JP6086349B2 - 有機顔料水性分散体組成物の製造方法およびインクジェットインク組成物の製造方法 - Google Patents

有機顔料水性分散体組成物の製造方法およびインクジェットインク組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機顔料水性分散組成物およびインクジェットインク組成物に関する。
インクジェットプリンターは、微細なノズルヘッドからインク液滴を吐出して、文字や画像を紙などの記録媒体の表面に記録するプリンターであり、非接触で記録することにより、普通紙をはじめ多種多様な記録媒体にフルカラーで印刷版をおこすことなくオンデマンドで容易に印刷可能であることから、民生向け、オフィス向けに広く普及している。
水性インクジェットプリンター用インク組成物(インクジェットインク組成物)の水性着色材としては主に染料と顔料の二つが用途に応じて使い分けられており、染料は階調性に優れ高解像度の画像形成がしやすい反面、顔料と比べて耐光性に劣り実用上問題がある。これに対して顔料は染料に対して分散性は劣るが、耐水性、耐光性が極めて優れており、分散技術の進歩により水性顔料インクが数多く提供されてきている。
例えば、特許文献1(特開平08−003498号公報)においては、顔料の表面を親水化して水性媒体に対する分散性を向上させた水性黒色顔料インク組成物が提案されているが、特許文献1記載のインク組成物は、普通紙に印字した場合に紙の内部にインク組成物が浸透してしまい、画像濃度が低下したり、裏移りが生じていた。
また、顔料は、粒子間の凝集力に比べて他の物質、例えば有機高分子、水および有機溶剤等との親和性が弱いために、通常の混合または分散条件では、均一に混合または分散することが極めて困難であるため、顔料表面に、各種の界面活性剤や樹脂等からなる分散剤を吸着させ、顔料表面全体を該分散剤で被覆して、固体状または液体状の他成分との親和性を高めることにより、顔料の分散性を改良する検討が数多くなされている(例えば、特許文献2(特開平08−218015号公報)参照)。
しかしながら、近年、印刷速度の高速化に伴って単位時間あたりのインク吐出量が増える傾向にあるため、紙の乾燥が追いつかず、紙のカールを生じ易くなっている。この紙のカールを防ぐためにインク中の水溶性高沸点有機溶剤量を増やす方向にあるが、このようなインクにおいて、表面を分散剤で被覆した顔料は、顔料を被覆する樹脂が膨潤し、顔料から樹脂が剥がれ、顔料の分散安定性が保たれないという技術課題が生じていた。
特開平08−003498号公報 特開平08−218015号公報
ところで、インクジェットプリンターは、印刷速度の高速化により産業用途にも使用されはじめており、民生用に用いられるシリアルヘッドでは印刷速度が遅いため、産業用途においてはラインヘッドが使用されている。
ヘッドが固定されているラインヘッド方式は、クリーニングを頻繁に行うことができず、インクジェットインク組成物としては、連続吐出、断続吐出を繰り返してもヘッドに汚れや詰まりを生じさせない、再溶解性(乾燥後のインク組成物が未乾燥のインク組成物に再溶解し、連続吐出、断続吐出を繰り返してもノズルヘッドに汚れや詰まりを生じさせない特性)が求められるようになっている。
産業用インクジェットプリンターでは、印刷メディアは普通紙だけでなく、コート紙、段ボール、フィルム等多岐に渡る。民生用プリンターの印刷対象となる記録メディアは主に紙であるため、顔料およびビヒクルは浸透することによって定着する。しかしながら産業用途で主に使用される記録メディアでは、インクがメディアに浸透しない場合も多く、産業用途インクジェットプリンター用インクにおいて、定着性は非常に重要な性能である。
しかしながら、本発明者等が鋭意検討したところ、黒色顔料を使用した水系顔料インク組成物と、有機顔料であるカラー(イエロー、マゼンタ、シアン)顔料を使用した水系顔料インク組成物では定着性が異なり、カラー顔料に対し、黒色顔料を使用した水系顔料インク組成物と同量の定着性樹脂を加えたとしても、カラー顔料の耐擦過性が低く、定着性に劣ることが判明した。
このような状況下、本発明は、優れた画像濃度、光沢度、再溶解性を示すとともに、分散安定性が良好で、定着性に優れたインク塗膜を形成し得る有機顔料水性分散組成物およびインクジェットインク組成物を提供することを目的とするものである。
上記技術課題を解決すべく、本発明者等が鋭意検討したところ、
表面に酸性基を有する有機顔料(I)と、一級アミノ基および二級アミノ基から選ばれるアミノ基を分子中に2以上含む塩基性化合物(II)とを水性媒体中で接触させることにより得られた、表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料と、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの含有割合が50モル%以上であるポリイソシアネート化合物をウレタン結合してなる、末端イソシアネート基を2以上有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)とを接触させることにより、
前記アミノ基含有顔料の未反応アミノ基および前記ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基を尿素結合してなるポリウレタン樹脂付加顔料(A)と、
ワックス粒子(B)とを含む有機顔料水性分散組成物により、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)表面に酸性基を有する有機顔料(I)である表面に酸性基を有し当該酸性基が対イオンで中和された自己分散型カラー顔料から選ばれる一種以上と、一級アミノ基および二級アミノ基から選ばれるアミノ基を分子中に2以上含む塩基性化合物(II)とを水性媒体中で接触させることにより、表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料を得次いで、
当該表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料を、 ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの含有割合が50モル%以上であるポリイソシアネート化合物をウレタン結合してなる、末端イソシアネート基を2以上有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)と接触させることにより、
前記アミノ基含有顔料の未反応アミノ基および前記ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基を尿素結合してなるポリウレタン樹脂付加顔料分散体(A)を得これを
ワックス粒子(B)
混合することを特徴とする有機顔料水性分散組成物の製造方法
(2)前記末端イソシアネート基を2以上有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の固形分酸価が20〜200mgKOH/gである上記(1)に記載の有機顔料水性分散組成物の製造方法、
(3)前記ワックス粒子(B)が、炭素数16〜50の飽和炭化水素アルコールまたは飽和炭化水素カルボン酸に対するエチレンオキサイド付加物であるポリオキシエチレンエーテル鎖を有する炭化水素化合物であり、融点が60〜140℃であるものである上記(1)または(2)に記載の有機顔料水性分散組成物の製造方法
)前記ワックス粒子(B)平均粒子径D50が10〜200nmである上記(1)〜()のいずれかに記載の有機顔料水性分散組成物、
)上記(1)〜()のいずれかに記載の有機顔料水性分散組成物からなることを特徴とするインクジェットインク組成物
を提供するものである(なお、以下、適宜、表面に酸性基を有する有機顔料(I)を「有機顔料(I)」、一級アミノ基および二級アミノ基から選ばれるアミノ基を分子中に2以上含む塩基性化合物(II)を「塩基性化合物(II)」、末端イソシアネート基を有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)を「ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)」とそれぞれ称するものとする)。
本発明によれば、優れた画像濃度、光沢度、再溶解性を示すとともに、分散安定性が良好で、定着性に優れたインク塗膜を形成し得る有機顔料水性分散組成物およびインクジェットインク組成物を提供することができる。
先ず、本発明の有機顔料水性分散組成物について説明する。
本発明の有機顔料水性分散組成物は、
表面に酸性基を有する有機顔料(I)と、一級アミノ基および二級アミノ基から選ばれるアミノ基を分子中に2以上含む塩基性化合物(II)とを水性媒体中で接触させることにより得られた、表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料と、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの含有割合が50モル%以上であるポリイソシアネート化合物をウレタン結合してなる、末端イソシアネート基を2以上有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)とを接触させることにより、
前記アミノ基含有顔料の未反応アミノ基および前記ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基を尿素結合してなるポリウレタン樹脂付加顔料(A)と、
ワックス粒子(B)とを
含むことを特徴とするものである。
本発明の有機顔料水性分散組成物において、表面に酸性基を有する有機顔料(I)としては、表面が酸性の顔料が好ましく、シナジストにより表面酸性処理した各種有機顔料や、表面処理により酸性にした有機顔料をさらに対イオンで中和したものを挙げることができる。
本発明の有機顔料水性分散組成物において、表面に酸性基を有する有機顔料(I)としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
表面に酸性基を有する有機顔料(I)は、通常、表面に酸性基を有するカラー顔料であり、表面に酸性基を有するカラー顔料として、具体的には、有機顔料水性分散組成物の種類(色)に応じて適宜選択することができる。
例えば、イエロー顔料として、具体的には、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,12,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,151,154,155,180,185等から選ばれる1種以上を挙げることができ、上記イエロー顔料のうち、特にC.I.ピグメントイエロー74,110,128及び147から選ばれる1種以上が好適である。
また、例えば、マゼンタ顔料として、具体的には、C.I.ピグメントレッド5,7,12,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,112,122,123,168,184,202,209;C.I.ピグメントバイオレット19等から選ばれる1種以上が挙げられる。これ等のマゼンダ顔料のうち、特にC.I.ピグメントレッド122,202,209及びC.I.ピグメントバイオレット19から選ばれる1種以上が好適である。
また、例えば、シアン顔料として、具体的には、C.I.ピグメントブルー1,2,3,15:3,15:4,15:34,16,22,60;C.I.バットブルー4,60等から選ばれる1種以上が挙げられる。これ等のシアン顔料のうち、特にC.I.ピグメントブルー15:3及び15:4から選ばれる1種以上が好ましく、C.I.ピグメントブルー15:3がより好ましい。
本発明の有機顔料水性分散組成物において、有機顔料の表面に設けられる酸性官能基としては、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−CONM、−SONM、−NH−C−COOM、−NH−C−SOM、−NH−C−POHM、−NH−C−PO、−NH−C−CONM、−NH−C−SONM(ただし、Mは、水素原子、アルカリ金属、4級アンモニウム又は有機アンモニウム、第3級アミンを表す)から選ばれる一種以上を挙げることができ、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCORから選ばれる一種以上が好適である。
上記有機顔料水性分散組成物において、Mがアルカリ金属である場合、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記有機顔料水性分散組成物において、Mが第4級アンモニウムである場合、第4級アンモニウムとしては、アンモニア、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム等から選ばれる一種以上を挙げることができ、これらの中でも、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムから選ばれる一種以上が好ましい。
上記有機顔料水性分散組成物において、Mが有機アンモニウムである場合、有機アンモニウムとしては、モノメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、モノエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、モノメタノールアンモニウム、ジメタノールアンモニウム、トリメタノールアンモニウム等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記有機顔料水性分散組成物において、Mが第3級アミンである場合、第3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N−メチルモルホリン、トリブチルアミン、N-メチルピラジン、メチルイミダゾール、N’N−ジエチルエタノールアミン、N’N−ジメチルエタノールアミン等から選ばれる一種以上を挙げることができ、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N−メチルモルホリンから選ばれる一種以上が好ましい。
本発明の有機顔料水性分散組成物において、表面に酸性基を有する有機顔料(I)としては、表面に酸性基を有する自己分散型有機顔料が好ましく、表面に酸性基を有する自己分散型カラー顔料から選ばれる一種以上であることがより好ましい。
本出願書類において、表面に酸性基を有する自己分散型有機顔料や、表面に酸性基を有する自己分散型カラー顔料とは、酸性基を含む少なくとも一種の親水性基が有機顔料やカラー顔料の表面に直接、若しくは他の原子団を介して結合したものであって、水中に懸濁して分散液とした際に界面活性剤や高分子化合物を添加することなく安定した分散状態を保持することができ、その分散液の表面張力がほとんど水と同等の値を示すものを意味し、本出願書類において、自己分散型顔料には、上記酸性基等の親水性基を対イオンで中和したものも含むものとする。
本発明の有機顔料水性分散組成物において、表面に酸性基を有する有機顔料(I)として、表面に酸性基を有する自己分散型有機顔料や、表面に酸性基を有する自己分散型カラー顔料を用いた場合には、分散安定性や吐出安定性に優れた有機顔料水性分散組成物を容易に提供することができる。
本発明の有機顔料水性分散組成物において、顔料の表面に酸性基を導入する方法としては、特に制限されず、上記各顔料を酸化剤で酸化処理する方法や、スルホン化する方法や、ジアゾニウム塩を反応させる方法等の公知の方法を挙げることができる。
表面に酸性基を有するカラー顔料としては、市販品を用いることもでき、CAB−O−JET(登録商標)250C、CAB−O−JET(登録商標)260M、CAB−O−JET(登録商標)270Y、CAB−O−JET(登録商標)450C、CAB−O−JET(登録商標)465M及びCAB−O−JET(登録商標)470Y、CAB−O−JET(登録商標)740Y(いずれもキャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等を挙げることができる。
本発明の有機顔料水性分散組成物において、表面に酸性基を有する有機顔料(I)の平均粒径は、50〜250nmであることが好ましく、60〜200nmであることがより好ましく、70〜150nmであることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、表面に酸性基を有する有機顔料(I)の平均粒径は、動的光散乱式粒度分布測定装置により測定された、体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(平均粒径D50)を意味する。
本発明の有機顔料水性分散組成物において、一級アミノ基および二級アミノ基から選ばれるアミノ基を分子中に2以上含む塩基性化合物(II)としては、顔料表面の酸性基と酸・塩基反応し得るとともに、後述するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基と尿素結合し得るものであれば、特に制限されず、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1、3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族多価アミンや、フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、キシレンジアミン等の芳香族多価アミンや、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン等の脂環式多価アミン等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の顔料分散組成物において、ポリウレタン樹脂付加顔料(A)は、表面に酸性基を有する有機顔料(I)と、一級アミノ基および二級アミノ基から選ばれるアミノ基を分子中に2以上含む塩基性化合物(II)とを水性媒体中で接触させることにより得られた、表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料から調製されてなるものである。
有機顔料(I)と塩基性化合物(II)とを接触させる水性媒体としては、水や、水溶性有機溶媒や、水と水溶性有機溶媒の混合溶媒を挙げることができ、水であることが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、アセトニトリルや、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類や、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール系水性溶媒や、ジメチルスルホキシドや、スルホラン等から選ばれる、水溶性であって、アミンやイソシアネートと反応を生じないものであることが好ましい。
ただし、グリコール系水性溶媒は、アルコール性水酸基が、後述するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基と反応する場合があることから、グリコール系水性媒体は、その使用量を抑制したり後述するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)との反応後に添加することが好ましい。
表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料は、例えば、有機顔料(I)と塩基性化合物(II)とを、水性媒体中で、20〜60℃の温度下、0.5〜10時間攪拌することにより接触させ、反応させることにより調製することが好ましい。
有機顔料(I)は、ポリウレタン樹脂付加顔料分散体(A)中に、3〜40質量%含まれることが好ましく、4〜30質量%含まれることがより好ましく、5〜25質量%含まれることがさらに好ましい。
有機顔料(I)と塩基性化合物(II)との接触時における塩基性化合物(II)の接触量は、上記塩基性化合物(II)のアミノ基が、後述する末端イソシアネート基を2以上有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)のイソシアネート基に対して0.1〜2当量比となるように(塩基性化合物(II)のアミノ基のモル数/ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)のイソシアネート基モル数が0.1〜2になるように)、接触させ、反応させることが好ましい。上記当量比は 0.2〜1.8であることがより好ましい。
表面に酸性基を有する有機顔料(I)に対して、一級アミノ基および二級アミノ基から選ばれるアミノ基を分子中に2以上含む塩基性化合物(II)を、水性媒体中で接触させることにより、上記塩基性化合物(II)のアミノ基が有機顔料(I)表面の酸性基にイオン的に引き寄せられ、塩基性化合物(II)が有機顔料(I)の表面近傍に存在する、表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料を形成することができる。
本発明の有機顔料水性分散組成物において、ポリウレタン樹脂付加顔料(A)は、上記表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料と、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの含有割合が50モル%以上であるポリイソシアネート化合物をウレタン結合してなる、末端イソシアネート基を2以上有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)とを接触させ、上記アミノ基含有顔料の未反応アミノ基および上記ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基が尿素結合してなるものである。
上記アミノ基含有顔料表面の未反応アミノ基とポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基は瞬時に反応して、尿素結合を形成する。
このため、有機顔料(I)の表面においてポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の架橋、鎖伸長が起こり、顔料表面に対する尿素結合による化学的な結合や、顔料表面に対する親油性(疎水性)の炭化水素鎖による物理的な付着が生じ、表面がポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)で被覆されたポリウレタン樹脂付加顔料を得ることができる。
末端イソシアネート基を2以上有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)としては、末端イソシアネート基が上記アミノ基含有顔料の表面に存在する未反応アミノ基と尿素結合し得るものであれば特に制限されない。
末端イソシアネート基を2以上有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)としては、上記アミノ基含有顔料の表面に存在する未反応アミノ基と反応させるために、分子中に少なくとも水性媒体に分散しうる機能を有する官能基または分子鎖を有し、かつ2以上の水酸基を有する化合物とポリイソシアネート化合物とをウレタン結合させてなるポリウレタン樹脂であることが好ましい。
分子中に水性媒体に分散しうる官能基または分子鎖を有し、かつ2以上の水酸基を有する化合物としては、最終段階でポリウレタン樹脂を水性媒体中に転相させる塩を形成し得る官能基を有するものが好ましく、具体的には、三級カルボキシル基含有ポリオール化合物を挙げることができる。
三級カルボキシル基含有ポリオール化合物としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、ジメチロールカプロン酸等のポリヒドロキシカルボン酸類を挙げることができ、これ等の化合物のうち、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のジヒドロキシモノカルボン酸が好ましい。
三級カルボキシル基含有ポリオール化合物が有する三級カルボキシル基はイソシアネート化合物との反応性が極めて低いことから、ウレタン結合反応を阻害することなく、目的とするポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)を効率よく生成することができる。
また、上記三級カルボキシル基含有ポリオール化合物の配合量を制御することにより、得られるポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の酸価を制御することが可能であり、酸価を調整するためには、三級カルボキシル基含有ポリオール化合物以外に、更にノニオン性の分子鎖を有するジオール化合物を使用することもできる。
ノニオン性の分子鎖を有するジオール化合物としては、ポリエチレングリコールジオール(PEG)や、ポリエチレングリコールジオール(PEG)と、ポリプロピレングリコールジオール(PPG)、ポリブチレングリコールジオール(PBG)との共重合ジオールに代表されるポリアルキレングリコールジオールを挙げることができる。
三級カルボキシル基含有ポリオール化合物やノニオン性の分子鎖を有するジオール化合物とともに、分子中に少なくとも2個の水酸基を有するポリオールを任意の割合で用いることもできる。
分子中に少なくとも2個の水酸基を有するポリオールとしては、マイケル付加等の反応により目的に応じた化学修飾を行った側鎖修飾ジオール等を用いることもでき、側鎖に種々の疎水基や親水基を導入することで、得られるポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)における親水性と疎水性のバランス設計を幅広く行うことができる。
分子中に少なくとも2個の水酸基を有するポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8 −オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキシルジメタノール等のジオール類および高分子ポリオール等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記高分子ポリオールとしては、ポリエステルジオール等のポリエステルポリオールや、ポリカーボネートジオール、ポリラクトンジオール、ポリブタジエンジオール等の高分子ジオールや、ポリエーテルポリオールを挙げることができる。また、ロジン骨格または水添ロジン骨格を有する化合物のポリマージオールが挙げられる。高分子ポリオールの分子量は、数平均分子量で300〜5000の範囲のものが好ましく、数平均分子量で500〜3000のものがより好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、以下のポリオール、ポリオール同効成分のうちの1種または2種以上と、多塩基酸およびそれら無水物等のうちの1種または2種以上とが縮合反応することによって得られるものを挙げることができる。
ポリエステルポリオールの原料となるポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8 −オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ひまし油変性ジオール、ひまし油変性ポリオール等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
ポリエステルポリオールの原料となるポリオール同効成分としては、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテルおよびステアリルグリシジルエーテル等のアルキルモノグリシジルエーテル類、並びにアルキルグリシジルエステル(製品名カージュラE10:シェルジャパン社製)等のモノエポキシ化合物から選ばれる一種以上を挙げることができる。
ポリエステルポリオールの原料となる多塩基酸およびそれらの無水物としては、琥珀酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸およびダイマー酸等の脂肪族二塩基酸並びにそれらの無水物、ドデセニル無水琥珀酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸および無水トリメリット酸等の芳香族多塩基酸並びにそれらの無水物、無水ヒドロフタル酸およびジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多塩基酸並びにそれらの無水物等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記ポリカーボネートジオールとしては、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等のジオールを原料にしたポリカーボネートジオールから選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記ポリラクトンジオールとしては、上記ポリオール、上記ポリエステルポリオール等の水酸基末端化合物を出発物質としてε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等のラクトン環を持つモノマーの開環付加重合によって得られるものから選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記ポリブタジエンジオールとしては、Poly bdR−15HT、R−45HT(出光興産(株)製)や、ポリイソプレンジオールPoly ip(出光興産(株)製)や、α、ω―ポリブタジエングリコールG−1000、G−2000、G−3000(日本曹達(株)製)等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコールジオール(PEG)、ポリプロピレングリコールジオール(PPG)、ポリブチレングリコールジオール(PBG) に代表されるポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等を出発物質として、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ブチレンオキサイドを付加させたポリエーテルポリオールから選ばれる一種以上を挙げることができる。
ロジン骨格または水添ロジン骨格を有する化合物のポリマージオールとしては、パインクリスタルD−6011、D−6240(荒川化学工業(株)製)等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
一方、ポリイソシアネート化合物としては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの含有割合が50モル%以上となるように、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとその他のポリイソシアネート化合物とが混合されてなるものであれば特に限定されず、分子中にイソシアネート基を2以上含有するイソシアネート化合物から適宜選択することができ、目的に応じて分子中にイソシアネート基を3以上含有するイソシアネート化合物を用いてもよい。
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとしては、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、適宜、水添加MDIと称するものとする)を挙げることができる。
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとともに使用されるその他のポリイソシアネート化合物としては、ジイソシアネート化合物を挙げることができ、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、適宜MDIと称するものとする)、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート(以下、適宜TDIと称するものとする)、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(以下、適宜IPDIと称するものとする)、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、適宜HDIと称するものとする)、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート等、また、これらのイソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基の一部をビューレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトンイミン、オキサゾリドン、アミド、イミド、イソシアヌレート、ウレト ジオン等に変性したものから選ばれる一種以上を挙げることができる。
ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基は、水性媒体に分散した、有機顔料(I)と塩基性化合物(II)とを接触してなるアミノ基含有顔料のアミノ基と反応する際に、水性媒体である水とも反応し得ることから、水とアミノ基との競争反応を生じてしまう。このため、上記ジイソシアネート化合物としては、MDIやTDI等の芳香族系ジイソシアネート化合物のイソシアネート基よりも水との反応速度が遅い非芳香族系ジイソシアネート化合物が好ましく、特にIPDI、水添MDIに代表される肪環族ジイソシアネート化合物或いは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートに代表される脂肪族ジイソシアネートを用いることで、有機顔料(I)と塩基性化合物(II)とを接触してなるアミノ基含有顔料のアミノ基とポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)との反応を優先させることができる。
ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)は、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの含有割合が50モル%以上であるポリイソシアネート化合物をウレタン結合してなるものであり、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの含有割合が55モル%以上であるポリイソシアネート化合物をウレタン結合してなるものであることが好ましく、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの含有割合が60モル%以上であるポリイソシアネート化合物をウレタン結合してなるものであることがより好ましい。
全ポリイソシアネート化合物に占めるジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの割合が50モル%以上であることにより、本発明の有機顔料水性分散組成物により得られる塗膜に優れた定着性を付与することができる。
全ポリイソシアネート化合物に占めるジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの割合の上限は特に制限されないが、100モル%以下であることが好ましい。
上記分子中に水性媒体に分散しうる官能基又は分子鎖を含みかつ2個以上の水酸基を有する化合物とジイソシアネート化合物等のポリイソシアネート化合物とをウレタン結合させて末端イソシアネート基を有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)を調製するためには、分子中に水性媒体に分散しうる官能基又は分子鎖を含みかつ2個以上の水酸基を有する化合物等のポリオール類の水酸基の当量数に対してポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量数が2当量以上多い配合比(上記ポリオール類としてジオール化合物nモルを用い、ポリイソシアネート化合物としてジイソシアネート化合物を用いる場合には、ジイソシアネート化合物のモル数がn+1モルとなる配合比)にすることにより、両末端にイソシアネート基が存在するポリウレタン樹脂を得ることができる。また、多段階的にイソシアネート末端オリゴマーを合成して分子量を上げていく方法も、精度良くイソシアネート末端のポリマーを得ることができ、分子量分布のばらつきの少ないポリウレタン樹脂が得られるため有用である。
ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)は、水性媒体に分散する機能を与えるために、固形分酸価が20〜200mgKOH/gであることが好ましく、25〜150mgKOH/gであることがより好ましく、30〜120mgKOH/gであることがさらに好ましい。
上記酸価は、三級カルボキシル基含有ジオール化合物等の分子中に水性媒体に分散しうる官能基又は分子鎖を含みかつ2個以上の水酸基を有する化合物のモル数を調整することによって調整することができる。
なお、本出願において、分子中に水性媒体に分散しうる官能基または分子鎖を含みかつ2個以上の水酸基を有する化合物として三級カルボキシル基含有ジオール化合物を用い、ポリイソシアネート化合物としてジイソシアネート化合物を用いたときの、ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の酸価(AN)は、以下の式によって算出される。
Figure 0006086349
(ただし、上式において、a1:ジメチロールプロピオン酸等の三級カルボキシル基含有ジオール化合物のモル数、a2、a3・・・an:その他のジオールのモル数、A1:ジメチロールプロピオン酸等の三級カルボキシル基含有ジオール化合物の分子量、A2、A3・・・An:その他のジオールの分子量、b1,b2,b3・・・bn:ジイソシアネートのモル数、B1,B2,B3・・・Bn:ジイソシアネートの分子量である。)
また、分子中に水性媒体に分散しうる官能基又は分子鎖を含みかつ2個以上の水酸基を有する化合物等のポリオール類としてジオール化合物を用い、ポリイソシアネート化合物としてジイソシアネート化合物を用いたときの、ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の数平均分子量は、次式により算出、調整することができる。
数平均分子量=nA’+(n+1)B’
(ただし、上式において、n:ポリオール類の全モル数、A’:ポリオール類の数平均分子量、B’:ジイソシアネートの数平均分子量である。)
このようにして得られたポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)は、上記式によって算出された数平均分子量が、1000〜15000であることが好ましく、1300〜10000であることがより好ましく、1600〜8000であることがさらに好ましい。
上記ポリオール類として、二官能を超えるポリオールと、ポリイソシアネート化合物とを用いてポリウレタン樹脂を調製するときは、P.J.フローリーのゲル化式等を参考にそのモル分率を調整しゲル化を防ぐ様工夫することが望ましい。
ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)を得る場合、上記ポリオール類とポリイソシアネート化合物との反応温度は、副反応を押さえる意味から60〜80℃が望ましく、無溶媒、或いは酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトニトリル等の通常ウレタン反応に用いられる公知、任意の有機溶媒を用いて反応することができる。ウレタン反応触媒は三級アミン系触媒、ジブチル錫ラウリレート、オクチル酸第一錫等から選ばれる公知任意の触媒を使用することができ、無触媒でも反応させることができる。
末端イソシアネート基を有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)が三級カルボキシル基含有ポリオール化合物等から構成されてなるものである場合は、ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)を水性媒体液中に転相する際に、適宜、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N−メチルモルホリン、トリブチルアミン、N-メチルピラジン、メチルイミダゾール等の三級アミンを添加することが好ましい。
有機顔料(I)と塩基性化合物(II)とを接触してなる表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料とポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)との接触、反応は、通常、水性媒体中で行われ、水性媒体としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
この場合、上記アミノ基含有顔料としては、有機顔料(I)と塩基性化合物(II)とを水性媒体中で接触させた、水性分散体の状態にあるものを用い、この水性分散体にポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)を加えることにより、簡便に接触、反応させることができる。この場合、適宜水性媒体を加えて所望濃度に調整してもよい。
有機顔料(I)と塩基性化合物(II)とを接触してなる表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料とポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)とを接触させ、反応させる際の温度は50℃以下であることが好ましく、25〜40℃であることがより好ましい。
上述したように、ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基は、水性媒体に分散した、上記アミノ基含有顔料のアミノ基と反応する際に、水性媒体である水とも反応し得ることから、水とアミノ基との競争反応を生ずるが、上記温度下で上記アミノ基含有顔料とポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)とを接触させることにより、反応速度差を生じ易くなり、アミノ基含有顔料のアミノ基とポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)との反応を優先させることができる。
有機顔料(I)と塩基性化合物(II)とを接触してなる表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料とポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)とを接触させ、反応させて尿素結合を形成する場合、上記アミノ基含有顔料100質量部に対してポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)を2〜300質量部接触させ反応させることが好ましく、上記アミノ基含有顔料100質量部に対してポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)を10〜200質量部接触させ反応させることがより好ましい。
上記アミノ基含有顔料100質量部に対するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の接触量が2質量部より少ない場合には、得られる塗膜の定着性(耐擦過性)を向上させ難く、また、上記アミノ基含有顔料100質量部に対する、ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の接触量が300質量部を超える場合は、ポリイソシアネートポリウレタン樹脂の量が過剰になって、画像濃度や保存安定性の低下を引き起こす。
このようにして、有機顔料(I)と塩基性化合物(II)とを接触してなる表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料とポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)とを接触、反応させ、上記アミノ基含有顔料の未反応アミノ基および上記ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基を尿素結合させることにより、有機顔料(I)の表面に分散剤としての効果を発揮するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)を物理的、化学的に結合してなるポリウレタン樹脂付加顔料(A)を供することができる。
上述したように、有機顔料(I)と塩基性化合物(II)とを接触してなる表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料とポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)との接触、反応は、通常水性媒体中で行われ、ポリウレタン樹脂付加顔料(A)も水性媒体中に分散した水性分散体の状態で得られることになる。
そして、後述するように、このポリウレタン樹脂付加顔料(A)の水性分散体と、ワックス粒子(B)またはワックス粒子(B)の水性分散体を混合することにより、目的とする有機顔料水性分散体を容易に調製することができる。
ポリウレタン樹脂付加顔料(A)の水性分散体は、ポリウレタン樹脂付加顔料(A)の濃度が所望濃度になるように適宜濃縮処理等を施してもよい。
ポリウレタン樹脂付加顔料(A)の水性分散体において、ポリウレタン樹脂付加顔料(A)の濃度は5〜60質量%であることが好ましく、6〜50質量%であることがより好ましく、7〜40質量%であることがさらに好ましい。
本発明の有機顔料水性分散組成物は、ポリウレタン樹脂付加顔料(A)とともに、ワックス粒子(B)を含むものである。
ワックス粒子(B)としては、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、及びその誘導体等の天然ワックス;マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスまたはこれらのカルボキシル基付与誘導体;ポリエチレンワックス、ポリエチレンワックスの酸化物、ポリプロピレンワックス、ポリプロピレンワックスの酸化物、カルボキシル基付与誘導体、エチレンプロピレン共重合ワックス、マレイン酸付加ワックス等の合成ワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
また、ワックス粒子(B)としては、炭素数16〜50の飽和炭化水素アルコールまたは飽和炭化水素カルボン酸に、エチレンオキサイドを付加して得られるポリオキシエチレンエーテル鎖を有する炭化水素化合物を挙げることもできる。
ワックス粒子(B)は、(固形分の状態における)融点が50〜140℃であるものが好ましく、65〜135℃であるものがより好ましい。
本発明の有機顔料水性分散組成物は、ワックス粒子(B)と、ポリウレタン樹脂付加顔料(A)とを混合することにより調整することができるが、ワックス粒子(B)の分散性を向上させるために、ワックス粒子(B)を予め水性媒体中に分散させ、水性分散体の状態で混合することが好ましい。
ワックス粒子(B)の水性分散体を構成する水性媒体は、上述したものと同様のものを挙げることができる。
ワックス粒子(B)の水性分散体は、ワックス粒子(B)を、界面活性剤を利用した転相法、高圧で噴射粉砕する方法、細孔から噴霧させる方法、高圧ホモジナイザーにより乳化する方法等によって処理することにより調製することができ、より具体的には、ワックス粒子(B)を、ワックス粒子(B)の融点以上の温度まで昇温して加圧した状態で、高剪断力の攪拌設備を用いて水性媒体中に乳化分散する方法を挙げることができる。
上記界面活性剤としては、アルキルフェノール系界面活性剤、高級アルキルアルコール或いは高級アルキルカルボン酸にエチレンオキサイドを付加して得られるノニオン界面活性剤(ただし、炭素数16〜50の飽和炭化水素アルコールまたは飽和炭化水素カルボン酸に、エチレンオキサイドを付加して得られるポリオキシエチレンエーテル鎖を有する炭化水素化合物を除く);カルボン酸塩型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型、脂肪酸エステル型、アルカノールアミド型等のアニオン系界面活性剤;脂肪酸アミン塩型、第四級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤;両性界面活性剤;高分子界面活性剤等の公知のものから選ばれる一種以上を挙げることができる。
ワックス粒子(B)の水性分散体には、適量のアンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等のアミン類や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属化合物等の対イオンとなる塩基性化合物から選ばれる一種以上を加えてもよい。
上記アミン類やアルカリ金属化合物から選ばれる一種以上を加えることにより、ワックス粒子(B)として、カルボキシル基を有するワックスを使用する場合に、ワックス粒子(B)の粒子径を調整したり、経時安定性を向上させることができる。
ワックス粒子(B)は、平均粒子径D50が、10〜200nmであるものが好ましく、20〜180nmであるものがより好ましく、30〜150nmであるものがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、ワックス粒子(B)の平均粒子径D50は、動的光散乱式粒度分布測定装置により測定された、50%モード径(体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径)を意味する。
本発明の顔料分散組成物は、ポリウレタン樹脂付加顔料(A)やワックス粒子(B)とともに、公知任意の保湿剤、防腐剤、乳化剤、pH調整剤、消泡剤、塗膜表面平滑剤等の添加剤、水溶性樹脂、水に分散したワックス、樹脂エマルション等から選ばれる一種以上を含んでもよい。
保湿剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、等のポリオキシアルキレンエーテルグリコール或いはポリオキシアルキレンエーテルグリコールのモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテル等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の有機顔料水性分散組成物は、上述したポリウレタン樹脂付加顔料分散体(A)またはポリウレタン樹脂付加顔料分散体(A)の水性分散体と、上述したワックス粒子(B)またはワックス粒子(B)の水性分散体とを所望割合で混合することにより調製することができる。
本発明の有機顔料水性分散組成物は、例えば、攪拌容器中に、攪拌しながら、ポリウレタン樹脂付加顔料(A)を加えつつ、必要に応じて、公知任意の保湿剤、防腐剤、乳化剤、pH調整剤、消泡剤、塗膜表面平滑剤等の添加剤、水溶性樹脂、水に分散したワックス、樹脂エマルション等を添加して、攪拌し、さらに必要に応じて水性媒体を加えて粘度を調整し、公知任意の濾過方法により濾過することにより製造することができる。
粘度調整時に使用する水性媒体としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
本発明の有機顔料水性分散組成物は、ポリウレタン樹脂付加顔料(A)を5〜60質量%含むものであることが好ましく、6〜50質量%含むものであることがより好ましく、7〜40質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明の有機顔料水分散組成物において、有機顔料水分散組成物中の有機顔料(I)の質量割合は、顔料の種類や顔料分散組成物の使用目的に応じて適宜選択することができ、通常は、2〜25質量%であり、カラー顔料のインクジェットインク組成物として用いる場合には、2〜15質量%であることが好適である。
本発明の有機顔料水性分散組成物は、固形分換算で、ワックス粒子(B)を、0.1〜30質量%含むものであることが好ましく、0.2〜20質量%含むものであることがより好ましく、0.3〜10質量%が含むものであることがさらに好ましい。
本発明の有機顔料水性分散組成物において、ワックス粒子(B)の含有割合が、固形分換算で30質量%超であると、塗膜の定着性(耐擦過性)は高くなるが、表面の光沢性、塗膜の強度等を低下させ易くなる。本発明の有機顔料水性分散組成物において、ワックス粒子(B)の含有割合が、固形分換算で0.1質量%未満であると、塗膜の定着性(耐擦過性)を発揮させ難くなる。
本発明によれば、優れた画像濃度、光沢度、再溶解性を示すとともに、分散安定性が良好で、定着性に優れたインク塗膜を形成し得る有機顔料水性分散組成物を提供することができる。
次に、本発明のインクジェットインク組成物について説明する。
本発明のインクジェットインク組成物は、本発明の有機顔料分散組成物からなることを特徴とするものである。
本発明のインクジェットインク組成物は、その用途がインクジェットインク用途に限定されることを除けば本発明の有機顔料水性分散組成物と同様であり、その内容や製造方法の詳細は、上述したとおりである。
本発明によれば、優れた画像濃度、光沢度、再溶解性を示すとともに、分散安定性が良好で、定着性に優れたインク塗膜を形成し得る有機顔料水性分散組成物を提供することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
以下に本発明の内容を具体的な例を挙げて説明する。ただし、本発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
(ポリウレタン樹脂付加顔料分散体の調製)
調製例(1)末端イソシアネート基を2以上有する水性ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(α)の合成
撹拌棒、窒素ガス吹き込み管、玉入れ冷却管付きのフラスコ中に、メチルエチルケトン(MEK)240質量部に対して、ジメチロールプロピオン酸を30.5質量部[2.3モル比]、ひまし油変性ジオールHS−2G−160R(豊国製油(株)製)を81.3質量部[0.8モル比]、ロジン変性ジオールパインクリスタルD−6011(数平均分子量933、荒川化学工業(株)製)を36.9質量部[0.4モル比]、テトラヒドロフラン−ネオペンチルグリコール共重合体PTXG−1800を91.5質量部[0.5モル比]、イソホロンジイソシアネート(IPDI)デスモジュールI(住化バイエルウレタン(株)製)を55.0質量部[2.5モル比]、水素添加ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)デスモジュールW(住化バイエルウレタン(株)製)64.8質量部[2.5モル比]を加えて、65℃にて7時間反応させることにより、ポリイソシアネート化合物を含む反応溶液を調製した。得られた反応溶液は、イソシアネート基の含有割合が1.40質量%、固形分酸価が35.5mgKOH/gであるものであった。
上記反応後、35℃まで冷却して、さらにトリエチルアミンを23.0質量部加えて30分間攪拌することにより、不揮発分(固形分)58.0質量%、ガードナー気泡粘度:J−K、GPC数平均分子量3639、重量平均分子量5740、NCO基のモル数に対するOH基のモル数の比(OH基のモル数/NCO基のモル数)が4/5である、末端イソシアネート基を2以上有する水性ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(α)を得た。
調製例(2)末端イソシアネート基を2以上有する水性ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(β)の合成
撹拌棒、窒素ガス吹き込み管、玉入れ冷却管付きのフラスコ中に、メチルエチルケトン(MEK)240質量部に対して、ジメチロールプロピオン酸31.3質量部[2.3モル比]、ひまし油変性ジオールHS−2G−160R(豊国製油(株)製)を83.6質量部[0.8モル比]、ロジン変性ジオールパインクリスタルD−6011(数平均分子量933、荒川化学工業(株)製)を38.0質量部[0.4モル比]、テトラヒドロフラン-ネオペンチルグリコール共重合体PTXG−1800を94.1質量部[0.5モル比]、イソホロンジイソシアネート(IPDI)デスモジュールI(住化バイエルウレタン(株)製)を113.0質量部[5.0モル比]を加えて、65℃にて7時間反応させることにより、ポリイソシアネート化合物を含む反応溶液を調製した。得られた反応溶液は、イソシアネート基の含有割合が1.42質量%、固形分酸価が36.4mgKOH/gであるものであった。
上記反応後、35℃まで冷却して、さらにトリエチルアミンを23.7質量部加えて30分間攪拌することにより、不揮発分(固形分)58.0質量%、ガードナー気泡粘度:K―L、GPC数平均分子量3548、重量平均分子量5655、NCO基のモル数に対するOH基のモル数の比(OH基のモル数/NCO基のモル数)が4/5である、末端イソシアネート基を2以上有する水性ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(β)を得た。
調製例(3)ポリウレタン樹脂(α)付加イエロー分散体の調製
有機顔料(I)として、表面に酸性基を有するイエロー顔料であるCAB−O−JET(登録商標)270Y(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製、固形分濃度10.2質量%)1kgに対し、塩基性化合物(II)としてピペラジン・6HO (Mw=194)の5%水溶液を79.6g添加し、常温で30分攪拌後、上記調製例(1)で得たポリイソシアネートポリウレタン樹脂(α)を123.1g加え、常温で3時間攪拌し、更に40℃で1時間撹拌した。その後、減圧蒸留して反応溶媒(MEK)を溜去することにより、固形分25.5質量%のポリウレタン樹脂付加水性イエロー分散体(以下、ポリウレタン樹脂(α)付加イエロー分散体という)を得た。
得られたポリウレタン樹脂イエロー分散体において、ポリウレタン樹脂に対する表面に酸性基を有する顔料の質量比(顔料/ポリウレタン樹脂)は、固形分換算で100/70であった。
調製例(4)ポリウレタン樹脂(α)付加マゼンタ分散体の調製
有機顔料(I)として、表面に酸性基を有するマゼンタ顔料であるCAB−O−JET(登録商標)265M(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製、固形分濃度11.0質量%)1kgに対し、塩基性化合物(II)であるピペラジン・6HO (Mw=194)の5%水溶液の添加量を85.81g、上記調製例(1)で得たポリイソシアネートポリウレタン樹脂(α)の添加量を132.7gとした以外は、上記調製例(3)と同様にして固形分25.5質量%のポリウレタン樹脂付加水性マゼンタ分散体(以下、ポリウレタン樹脂(α)付加マゼンタ分散体という)を得た。
得られたポリウレタン樹脂付加マゼンタ顔料分散体において、ポリウレタン樹脂に対する表面に酸性基を有する顔料の質量比(顔料/ポリウレタン樹脂)は、固形分換算で100/70であった。
調製例(5)ポリウレタン樹脂(α)付加シアン分散体の調製
有機顔料(I)として、表面に酸性基を有するシアン顔料であるCAB−O−JET(登録商標)250C(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製、固形分濃度11.0質量%)を使用した以外は上記調製例(4)と同様にして固形分25.5質量%のポリウレタン樹脂付加水性シアン分散体(以下、ポリウレタン樹脂(α)付加シアン分散体という)を得た。
得られたポリウレタン樹脂付加シアン分散体において、ポリウレタン樹脂に対する表面に酸性基を有する顔料の質量比(顔料/ポリウレタン樹脂)は、固形分換算で100/70であった。
調製例(6)ポリウレタン樹脂(α)付加黒色顔料分散体の調製
表面に酸性基を有する黒色顔料であるAquaBlack(登録商標)162(東海カーボン(株)製カーボンブラック、固形分濃度19.3質量%)1kgに対し、塩基性化合物(II)であるピペラジン・6HO (Mw=194)5%水溶液の添加量を150.7g、上記調製例(1)で得たポリイソシアネートポリウレタン樹脂(α)の添加量を233.0gとした以外は、上記調製例(3)と同様にして固形分25.5質量%のポリウレタン樹脂付加水性黒色顔料分散体(以下、ポリウレタン樹脂(α)付加黒色顔料分散体という)を得た。
得られたポリウレタン樹脂付加黒色顔料分散体において、ポリウレタン樹脂に対する表面に酸性基を有する顔料の質量比(顔料/ポリウレタン樹脂)は、固形分換算で100/70であった。
調製例(7)ポリウレタン樹脂(β)付加イエロー分散体の調製
有機顔料(I)として、表面に酸性基を有するイエロー顔料であるCAB−O−JET(登録商標)270Y(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製、固形分濃度10.2質量%)1kgに対し、塩基性化合物(II)としてピペラジン・6HO (Mw=194)の5%水溶液を79.6g添加し、常温で30分攪拌後、上記調製例(1)で得たポリイソシアネートポリウレタン樹脂(α)に代えて上記調製例(2)で得たポリイソシアネートポリウレタン樹脂(β) を123.1g添加した以外は、上記調製例(3)と同様にして、固形分25.5質量%のポリウレタン樹脂水性イエロー分散体(以下、ポリウレタン樹脂(β)付加イエロー分散体という)を得た。
得られたポリウレタン樹脂イエロー分散体において、ポリウレタン樹脂に対する表面に酸性基を有する顔料の質量比(顔料/ポリウレタン樹脂)は、固形分換算で100/70であった。
調製例(8)ポリウレタン樹脂(β)付加マゼンタ分散体の調製
有機顔料(I)として、表面に酸性基を有するマゼンタ顔料であるCAB−O−JET(登録商標)265M(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製、固形分濃度11.0質量%)1kgに対し、塩基性化合物(II)としてピペラジン・6HO (Mw=194)の5%水溶液を85.81g添加し、ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(α)に代えて上記調製例(2)で得たポリイソシアネートポリウレタン樹脂(β) を132.8g添加した以外は、上記調製例(3)と同様にして固形分25.5質量%のポリウレタン樹脂付加水性マゼンタ分散体(以下、ポリウレタン樹脂(β)付加マゼンタ分散体という)を得た。
得られたポリウレタン樹脂付加マゼンタ顔料分散体において、ポリウレタン樹脂に対する表面に酸性基を有する顔料の質量比(顔料/ポリウレタン樹脂)は、固形分換算で100/70であった。
調製例(9)ポリウレタン樹脂(β)付加シアン分散体の調製
有機顔料(I)として、表面に酸性基を有するシアン顔料であるCAB−O−JET(登録商標)250C(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製、固形分濃度11.0質量%)を使用した以外は上記調製例(8)と同様にして固形分25.5質量%のポリウレタン樹脂付加水性シアン分散体(以下、ポリウレタン樹脂(β)付加シアン分散体という)を得た。
得られたポリウレタン樹脂付加シアン分散体において、ポリウレタン樹脂に対する表面に酸性基を有する顔料の質量比(顔料/ポリウレタン樹脂)は、固形分換算で100/70であった。
(実施例1)
ポリウレタン樹脂付加顔料(A)の水性分散体として上記調製例(3)で得られたポリウレタン樹脂(α)付加イエロー分散体を用いるとともに、ワックス粒子(B)の水性分散体として、AQUACER 515(ビックケミー・ジャパン(株)製、酸化高密度ポリエチレンワックスの非イオン性エマルション、固形分濃度35.0質量%、ワックス粒子の平均粒子径D50が42nm、ワックス成分の融点135℃)を用い、さらに、1,5−ペンタンジオール(宇部興産(株)製)、グリセリン(花王(株)製)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG、日本乳化剤(株)製)、シックナー621N(サンノプコ(株)製)、オルフィンE1010(日信化学工業(株)製)およびイオン交換水を用いて、各々表1に示す組成となるように秤量し、常温にて60分間攪拌することにより、固形分濃度7.5質量%、有機顔料濃度が5質量%であるインクジェットインク組成物を調製した。
(実施例2)
ポリウレタン樹脂(A)付加顔料の水性分散体として上記調製例(4)で得られたポリウレタン樹脂(α)付加マゼンタ分散体を用いるとともに、ワックス粒子(B)の水性分散体として、AQUACER 515(ビックケミー・ジャパン(株)製、酸化高密度ポリエチレンワックスの非イオン性エマルション、固形分濃度35.0質量%、ワックス粒子の平均粒子径D50が42nm、ワックス成分の融点135℃)を用い、さらに、1,5−ペンタンジオール(宇部興産(株)製)、グリセリン(花王(株)製)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG、日本乳化剤(株)製)、シックナー621N(サンノプコ(株)製)、オルフィンE1010(日信化学工業(株)製)およびイオン交換水を用いて、各々表1に示す組成となるように秤量し、常温にて60分間攪拌することにより、固形分濃度7.5質量%、有機顔料濃度が5質量%であるインクジェットインク組成物を調製した。
ポリウレタン樹脂(A)付加顔料の水性分散体として上記調製例(5)で得られたポリウレタン樹脂(α)付加シアン分散体を用いるとともに、ワックス粒子(B)の水性分散体として、AQUACER 515(ビックケミー・ジャパン(株)製、酸化高密度ポリエチレンワックスの非イオン性エマルション、固形分濃度35.0質量%、ワックス粒子の平均粒子径D50が42nm、ワックス成分の融点135℃)を用い、さらに、1,5−ペンタンジオール(宇部興産(株)製)、グリセリン(花王(株)製)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG、日本乳化剤(株)製)、シックナー621N(サンノプコ(株)製)、オルフィンE1010(日信化学工業(株)製)およびイオン交換水を用いて、各々表1に示す組成となるように秤量し、常温にて60分間攪拌することにより、固形分濃度7.5質量%、有機顔料濃度が5質量%であるインクジェットインク組成物を調製した。
Figure 0006086349
(比較例1〜比較例16)
上記調製例(6)で得られたポリウレタン樹脂(α)付加黒色顔料分散体、上記調製例(7)で得られたポリウレタン樹脂(β)付加イエロー分散体、上記調製例(8)で得られたポリウレタン樹脂(β)付加マゼンタ分散体、上記調製例(9)で得られたポリウレタン樹脂(β)付加シアン分散体、表面に酸性基を有するイエロー顔料であるCAB−O−JET(登録商標)270Y(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製、固形分濃度10.2質量%)、表面に酸性基を有するマゼンタ顔料であるCAB−O−JET(登録商標)265M(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製、固形分濃度11.0質量%)または表面に酸性基を有するシアン顔料であるCAB−O−JET(登録商標)250C(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ社製、固形分濃度11.0質量%)を用いるとともに、適宜、ジョンクリル61J(BASFジャパン(株)製定着性樹脂)、ボンコートEC−740EF(DIC(株)製定着性樹脂)を用い、またはAQUACER 531(ビックケミー・ジャパン(株)製、変性ポリエチレンワックスをベースとするノニオン系エマルション、固形分濃度45.0質量%、ワックス粒子の平均粒子径D50が62nm、ワックス成分の融点130℃)を用い、さらに、1,5−ペンタンジオール(宇部興産(株)製)、グリセリン(花王(株)製)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG、日本乳化剤(株)製)、シックナー621N(サンノプコ(株)製)、オルフィンE1010(日信化学工業(株)製)およびイオン交換水を用いて、各々表2〜表4に示す組成となるように秤量し、常温にて60分間攪拌することにより、固形分濃度7.5質量%、顔料濃度5質量%であるインクジェットインク組成物を調製した。
Figure 0006086349
Figure 0006086349
Figure 0006086349
<画像濃度評価>
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例16で得られたインクジェットインク組成物を、各々インクカートリッジに充填し、インクジェットプリンターEM−930C(セイコーエプソン社製)を用いてコートボール紙OKボール(王子製紙(株)製)に印字し、得られた画像サンプルを各々反射型光学色濃度計(日本平版機材(株)販売 X-Rite Inc.製 X−Rite 504)で20回測定したときの濃度の平均値を求め、以下の基準により、画像濃度評価を行った。結果を表5に示す。
なお、以下の評価基準において、「黒色顔料」は上記調製例(6)で得られたポリウレタン樹脂付加黒色顔料分散体を用いた例における評価基準を表し、「イエロー顔料」は上記調製例(3)または調製例(7)で得られたポリウレタン樹脂付加イエロー分散体を用いた例における評価基準を表し、「マゼンタ顔料」は上記調製例(4)または調製例(8)で得られたポリウレタン樹脂付加マゼンタ分散体を用いた例における評価基準を表し、「シアン顔料」は上記調製例(5)または調製例(9)で得られたポリウレタン樹脂付加シアン分散体を用いた例における評価基準を表すものである。
「○」評価 :黒色顔料 1.3以上
イエロー顔料 1.3以上
マゼンタ顔料 1.8以上
シアン顔料 1.9以上
「△」評価 :黒色顔料 1.25以上1.3未満
イエロー顔料 1.25以上1.3未満
マゼンタ顔料 1.75以上1.8未満
シアン顔料 1.85以上1.9未満
「×」評価 :黒色顔料 1.25未満
イエロー顔料 1.25未満
マゼンタ顔料 1.75未満
シアン顔料 1.85未満
<光沢度評価>
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例16で得られたインクジェットインク組成物を、各々インクカートリッジに充填し、インクジェットプリンターEM−930C(セイコーエプソン社製)を用いて、コートボール紙OKボール(王子製紙(株)製)に印字し、得られた画像サンプルのベタ印刷部を各々micro-gloss 60°(BYK Gardner社)で測定して得られた値を、以下の基準により、光沢度評価を行った。結果を表5に示す。
「○」評価 :35以上
「△」評価 :20以上35未満
「×」評価 :20未満
<再溶解性評価>
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例16で得られたインクジェットインク組成物を、テフロン(登録商標)シート上に一滴落とし、インキュベーターにより50℃で1時間乾燥後、イオン交換水で洗い流し、滴下したインクの痕跡が残るかどうかその面積を目視観察して、各々以下の基準により、再溶解性を評価した。同評価を各インクジェットインク組成物についてそれぞれ4回行い、繰り返し性を確認した結果を表5に示す。
「○」評価:痕跡が見えない。
「△」評価:痕跡の輪が0%を超え30%以下残る。
「×」評価:痕跡の輪が70%以上残る。
<耐擦過性評価>
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例16で得られたインクジェットインク組成物をカートリッジに充填し、インクジェットプリンターEM−930C(セイコーエプソン(株)製)を用いてコートボール紙OKボール(王子製紙(株)製)上にベタ印刷した後、ベタ印字部上を、JIS L 0803に準拠した綿布(JIS染色堅ろう度試験用カナキン3号、財団法人日本規格協会製)を取り付けたSDL ATLAS社製AATCCクロックメーターCM−5にて各々30回擦過し、以下の基準により、耐擦過性を評価した。結果を表5に示す。
「○」評価:綿布が汚れない。
「△」評価:綿布わずかに汚れる。
「×」評価:綿布が汚れる。
<テープ剥離性評価>
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例16で得られたインクジェットインク組成物をカートリッジに充填し、インクジェットプリンターEM−930C(セイコーエプソン(株)製)を用いてコートボール紙OKボール(王子製紙(株)製)上にベタ印刷した後、ベタ印字部の上を、セロハンテープ(ニチバン製)にて各々剥離し、以下の基準により、テープ剥離性を評価した。結果を表5に示す。
「○」評価:セロハンテープに顔料が付着しない
「△」評価:セロハンテープに顔料がわずかに付着する
「×」評価:セロハンテープに顔料が付着する
<保存安定性評価>
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例16で得られたインクジェットインク組成物(顔料濃度5質量%)を密閉式ガラス瓶に入れ、インキュベーターにおいて70℃で3〜4週間保存して、試験前後における粘度(mPa・s)を各々測定し、以下の基準により、保存安定性評価を評価した。結果を表5に示す。
「○」評価 :初期粘度に比べ3週間経過時まで粘度変化率が±5%の範囲内にあるが3〜4週目は±10%以内である。
「△」評価 :初期粘度に比べ3週間経過時まで粘度変化率が±5%の範囲内にあるが3週目以降±10%以上になる。
「×」評価 :3周間経過時の変化率が±10%の範囲外にある。
Figure 0006086349
表5より、実施例1〜実施例3で得られたインクジェットインク組成物は、表面に酸性基を有する有機顔料(I)と、一級アミノ基および二級アミノ基から選ばれるアミノ基を分子中に2以上含む塩基性化合物(II)とを水性媒体中で接触させることにより得られた表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料と、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを用いて調製された末端イソシアネート基を2以上有する特定のポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)(ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(α))とを接触させ、上記アミノ基含有顔料の未反応アミノ基および前記ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基を尿素結合してなるポリウレタン樹脂付加顔料分散体(A)と、ワックス粒子(B)とを含むものであることから、有機顔料を用いたインクジェットインク組成物であるにも拘わらず、比較例1で得られたカーボンブラックを用いたインクジェットインク組成物と同様に、優れた画像濃度、光沢度、再溶解性を示すとともに、分散安定性が良好で、定着性に優れたインク塗膜を形成し得るものであることが分かる。
一方、表5より、比較例2〜比較例16で得られたインクジェットインク組成物は、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを用いることなく調製したポリイソシアネートポリウレタン樹脂(β)を含むものであることから、光沢度、再溶解性、分散安定性ないしは定着性に劣るものであることが分かる。
本発明によれば、優れた画像濃度、再溶解性を示すとともに、分散安定性が良好で、定着性に優れたインク塗膜を形成し得る有機顔料水性分散組成物およびインクジェットインク組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 表面に酸性基を有する有機顔料(I)である表面に酸性基を有し当該酸性基が対イオンで中和された自己分散型カラー顔料から選ばれる一種以上と、一級アミノ基および二級アミノ基から選ばれるアミノ基を分子中に2以上含む塩基性化合物(II)とを水性媒体中で接触させることにより、表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料を得次いで、
    当該表面に未反応アミノ基を有するアミノ基含有顔料を、 ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの含有割合が50モル%以上であるポリイソシアネート化合物をウレタン結合してなる、末端イソシアネート基を2以上有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)と接触させることにより、
    前記アミノ基含有顔料の未反応アミノ基および前記ポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の末端イソシアネート基を尿素結合してなるポリウレタン樹脂付加顔料分散体(A)を得これを
    ワックス粒子(B)
    混合することを特徴とする有機顔料水性分散組成物の製造方法
  2. 前記末端イソシアネート基を2以上有するポリイソシアネートポリウレタン樹脂(III)の固形分酸価が20〜200mgKOH/gである請求項1に記載の有機顔料水性分散組成物の製造方法。
  3. 前記ワックス粒子(B)が、炭素数16〜50の飽和炭化水素アルコールまたは飽和炭化水素カルボン酸に対するエチレンオキサイド付加物であるポリオキシエチレンエーテル鎖を有する炭化水素化合物であり、融点が60〜140℃であるものである請求項1または請求項2に記載の有機顔料水性分散組成物の製造方法
  4. 前記ワックス粒子(B)平均粒子径D50が10〜200nmである請求項1〜請求項のいずれかに記載の有機顔料水性分散組成物の製造方法
  5. 請求項1〜請求項のいずれかに記載の有機顔料水性分散組成物の製造方法により製造することを特徴とするインクジェットインク組成物の製造方法
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