服するのに多数のセンサ信号を使用できる。
複数のセンサを含む本発明の実施形態は、センサ機能を最適化するためここに開示される他のセンサ要素および/または構成と組み合わされることが可能であり、例えば、センサ構造体の可撓性を向上させる、および/またはセンサ電極の水和を促進する構成で分散された電極を包含し得る。同様に、本発明のこれらの実施形態は、以下で詳細に記す初期化および/または検知プロセスの一部としての電圧切換および/またはパルス作用を使用する装置および方法と組み合わされ得る。
上記のように、本発明の或る実施形態は、電圧切換または他の電圧変化を検知プロセスの一部として使用できる。先行技術方法と反対に、ここで説明される電圧の切換およびステップ変動が、水和、初期化、または他の目的の代わりにグルコースを直接に追跡するのに使用される。一般的な先行技術による連続的グルコース監視方法は、単一の電流信号応答を返す電気測定法の固定電位モードを使用する。そのため、単一の測定値がグルコースまたは他の分析物と相関される。一定の時間最大値、例えば変動電圧が使用されている間が30分間である先行技術方法と異なり、好ましい実施形態では、本発明はセンサ周期全体にわたって連続的に変化する電圧を使用する。先行技術では、1または2の出力、通常は電流出力または電圧出力がグルコース変化の追跡に使用された。電圧を変動させることにより、後述するように、より多くのパラメータが使用され得る。加えて、本発明の実施形態では、異なる電位の間で連続的に切換を行って分析物濃度を表す電流の動的作用を追跡することにより、先行技術の方法よりも迅速に分析物濃度が予測され得る。この原理のいくつかの面が、二つの電位401,402が交互に印加されてその結果生じる電流が監視される図4Aおよび4Bに図示されている。
本発明の実施形態では、変動電圧が使用され、例えばステップ電極電位の反復的なサイクルが印加される。電圧変動の結果、連続的なグルコース検知モードが得られ、時系列グルコース監視中により多くの情報を提供する。ステップ電圧方式などの電圧変動方式を使用することは多くの利点を有している。例えば、その固有の自己相関は、一定電圧アプローチを比較すると、かなり高い。
ステップ電極電位が使用される時に、例えば、得られる信号緩和応答の各波形サイクルは、いくつかの特徴的電極電流読取値(Isigs)を含む。これらの読取値変化および緩和時間は、グルコース濃度に直接相関する。このようなサイクルを連続的に反復すると、ロバストな連続的グルコース監視システムが結果的に得られる。特徴的信号応答は、グルコースとの相関により、いかなるグルコース変化においても通常の条件下では互いとも相関する。ゆえにこの方法は、検知中に一つの特徴的電極電流読取値のみを戻す固定電位検知モードと比較して、高いシステム安定性を提供する。多数の電極電位に基づくシステム自己相関の変化は、グルコース反応に干渉する物質の存在を特定してこのような干渉を追跡する際にも有益である。本発明の実施形態では、多数の電極電位、例えばステップ電極電位が使用される。
本発明の実施形態は、第1電圧電位を電極に印加し、電極の電流フローを監視して測定電流値を求め、次に電極の電流の動的電気作用をモデリングしてモデル導出電流値を求め、また分析物の濃度を推定するように第1電圧電位測定電流値を第1電圧電位モデル導出電流値と比較することにより、分析物を検知する方法を含む。本発明のさらなる実施形態は、第2電圧電位を電極に印加し、電極の電流フローを監視して測定電流値を求め、電極の電流の第2電圧電位動的電気作用をモデリングしてモデル導出電流値を得ることと、第2電圧電位測定電流値を第2電圧電位モデル導出電流値および/または第1電圧電位測定電流値および第1電圧電位モデル導出電流値と比較することを含む。この手法で、分析物の濃度を推定する、および/または分析物の濃度を推定する際に使用されるモデリング式に少なくとも一つのパラメータを供給するのに、このような実施形態が使用される。任意であるが、この方法はさらに、第3電圧電位を電極に印加して、電極の電流フローを監視して測定電流値を求めることを包含する。本発明のいくつかの実施形態では、第1、第2、および第3電位は互いに漸進的ステップ関係にある。
本発明の例示的実施形態において、第1電極電位は第1所定時間に分析物センサに印加され、第2電極電位は第2所定時間に分析物センサに印加される。所定時間は同じであっても異なっていてもよい。次に、好ましくは最初に印加された時と同じ所定時間に、第1および第2電極電位の印加が再び適用される。このサイクルは、センサ持続時間に検知プロセス全体で連続的に反復される。三つ以上の電極電位が印加されることも可能である。例えば、各サイクルは3,4,5またはそれ以上の電圧を有するとよい。この時、これらすべての電圧を使用するサイクルであれば、センサ持続時間にわたって連続的に反復されるだろう。センサ持続時間は好ましくは、センサが身体に埋め込まれて分析物検知に使用される時間全体である。水和および/または初期化のためなど他の導入期間が使用される場合には、この期間にも同じ第1および第2電極電位が使用されるのでなければ、導入期間の後に好ましくはセンサ持続時間が開始する。導入と検知に同じ電極電位が使用される場合には、センサ持続時間は導入時間を含むであろうが、センサ値に影響するかもしれない導入の後にセンサ持続時間を開始させることの方が通常はよい。実施形態では、本発明の電圧切換は異なる時間、例えば一つまたは所定数の分析物読取値を得るのに要する時間、持続する。或る実施形態では、電流がセンサへ印加されなくなるように、物理的に、または他の方法で電子機器が切断されることにより、センサが電子機器から分断されるまで、センサ時間がセンサの検知期間全体にわたって持続する。センサ持続時間は、5分を超えるか、10分を超えるか、15分を超えるか、30分を超えるか、1時間を超えるか、3時間を超えるか、または1日などさらに長い時間であってもよい。
本発明の実施形態は、センサ持続時間にわたって連続的に電流測定分析物センサの電極にパルス電圧電位を印加して、その結果得られる電流を測定して測定電流値を求めることにより分析物を検知する方法を含み、パルス電圧電位は、センサ持続時間にわたって連続的に電極電位が変動して、電圧サイクルの各連続電圧が前の電圧より高いか低くなるように印加される。これらの方法では、測定電流値がその後で分析物の濃度と相関されるため、分析物が検知される。任意であるがこれらの方法では、三つ以上の異なる電圧電位が使用される。本発明の或る実施形態では。任意であるが、電圧サイクルの各連続電圧は、少なくともサイクルの前の電圧の上下の或る電圧である(535mVと635mVの間の差である0.1ボルトなど)。いくつかの実施形態では、パルス電圧電位は0.4ボルトと0.7ボルトの間の第1電圧電位と、0.4ボルトより下または0.7ボルトより上の第2電圧電位との反復サイクルを包含し、サイクルの各連続電圧は前の電圧と少なくとも0.1ボルトは異なっている。
ここに記されるように、電圧切換などの方法は、分析物読取値を判断するのに検知データが使用される時に先立ってセンサを初期化するのに使用される。そのため、センサ持続時間に先立って初期化期間が設けられるとよい。付加的または代替的に、またここに記されるように、センサ持続時間に先立って水和期間が設けられてもよい。
ここに記されるように、センサから受信される信号を監視する監視装置の一部であるか、(無線で、または他の直接接続を介して)これに別々に接続されるセンサ電子機器に、センサが直接接続されるとよい。センサ機器および/または(別であるかセンサ機器と一緒である)モニタの構造に応じて、センサ電子機器とモニタの一方または両方が、センサで検知された信号に基づいて計算を行い、信号を実際の分析物測定値に変換し、受信したデータの様々な特徴を判断する。ここに記されるように、患者内の分析物の実際レベルについてより正確な描写を得るのに役立つようにいくつかの異なる特徴が使用されるとよい。これらの特徴は、曲線の緩和の間などの異なる時間間隔での電流値、電流の変化、総電荷の変化、および/または計算による緩和パラメータを含む。特に、当該技術で周知のように、様々な電流測定センサでは、分析物(グルコースなど)濃度は、i(t)に基づく電流出力に依存する。結果的に、この技術の熟練者は普通、電流プロファイル現象(緩和動特性曲線など)を相関させて分析物濃度を観察する(Bioelectrochemistry:Fundamentals,Experimental Techniques and Applications(生物電気化学:基礎、実験技術、および応用)WILEY2008(P.N.Bartlett Ed.))。任意であるが、電荷/濃度相関関係は、例えば、異なるセンサシステムでの固有電流プロファイルを観察する経験的方法と、周知の濃度の一連の分析物試料(糖尿病の個人で観察されるグルコース濃度を含む一連のグルコース試料など)についての方法により、異なるセンサシステムおよび方法について例示され得る。このような一般的な知識および/またはセンサ固有情報は、電極の電流の動的電気作用をモデリングしてモデル導出電流値を求めることを含む方法で普通は使用される。
図4Aおよび4Bは、段階的電位方法を用いて分析物濃度を評価するのに使用され得る情報の一部を説明している。図4Aには、Y軸が電位および電極電流読取値(Isig)を表してX軸が時間を表すグラフが示されている。この実施形態では、二つの段階的電位401,402が見られる。この電位は反復される。Isig読取値は点線403によって示されている。図4Aに見られるように、Isig読取値は時間とともに変化し、変動読取値となる。これは、平坦なIsig読取値を一つのみ有する単一電位システムで発生するものとは異なっている。図4Bは、分析物レベルと相関され得るIsig曲線のいくつかの部分例を表すように表示されている。例えば、特徴的なIsig読取値405が使用され得る。図4Bに示されているのは、高い読取値および低い読取値である(a′, c′,d′,f′)。他に示されているのは、曲線の谷(b′およびe′)である。別のタイプの読取値は、電圧印加中、または電圧印加と電圧印加の間のIsigの変化である。図4Bでは、406(a,b,c,d,e)によってこれらが示されている。緩和曲線の動特性が使用され(407)、緩和曲線の下の特徴エリア(408、移動総電荷としても知られる)が使用され得る。
緩和曲線の動特性を測定するため、単純電極式が使用され得る。図5Aおよび5Bは、単純電極システムの線形拡散の特性を表すグラフを示す。図5Aは、電流が印加されておらず撹拌が行われていない溶液での線形拡散についての濃度プロファイルを表す。お分かりのように、表面から距離のある濃度プロファイルは、時間が増えるにつれて対数タイプのプロファイルから線形プロファイルに変化する。図5Bでは、印加される電圧は0.535Vであった。正規化電流(X軸)は、時間(Y軸)が増加するにつれてゼロに近づく。電流(Isig)の減少は、例えば以下のコットレル式によってモデリングが可能である。
上式において、i=電流、n=電子の数、F=ファラデー定数、A=表面積、D=拡散定数、C=濃度、t=時間である。Isigプロファイルをモデリングする他の式は、特定時間のIsigを推定するのにも使用され得る。例えば、制限層作用を含めるため、以下の式が使用されるとよい。
上式において、i=電流、n=電子の数、F=ファラデー定数、A=表面積、D=拡散定数、C=濃度、d=制限層距離、t=時間である。
センサおよび溶液をモデリングするには、2成分モデルが使用されるとよい。例えば、コットレル式と制限層条件との組み合わせが使用され得る。コットレル式は、撹拌のない純粋電極システムとして作用するセンサのいくつかの面を獲得する。制限層成分は、有効拡散定数によりセンサの層を境界の一部として扱う。これらのモデルを組み合わせる式の例は以下の通りである。
図6A〜Cは、上の式、式2を使用して描かれた波形を示す三種類のグラフである。図6Aは、第1電圧−535Vおよび第2電圧535Vから測定された電流を示す。第2グラフの図6Bは、第1電圧についての測定電流501と計算電流502とを示す。お分かりのように、計算電流は、実際に測定された電流と非常によく相関する。図6Cは、第2電圧についての測定電流501と計算電流502とを示す。
センサ値をモデリングするのに使用され得る別の式は四つの主成分(P1〜P4)を有して、以下の通りである(パラメータは上記。αとβの各々は重み付け式がどれほど考慮されるかを示す重み係数である)。各々が等しく重み付けされた場合、αとβとはそれぞれ1に等しいが、所望のように調節されてもよい。αおよびβの重みパラメータは必ずしも1と1である必要はなく、特定のセンサについてのモデリングによって生成される定数であってもよい。例えば、完全センサについてはα/β=−5(またはP1/P4)が可能である。システムに応じて、重みパラメータは以下にしたがって選択され得る。
パラメータP1〜P4は、センサグルコースとともにセンサ性能を追跡するように、組み合わせで、または単独で使用可能である。ここに開示される、またはセンサグルコースおよび/またはセンサ性能を追跡するのに他の形で使用されるとよい他の式のように、センサから信号および/またはデータを受信するモニタ、センサ電子機器、または他の機器は、センサ信号に基づいてパラメータを計算するだろう。上記の式のいくつかの面は当該技術では周知であり、例えば、Bard,A.J.およびFaulkner,L.R.の“Electrochemical Methods.Fundamentals and Applications”(電気化学的方法。基礎および応用)第2版、Wiley,ニューヨーク、2001年と、F.G.Cottrell Zeitschrift Fur Physikalische Chemie,42:385,1902年に記されている。
上記の式、式3に基づく計算は、センサ性能を判断するためのいくつかの比を含む。例えば、比P1/P2から一定時間Cdが得られ、変動するC(濃度)からd(制限層距離)が得られることを示している。dの大きさは、実際に計算された緩和がセンサそのものの「内部」エリアについてのものであるか、実際にはセンサエリアの外側であるかどうかを表している。例えば、約9ミクロンより小さいdの値はセンサを表しており、約9ミクロンより大きい値は溶液を表している。P1/P3の比からは、拡散定数および濃度が比例していると仮定すると、システムにおける分析物(グルコースなど)の拡散と、分析物が拡散する距離との関係についての情報が得られる。ゆえに、P1/P3の比は、センサ診断に使用される情報を提供する。P1/P4の比はα/βの比であり、例えば動的検査の間の制限層安定性と安定状態(拡散特徴が安定状態特徴と異なって見えるかどうかについての暗示)とを点検するのに使用可能である。実施形態において、P1/P4は、良好なセンサの生産については約1に近づく傾向がある。
本発明の実施形態は、電流測定分析物センサ機能を評価する方法を含む。これらの方法は、センサ持続時間にわたって連続的にパルス電圧電位を電流測定分析物センサの電極に印加するステップと、結果的に得られる電流信号を観察するステップと、その後で、式を使用して観察電流信号を分析するステップとを含み得る。
上式において、i=電流、n=電子の数、F=ファラデー定数、A=表面積、D=拡散定数、CおよびC=濃度、d=制限層距離、t=時間であり、αは重み付け式がどれほど考慮されるかを表す第1重み係数であり、βは重み付け式がどれほど考慮されるかを表す第2重み係数である。或る実施形態では、d(拡散層の距離)の外側ではCはCに等しい。いくつかの実施形態では、Cはd(拡散層の距離)の中ではCに等しくない。これらの方法はさらに、時間経過によるP1/P3の比または時間経過によるP1/P4の比を観察することを包含し、P1/P3またはP1/P4の比がセンサ持続時間にわたって安定しているとの観察は、センサが適切に機能していることを示し、P1/P3の比またはP1/P4の比がセンサ持続時間にわたって安定していないとの観察は、センサが不適切に機能していることを示している。任意であるが、これらの方法では、電圧サイクルの各連続電圧が前の電圧より高いか低くなるようにパルス電圧電位が印加される。例示的な実施形態では、電流測定分析物センサは、生体内に埋め込まれているグルコースセンサである。
適切に機能する、つまり「良質な」センサと、不適切に機能する、つまり「悪質な」センサとは、パルス電圧方式が使用される時にセンサの化学的性質が識別されるように特徴的に異なる作用を有する。良質センサは、適切に機能して、その読取値に重大な影響を与えるような問題を有していないものである。分析物を正確または精密に測定しない悪質センサを作り出す問題は、破損、不適切な化学蒸着、電極と接点パッドとの接続不良、およびセンサ読取値に影響する他の問題を含む。加えて、センサは時間とともに悪質になり得る。例えば、免疫反応などいくつかの生物学的要因によるセンサ環境の変化が生じることがある。これらのタイプの変化は、センサ感度を劣化させて悪質センサを生み出す。上の式のパラメータを使用することにより、このような劣化が発生しているかどうかを判断することが可能である。悪質センサを良質センサと置き換えること、または劣化に基づく再計算が、読取値を補正するために行われる。モニタ、センサハウジング、またはセンサと通信する他の機器において、使用者にセンサ交換の指示が出される。
電圧の切換/変動は、センサが初期化された後で特定のセンサの検知が完了するまで継続することが好ましい。これは例えば3日センサについては3日である。センサモニタおよび/または他のセンサ電子機器が、シャワー、スイミングなどの運動、または他の理由のためセンサから切断される場合には、電圧切換が中断され、必要な初期化の後の再接続の際に再起動する。
図は二種類の電圧の使用を示しているが、3,4,5種類、またはそれ以上の、より多くの電圧を使用することも可能である。これらの電圧はステップ電圧である。例えば、電圧サイクルの各連続電圧が前の電圧よりも高いか低くなるようにステップが構成されるとよい。次に電圧のステップが第1電圧で再び開始し、検知の間、サイクルが継続する。電圧は互いの距離が等しいとよい。例えば、電圧1は600mVであって、電圧2は535mVである。距離が等しい第3電圧が設けられる場合には、470mVであろう。第4電圧は405mvであるというふうになる。代替的に、電圧が互いからの距離において変動してもよい。この例は、電圧1=600mv、電圧2=535mv、電圧3=500mvであろう。電圧1=600mv、電圧2=535mv、電圧3=550mvの例のように、この方式で第3電圧の方が高くなることもあり得る。
実施形態では、一つ以上の電圧として負電圧が印加される。一例は、電圧1が535mvで電圧2が−535mvである。変動電圧の別の例は以下の通りである。電圧1=535mv、電圧2=177mv。一つの例示的実施形態では、−535,0,177,280,535,635,または1.070ミリボルトなどの第1電位と、−535,0,177,280,535,635,または1.070ミリボルトなどの第2電位との間でセンサが切り換えられる。他の電圧は所望の通りに使用されればよい。
電圧は、所定時間に印加されることが好ましい。電圧の印加は、例えば1,3,5,7,10,15,30,45,60,90,120秒でよい。異なる時間が使用されてもよい。各電圧が印加される時間は、他の電圧と同じであっても異なっていてもよい。実施形態において、各サイクルでは各電圧が前の電圧と同じ所定時間に印加されるが、より複雑な方法では、異なるサイクルまたは異なるサイクルによるグループにおいて電圧が異なる時間に印加され得る。
本発明の実施形態では、(短いバーストまたはパルスで発生、送信、または調整される)パルス式の電圧が、長時間の電圧サイクルの代わりに使用され得る。このようなパルシングは例えば、バックグラウンド電流読取値を低下/補正するのに使用可能である。パルシングによって、センサは、低いグルコース濃度をより効率的に検出することができ、グルコース切換に対する線形応答が見られるとともに、バックグラウンド電流の低下と干渉物質の作用の軽減の両方にパルシングが使用され得る。センサシステムは、電圧出力および/または作用電位および/またはパルシングおよび/または切換などの要因、および/またはこのような要因の時間を制御するソフトウェアアルゴリズムを含むプロセッサを含み得る。センサシステムはまた、電圧パルシングを促進するように設計された様々なハードウェア特徴、例えば放電回路要素も含み得る。例えば、保持している電荷を層(コンデンサと類似のセンサ層)が放出するように、高周波数切換は放電回路要素を必要とすることがある。一つの例示的実施形態は、固有電位の二つの専用電極(280mvと535mvなど)を有するセンサであり、センサが両方の電極の間で切換を行う際にこれらの電極の読取値を得るように設計されている。これに関連して、広範囲の電位でセンサ読取値を得ることが当該技術では周知である(米国特許第5,320,725号、第6,251,260号、第7,081,195号と、米国特許出願第2005/0161346号などを参照)。
本発明の実施形態では、第1時間に第1電圧を印加することにより、任意で所定時間だけ待機して(つまり電圧を印加しない)から第1電圧の印加と所定時間の待機との間を、反復回数または特定の時間枠で循環することにより、センサが機能するとよい。一対の電圧が印加されると、陽極サイクルと陰極サイクルとが発生する。第1電圧は正の値または負の値を有するとよい。第2電圧は正の値または負の値を有するとよい。或る動作条件において、1回の反復の間の第1電圧の電圧規模は、第2の、または異なる反復の間の第1電圧の電圧規模と異なる大きさを有するとよい。本発明の実施形態では、傾斜波形、ステップ波形、正弦波形、方形波波形などの電圧波形が第1電圧として印加されるとよい。上述した波形のいずれかが第2電圧として印加されてもよい。或る動作条件下では、第1反復で第1電圧として印加される電圧波形は、第2反復で第1電圧として印加される電圧波形と異なっているとよい。第2電圧の印加についても同じことが当てはまるだろう。或る動作条件下では、電圧波形は第1電圧としてセンサに印加されるとよく、電圧パルスは第2電圧としてセンサに印加されるとよい。
複数の短期電圧パルスが第1時間枠に印加されてセンサで陽極サイクルを開始させ、複数の短期電圧パルスが第2時間枠に印加されてセンサで陰極サイクルを開始させるとよい。複数の第1短期パルスの規模は複数の第2単位パルスの規模と異なっているとよい。本発明の実施形態では、複数の第1短期パルスのうちのいくつかのパルスの規模が複数の第1短期パルスのうちの他のパルスの規模と異なる値を有するとよい。第1電圧、第2電圧、またはその両方を印加するのに短期電圧パルスが利用されるとよい。本発明の実施形態では、第1電圧のための短期電圧パルスの規模は−1.07ボルトであり、第2電圧のための短期電圧パルスの規模は大きいもののおよそ半分、例えば−0.535ボルトである。代替的に、第1電圧のための短期パルスの規模が0.535ボルトであって、第2電圧のための短期パルスの規模が1.07ボルトである。
短期パルスを利用する本発明の実施形態では、第1時間全体で連続的に電圧が印加されるのではない。代わりに、第1時間には、電圧印加機器が第1時間にいくつかの短期パルスを送信するとよい。言い換えると、いくつかの幅小つまり短期の電圧パルスが第1時間にセンサの電極へ印加されるとよい。各幅小または短期パルスは数ミリ秒の幅であるとよい。例を挙げると、このパルス幅は30ミリ秒、50ミリ秒、70ミリ秒、または200ミリ秒であるとよい。これらの値は例示的であって限定的な意味を持たない。
本発明の別の実施形態では、各短期パルスが第1時間に同じ持続時間を有する。例えば、各短期電圧パルスは50ミリ秒の時間幅を有して、パルスの間の各パルス遅延は950ミリ秒でよい。この例では、第1時間枠の測定時間が2分である場合には、120の短期電圧パルスがセンサへ印加されるとよい。本発明の実施形態では、短期電圧パルスの各々は異なる持続時間を有してもよい。本発明の実施形態では、短期電圧パルスの各々が同じ規模値を有してもよい。本発明の実施形態では、短期電圧パルスの各々は異なる規模値を有する。センサへの連続的な電圧印加ではなく短期電圧パルスを利用することにより、同じ陽極および陰極サイクリングが発生し、センサ(電極など)が時間とともに受ける総エネルギーまたは電荷が少なくなる。短期電圧パルスの使用では、センサ(ゆえに電極)へ印加されるエネルギーが少ないため、電極への連続的電圧の印加と比較して利用するパワーが少ない。
本発明の実施形態は、干渉種および/または特定の分析物濃度の検出ばかりでなく、本発明の様々なセンサ実施形態の水和および/または初期化を促進するために電圧切換を使用する。特に、センサが異なると初期化時間(「導入」)が異なり、数時間を要することがある。本発明の実施形態は、高周波数初期化(電圧電位の切換)を必要とするセンサ初期化方式を含む。例示的な一実施形態では、三回初期化プロファイル(triple initialization profile)が使用され、5,10,20,30,45秒または1,5,10,15分の期間にわたって、0,280,535,635,または1.070ミリボルトなどの第1電位と、0,280,535,635,または1.070ミリボルトなどの第2電位との間でセンサの電圧が切換られる。本発明の或る電圧切換実施形態は、分析物信号の検出に電圧パルシングを使用する。本発明のこのような実施形態に使用されるパルスの数は、一般的には少なくとも2であり、3,4,5,6,7,8,9,10,15,20、またはそれ以上でよい。パルスは、所定時間、例えば1,3,5,7,10,15,30,45,60,90,120秒でよい。その例示的な例は、各々が数秒の長さの6回のパルスを包含する。本発明のこのような実施形態を使用することにより、センサ導入が大いに加速され、この要因はユーザによるセンサの導入および起動を最適化する。これらの方法のうち或るものは、当該技術で周知の類似の方法との使用に適応可能である(例えば、参照により取り入れられる米国特許第5,320,725号、第6,251,260号、米国特許出願第2005/0161346号を参照すること)。初期化および水和のための電圧切換についてのさらなる説明は、米国特許出願第12/184,046号(2008年7月31日出願)、第11/322,977号(2005年12月30日出願)、第11/323,242号(2005年12月30日出願)に見られ、これらは参照により取り入れられる。
本発明の実施形態は、標準的なポテンショスタットハードウェアとともに実行され得る。図7に示されているように、このようなポテンショスタット300は、二つの入力VsetおよびVmeasuredを有するように電気回路に接続される演算増幅器310を含む。図示するように、Vmeasuredは基準電極と作用電極との間の電圧の測定値である。他方、Vsetは作用電極および基準電極における最適な所望電圧である。作用電極と基準電極との間の電圧は、対向電極に電流を提供することによって制御され得る。
本発明のいくつかの実施形態は、装置内の電流フローを遮断するように(つまりセンサを停止するように)所定の時間または事象の後で起動され得るヒューズ要素を含む。例えば、本発明の一実施形態は、検知された哺乳類の生理学的特徴値に基づくセンサからの信号を受信できるセンサ入力に効果的に結合されるセンサと、センサ入力に結合されるプロセッサであって、センサの生体内寿命に基づく所定時間の後でヒューズ要素を起動させてセンサを停止させることが可能なプロセッサとを含む。ヒューズ要素を使用するセンサのさらなる開示は、参照により取り入れられる米国特許出願第12/184,046号(2008年7月31日出願)に見られる。
本発明のいくつかの実施形態において、プロセッサは、第1作用電位に応答して作用電極から受信した第1信号を第2作用電位に応答して作用電極から受信した第2信号と比較することができ、第1および第2作用電位での第1および第2信号の比較は、干渉化合物により発生される信号を特定するのに使用され得る。本発明のこのような一実施形態では、一つの作用電極がグルコースオキシダーゼでコーティングされて別のものがコーティングされず、干渉化合物は、アセトアミノフェン、アスコルビン酸、ビリルビン、コレステロール、クレアチニン、ドーパミン、エフェドリン、イブプロフェン、L‐ドーパ、メチルドーパ、サリチラート、テトラサイクリン、トラザミド、トルブタミド、トリグリセリド、または尿酸である。任意であるが、パルスおよび/または可変(切換など)電圧が使用されて、作用電極からの信号が得られる。一般的に、少なくとも一つの電圧は280,535,635ミリボルトである。本発明の関連実施形態は、本発明の様々なセンサ実施形態において(分析物検知化合物でコーティングされた電極からの信号を分析物検知化合物でコーティングされていない比較電極と比較することなどにより)干渉化合物により発生される一つ以上の信号を識別および/または特徴確認するための方法を含む。これらの方法はさらに、参照により取り入れられる米国出願第12/184,046号(2008年7月31日出願)に記されている。
本発明の関連実施形態において、プロセッサは、第1作用電位に応答してグルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極から受信された第1信号を第2作用電位に応答してグルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極から受信された第2信号と比較し、第1および第2作用電位での第1および第2信号の比較は、少なくとも一つの離散濃度範囲での血中グルコース濃度を特徴確認するのに使用される。本発明の或る実施形態では、およそ280,535,635ミリボルトの少なくとも二つの作用電位が使用される。本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも0.1,0.2,0.3ボルトだけ異なる作用電位が使用される。本発明のいくつかの実施形態では、第1および第2作用電位での第1および第2信号の比較は、50または70mg/dL(つまり一般的に低血糖と関連する値)を下回る、または125、150mg/dL(つまり一般的に過血糖と関連する値)を上回る濃度範囲の血中グルコース濃度を特徴把握するのに使用され得る。本発明の或る実施形態では、より低いグルコース濃度をより効率的に検出できるため、280mv電位が使用される。本発明の関連実施形態は、本発明の様々なセンサ実施形態を使用して特定の分析物濃度または分析物濃度範囲を識別および/または特徴確認するための方法を含む(異なる作用電位で一つ以上の電極からの分析物信号を比較することなどにより。異なる作用電位は特定の分析物濃度および/または分析物濃度範囲を特徴確認する能力のために選択される)。
本発明の別の例示的実施形態において、プロセッサは、例えば、哺乳類で検知された生理学的特徴値に基づかないバックグラウンド信号についての情報を得るように、グルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極から受信した第1信号をグルコースオキシダーゼでコーティングされていない作用電極から受信した第2信号と比較することにより、センサから受信された複数の信号を特徴把握することができる。別の例示的実施形態において、プロセッサは、干渉化合物により発生される信号についての情報を得るように、グルコースオキシダーゼでコーティングされた作用電極から受信された第1信号をグルコースオキシダーゼでコーティングされていない作用電極から受信された第2信号と比較することにより、センサから受信された複数の信号を特徴把握することができる。本発明の別の実施形態では、二つの作用電極がグルコースオキシダーゼでコーティングされ、プロセッサは、グルコースオキシダーゼでコーティングされた二つの作用電極から受信された信号を比較することにより哺乳類のグルコース濃度についての情報を得ることができる。
或るセンサ実施形態は、高電位と低電位(3,2,1秒未満の周波数など)との間で切換を行う。このような実施形態では、センサは放電を行わず、例えばセンサ要素が一種のコンデンサとして作用する。これに関連して、本発明のいくつかの実施形態は、センサ回路放電を促進する回路放電要素を含む(535ミリボルトなどの特定電位に達するのに放電が充分でない場合など)。当該技術で周知のこのような様々な回路放電要素は、本発明のセンサ実施形態での使用に適応可能である(例えば、米国特許第4,114,627号、第4,373,531号、第4,858,610号、第4,991,583号、第5,170,806号、第5,486,201号、第6,661,275号、米国特許出願第20060195148号などを参照)。任意であるが、例えば、放電スイッチ要素、任意で放電抵抗要素を通して接続することにより、センサ電荷が除去され得る。
本発明の或る実施形態は、インピーダンス値を計算し、このインピーダンス値を閾値と比較して分析物検出のために充分なほどセンサが水和されたかどうかを判断することのできる少なくとも一つのコンピュータプログラムを含む埋め込みのコンピュータ利用可能媒体を包含する、分析物検出のためにセンサが充分に水和されたかどうかを検出するプロセッサを含む。本発明の関連実施形態は、センサの少なくとも二つの電極の間の開回路電位値を計算して、開回路電位値を閾値と比較し、センサが分析物検出に充分なほど水和されたかどうかを判断する、分析物検出のために充分なほどセンサが水和されたかどうかを検出する方法である。一般的に、開回路電位値はインピーダンス値である(そして任意であるが、この値は分極抵抗と溶液抵抗との和の近似値である)。任意であるが、開回路電位値は別の閾値と比較されて、分析物検出に充分なほどセンサが水和されたどうかを判断する。これは、完全に水和されていないセンサを利用者が初期化しようとした時に発生する問題(精度および/またはセンサ寿命の低下など)を解決する。
本発明の或る実施形態は、例えば当該の反応の定比性を最適化する(酸素不足問題を克服するなど)ように機能する材料を取り入れることにより、グルコースオキシダーゼの使用を促進する材料を含む。任意であるが、例えば、分析物検知層は、酸素還元剤のためのリガンドへの露出時に過酸化水素を発生させる酸化還元剤を包含し、ポリペプチドにより発生される過酸化水素の量は、ポリペプチドに露出されるリガンドの量に比例する。一般的に、酸化還元剤ポリペプチドは、グルコースオキシダーゼ、グルコース脱水素酵素、ラクタートオキシダーゼ、ヘキソキナーゼ、および乳糖デヒドロゲナーゼとで構成されるグループから選択される酵素を包含する。
上記のように、例えば、ある状況(複数の重複機能層を有するセンサ装置の層に、アルブミンなどの担体タンパク質およびグルコースオキシダーゼなどの酵素を架橋するのに使用される時など)では、驚くことにポリペプチド層を有益にするひとまとまりの構造的および化学的特性を有する架橋ポリペプチド層を生成するのにある種の架橋試薬が使用され得ることが発見されている。当該技術では周知のように、架橋は、二つ以上の分子を共有結合によって化学的に結合するプロセスである。架橋化合物は一般的に、架橋化合物の間のテザーとして機能するリンカ「アーム」とともに、タンパク質または他の分子において特定の官能基と反応する少なくとも二つの化学的部分(一般的に化合物のアームの末端部)を包含する(一級アミン、スルフィドリル、その他など参照)。例示的な架橋化合物は、例えば、参照により取り入れられる米国特許出願第12/184,046号に示されている。
上記のように、本発明の実施形態は、ここに開示されるセンサ実施形態を製作するための方法を含む。ここに開示されるセンサ実施形態を製作するための或る方法は、形態、機能、その他に影響するように構成部分の濃度を正確に制御するステップを含む。例えばGOxを使用するセンサでは、約20〜40KU(および5%ヒト血清アルブミン)の濃度範囲が使用されて、GOx層の形態を最適化する。ここに開示されるセンサ実施形態を製作する方法は、反応面に近接した配置を容易にするブラシ研磨方法を介して電極の表面へ酸化還元酵素(GOx組成物など)を塗着するステップを含む。これに関連して、電極表面へのGOxの(細い絵筆と同等のものなどによる)ブラシ研磨、および/またはペン型の道具を使用した電極表面へのGOxの書き込みは、(液滴の表面張力などにより)不均一な付着を発生させる手順である溶液の液滴の付着に優先して採用される。また、このようなブラシ研磨ステップは、電極の白金黒の入り組んだ反応面へ組成物溶液を深く押入することができる。加えて、ブラシ研磨は、より正確な組成物の局所的付着を可能にするため、スピンコーティングなどのプロセスよりも容易である。これに関連して、ブラシ研磨は、例えば、他の手段(ピペット操作および/またはスピンコーティングプロセスなど)によるコーティングを受けられない小さな反応面の容易なコーティングを可能にする。本発明を製作するための或る実施形態は、例えば空気を押出して基材への層の塗着を促進するため真空状態で実施され得る。
上記のように、ここに開示されるセンサ実施形態は、一つ以上の生態学的環境で当該の分析物を検知するのに使用可能である。例えば或る実施形態では、皮下センサでは一般的に見られるようにセンサが間質液と直接接触するとよい。本発明のセンサは、間質グルコースが皮膚を通して抽出されてセンサと接触される皮膚表面システムの一部でもよい(参照により取り入れられる米国特許第6,155,992号および第6,706,159号などを参照)。他の実施形態では、例えば静脈内センサでは一般的に見られるように、センサが血液と接触することが可能である。本発明のセンサ実施形態は、様々な状況での使用に適応したものを含む。例えば或る実施形態では、緊急状態の利用者(日常的な活動を行っている糖尿病患者など)により使用されるものなどの可動状況での使用のためにセンサが設計され得る。代替的に、診療所設定での使用に適応したものなどの固定状況での使用のためにセンサが設計され得る。このようなセンサ実施形態は、例えば、入院患者(WO2008042625に記載されたような状況で病床に拘束されている患者など)において一つ以上の生理学的環境で存在する一つ以上の分析物を監視するのに使用されるものを含む。
本発明のセンサは、当該技術で周知の多様な医療システムにも取り入れられ得る。本発明のセンサは、例えば、利用者の身体へ薬物が注入される速度を制御するように設計された閉ループ注入システムで使用可能である。このような閉ループ注入システムは、センサと、投与システムを起動させる制御装置への入力を発生させる関連の計器(薬物注入ポンプにより投与される用量を計算するものなど)とを含む。このような状況では、センサと関連する計器はまた、投与システムを遠隔制御する命令を送信するのに使用されてもよい。一般的に、センサは間質液と接触して利用者の体内のグルコース濃度を監視する皮下センサであり、利用者の体内へ投与システムにより注入される液体はインシュリンを含む。例示的なシステムは、例えば、米国特許第6,558,351号および第6,551,276号、PCT出願第US99/21703号および第US99/22993号とともに、WO2004/008956およびWO2004/009161に開示され、そのすべてが参照により取り入れられる。
本発明の或る実施形態は過酸化物を測定し、皮下埋め込みおよび静脈内埋め込みの領域とともに様々な非血管領域への埋め込みを含めて、哺乳類の様々な部位への埋め込みに適しているという有利な特徴を有する。非血管領域への埋め込みを可能にする過酸化物センサ設計は、非血管領域へ埋め込まれる酸素センサで生じる酸素ノイズについての問題により、酸素を測定する或るセンサ装置設計を上回る利点を有する。例えば、このように埋め込まれた酸素センサ装置設計では、基準センサでの酸素ノイズは信号ノイズ比を損ない、これは結果的に、この環境での安定的なグルコース読取値を得るという能力を妨げる。そのため本発明のセンサは、非血管領域においてこのような酸素センサで見られる難点を克服する。
本発明の或るセンサ実施形態は、30日を超える時間にわたる哺乳類への埋め込みに適した有利な長期的または「永久的」センサを含む。特に、当該技術で周知のように(ISO 10993 Biological Evaluation of Medical Devices(医療機器の生物学的評価)など参照)、ここに説明されるセンサなどの医療機器は、埋め込み期間に基づいて三つのグループに分類され得る。(1)「限定的」(<24時間)、(2)「長期的」(24時間から30日)、および(3)「永久的」(>30日)。本発明の或る実施形態では、本発明の過酸化物センサの設計はこの分類による「永久的」埋め込み、つまり>30日を可能にする。本発明の関連実施形態では、これに関して、安定性の高い設計による発明の過酸化物センサは、埋め込みセンサが2,3,4,5,6,12か月、またはそれ以上にわたって機能できるようにする。
一般的に、分析物センサ装置は、センサの導電層に配置されて一般的には作用電極の一部分または全部をコーティングする分析物検知層を含む。この分析物検知層は、検知される分析物の存在下で導電層の作用電極における電流を検出により変更する。ここに開示されるように、この分析物検知層は一般的に、作用電極の電流を調整できる分子(例えば図1の反応方式に示されているように酸素および/または過酸化水素)の濃度を変化させるような手法で当該の分析物と反応する酵素または抗体分子、その他を含む。例示的な分析物検知層は、グルコースオキシダーゼ(グルコースセンサでの使用のためなど)またはラクタートオキシダーゼ(ラクタートセンサでの使用のためなど)などの酵素を包含する。本発明の或る実施形態では、多孔性金属および/またはセラミックおよび/またはポリマーマトリクスに分析物検知層が配置され、この要素組み合わせはセンサの電極として機能する。ロバスト設計(長期的センサなど)を必要とする本発明の或る実施形態では、比較的強い材料特性のため(ポリイミドではなく)セラミックのベースが誘電体として使用される。
一般的に、分析物検知層は、分析物検知化合物(酵素など)と実質的に一定の比である担体タンパク質を包含し、分析物検知化合物および担体タンパク質は分析物検知層全体で実質的に均一に分散される。一般的に分析物検知層は非常に薄く、例えば1,0.5,0.25,または0.1ミクロン未満の厚さである。特定の化学的理論による制約を受けずに、コーティング層の中の反応酵素の一部のみが検知対象の分析物へ進入できる3〜5ミクロンの厚さの酵素層が電着により発生されるため、一般的に電着により発生される厚い層と比較すると、このような薄い分析物検知層を有するセンサは驚くほど向上した特徴を有する。電着プロトコルにより生成されるこのような厚いグルコースオキシダーゼペレットは、低い機械的安定性(例えば亀裂傾向)が観察されており、実際の使用の準備には長い時間を要し、一般的には埋め込み準備の前に数週間の試験を必要とする。ここに説明される薄層の酵素コーティングではこれらの問題は観察されないので、これらの薄いコーティングは本発明の典型的実施形態である。
任意であるが、一般的には分析物検知層と分析物調整層との間にあるタンパク質層が、この分析物検知層に配置される。タンパク質層の中のタンパク質は、ウシ血清アルブミンとヒト血清アルブミンとで構成される群から選択されるアルブミンである。一般的に、このタンパク質は架橋される。特定の化学的理論に制約されることなく、この独立したタンパク質層はセンサ機能を向上させるとともに、センサノイズ(疑似バックグラウンド信号など)を減少させる一種のコンデンサとして作用することにより驚くべき機能的な利点を提供すると考えられている。例えば、本発明のセンサでは、いくらかの水分量は分析物調整膜の下に、分析物検知層の酵素と接触する分析物の量を調整するセンサの層を形成する。この水分は、センサを使用している患者が動く際にセンサの中でずれる圧縮層を作り出す。このようなセンサ内での層のずれは、実際の生理学的分析物濃度に依存しない手法で分析物検知層の中をグルコースなどの分析物が動くことによりノイズを発生させる方法を変化させる。これに関連して、タンパク質層は、GOxなどの酵素が水分層と接触しないように保護することによりコンデンサとして作用する。このタンパク質層は、分析物検知層と分析物調整膜層との間の接着を促進するなどいくつかの付加的な利点を与える。代替的に、この層の存在が過酸化水素などの分子の大きな拡散経路を結果的に作り出すことにより、これを電極検知要素に局所化するとともにセンサ感度の向上に寄与する。
一般的に、分析物検知層および/または分析物検知層に配置されるタンパク質層は、これらに配置される接着促進層を有する。このような接着促進層は、分析物検知層と近接の層、一般的には分析物調整層との間の接着を促進する。この接着促進層は一般的に、様々なセンサ層の間の最適な接着を促進する能力のために選択されてセンサを安定させるように機能するγ‐アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物を包含する。興味深いことに、このようなシラン含有接着促進層を有するセンサは、全体的安定性の向上を含む予想外の特性を呈する。加えて、シラン含有接着促進層は、センサ安定性の向上という能力に加えていくつかの有利な特徴を提供し、例えば干渉拒絶とともに一つ以上の所望の分析物の質量移動の制御において有益な役割を果たす。
本発明の或る実施形態において、接着促進層は、分析物調整層におけるグルコースなどの分析物の拡散を制限するのに役立つポリジメチルシロキサン(PDMS)化合物など、隣接層にも存在し得る一つ以上の化合物を包含する。例えばAP層へのPDMSの添加は、センサが製造される際にAP層での孔または間隙の発生を少なくする状況では有利である。
一般的に、接着促進層には、この層における分析物の拡散を調整するように機能する分析物調整層が配置されている。一実施形態において、分析物調整層は、センサ層における分析物(酸素など)の拡散を向上させるのに役立ち、結果的に分析物検知層の分析物濃度を高めるように機能する組成物(ポリマーその他)を含む。代替的に、分析物調整層は、センサ層における分析物(グルコースなど)の拡散を制限するのに役立ち、結果的に分析物検知層の分析物濃度を制限するように機能する組成物を含む。その例示的な例は、ポリジメチルシロキサンその他などのポリマーを包含する親水性グルコース制限膜(つまりグルコースの拡散を制限するように機能する)である。本発明の或る実施形態において、分析物調整層は、中央鎖とこの中央鎖に結合される複数の側鎖とを有する親水性コームコポリマーを包含し、少なくとも一つの側鎖はシリコン部分を包含する。
一般的に、分析物調整層は、センサ装置の少なくとも一部分に配置される(例えば分析物調整層を被覆する)一般的に電気絶縁性の保護層である一つ以上のカバー層を包含する。絶縁性保護カバー層としての使用について許容可能なポリマーコーティングは、シリコン化合物などの非毒性の生体適合ポリマー、ポリイミド、生体適合性はんだマスク、エポキシアクリレートコポリマー、その他を含むが、これらに限定されるわけではない。例示的なカバー層は、スパンオンシリコンを包含する。一般的に、カバー層は、センサ層(分析物調整層など)の少なくとも一部分を、検知対象分析物を包含する溶液に露出させる孔を含む。
ここに説明される分析物センサは、例えば、図1に示されているようにグルコースがグルコースオキシダーゼと相互作用を行う際に発生する作用陰極の付近での酸素濃度の変化から生じる作用陰極での電流変化を検出するため陰極の極性を有し得る。代替的に、ここに説明される分析物センサは、図1に示されているようにグルコースがグルコースオキシダーゼと相互作用を行う際に発生する作用陽極の付近での過酸化水素水濃度の変化から生じる作用陽極での電流変化を検出するため陽極の極性を有し得る。本発明の典型的実施形態では、作用電極での電流が基準電極での電流(対照物)と比較され、これらの測定値の間の差は、測定対象分析物の濃度と相関される値となる。これらの二重電極での電流の比較から測定値を求めることにより電流値を求める分析物センサ設計は、一般に、例えば二重酸素センサと称される。
本発明のいくつかの実施形態において、分析物センサ装置の導電層の陽極作用電極で電流の変化が検出されるように、分析物センサ装置は陽極極性を介して機能する設計を持つ。陽極極性と関連する構造設計特徴は、陽極である作用電極と陰極である対向電極および基準電極とを包含する適切なセンサ構成を設計してから、この設計構成の陽極の表面の適切な部分に適切な分析物検知層を選択的に配置することを含む。任意であるが、この陽極極性構造設計は、異なる大きさの表面積を有する陽極、陰極、および/または作用電極を含む。例えば、この構造設計は、作用電極(陽極)および/または作用電極のコーティング表面が対向電極(陰極)および/または対向電極のコーティング表面より大きいか小さい(基準電極については1Xエリア、作用電極については2.6Xエリア、対向電極については3.6Xエリアを有するように設計されたセンサなど)という特徴を含む。これに関連して、陽極作用電極で検出され得る電流の変化は次に分析物の濃度と相関される。本発明のこの実施形態の或る例示的な例において、作用電極は、酸素反応では過酸化水素(図1など参照)を、グルコースまたはラクタートとの反応時にはそれぞれグルコースオキシダーゼまたはラクタートオキシダーゼなどの酵素により発生される過酸化水素を測定および利用している。このような過酸化水素再循環能力を有する電気化学的なグルコースおよび/またはラクタートセンサに関する本発明のこのような実施形態は、置かれた環境へセンサから放出し得る過酸化水素の量をこの分子の再循環が減少させるため、特に興味深い。これに関連して、過酸化水素など組織刺激物の放出を軽減するように設計された埋め込み型センサでは、生体適合性プロファイルの向上が見られるだろう。また、過酸化水素はグルコースオキシダーゼなどの酵素と反応してその生理学的機能を損なうことが観察されているので、この現象の回避のためにはこのようなセンサが望ましい。任意であるが、分析物調整層(グルコース制限層など)は、センサが置かれた環境への過酸化水素の拡散を阻止するのに役立つ組成物を含み得る。結果的に、ここに開示される過酸化水素再循環要素を取り入れることにより、本発明のこのような実施形態は、過酸化水素を発生させる酵素を取り入れたセンサの生体適合性を向上させる。
E.分析物センサ装置および要素の置換
上に挙げられた開示により、熟練者はここに開示される分析物センサ装置の様々な実施形態を用意することができる。上記のように、ここに開示されるセンサについての例示的な普遍的実施形態は、ベース層と、カバー層と、ベース層とカバー層との間に配置される、電極などのセンサ要素を有する少なくとも一つの層とを含む。一般的に、一つ以上のセンサ要素(作用電極、対向電極、基準電極など)の露出部分は、適切な電極化学的性質を有する材料の非常に薄い層でコーティングされる。例えば、ラクタートオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼなどの酵素は、カバー層に画定される開口部または孔の中のセンサ要素の露出部分に配置される。図2は、本発明の典型的センサ構造体100の断面を示す。センサは、本発明の方法によって互いの上に配置される様々な導電性および非導電性の構成部分の複数の層から形成されてセンサ構造体100となる。
上記のように、本発明のセンサでは、センサの様々な層(分析物検知層など)に一つ以上の生物活性および/または不活性材料が取り入られている。ここに使用される際の「取り入られる」の語は、取り入れられた材料が層の固体層または支持マトリクスの外側表面または内部に保持される何らかの状態または条件を指すことを意味している。ゆえに、「取り入れられた」材料は、例えば、マトリクス層の官能基に、固定される、物理的に封入される、または共有結合的に装着されるとよい。さらに、材料の「取り入れ」を促進する何らかのプロセス、試薬、添加剤、または分子結合剤は、これらの付加的なステップまたは作用剤が本発明の目的にとって有害ではなくこれに合ったものである場合には、採用されてもよい。この定義は、言うまでもなく、生物活性分子(グルコースオキシダーゼのような酵素など)が「取り入れられる」本発明の実施形態のいずれにも当てはまる。例えば、ここに開示されるセンサの或る層は、架橋マトリクスとして作用するアルブミンなどのタンパク性物質を含む。ここに使用される際に、タンパク性物質は、実際の物質が天然タンパク質、不活性化タンパク質、変性タンパク質、加水分解種、またはその誘導体化生成物であれ、概ねタンパク質に由来する物質を包含することを意味する。適当なタンパク性物質の例は、グルコースオキシダーゼおよびラクタートオキシダーゼその他などの酵素、アルブミン(ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンなど)、カゼイン、ガンマグロブリン、コラーゲン、およびコラーゲン由来生成物(魚ゼラチン、魚類膠、動物ゼラチン、動物膠など)を含むが、これらに限定されるわけではない。
本発明の代替的実施形態が図2に示されている。この実施形態は、センサ100を支持する電気絶縁性ベース層102を含む。電気絶縁層ベース102は、自己支持型であるか当該技術で周知のように別の材料によって支持されるセラミック基材などの材料で製作され得る。代替的実施形態において、電気絶縁層102はリールから供給されるポリイミド基材、例えばポリイミドテープを包含する。この形の層102を用意すると、清潔で高密度の大量生産が容易になる。さらにこのようなポリイミドテープを使用するいくつかの生産プロセスでは、テープの両側でのセンサ100の生産が可能である。
本発明の典型的な実施形態は、ベース層102に配置される分析物検知層を含む。図2に示された例示的実施形態では、分析物検知層は絶縁ベース層102に配置される導電層104を包含する。一般的に、導電層104は一つ以上の電極を包含する。導電層104は後述するような多くの周知の技術および材料を用いて塗着され得るが、センサ100の電気回路は一般的に、配置される導電層104を所望の導電経路パターンにエッチングすることにより画定される。センサ100のための典型的な電気回路は、接点パッドを形成する近位端部の領域と、センサ電極を形成する遠位端部の領域とを備える二つ以上の隣接の導電経路を包含する。ポリマーコーティングなどの電気絶縁性保護カバー層106は一般的に導電層104の部分に配置される。絶縁保護層106としての使用に許容可能なポリマーコーティングは、ポリイミドなどの非毒性生体適合ポリマー、生体適合はんだマスク、エポキシアクリレートコポリマー、その他を含み得るが、これらに限定されるわけではない。これらのコーティングは、導電層104における開口部108のフォトリソグラフィーによる形成を容易にする光画像形成可能なものでよい。本発明の或る実施形態では、多孔性金属および/またはセラミックおよび/またはポリマーマトリックスに分析物検知層が配置され、この要素の組み合わせがセンサの電極として機能する。
本発明のセンサでは、保護層106から導電層104へ一つ以上の露出領域または孔108が設けられて、センサ100の接点パッドおよび電極を画定する。フォトリソグラフィー現像に加えて、開口部108は、レーザアブレーション、化学的ミーリング、またはエッチング、その他を含むいくつかの技術により形成され得る。二次フォトレジストがカバー層106に形成されて、除去される保護層領域を画定し、孔108を形成することも可能である。作動センサ100は一般的に、互いに電気的に絶縁されているが一般的には互いに近接した位置にある作用電極および対向電極などの複数の電極を含む。他の実施形態は、基準電極も含むとよい。また他の実施形態は、センサに形成されていない独立の基準要素を利用してもよい。露出電極および/または接点パッドは、表面の準備を行う、および/または導電領域を強化するため、追加メッキ処理など孔108に二次的処理が施されてもよい。
分析物検知センサ110は一般的に、孔108を通した導電層104の露出電極の一つ以上に配置される。一般的に、分析物検知層110はセンサの化学的性質層、より一般的には酵素層である。一般的に、分析物検知層110は、グルコースオキシダーゼ酵素またはラクタートオキシダーゼ酵素を包含する。このような実施形態では、分析物検知層110はグルコースと反応して、存在するグルコースの量を測定するように監視され得る電極への電流を調整する過酸化水素を発生する。分析物検知層110は、導電層の部分にわたって、または導電層の領域全体にわたって形成され得る。一般的に、分析物検知層110は、作用電極と、導電層を形成する対向電極との部分に配置される。薄い分析物検知層110を生成するためのいくつかの方法は、スピンコーティングプロセス、浸漬および乾燥プロセス、低せん断力のスプレープロセス、インクジェット印刷プロセス、シルクスクリーンプロセス、その他を含む。最も一般的には、薄い分析物検知層110はスピンコーティングプロセスを使用して形成される。
分析物検知層110は一般的に一つ以上のコーティング層でコーティングされる。本発明のいくつかの実施形態では、このようなコーティング層の一つは、分析物検知層の酵素と接触できる分析物の量を調整できる膜を含む。例えば、コーティング層は、電極上のグルコースオキシダーゼ酵素層と接触するグルコースの量を調整するグルコース制限膜などの分析物調整膜層を包含し得る。このようなグルコース制限膜は、シリコン、ポリウレタン、ポリ尿素セルロースアセテート、ナフィオン、スルホン酸ポリエステル(Kodak AQ)、ヒドロゲル、または当該技術で周知の他の膜など、このような目的に適していることが知られている多様な材料から製作され得る。本発明の或る実施形態では、分析物調整層は、中央鎖と、中央鎖に結合される複数の側鎖とを有する親水性コームコポリマーを包含し、少なくとも一つの側鎖はシリコン部分を包含する。
本発明のいくつかの実施形態において、コーティング層は、分析物検知層110の上に配置されて分析物検知層110とのグルコースの接触を調整するグルコース制限膜層112である。本発明のいくつかの実施形態では、膜層112と分析物検知層110との接触および/または接着を促進するため、図2に示されているように、これらの間に接着促進層114が配置される。接着促進層114は、このような層の間の接合を促進することが当該技術で知られている多様な材料のいずれか一つから製作され得る。一般的に、接着促進層114はシラン化合物を包含する。代替的実施形態では、分析物検知層110のタンパク質または同様の分子は、接着促進層114が存在せずに分析物検知層110との直接接触状態で膜層112が配置されるようにするため、充分に架橋されるか、他の方法で準備される。
上記のように、本件発明の実施形態は、一つ以上の機能的コーティング層を含み得る。ここに使用される際に、「機能的コーティング層」の語は、センサの少なくとも一つの表面の少なくとも一部分、より一般的にはセンサの表面の実質的にすべてをコーティングするとともに、センサが配置された環境において、化学化合物、そのセルまたは破片などの一つ以上の分析物と相互作用を行うことができる層を指す。機能的コーティング層の非限定的な例は、分析物検知層(酵素層など)、分析物制限層、生体適合層、センサの潤滑性を上昇させる層、センサへの細胞の装着を促進する層、センサへの細胞の装着を低下させる層、その他を含む。一般的に、分析物調整層は、グルコースなど一つ以上の分析物の層での拡散を防止または制限するように作用する。任意であるが、このような層は、層における一種類の分子(グルコースなど)の拡散を防止または制限するのと同時に、層における他の種類の分子(Oなど)の拡散を許容またはさらに促進するように形成される。例示的な機能的コーティング層は、米国特許第5,786,439号および第5,391,250号に開示されているようなヒドロゲルであり、各々の開示が参照により取り入れられる。ここに説明されるヒドロゲルは、周囲に水の層を設けるのに有利である様々な埋め込み可能デバイスには特に有益である。
ここに開示されるセンサ実施形態は、UV吸収ポリマーを有する層を含み得る。本発明の一態様によれば、UV吸収ポリマーを含む少なくとも一つの機能的コーティング層を含むセンサが設けられる。いくつかの実施形態では、UV吸収ポリマーは、ポリウレタン、ポリ尿素、またはポリウレタン/ポリ尿素コポリマーである。より一般的には、選択されるUV吸収ポリマーは、ジイソシアナート、少なくとも一つのジオール、ジアミンまたはその混合物、そして多機能性UV吸収モノマーを含む反応混合物から形成される。
UV吸収ポリマーは、「経皮センサ挿入セット」の名称のLord et al.の米国特許第5,390,671号、「埋め込み型グルコースセンサ」の名称のWilson et al.の第5,165,407号、「二次元拡散グルコース基材検知電極」の名称のGoughによる米国特許第4,890,620号のような、様々なセンサ加工方法での使用が有利であり、これらはその全体が参照により取り入れられる。しかし、センサ要素の上下にUV吸収ポリマー層を形成するステップを含むセンサ組立方法は、本発明の範囲に含まれると考えられる。特に、進歩的方法は薄膜加工方法に限定されず、UVレーザ切断を利用する他のセンサ加工方法において機能できる。実施形態は、厚膜、平面状、または円筒形のセンサその他で機能し、他のセンサ形状はレーザ切断を必要とする。
ここに開示されるように、本発明のセンサは、糖尿病患者の血中グルコースレベルを監視するための皮下または経皮グルコースセンサとしての使用のために特に設計されている。一般的に各センサは、複数のセンサ要素、例えば、下の絶縁薄膜ベース層と上の絶縁薄膜カバー層との間に形成される長尺の薄膜導体などの導電要素を包含する。
所望であれば、複数の異なるセンサ要素が単一のセンサに含まれ得る。例えば、導電性と反応性の両方のセンサ要素が一つのセンサに組み合わされることが可能で、任意で各センサ要素はベース層の異なる部分に配置される。一つ以上の制御要素が設けられ得る。このような実施形態において、センサは複数の開口部または孔をカバー層に画定する。センサが配置される環境においてベース層と一つ以上の分析物との相互作用を設けるため、ベース層の一部分にわたってカバー層に一つ以上の開口部が画定され得る。ベースおよびカバー層は様々な材料、一般的にポリマーから成る。より特定の実施形態では、ベースおよびカバー層はポリイミドなどの絶縁材料から成る。開口部が一般的にカバー層に形成されて、遠位端部の電極と近位端部の接点パッドとを露出させる。グルコース監視の用途では、例えば、遠位端部電極が患者の血液または細胞外液と接触するようにセンサが経皮的に配置され、接点パッドは監視機器への好都合な接続のため外側に配置される。
本発明のセンサは所望の構成、例えば平面状または円筒形を有する。ベース層102は、剛性ポリマー層のような自己支持型であるか、可撓膜のような非自己支持型であるとよい。後者の実施形態は、例えば、連続的に巻き出されてセンサ要素およびコーティング層が連続的に形成されるポリマー膜のロールを使用したセンサの連続製造を許容するという点で望ましい。
本発明の普遍的実施形態は、ベース層と、複数のセンサ要素を含むベース層に配置される分析物検知層と、複数の検知要素のすべてを導電層にコーティングする、分析物検知層に配置される一般的に厚さ2ミクロン未満の酵素層と、一つ以上のコーティング層とを包含する、身体への埋め込みのために設計されたセンサである。一般的に、酵素層は、一般的に担体タンパク質との比が実質的に一定であるグルコースオキシダーゼを包含する。特定の実施形態では、グルコースオキシダーゼと担体タンパク質とは、配置された酵素層全体に実質的に均一な状態で分散される。一般的に、担体タンパク質は一般的には約5重量%の量のアルブミンを包含する。ここに使用される際に、「アルブミン」は、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、その他などのポリペプチド組成物を安定させるため熟練者により一般的に使用されるようなアルブミンタンパク質を指す。本発明のいくつかの実施形態では、コーティング層は、酵素層と接触できる分析物の量を調整するようにセンサに配置される分析物接触層である。実施形態において、センサは、酵素層と分析物接触層との間に配置される接着促進層を含み、酵素層は厚さが1,0.5,0.25,0.1ミクロン未満である。
F.分析センサ装置構成
診療所設定では、グルコースおよび/またはラクタートレベルなどの分析物についての正確で比較的素早い判断が、電気化学センサを利用して血液試料から判断され得る。従来のセンサは、多くの使用可能部品を包含する大型のもの、または多くの状況でより好都合である小型の平面タイプのセンサとなるように組み立てられる。ここに使用される際の「平面状」の語は、例えば周知の厚膜または薄膜技術を使用して、比較的薄い材料の層を包含する実質的に平面の構造を組み立てる周知の手順を指す。例えば、ともに参照により取り入れられるLiu et al.の米国特許第4,571,292号、Papadakis et al.の米国特許第4,536,274号を参照すること。後に記すように、ここに開示される本発明の実施形態は、当該技術の既存のセンサよりも広い範囲の幾何学的構成(平面状など)を有する。加えて、本発明の或る実施形態は、薬剤注入ポンプなど別の装置に結合されるここに開示の一つ以上のセンサを含む。
図2は、本件発明の一般的に薄層の分析物センサ構成の概略図を提供する。図3は、本件発明の一般的な薄膜分析物センサシステムの概略図を提供する。或るセンサ構成は、分析物センサ装置とともに製作される比較的平坦な「リボン」タイプの構成のものである。このような「リボン」タイプ構成は、グルコースオキシダーゼなどの検知酵素のスピンコーティングにより生じるここに開示のセンサの利点と、比較的可撓性のセンサ形状の設計および生産を可能にするきわめて薄い酵素コーティングを生産する製造ステップとを図示している。このような薄い酵素コーティングセンサは、小さなセンサエリアがセンサ感度を維持しながら、埋め込み型の機器に非常に望ましい特徴を有する(小さい機器ほど埋め込みが容易である)という、さらなる利点を提供する。結果的に、スピンコーティングなどのプロセスによって形成され得る、非常に薄い分析物検知層を利用する本発明のセンサ実施形態は、電着などのプロセスを介して形成される酵素層を利用するセンサよりも広い範囲の幾何学的構成(平面状など)を有し得る。
或るセンサ構成は、多数の作用、対向、基準電極などの多数の導電要素を含む。このような構成の利点は、高いセンサ感度を提供する広い表面エリアを含む。例えば、一つのセンサ構成は第3作用センサを導入する。このような構成の自明な利点の一つは、センサ精度を向上させる三つのセンサの信号平均化である。他の利点は、多数の分析物を測定する能力を含む。特に、この配置の電極を含む分析物センサ構成(多数の作用、対向、および基準電極など)が、多数の分析物センサに取り入れられ得る。酸素、過酸化水素、グルコース、ラクタート、カリウム、カルシウム、および他の生理学的に関連性のある物質/分析物などの多数の分析物の測定値は、いくつかの利点、例えば、線形応答を提要するこのようなセンサの能力とともに簡易な校正および/または再校正を提供する。
例示的な多数のセンサ機器は、陰極の極性を有してグルコースオキシダーゼとのグルコースの相互作用の結果として作用電極(陰極)を発生させる酸素濃度の変化を測定するように設計された第1センサと、陽極の極性を有して外部環境からのグルコースがグルコースオキシダーゼとの相互作用する結果として作用電極(陽極)に発生する過酸化水素濃度の変化を測定するように設計された第2センサとを有する単一の機器を包含する。当該技術で周知のようにこのような設計では、第1酸素センサは一般的に、酸素がセンサと接触する際に作用電極で電流の低下を受け、一方、第2過酸化水素センサは一般的に、図1に示されたように発生された過酸化水素がセンサと接触する際に作用電極で電流の上昇を受ける。加えて、当該技術で周知のように、それぞれのセンサシステムの基準電極と比較して作用電極で発生する電流の変化の観察は、外部環境(哺乳類の身体など)でのグルコースの濃度と相関される酸素および過酸化水素分子の濃度変化と相関する。
本発明の分析物センサは、薬物注入ポンプなどの他の医療機器と結合され得る。この方式の例示的な変形において、本発明の交換可能な分析物センサは、例えば医療機器へのポート結合の使用によって薬物注入ポンプなど他の医療機器と結合され得る(係止電気接続を有する皮下ポート(a subcutaneous port with a locking electrical connection)など)。
II.本発明の分析物センサ装置を製作するための例示的な方法および材料
いくつかの文献、米国特許、および特許出願は、ここに開示されるものと共通する方法および材料による先進技術を説明し、さらに、ここに開示されるセンサ設計で使用され得る様々な要素(およびその製造方法)を説明している。これらは例えば、米国特許第6,413,393号、第6,368,274号、第5,786,439号、第5,777,060号、第5,391,250号、第5,390,671号、第5,165,407号、第4,890,620号、第5,390,671号、第5,390,691号、第5,391,250号、第5,482,473号、第5,299,571号、第5,568,806号、米国特許出願20020090738とともに、PCT国際公開番号WO01/58348、WO03/034902、WO03/035117、WO03/035891、WO03/023388、WO03/022128、WO03/022352、WO03/023708、WO03/036255、WO03/036310、WO03/074107であり、その各々の内容が参照により取り入れられる。
糖尿病患者のグルコース濃度を監視するための一般的なセンサはさらに、Shichiri,et al.による「ヒトボランティアの皮下グルコース濃度についてのニードル型グルコースセンサ測定値の生体内特徴」Horm.Metab.Res.,Suppl.Ser.20:17〜20(1988年)と、Bruckel,et al.による「酵素グルコースセンサによる皮下グルコース濃度の生体内測定およびウィック方法」Klin.Wochenschr.67:491〜495(1989年)と、Pickup,et al.による「糖尿病における生体内分子検知:直接電子移動による埋め込み型グルコースセンサ」Diabetologia32:213〜217(1989年)に説明される。他のセンサは例えば、参照により取り入れられるReach,et al.による「埋め込み型機器の利点」A.Turner(編),JAI Press,London、第1章(1993年)に説明される。
A.分析物センサを製作する一般的方法
ここに開示される本発明の典型的実施形態は、ベース層を用意するステップと、ベース層に導電層を形成して、導電層が電極(一般的に作用電極と基準電極と対向電極)を含むステップと、分析物検知層を導電層に形成して、分析物の存在下で導電層の電極の電流を変化させる組成物を分析物検知層が含むステップと、分析物検知層にタンパク質層を任意で形成するステップと、分析物検知層または任意のタンパク質層に接着促進層を形成するステップと、接着促進層に配置される分析物調整層を形成して、分析物の拡散を調整する組成物を分析物調整層が含むステップと、分析物調整層の少なくとも一部分に配置されるカバー層を形成して、分析物調整層の少なくとも一部分の孔をカバー層が含むステップとを包含する、哺乳類への埋め込みのためのセンサ装置を製作する方法である。本発明の或る実施形態において、分析物調整層は、中央鎖と、中央鎖に結合される複数の側鎖とを有する親水性コームコポリマーを包含し、少なくとも一つの側鎖はシリコン部分を包含する。これらの方法のいくつかの実施形態では、分析物センサ装置は平面状の幾何学構成で形成される。
ここに開示されるように、センサの様々な層は、センサの特定設計により操作される様々な異なる特徴を呈するように製造され得る。例えば、接着促進層は、センサ構造全体を安定化する能力のために選択される化合物、一般的にはシラン組成物を含む。本発明のいくつかの実施形態では、分析物検知層はスピンコーティングプロセスによって形成され、1,0.5,0.25,0.1ミクロン未満の高さで構成される群から選択される厚さのものである。
一般的に、センサを製作する方法は、分析物検知層にタンパク質層を形成するステップを含み、タンパク質層のタンパク質は、ウシ血清アルブミンとヒト血清アルブミンとで構成される群から選択されるアルブミンである。一般的に、センサを製作する方法は、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、ラクタートオキシダーゼ、ヘキソキナーゼ、およびラクタートデヒドロゲナーゼで構成される群から選択される酵素組成物を包含する分析物検知層を形成するステップを含む。このような方法において、分析物検知層は一般的に、酵素との比が実質的に一定である担体タンパク質組成物を包含し、酵素および担体タンパク質は分析物検知層の全体にわたって実質的に均一に分散される。
B.分析物センサの製造に有益な一般的プロトコルおよび材料
ここで行われる開示は、様々な周知の技術の組み合わせを使用して作り出されるセンサおよびセンサ設計を含む。本開示はさらに、これらのタイプのセンサに非常に薄い酵素コーティングを形成する方法と、このようなプロセスにより生産されるセンサとを提供する。これに関連して、本発明のいくつかの実施形態は、当該技術で受容されているプロセスにしたがってこのようなセンサを基材の上に製作する方法を含む。或る実施形態において、基材は、フォトリソグラフィーマスクおよびエッチングプロセスでの使用に適した剛性で平坦な構造を包含する。これに関して、基材は一般的に、高い程度の均一な平坦性を有する上面を画定する。滑らかな上面を画定するのに研磨ガラスプレートが使用されるとよい。代替的な基材材料は、例えばステンレス鋼、アルミニウム、およびデルリンなどのプラスチック材料を含む。他の実施形態では、基材は非剛性であって、基材として使用される膜の別の層または絶縁体、例えばポリイミドその他などのプラスチックでよい。
本発明の方法の最初のステップは一般的に、センサのベース層の形成を含む。ベース層は、何らかの望ましい手段、例えば被制御スピンコーティングによって基材に配置され得る。加えて、基板層とベース層との間に充分な接着が見られない場合には、接着が使用されるとよい。一般的に、ベース層材料を液状で基材に塗着してから基材を回転させて薄くて実質的に均一な厚さのベース層を設けることにより、絶縁材料のベース層が基材に形成される。これらのステップは、充分な厚さのベース層を構築するため反復され、その後で連続するフォトリソグラフィーおよび/または化学的マスクおよびエッチングステップが続いて、後述する導体を形成する。例示的な形では、セラミックまたはポリイミド基材などの絶縁材料の薄膜シートをベース層が包含する。ベース層は、アルミナ基材、ポリイミド基材、ガラスシート、細孔制御ガラス、または平坦化プラスチック液晶ポリマーを包含し得る。ベース層は、炭素、窒素、酸素、ケイ素、サファイア、ダイアモンド、アルミニウム、銅、ガリウム、ヒ素、ランタン、ネオジウム、ストロンチウム、チタン、イットリウム、または以上の組み合わせを限定的ではなく含む様々な要素のうち一つ以上を含有する材料に由来するとよい。付加的に、物理的蒸着、またはスピングラス、カルコゲナイド、黒鉛、二酸化ケイ素、有機合成ポリマー、その他などの材料によるスピンコーティングを含む、当該技術で周知の様々な方法により、基材が固体支持体にコーティングされるとよい。
本発明の方法は、一つ以上の検知要素を有する導電層の生成を含む。一般的に、これらの検知要素は、作用電極の形状を画定するためフォトレジスト、エッチング、および水洗など、当該技術で周知の様々な方法の一つにより形成される電極である。電極は次に、作用および対向電極については白金黒、基準電極では銀に続く塩化銀の電着により、電気化学的に活性となる。それから分析物検知酵素層などのセンサ層は、電着、またはスピンコーティングのような電気化学的蒸着以外の方法により、その後でジアルデヒド(グルタルアルデヒド)またはカルボジイミドによる蒸気架橋によって、検知層に配置される。
本発明の電極は、当該技術で周知の多様な材料から形成され得る。例えば、電極は後期遷移貴金属で製作されるとよい。金、白金、銀、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、またはオスミウムなどの金属は、本発明の様々な実施形態に適している。炭素または水銀などの他の組成物は、或るセンサ実施形態でも有用である。これらの金属のうち、銀、金、または白金が一般的に基準電極金属として使用される。後で塩化物となる銀電極は一般的に、基準電極として使用される。これらの金属は、上に引用されたプラズマ蒸着方法を含む当該技術で周知の手段により、または金属塩と還元剤とを含有する溶液に基材が浸漬される時に、前もって金属化された領域への金属の蒸着を含む無電解方法によって、付着される。導電面での金属塩の付随還元を伴って、還元剤が電子を導電(金属コーティング)面に供与する際に、無電解方法が進行する。その結果、吸着金属の層が得られる。(無電解方法の追加説明については以下参照。Wise,E.M.による「パラジウム:回収、特性、利用」Academic Press,New York,N.Y.(1988年)、Wong,K.et al.による「めっきおよび表面仕上げ」1988年,75,70〜76、Matsuoka,M.et al.による同誌、1988年75,102〜106、Pearlstein,F.による「無電解めっき」、Modern Electroplating,Lowenheim,F.A.,Ed.,Wiley,New York,N.Y.(1974年)31章)。このような金属蒸着プロセスでは、金属間接着が良好で表面汚染が最小である構造体が生成されなければならないが、高密度の活性部位を含む触媒金属電極面が設けられる。このような活性部位の高密度は、過酸化水素などの電気活性種の効率的な酸化還元変換に必要な特性である。
本発明の例示的実施形態において、ベース層は、電着、表面スパッタリング、または他の適当なプロセスステップにより、最初に薄膜導体層でコーティングされる。一実施形態では、この導電層は、ポリイミドベース層への化学的接着に適した最初のクロムベース層の後で、薄膜の金ベースおよびクロムベース層が順に形成されるなど、複数の薄膜導電層として設けられるとよい。代替的実施形態では、他の電極層構成または材料が使用され得る。次に、従来のフォトリソグラフィー技術にしたがって、選択されたフォトレジストコーティングで導電層が被覆され、適当なフォトイメージングのためフォトレジストコーティングにコンタクトマスクが形成される。コンタクトマスクは一般的に、フォトレジストコーティングの適切な露光のための一つ以上の導体トレースパターンであり、その後でエッチングステップが行われて、結果的に複数の導体センサトレースがベース層に残る。皮下グルコースセンサとしての使用のために設計される例示的センサ構造では、各センサトレースは、作用電極と対向電極と基準電極など三つの別々の電極に対応する三つの平行なセンサ要素を含む。
導電性センサ層の部分は、一般的にはシリコンポリマーおよび/またはポリイミドなどの材料の絶縁カバー層で被覆される。絶縁カバー層は所望の手法で形成されるとよい。例示的な手順では、絶縁カバー層がセンサトレースの上の液体層に形成され、その後で基材がスピンされ、センサトレースを覆ってベース層との密閉接触状態でセンサトレースの縁部よりも延出する薄膜として液体材料を分散させる。この液体材料は次に、当該技術で周知のもののような、一つ以上の適当な放射および/または化学的および/または熱硬化ステップを受ける。代替的実施形態では、スプレー技術または他の所望の形成手段を使用して液体材料が形成され得る。光画像形成可能なエポキシアクリレートなど、様々な絶縁層材料が使用され、例示的な材料は、製品番号7020でWest Paterson,N.J.のOCG,Inc.から入手できる光画像形成可能ポリイミドを包含する。
上記のように、遠位端部電極を画定する適切な電極化学反応が、開口部を通したセンサ先端の任意の露光に続いてセンサ先端に適用される。グルコースセンサとしての使用のための三つの電極を有する例示的なセンサ実施形態では、酵素(一般的にはグルコースオキシダーゼ)が開口部の一つに設けられることで、センサ先端の一つをコーティングして作用電極を画定する。他の電極の一方または両方には、作用電極として同じコーティングが設けられる。代替的に、他の二つの電極に、他の酵素などの他の適当な化学反応が行われて、未コーティング状態にされるか、電気化学センサのための基準電極および対向電極を画定するように化学反応が行われてもよい。
本発明のきわめて薄い酵素コーティングを生産するための方法は、スピンコーティングプロセス、浸漬および乾燥プロセス、低せん断力スプレープロセス、インクジェット印刷プロセス、シルクスクリーンプロセス、その他を含む。熟練者は、当該技術のプロセスにより印加される酵素コートの厚さを容易に判断できるので、本発明のきわめて薄いコーティングを生成できるこれらの方法を特定するのは容易であろう。一般的に、このようなコーティングはその形成に続いて蒸気架橋される。驚くべきことに、これらのプロセスにより生産されるセンサは、寿命、線形性、規則性の向上とともに、信号ノイズ比の向上を含む、電着により生産されるコーティングを有するセンサを超える材料特性を有する。加えて、このようなプロセスにより形成されるグルコースオキシダーゼコーティングを利用する本発明の実施形態は、過酸化水素を再循環してこのようなセンサの生体適合性プロファイルを向上させるように設計される。
スピンコーティングプロセスなどのプロセスにより製作されるセンサはまた、電着プロセス中にセンサに加えられる材料応力に関するものなど、電着に関連する他の問題も回避する。特に、電着のプロセスは、センサに対する機械応力、例えば張力および/または圧縮力から生じる機械的応力を発生させることが観察されている。ある状況では、このような機械的応力により、亀裂または剥離を起こす傾向を持つコーティングを有するセンサが結果的に得られる。スピンコーティングまたは他の低応力プロセスを介してセンサに配置されるコーティングには、これは観察されない。結果的に、本発明のまた別の実施形態は、スピンコーティングプロセスを介してコーティングを塗着することを包含する、電着の影響を受けたセンサ上のコーティングの亀裂および/または剥離を回避する方法である。
センサ要素の処理に続いて、スプレー、浸漬など、当該技術で周知の多様な方法のいずれか一つによって、一つ以上の追加の機能的コーティングまたはカバー層が形成され得る。本件発明のいくつかの実施形態は、酵素含有層に蒸着される分析物調整層を含む。活性センサ表面と接触する分析物の量を調整する際の使用に加えて、分析物制限膜層を利用することにより、余剰材料によるセンサ汚れの問題も解消される。当該技術で周知のように、分析物調整膜層の厚さは、活性酵素に到達する分析物の量に影響し得る。結果的に、その形成は一般的に、規定された処理条件の下で実行され、その寸法厚さは細かく制御される。下の層のマイクロ加工は、分析物調整膜層に対する寸法制御とともに分析物制限膜層材料そのものの正確な組成に影響する要因となり得る。これに関して、いくつかのタイプのコポリマー、例えばシロキサンおよび非シロキサン部分のコポリマーが特に有益であることが発見されている。これらの材料は、制御された厚さとなるようにマイクロ分散されるかスピンコーティングされる。ここに説明される他の離散構造と適合するパターニングおよびフォトリソグラフィー技術により、その最終アーキテクチャが設計されるとよい。これらの非シロキサン‐シロキサンコポリマーの例は、ジメチルシロキサン‐アルキレンオキシド、テトラメチルジシロキサン‐ジビニルベンゼン、テトラメチルジシロキサン‐エチレン、ジメチルシロキサン‐シルフェニレン、ジメチルシロキサン‐シルフェニレンオキシド、ジメチルシロキサン‐a‐メチルスチレン、ジメチルシロキサン‐ビスフェノールAカルボネートコポリマー、またはその適当な組み合わせを含むが、これらに限定されるわけではない。コポリマーの非シロキサン成分の重量パーセントは、有効値となるように予選択されるが、一般的にこの比率は約40〜80重量%の範囲にある。上記のコポリマーのうち、非シロキサン成分を50〜55重量%包含するジメチルシロキサン‐ビスフェノールAカルボネートコポリマーが一般的である。これらの材料はPetrarch Systems,Bristol,Pa.(米国)から購入され、同社の製品カタログに記載されている。分析物制限膜層として機能する他の材料は、ポリウレタン、セルロースアセテート、セルロースニトレート、シリコンゴム、または適合性があればシロキサン・非シロキサンコポリマーを含む以上の材料の組み合わせを含むが、これらに限定されるわけではない。
本発明のいくつかの実施形態では、センサ層の酵素と接触し得る分析物の量を調整できる親水性膜コーティングを包含する分析物調整層を形成する方法によって、センサが製作される。例えば、本発明のグルコースセンサに付加されるカバー層は、電極のグルコースオキシダーゼ酵素層と接触するグルコースの量を調整するグルコース制限膜を包含し得る。このようなグルコース制限膜は、ポリジメチルシロキサンその他、ポリウレタン、セルロースアセテート、ナフィオン、ポリエステル、スルホン酸ポリエステル(Kodak AQなど)、ヒドロゲル、またはこのような目的に適していることが当業者に知られている他の膜など、このような目的に適していることが周知である多様な材料から製作される。本発明の或る実施形態では、分析物調整層は、中央鎖と、中央鎖に結合される複数の側鎖とを有する親水性コームコポリマーを包含し、少なくとも一つの側鎖がシロキサン部分を包含する。過酸化水素再循環能力を有するセンサに関する本発明のいくつかの実施形態では、グルコースオキシダーゼ酵素層に配置される膜層は、センサが置かれる環境への過酸化水素の放出を阻止するとともに、過酸化水素分子と電極検知要素との間の接触を促進するように機能する。
本発明の方法のいくつかの実施形態では、カバー層(分析物調整膜層など)と分析物検知層との間に、その接触を促進するために接着促進層が配置され、センサ装置の安定性を高める能力のために選択される。上記のように、接着促進層の組成は、センサ安定性を与える能力に加えていくつかの所望の特徴を提供するように選択される。例えば、接着促進層での使用のためのいくつかの組成は、所望の分析物の物質移動を制御することに加えて、干渉拒絶の役割を果たすように選択される。接着促進層は、このような層の間の接合を促進することが当該技術で周知である多様な材料のいずれか一つから製作され、当該技術で周知の多様な方法のいずれか一つにより形成される。一般的に、接着促進層は、ガンマ‐アミノプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物を包含する。本発明の或る実施形態では、接着促進層および/または分析物調整層は、近位に存在するシロキサン部分を架橋する能力のために選択される作用剤を包含する。本発明の他の実施形態では、接着促進層および/または分析物調整層は、近位の層に存在するタンパク質のアミンまたはカルボキシル部分を架橋する能力のために選択される作用剤を包含する。任意の実施形態において、AP層は、グルコース制限膜などの分析物調整層に一般的に存在するポリマーであるポリジメチルシロキサン(PDMS)を包含する。例示的実施形態では、配合は0.5〜20%のPDMS,一般的に5〜15%のPDMS、最も一般的には10%のPDMSを包含する。AP層へのPDMSの添加は、センサが製造される際にAP層に発生する孔または間隙の可能性を減少させるような状況では有利となり得る。
上記のように、センサ層の間の接着を促進するのに一般に使用される結合試薬は、γ‐アミノプロピルトリメトキシシランである。シラン化合物は通常、適当な溶剤と混合されて液状混合物を生成する。液状混合物は次に、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、およびマイクロディスペンシングを限定的ではなく含むいくつかの方法のいずれかにより、ウェハまたは平面状検知デバイスに形成または確立される。マイクロディスペンシングプロセスは、デバイスの多数の予選択エリアで微小点の材料が吐出される自動化プロセスとして実行され得る。加えて、「リフトオフ」などのフォトリソグラフィー技術またはフォトレジストの使用は、結果的に得られる選択透過性膜(選択的透過性を有する膜)を局在化してその形状を画定するのに使用されるとよい。シラン混合物の形成に使用するのに適した溶剤は、水溶性であるとともに水性の有機溶剤とその混合物を含む。アルコール・水混和性の有機溶剤とその水性混合物とが特に有用である。これらの溶剤混合物は、例えば約200から約6,000の範囲の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤を包含するとよい。混合物の約0.005から約0.2g/dLの濃度でのこれら界面活性剤の液体混合物への添加は、結果的に得られる薄膜の平面化に役立つ。また、シラン試薬の使用に先立つウェハ表面のプラズマ処理は、より平面状の層の確立を促進する調整面を設けることができる。非水溶性の有機溶剤は、シラン化合物の溶液を調製する際にも使用されるとよい。これらの有機溶剤の例は、ジフェニルエーテル、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、またはそれらの混合物を含むが、これらに限定されるわけではない。プロトン性溶媒またはその混合物が使用される時に、水は最終的にアルコキシ基の加水分解を起こして、凝縮してポリ(オルガノシロキサン)を形成する有機ケイ素ヒドロキシドを(特にn=1の時に)発生させる。これらの加水分解シラン試薬は、基材表面に存在することのあるヒドロキシルなどの極性基による凝縮も可能である。非プロトン性溶媒が使用される時には、シラン試薬に最初に存在するアルコキシ基を加水分解するのに、周囲の水分が充分であるとよい。シラン化合物(n=1または2)のR′基は、続いて形成される追加層と機能的に適合するように選択される。R′基は通常、基板表面への酵素の共有結合的な付着に有益なアミン末端基を含有する(Murakami,T.et al.による「Analytical Letters」1986,19,1973〜86に記載されているように、例えばグルタルアルデヒドなどの化合物が結合剤として使用されるとよい。)。
センサの他のコーティング層のように、接着促進層は、当該技術分野で周知の一つ以上の適当な放射および/または化学的および/または熱硬化ステップを受けることが可能である。代替的実施形態において、酵素層は、接着促進層が存在しない状態で膜カバー層が分析物検知層と直接接触状態に置かれるようにするのに充分なほど架橋されるか他の方法で準備される。
本発明の例示的実施形態は、ベース層を設け、ベース層の上にセンサ層を形成し、センサ層に酵素層をスピンコーティングしてから、分析物接触層(グルコース制限膜のような分析物調整層など)をセンサに形成することによりセンサを製作する方法であって、分析物接触層は酵素層と接触できる分析物の量を調整する。いくつかの方法では、酵素層はセンサ層に蒸気架橋される。本発明の典型的な実施形態では、センサ層は少なくとも一つの作用電極と少なくとも一つの対向電極とを含むように形成される。或る実施形態では、作用電極の少なくとも一部分と対向電極の少なくとも一部分に酵素層が形成される。一般的に、センサ層に形成される酵素層は、厚さが2,1,0.5,0.25,0.1ミクロン未満である。一般的に、酵素層はグルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、ラクタートオキシダーゼ、ヘキソキナーゼ、またはラクタートデヒドロゲナーゼ、および/または同様の酵素など、一つ以上の酵素を包含する。特定の方法では、酵素層は、担体タンパク質との一定比の組み合わせでセンサ層にコーティングすることにより安定化するグルコースオキシダーゼを包含する。一般的に、担体タンパク質はアルブミンである。一般的にこのような方法は、グルコースオキシダーゼ層と分析物接触層との間に配置される接着促進層を形成するステップを含む。任意であるが、接着促進層は、分析物接触層の形成に先立って硬化プロセスを受ける。
本発明の関連実施形態は、ベースを形成すること、少なくとも一つの作用電極と少なくとも一つの対向電極とを含むセンサ層をベース層に形成すること、スピンコーティングプロセスによりセンサ層にグルコースオキシダーゼ層(一般にはグルコースオキシダーゼをアルブミンと一定比で結合することにより安定化する層)を形成して、グルコースオキシダーゼ層が作用電極の少なくとも一部分と対向電極の少なくとも一部分とをコーティングすること、そしてグルコースオキシダーゼ層と接触できるグルコースの量を調整するようにグルコースセンサにグルコース制限層を形成することにより、グルコースセンサを製作する方法である。このようなプロセスでは、センサ層に形成されるグルコースオキシダーゼ層は一般的に、厚さが2,1,0.5,0.25,0.1ミクロン未満である。一般的に、グルコースオキシダーゼコーティングはセンサ層に蒸気架橋される。任意に、グルコースオキシダーゼコーティングはセンサ層全体を被覆する。本発明の或る実施形態では、グルコースオキシダーゼ層と分析物接触層との間に接着促進層が配置される。本発明の或る実施形態では、分析物センサは、一般的に電気絶縁性の保護層である一つ以上のカバー層(図2の要素106など)を包含する。一般的に、このようなカバー層は分析物調整層の少なくとも一部分に配置される。
このようなプロセスにより生産される完成品のセンサは、例えば基材上で各センサを囲繞する線に沿った切断により(使用される場合には)支持基材から一般的には迅速かつ容易に除去される。切断ステップは、完成品センサの側縁部を密封するため充分に相互接続されたベースおよびカバー層材料が残るように導電要素から少なくとも若干は外向き離間関係で、各センサを囲繞または包囲する線に沿ってベースとカバー層と機能的コーティング層とを切断するのに使用されるUVレーザ切断デバイスを含むものなど、当該技術で一般的に使用される方法を使用できる。加えて、一般的にはセラミック基材を切断するのに使用されるダイシング技術が、適切なセンサ実施形態に使用され得る。ベース層は一般的に、下の支持基材に物理的に装着されていないか、最小限度のみ直接に接着されているので、大がかりな処理、または支持基材から装着センサを物理的に引っ張るか剥がすことにより生じる応力による破損の可能性を伴わずに、センサは支持基材から迅速かつ容易に持ち上げられる。その後、支持基材は洗浄されて再使用されるか、あるいは廃棄される。機能的コーティング層は、他のセンサ部品が支持基材から(切断などにより)除去される前か後に形成され得る。
III.本発明の分析物センサ装置の使用方法
本発明の関連実施形態は、哺乳類の体内の分析物を検知する方法であって、この方法は、分析物が検知されるように、ここに開示される分析物センサ実施形態を哺乳類に埋め込み、それから作用電極での電流変化など一つ以上の電気的変動を検知して、電流の変化を分析物の存在と相関させることを包含する。一般的に、電流変化が検知される作用電極が陽極であるように、分析物センサは陽極の極性を持つ。このような一方法では、分析物センサ装置は哺乳類のグルコースを検知する。代替的な方法では、分析物センサ装置は、ラクタート、カリウム、カルシウム、酸素、pH、および/または生理学的に関連する哺乳類の分析物を検知する。
上記の構造を有する或る分析物センサは、哺乳類の分析物を検知するための様々な方法を可能にするいくつかの非常に望ましい特徴を有する。例えばこのような方法では、哺乳類に埋め込まれる分析物センサ装置は、1,2,3,4,5,6か月以上の間、哺乳類の体内で分析物を検知するように機能する。一般的に、このように哺乳類に埋め込まれる分析物センサ装置は、センサと接触している分析物について、分析物に応じた電流変化を15,10,5,2分以内で検出する。このような方法では、哺乳類の体内の様々な箇所、例えば血管または非血管空間の両方に埋め込まれる。
IV.本発明のキットおよびセンサセット
本発明の実施形態では、上述したように分析物を検知するのに有用なキットおよび/またはセンサセットが用意される。キットおよび/またはセンサセットは一般的に、容器、ラベル、そして上述した分析物センサを包含する。適当な容器は、例えば金属箔などの材料で製作される開閉容易なパッケージ、ボトル、ガラス瓶、注射器、および試験管を含む。容器は、金属(箔など)、紙製品、ガラス、プラスチックなど様々な材料から形成されるとよい。容器の上の、または容器と関連するラベルは、選択された分析物を検査するのにセンサが使用されることを示している。いくつかの実施形態では、グルコースオキシダーゼなどの酵素の層でコーティングされた多孔性マトリクスを容器が保管する。キットおよび/またはセンサセットは、分析物環境へのセンサの導入を容易にするように設計された要素またはデバイス、他の緩衝物、希釈剤、フィルタ、ニードル、注射器、および使用説明を含むパッケージ挿入物を含む、商業的に、また利用者の観点から望ましい他の材料を含んでもよい。
明細書を通して様々な引用刊行物が言及されている。加えて、本発明の様々な実施形態をよりはっきりと描写するため、関連技術からの或る文章がここに再掲されている。明細書におけるすべての引用の開示が参照により取り入られることは明白である。
1 モニタシステム
10 皮下センサセット
12 可撓性センサ
14 挿入ニードル
16 カニューレ
18 検知部分
20 センサ電極
22 窓部
24 接続部分
28 コネクタブロック
30 取付ベース
32 感圧接着層
34 剥離紙片
36 上層
38 下層
40 ボア
42 ニードルポート
44 尖端
100 センサ構造体(図2)/モニタ送信器(図3)
102 電気絶縁性ベース層(図2)/ケーブル(図3)
104 導電層(図2)/コネクタ(図3)
106 電気絶縁性保護カバー層(図2)/ハウジング(図3)
108 孔(図2)/プリント回路基板(図3)
110 分析物検知層(図2)/バッテリ(図3)
112 グルコース制限膜層(図2)/アンテナ(図3)
114 接着促進層(図2)/上方ケース(図3)
116 タンパク質層(図2)/下方ケース(図3)
118 感圧接着層
120 剥離紙片
200 モニタ
214 ディスプレイ

Claims (28)

  1. 第1所定時間に第1電極電位を分析物センサに印加することと、
    第2所定時間に第2電極電位を前記分析物センサに印加することと、
    センサ持続時間にわたって前記第1電極電位および前記第2電極電位の印加を連続的に反復することと、
    センサ持続時間中に前記分析物センサからの信号を受信および監視することと、
    前記信号から前記分析物の濃度を計算することと、
    を包含し、
    前記分析物の前記濃度の計算が、前記第1所定時間における前記信号の変化及び前記第2所定時間における前記信号の変化の少なくとも1つを使用して行われる、分析物を検知する方法。
  2. 前記分析物の前記濃度の計算が、前記第1所定時間における前記信号の全体的変化又は前記第2所定時間における前記信号の全体的変化を評価すること、前記第1所定時間における前記信号の緩和動特性又は前記第2所定時間における前記信号の緩和動特性を分析すること、及び、前記第1所定時間における総電荷移動量又は前記第2所定時間における総電荷移動量を前記信号から計算することの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1所定時間の前記第1電極電位の印加に先立って前記分析物センサを起動することをさらに包含する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 第3所定時間に第3電極電位を前記分析物センサに印加することと、前記センサ持続時間にわたって前記第1電極電位と前記第2電極電位と前記第3電極位との印加を反復することとをさらに包含する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1、第2、および第3電極電位がステップ電極電位である、請求項に記載の方法。
  6. 前記分析物がグルコースである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記分析物の前記濃度の計算が、前記第1所定時間中における前記分析物センサからの前記信号の全体的変化を評価することを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記分析物の前記濃度の計算が、前記第1所定時間中における前記分析物センサからの前記信号の緩和動特性を分析することを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記分析物の前記濃度の計算が、前記第2所定時間中における前記分析物センサからの前記信号の緩和動特性を分析することを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記分析物の前記濃度の計算が、前記第1所定時間中における前記分析物センサから受信した信号から総電荷移動量を計算することを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記分析物の前記濃度の計算が、
    (式中、i=電流、n=電子の数、F=ファラデー定数、A=表面積、D=拡散定数、C =濃度、t=時間)、および
    (式中、i=電流、n=電子の数、F=ファラデー定数、A=表面積、D=拡散定数、C =濃度、d=制限層距離、t=時間)で構成される群から選択される式を用いて時間の関数として前記第1所定時間又は前記第2所定時間における電流の変化を計算することを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記分析物センサから受信した前記信号を分析して、前記センサが適切に機能しているかどうかを判断することをさらに包含する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記信号が電流信号であり、下記式
    (式中、i=電流、n=電子の数、F=ファラデー定数、A=表面積、D=拡散定数、C およびC =濃度、d=制限層距離、t=時間であり、αは重み付け式がどれほど考慮されるかを示す第1重み係数、βは重み付け式がどれほど考慮されるかを示す第2重み係数である)におけるパラメータP1〜P4の一つ以上を用いて前記分析物センサから受信した前記電流信号を分析することをさらに包含する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第1所定時間が10秒であって前記第2所定時間が10秒である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第1電極電位および前記第2電極電位の少なくとも一方が535ミリボルトである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記センサ持続時間が少なくとも30分の長さである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 分析物検知システムであって、
    哺乳類への埋め込みのための分析物センサと、
    前記分析物センサとの通信状態にあるセンサ電子デバイスと、
    前記電子デバイスとの通信状態にある監視デバイスとを包含し、
    前記電子デバイスが、
    第1所定時間に第1電極電位を分析物センサに印加し、
    第2所定時間に第2電極電位を前記分析物センサに印加し、
    センサ持続時間にわたって前記第1電極電位および前記第2電極電位の印加を連続的に反復し、
    前記センサ持続時間中に前記分析物センサから信号を受信する、
    回路網を含
    前記監視デバイスが、前記分析物センサから受信した前記信号を監視して前記信号から前記分析物の濃度を計算する回路網を含み
    前記分析物の前記濃度の計算が、前記第1所定時間における前記信号の変化及び前記第2所定時間における前記信号の変化の少なくとも1つを使用して行われる、
    分析物検知システム。
  18. 前記分析物の前記濃度の計算が、前記第1所定時間における前記信号の全体的変化又は前記第2所定時間における前記信号の全体的変化を評価すること、前記第1所定時間における前記信号の緩和動特性又は前記第2所定時間における前記信号の緩和動特性を分析すること、及び、前記第1所定時間における総電荷移動量又は前記第2所定時間における総電荷移動量を前記信号から計算することの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の分析物検知システム。
  19. 前記センサ電子デバイスがさらに、前記第1所定時間の前記第1電極電位の印加に先立って前記分析物センサを起動する回路網を含む、請求項17又は18に記載の分析物検知システム。
  20. 前記センサ電子デバイスがさらに、第3所定時間の前記分析物センサに第3電極電位を印加し、前記センサ持続時間にわたって前記第1電極電位と第2電極電位と第3電極電位の印加を反復する回路網を含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の分析物検知システム。
  21. 前記第1、第2、および第3電極電位がステップ電極電位である、請求項20に記載の分析物検知システム。
  22. 前記分析物の前記濃度の計算が、前記第1所定時間に前記分析物センサからの前記信号の全体的変化を評価することを含む、請求項17〜21のいずれか一項に記載の分析物検知システム。
  23. 前記分析物の前記濃度の計算が、前記第1所定時間に前記分析物センサからの前記信号の前記緩和動特性を分析することを含む、請求項22に記載の分析物検知システム。
  24. 前記分析物の前記濃度の計算が、前記第2所定時間に前記分析物センサからの前記信号の前記緩和動特性を分析することを含む、請求項23に記載の分析物検知システム。
  25. 前記分析物の前記濃度が、前記第1所定時間に前記分析物センサから受信した前記信号から総電荷移動量を計算することを含む、請求項17〜21のいずれか一項に記載の分析物検知システム。
  26. 析物が検知されるように、
    (a)センサ持続時間にわたってパルス電圧電位を電流測定分析物センサの電極に連続的に印加し、結果的に得られる電流を測定して測定電流値を求めることであって、前記電極電位が前記センサ持続時間にわたって連続的に変化して電圧サイクルの各連続電圧が前の電圧より高いか低くなるように、前記パルス電圧電位が印加されることと、
    (b)前記電圧サイクルの各連続電圧を印加している間における前記測定電流値の変化を分析物の濃度と相関させることと、
    を包含する、分析物を検知する方法。
  27. 三つ以上の異なる電圧電位が使用される、請求項26に記載の方法。
  28. 電圧サイクルの各連続電圧が前記サイクルに印加される前の電圧の少なくとも0.1ボルトは上か下である、請求項26又は27に記載の方法。
JP2014509470A 2011-05-06 2012-05-04 連続的分析物監視のための方法および装置 Active JP6087905B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/102,390 2011-05-06
US13/102,390 US9008744B2 (en) 2011-05-06 2011-05-06 Method and apparatus for continuous analyte monitoring
PCT/US2012/036489 WO2012154548A1 (en) 2011-05-06 2012-05-04 Method and apparatus for continuous analyte monitoring

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014516658A JP2014516658A (ja) 2014-07-17
JP6087905B2 true JP6087905B2 (ja) 2017-03-01

Family

ID=46178779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014509470A Active JP6087905B2 (ja) 2011-05-06 2012-05-04 連続的分析物監視のための方法および装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9008744B2 (ja)
EP (1) EP2704633B1 (ja)
JP (1) JP6087905B2 (ja)
CN (1) CN103648382B (ja)
CA (1) CA2832870C (ja)
WO (1) WO2012154548A1 (ja)

Families Citing this family (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9517023B2 (en) 2009-06-01 2016-12-13 Profusa, Inc. Method and system for directing a localized biological response to an implant
US10010272B2 (en) 2010-05-27 2018-07-03 Profusa, Inc. Tissue-integrating electronic apparatus
CA3184858A1 (en) 2010-10-06 2012-04-12 Profusa, Inc. Tissue-integrating sensors
EP2967454B1 (en) 2013-03-14 2020-04-22 Profusa, Inc. Method and device for correcting optical signals
CN111544011B (zh) 2013-06-06 2023-06-06 普罗菲尤萨股份有限公司 用于探测来自植入传感器的光信号的设备和方法
KR102144334B1 (ko) * 2013-07-24 2020-08-13 삼성전자 주식회사 과산화수소 측정 센서 및 과산화수소 측정 센서의 작업 전극 제조 방법
US9855359B2 (en) 2013-12-23 2018-01-02 Verily Life Sciences Llc Analyte sensors with ethylene oxide immunity
US9834805B2 (en) * 2013-12-23 2017-12-05 Verily Life Sciences Llc Two-layer analyte sensor
US9739746B1 (en) 2013-12-23 2017-08-22 Google Inc. Analyte sensor incorporating negatively charged moieties
US11039620B2 (en) 2014-02-19 2021-06-22 Corning Incorporated Antimicrobial glass compositions, glasses and polymeric articles incorporating the same
US11039621B2 (en) 2014-02-19 2021-06-22 Corning Incorporated Antimicrobial glass compositions, glasses and polymeric articles incorporating the same
US9622483B2 (en) 2014-02-19 2017-04-18 Corning Incorporated Antimicrobial glass compositions, glasses and polymeric articles incorporating the same
GB201420477D0 (en) * 2014-11-18 2014-12-31 Nanoflex Ltd Electrode Assembly
EP3078975B1 (en) * 2015-04-10 2021-06-09 Nokia Technologies Oy An apparatus and method for sensing
US10135076B1 (en) 2015-05-05 2018-11-20 Verily Life Sciences Llc Tear-activated micro-battery for use on smart contact lenses
KR20160132750A (ko) * 2015-05-11 2016-11-21 삼성전자주식회사 바이오 센서용 전극 구조 및 상기한 전극 구조를 포함하는 바이오 센서
DE102015209513A1 (de) * 2015-05-22 2016-11-24 Robert Bosch Gmbh Messelektrode zum Messen einer Konzentration einer Substanz in einer Gewebsflüssigkeit, Messeinrichtung und Verfahren zum Herstellen einer Messelektrode zum Messen einer Konzentration einer Substanz in einer Gewebsflüssigkeit
WO2018017134A1 (en) * 2016-07-22 2018-01-25 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Substrate assembly and related methods
CN106725470B (zh) * 2016-11-22 2023-12-19 南通九诺医疗科技有限公司 一种连续或非连续的生理参数分析***
US11331018B2 (en) 2016-12-22 2022-05-17 Profusa, Inc. System and single-channel biosensor for and method of determining analyte value
US11058337B2 (en) 2017-02-03 2021-07-13 International Business Machines Corporation Flexible silicon nanowire electrode
US20180306744A1 (en) * 2017-04-20 2018-10-25 Lifescan Scotland Limited Analyte measurement system and method
EP3638112A4 (en) * 2017-06-20 2021-03-31 Abdolahad, Mohammad REAL-TIME, MARKERLESS ANALYZER FOR IN VITRO AND IN VIVO DETECTION OF AREAS SUSPECTED IN CANCER
US10856784B2 (en) * 2017-06-30 2020-12-08 Medtronic Minimed, Inc. Sensor initialization methods for faster body sensor response
CN107898467A (zh) * 2017-10-21 2018-04-13 天津大学 用于葡萄糖连续检测的柔性表皮微流体采集***
WO2019089546A1 (en) 2017-10-31 2019-05-09 Nanobio Systems Inc Analyte detection in a contaminated sample
CN108333220A (zh) * 2017-12-13 2018-07-27 湖北大学 基于单根氧化钼纳米带的新型氢气敏感元件制备方法
TWI687207B (zh) * 2018-01-02 2020-03-11 達爾生技股份有限公司 檢測裝置及檢測方法
US20200205701A1 (en) * 2018-12-28 2020-07-02 Dexcom, Inc. Analyte sensor with impedance determination
CN113490454A (zh) * 2019-02-05 2021-10-08 安晟信医疗科技控股公司 用于探测连续分析物感测及自动更正的传感器操作的设备及方法
EP3928089A1 (en) 2019-02-22 2021-12-29 Ascensia Diabetes Care Holdings AG Methods and apparatus for analyte concentration monitoring using harmonic relationships
TWI695174B (zh) * 2019-04-25 2020-06-01 國立交通大學 微型化感測探針及其製造方法
US11819339B2 (en) * 2019-07-01 2023-11-21 Nanowear Inc. Thermosensitive nanosensor for instantaneous transcutaneous biological measurement
EP4004535A1 (en) * 2019-07-24 2022-06-01 LifeScan IP Holdings, LLC Contamination determination of biosensors used in analyte measurement systems
US20210032671A1 (en) * 2019-08-02 2021-02-04 Bionime Corporation Method for Reducing Measurement Interference of Micro Biosensor
US11678820B2 (en) 2019-09-10 2023-06-20 Ascensia Diabetes Care Holdings Ag Methods and apparatus for information gathering, error detection and analyte concentration determination during continuous analyte sensing
WO2021097287A1 (en) * 2019-11-13 2021-05-20 Senseonics, Incorporated Interferent detection in an analyte monitoring system
CN113243921B (zh) * 2020-02-13 2023-02-28 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 柔性生物电干电极及制作方法、柔性基底薄膜的制作方法
WO2021214733A1 (en) * 2020-04-24 2021-10-28 Abdolahad Mohammad Apparatus for in-vivo measuring of h 2o 2 oxidation
CN111803086B (zh) * 2020-07-24 2023-03-24 湖州美奇医疗器械有限公司 一种三电极皮下植入式葡萄糖传感器及其制作方法
US11359300B1 (en) * 2021-02-26 2022-06-14 Laxmi Therapeutic Devices, Inc. Electrochemical method for enzyme immobilization on biosensor electrodes
CN115877009A (zh) * 2021-09-29 2023-03-31 苏州睿感医疗科技有限公司 持续血糖校正方法、装置和电子设备

Family Cites Families (180)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5338157B1 (en) 1992-09-09 1999-11-02 Sims Deltec Inc Systems and methods for communicating with ambulat
US872311A (en) 1906-11-02 1907-11-26 Emil Sutherland Vehicle-wheel.
US4114627A (en) 1976-12-14 1978-09-19 American Hospital Supply Corporation Cardiac pacer system and method with capture verification signal
US4373531A (en) 1979-04-16 1983-02-15 Vitafin N.V. Apparatus for physiological stimulation and detection of evoked response
US4573994A (en) 1979-04-27 1986-03-04 The Johns Hopkins University Refillable medication infusion apparatus
US4678868A (en) 1979-06-25 1987-07-07 Medtronic, Inc. Hermetic electrical feedthrough assembly
US4402819A (en) 1980-03-17 1983-09-06 University Of Delaware Antibody-selective membrane electrodes
US4431004A (en) 1981-10-27 1984-02-14 Bessman Samuel P Implantable glucose sensor
US4571292A (en) 1982-08-12 1986-02-18 Case Western Reserve University Apparatus for electrochemical measurements
US4536274A (en) 1983-04-18 1985-08-20 Diamond Shamrock Chemicals Company pH and CO2 sensing device and method of making the same
US4562751A (en) 1984-01-06 1986-01-07 Nason Clyde K Solenoid drive apparatus for an external infusion pump
US4685903A (en) 1984-01-06 1987-08-11 Pacesetter Infusion, Ltd. External infusion pump apparatus
US4678408A (en) 1984-01-06 1987-07-07 Pacesetter Infusion, Ltd. Solenoid drive apparatus for an external infusion pump
GB8402058D0 (en) 1984-01-26 1984-02-29 Serono Diagnostics Ltd Methods of assay
GB8515656D0 (en) * 1985-06-20 1985-07-24 Shell Int Research Extraction of group metals from organic solutions
US4890620A (en) 1985-09-20 1990-01-02 The Regents Of The University Of California Two-dimensional diffusion glucose substrate sensing electrode
EP0236562B2 (en) 1985-12-11 2006-06-07 Telectronics N.V. Apparatus for cardiac pacing with detection of cardiac evoked potentials
US4755173A (en) 1986-02-25 1988-07-05 Pacesetter Infusion, Ltd. Soft cannula subcutaneous injection set
US4703756A (en) 1986-05-06 1987-11-03 The Regents Of The University Of California Complete glucose monitoring system with an implantable, telemetered sensor module
US4894253A (en) 1986-08-12 1990-01-16 University Of Cincinnati Method for production of coated electrode
US4991583A (en) 1986-08-13 1991-02-12 Siemens-Pacesetter, Inc. Pacemaker having independently programmable electrode configuration for pacing and sensing and method for operation thereof
US5362307A (en) 1989-01-24 1994-11-08 The Regents Of The University Of California Method for the iontophoretic non-invasive-determination of the in vivo concentration level of an inorganic or organic substance
US5212050A (en) 1988-11-14 1993-05-18 Mier Randall M Method of forming a permselective layer
US6306594B1 (en) 1988-11-14 2001-10-23 I-Stat Corporation Methods for microdispensing patterened layers
US5320725A (en) 1989-08-02 1994-06-14 E. Heller & Company Electrode and method for the detection of hydrogen peroxide
US4940858A (en) 1989-08-18 1990-07-10 Medtronic, Inc. Implantable pulse generator feedthrough
EP0426969A3 (en) 1989-11-10 1992-10-28 Lewicki Microelectronic Gmbh Protecting circuit
US5985129A (en) 1989-12-14 1999-11-16 The Regents Of The University Of California Method for increasing the service life of an implantable sensor
US5165407A (en) 1990-04-19 1992-11-24 The University Of Kansas Implantable glucose sensor
US5593852A (en) 1993-12-02 1997-01-14 Heller; Adam Subcutaneous glucose electrode
US5956501A (en) 1997-01-10 1999-09-21 Health Hero Network, Inc. Disease simulation system and method
US5832448A (en) 1996-10-16 1998-11-03 Health Hero Network Multiple patient monitoring system for proactive health management
US5307263A (en) 1992-11-17 1994-04-26 Raya Systems, Inc. Modular microprocessor-based health monitoring system
US5545143A (en) 1993-01-21 1996-08-13 T. S. I. Medical Device for subcutaneous medication delivery
US5299571A (en) 1993-01-22 1994-04-05 Eli Lilly And Company Apparatus and method for implantation of sensors
DK25793A (da) 1993-03-09 1994-09-10 Pharma Plast Int As Infusionssæt til intermitterende eller kontinuerlig indgivelse af et terapeutisk middel
US5427912A (en) 1993-08-27 1995-06-27 Boehringer Mannheim Corporation Electrochemical enzymatic complementation immunoassay
US5390691A (en) 1994-01-27 1995-02-21 Sproule; Ronald Bleed valve for water supply for camping vehicle
US5762770A (en) * 1994-02-21 1998-06-09 Boehringer Mannheim Corporation Electrochemical biosensor test strip
US5536249A (en) 1994-03-09 1996-07-16 Visionary Medical Products, Inc. Pen-type injector with a microprocessor and blood characteristic monitor
US5391250A (en) 1994-03-15 1995-02-21 Minimed Inc. Method of fabricating thin film sensors
US5390671A (en) 1994-03-15 1995-02-21 Minimed Inc. Transcutaneous sensor insertion set
US5981203A (en) 1994-04-26 1999-11-09 The Regents Of The University Of Michigan Unitary sandwich enzyme immunoassay cassette, device and method of use
US5482473A (en) 1994-05-09 1996-01-09 Minimed Inc. Flex circuit connector
US5705399A (en) 1994-05-20 1998-01-06 The Cooper Union For Advancement Of Science And Art Sensor and method for detecting predetermined chemical species in solution
US5494562A (en) 1994-06-27 1996-02-27 Ciba Corning Diagnostics Corp. Electrochemical sensors
US5605152A (en) 1994-07-18 1997-02-25 Minimed Inc. Optical glucose sensor
US5486201A (en) 1994-09-12 1996-01-23 Pacesetter, Inc. Active discharge of a coupling capacitor in an implantable medical device
IE72524B1 (en) 1994-11-04 1997-04-23 Elan Med Tech Analyte-controlled liquid delivery device and analyte monitor
US6153069A (en) * 1995-02-09 2000-11-28 Tall Oak Ventures Apparatus for amperometric Diagnostic analysis
US5568806A (en) 1995-02-16 1996-10-29 Minimed Inc. Transcutaneous sensor insertion set
US5882494A (en) 1995-03-27 1999-03-16 Minimed, Inc. Polyurethane/polyurea compositions containing silicone for biosensor membranes
US5786439A (en) 1996-10-24 1998-07-28 Minimed Inc. Hydrophilic, swellable coatings for biosensors
US5665065A (en) 1995-05-26 1997-09-09 Minimed Inc. Medication infusion device with blood glucose data input
US5995860A (en) 1995-07-06 1999-11-30 Thomas Jefferson University Implantable sensor and system for measurement and control of blood constituent levels
US5735273A (en) 1995-09-12 1998-04-07 Cygnus, Inc. Chemical signal-impermeable mask
EP0862648B1 (en) 1995-11-22 2004-10-06 Medtronic MiniMed, Inc. Detection of biological molecules using chemical amplification and optical sensors
US5711861A (en) 1995-11-22 1998-01-27 Ward; W. Kenneth Device for monitoring changes in analyte concentration
US6766183B2 (en) 1995-11-22 2004-07-20 Medtronic Minimed, Inc. Long wave fluorophore sensor compounds and other fluorescent sensor compounds in polymers
US5755939A (en) 1996-04-30 1998-05-26 Medtronic, Inc. Polyion sensor with molecular weight differentiation
US6043437A (en) 1996-12-20 2000-03-28 Alfred E. Mann Foundation Alumina insulation for coating implantable components and other microminiature devices
US6607509B2 (en) 1997-12-31 2003-08-19 Medtronic Minimed, Inc. Insertion device for an insertion set and method of using the same
DE69809391T2 (de) 1997-02-06 2003-07-10 Therasense Inc Kleinvolumiger sensor zur in-vitro bestimmung
US6001067A (en) 1997-03-04 1999-12-14 Shults; Mark C. Device and method for determining analyte levels
US6139718A (en) 1997-03-25 2000-10-31 Cygnus, Inc. Electrode with improved signal to noise ratio
DE19717107B4 (de) 1997-04-23 2005-06-23 Disetronic Licensing Ag System aus Behältnis und Antriebsvorrichtung für einen Kolben, der in dem ein Medikamentfluid enthaltenden Behältnis gehalten ist
US6186982B1 (en) 1998-05-05 2001-02-13 Elan Corporation, Plc Subcutaneous drug delivery device with improved filling system
US5954643A (en) 1997-06-09 1999-09-21 Minimid Inc. Insertion set for a transcutaneous sensor
US6558351B1 (en) 1999-06-03 2003-05-06 Medtronic Minimed, Inc. Closed loop system for controlling insulin infusion
US5771868A (en) 1997-07-03 1998-06-30 Turbodyne Systems, Inc. Turbocharging systems for internal combustion engines
US6119028A (en) 1997-10-20 2000-09-12 Alfred E. Mann Foundation Implantable enzyme-based monitoring systems having improved longevity due to improved exterior surfaces
US6081736A (en) 1997-10-20 2000-06-27 Alfred E. Mann Foundation Implantable enzyme-based monitoring systems adapted for long term use
US6155992A (en) 1997-12-02 2000-12-05 Abbott Laboratories Method and apparatus for obtaining interstitial fluid for diagnostic tests
US7647237B2 (en) 1998-04-29 2010-01-12 Minimed, Inc. Communication station and software for interfacing with an infusion pump, analyte monitor, analyte meter, or the like
US6175752B1 (en) 1998-04-30 2001-01-16 Therasense, Inc. Analyte monitoring device and methods of use
ATE258028T1 (de) 1998-05-13 2004-02-15 Cygnus Therapeutic Systems Signalverarbeitung zur messung von physiologischen analyten
US6736797B1 (en) 1998-06-19 2004-05-18 Unomedical A/S Subcutaneous infusion set
US6355021B1 (en) 1998-07-14 2002-03-12 Maersk Medical A/S Medical puncturing device
US6554798B1 (en) 1998-08-18 2003-04-29 Medtronic Minimed, Inc. External infusion device with remote programming, bolus estimator and/or vibration alarm capabilities
US6248067B1 (en) 1999-02-05 2001-06-19 Minimed Inc. Analyte sensor and holter-type monitor system and method of using the same
US6558320B1 (en) 2000-01-20 2003-05-06 Medtronic Minimed, Inc. Handheld personal data assistant (PDA) with a medical device and method of using the same
US6251260B1 (en) 1998-08-24 2001-06-26 Therasense, Inc. Potentiometric sensors for analytic determination
EP1115435B2 (en) 1998-09-30 2012-07-25 Medtronic MiniMed, Inc. Communication station and software with an infusion pump, analyte monitor, analyte meter, or the like
CA2666429A1 (en) 1998-10-08 2000-04-13 Medtronic Minimed, Inc. Telemetered characteristic monitor system
EP1124600B1 (en) 1998-10-29 2005-02-23 Medtronic MiniMed, Inc. Compact pump drive system
US6248093B1 (en) 1998-10-29 2001-06-19 Minimed Inc. Compact pump drive system
US7193521B2 (en) 1998-10-29 2007-03-20 Medtronic Minimed, Inc. Method and apparatus for detecting errors, fluid pressure, and occlusions in an ambulatory infusion pump
JP3395673B2 (ja) 1998-11-18 2003-04-14 株式会社豊田中央研究所 微小酸素電極を利用した特異的結合対測定方法
US7806886B2 (en) 1999-06-03 2010-10-05 Medtronic Minimed, Inc. Apparatus and method for controlling insulin infusion with state variable feedback
US6368274B1 (en) 1999-07-01 2002-04-09 Medtronic Minimed, Inc. Reusable analyte sensor site and method of using the same
US6413393B1 (en) 1999-07-07 2002-07-02 Minimed, Inc. Sensor including UV-absorbing polymer and method of manufacture
US6453956B2 (en) 1999-11-05 2002-09-24 Medtronic Minimed, Inc. Needle safe transfer guard
US7003336B2 (en) 2000-02-10 2006-02-21 Medtronic Minimed, Inc. Analyte sensor method of making the same
DE60130536T2 (de) 2000-02-10 2008-06-26 Medtronic MiniMed, Inc., Northridge Analytensensor
US6895263B2 (en) 2000-02-23 2005-05-17 Medtronic Minimed, Inc. Real time self-adjusting calibration algorithm
US7890295B2 (en) 2000-02-23 2011-02-15 Medtronic Minimed, Inc. Real time self-adjusting calibration algorithm
US6706159B2 (en) 2000-03-02 2004-03-16 Diabetes Diagnostics Combined lancet and electrochemical analyte-testing apparatus
US20010041869A1 (en) 2000-03-23 2001-11-15 Causey James D. Control tabs for infusion devices and methods of using the same
IT1314759B1 (it) 2000-05-08 2003-01-03 Menarini Farma Ind Strumentazione per la misura ed il controllo del contenuto di glucosiolattato o altri metaboliti in fluidi biologici
US6400974B1 (en) 2000-06-29 2002-06-04 Sensors For Medicine And Science, Inc. Implanted sensor processing system and method for processing implanted sensor output
CN1471413A (zh) 2000-09-08 2004-01-28 用于患者注射的装置、***和方法
US6703210B2 (en) 2000-11-02 2004-03-09 Satake Corporation Method and device for determining concentration of dioxins
US6749587B2 (en) 2001-02-22 2004-06-15 Insulet Corporation Modular infusion device and method
JP4450556B2 (ja) 2001-04-06 2010-04-14 ディセトロニック・ライセンシング・アクチェンゲゼルシャフト 注入装置
US20020071225A1 (en) 2001-04-19 2002-06-13 Minimed Inc. Direct current motor safety circuits for fluid delivery systems
DE10134557C2 (de) 2001-07-16 2003-07-31 Infineon Technologies Ag Schaltungsanordnung und Verfahren zum Entladen mindestens eines Schaltungsknotens
US6702857B2 (en) 2001-07-27 2004-03-09 Dexcom, Inc. Membrane for use with implantable devices
US6544212B2 (en) 2001-07-31 2003-04-08 Roche Diagnostics Corporation Diabetes management system
US6740072B2 (en) 2001-09-07 2004-05-25 Medtronic Minimed, Inc. System and method for providing closed loop infusion formulation delivery
US7323142B2 (en) 2001-09-07 2008-01-29 Medtronic Minimed, Inc. Sensor substrate and method of fabricating same
US6915147B2 (en) 2001-09-07 2005-07-05 Medtronic Minimed, Inc. Sensing apparatus and process
US6671554B2 (en) 2001-09-07 2003-12-30 Medtronic Minimed, Inc. Electronic lead for a medical implant device, method of making same, and method and apparatus for inserting same
US7192766B2 (en) 2001-10-23 2007-03-20 Medtronic Minimed, Inc. Sensor containing molded solidified protein
AU2002343567A1 (en) 2001-10-23 2003-05-06 Medtronic Minimed Inc. Method and system for non-vascular sensor implantation
US6809507B2 (en) 2001-10-23 2004-10-26 Medtronic Minimed, Inc. Implantable sensor electrodes and electronic circuitry
US20030077702A1 (en) 2001-10-23 2003-04-24 Rajiv Shah Method for formulating a glucose oxidase enzyme with a desired property or properties and a glucose oxidase enzyme with the desired property
US6923936B2 (en) 2001-10-23 2005-08-02 Medtronic Minimed, Inc. Sterile device and method for producing same
US7399277B2 (en) 2001-12-27 2008-07-15 Medtronic Minimed, Inc. System for monitoring physiological characteristics
US8010174B2 (en) 2003-08-22 2011-08-30 Dexcom, Inc. Systems and methods for replacing signal artifacts in a glucose sensor data stream
US7041082B2 (en) 2002-02-28 2006-05-09 Smiths Medical Md, Inc. Syringe pump control systems and methods
US7500949B2 (en) 2002-03-01 2009-03-10 Medtronic Minimed, Inc. Multilumen catheter
US7033336B2 (en) 2002-03-29 2006-04-25 Gore Enterprise Holdings, Inc. Proximal catheter assembly having a relief valve
US6960192B1 (en) 2002-04-23 2005-11-01 Insulet Corporation Transcutaneous fluid delivery system
US7278983B2 (en) 2002-07-24 2007-10-09 Medtronic Minimed, Inc. Physiological monitoring device for controlling a medication infusion device
US20040068230A1 (en) 2002-07-24 2004-04-08 Medtronic Minimed, Inc. System for providing blood glucose measurements to an infusion device
AU2002326098A1 (en) 2002-09-04 2004-03-29 Pendragon Medical Ltd. Method and device for measuring glucose
US20040064154A1 (en) 2002-09-30 2004-04-01 Norton John D. Apparatus and method for optimizing capacitor charge in a medical device
US7488601B2 (en) 2003-06-20 2009-02-10 Roche Diagnostic Operations, Inc. System and method for determining an abused sensor during analyte measurement
US7074307B2 (en) 2003-07-25 2006-07-11 Dexcom, Inc. Electrode systems for electrochemical sensors
US8275437B2 (en) 2003-08-01 2012-09-25 Dexcom, Inc. Transcutaneous analyte sensor
US7357851B2 (en) * 2003-09-30 2008-04-15 Abbott Laboratories Electrochemical cell
US7699807B2 (en) 2003-11-10 2010-04-20 Smiths Medical Asd, Inc. Device and method for insertion of a cannula of an infusion device
US8532730B2 (en) 2006-10-04 2013-09-10 Dexcom, Inc. Analyte sensor
US20100185071A1 (en) * 2003-12-05 2010-07-22 Dexcom, Inc. Dual electrode system for a continuous analyte sensor
US7081195B2 (en) 2003-12-08 2006-07-25 Dexcom, Inc. Systems and methods for improving electrochemical analyte sensors
EP3263032B1 (en) 2003-12-09 2024-01-24 Dexcom, Inc. Signal processing for continuous analyte sensor
GB0329161D0 (en) 2003-12-16 2004-01-21 Precisense As Reagant for detecting an analyte
GB0329849D0 (en) 2003-12-23 2004-01-28 Precisense As Fluorometers
US7344500B2 (en) 2004-07-27 2008-03-18 Medtronic Minimed, Inc. Sensing system with auxiliary display
US8313433B2 (en) 2004-08-06 2012-11-20 Medtronic Minimed, Inc. Medical data management system and process
US7468033B2 (en) 2004-09-08 2008-12-23 Medtronic Minimed, Inc. Blood contacting sensor
WO2006102412A2 (en) 2005-03-21 2006-09-28 Abbott Diabetes Care, Inc. Method and system for providing integrated medication infusion and analyte monitoring system
US8298172B2 (en) 2005-04-13 2012-10-30 Novo Nordisk A/S Medical skin mountable device and system
US7547382B2 (en) * 2005-04-15 2009-06-16 Agamatrix, Inc. Determination of partial fill in electrochemical strips
US8277415B2 (en) 2006-08-23 2012-10-02 Medtronic Minimed, Inc. Infusion medium delivery device and method with drive device for driving plunger in reservoir
US20080097291A1 (en) 2006-08-23 2008-04-24 Hanson Ian B Infusion pumps and methods and delivery devices and methods with same
US8137314B2 (en) 2006-08-23 2012-03-20 Medtronic Minimed, Inc. Infusion medium delivery device and method with compressible or curved reservoir or conduit
US7569050B2 (en) 2005-05-06 2009-08-04 Medtronic Minimed, Inc. Infusion device and method with drive device in infusion device and method with drive device in separable durable housing portion
US7713240B2 (en) 2005-09-13 2010-05-11 Medtronic Minimed, Inc. Modular external infusion device
WO2007056504A1 (en) 2005-11-08 2007-05-18 M2 Medical A/S Infusion pump system
US7774038B2 (en) 2005-12-30 2010-08-10 Medtronic Minimed, Inc. Real-time self-calibrating sensor system and method
US8114269B2 (en) 2005-12-30 2012-02-14 Medtronic Minimed, Inc. System and method for determining the point of hydration and proper time to apply potential to a glucose sensor
US20070173712A1 (en) 2005-12-30 2007-07-26 Medtronic Minimed, Inc. Method of and system for stabilization of sensors
US7985330B2 (en) 2005-12-30 2011-07-26 Medtronic Minimed, Inc. Method and system for detecting age, hydration, and functional states of sensors using electrochemical impedance spectroscopy
US20070169533A1 (en) 2005-12-30 2007-07-26 Medtronic Minimed, Inc. Methods and systems for detecting the hydration of sensors
US8114268B2 (en) 2005-12-30 2012-02-14 Medtronic Minimed, Inc. Method and system for remedying sensor malfunctions detected by electrochemical impedance spectroscopy
US7942844B2 (en) 2006-04-28 2011-05-17 Medtronic Minimed, Inc. Remote monitoring for networked fluid infusion systems
JP5121822B2 (ja) * 2006-05-08 2013-01-16 バイエル・ヘルスケア・エルエルシー バイオセンサ用異常出力検出システム
US7682338B2 (en) 2006-08-23 2010-03-23 Medtronic Minimed, Inc. Infusion medium delivery system, device and method with needle inserter and needle inserter device and method
US7828764B2 (en) 2006-08-23 2010-11-09 Medtronic Minimed, Inc. Systems and methods allowing for reservoir filling and infusion medium delivery
JP4582076B2 (ja) * 2006-10-03 2010-11-17 パナソニック株式会社 基質の定量方法
US20080125700A1 (en) 2006-11-29 2008-05-29 Moberg Sheldon B Methods and apparatuses for detecting medical device acceleration, temperature, and humidity conditions
US7946985B2 (en) 2006-12-29 2011-05-24 Medtronic Minimed, Inc. Method and system for providing sensor redundancy
US20080269714A1 (en) 2007-04-25 2008-10-30 Medtronic Minimed, Inc. Closed loop/semi-closed loop therapy modification system
US7963954B2 (en) 2007-04-30 2011-06-21 Medtronic Minimed, Inc. Automated filling systems and methods
US8323250B2 (en) 2007-04-30 2012-12-04 Medtronic Minimed, Inc. Adhesive patch systems and methods
US8197650B2 (en) 2007-06-07 2012-06-12 Sensor Innovations, Inc. Silicon electrochemical sensors
AU2008278640A1 (en) 2007-07-20 2009-01-29 F.Hoffmann-La Roche Ag Manually operable portable infusion device
US20120046533A1 (en) 2007-08-29 2012-02-23 Medtronic Minimed, Inc. Combined sensor and infusion sets
US20090270705A1 (en) 2008-04-28 2009-10-29 Medtronic Minimed, Inc. Automobile Physiological Monitoring System and Method for Using the Same
US20100025238A1 (en) 2008-07-31 2010-02-04 Medtronic Minimed, Inc. Analyte sensor apparatuses having improved electrode configurations and methods for making and using them
TWI393860B (zh) * 2008-12-24 2013-04-21 Mitac Int Corp 藉由辨識網頁資訊來導覽地理位置的方法與系統
US20100169035A1 (en) * 2008-12-29 2010-07-01 Medtronic Minimed, Inc. Methods and systems for observing sensor parameters
US8181849B2 (en) 2008-12-30 2012-05-22 Medtronic Minimed, Inc. Color detection system for detecting reservoir presence and content in device
JP5711141B2 (ja) * 2009-03-16 2015-04-30 アークレイ株式会社 基質濃度の連続測定方法
CN106053585A (zh) * 2009-05-12 2016-10-26 华广生技股份有限公司 一种判断样品布满状况的侦测方法
US8308679B2 (en) 2009-12-30 2012-11-13 Medtronic Minimed, Inc. Alignment systems and methods
US20110082356A1 (en) 2009-10-01 2011-04-07 Medtronic Minimed, Inc. Analyte sensor apparatuses having interference rejection membranes and methods for making and using them
US8660628B2 (en) 2009-12-21 2014-02-25 Medtronic Minimed, Inc. Analyte sensors comprising blended membrane compositions and methods for making and using them
US9921703B2 (en) 2012-11-27 2018-03-20 Guardian Glass, LLC Transparent conductive coating for capacitive touch panel with additional functional film(s)

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012154548A1 (en) 2012-11-15
US20120283538A1 (en) 2012-11-08
CA2832870A1 (en) 2012-11-15
EP2704633A1 (en) 2014-03-12
CN103648382A (zh) 2014-03-19
JP2014516658A (ja) 2014-07-17
CN103648382B (zh) 2016-01-20
US9008744B2 (en) 2015-04-14
EP2704633B1 (en) 2020-12-02
CA2832870C (en) 2021-05-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6087905B2 (ja) 連続的分析物監視のための方法および装置
US10327678B2 (en) Analyte sensor apparatuses comprising multiple implantable sensor elements and methods for making and using them
EP2339958B1 (en) Analyte sensor apparatuses having improved electrode configurations and methods for making and using them
JP5688971B2 (ja) 分離部位を使用するセンサと注入セットの組合せ
EP2548013B1 (en) Glucose sensor
JP5684825B2 (ja) 分析物センサシステム
JP6088064B2 (ja) 電圧を印加することによってセンサ機能を最適化する方法およびシステム
JP2013517102A (ja) センサと注入セットとの組み合わせ用の挿入デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6087905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250