JP6085661B1 - 超仕上装置 - Google Patents

超仕上装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6085661B1
JP6085661B1 JP2015226694A JP2015226694A JP6085661B1 JP 6085661 B1 JP6085661 B1 JP 6085661B1 JP 2015226694 A JP2015226694 A JP 2015226694A JP 2015226694 A JP2015226694 A JP 2015226694A JP 6085661 B1 JP6085661 B1 JP 6085661B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grindstone
pressing
holding
rocking
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015226694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017094415A (ja
Inventor
儀三郎 近藤
儀三郎 近藤
Original Assignee
西部自動機器株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 西部自動機器株式会社 filed Critical 西部自動機器株式会社
Priority to JP2015226694A priority Critical patent/JP6085661B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6085661B1 publication Critical patent/JP6085661B1/ja
Publication of JP2017094415A publication Critical patent/JP2017094415A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

【課題】ころをその軸方向に往復移動させることなくクラウニング形状の外面を超仕上する超仕上装置を提供する。【解決手段】超仕上装置は、揺動砥石保持装置1、ころW周面を一方向に押圧する押圧部を備えた押圧装置1、これらを一体として振動を与えるオシレーション装置4、及び振動方向と同方向にこれらを往復動させる往復移動装置を有する。揺動砥石保持装置は、砥石Gsを揺動可能に保持する砥石揺動部2、及び砥石研削面をころ周面に押圧させる砥石押圧部3を有する。砥石押圧部の押圧方向と押圧部の押圧方向とは一致する。この押圧方向はオシレーション装置の振動方向に直交する。砥石と押圧部とは同時にころの周面に当接可能でオシレーション装置の振動方向に並ぶ。砥石の揺動軸25はオシレーション装置の振動方向及び押圧部等の押圧方向に直交する。【選択図】図1

Description

本発明は、ころ軸受けに使用されるころの外面を超仕上する超仕上装置に関する。
例えば、転動体として円柱状の円筒ころを使用する円筒ころ軸受、転動体として円錐台状の円錐ころを使用する円錐ころ軸受は、ころと(外輪、内輪の)軌道面とが線接触する。このようなころ軸受では、ころの外形が幾何学上の円柱または円錐台そのものである場合、ころの端で接触面圧が過大となり、ころの変形等を生じるおそれがある。ころの端での過大接触面圧を回避するため、円筒ころおよび円錐ころは、その転動面(周面)から端面にかけてクラウニングが施される。
ころの転動面におけるクラウニングに関しては、円筒ころまたは円錐ころの原型(ワーク)に対して研削加工することによりこれ(クラウニング)を形成させる技術が開示されている(特許文献1)。
さらに、ころの端のクラウニングを含む外周面に超仕上を施せば、円筒ころ軸受および円錐ころ軸受がより円滑に動作しかつ耐久性の向上が期待できる。ころの両端のクラウニングを超仕上するために、砥石を保持する砥石ホルダに首振り運動させる技術が提案されている(特許文献2)。
特開2010−017788号公報 特開2005−118926号公報
引用文献1に開示された技術は、主にワークの外径面をクラウニング形状に研削加工するものであり、クラウニング形状の外径面を超仕上するものではない。特許文献1には、超仕上機を用いて外径面のクラウニング加工を行うことが従来技術(特開平7−290347号公報)として記載されている。しかしながら、特許文献1に記載された従来技術は、ストレート部の仕上げ加工を行うもので、外周面から端面に連続するクラウニングを超仕上することができない。
これに対して、特許文献2に提案された技術は、相互の軸心が傾斜する一対の搬送ロー
ラを正逆回転させて保持するころを回転させ、搬送ローラそれぞれの回転数を別々に制御して搬送ローラの略軸心方向にころを移動させ、クラウニングを超仕上する。この特許文献2に記載された実施例では、搬送ローラの軸心方向に移動するころの位置を複数設けられたセンサにより検出する。そして、超仕上は、微小振動する一対の砥石およびこれらに挟まれた首振り運動する一対の砥石の中から、検出されたころの位置および設定されたころの移動方向に応じて異種の隣り合う2つの砥石(微小振動の砥石1つと首振り運動砥石の1つ)が下降して行われる。
引用文献2に提案された技術は、ころをその軸方向に往復動させる必要があることから長い搬送ローラを必要とし、かつころを往復動させるための一対の搬送ローラのそれぞれの回転数の制御、移動するころのセンサによる位置把握、これらの情報による2組の砥石(砥石ホルダ)の上下動のタイミング制御等、ソフトウェアへの負担が少なくはなく処理内容が複雑となる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、ころをその軸方向に往復移動させることなくそのクラウニング形状の外面を超仕上するための超仕上装置を提供することを目的とする。
本発明に係る超仕上装置は、ころの周面を超仕上する超仕上装置である。超仕上装置は、砥石保持装置、ころの周面に当接可能なワーク脱落防止手段を備えてワーク脱落防止手段に対してころを特定の一方向に押圧させる押圧手段石保持装置および押圧手段を保持しこれらに同一の超仕上用の振動を与えるオシレーション装置、ならびに、オシレーション装置による振動方向と同じ方向にオシレーション装置を往復移動させる往復移動装置を有する。
揺動砥石保持装置は、砥石を揺動可能に保持するための砥石揺動部、および砥石揺動部を特定の一方向に押圧して砥石の研削面をころの周面に当接させる砥石押圧部を有する。
オシレーション装置に固定された砥石保持装置および押圧手段は、砥石押圧部の砥石揺動部への押圧方向と押圧部の押圧方向とが一致する。この押圧方向は、オシレーション装置の振動方向に直交している。砥石とワーク脱落防止手段とは、同時にころの周面に当接可能なように、オシレーション装置の振動方向に並ぶ。揺動可能な砥石の揺動軸は、オシレーション装置の振動方向およびワーク脱落防止手段等の押圧方向のいずれにも直交する。
本発明に係る他の超仕上装置は、一対の砥石保持装置、一対の砥石保持装置を保持しこれらに同一の超仕上用の振動を与えるオシレーション装置、ならびに、一対の砥石保持装置およびオシレーション装置を超仕上用の振動の方向と同じ方向に往復移動させる往復移動装置を有する。
砥石保持装置は、砥石を揺動可能に保持するための砥石揺動部、および砥石揺動部を特定の一方向に押圧して砥石の研削面をころの周面に当接させる砥石押圧部を有する。
それぞれの砥石押圧部の砥石揺動部への押圧方向が一致する。また、押圧方向は、オシレーション装置の振動方向に直交し、それぞれが保持する砥石は、同時にころの周面に当接可能にオシレーション装置の振動方向に並ぶ。そして、揺動可能なそれぞれの砥石の揺動軸は、オシレーション装置の振動方向および砥石押圧部の押圧方向のいずれにも直交する。
押圧手段は、さらに、ころの周面に当接してころを特定の一方向に押圧可能な第2のワーク脱落防止手段を備えてもよい。この場合、第2のワーク脱落防止手段は、その押圧方向をもう一方のワーク脱落防止手段の押圧方向に一致させてもう一方のワーク脱落防止手段に一体化される。オシレーション装置に固定された砥石保持装置および押圧手段は、砥石を挟んで砥石の両側に(もう一方の)ワーク脱落防止手段および第2のワーク脱落防止手段がオシレーション装置の振動方向に並び、かつ、砥石とワーク脱落防止手段とが同時にころの周面に当接可能に、および砥石と第2のワーク脱落防止手段とが同時にころの周面に当接可能に構成される。
ワーク脱落防止手段および第2のワーク脱落防止手段は、いずれか一方またはいずれも
砥石をころの周面に当接させるように構成してもよい。
好ましくは、砥石揺動部は、砥石を保持する砥石保持部、および砥石保持部を揺動可能に保持する揺動支持部を有する。砥石保持部は、砥石を貫通させて保持する砥石孔、および180度異なる両方向に突出する円柱状の揺動軸を備える。揺動支持部は、揺動軸の突出する互いに異なる一方を収容する切り欠きを備えて互いに離れて平行な板状の一対の腕部、および切り欠きに収容された揺動軸が切り欠きの開口から脱落するのを防止するために開口を塞ぐ揺動軸支持材を有する。
好ましくは、切り欠きは、揺動軸方向に見たとき、その奥側の形状が頂角を最深部とする二等辺三角形である。
本発明によると、ころをその軸方向に往復移動させることなくそのクラウニング形状の外面を超仕上するための超仕上装置を提供することができる。
図1は砥石保持装置の正面図である。 図2は図1のA−A矢視による側面図である。 図3は砥石保持部の正面図である。 図4は図3のC−C矢視による側面図である。 図5は砥石保持装置の概略を示す図である。 図6は超仕上時の砥石保持装置の往復移動装置による移動サイクルを示す図である。 図7は超仕上時の砥石保持装置の動きの詳細を示す図である。 図8は砥石の揺動中心と砥石の研削面との位置関係を示す図である。 図9は円錐ころの超仕上前後の周面の軸方向における凹凸測定結果を示す図である。 図10は円錐ころの超仕上前後の周面の周方向における凹凸測定結果を示す図である。 図11は他の砥石保持装置を含む砥石保持セットの正面図である。 図12は砥石保持セットの左側面図である。 図13は超仕上時の砥石保持セットの往復移動装置による移動サイクルを示す図である。
図1は砥石保持装置1の正面図、図2は図1のA−A矢視による側面図、図3は砥石揺動部2の正面図、図4は図3のC−C矢視による側面図、図5は砥石保持装置1の概略を示す図である。図2における(b)は把持部19の拡大図である。図3における右半分は図2のB−B矢視断面図である。図5における(a)は平面図、(b)は図4のD−D矢視断面図、および(c)は裏面図である。
砥石保持装置1は、砥石揺動部2および砥石押圧部3からなる。
砥石揺動部2は、砥石保持部11、揺動支持部12、復元付勢材13および揺動軸支持材14を有する。
砥石保持部11は、保持部本体15、固定材16および雄ネジ17で構成される。
保持部本体15は、形状が全体として直方体であり、最も幅が狭い対向面間を、砥石を保持するための砥石孔21が貫通する。砥石孔21は、開口する表面22,22に直交して延び、この表面22,22に直交する2つの表面23,23の一方側に偏っている。砥石孔21は、断面形状が矩形である。砥石孔21の断面形状は、超仕上に使用される砥石Gsの断面形状に略一致する。
保持部本体15は、前述した2つの表面22,23のいずれにも直交する表面24,24に直交してこの表面24,24から外方に延びる、断面円形の揺動軸25を備える。揺動軸25は、砥石孔21の軸心にその軸心を直交させて、砥石孔21が開口する表面22,22の一方側に偏った位置に配される。「砥石孔21の軸心」とは、砥石孔21の貫通方向に直交する各断面における図心を貫通方向に結んだ線をいう。
保持部本体15は、砥石孔21が偏る側の反対側に、砥石孔21の軸心に直交し揺動軸25に平行な貫通孔(以下「固定材孔26」という)を有する。固定材孔26は、断面が円形であり、周面の一部が矩形に開口して砥石孔21に連通する。
保持部本体15は、砥石孔21および固定材孔26の並びの先の表面(表面23の対向面)から固定材孔26に貫通する雌ネジ27を備える。保持部本体15は、耐摩耗性に優れる超硬質合金で製作される。
固定材16は、形状が円柱であり、その外径は固定材孔26の内径よりも小さく、その長さは固定材孔26の長さに略等しいかまたは僅かに小さい。固定材16は、軸方向の中央に、略円形の窪みを有する。
雄ネジ17は、保持部本体15の雌ネジ27に螺合し、ネジ部分は雌ネジ27より長い。
砥石保持部11は、砥石Gsを砥石孔21に貫通させ、固定材16の窪みが雌ネジに対向するように固定材孔26に差し入れられて、雌ネジ27に螺合させた雄ネジ17が締め付けられることにより砥石Gsを一体化する。砥石保持部11(保持部本体15)は、揺動軸25の軸心、固定材孔26の中心線、雌ネジ27の軸心が同一平面上に存在し、かつこの平面が砥石孔21の軸心に直交するのが好ましい。
揺動支持部12は、連結部31および挟持部32からなる。連結部31は、正面視(図3)の形状が不等辺の直角三角形であり、中実の厚板である。三角形の長辺近傍には、両側の凹部33,33によって厚さが薄くなっている。
挟持部32は、連結部31における三角形の短辺からこの三角形の斜辺方向外方に突出する一対の腕部34,34で形成される。腕部34,34は保持部本体15の厚さに略等しい間隔を有して平行であり、それぞれが連結部31よりも薄い板状である。
腕部34は、正面視(図3)においてその下面が、連結部31の下面(正面視における斜辺部分)の延長上に延びた後、連結部31における(正面視)三角形の長辺に対して平行に延びる。腕部34の上面は、正面視において、連結部31から離れるに従い下面との距離が少しずつ狭まるように伸びる。腕部34の端面は、連結部31の下面に直交する。
腕部34,34には、それぞれ下面に開口する切り欠き35が設けられている。切り欠き35は、その開口から奥に向け平行に対向して両側面が延びる。対向する側面は、延びた端でそれぞれ相手側に折れ曲がる。つまり、正面視における切り欠き35の奥側の形状は、二等辺三角形である。切り欠き35における平行に延び対向する側面の間隔は、揺動軸25の外径に略等しい。切り欠き35の奥行きは、断面円形の揺動軸25を嵌め入れたとき、揺動軸25が僅かに切り欠き35からはみ出る程度に設計される。
切り欠き35は、腕部34における延びた端近傍に設けられる。腕部34における切り欠き35は、砥石保持部11の揺動軸25が切り欠き35,35に収容され揺動軸25周りに揺動するとき、雄ネジ17が連結部31(砥石保持部11が連結部31に)当たることがないように、連結部31から離れた位置に設けられる。
腕部34,34における外方を向く面の下方の切り欠き35,35の開口近傍は、下方に向けて徐々に幅が狭くなるように傾斜する。この傾斜する面を「テーパ面36」という。
テーパ面36は、超仕上時にころを回転させる一対のローラRl,Rrとの干渉を避けるためのものである(干渉の可能性については図2参照)。揺動軸25の両側の突出端側にも、これと同様の目的で傾斜面37が設けられている。
復元付勢材13は、板状の細長い矩形であり、両端から所定の距離の部分が、互いに異なる方向に鈍角に曲げられている。曲げられた両端の部分は、互いに平行である。復元付勢材13の曲げられた一方の端には、その長手方向の端に開口する切り欠き41が設けられる。復元付勢材13の曲げられた他方の端近傍には、2つの孔が設けられる。
復元付勢材13は、2つの孔が設けられた端側が、揺動支持部12の連結部31における挟持部32側を向く面の凹部33側端近くにネジ42,42により固定される。固定された復元付勢材13は、長手方向の中央部分が砥石保持部11に向かい傾斜して延び、切り欠き41を有する一方の端近傍部分が、砥石保持部11(保持部本体15)に接する。
復元付勢材13は、後述する砥石押圧部3における砥石揺動部2を押圧する方向(後述する押圧装置18のロッド51が延びる方向)と砥石孔21の貫通方向とが一致したとき、切り欠き41を有する端側近傍が砥石保持部11に面接触するように、両端近くの曲げの程度が調整される。切り欠き41を有する端側近傍は、砥石保持部11の接触する面の略中央から雄ネジ17側の端近くまで延びている。ここで、切り欠き41により復元付勢材13と雄ネジ17との干渉が回避され、復元付勢材13をより大きな面積で砥石保持部11の側面に接触させることができる。復元付勢材13はバネ鋼で形成される。
揺動軸支持材14は、弾性を有する金属板で短冊状に形成される。揺動軸支持材14は、揺動支持部12における連結部31の下面およびこれに続く挟持部32(腕部34,34)の下面を覆う。そのため揺動軸支持材14は、揺動支持部12の下面に接するように、長手方向の途中で揺動支持部12の下面に合わせて折れ曲がっている。揺動軸支持材14における挟持部32の下面を覆う部分は、砥石保持部11の揺動を妨げないように、中央部分が欠落して切り欠き45となっている。また、腕部34,34は、切り欠き35の開口近傍の下面が、テーパ面36により幅が狭いことから、この幅に合わせて切り欠き45により二股となった部分は幅が狭い。
揺動軸支持材14は、切り欠き45とは反対側の端が、2つのネジ46,46により、連結部31の下面に固定される。揺動軸支持材14は、保持部本体15の揺動軸25が挟持部32(腕部34,34)の切り欠き35,35から脱落するのを防ぐ。さらに、揺動軸支持材14は、揺動軸25を僅かにはみ出させるように切り欠き35の奥行きが設定されていることから、揺動軸25を常に切り欠き35の奥に押圧する。このことにより、揺動軸25は、切り欠き35の奥の二等辺三角形の2つの等辺部分に常に当接し、砥石保持部11の揺動時の中心が変動せず安定する。
揺動支持部12は、揺動軸25が偏った側の表面22が揺動軸支持材14側になる姿勢で、砥石保持部11を揺動可能に支持する。
復元付勢材13は、揺動する砥石保持部11を、その基準姿勢に戻す、つまり保持する砥石Gsの研削面が後述する押圧装置18の押圧方向と略直交する姿勢に戻す働きをする(図7(b)参照)。なお、「研削面」とは、ワークの研削される面に当接する砥石Gsの面をいう。
砥石押圧部3は、押圧装置18および把持部19からなる。
押圧装置18は、複動型エアシリンダである。押圧装置18(「エアシリンダ18」ということがある)のロッド51の先端側は、把持部19に連結されている。エアシリンダ18のロッドカバーには、外方に向けてロッド51と平行に突出する丸棒(以下「案内棒52」という)が設けられる。
把持部19は、把持部本体53、固定部54および案内棒挿通部55で構成される。把持部本体53は、ロッド51が延びる方向を向く平面(以下「当接面56」という)を有し、当接面56の形状は矩形である。当接面56の長さおよび幅は、揺動支持部12の平面視(図5(a))における連結部31の両側の凹部33,33に挟まれた矩形部分と略同じである。
当接面56の矩形長辺に相当する一方には、ロッド51とは反対側に突出して矩形長辺に沿って延びる第1爪部57が設けられている。第1爪部57は、連結部31の凹部33,33の一方にぴったり嵌る形状である。
固定部54は、第1爪部57と面対称の形状を有する第2爪部58を有する。第2爪部58は、連結部31の凹部33,33の他方にぴったり嵌る形状である。
案内棒挿通部55は、案内棒52の外径に略等しい案内孔59を有する。案内孔59には案内棒52が貫通し、案内棒52は、案内孔59内を摺動しながら往復動可能である。
把持部19と砥石揺動部2とは、把持部本体53の第1爪部57が凹部33の一方に嵌め入れられ、当接面56に連結部31の凹部33,33の間の表面を当接させ、および固定部54の第2爪部58が他方の凹部33に嵌め入れらた状態で一体化されている。砥石揺動部2は、第1爪部57および第2爪部58により連結部31(凹部33,33)が強く挟まれることにより、把持部19に安定に一体化される。
案内棒挿通部55は、ロッド51の伸張および収縮時に案内棒52に案内されることにより、把持部19すなわち砥石揺動部2(砥石Gs研削面)の位置を安定化させる。
砥石保持装置1において、砥石揺動部2の揺動軸25(の軸心)は、砥石押圧部3のロッド51の往復動方向に直交する
超仕上装置は、一対の砥石保持装置1,1の他に、一対のローラRl,Rr、オシレーション(高速振動)装置4、往復移動装置、制御装置等を備える。
一対のローラRl,Rrは、回転軸が互いに平行にかつ水平に並んで配される。一対のローラRl,Rrの外形は、ワークWが円錐ころの場合には同一形状大きさの高さが低い円錐台であり、円柱ころの場合には、同一形状大きさの高さが低い円柱である。ローラRl,Rrは、一方が駆動されまたは両方が同一回転数で駆動され、超仕上処理時には同一方向に回転する。ローラRl,Rrは、超仕上時に互いの間にワークWを支持して回転させる。
一対の砥石保持装置1,1は、それぞれの砥石揺動部2,2が面対称である。一対の砥石保持装置1,1は、互いの揺動支持部12,12が、挟持部32,32(それぞれの腕部34,34)の突出側外方の垂直な平面(ローラRl,Rrの回転軸に直交する平面)に対して対称に配され、その砥石押圧部3,3がオシレーション装置4に保持される。オシレーション装置4に保持された砥石保持装置1,1は、そのロッド51の往復動方向および揺動軸(の軸心)のいずれも、オシレーション装置4による微振動方向に直交する。
オシレーション装置4は、一対の砥石保持装置1,1を一体としてローラRl,Rrの回転軸に平行に高速微振動(オシレーション、直線運動)させる。往復移動装置は、オシレーション装置4を低速でローラRl,Rrの回転軸に平行に往復移動させる。往復移動装置によるオシレーション装置4の移動方向は、オシレーション装置4によるオシレーション方向と同じである。
制御装置は、ローラRl,Rrの回転数、オシレーションの周波数および往復移動装置の移動速度、移動範囲の管理、エアシリンダ18の作動流体圧の管理、ならびに処理時間の管理等を行う。
次に、砥石保持装置1を備えた超仕上装置による、円錐ころ(ワーク)Wのクラウニング形状の外面の超仕上処理について説明する。
図6は超仕上時の砥石保持装置1(砥石揺動部2)の往復移動装置による移動サイクルを示す図、図7は超仕上時の砥石保持装置1の動きの詳細を示す図である。
超仕上時、ローラRl,Rrが所定の回転数で回転し、これにより支持されたワークWが回転する。それぞれの砥石保持装置1,1におけるエアシリンダ18,18に設定された圧力の空気(作動流体)が供給され、各砥石揺動部2,2は、保持する砥石Gs,GsをワークWの外周面に押圧する。この状態で、オシレーション装置4はワークWの軸心方向に高速微振動し(振動幅Ow)、ワークWの外周面を超仕上する。
砥石Gsの研削面(ワークWの外周面を研削する面)は、高速微振動方向を母線とする、凹状の湾曲面が好ましい。
超仕上装置の往復移動装置は、オシレーション装置4ごと砥石Gs,Gsを、ワークWの一方の端面から他方の端面間で往復移動させる。この往復移動について、例えば図6(a)を移動の起点とすると、砥石Gs,Gsはオシレーションしながら一方の端面側に移動し(図6(b))、この端面側の砥石Gsが端面の小曲率半径部分に達すると、この砥石Gsは端面の湾曲の程度に応じて傾斜しながらオシレーション状態を維持する(図6(c)、図7(b))。
一方の端面側で傾斜する砥石Gsは、その湾曲する研削面の最深位置がワークWの端面に押圧される。このとき、砥石Gsは、研削面の最深位置における微小な範囲でワークWを研削する。研削面のこの微小な範囲における(湾曲面の)母線が、(微小な範囲を「点」と仮定すると)ワークWの端面の被研削面における(軸心を含む断面の)接線に一致するように、砥石Gsが微振動する。したがって、一方の端面側の砥石Gsは、(往復移動装置による緩やかな)往復移動および微振動による小曲率半径部分の研削位置に応じて上下動する(図7(a)のRm)。このとき、ワークWの外周面上に位置する他方の砥石G
sも、外周面のクラウニングに応じて上下動するが、一方の砥石Gsに比べるとその程度は小さい。
ここで、復元付勢材13は、エアシリンダ18による押圧力に比べてその復元力は弱く、図6(c)に示される(左側の)姿勢では、オシレーション装置4の振動(微往復移動)の伝達を妨げることなく、周面の湾曲に応じた砥石保持部11の揺動(傾斜)を可能にする。
一対の砥石保持装置1,1におけるそれぞれのエアシリンダ18,18は、同じ圧力源から加圧エアが供給される。作動流体が連通するそれぞれのエアシリンダ18,18は、砥石揺動部2,2における上下動の程度の違いを緩衝する働きをする。
オシレーション装置4がワークWの一方の端面側の移動端に達した後、往復移動装置は、オシレーション装置4をワークWの他方の端面側に向けて移動させる(図6(c)→(b)→(a)→(d)→(e))。一対の砥石保持装置1,1は、ワークWの他方の端面側においても一方の端面側と同様の動作を行う。
超仕上装置は、一対の砥石保持装置1,1が保持する砥石Gs,Gsに、図6に示される往復移動のサイクルを繰り返させながら微振動させ、ワークWの周面を超仕上げする。
砥石保持装置1(砥石Gs)を一対(2つ)としたのは、以下の理由による。
ローラRl,Rrは、その幅がワークWの長さ(軸心方向寸法)より小さく、ローラRl,Rrに保持されたワークWは、その両端がローラRl,Rrの外に出る(図7)。
一方の砥石GsがワークWの一方の端面近傍の小曲率半径部分を研削するとき(図6(c),(e))、この砥石GsがワークWを押圧する力Fは、ローラRl,Rrの端縁を支点Rf(支点RfはローラRl,Rrそれぞれに生ずる)として、ワークWの他方の端面側を浮き上がらせようとする。したがって、砥石保持装置1(砥石Gs)が1つの場合、砥石GsがワークWの一方の端の近傍を研削するときにはワークWの他方の端側が浮き上がり(図7(b))、ワークWがローラRl,Rrから脱落するおそれがある。
一対の砥石保持装置1,1を備えた超仕上装置では、内方の周面を研削する他方の砥石GsがワークWの端側を研削する一方の砥石Gsと同じ作動流体圧で押圧する。これにより、ワークWは、ローラRl,Rrからの研削されていない他方の端面側の浮き上がり、ローラRl,Rrからの脱落が防止され、砥石Gs,Gsによるクラウニング全体の円滑かつ安定な超仕上の継続を可能とする。
また、図6(c),(e)の姿勢では、ワークWの端側の砥石GsによりワークWをその軸方向に移動させる力が働くが、他方の砥石GsがワークWを上から押圧するので、ワークWは移動することなく端部および軸方向内方の周面が研削の研削が行われる。
砥石Gsを一対とすることにより、1つに比べて研削面が2倍になり当然に超仕上の時間短縮が期待できる。しかし、1つの砥石であっても研削面を大きくすればそれに応じて時間短縮が可能であるので、一対の砥石Gs,Gs(一対の砥石保持装置1,1)の主たる効果は、超仕上時のローラRl,RrによるワークWの安定な支持を可能とすることである。
図8は砥石Gsの揺動中心Csと砥石Gsの研削面との位置関係を示す図である。
図8(a)は、砥石Gsの研削面における微振動(オシレーション)方向の寸法L(「砥石幅L」という)が、砥石Gsの揺動中心Csの砥石Gs研削面からの距離H(「揺動中心高さH」という)よりも大きい場合(L>H)を示す。図8(b)は、砥石幅Lが揺動中心高さHよりも小さい場合(L<H)を示す。なお、図8の砥石幅Lおよび揺動中心高さHの比率等は例示である。
L>Hの場合には、砥石Gsが固定された後の揺動可能な部分の揺動中心Cs、すなわち砥石保持部11および砥石Gs(これらを「揺動体」というものとする)の揺動中心Csは、L<Hの場合に比べて、揺動体の重心に対して砥石Gsの研削面(超仕上時はワークW)により近い。また、L>Hである保持部本体15は、砥石孔21が開口する表面22,22の一方側に偏った位置、つまり砥石Gsの研削面により近い位置に揺動軸25が配されることにより、揺動体の重心に対して一層砥石Gsの研削面に近づける設計がなされている。
ところで、超仕上時、砥石Gsの研削面は、押圧装置(エアシリンダ)18によりワークWの被研削面に押圧されており、オシレーション時にも研削面にはその場に止まろうとする力が働く。この止まろうとする力(研削面との摩擦力)、および揺動体における揺動軸25から砥石Gsの研削面までの部分の重量が、超仕上処理における砥石保持部11,11の高速往復動(オシレーション,Ow)への揺動体(砥石Gs,Gs)の追随性に影響する。
L>Hである砥石保持部11(図8(a))では、揺動体における揺動軸25から砥石Gsの研削面までの部分の重量が小さい。そのため、砥石Gs(揺動体)は、超仕上時のオシレーション装置4の往復動に伴ってワークWの被研削面を往復動する。
一方、図8(b)に示されるL<Hの場合には、揺動体における揺動軸25から砥石Gsの研削面までの部分の重量が大きく、揺動体は、オシレーション装置4の往復動に伴って往復動せずに揺動軸25周りに揺動するおそれが高い。そうすると、砥石GsはワークWの被研削面を往復動せず、超仕上が行われない。
砥石保持部11(保持部本体15、固定材16、および雄ネジ17)の揺動軸25は、少なくとも砥石Gsを保持する砥石保持部11状態での一体物の重心位置よりも保持する砥石の研削面側に設け、可能な限り研削面に近づけるのが好ましい。L>Hは、この好ましい要件の具体例である。
このことは、例えば、鉛筆を削り先(露出芯)に近い位置で持った場合と削り先から遠く離れた位置で持った場合とでは、近い位置で持った場合の方が文字、線等を意図したとおりに書けることに共通する。
砥石の砥石幅LがワークWの長さに比べて小さいと超仕上に長時間を要す。また、砥石の砥石幅LがワークWの長さに比べて過剰に大きいと、砥石周りの設計上の制約が大きくなる。そのため、砥石の砥石幅Lは、ワークWの長さ(軸心方向の寸法)を考慮して常識的に適切な値が選択される。
図9は円錐ころWの超仕上前後の周面の軸方向における凹凸(粗さ)測定結果を示す図、図10は円錐ころWの超仕上前後の周面の周方向における凹凸測定結果を示す図である。各図における円錐ころWは、その周面が軸方向にクラウニング形状である。
図10における「前加工」は超仕上前、「加工後」は超仕上後、それぞれの数値(例えば「前加工」における0.62μm)は、矢印Sが示す周囲の最大凹凸差である。
超仕上条件、例えば使用する砥石、オシレーションの周波数、および超仕上処理時間等によって、超仕上の程度は異なる。図9および図10は、一対の砥石保持装置1,1を備えた超仕上装置による一般的な超仕上条件で行われた超仕上の例である。図9および図10から、一対の砥石保持装置1,1を備えた超仕上装置は、円錐ころ(ワークW)をその軸方向に往復移動させることなく、クラウニング形状となった円錐ころWの軸方向端部について、良好な超仕上が可能である。
図11は他の砥石保持装置1Bを含む砥石保持セットの正面図、図12は砥石保持セットの左側面図である。
砥石保持セットは、砥石保持装置1Bおよび固定砥石装置5Bからなる。
砥石保持装置1Bは、砥石揺動部2Bおよび砥石押圧部3からなる。
砥石揺動部2Bは、砥石保持部11、揺動支持部12B、復元付勢材13Bおよび揺動軸支持材14Bを有する。
砥石保持部11は、略砥石保持装置1におけるものと同じであり、各図において砥石保持装置1におけるものと同じ符号を付しその説明を省略する。
揺動支持部12Bは、連結部31Bおよび挟持部32Bからなり、正面視(図11)の形状が逆二等辺三角形の頂角側が欠けた台形である。連結部31Bは、二等辺三角形の底辺側であり中実の厚板である。三角形の底辺近傍の両表面は、凹部33,33によって厚さが薄くなっている。
挟持部32Bは、二等辺三角形の頂角側の部分であり、連結部31から外方に平行に突出する板状の一対の腕部34B,34Bで形成される。
腕部34B,34Bには、台形形状の上底、すなわち図11における下面に開口する切
り欠き35が設けられている。切り欠き35は、砥石保持装置1におけるものと同じであり、その説明を省略する。
復元付勢材13Bは、板状の細長い矩形であり、両端から所定の距離の部分が、互いに異なる方向に鈍角に曲げられている。復元付勢材13Bは、その形状が砥石保持装置1における復元付勢材13と若干異なるが、その機能は同じであり、復元付勢材13と同じようにネジ42,42で連結部31Bに固定される。
揺動軸支持材14Bは、その形状が砥石保持装置1における揺動軸支持材14と若干異なるのみで、その構成および作用効果は砥石保持装置1における揺動軸支持材14と同じである。
砥石押圧部3は、砥石保持装置1における砥石押圧部3と同じである。
砥石保持装置1Bは、エアシリンダ18のロッド51の往復動方向および揺動軸25の軸心がいずれもオシレーション装置4の微振動方向に直交するように、オシレーション装置4に固定される。
固定砥石装置5Bは、砥石固定装置6Bおよび砥石押圧部3で構成される。
固定砥石装置5Bにおける砥石押圧部3は、砥石保持装置1Bにおける砥石押圧部3と同じである。
砥石固定装置6Bは、第1アーム61B、第2アーム62Bおよびアーム連結部63Bからなる。
第1アーム61Bは、全体として細長く、一方の端側が砥石押圧部3におけるエアシリンダ18のロッド51に連結されている。第1アーム61Bの一端側には、砥石保持装置1Bにおける案内棒挿通部55と同じものが設けられ、第1アーム61Bは、ロッド51の伸張および収縮時に案内棒52に案内されて安定に往復動する。
第1アーム61Bは、ロッド51との連結部分からしばらくロッド51の往復動方向に延び、途中から鈍角を形成して折れ曲がる。第1アーム61Bは、他方の端つまりこの折れ曲がった先端近傍に砥石Gsを固定可能である。第1アーム61Bは、砥石Gsの研削面が略ロッド51の伸張方向を向くように砥石Gsを固定する。
第2アーム62Bは、全体として細長く、一方の端近傍に砥石Gsを固定可能である。
アーム連結部63Bは、(図11および図12を上から見た)平面視において「コ」字状である。アーム連結部63Bは、「コ」字状の一方の端が、第1アーム61Bにおけるロッド51の伸張と同方向に延びる部分の端、折れ曲がる直前の部分に連続する。アーム連結部63Bにおける「コ」字状の他方の端は、第2アーム62Bにおける砥石Gs固定可能な端とは逆側の端に連続する。
砥石固定装置6Bは、正面視(図11)において、第1アーム61Bおよび第2アーム62Bが、アーム連結部63Bとの連結部分から砥石Gs固定可能な部分に向けて互いに近づく。
砥石押圧部3は、砥石保持装置1における砥石押圧部3と同じである。
砥石保持装置1Bは、エアシリンダ18のロッド51の往復動方向と揺動軸25の軸心とがいずれもオシレーション装置4の微振動方向に直交するように、オシレーション装置4に固定される。
固定砥石装置5Bは、砥石保持装置1Bと並べてオシレーション装置4に固定される。固定砥石装置5Bは、その「コ」字状のアーム連結部63Bが、正面視における砥石保持装置1Bの砥石揺動部2Bの背後に回りこむ。固定砥石装置5Bにおける第1アーム61Bおよび第2アーム62Bの砥石Gs,Gs固定用端部は、砥石揺動部2Bの砥石保持部11をその間に位置させ、各砥石Gs,Gs固定用端部および砥石保持部11は、オシレーション装置4の往復動方向に一列に並ぶ。
固定砥石装置5Bのエアシリンダ18と砥石保持装置1Bのエアシリンダ18とは、作動流体(空気)の圧力源を共通とし、同じ空気圧で伸張動作する。固定砥石装置5Bにおける第1アーム61Bおよび第2アーム62Bに固定された砥石Gs,Gsは、エアシリンダ18の伸張および収縮に伴って一体で上下する。
砥石保持セットは、超仕上時において、オシレーション装置4を固定する往復移動装置
が往復動する間、第1アーム61Bおよび第2アーム62Bに固定された砥石Gs,Gsの少なくともいずれか一方と砥石保持部11が保持する砥石Gsとが、超仕上対象のワークW周面に接する(押圧する)よう設計される。
図13は超仕上時の砥石保持セットの往復移動装置による移動サイクルを示す図である。
図13における(a)〜(e)は、それぞれ図6の(a)〜(e)に対応する。
砥石保持セットでは、揺動する砥石Gsを保持する砥石保持装置1BのみがワークW端部のクラウニング形状周面の超仕上に関与する。図13(c)では、砥石保持装置1Bの砥石がワークWの左端部を研削するとき、第2アーム62Bの砥石GsはワークWの左外方に外れ、第1アーム61Bの砥石GsがワークWの内方の周面を研削する。このとき、第1アーム61Bの砥石Gsは、砥石揺動部2Bの砥石GsがワークWの左端部を押圧することによるワークWの右側の浮き上がりを防止する。
同様に、図13(e)では、第1アーム61Bの砥石GsがワークWの右外方に外れ、第2アーム62Bの砥石Gsが、ワークWの内方の周面を研削しながらワークWの左側の浮き上がりを防止する。
固定砥石装置5Bは、第1アーム61Bおよび第2アーム62Bが連動して上下する。そのため、一方の砥石GsがワークWから外れたとき(図13(c),(e))でも、外れた砥石Gsは他方の砥石Gsと略同一高さに位置し、揺動する砥石GsがワークW端面近傍を研削した後再び内方に移動するとき(図13(b),(d))、外れた位置の砥石Gsは円滑にワークWの周面上に戻ることができる。
砥石保持セットを備える超仕上装置は、円錐ころ、円柱ころをその軸方向に往復移動させることなくそのクラウニング形状の外面を超仕上することができる。
図11〜図13に示される砥石保持セットにおいて、第2アーム62Bおよびアーム連結部63Bを有さず第1アーム61Bのみを有する砥石固定装置とすることができる。この場合、砥石保持セットは、超仕上時に砥石保持装置1Bに対して砥石固定装置側となるワークW端面の研削が困難であるため、ワークWを逆向きに置き換えてもう一方の端面を研削する。
砥石保持セットにおける第1アーム61Bおよび第2アーム62Bの砥石Gs,Gsに換えて、これらに固定された砥石Gsの研削面に相当する面が自己潤滑性を有する部材で形成された代替物としてもよい。それぞれの代替物は、研削機能を有さないが、図13(c),(e)の状態において砥石保持装置1Bの砥石Gsが研削する端部とは逆側の端部の浮き上がりを防止することができる。その結果、代替物が固定された砥石保持セットは、円錐ころ、円柱ころをその軸方向に往復移動させることなくそのクラウニング形状の外面を超仕上することができる。自己潤滑性を有する部材として、例えばPTFE等のフッ素樹脂が採用される。
第1アーム61Bおよび第2アーム62Bの砥石Gs,Gsを代替物に換えたこと(代替物の自己潤滑性)により、超仕上時にワークWがその軸心方向に移動するおそれがある場合は、ワークWの軸方向両側に移動防止ストッパを設けてもよい。
上述の実施形態において、一対の砥石保持装置1,1はその砥石揺動部2,2が面対称であるとしたが、同一機能を有すれば面対称ではない一対の砥石揺動部2,2を超仕上装置に使用してもよい。
その他、砥石保持装置1,1B、超仕上装置、および砥石保持装置1,1B、超仕上装置の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、ころ軸受けに使用されるころの外面を超仕上する装置に利用することができる。
1,1B 砥石保持装
2,2B 砥石揺動部
3 砥石押圧部
4 オシレーション装置
5B 固定砥石装
11 砥石保持部
12,12B 揺動支持部
14,14B 揺動軸支持材
21 砥石孔
25 揺動軸
34,34B (挟持部の一対の)腕部
35 (挟持部の)切り欠き
61B 第1アー
62B 第2アー
63B アーム連結
Gs 砥
W ころ(ワーク)

Claims (6)

  1. ころの周面を超仕上する超仕上装置であって、
    石保持装置と、
    前記ころの周面に当接可能なワーク脱落防止手段を備えて前記ワーク脱落防止手段に対して前記ころを特定の一方向に押圧させる押圧手段と、
    記砥石保持装置および前記押圧手段を保持しこれらに同一の超仕上用の振動を与えるオシレーション装置と、
    前記オシレーション装置による振動方向と同じ方向に前記オシレーション装置を往復移動させる往復移動装置と、を有し、
    記砥石保持装置は、
    砥石を揺動可能に保持するための砥石揺動部と、
    前記砥石揺動部を特定の一方向に押圧して前記砥石の研削面を前記ころの周面に当接させる砥石押圧部と、を有し、
    前記オシレーション装置に固定された前記砥石保持装置および前記押圧手段は、
    前記砥石押圧部の前記砥石揺動部への押圧方向と前記押圧手段の押圧方向とが一致し、
    前記押圧方向が前記オシレーション装置の振動方向に直交し、
    前記砥石と前記ワーク脱落防止手段とが同時に前記ころの周面に当接可能に前記オシレーション装置の振動方向に並び、
    かつ、揺動可能な前記砥石の揺動軸が前記オシレーション装置の振動方向および前記押圧方向のいずれにも直交する
    ことを特徴とする超仕上装置。
  2. 一対の砥石保持装置と、
    前記一対の砥石保持装置を保持しこれらに同一の超仕上用の振動を与えるオシレーション装置と、
    前記一対の砥石保持装置および前記オシレーション装置を超仕上用の前記振動の方向と同じ方向に往復移動させる往復移動装置と、を有し、
    前記砥石保持装置は、
    砥石を揺動可能に保持するための砥石揺動部と、
    前記砥石揺動部を特定の一方向に押圧して前記砥石の研削面を前記ころの周面に当接させる砥石押圧部と、を有し、
    それぞれの前記砥石押圧部の前記砥石揺動部への押圧方向が一致し、
    前記押圧方向が前記オシレーション装置の振動方向に直交し、
    それぞれが保持する前記砥石が同時に前記ころの周面に当接可能に前記オシレーション装置の振動方向に並び、
    かつ、揺動可能なそれぞれの前記砥石の揺動軸が前記オシレーション装置の振動方向および前記押圧方向のいずれにも直交する
    ことを特徴とする超仕上装置。
  3. 前記押圧手段は、さらに、前記ころの周面に当接して前記ころを特定の一方向に押圧可能な第2のワーク脱落防止手段を備え、
    前記第2のワーク脱落防止手段は、その押圧方向を前記ワーク脱落防止手段の押圧方向に一致させて前記ワーク脱落防止手段に一体化されており、
    前記オシレーション装置に固定された前記砥石保持装置および前記押圧手段は、
    前記砥石を挟んで前記砥石の両側に前記ワーク脱落防止手段および前記第2のワーク脱落防止手段が前記オシレーション装置の振動方向に並び、
    かつ、前記砥石と前記ワーク脱落防止手段とが同時に前記ころの周面に当接可能に、および前記砥石と前記第2のワーク脱落防止手段とが同時に前記ころの周面に当接可能に構成された
    請求項1に記載の超仕上装置。
  4. 前記ワーク脱落防止手段および前記第2のワーク脱落防止手段は、いずれか一方またはいずれも前記ころの周面に当接可能な砥石を有する
    請求項3に記載の超仕上装置。
  5. 前記砥石揺動部は、
    砥石を保持する砥石保持部と、
    前記砥石保持部を揺動可能に保持する揺動支持部と、を有し、
    前記砥石保持部は、
    前記砥石を貫通させて保持する砥石孔と、
    180度異なる両方向に突出する円柱状の揺動軸と、を備え、
    前記揺動支持部は、
    前記揺動軸の突出する互いに異なる一方を収容する切り欠きを備えて互いに離れて平行な板状の一対の腕部と、
    前記切り欠きに収容された前記揺動軸が前記切り欠きの開口から脱落するのを防止するために前記開口を塞ぐ揺動軸支持材と、を有する
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の超仕上装置。
  6. 前記切り欠きは、前記揺動軸方向に見たとき、その奥側の形状が頂角を最深部とする二等辺三角形である
    請求項5に記載の超仕上装置。
JP2015226694A 2015-11-19 2015-11-19 超仕上装置 Active JP6085661B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015226694A JP6085661B1 (ja) 2015-11-19 2015-11-19 超仕上装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015226694A JP6085661B1 (ja) 2015-11-19 2015-11-19 超仕上装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6085661B1 true JP6085661B1 (ja) 2017-02-22
JP2017094415A JP2017094415A (ja) 2017-06-01

Family

ID=58095303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015226694A Active JP6085661B1 (ja) 2015-11-19 2015-11-19 超仕上装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6085661B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114178946A (zh) * 2021-12-16 2022-03-15 南通山口动能科技有限公司 轴承内圈沟道超精机

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7100381B2 (ja) * 2020-08-07 2022-07-13 西部自動機器株式会社 超仕上方法および超仕上装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4886195A (ja) * 1972-02-15 1973-11-14
JPH0297564U (ja) * 1989-01-20 1990-08-03
JPH0553852U (ja) * 1991-12-24 1993-07-20 トーヨーエイテック株式会社 超仕上ヘッドのオシレーション装置
JP2002086341A (ja) * 2000-09-08 2002-03-26 Nsk Ltd ころ超仕上げ方法
JP2004322307A (ja) * 2003-04-09 2004-11-18 Nsk Ltd 超仕上げ加工装置、超仕上げ加工方法、転動体及び転がり軸受
JP2015077667A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 西部自動機器株式会社 砥石押圧装置および超仕上装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4886195A (ja) * 1972-02-15 1973-11-14
JPH0297564U (ja) * 1989-01-20 1990-08-03
JPH0553852U (ja) * 1991-12-24 1993-07-20 トーヨーエイテック株式会社 超仕上ヘッドのオシレーション装置
JP2002086341A (ja) * 2000-09-08 2002-03-26 Nsk Ltd ころ超仕上げ方法
JP2004322307A (ja) * 2003-04-09 2004-11-18 Nsk Ltd 超仕上げ加工装置、超仕上げ加工方法、転動体及び転がり軸受
JP2015077667A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 西部自動機器株式会社 砥石押圧装置および超仕上装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114178946A (zh) * 2021-12-16 2022-03-15 南通山口动能科技有限公司 轴承内圈沟道超精机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017094415A (ja) 2017-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101518884B (zh) 保持器具
JP5842550B2 (ja) 超仕上げ加工装置、超仕上げ加工方法、及び外輪の製造方法
JP6085661B1 (ja) 超仕上装置
US20110306281A1 (en) Finishing apparatus
KR20160036594A (ko) 롤링 툴
JP5683678B1 (ja) 回転球体支持装置
JP2011504422A (ja) クランクシャフトの移行部半径(Uebergangsradien)をディープローリングするための装置
KR20160110939A (ko) 프레싱 장치
JP3630958B2 (ja) レンズ保持装置
JP2007260829A (ja) ころ軸受軌道輪の超仕上げ加工方法
US20130213106A1 (en) Dimple-forming burnishing tool and dimple-forming burnishing method
JP4812489B2 (ja) ころ軸受軌道輪の超仕上げ加工装置
JP5074015B2 (ja) 表面加工方法、表面加工装置
JP4811016B2 (ja) 超仕上げ方法及び超仕上げ装置
JP5620560B1 (ja) 砥石押圧装置および超仕上装置
JP2017035758A (ja) クラウニング加工方法及び装置
JP6274769B2 (ja) 部品の製造方法、および研磨装置
JP5056144B2 (ja) 超仕上盤用砥石揺動機構
JP6207275B2 (ja) 部品の製造方法、研磨装置、光学部材の製造方法、および型の製造方法
KR101210290B1 (ko) 매니퓰레이터 헤드 및 이를 구비하는 매니퓰레이터
JP7035383B2 (ja) リング状部材の研削装置および研削方法、並びに、ラジアル軸受の製造方法
JP2017035759A (ja) クラウニング加工方法及び装置
JP6956890B2 (ja) 静圧式転造工具の回転体および回転体を備えた静圧式転造工具
KR20190036804A (ko) 연마 장치
JP5545254B2 (ja) バニシングツール

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6085661

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250