JP6083749B2 - ワーク剥離装置および剥離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークキャリアのキャリアホール内のワークを下定盤から剥離させるワーク剥離装置およびこのワーク剥離装置を用いる剥離方法に関する。
両面研磨装置(ラップおよびポリッシュを含む)において、両面研磨装置への未加工のワークの装填作業および加工後のワークの回収作業を其々自動化して、品質の安定化や省力化による加工コストの低減を図る動きが活発になっている。
しかしながら、自動化を妨げる各種の問題が存在する。例えば、ワークは、半導体ウェハ、ガラスディスク、水晶ウェハなどの材質的に非常に脆い材料の薄物ワークであることが多く、このような薄物ワークへのハンドリング時に作用する負荷によりワークの破損等を生じやすいという問題がある。ワークの把持(あるいは吸着)や研磨装置との取合いにおいて、周辺装置との接触がある場合は、特にワークへの負荷を低減する必要がある。
そして、自動化工程では、研磨加工後のワークの貼り付きの問題がある。薄物ワークは研磨加工終了後、両面研磨装置の上下の定盤面に貼り付きやすく、上定盤が上昇する時に上定盤にワークが貼り付いてしまうと、その後の工程へ進めることが不可能となり、加工が中断される。さらに貼り付いた薄物ワークを剥がす手間を生じる。最悪の場合は貼り付いたワークが途中で落下して下定盤上で破損するなど、加工工程に大きな支障を来すことがある。そこで、上下定盤への貼り付きの問題を解決するため、多数の対策が提案されている。
例えば、特許文献1(特開平2−301136号公報、発明の名称「ウェハの取出し方法」)に開示されたものが知られている。この先行技術は、下定盤表面に網目状の溝を設け、その溝内に線状あるいは板状のウェハ取り出し治具を置いておき、加工終了後に当該取り出し治具を溝内から引き上げることによりウェハを同時に下定盤面から剥す方法である。この先行技術によれば、研磨加工後に下定盤上に貼り付いたウェハを確実に剥すことができる。
しかしながら、取り出し治具とウェハが少なくとも線状に接触するため、その接触部でウェハを傷付ける懸念があり、特に貼り付き力が大きな場合には接触部で大きな負荷が作用するのでその部分で割れ・欠け等が発生するおそれが増大する。
さらに、下定盤の周りに取り出し治具を固定し全体が昇降する装置を配置することになるが、研磨液等が飛散する環境でこのような大きな稼働装置を設備化することは大きな設備費用が必要となるだけでなく、保守・点検にも多くの労力が必要となり、設備する側の負担が非常に大きくなる。
また、特許文献2(特開昭61−203269号公報、発明の名称「ラッピングおよびポリッシング盤における製品付着防止装置」)に開示されたものが知られている。この先行技術は、定盤全面に渡って分布しつつ開口するような、空気又は液体吹き出し口を設け、加工終了後にこれらの吹き出し口から空気又は液体を吹き出して製品の付着を解除して、取出しを容易とする。この先行技術によれば、製品の取り出し時に製品を傷付けることがなくなり、自動化装置においても製品の取り出しミスがなくなる。
しかしながら、下定盤全面に渡り通孔を介して開口部を設ける構造は、加工に掛るコストが非常に大きくなると同時に、膨大な長さとなる通孔の経路が閉塞しないように間欠的に開口部から空気又は液体を吹き出す必要があるので、運用管理上も非常に煩雑となる。
また、ラップ工程における下定盤は摩耗による減肉があるので消耗品であり、製作費として毎回割高となってしまう。
また、この特許文献2の第7図に示すように、上定盤に同様の措置を施すことは比較的容易である。これは、上定盤の上部が中央部付近の吊り下げ構造物以外は空いており、各通孔への空気または液体を供給する装置を設置しやすいこと、また、液体等を供給する場合には、共通の液体容器などから重力式に落下させて複数のホースへ分配することが容易に実現できることなどに起因する。
しかしながら、下定盤ではキャリアを自公転させるためのインターナルギアおよびサンギアを駆動・伝達する装置や下定盤の剛性を確保しつつ駆動・支持するための構造体等を配置しているため、上定盤と同様の構造を採ることは不可能であり、また、液体の重力落下を利用することができず、設計上あるいは保守上の制約が著しく大きいことから、実現は容易ではない。
また、特許文献3(特開平11−320388号公報、発明の名称「平面研磨装置及びワークの取出方法」)に開示されたものが知られている。この先行技術は、加工後のワークの一端部を持ち上げて定盤から剥離させたあと、ワーク全体を持ち上げて下定盤上から取り出す方法が開示されている。本発明によれば、ワークと定盤間の界面にある液体の表面張力によって定盤に貼り付いているワークを無理なく剥離させることができる。
一般に、人手により吸着具を使ってワークを剥離させる場合、ワークを水平のまま持ち上げることはなく、経験的にワークの端部から持ち上げて徐々に全体を持ち上げて剥離させる方法が採られている。このような方法は自動化システムでも同様に有効であり、経験的にこのような方法が採られてきた。貼り付き界面に液層を形成して、液層の厚さを大きくすることは非常に有効である。また、端部から剥すのは液層の流動を促して、貼り付き界面の液層の厚さを大きくすることに寄与し、これも非常に有効な方法となる。
しかしながら、この先行技術は、ワーク厚みが十分大きく、材質的に強靭であり、あるいは端部形状が面取り加工あるいは丸み加工されている場合、さらに、ワークの接触面積が比較的小さく貼り付き力が小さい場合、にのみ適用可能であり、これらの条件から外れる場合にはワーク端部に傷付きや欠損が生じるおそれが大きくなる。本発明は、適用範囲が一般的に限定されるものである。
また、ワークの剥離を促進するために流体噴射を利用するという先行技術も存在する。 例えば、特許文献4(特開昭63−164236号公報、発明の名称「板状物保持装置」)に開示されたものが知られている。この先行技術は、被吸着面と反対側面の外周縁に向けて流体を吹き付けることにより、ウェハ等板状体を吸着面から剥離させる構造及び方法が開示されている。本方式によれば、ウェハと吸着面の界面に流体を供給してウェハを浮かすことができるので、上部からの吸着が容易となる。
しかしながら、ウェハ等の端面形状が提示のように丸みあるいは面取りされたものでないと、流体がウェハ下側に入ることは難しく、流体としてエアを供給する場合にはウェハが浮上して揺動する懸念があり、周辺構造部と接触して損傷するおそれがある。
つまり、ウェハ等の吸着面へ流体を侵入させて浮上させる現象は不安定要素が大きく、ウェハの端面形状や吸着している面積あるいはウェハの固定方法などによって大きく挙動が変動することになる。また、供給する流体の周縁部への当て方(方向、流量、圧力など)も個々に最適条件を見出さなければならない。
また、特許文献5(特開平9−38857号公報、発明の名称「ワックスレス研磨用ウェハ保持プレート」)に開示されたものが知られている。この先行技術は、ウェハ保持プレート(ワークキャリア)の透孔内にウェハを収納して研磨する装置において、上記特許文献4と同様の方法でウェハ吸着面へ流体を噴射して剥離する場合には、保持プレートの透孔の外壁があることにより噴流をウェハ下面の外周部に当てることができないため、その一部を切り欠いて、噴流を当てる経路を形成した吹付剥離構造が開示されている。このような構造とすることにより、上記特許文献4と同様の手段を講じることが可能となったが、特許文献4で指摘した同様の問題点を有する。
また、特許文献6(特開平8−229807号公報、発明の名称「ウェハの研磨装置」)に開示されたものが知られている。この先行技術は、ウェハ保持部材からウェハを剥離する手段として、上記特許文献4と同様の手段を採るものであり、さらに、上記特許文献5と同様に、噴流を通過させるための経路を確保するためにテンプレートに切り欠きを設けているが、特許文献4で指摘した同様の問題点を有する。
上記特許文献4,5,6で共通する先行技術は、吸着しているワークの外周縁へ流体を吹き付けて、ワークと吸着面との界面へ流体を侵入させる方法であるが、その共通する課題として以下の条件に大きく影響されるので使用時には注意が必要である。
ワーク端面の形状が適当な丸みあるいは面取り形状でないと適用できなかった。
また、吸着面積が大きいワークでは効果が限定されるおそれがあり、ワーク全体の貼り付きを解除することは困難である。
また、流体の噴射条件が吸着面へ流体を浸透させるのはエネルギ密度の大きな噴流を当てるため、それなりの設備が必要となる。
また、剥離状態のワークへも噴流が当たることになるので、ワーク面へ流体の負荷が作用することになり、傷付きや割れ等の発生にも注意が必要となる。
また、噴流を当てる位置や方向も最適な条件を設定しないと十分な効果が得られないおそれが大きい。
特開平2−301136号公報 特開昭61−203269号公報 特開平11−320388号公報 特開昭63−164236号公報 特開平9−38857号公報 特開平8−229807号公報
下定盤への貼り付きの問題は、特許文献2の先行技術のような対策も提案されているが、上定盤のように上方が解放されており、かつ重力を使って流体を分配して落とし込む、などの構造を採ることが難しいため、これらの構造を実現するために装置構造が非常に複雑になったり、設備費用が増大するなどの課題があった。また、ワークキャリアのキャリアホール内のワークを剥離する必要があり、困難を伴うものであった。
そこで、本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価かつ簡易な構成であるにも拘わらず、ワークキャリアのキャリアホール内のワークを確実に剥離させるワーク剥離装置、および、このワーク剥離装置を用いてワークを確実に剥離させる剥離方法を提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、
研磨装置の下定盤上にあるワークキャリアのキャリアホール内のワークを剥離するワーク剥離装置であって、
移載ロボットと、
移載ロボットにより移動するようになされ、ワークの外周近傍の剥離開始位置の直上にある吸着パッドによりワークを吸着するロボットハンドと、
ロボットハンドに搭載され、剥離開始位置の近傍のワークの外周側に流体を噴射する流体噴射装置と、
を備え、ロボットハンドがキャリアホールに嵌合されるワークの直上に位置してロボットハンドの吸着パッドによりワークを吸着しつつ低速度で上昇し、その上昇動作の初期段階で、下定盤とワークの外周の端部とで形成される鉛直方向の隙間に入るように流体噴射装置が流体を噴射してワークを剥離することを特徴とするワーク剥離装置とした。
また、本発明の請求項2に係る発明は、
請求項1に記載のワーク剥離装置において、
前記移載ロボットと前記ロボットハンドとの接続部に力覚センサを備え、
前記ロボットハンドにより前記ワークを吸着しつつ低速度で上昇させて、前記ワークを前記下定盤から剥離させる際に、前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値を超える場合には前記上昇速度を小さく設定し、前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値より小さい場合には前記上昇速度を徐々に大きく設定することを特徴とする剥離装置とした。
また、本発明の請求項3に係る発明は、
請求項1に記載のワーク剥離装置において、
前記吸着パッドは、形状が大きく剥離面積が大きい前記ワークを剥離するものであって、吸着面に対して鉛直方向への伸縮の自由度がある支持構造を有し、ワーク中心から偏芯した円上であり、かつ側面から視て前記ワークの外周近傍の剥離開始位置、前記ワークの中心位置および前記ワークの前記剥離開始位置との反対位置に其々設けられ、
前記ロボットハンドにより前記ワークを吸着しつつ低速度で上昇させて、前記ワークを前記下定盤から剥離させる際に各々の位置に配置された吸着パッド毎に前記ワークを鉛直方向へ引き上げる力が作用するタイミングが異なるように設定されており、前記タイミングは前記ロボットハンドの上昇位置により決定されることを特徴とするワーク剥離装置とした。
また、本発明の請求項4に係る発明は、
請求項3に記載のワーク剥離装置において、
前記移載ロボットと前記ロボットハンドとの接続部に力覚センサを備え、
前記ロボットハンドにより前記ワークを吸着しつつ低速度で上昇させて、前記ワークを前記下定盤から剥離させる際に、前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値を超える場合には前記の上昇速度を小さく設定し、前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値より小さい場合には前記の上昇速度を徐々に大きく設定することを特徴とする剥離装置とした。
また、本発明の請求項5に係る発明は、
請求項3に記載のワーク剥離装置を用いる剥離方法であって、
前記全ての吸着パッドによりワークを吸着しつつ前記ロボットハンドを低速度で上昇させて、前記ワークを前記下定盤から剥離させる工程において、
前記ワークの外周近傍に配置した前記吸着パッドから前記ワークを引上げる力が作用するようにして、前記ワークの前記剥離開始位置から徐々に剥離させ、
この剥離により前記ワークの端部に生じた前記下定盤との間の鉛直方向の隙間に対して、対向する位置にある前記流体噴射装置が流体を吹き入れて内部の貼り付いている境界面へ流体を浸透させて剥離を進行させつつ、
全ての前記吸着パッドに対して、側面から視て前記ワークの外周近傍の剥離開始位置、前記ワークの中心位置および前記ワークの前記剥離開始位置との反対位置の順に前記ワークを引上げる力が作用するようにして前記ワーク全体の剥離を行う、
ことを特徴とする剥離方法とした。
また、本発明の請求項6に係る発明は、
請求項4に記載のワーク剥離装置を用いる剥離方法であって、
前記全ての吸着パッドによりワークを吸着しつつ前記ロボットハンドを低速度で上昇させて、前記ワークを前記下定盤から剥離させる工程において、
ワーク中心より偏芯した位置に配置した前記吸着パッドから前記ワークを引上げる力が作用するようにして、前記ワークの前記剥離開始位置から徐々に剥離させ、
この剥離により前記ワークの端部に生じた前記下定盤との間の鉛直方向の隙間に対して、対向する位置にある前記流体噴射装置が流体を吹き入れて内部の貼り付いている境界面へ流体を浸透させて剥離を進行させつつ、
全ての前記吸着パッドに対して、側面から視て前記ワークの外周近傍の剥離開始位置、前記ワークの中心位置および前記ワークの前記剥離開始位置との反対位置の順に前記ワークを引上げる力が作用するようにして前記ワーク全体の剥離を行い、この間に前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値を超える場合には前記の上昇速度を小さく設定し、前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値より小さい場合には前記の上昇速度を徐々に大きく設定する、
ことを特徴とする剥離方法とした。
このような本発明によれば、安価かつ簡易な構成であるにも拘わらず、ワークキャリアのキャリアホール内のワークを確実に剥離させるワーク剥離装置、および、このワーク剥離装置を用いてワークを確実に剥離させる剥離方法を提供することができる。
研磨システムの全体図である。 ワークキャリアの説明図である。 ワーク剥離装置のロボットハンドの平面図である。 ワーク剥離装置のロボットハンドの正面図である。 ワーク剥離装置のロボットハンドがキャリアホールのワークを押圧・吸着する状態の説明図である。 ワーク剥離装置のロボットハンドがキャリアホールのワークを右端から引き上げる状態の説明図である。 流体噴射装置の説明図であり、図7(a)は平面から視た噴射状態の説明図、図7(b)は側面から視た噴射状態の説明図である。 ワーク剥離装置のロボットハンドがキャリアホールのワークを全体から引き上げる状態の説明図である。 力覚センサによる力・モーメントの検出の説明図である。 本発明を実施するための他の形態の両面研磨装置およびワークキャリアの説明図である。 本発明を実施するための他の形態のワークキャリアの拡大図である。 本発明を実施するための他の形態のワーク剥離装置のロボットハンドの説明図であり、図12(a)はロボットハンドの平面図、図12(b)はロボットハンドの側面図である。 本発明を実施するための他の形態のワーク剥離装置のロボットハンドによるワークの嵌合状態の説明図である。 本発明を実施するための他の形態のワーク剥離装置のロボットハンドの説明図である。
続いて、本発明を実施するための形態のワーク剥離装置および剥離方法について、図1〜図9を参照しつつ説明する。図1は、本発明のワーク剥離装置を含む研磨システム1の全体図であり、ワーク剥離装置10、ワーク給排装置20、両面研磨装置30を備え、研磨後に、多数のワーク40を自動ハンドリングシステムにより両面研磨装置30から剥離して回収するシステムである。図1のワーク剥離装置10は、1枚(枚葉式)ワークハンドリングシステムを構成している。
ワーク剥離装置10は、図1で示すように、移載ロボット11、ロボットハンド12を備えている。移載ロボット11は、三次元空間の各3軸(X軸、Y軸、Z軸)と各3軸のそれぞれの軸周りの3方向に移動可能な6軸多関節ロボットである。この移載ロボット11の先端にロボットハンド12が設けられる。このワーク剥離装置10の動作については後に詳述する。
ワーク給排装置20は、図1で示すように、ロード用載置台21、複数の未加工のワーク40を収納する第1ロード用カセット22、複数の未加工のワーク40を収納する第2ロード用カセット23、アンロード用載置台24、複数の加工済みのワーク40を収納する第1アンロード用カセット25、複数の加工済みのワーク40を収納する第2アンロード用カセット26、ワーク40の搬入・搬出を行うワークハンドリングロボット27を備える。
両面研磨装置30は、図1では上定盤が上昇して内部が見える状態を図示しており、この図示しない上定盤に加え、下定盤31、ワークキャリア32、インターナルギア33、サンギア34を備える。ワークキャリア32はさらに図2で示すようにキャリアホール32aを備え、このキャリアホール32a内にワーク40が配置される。そして、上定盤を下降させ、ワークキャリア32のキャリアホール32aに配置されたワーク40の表裏面を上定盤および下定盤31に当接させた状態で、インターナルギア33およびサンギア34によりワークキャリア32を遊星運動させて、ワーク40の表裏面を研磨する。
この研磨システム1では、ワークハンドリングロボット27と移載ロボット11を其々適用した自動ハンドリングシステムを構成するものであり、ワーク給排装置20と両面研磨装置30との間をワーク剥離装置10がワーク40を搬送するものであって、以下のような一連の動作でワークのロードおよびアンロードがなされる。
まず、両面研磨装置30へのワーク40のローディングを説明する。
(a)ワーク給排装置20のワークハンドリングロボット27が第1ロード用カセット22(または第2ロード用カセット23)から未加工のワーク40を取り出してロード用載置台21にワーク40を配置する。
(b)ワーク剥離装置10の移載ロボット11がロボットハンド12をロード用載置台21まで移動させ、ロボットハンド12にワーク40を吸着させる。
(c)ワーク剥離装置10の移載ロボット11がロボットハンド12およびワーク40を、ローディング位置にあるワークキャリア32のキャリアホール32aまで移動させ、ロボットハンド12にワーク40を離脱させ、ワーク40をワークキャリア32のキャリアホール32a内に入れる。
このようにしてワーク40のローディングが行われる。
続いて、両面研磨装置30からのワーク40のアンローディングを説明する。
(A)ワーク剥離装置10の移載ロボット11がロボットハンド12を、アンローディング位置にあるワークキャリア32のキャリアホール32aまで移動させ、ロボットハンド12に加工済みのワーク40を吸着させた後下定盤31から剥離させる。
(B)ワーク剥離装置10の移載ロボット11がロボットハンド12およびワーク40をアンロード用載置台24まで移動させ、ロボットハンド12からワーク40を離脱させ、ワーク40をアンロード用載置台24に載せる。
(C)ワーク給排装置20のワークハンドリングロボット27がアンロード用載置台24からワーク40を取り出して第1アンロード用カセット25(または第2アンロード用カセット26)にワーク40を収納する。
この研磨システム1でのワーク40のロードおよびアンロードはこのようにして行われる。
このようなワーク剥離装置10では、ワークキャリア32のキャリアホール32aに嵌合されているワーク40が容易に剥がれるようにするため水を噴射する機能を有する。図3は移載ロボット11の先端にあるロボットハンド12の平面図、図4は同じく正面図である。図3,図4では、キャリアホール32a内にあるワーク位置へロボットハンド12が上側から降下してきて位置決めした時の状態図を示しており、比較的大きなワーク40(1枚/ワークキャリア)を複数の吸着パッド122で吸着する場合の例であり、最初にワーク40を剥離する側(右側から順次引き上げる)に、ワーク40へ向けて複数の流体噴射装置123が配置されている。
ロボットハンド12は、さらに、パッドプレート121、吸着パッド122、流体噴射装置123、ハンドカバー124、力覚センサ(特に図4参照)125を備える。
パッドプレート121は、径の大きなワーク40に対応する大きな板体であり、複数の吸着パッド122や複数の流体噴射装置123が機械的に取り付けられる。
吸着パッド122は、図示しないエアチューブを介して真空ポンプなどの吸引部と接続されており、ワーク40が接触した状態で吸引部が吸引することで、ワーク40を吸着するようになされている。本形態のように面積の大きなワークを対象とする場合に、複数(具体的には4個)の吸着パッド122を適用する。一枚のワーク40を複数箇所で吸引して確実に吸着するようにしている。各吸着パッド122は上下方向に直動の自由度を有する機構系を有し、通常は圧縮バネにより、下方へ伸長した状態となっている。吸着パッド122は、図3で示すように、ワーク40の中心から偏芯した円上であり、かつ、図4で示すように、側面から視てワーク40の外周近傍の剥離開始位置(右側)、ワーク40の中心位置(中側)およびワークの剥離開始位置との反対位置(左側)に其々設けられている。
流体噴射装置123は、図示しない給水装置とチューブを介して接続されており、流体の具体例として水を噴射する機能を有する。流体噴射装置123は、図7(a)(b)で示すように、平面から視て扇状・放射状であるとともに側面から視て膜状・線状であって下定盤31とワーク40の外周の端部とで形成される隙間に入る方向に水を噴射するように調整されている。そして、ワーク40の外周付近に位置し、ワーク40の端部に噴射するように流体噴射装置123を複数(具体的には4個)配置する。そして、一個の流体噴射装置123は、ワークの外周近傍の剥離開始位置の直上にある吸着パッド122の付近であってワークの外周側に配置されている。この剥離開始位置付近にある流体噴射装置123に隣接する他の2個の流体噴射装置123は、側面から視てワーク40の中心位置にある吸着パッド122の付近であってワーク40の外周側に配置されている。
ハンドカバー124は、パッドプレート121を覆い、吸着パッド122や流体噴射装置123との接続箇所が水に濡れないように保護する。
力覚センサ125は、図4で示すように、移載ロボット11とロボットハンド12との連結箇所に設置する。力覚センサ125は、三次元空間の各3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の軸力と各3軸のそれぞれの軸周りの3方向のモーメントの合計6軸の分力を検出可能なセンサである。この力覚センサ125を移載ロボット11の先端に設置することにより、ロボットハンド12に作用する6つの分力を感度よく検出することができる。力覚センサ125は、ワーク40引上げ動作時の引上げ力を計測して、引上げ動作の制御に活用する。
ロボットハンド12の構成はこのようなものである。
続いて、ワーク剥離装置10によるキャリアホール32aでのワーク40の剥離について説明する。比較的面積の大きなワークを安定的に(ワークへ負荷を掛けずに)かつ円滑に(タクトを最小化して)吸着面(定盤面)より剥離する方法である。
図示しない制御演算部からの指令に基づいて、ワーク剥離装置10の移載ロボット11、ロボットハンド12が駆動するようになされている。この際、図示しない制御演算部は、必要に応じて力覚センサ125からの検出信号を用いて制御する。ワーク剥離装置10の移載ロボット11が移動・位置決めして、ワークキャリア32のキャリアホール32a内のワーク40の直上から、図5で示すようにロボットハンド12が下方向へ降下してワーク40に当接する。
図4,図6のワーク剥離装置のロボットハンドの正面図は、加工後のワーク40に対して複数の吸着パッド122によりワーク40を真空吸着して引上げ動作(剥離動作)を行う直前の状態を示している。各吸着パッド122は其々異なった量の押込み量を付与した状態で吸着している。なお、吸着パッド122は一般にゴム系の軟質材が使用されているので吸着パッド122をワーク面へ押し当ててもわずかな負荷が分散して作用するだけであり、ワーク40への影響はない。
そして、図4,図6ではワーク40を図の右端より剥離していくことを想定しており、特に図4で示すように各位置で押し込み代を変えて設定し、左から押し込み代を大のa、中のb、小のcにそれぞれ設定している。なお、中間の吸着パッド122については背面側にある他の吸着パッド122(図3の最も上側に位置するパッド)の押し込み代も中のbに設定している。このように図4の右端の吸着パッドの押込み代が小さく、順次左に行くほど押込み代が大きくなるように設定しているので、ロボットハンド12が上昇した時に最初の引上げ力がワーク40の右端へ作用し、ここから剥離が進行していき、続いてワーク中央部、最後にワーク左端を剥離していき、最終的にワーク全体を吸着して所定の位置へハンドリングする。
なお、各吸着パッド122の押込み代、すなわちワーク40の引上げ動作における寄与タイミングについては、ワーク40の大きさや下定盤31との貼り付き状態、さらに吸着パッド122の配置などにより大きく影響される。以上の最適な設計方法は其々の周辺条件にて実験的に決めていくことになるが、後に示す「貼り付き力=引上げ力」を評価することにより、ワーク40に負荷を掛けず円滑な動作行うことができる。
この“円滑”とは動作の遅早のことで、ワーク40を端部から“十分に小さな速度”で引き上げれば問題はないが、生産性が低くて採用は不可となる。また、強引に大きな速度でロボットハンド12を引き上げると、ワーク40の剥離部と貼り付き部との境界で曲げモーメントが発生して割れ等が発生するか応力が残留して品質が低下してしまうことになる。また、吸着パッド122の吸着力に余裕がなければ吸着パッド122がワーク40の上面から剥離してしまう。これらを考慮して最適な速度で引き上げられる。これら設定が図示しない制御演算部に登録されており、最適な速度で円滑な剥離動作が繰り返し行われる。
図6はロボットハンドがキャリアホールのワークを右端から引き上げる状態であり、図4の状態からロボットハンド12を引き上げていき、右端の吸着パッド122の押込み代がなくなった状態を表す。これ以上ロボットハンド12を引き上げると当該吸着パッド122の吸着面周辺のワーク40に引き上げ力が作用することになり、ワーク40が右端から剥離していくことになる。
ワーク40が僅かでも引き上げられた状態から流体噴射装置123が噴射を開始する。なお、ワーク40へ負荷が掛るため、必ずしも勢いのよい噴流を供給する必要はない。ワーク40と下定盤31との境界面の貼り付きでは、界面に存在する液体〜水の粘性や液層の厚さにより甚大な影響を受けるとされており、水等の比較的粘性の小さな液体を界面に供給することの効果は絶大である。
図7(a),(b)の噴射パターンは、横からみて線状・膜状で厚みが少なく(界面への液体の浸透を促進)、上から見て放射状・扇状に広がる(広範囲に液体を浸透させる)水流パターンである。
なお、ワーク40の中央側(吸着面積が大きい)の剥離を促進するため、ワークの右側面から流体噴射装置123により端面に生じた隙間へ水流を吹き出して内部の界面へ流体を浸透させてさらに剥離を進行させる。さらに剥離が進行した段階で中間部の吸着パッド122を作用させてワーク全体の剥離動作をさらに進行させると同時に、斜め側面からも端面に生じた隙間から水流を吹き出して残った貼り付き面内部〜全体へと流体を浸透させて、ワーク全体の剥離を促進する。
最終的には、図8はワーク剥離装置のロボットハンドがキャリアホール内のワーク全体を引き上げた状態を表す。図6の状態からさらにロボットハンド12を引き上げていき、左端の吸着パッド122の押込み代が殆どなくなり、この部分でも引上げが開始される状態となっている。そして、図8で示すように右端にある流体噴射装置123からはワーク40下面方向へ水流が供給されており、ワーク40の剥離が促進されている。
図9は力覚センサによる力・モーメントの検出の説明図である。基本的には、ゆっくりした引上げ速度と流体噴射装置123によるワーク40と下定盤31との間の界面への液体の供給による剥離の促進により、ワーク40の引上げ動作を良好に進めることができる。
しかしながら、引上げ速度を上げて生産性を上げる必要がある場合には、試行錯誤により設定速度を求める必要がある。また、このような場合でも、研磨材やリンスの滞留条件の変化により貼り付き条件が変化することは一般に発生しており、引上げ速度等は安全側(低速側)に設定せざるを得ないのが現状である。
ロボットハンド12の上部に配置した力覚センサ125はロボットハンド12上に発生する3軸方向の軸力と3軸周りのモーメント力を検知することができる。図6,図8の下線部に示したように、引上げ中の力「F」あるいはモーメント「M」(以下、引き上げ力と総称する。)を管理することにより、図示しない制御演算部が移載ロボット11やロボットハンド12を制御して、ワーク40への負荷を抑制しつつ引上げ速度を最適化することができる。
上記にて設定する引き上げ力の「閾値」は、実際の「ロボットハンド構造とワークの貼り付き条件」より求める必要がある。これはワーク40に負荷等の影響を与えない引き上げ力を大よそ求めておき、この引上げ力を「閾値」として設定する。概ねハンドの引上げ速度と引上げ力は相関性(界面の液体の流動速度〜粘性挙動に支配されることから)があることから、上記の「閾値」を監視しながら、引上げ力が「閾値」を超えたら引き上げ速度を小さくし、「閾値」より十分小さければある制限の元に引上げ速度を大きくする、ことができるので、ワークの品質を良好に保持しながら生産性の大幅な向上を可能とする。
このような本発明のように流体噴射装置123の噴射が数mmオーダーの隙間へ水流(薄膜で左右に広がりを有するパターン流)を吹き出して、隙間の内部へ水流を浸透させ、ワーク40の引上げ動作を進行させつつ順次生じた隙間への流体の供給を続けることにより、小さな引上げ力で円滑に引上げ動作を行うことができる。つまり、流体を高圧にて噴射する必要がなく、また、噴射位置や噴射角度を厳密に調整する必要もないので、運用も簡単である。また、高圧噴射ではないのでワークへ作用する負荷も非常に小さい状態となる。機械的構成も簡易であり安価に構成することができる。
また、貼り付き界面へ流体を侵入させて液層の厚さを大きくすることにより、貼り付き力を著しく低減させることが可能となり、ワーク40へ負荷を掛けずに円滑に剥離・引上げ動作を行うことができる。
さらに、剥離状態の進行状態を確認するため、ワーク全体の引上げ力を計測しておき、予め算出した引き上げ力の「閾値」以上の引上げ力が計測されたときはワーク40の引上げ速度を低速度とし、一方、予め算出した引き上げ力の「閾値」より十分小さな引き上げ力が計測されたときは、段階的に引上げ速度を大きくしていき、剥離動作を円滑に行うことができるようにすることができる。
よって、ワーク40の貼り付き状態などが環境条件の変化により変動しても、ワーク40へ大きな負荷を掛けずに円滑に剥離動作を行うことができるようにした。経験上では、吸着パッドに作用させる真空度が低すぎると、ロボットハンド12でワーク40が僅かに変形するなどワーク40へ負荷を与えてしまうことがあることから、必要最小限の真空度にて吸着している。
このような場合は、ワーク40の貼り付き力が大きく、引上げ速度が大きいと吸着パッド122がワーク40から外れる現象が生じる(これ自身はワーク40へ作用する負荷が大きくなることを回避する手段とも言える)が、このような場合はワーク40の引上げ速度を小さく設定するとこのような現象を回避できる。ただし、タクトタイムが大きくなると生産性が大きく低下するので好ましくないため、適宜選択される。
以上本形態について説明した。なお、各種の変形形態も可能である。例えば、図2の吸着パッド配置図は、初めに引き上げる吸着パッドを1個とし、中間部の最もワーク幅の大きな「パッド配置」部分を左右2個の吸着パッドで引上げ、最後の剥離部に吸着パッド1個を配置している。
しかしながら、其々の吸着パッド配置構造は、1個の吸着パッドをやや小径の2個(複数個)の吸着パッドを左右対称(引き上げる方向に対して)に配置してもよく、最後の剥離部に配置した吸着パッドは場合により省略することも可能である。
要は、ワークの外周近傍の剥離開始位置における端部剥離部(本形態では図4で右側)は基本的に小面積なので1〜2個の吸着パッド122でよく、ワークの中心位置の幅広部分の剥離部(本形態では図4で中央)は2個以上複数の吸着パッドで幅方向に対してできるだけ同時に引き上げることが重要であり、最後のワークの剥離開始位置との反対位置の幅狭の部分(本形態では図4で左側)はやはり小面積なので1〜2個の吸着パッドを配置するか、あるいは場合によれば省略しても幅広部に配置した複数の吸着パッドで既に吸着しているので、剥離動作自身には影響がない場合がある。この場合は最終剥離端が自重でやや下がり気味になるなどの影響は生じる。このような形態を適宜選択することができる。
続いて他の形態について説明する。図10,図11の他の両面研磨装置およびワークキャリアの説明図で示すように、1枚のワークキャリア52に4個のキャリアホール52aが形成されており、4枚のワーク40を入れることができる。ワーク剥離装置60は、移載ロボット11、ロボットハンド61を備える。ロボットハンド61は、図12(a),(b)で示すように、さらに、先に説明したパッドプレート121、先に説明した吸着パッド122、先に説明した流体噴射装置123、先に説明した力覚センサ125を備える。ロボットハンド61は、1枚のワーク40に対して、図3と同様に、4個の吸着パッド122で一組を配置し、4組計16個で4枚のワーク40を吸着できるようにしている。各ワーク40の初めに剥離させる側に流体噴射装置123を配置しており、其々のワークをどの方向から剥離するかは設計上あるいは環境上の制約があるだけである。そして図13で示すように、一回に4個のワーク40をワークキャリア52から剥離の後に吸着して回収する。このような形態を採用しても良い。
続いて他の形態について説明する。先に説明した形態では、面積の大きなワークでは複数の吸着パッドを適用するものであったが、本形態では面積の比較的小さなワークでは吸着パッド1個のロボットハンドを採用している。図14は4枚ワークハンドリング図である。1吸着パッド/ワークであって、ワーク4枚/キャリアの場合のロボットハンド適用例である。ワーク40が比較的小径で一枚のワーク40に対して吸着パッド122を1個、流体噴射装置123を1式に加え、図示しない力覚センサ125を配置した例である。ワーク40に対して吸着パッド122を偏芯した位置に配置し、吸着パッド122側の端部から徐々にワーク40を剥離させて引き上げていく。力覚センサ125による検出も行って、前記と同様の上昇速度の調整も行う。このような構成を採用しても良い。
これらのようなワーク剥離装置および嵌合方法では、吸着パッドはワーク形状・大きさによって、単体〜複数まで様々な構成を採りうるが、通常は研磨加工後の剥離動作も考慮して吸着機能や配置等を決定することとなる。
以上、本発明のワーク剥離装置および剥離方法について説明した。これらのワーク剥離装置および剥離方法によれば、ワーク端面の形状が適当な丸みあるいは面取り形状に限定されるものではなく、面取りがない通常のワークの剥離にも適用できる。
また、吸着面積が大きいワークに対しては複数箇所で順次剥離を行うため、ワーク全体の貼り付きを確実に解除することができる。
また、流体の噴射条件が吸着面へ流体を浸透させるのはエネルギ密度の小さく勢いが弱い噴流としており、簡易な設備の構築で良い。
また、剥離状態のワークへ噴流が当たっても、勢いが弱い噴流であるため、ワーク面への流体の負荷が小さく、傷付きや割れ等の発生のおそれを少なくしている。
また、噴流を平面から視て放射状であるとともに側面から視て線状として隙間へ入り易くしており、剥離に十分な効果を確保している。
このようなワーク剥離装置は、3−ウェイ方式や4−ウェイ方式の遊星歯車方式の両面研磨装置などに適用可能である。
以上のような本発明に係るワーク剥離装置および嵌合方法は、特に自動化により研磨を行う研磨システムへの搭載が好適である。
1:研磨システム
10,60,70:ワーク剥離装置
11:移載ロボット
12,61,71:ロボットハンド
121:パッドプレート
122:吸着パッド
123:流体噴射装置
124:ハンドカバー
125:力覚センサ
20:ワーク給排装置
21:ロード用載置台
22:第1ロード用カセット
23:第2ロード用カセット
24:アンロード用載置台
25:第1アンロード用カセット
26:第2アンロード用カセット
27:ワークハンドリングロボット
30:両面研磨装置
31:下定盤
32:ワークキャリア
32a:キャリアホール
33:インターナルギア
34:サンギア
40:ワーク

Claims (6)

  1. 研磨装置の下定盤上にあるワークキャリアのキャリアホール内のワークを剥離するワーク剥離装置であって、
    移載ロボットと、
    移載ロボットにより移動するようになされ、ワークの外周近傍の剥離開始位置の直上にある吸着パッドによりワークを吸着するロボットハンドと、
    ロボットハンドに搭載され、剥離開始位置の近傍のワークの外周側に流体を噴射する流体噴射装置と、
    を備え、ロボットハンドがキャリアホールに嵌合されるワークの直上に位置してロボットハンドの吸着パッドによりワークを吸着しつつ低速度で上昇し、その上昇動作の初期段階で、下定盤とワークの外周の端部とで形成される鉛直方向の隙間に入るように流体噴射装置が流体を噴射してワークを剥離することを特徴とするワーク剥離装置。
  2. 請求項1に記載のワーク剥離装置において、
    前記移載ロボットと前記ロボットハンドとの接続部に力覚センサを備え、
    前記ロボットハンドにより前記ワークを吸着しつつ低速度で上昇させて、前記ワークを前記下定盤から剥離させる際に、前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値を超える場合には前記上昇速度を小さく設定し、前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値より小さい場合には前記上昇速度を徐々に大きく設定することを特徴とする剥離装置。
  3. 請求項1に記載のワーク剥離装置において、
    前記吸着パッドは、形状が大きく剥離面積が大きい前記ワークを剥離するものであって、吸着面に対して鉛直方向への伸縮の自由度がある支持構造を有し、ワーク中心から偏芯した円上であり、かつ側面から視て前記ワークの外周近傍の剥離開始位置、前記ワークの中心位置および前記ワークの前記剥離開始位置との反対位置に其々設けられ、
    前記ロボットハンドにより前記ワークを吸着しつつ低速度で上昇させて、前記ワークを前記下定盤から剥離させる際に各々の位置に配置された吸着パッド毎に前記ワークを鉛直方向へ引き上げる力が作用するタイミングが異なるように設定されており、前記タイミングは前記ロボットハンドの上昇位置により決定されることを特徴とするワーク剥離装置。
  4. 請求項3に記載のワーク剥離装置において、
    前記移載ロボットと前記ロボットハンドとの接続部に力覚センサを備え、
    前記ロボットハンドにより前記ワークを吸着しつつ低速度で上昇させて、前記ワークを前記下定盤から剥離させる際に、前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値を超える場合には前記の上昇速度を小さく設定し、前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値より小さい場合には前記の上昇速度を徐々に大きく設定することを特徴とする剥離装置。
  5. 請求項3に記載のワーク剥離装置を用いる剥離方法であって、
    前記全ての吸着パッドによりワークを吸着しつつ前記ロボットハンドを低速度で上昇させて、前記ワークを前記下定盤から剥離させる工程において、
    前記ワークの外周近傍に配置した前記吸着パッドから前記ワークを引上げる力が作用するようにして、前記ワークの前記剥離開始位置から徐々に剥離させ、
    この剥離により前記ワークの端部に生じた前記下定盤との間の鉛直方向の隙間に対して、対向する位置にある前記流体噴射装置が流体を吹き入れて内部の貼り付いている境界面へ流体を浸透させて剥離を進行させつつ、
    全ての前記吸着パッドに対して、側面から視て前記ワークの外周近傍の剥離開始位置、前記ワークの中心位置および前記ワークの前記剥離開始位置との反対位置の順に前記ワークを引上げる力が作用するようにして前記ワーク全体の剥離を行う、
    ことを特徴とする剥離方法。
  6. 請求項4に記載のワーク剥離装置を用いる剥離方法であって、
    前記全ての吸着パッドによりワークを吸着しつつ前記ロボットハンドを低速度で上昇させて、前記ワークを前記下定盤から剥離させる工程において、
    ワーク中心より偏芯した位置に配置した前記吸着パッドから前記ワークを引上げる力が作用するようにして、前記ワークの前記剥離開始位置から徐々に剥離させ、
    この剥離により前記ワークの端部に生じた前記下定盤との間の鉛直方向の隙間に対して、対向する位置にある前記流体噴射装置が流体を吹き入れて内部の貼り付いている境界面へ流体を浸透させて剥離を進行させつつ、
    全ての前記吸着パッドに対して、側面から視て前記ワークの外周近傍の剥離開始位置、前記ワークの中心位置および前記ワークの前記剥離開始位置との反対位置の順に前記ワークを引上げる力が作用するようにして前記ワーク全体の剥離を行い、この間に前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値を超える場合には前記の上昇速度を小さく設定し、前記力覚センサに作用する鉛直方向の剥離力が予め求めた閾値より小さい場合には前記の上昇速度を徐々に大きく設定する、
    ことを特徴とする剥離方法。
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