JP6087421B2 - シンチレータ及び放射線検出器 - Google Patents

シンチレータ及び放射線検出器 Download PDF

Info

Publication number
JP6087421B2
JP6087421B2 JP2015501220A JP2015501220A JP6087421B2 JP 6087421 B2 JP6087421 B2 JP 6087421B2 JP 2015501220 A JP2015501220 A JP 2015501220A JP 2015501220 A JP2015501220 A JP 2015501220A JP 6087421 B2 JP6087421 B2 JP 6087421B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
scintillator
index layer
light
high refractive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015501220A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014128957A1 (ja
Inventor
今村 伸
伸 今村
俊一郎 信木
俊一郎 信木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Publication of JPWO2014128957A1 publication Critical patent/JPWO2014128957A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6087421B2 publication Critical patent/JP6087421B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/20Measuring radiation intensity with scintillation detectors
    • G01T1/2002Optical details, e.g. reflecting or diffusing layers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)

Description

本発明は、電離放射線、ガンマ線、及び電子線などの放射線により発光をするシンチレータと、シンチレータを用いて放射線を検出する放射線検出器に関する。
シンチレータ及び放射線検出器は、放射線計測が必要な装置に幅広く用いられている。放射線計測を行う装置の一例として、X線を人体などの対象物に照射し、透過したX線の位置及び強度を計測し対象物の断面画像を得るX線CT(Computed Tomography)装置が挙げられる。X線CT装置において、X線の検出は、X線の入射により発光する材料を有するシンチレータと、シンチレータの発光を測定する受光素子を組み合わせたものをアレイ状に並べた検出器を使用している。
また、放射線計測を行う装置の他の一例として、電子線をプローブとして試料上に照射し、それに伴って試料より発生する二次電子、もしくは反射電子を検出し、検出された強度からプローブ照射位置に関する情報を得る電子顕微鏡が挙げられる。電子顕微鏡において、電子線の検出は、電子線入射により発光するシンチレータと、シンチレータの発光を測定する受光素子を組み合わせた検出器を使用している。
なお、本発明におけるシンチレータとは、放射線の入射を光に変換可能な全てのものをシンチレータとしており、その変換する過程は問わない。また、変換するシンチレータの形状は問わず、粉体を膜状にしたもの、セラミック、単結晶、薄膜などどのような形状でもかまわない。たとえば、放射線により発光する材料を焼結しセラミックにしたものを任意の形状とし、その発光を用いる場合がある。また、粉体の蛍光体材料を基板上に膜状に塗布したものにより、その母体材料に含まれた発光中心からの発光をもちいる場合がある。また、基板上に薄膜を成長させ、その薄膜に放射線が入射することによる発光を用いる場合がある。また、半導体のバルクや薄膜を用いて、そのエキシトン励起による発光を用いる場合がある。
近年、検査における低被爆化、高精細化、低ノイズ化、スループット向上などの要求が大きく、シンチレータの大幅な発光出力増が必須となっている。シンチレータの発光出力を増大させる手法は多く提示されているが、多くは発光材料の変更が検討されている。
そのような中で、従来例として、シンチレータに樹脂などの層を形成し、良好な特性をもたらす技術が、特許文献1乃至4に開示されている。
これらのうち、特許文献1乃至3は、主にシンチレータから受光素子への出力光について、その境界面における反射光を抑制し受光素子へ入射する光量を増加させるものである。また、特許文献4は、境界面における反射光を抑制し受光素子へ入射する光量を増加させるとともにシンチレータ表面に保護層を形成するものである。
特開2010−169674号公報 特開2009−139373号公報 特開2009−210415号公報 特開2010−14666号公報
上記引用文献1〜4に記載されたシンチレータでは、発光出力の増加は、主にシンチレータと受光素子間の界面反射を低減することによる効果として得られる。一般的には、シンチレータと受光素子の間は、シンチレータより小さい屈折率を持つ樹脂などによる接合、もしくは間隙を挟み空気等の屈折率による接合となる。シンチレータと樹脂や、空気との屈折率の差異で考えれば、光の界面での反射による損失は多くても数%以下に留まり、界面反射の損失を全く無くすることができたとしても、発光出力増は必要とされる大幅な増加とはならない。さらに、挿入される層の膜質に発光出力が影響され、出力増加が不十分である。
本発明は、シンチレータの発光を外部に効率よく取り出し受光素子に入射させることにより、シンチレータの出力を大幅に増やし、優れた特性の放射線検出器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、放射線入射などのエネルギー注入によりにより発光するシンチレータにおいて、前記シンチレータにおける発光部の発光を取り出す面に、高屈折粒子を含んだ高屈折率層が形成されており、かつ、前記高屈折率層表面に、屈折率が前記高屈折率層の屈折率以下である中間屈折率層が形成されている構成である。また、そのような構成のシンチレータを用いる放射線検出器である。
本発明の他の特徴は、高屈折率層の屈折率が、前記発光部の屈折率以上であり、中間屈折率層の屈折率が、1.0以上、かつ高屈折率層の屈折率以下とする構成である。また、そのような構成のシンチレータを用いる放射線検出器である。
本発明のさらに他の特徴は、高屈折率層の屈折率が、1.5以上2.0以下であり、中間屈折率層の屈折率が、1.0以上、かつ高屈折率層の屈折率以下とする構成である。また、そのような構成のシンチレータを用いる放射線検出器である。
本発明のさらに他の特徴は、高屈折率層、及び中間屈折率層の少なくとも一方に高屈折粒子が含まれており、含まれる前記高屈折率粒子の屈折率が1.5以上で、かつ、粒径が粒径0.001〜100μmとする構成である。また、そのような構成のシンチレータを用いる放射線検出器である。
本発明により、シンチレータ及びこれを用いた放射線検出器において、発光部表面にシンチレータ内部の発光をシンチレータ外部に取り出す高屈折率層と中間屈折率層を有する発光抽出層を設け、シンチレータからの光が出力される界面でシンチレータ内に閉じ込められる光を効率よく取り出すことができ、発光出力を大幅に増加することができる。
本発明の実施例1の放射線検出器を示す模式図。 本発明の実施例1のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例1のシンチレータ特性を示すグラフ。 本発明の実施例1のシンチレータ特性を示すグラフ。 従来例のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例2のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例3のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例4のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例5のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例5の放射線検出器を示す模式図。 本発明の実施例6のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例6の放射線検出器を示す模式図。 本発明の実施例7のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例8のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例8の応用例のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例9のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例10のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例10の放射線検出器を示す模式図。 本発明の実施例11の放射線検出器を示す模式図。 本発明のシンチレータ発光部表面を示す説明図。 本発明のシンチレータ発光部表面を示す説明図。 本発明のシンチレータ発光部表面を示す説明図。 本発明のシンチレータ発光部表面を示す説明図。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本明細書でのシンチレータとは、放射線(X線、電子線、ガンマ線、他)を入射して発光する素子全般を指すものとする。本発明は、蛍光体粉体などの無機粉体を用いたもの、粉体を焼結したセラミック、融液成長による単結晶、電子の入射で発光する半導体素子などのシンチレータにおいて、発光原理や形態によらず適用可能である。本明細書におけるシンチレータは、それらの様々な素子全てを含むものとする。
シンチレータを構成する各層の材料には、従来から使用されている公知のものを適宜使
用することができる。
シンチレータ材には、CWO(CaWO4)やGOS(Gd2O2S:Pr)、BGO(Bi4Ge3O12)、YGAG((Y,Gd)3(Ga,Al)5O12:Ce)などのセラミックを用いることができる。セラミックであるのでダイアモンド砥石等による機械加工ができ、小型で高精度なシンチレータ素子が得られる。光反射材の形成も真空製膜や白色の金属化合物粉末と樹脂の混練材の塗布等の方法を取る事ができる。真空蒸着やスパッターでアルミニウム等の薄膜を形成ことや、酸化チタンや亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛等の金属化合物の白色粉末をエポキシ樹脂等に混練し、塗布、乾燥させて形成することもできる。また、上記材料の単結晶を用いても同様に使用可能である。
また、別なシンチレータの構成として、シンチレータの発光を透過させる基板上に、シンチレータの材料が塗布された構造を持つものも使用可能である。具体的には、YSO(Y2SiO5:Ce) や、YAG(Y3Al5O12:Ce)などのシンチレータ材料の粉体を、アクリル樹脂などの基板上に塗布した構造をもつシンチレータである。作製方法の例は、粉体は水沈降法により基板上に膜形状となるように塗布し作製する。寸法の例としては、基板は10φ及び20φの円盤状であり、粉体膜の厚さは10〜40μmの範囲の厚さのものなどが使用可能である。さらに、この粉体膜上に、Alの薄膜を40〜80nmの厚さの範囲で蒸着により形成し、電子入射時の帯電防止としたものが使用可能である。但し、上記の作製方法、形状、及び寸法は一例であり、シンチレータの作製方法、形状、及び寸法は、上記に限らずどのようなものでも本発明において効果がある。
また、別なシンチレータの構成として、Ga1-x-yAlxInyN (但し0≦x<1、0≦y<1)で表される組成よりの発光を用いるシンチレータを使用可能である。構造及び作製方法の例は、サファイア基板上にGaNバッファ層を成長させ、その上にGa1-x-yAlxInyNの層を、組成を変えて多数の層を成長させ、さらにその上にキャップ層としてGaNの層を成長させた構造が使用可能である。仕様の例としては、基板は10φの円盤状であり、バッファ層の厚さは1〜10μmの範囲の厚さであり、多層構造はGaInNとGaNが交互に6周期〜30周期の範囲で重なったものであり、その厚さは20nm〜500nmの範囲であり、キャップ層の厚さが10nm〜100nmの範囲のものなどが使用可能である。さらに、この構造上に、Alの薄膜を40〜80nmの厚さの範囲で蒸着により形成し、電子入射時の帯電防止としたものが使用可能である。但し、上記の作製方法、形状、及び寸法は一例であり、シンチレータの作製方法、形状、及び寸法は、上記に限らずどのようなものでも本発明において効果がある。
放射線検出器における受光素子としては、シリコンフォトダイオードやGaAsPフォトダイオード、Geフォトダイオードを用いることができる。また、光電子増倍管を使用することができる。シンチレータ材により発光中心波長が異なるので、発光中心波長近傍で高感度な受光素子を選定することが良い。
シンチレータ素子と受光素子の間は、エポキシ樹脂等で密着させた構造が可能である。また、シンチレータの発光の少なくとも一部を透過する材料で作成したライトガイドを介して、受光素子に発光を導光する構造が可能である。ライトガイドの例としては、材質はアクリル樹脂や、石英ガラス等であり、形状は、長さが5〜20cmの範囲で、直径が10φ及び20φの円筒状のものであるものが使用可能である。但し、上記の材質、形状、及び寸法は一例であり、上記に限らずどのような材質、及び形状ものでも本発明において効果がある。
以下本発明を図面を参照しながら実施例に基づいて詳細に説明する。説明を判り易くす
るため、同一の部品、部位には同じ符号を用いている。
本発明の実施例1のシンチレータについて以下説明する。図1は、実施例1のシンチレータSの模式図である。シンチレータ発光部1はGOS(Gd2O2S:Pr)を用いた。シンチレータ発光部1の表面に、放射線による発光を取り出す高屈折率層2を設ける。さらに、中間屈折率層8を設ける。高屈折率層2は、屈折率1.6〜1.8の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。7は受光素子である。
高屈折率層2には、高屈折粒子3が分散されている。ここでは、高屈折粒子3として粒径1〜5μm程度のBaTiO3を用いた。高屈折率層2の膜厚は2μm〜10μmの範囲とした。
図2は、シンチレータに高屈折率層2及び高屈折粒子3を形成し、受光素子7を接合した放射線検出器Dの模式図である。高屈折率層2は樹脂等による層でもよく、間隙として空気層や真空層としてもよい。高屈折粒子3は高屈折率層2の内部で光散乱粒子として機能する。本発明において、高屈折粒子3の粒径は例えば0.001μm〜100μmの範囲のものを用いることができる。
図3Aは高屈折率層2の屈折率と、発光出力の関係を示すグラフである。高屈折率層2の屈折率が高いほど発光出力は増加する。シンチレータSと受光素子7を中間屈折率層8で固着して接合している。中間屈折率層8の屈折率は1.5前後のものを用いた。中間屈折率層8の層厚はここでは数μm以下である。ただし、本発明ではこれに限らず様々な膜厚をとることが可能である。
図3Bは、本発明の発光出力の高屈折粒子3の重量濃度 (分散粒子濃度) 依存性を示すグラフである。高屈折率層2に分散した高屈折粒子3の重量濃度を変更し、受光素子によって検出された発光出力の変化を調べた。高屈折粒子3の重量濃度は粒子を含む高屈折率層2の重量に対する、高屈折粒子3の重量が占める割合(wt%)によりあらわす。図3Bは、従来例の光出力を1とした、相対発光出力の依存性を示している。
本発明の発光出力は、高屈折率層2及び高屈折粒子3を形成していない従来例の発光出力を基準として比較した。図3Bより、本発明において、適切な分散粒子濃度とした場合、発光出力は従来例の1.7倍近くとなっており、本発明によってシンチレータSは大幅に発光出力が増加することがわかる。図4は従来例の放射線検出器の模式図である。
実施例1の原理を以下に記す。シンチレータ材料は一般的に屈折率が高く、例えばGOSの屈折率は2.2程度である。シンチレータを用いた検出器は、このような高屈折率の発光を効率的に取出し、受光素子に入射させる必要がある。通常、受光素子の表面は、ガラスや樹脂で覆われており、屈折率は一般的に1.5前後である。また、空気や真空の屈折率はほぼ1である。
シンチレータの発光は、シンチレータ材料からガラス、樹脂、空気中、または真空中などに取り出され、受光素子に入射する。このとき、光は高い屈折率の材料からそれより低い屈折率の材料に取り出されるが、このような場合は、一定以上の角度の光では全反射が生じて取り出せない。例えば屈折率2.2のGOSから真空中に取り出す場合は、27°程度以上の角度でGOS内部から真空中へ出ようとする光は、全て全反射となり取り出せない。これを全周で積分すると、取り出せずに全反射する光は全体の95%程度となり、ほとんどの光は取り出せずに内部に閉じ込められる。
実施例1の高屈折率層2は、このように従来シンチレータ内部に閉じ込められていた光を取り出すことで、発光出力を増加させる効果を持つ。図2における放射線検出器Dにおいて、受光素子との中間屈折率層8が、屈折率1.5の樹脂である場合を例として説明する。中間屈折率層8は、シンチレータ発光部1と高屈折率層2の中間の屈折率を持つ。実施例1では高屈折率層2の屈折率は1.7程度とする。屈折率1.7の高屈折率層2への屈折率2.2のシンチレータ発光部1からの光取り出しは、屈折率1.5の中間屈折率層8へ直接取り出すより大幅に大きい。それは、屈折率差が小さいため全反射角度が大きくなり、全反射する発光が少なくなるためである。
このように、高屈折率層2へ取り出された光は多いが、これをさらに中間屈折率層8へ取り出そうとすると、ここでも全反射が生じることになり、そのまま接合すれば最終的に大きな発光出力とはならない。
実施例1は、この中間屈折率層8への取出し量を増加させるために、高屈折率層2において、高屈折率層2内にさらに高屈折粒子3を分散させる。このような構成とすることで、高屈折率層2に取り出された光は、高屈折粒子3で散乱し、角度が変化する。その結果、全反射以上の角度の光も、角度が変化し、取出しが可能となる。また、それでも取り出せなかった光は、高屈折率層2内で反射を繰り返す間に、高屈折粒子3で角度が変化し、何回か反射を繰り返す間に取り出せる角度となり、いつかは中間屈折率層8へ取り出せる。もし、高屈折粒子3がない場合は、反射を繰り返しても角度が変化しないため、中間屈折率層8へは取り出せない。このように、高屈折粒子3によって取り出せる光を増加させ、発光出力を大きくすることが、本発明の効果である。
ここで、光を散乱させるためには、高屈折粒子3は高屈折率層2と屈折率差があることが必要である。ここで用いた高屈折粒子3のBaTiO3の屈折率は2.4前後であり、高屈折率層2との屈折率差は大きく、効果が大きい。
また、高屈折率層の材質は、さまざまなものを用いることができ、理想的なものは、取出したい波長の光に対し透明で、屈折率が十分大きなものである。一方、熱硬化性樹脂や、紫外線硬化樹脂を用いると、製造工程の簡便化を図ることができる。しかし、このような樹脂は、十分に高い屈折率を持たせることは難しい。高屈折率層を得るためには、取出したい光の波長より十分小さい粒径(例えば、可視光に対しては数十nm以下)の高屈折率微粒子を樹脂に混合することで樹脂層の高屈折率化が可能である。このような粒子は、前記した散乱による光取り出しを行う粒子とは別に混合してもよい。このような粒子の材質の例としては、Zr2O3や、BaTiO3の微粒子などが挙げられるが、屈折率が十分高ければ、どのような材料も用いることが可能である。
このような手法を用いるとき、屈折率を高くするために、高屈折微粒子を高濃度に混合、例えば体積比で50%以上まで高屈折率微粒子を混合する場合がある。そのとき、樹脂を硬化させる際に樹脂は体積変化が生じるが、高屈折率微粒子はほとんど変化がないため、高屈折率膜にしわなどの表面の荒れが生じることがある。このような表面の荒れは光を取り出す際に散乱などの損失の要因となり不利となる。
このような高屈折粒子の荒れが生じた場合に、特に中間屈折率層として、粒子混合の少ない、荒れのない層を形成することによって、光取り出しをさらに改善することが可能である。本発明の中間屈折率層は、このような場合に特に効果が大きい。
上記した高屈折率層の例として、図19A〜19Dに、シンチレータ発光部表面の光学的顕微鏡像を示す。
図19Aは、高屈折率微粒子を25体積%含有しし、n=1.7の高屈折率層とした実施例、図19Bは、高屈折率微粒子を35体積%含有しn=1.73の高屈折率層とした実施例、図19Cは、高屈折率微粒子を55体積%含有しn=1.76の高屈折率層とした実施例、図19Dは、高屈折率層の表面にn=1.6の中間屈折率層を形成し、高屈折率微粒子を0体積%含有した実施例を示す。これらの光学顕微鏡像で示した例では、高屈折率微粒子として、粒径0.05μm以下のZr2O3粒子を用いているが、本発明では他の材質を用いることも可能である。
図19A→19Cにつれて、高屈折率微粒子の含有量増加に従い、表面の荒れが生じ、膜質が低下している。これに対し、図19Dに示すように表面に中間屈折率層を形成すると、シンチレータ発光部の表面の荒れ、膜質低下を大幅に低減できる。
ここで、前記した、本発明における高屈折率層及び中間屈折率層に混合する粒子について、まとめて明記しておく。これらの層には、光散乱を生じさせ光取り出しを行うために、該当する層の屈折率と異なる屈折率を持つ、粒径が100μm以下の粒子を含めることが効果的である。また、これらの層には、屈折率層を高めるために、0.001μm以上の粒径の高屈折率微粒子を混合することが効果的である。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層を形成し、セル状に分割した構造とした場合も、本発明は同様の効果を示した。
本実施例で示した屈折率や粒径などの条件は、さまざまな検討の結果により導き出されたものである。これらは、以下に示される本発明の実施例においても同様である。
本発明の実施例2のシンチレータについて以下説明する。図5は実施例2のシンチレータSの模式図である。ここでは、高屈折率層2で、高屈折粒子3Aとして粒径1〜5μm程度のZr2O3を用いた点が実施例1と異なる。その他の構成や仕様は実施例1とほぼ同様である。
実施例2のシンチレータを、実施例1と同様に、シンチレータと受光素子を接合し、放射線検出器を構成した。各層の特性などは実施例1に準じる。
実施例2の発光出力を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例2の効果の原理は実施例1とほぼ同じである。ここで高屈折粒子3AであるZr2O3の屈折率は1.9程度であり、高屈折率層2との屈折率差は大きく、十分な効果を持つことが示された。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例3のシンチレータについて以下説明する。図6は、実施例3のシンチレータSの模式図である。高屈折率層2で、高屈折率層2において、シンチレータ発光部1表面に隣接する高屈折率層2に微小粒子4を配置している点が実施例1と異なる。その他の構成や仕様は実施例1とほぼ同様である。
実施例3では、シンチレータ発光部1の表面に微小粒子4を形成した。ここでは、高屈折粒子として微小粒子4に粒径100nmのBaTiO3を用いた。さらに、高屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。このシンチレータSに実施例1と同様に、シンチレータと受光素子を接合し、放射線検出器を構成した。各層の特性などは実施例1に準じる。
実施例3の発光出力を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例3の原理を以下に記す。実施例3では、シンチレータ発光部1の表面に、微小粒子4を形成したことで、高屈折率層2への光取出しを増加させている。シンチレータ発光部1から高屈折率層2へ光が入射するところで全反射が起こるが、この全反射光は極わずかな距離ながら高屈折率層2への光の浸み出しが生じている。このような光はevanescent光として知られている。シンチレータ発光部1の表面に微小粒子4を形成することで、このevanescent光を散乱させ、高屈折率層2へ取り出すことが可能である。これにより、高屈折率層2へ取り出される光量が増加し、さらに接合層への光量も増加し、受光素子への発光出力も増加する。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例4のシンチレータについて以下説明する。図7は、実施例4のシンチレータSの模式図である。高屈折率層2において、シンチレータ発光部1表面に突起状構造5を形成している点が実施例1と異なる。製造方法や概略寸法は実施例1と同じである。
シンチレータ発光部1表面に構造ピッチ10〜1000nmかつ構造高さ10〜10000nmの突起状構造5が連続的に形成されている。ここでは、ピッチを300〜500nm、構造高さを300〜500nmとした。さらに、高屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。シンチレータ発光部と受光素子を接合層で固着し、放射線検出器を得た。接合層の接着層厚は数μm以下である。実施例4の光出力の変化を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例4の原理を以下に記す。実施例4の所定のサイズで形成した突起状構造は、通常のシンチレータによる発光の波長には、連続的に屈折率が変化した層としての効果を持つ。そのため、急峻な屈折率を持つ界面がなくなり、反射を大幅に低減する。また、光を回折させ、角度を変化させる働きを持つ。そのため、第1の実施例の高屈折粒子のように、全反射による光の閉じ込めを低減することができる。これらにより、高屈折率層2へ取り出される光量が増加し、さらに中間屈折率層8への光量も増加し、受光素子7への発光出力も増加する。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例5のシンチレータについて以下説明する。図8は、実施例5のシンチレータSの模式図である。高屈折率層2は、基板6と突起状構造5を有する。シンチレータ発光部1が基板6上に形成されており、基板6の両側の表面に突起状構造5を形成している点が実施例1と異なる。製造方法や概略寸法は実施例1と同じである。
図9は、図8のシンチレータSと受光素子7を接合し、受光素子7側に高屈折粒子3を有する高屈折率層2を形成した放射線検出器Dの模式図である。
図8、9において、シンチレータ発光部1が形成されている基板6の両側の表面に構造ピッチ10〜1000nmかつ構造高さ10〜10000nmの突起状構造5が連続的に形成されている。ここでは、ピッチを300〜500nm、構造高さを300〜500nmとした。さらに、高屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。シンチレータSと受光素子7を中間屈折率層8で固着し、放射線検出器Dを得た。中間屈折率層8の接着層厚は数μm以下である。
実施例5の光出力の変化を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例5の原理を以下に記す。実施例5で用いた基板6は、サファイア基板、ガラス基板、石英基板、及び樹脂基板のいずれかを用いた。基板6に、本実施例の所定サイズで形成した突起状構造は、通常のシンチレータによる発光の波長には、連続的な屈折率変化層としての効果を持つ。そのため、急峻な屈折率を持つ界面がなくなり、反射を大幅に低減する。また、光を回折させ、角度を変化させる働きを持つ。そのため、実施例1の高屈折粒子のように、全反射による光の閉じ込めを低減することができる。
基板6は、シンチレータ発光部1と一つの面で接合し、また、高屈折率層2に他の面で接合している。基板6の屈折率は、シンチレータ発光部1の屈折率とも、高屈折率層2の屈折率とも異なる場合が多い。そのため、通常は、両方の面で、界面の反射及び全反射による光閉じ込めが生じる。実施例5では、両方の面に上記構造を形成することにより、両方の面での界面反射及び光閉じ込めを低減できる。これらにより、高屈折率層2へ取り出される光量が増加し、さらに中間屈折率層8への光量も増加し、受光素子7への発光出力も増加する。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例6のシンチレータについて以下説明する。図10は実施例6のシンチレータSの模式図である。シンチレータ発光部1Bの材料をYAGに替えた点が、実施例1と異なる主な点である。高屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。高屈折率層2で、高屈折率層2には高屈折粒子3Bが分散されている。ここでは、高屈折粒子3Bとして粒径1〜5μm程度のBaTiO3を用いた。高屈折率層2の膜厚は2μm〜10μmの範囲とした。
図11は、シンチレータSに高屈折率層2及び高屈折粒子3Bを形成し、受光素子7を接合した放射線検出器Dの模式図である。シンチレータ発光部1と受光素子7を中間屈折率層8で固着して接合している。中間屈折率層8の屈折率は1.5前後のものを用いた。中間屈折率層8の層厚は数μm以下である。
高屈折率層2に分散した高屈折粒子3の重量濃度を変更し、光出力の変化を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例6での原理は、実施例1で説明した原理と同様である。YAGの屈折率も、1.8〜1.9と高いため、同様の効果により発光強度が増加する。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例7のシンチレータについて以下説明する。図12は実施例7のシンチレータSを示す模式図である。シンチレータ発光部1Cの材料をGaNを含む量子井戸層による発光素子に替えた点が、実施例4と異なる点である。
実施例7のシンチレータ発光部1Cの構造及び作製方法として、サファイア基板上にGaNバッファ層を成長させ、その上にGa1-x-yAlxInyNの層を、組成を変えて多数の層を成長させ、さらにその上にキャップ層としてGaNの層を成長させた。
サファイヤ基板は10φの円盤状であり、バッファ層の厚さは1〜10μmの範囲の厚さであり、多層構造はGaInNとGaNが交互に6周期〜30周期の範囲で重なったものであり、その厚さは20nm〜500nmの範囲であり、キャップ層の厚さが10nm〜100nmの範囲とした。さらに、この構造上に、Alの薄膜を40〜80nmの厚さの範囲で蒸着により形成し、電子入射時の帯電防止とした。
シンチレータ発光部1C表面、すなわち、上記サファイア基板表面に、構造ピッチ10〜1000nmかつ構造高さ10〜10000nmの突起状構造5が連続的に形成されている。ここでは、ピッチを300〜500nm、構造高さを300〜500nmとした。さらに、高屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。
シンチレータと受光素子を接合層で固着し、放射線検出器を得た。接合層の接着層厚は数μm以下である。本実施例の光出力の変化を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例7での発明の原理は、実施例4で説明した原理と同様である。
本発明の実施例8のシンチレータについて以下説明する。図13は、実施例8のシンチレータSの模式図である。高屈折率層2の表面に、微小粒子9を形成している点が実施例3と異なる。その他の構成や仕様は実施例1とほぼ同様である。
高屈折率層2の表面に微小粒子9を形成した。ここでは、高屈折粒子として粒径100nmのBaTiO3を用いた。高屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。実施例1と同様に、シンチレータと受光素子を接合し、放射線検出器を構成した。各層の特性などは実施例1に準じる。実施例8の発光出力を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例8の原理を以下に記す。実施例8では、高屈折率層2の表面に、微小粒子9を形成したことで、高屈折率層2からの光取出しを増加させている。光取出しが増加する原理は、実施例3と同様である。これにより、高屈折率層2へ取り出された光が、中間屈折率層8へ取り出される光量が増加し、受光素子7への発光出力も増加する。
また、このような構造とした場合、微小粒子9はシンチレータ外部にあり、はがれやすいなどの不都合が生じる場合がある。そのような場合には、応用例として図14に示すように、微小粒子9を保護層10で覆う構造も可能である。その場合、保護層10は、中間屈折率層8に屈折率が近い樹脂等で形成すれば効果的である。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例9のシンチレータについて以下説明する。図15は、実施例9のシンチレータSの模式図である。高屈折率層2において、高屈折粒子3が分散されており、かつ、シンチレータ発光部表面に、微小粒子4を形成している点が実施例1と異なる点である。その他の構成や仕様は実施例1とほぼ同様である。
高屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。高屈折率層2には、高屈折粒子3Bが分散されている。ここでは、高屈折粒子3として粒径1〜5μm程度のBaTiO3を用いた。高屈折率層2の膜厚は2μm〜10μmの範囲とした。さらに、シンチレータ発光部1の表面に微小粒子4を形成した。ここでは、光散乱粒子として微少粒子4に粒径100nmのBaTiO3を用いた。実施例1と同様に、シンチレータと受光素子を接合し、放射線検出器を構成した。各層の特性などは実施例1に準じる。実施例9の発光出力を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例9の原理は、実施例1、及び実施例3の両者の原理を併せ持つものである。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例10のシンチレータについて以下説明する。図16は、実施例10のシンチレータSの模式図である。高屈折率層2において、高屈折粒子3が分散されており、かつ、シンチレータ発光部1表面に、微小粒子4を形成しており、かつ、高屈折率層2の表面に、微小粒子9を形成している点が実施例1と異なる。その他の構成や仕様は実施例1とほぼ同様である。10は保護層である。
本発明の実施例10のシンチレータについて以下説明する。シンチレータ発光部1はGOS(Gd2O2S:Pr)を用いた。高屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。高屈折率層2には、高屈折粒子3Bが分散されている。ここでは、高屈折粒子3Bとして粒径1〜5μm程度のBaTiO3を用いた。高屈折率層2の膜厚は2μm〜10μmの範囲とした。かつ、シンチレータ発光部1の表面に微小粒子4を形成した。ここでは、光散乱粒子として粒径100nmのBaTiO3を用いた。かつ、高屈折率層2の表面に微小粒子9を形成した。ここでは、光散乱粒子として粒径100nmのBaTiO3を用いた。
図17は、実施例10のシンチレータSに受光素子7を接合した放射線検出器Dの模式図である。シンチレータと受光素子7を中間屈折率層8で固着して接合している。中間屈折率層8の屈折率は1.5前後のものを用いた。中間屈折率層8の層厚は数μm以下である。実施例9の発光出力を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
本発明の原理は、実施例1、実施例3、及び実施例8の全ての原理を併せ持つものである。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例11のシンチレータSを有する放射線検出器について以下説明する。図18は実施例11の放射線検出器Dを示す模式図である。シンチレータ発光部1Cの材料をGaNを含む量子井戸層による発光素子を用い、かつ、基板6の両側の表面に突起状構造5を形成している点が実施例7と異なる。また、放射線検出器Dにおいて、シンチレータSと受光素子7の接合を、ライトガイド11を介して行っている。
実施例11のシンチレータの構造及び作製方法として、サファイア基板上にGaNバッファ層を成長させ、その上にGa1-x-yAlxInyNの層を、組成を変えて多数の層を成長させ、さらにその上にキャップ層としてGaNの層を成長させた。基板は10φの円盤状であり、バッファ層の厚さは1〜10μmの範囲の厚さであり、多層構造はGaInNとGaNが交互に6周期〜30周期の範囲で重なったものであり、その厚さは20nm〜500nmの範囲であり、キャップ層の厚さが10nm〜100nmの範囲とした。さらに、この構造上に、Alの薄膜を40〜80nmの厚さの範囲で蒸着により形成し、電子入射時の帯電防止とした。
図18では、シンチレータSと受光素子7を、ライトガイド11を介して接合している。ここで、ライトガイド11の材質は、ガラス、石英、もしくはアクリル等の樹脂を用いた。形状は、長さが5〜20cmの範囲で、直径が10φの円筒状のものを用いた。
シンチレータ発光部が形成されている基板6の両側の表面に構造ピッチ10〜1000nmかつ構造高さ10〜10000nmの突起状構造5が連続的に形成されている。ここでは、ピッチを300〜500nm、構造高さを300〜500nmとした。また、ここでは、高屈折率層2は形成せず、ライトガイド11の一端に直接シンチレータSを接合し、もう一端に受光素子7の受光部を接合し、放射線検出器Dを得た。
受光素子7の光出力の変化を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。実施例11での本発明の原理は、実施例5で説明した原理と同様である。
1、1B、1C シンチレータ発光部,2 高折率層,3、3A、3B 高屈折粒子,4 微小粒子(発光部表面),5 突起状構造,6 基板,7 受光素子,8 中間屈折率層,9 微小粒子(高屈折率層表面),10 保護層,11 ライトガイド,S シンチレータ,D 放射線検出器

Claims (16)

  1. 放射線射により発光するシンチレータにおいて、
    前記シンチレータの発光を取り出す発光部表面に、光散乱粒子を含んだ高屈折率層を備え、かつ、前記高屈折率層表面に屈折率が前記高屈折率層の屈折率以下である中間屈折率層を備え、
    前記光散乱粒子は、前記高屈折率層と屈折率が異なる材料で形成されていることを特徴とするシンチレータ。
  2. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、
    前記高屈折率層は、屈折率が前記発光部の屈折率以上であり、
    前記中間屈折率層は、屈折率が1.0以上であることを特徴とするシンチレータ。
  3. 請求項1又は2に記載のシンチレータにおいて、
    前記高屈折率層は、屈折率が1.5以上2.0以下であり、
    前記中間屈折率層は、屈折率が1.0以上であることを特徴とするシンチレータ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシンチレータにおいて、
    前記中間屈折率層には、前記光散乱粒子が含まれており、
    前記光散乱粒子は、屈折率が1.5以上で、かつ粒径が0.001〜100μmであることを特徴とするシンチレータ。
  5. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、
    前記光散乱粒子は、粒径0.001〜100μmであることを特徴とするシンチレータ。
  6. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、
    前記高屈折率層内には、連続的に形成された構造ピッチ10〜1000nmかつ構造高さ10〜10000nmの突起状構造を有することを特徴とするシンチレータ。
  7. 請求項1に記載のシンチレータにおいて
    記発光部が一方の表面に形成された基板と、
    前記基板の他方の表面に設けられ前記高屈折率層と、
    前記基板の両面に連続的に形成された構造ピッチ10〜1000nmかつ構造高さ10〜10000nmの突起状構造を有することを特徴とするシンチレータ。
  8. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、
    前記高屈折率層、前記発光部表面に配置されるとともに前記発光部と屈折率が異なる材料により形成された粒径10〜500nmの微粒子を有することを特徴とするシンチレータ。
  9. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、
    前記中間屈折率層、前記高屈折率層表面に設けられるとともに前記高屈折率層と屈折率が異なる材料により形成された粒径10〜500nmの微粒子を有することを特徴とするシンチレータ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシンチレータにおいて、
    記発光部、Gd 2O2S:Pr、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce、及びCaWO4で表される組成を持つ材料のうち少なくとも一つを含むことを特徴とするシンチレータ。
  11. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシンチレータにおいて、
    記発光部、GaNを含む薄膜で形成されていることを特徴とするシンチレータ。
  12. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシンチレータにおいて、
    記発光部、Y2SiO5:Ce、及びYAlO4:Ceで表される組成を持つ材料のうち少なくとも一つを含むことを特徴とするシンチレータ。
  13. 請求項1に記載のシンチレータにおいて
    光散乱粒子、ZrO2、BaTiO3及びTiO2で表される組成を持つ材料のうち少なくとも一つを含むことを特徴とするシンチレータ。
  14. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、
    記高屈折率層、及び前記中間屈折率層、少なくとも一部にエポキシ樹脂、又はアクリル樹脂を含むことを特徴とするシンチレータ。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載のシンチレータと、受光素子を有することを特徴とする放射線検出器。
  16. 請求項15に記載の放射線検出器であって、
    前記受光素子は、光電子増倍又はフォトダイオードであることを特徴とする放射線検出器。
JP2015501220A 2013-02-25 2013-02-25 シンチレータ及び放射線検出器 Active JP6087421B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/054730 WO2014128957A1 (ja) 2013-02-25 2013-02-25 シンチレータ及び放射線検出器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014128957A1 JPWO2014128957A1 (ja) 2017-02-02
JP6087421B2 true JP6087421B2 (ja) 2017-03-01

Family

ID=51390780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015501220A Active JP6087421B2 (ja) 2013-02-25 2013-02-25 シンチレータ及び放射線検出器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6087421B2 (ja)
WO (1) WO2014128957A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102257730B1 (ko) 2020-05-13 2021-05-28 한국과학기술연구원 건물건축에 쓰이는 파이프용 용제형 접착제 조성물

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2539245A (en) 2015-06-11 2016-12-14 Iq Structures Sro Optical elements
US9759883B1 (en) * 2016-03-14 2017-09-12 Applied Materials Israel Ltd. Optical module and a detection method
US20230184704A1 (en) * 2020-06-10 2023-06-15 Hitachi High-Tech Corporation Scintillator and charged particle radiation apparatus
CN113805218A (zh) * 2020-06-11 2021-12-17 上海大学 X射线成像探测器用倍半氧化物透明陶瓷闪烁屏及其应用

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003084067A (ja) * 2001-09-10 2003-03-19 Hitachi Medical Corp X線検出器及びこれを用いたx線ct装置
JPWO2007029492A1 (ja) * 2005-09-05 2009-03-19 コニカミノルタエムジー株式会社 放射線像変換パネル
JP2009210415A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Hitachi Metals Ltd 放射線検出器
JP2009222578A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Toshiba Corp X線固体検出器、x線固体検出方法及びx線ct装置
JP2010025780A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Fujifilm Corp 放射線変換シートおよび放射線画像検出装置
JP5460572B2 (ja) * 2010-12-27 2014-04-02 富士フイルム株式会社 放射線画像検出装置及びその製造方法
JP2012168059A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Fujifilm Corp 放射線画像検出装置
JP5398773B2 (ja) * 2011-04-07 2014-01-29 富士フイルム株式会社 放射線検出装置
JP2012242355A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Fujifilm Corp 放射線検出装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102257730B1 (ko) 2020-05-13 2021-05-28 한국과학기술연구원 건물건축에 쓰이는 파이프용 용제형 접착제 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2014128957A1 (ja) 2017-02-02
WO2014128957A1 (ja) 2014-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6101443B2 (ja) シンチレータ及びこれを用いた放射線検出器
JP6087421B2 (ja) シンチレータ及び放射線検出器
JP5587788B2 (ja) 複合樹脂におけるシンチレータを備えた放射線感受性検出器
US6784432B2 (en) X-ray detector module
WO2003083513A1 (fr) Detecteur de rayons x
JP4208687B2 (ja) イメージセンサ
JP2012002627A (ja) 放射線検出用二次元アレイ型シンチレータ
US7586252B2 (en) Phosphor screen and imaging assembly
JPWO2007105288A1 (ja) 放射線検出装置
JP2008026013A (ja) シンチレータパネルおよび放射線検出器
US10281591B2 (en) Ceramic scintillator array, X-ray detector, and X-ray inspection device
WO2016047139A1 (ja) シンチレータ、シンチレータアレイ、放射線検出器、および放射線検査装置
JP2009210415A (ja) 放射線検出器
JP2011232197A (ja) シンチレータパネル及び放射線画像検出装置
WO2011111551A1 (ja) シンチレータ
JP2017529408A (ja) テクスチャー化フォトニック層を含む発光性材料
US10459090B2 (en) Apparatus for detecting radiation and method of providing an apparatus for detecting radiation
US11914083B2 (en) Dosimeter
JPH10160852A (ja) 放射線検出器
JP2024030321A (ja) シンチレータ構造体およびシンチレータの評価方法
JP2005233891A (ja) 放射線像変換パネル
JP2018009803A (ja) シンチレータパネル
ROCCHI Gilardoni spa X-ray baggage scanning system: review, MCNP modeling and improvement proposal
JP2015190916A (ja) 蛍光体スクリーン及びフラットパネルディテクター
CN110687568A (zh) 一种镀有增反膜和特殊出光面的掺钠碘化铯闪烁晶体辐射探测器

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6087421

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350