JP6083589B2 - インクジェット装置および有機el表示パネルの製造方法 - Google Patents

インクジェット装置および有機el表示パネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL表示パネルの製造に用いられるインクジェット装置および有機EL表示パネルの製造方法に関する。
近年、表示装置として基板上に有機EL素子を配設した有機EL表示パネルが普及しつつある。有機EL表示パネルは、自己発光を行う有機EL素子を利用するため視認性が高く、さらに完全固体素子であるため耐衝撃性に優れるなどの特徴を有する。
有機EL素子は電流駆動型の発光素子であり、陽極及び陰極の電極対の間に、キャリアの再結合による電界発光現象を行う有機発光層等を積層して構成される。また、有機EL表示パネルでは、赤色(R),緑色(G),青色(B)の各色に対応する有機EL素子をそれぞれサブピクセルとし、R,G,Bの3つのサブピクセルの組み合わせが1ピクセル(1画素)に相当する。
このような有機EL表示パネルとして、有機EL素子の有機発光層をインクジェット方式等のウエットプロセス(塗布工程)で形成したものが知られている(例えば、特許文献1)。インクジェット方式では、基板上の隔壁層に行列状に設けられた開口部(有機発光層形成領域に対応する。)に対してインクジェットヘッドを走査させる。そして、インクジェットヘッドが備える複数のノズルから、各開口部に対し有機発光層を構成する有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出させる。
また、インク塗布効率を向上させるために複数のインクジェットヘッドが列状に並べて配置されたヘッド部を走査させる方法が用いられている。
特開2005−322656号公報 特開2008−218250号公報 特開2004−111074号公報
ところで、インクジェットヘッドは、製造誤差等の原因によりそれぞれインク吐出容易性(インクの出やすさ)に個体差が存在することがある。たとえば、隣り合うインクジェットヘッド間でインク吐出容易性に差が存在すると、ヘッド部を走査させた時にインクジェットヘッド単位の帯状のインク塗布量ばらつきが生じ、その結果、有機EL表示パネルの発光輝度に帯状のばらつきが発生する可能性がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、インク塗布量ばらつきを低減できるインクジェット装置および有機EL表示パネルの製造方法等を提供することを目的とする。
本発明の一態様であるインクジェット装置は、ノズル孔と、前記ノズル孔から液状体を液滴として吐出させるための圧電素子と、をそれぞれ備えた複数のノズルが列状に配置された第1ノズル群と、前記第1ノズル群のノズルと同様の構成を備えた別のノズルが列状に複数配置されて成り、前記第1ノズル群に隣接して並列配置された第2ノズル群と、前記圧電素子を駆動させる駆動信号を前記圧電素子に与える吐出制御部と、を有するインクジェット装置であって、前記圧電素子は、第1駆動信号が印加された場合には液滴を吐出させるが、第2駆動信号が印加された場合には液滴を吐出させず、前記吐出制御部は、前記第1ノズル群のノズルの圧電素子それぞれに対しては、前記液滴が吐出されるべき第1のタイミングであるときには、前記第1駆動信号を印加し、前記液滴の吐出が禁止されるべき第2のタイミングおよび、前記第1のタイミングでも前記第2のタイミングでもない第3のタイミングであるときには、前記第1駆動信号も前記第2駆動信号も印加せず、前記第2ノズル群の少なくとも一部のノズルの圧電素子それぞれに対しては、前記第2駆動信号を印加することを特徴とする。
本発明の一態様に係るインクジェット装置においては、第1ノズル群の圧電素子にはそれぞれ液滴が吐出されるべき第1のタイミングで第1駆動信号が印加され、ノズル孔から液滴が吐出されて所望のインク(液状体)塗布が行われる。そして、第2ノズル群のノズルのうち少なくとも一部のノズルの圧電素子には、液滴が吐出されない第2駆動信号が印加される。
第2駆動信号は、圧電素子に液滴を吐出させはしないものの、印加された電圧による圧電素子の発熱が見込まれるため、これにより液状体に対して前記発熱の影響を与えることができる。
すなわち、第2駆動信号が印加された第2ノズル群の発熱の影響により、隣接する第1ノズル群の液状体の温度を上昇させて第1ノズル群の吐出容易性を高めることができる。
これにより、本発明の一態様に係るインクジェット装置によれば、副走査方向に隣接するインクジェットヘッド(ノズル群)間のインク塗布量ばらつきを低減できる。
有機EL表示パネルの概略構成を模式的に示す一部拡大断面図である。 有機EL表示パネルの隔壁層の形状を示す模式図である。 有機EL表示パネルの製造工程例を示す図である。 有機EL表示パネルの製造工程例を示す図である。 実施の形態1に係るインクジェット装置の主要構成を模式的に示す図である。 実施の形態1に係るインクジェット装置の機能ブロック図である。 実施の形態1に係るインクジェット装置のインクジェットヘッドの概略構成を模式的に示す図であって、(a)はインクジェットヘッドの概略構成を示す一部切欠き斜視図であり、(b)はノズルの概略構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る塗布対象基板とヘッド部との位置関係を模式的に示す図である。 (a)は第1駆動信号の波形を模式的に示す図であり、(b)は第2駆動信号の波形を模式的に示す図である。 (a)は吐出容易性と第2駆動信号のピーク電圧との関係を示す表であり、(b)は第2駆動信号の各ピーク電圧の大小関係を示す図である。 時刻t1における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t2における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t3における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t4における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t5における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t6における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t7における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t8における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t9における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t10における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t11における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 時刻t12における開口部とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 ヘッドグループHG301aの各ノズルの圧電素子に印加される駆動信号を示すタイミングチャートである。 ヘッドグループHG301bの各ノズルの圧電素子に印加される駆動信号を示すタイミングチャートである。 実施の形態2に係るインクジェット装置の主要構成を模式的に示す図である。 実施の形態2に係るインクジェット装置のインクジェットヘッドの概略構成を模式的に示す一部切欠き斜視図である。 実施の形態2に係る塗布対象基板とヘッド部の位置関係を模式的に示す図である。 変形例1に係るインクジェット装置におけるヘッドグループHG301bの各ノズルの圧電素子に印加される駆動信号を示すタイミングチャートである。 変形例2に係るインクジェット装置におけるヘッドグループHG301aの各ノズルの圧電素子に印加される駆動信号を示すタイミングチャートである。 変形例3に係る塗布対象基板とヘッド部の位置関係を示す図である。 変形例4に係る塗布対象基板とヘッド部の位置関係を示す図である。 変形例5に係る塗布対象基板とヘッド部の位置関係を示す図である。 変形例6に係る塗布対象基板とヘッド部の位置関係を示す図である。
≪本発明の一態様の概要≫
本発明の一態様に係るインクジェット装置は、ノズル孔と、前記ノズル孔から液状体を液滴として吐出させるための圧電素子と、をそれぞれ備えた複数のノズルが列状に配置された第1ノズル群と、前記第1ノズル群のノズルと同様の構成を備えた別のノズルが列状に複数配置されて成り、前記第1ノズル群に隣接して並列配置された第2ノズル群と、前記圧電素子を駆動させる駆動信号を前記圧電素子に与える吐出制御部と、を有するインクジェット装置であって、前記圧電素子は、第1駆動信号が印加された場合には液滴を吐出させるが、第2駆動信号が印加された場合には液滴を吐出させず、前記吐出制御部は、前記第1ノズル群のノズルの圧電素子それぞれに対しては、前記液滴が吐出されるべき第1のタイミングであるときには、前記第1駆動信号を印加し、前記液滴の吐出が禁止されるべき第2のタイミングおよび、前記第1のタイミングでも前記第2のタイミングでもない第3のタイミングであるときには、前記第1駆動信号も前記第2駆動信号も印加せず、前記第2ノズル群の少なくとも一部のノズルの圧電素子それぞれに対しては、前記第2駆動信号を印加することを特徴とする。
第2駆動信号は、圧電素子に液滴を吐出させはしないものの、印加された電圧により圧電素子が発熱して液状体を加熱させることができる。従って、液状体の吐出容易性が低い第1ノズル群に隣接する第2ノズル群の圧電素子に第2駆動信号を印加することにより、第2ノズル群の温度を上昇させ、その熱が隣接する第1ノズル群へと伝導することにより第1ノズル群の液状体の温度を上昇させて吐出容易性を高めることができる。
したがって、本発明の一態様に係るインクジェット装置によれば、副走査方向に隣接するインクジェットヘッド(ノズル群)間のインク吐出容易性の差異を小さくして帯状のインク塗布量ばらつきを均一化することが可能である。
また、本発明の一態様に係るインクジェット装置の特定の局面では、前記第2ノズル群の少なくとも一部のノズルの圧電素子それぞれに対しては、前記第1のタイミングまたは前記第3のタイミングであるときには、前記第2駆動信号を印加することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るインクジェット装置の特定の局面では、前記吐出制御部は、前記第1ノズル群のインク吐出容易性が低いほど、前記第2駆動信号のピーク電圧を大きくすることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るインクジェット装置の特定の局面では、前記吐出制御部は、前記第1ノズル群のインク吐出容易性が低いほど、前記第2駆動信号の周波数を高くすることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るインクジェット装置の特定の局面では、前記吐出制御部は、前記第1ノズル群のインク吐出容易性が低いほど、前記第2ノズル群を構成する複数の前記ノズルのうちより多くのノズルの前記圧電素子に対して前記第2駆動信号を印加することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るインクジェット装置の特定の局面では、前記第1ノズル群および前記第2ノズル群は、それぞれ隣り合う別個のインクジェットヘッドに配設されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るインクジェット装置の特定の局面では、前記第1ノズル群および前記第2ノズル群は、1個のインクジェットヘッドに配設されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るインクジェット装置の特定の局面では、前記液状体は、有機材料および溶媒を含有したインクであることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るインクジェット装置の特定の局面では、前記吐出制御部は、前記第2ノズル群の前記少なくとも一部のノズル以外のノズルのうちの1または複数のノズルの圧電素子それぞれに対して、前記第1のタイミングであるときには前記第1駆動信号を印加することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るインクジェット装置の特定の局面では、前記有機材料は、有機EL表示パネルの有機発光層を形成するために用いられる材料であり、前記第1のタイミングは、前記有機材料に対応した色の塗布領域に前記ノズルが対向するタイミングであり、前記第2のタイミングは、前記有機材料に対応していない色の塗布領域に前記ノズルが対向するタイミングであることを特徴とする。
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法は、EL基板と、ヘッド部と、吐出制御部と、を準備する第1工程と、前記EL基板に対し前記ヘッド部を行方向に走査させながら、前記各開口部に対し当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ前記液滴を吐出させる第2工程と、を含み、前記EL基板には、複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層が設けられ、前記ヘッド部は、ノズル孔と、前記ノズル孔から有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するための圧電素子と、をそれぞれ備えた複数のノズルが列状に配置された第1ノズル群と、前記第1ノズル群のノズルと同様の構成を備えた別のノズルが列状に複数配置されて成り前記第1ノズル群に隣接して並列配置された第2ノズル群と、を有し、前記吐出制御部は、前記圧電素子を駆動させる駆動信号を前記圧電素子に与え、前記第2工程において、前記吐出制御部は、前記第1ノズル群のノズルの圧電素子それぞれに対しては、前記液滴が吐出されるべき第1のタイミングであるときには、前記第1駆動信号を印加し、前記液滴の吐出が禁止されるべき第2のタイミングおよび、前記第1のタイミングでも前記第2のタイミングでもない第3のタイミングであるときには、前記第1駆動信号も前記第2駆動信号も印加せず、前記第2ノズル群の少なくとも一部のノズルの圧電素子それぞれに対しては、前記第2駆動信号を印加することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第2ノズル群の少なくとも一部のノズルの圧電素子それぞれに対しては、前記第1のタイミングまたは前記第3のタイミングであるときには、前記第2駆動信号を印加することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第2工程において、前記吐出制御部は、前記第1ノズル群のインク吐出容易性が低いほど、前記第2駆動信号のピーク電圧を大きくすることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第2工程において、前記吐出制御部は、前記第1ノズル群のインク吐出容易性が低いほど、前記第2駆動信号の周波数を高くすることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第2工程において、前記吐出制御部は、前記第1ノズル群のインク吐出容易性が低いほど、前記第2ノズル群を構成する複数の前記ノズルのうちより多くのノズルの前記圧電素子に対して前記第2駆動信号を印加することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第1工程において、前記第1ノズル群および前記第2ノズル群は、それぞれ隣り合う別個のインクジェットヘッドに配設されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第1工程において、前記第1ノズル群および前記第2ノズル群は、1個のインクジェットヘッドに配設されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記有機材料は、有機発光層を形成するために用いられる材料であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記第2工程において、前記吐出制御部は、前記第2ノズル群の前記少なくとも一部のノズル以外のノズルのうちの1または複数のノズルの圧電素子それぞれに対して、前記第1のタイミングであるときには前記第1駆動信号を印加することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルの製造方法の特定の局面では、前記有機材料は、有機発光層を形成するために用いられる材料であり、前記第1のタイミングは、前記有機材料に対応した色の前記開口部に前記ノズルが対向するタイミングであり、前記第2のタイミングは、前記有機材料に対応していない色の前記開口部に前記ノズルが対向するタイミングであることを特徴とする。
≪実施の形態1≫
[全体構成]
図1は実施の形態1に係る有機EL表示パネル100の構成を示す部分断面図である。有機EL表示パネル100は、同図上側を表示面とする、いわゆるトップエミッション型である。
図1に示すように、基板(EL基板)1上には、TFT層2、給電電極3、層間絶縁膜4、画素電極6、正孔注入層9が順次積層されている。正孔注入層9の上には、有機発光層11の形成領域となる複数の開口部17が形成された隔壁層7が設けられている。開口部17の内部には、正孔輸送層10、有機発光層11、電子輸送層12、電子注入層13、対向電極14が順次積層されている。
<基板、TFT層、給電電極>
基板1は有機EL表示パネル100における背面基板であり、その表面には、有機EL表示パネル100をアクティブマトリクス方式で駆動するためのTFT(薄膜トランジスタ)を含むTFT層2が形成されている。TFT層2の上面には、各TFTに対して外部から電力を供給するための給電電極3が形成されている。
<層間絶縁膜>
層間絶縁膜4は、TFT層2および給電電極3が配設されていることにより生じる表面段差を平坦に調整するために設けられており、絶縁性に優れる有機材料で構成されている。
<コンタクトホール>
コンタクトホール5は、給電電極3と画素電極6とを電気的に接続するために設けられ、層間絶縁膜4の表面から裏面にわたって形成されている。コンタクトホール5は、列方向に配列されている開口部17の間に位置するように形成されており、隔壁層7により覆われた構成となっている。コンタクトホール5が隔壁層7により覆われていない場合には、コンタクトホール5の存在により、有機発光層11が平坦な層とはならず、発光ムラ等の原因となる。これを避けるため、上記のような構成としている。
<画素電極>
画素電極6は陽極であり、開口部17に形成される有機発光層11毎に形成されている。有機EL表示パネル100はトップエミッション型であるため、画素電極6の材料としては光反射性材料が選択されている。
<正孔注入層>
正孔注入層9は、画素電極6から有機発光層11への正孔の注入を促進させる目的で設けられている。
<隔壁層>
隔壁層7は、有機発光層11を形成する際、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する有機発光層材料と溶媒を含むインク(液状体)が互いに混入することを防止する機能を果たす。
コンタクトホール5の上方を覆うように設けられている隔壁層7は、全体的にはXY平面またはYZ平面に沿った断面が台形の断面形状を有しているが、コンタクトホール5に対応する位置では、隔壁層材料が収縮して落ち込んだ形状となっている。以下、この落ち込んだ部分を窪み部8と称する。
図2は有機EL表示パネル100を表示面側から見た隔壁層7の形状を模式的に示す図であり、説明の都合上、正孔輸送層10、有機発光層11、電子輸送層12、電子注入層13、対向電極14を取り除いた状態を示している。また、図1の部分断面図は、図2におけるA−A’断面図に相当し、以下、X方向を行方向、Y方向を列方向とする。
図2に示すように、隔壁層7に設けられた開口部17は、ピクセル単位に行列状に(XY方向に)配列されている。開口部17は有機発光層11が形成される領域であり、有機発光層11の配置および形状は、開口部17の配置および形状により規定される。開口部17は列(Y)方向に長辺を有する長尺状であり、例えば、行(X)方向に沿った辺が約50〜100[μm]、列(Y)方向に沿った辺が約150〜300[μm]の寸法で形成されている。
開口部17には、R,G,Bの各色に対応する開口部17R,17G,17Bがある。開口部17RにはR、開口部17GにはG、開口部17BにはBにそれぞれ対応する有機発光層11が形成される。開口部17R,17G,17Bがそれぞれサブピクセルであり、当該開口部17R,17G,17Bの3つのサブピクセルの組み合わせが1ピクセル(1画素)に相当する。また、開口部17はR,G,Bの色単位に列毎に配列されており、同一列に属する開口部17は同色に対応する開口部である。
コンタクトホール5は、列方向に配列された開口部17の間、すなわち隔壁層7の下部に位置している。なお、上記で画素電極6は開口部17に形成される有機発光層11毎に形成されていることを述べたが、これはすなわち、画素電極6がサブピクセル毎に設けられていることを意味する。
<正孔輸送層>
図1の部分断面図に戻り、正孔輸送層10は、画素電極6から注入された正孔を有機発光層11へ輸送する機能を有する。
<有機発光層>
有機発光層11は、キャリア(ホールと電子)の再結合による発光を行う部位であり、R,G,Bのいずれかの色に対応する有機材料を含むように構成されている。開口部17RにはRに対応する有機材料、開口部17GにはGに対応する有機材料、開口部17BにはBに対応する有機材料をそれぞれ含む有機発光層11が形成される。
<電子輸送層>
電子輸送層12は、対向電極14から注入された電子を有機発光層11へ輸送する機能を有する。
<電子注入層>
電子注入層13は、対向電極14から有機発光層11への電子の注入を促進させる機能を有する。
<対向電極>
対向電極14は陰極である。有機EL表示パネル100はトップエミッション型であるため、対向電極14の材料としては光透過性材料が選択されている。
<その他>
なお、図1には図示しないが、対向電極14の上には、有機発光層11が水分や空気等に触れて劣化することを抑制する目的で封止層が設けられる。有機EL表示パネル100はトップエミッション型であるため、封止層の材料としては、例えばSiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)等の光透過性材料を選択する。
なお、各開口部17に形成される有機発光層11を、すべて同色の有機発光層とすることもできる。
<各層の材料>
次に、上記で説明した各層の材料を例示する。言うまでもなく、以下に記載した材料以外の材料を用いて各層を形成することも可能である。
基板1:無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、アルミナ等の絶縁性材料
層間絶縁膜4:ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂
画素電極6:Ag(銀)、Al(アルミニウム)、銀とパラジウムと銅との合金、銀とルビジウムと金との合金、アルミニウム合金、Mo(モリブデン)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、MoW(モリブデンとタングステンの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)
なお、画素電極6の表面には公知の透明導電膜を設けてもよい。透明導電膜の材料としては、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)を用いることができる。
隔壁層7:アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂
有機発光層11:オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質(いずれも特開平5−163488号公報に記載)
正孔注入層9:トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)、MoOx(酸化モリブデン)、WOx(酸化タングステン)又はMoxWyOz(モリブデン−タングステン酸化物)等の金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物
正孔輸送層10:トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)
電子輸送層12: ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリノン誘導体、キノリン錯体誘導体(いずれも特開平5−163488号公報に記載)、リンオキサイド誘導体、トリアゾール誘導体、トジアジン誘導体、シロール誘導体、ジメシチルボロン誘導体、トリアリールボロン誘導体
電子注入層13:リチウム、バリウム、カルシウム、カリウム、セシウム、ナトリウム、ルビジウム等の低仕事関数金属、及びフッ化リチウム等の低仕事関数金属塩、酸化バリウム等の低仕事関数金属酸化物
対向電極14:ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)
以上、有機EL表示パネル100の構成等について説明した。次に、有機EL表示パネル100の製造方法を例示する。
[製造方法]
ここでは、先に有機EL表示パネル100の全体的な製造方法を例示する。その後、製造方法中の塗布工程について詳細を説明する。
<概略>
まず、TFT層2及び給電電極3が形成された基板1を準備する(図3(a))。
その後、フォトレジスト法に基づき、TFT層2及び給電電極3の上に絶縁性に優れる有機材料を用いて、厚み約4[μm]の層間絶縁膜4を形成する。このとき、コンタクトホール5を列方向に隣接する各開口部17の間の位置に合わせて形成する(図3(b))。このとき、所望のパターンマスクを用いたフォトレジスト法を行うことで、層間絶縁膜4とコンタクトホール5を同時に形成することができる。なお、当然ながらコンタクトホール5の形成方法はこれに限定されない。例えば、一様に層間絶縁膜4を形成した後、所定の位置の層間絶縁膜4を除去して、コンタクトホール5を形成することもできる。
続いて、真空蒸着法またはスパッタ法に基づき、厚み150[nm]程度の金属材料からなる画素電極6を、給電電極3と電気接続させながら、サブピクセル毎に形成する。つづいて、反応性スパッタ法に基づき、正孔注入層9を形成する(図3(c))。
次に、隔壁層7をフォトリソグラフィー法に基づいて形成する。まず隔壁層材料として、感光性レジストを含むペースト状の隔壁層材料を用意する。この隔壁層材料を正孔注入層9上に一様に塗布する。この上に、図2に示した開口部17のパターンに形成されたマスクを重ねる。続いてマスクの上から感光させ、隔壁層パターンを形成する。その後は、余分な隔壁層材料を水系もしくは非水系エッチング液(現像液)で洗い出す。これにより、隔壁層材料のパターニングが完了する。以上で有機発光層形成領域となる開口部17が規定されるとともに、列方向で隣接する開口部17の間の上面に窪み部8が形成された、表面が少なくとも撥水性の隔壁層7が完成する(図3(d))。本実施の形態のようにコンタクトホール5が形成されている場合、通常は隔壁層材料がコンタクトホール5の内部に入り込むため、窪み部8が自然に形成される。このため、別途窪み部8を形成するための工程が不要であり、生産コスト及び製造効率上において有利である。
なお、隔壁層7の形成工程においては、さらに、開口部17に塗布するインクに対する隔壁層7の接触角を調節する、もしくは、表面に撥水性を付与するために隔壁層7の表面を所定のアルカリ性溶液や水、有機溶媒等によって表面処理するか、プラズマ処理を施すこととしてもよい。
次に、正孔輸送層10を構成する有機材料と溶媒を所定比率で混合し、正孔輸送層用インクを調製する。このインクを各インクジェットヘッド301に供給し、塗布工程に基づき、各開口部17に対応するノズル3030(図7参照)から、正孔輸送層用インクよりなる液滴18を吐出する(図3(e))。その後、インクに含まれる溶媒を蒸発乾燥させ、必要に応じて加熱焼成すると正孔輸送層10が形成される(図4(a))。
次に、有機発光層11を構成する有機材料と溶媒を所定比率で混合し、有機発光層用インクを調製する。このインクをインクジェットヘッド301に供給し、塗布工程に基づき、開口部17及び窪み部8に対応するノズル3030から、有機発光層用インクよりなる液滴19を吐出する(図4(b))。その後、インクに含まれる溶媒を蒸発乾燥させ、必要に応じて加熱焼成すると有機発光層11が形成される(図4(c))。
次に、有機発光層11の表面に、電子輸送層12を構成する材料を真空蒸着法に基づいて成膜する。これにより、電子輸送層12が形成される。つづいて、電子注入層13を構成する材料を蒸着法、スピンコート法、キャスト法などの方法により成膜し、電子注入層13が形成される。そして、ITO、IZO等の材料を用い、真空蒸着法、スパッタ法等で成膜する。これにより対向電極14が形成される(図4(d))。
なお、図示しないが、対向電極14の表面には、SiN、SiON等の光透過性材料をスパッタ法、CVD法等で成膜することで、封止層を形成する。
以上の工程を経ることにより有機EL表示パネル100が完成する。
<塗布工程>
以下、特に、有機発光層11を形成する際の塗布工程について詳細に説明する。まず、塗布工程に使用されるインクジェット装置について説明する。
(インクジェット装置)
図5は、実施の形態1に係るインクジェット装置1000の主要構成を示す図である。図6は、インクジェット装置1000の機能ブロック図である。
図5,6に示すように、インクジェット装置1000は、インクジェットテーブル20、ヘッド部30、制御装置(PC)15で構成される。
図6に示すように、制御装置15は、CPU150、記憶手段151(HDD等の大容量記憶手段を含む)、表示手段(ディスプレイ)153、入力手段152で構成される。当該制御装置15は具体的にはパーソナルコンピューター(PC)を用いることができる。記憶手段151には、制御装置15に接続されたインクジェットテーブル20、ヘッド部30を駆動するための制御プログラム等が格納されている。インクジェット装置1000の駆動時には、CPU150が入力手段152を通じてオペレータにより入力された指示と、前記記憶手段151に格納された各制御プログラムに基づいて所定の制御を行う。
(インクジェットテーブル)
図5に示すように、インクジェットテーブル20はいわゆるガントリー式の作業テーブルであり、基台のテーブルの上をガントリー部(移動架台)が一対のガイドシャフトに沿って移動可能に配されている。
具体的構成として、板状の基台200には、その上面の四隅に柱状のスタンド201A、201B、202A、202Bが配設されている。これらのスタンド201A、201B、202A、202Bに囲まれた内側領域には、塗布対象となる基板を載置するための固定ステージSTと、塗布直前にインクを吐出させることにより吐出特性を安定化させるために用いるインクパン(皿状容器)IPがそれぞれ配設されている。
また、スタンド201A、201B、202A、202Bには、基台200の長手(Y)方向に沿って、ガイドシャフト203A、203Bが平行軸支されている。ガイドシャフト203A、203Bにはリニアモーター部204、205が挿通されており、リニアモーター部204、205に対してガイドシャフト203A、203Bを架け渡すように、ガントリー部210が搭載されている。この構成により、インクジェット装置1000の駆動時において、一対のリニアモーター部204、205が駆動されることで、ガントリー部210がガイドシャフト203A、203Bの長手方向(Y軸方向)に沿ってスライド自在に往復運動する。
ガントリー部210には、L字型の台座からなる移動体(キャリッジ)220が配設される。移動体220にはサーボモーター部(移動体モーター)221が配設され、各モーターの軸の先端に不図示のギヤが配されている。ギヤはガントリー部210の長手方向(X方向)に沿って形成されたガイド溝211に嵌合される。ガイド溝211の内部にはそれぞれ長手方向に沿って微細なラックが形成されている。ギヤはラックと噛合しているので、サーボモーター部221が駆動すると、移動体220はいわゆるピニオンラック機構によって、X軸方向に沿って往復自在に精密に移動する。
ここで、移動体220にはヘッド部30が装備されるので、移動体220をガントリー部210に対して固定した状態でガントリー部210をガイドシャフト203A、203Bの長手方向に沿って移動させることによって、また、ガントリー部210を停止させた状態で移動体220をガントリー部210の長手方向に沿って移動させることによって、塗布対象基板に対してヘッド部30を走査させることができる。ヘッド部30の主走査方向は行(Y軸)方向であり、副走査方向は列(X軸)方向である。
なお、リニアモーター部204,205、サーボモーター部221はそれぞれ直接駆動を制御するための制御部213に接続され、当該制御部213は制御装置15内のCPU150に接続されている。インクジェット装置1000の駆動時には、制御プログラムを読み込んだCPU150により、制御部213を介してリニアモーター部204,205、サーボモーター部221の各駆動が制御される(図6参照)。
(インクジェットヘッド)
ヘッド部30は公知のピエゾ方式を採用し、複数のインクジェットヘッド301及び本体部302で構成されている。インクジェットヘッド301は本体部302を介して移動体220に固定されている。本実施の形態においては、1組のインクジェットヘッド301が1つのホルダー303により保持され、4組のインクジェットヘッド301が本体部302を介して移動体220に固定されている。本体部302はサーボモーター部304(図6参照)を内蔵しており、サーボモーター部304を回転させることにより、インクジェットヘッド301の長手方向と固定ステージSTのX軸とのなす角度が調節される。なお、本実施の形態においては、インクジェットヘッド301の長手方向とY軸とが所定の角度で交差するように調整している。
図7(a)は、インクジェットヘッド301の概略構成を示す一部切欠き斜視図であり、図7(b)は、インクジェットヘッド301のノズル3030の概略構成を示す断面図であって、図7(a)におけるB−B’矢視断面図である。図7(a),(b)に示すように、インクジェットヘッド301は、液滴Dが吐出される複数のノズル孔3031を有するノズルプレート301iと、複数のノズル孔3031がそれぞれ連通するキャビティ301eを区画する隔壁301dを有するキャビティプレート301cと、各キャビティ301eに対応する駆動手段としてのピエゾ素子3010を有する振動板301hとが、順に積層され接合された構造となっている。
キャビティプレート301cは、ノズル孔3031に連通するキャビティ301eを区画する隔壁301dを有すると共に、このキャビティ301eにインクを充填するための流路301f,301gを有している。流路301f,301gは、隔壁301dを含むキャビティプレート301cがノズルプレート301iと振動板301hとによって挟まれ、これらによって囲まれてできた空間である。流路301gは、インクが貯留されるリザーバの役割を果たす。
インクは、インクタンク等から配管を通じて供給され、振動板301hに設けられた供給孔301h1を通じてリザーバに貯留された後に、流路301fを通じて各キャビティ301eに充填される。
図7(b)に示すように、ピエゾ素子3010は、一対の電極3011,3012によりピエゾ素子本体部3013が挟まれてなる圧電素子である。外部から一対の電極3011,3012に駆動電圧パルス(駆動信号)が印加されることにより、接合された振動板301hを変形させる。これにより隔壁301dで仕切られたキャビティ301eの体積が減少し、キャビティ301eに充填されたインクを加圧して、ノズル孔3031から液状体を液滴Dとして吐出できる構造となっている。そして、駆動電圧パルスの印加が終了すると、振動板301hは元に戻り、キャビティ301eの体積が復元することにより、インクがリザーバからキャビティ301eに吸引される。ピエゾ素子3010に印加される駆動電圧パルスを制御することにより、それぞれのノズル3030から吐出されるインクの量や吐出タイミング等の吐出制御を行うことができる。
なお、図7(b)において、破線で囲んで示す部分がひとつのノズル3030である。すなわち、キャビティ301eおよびキャビティ301eを形成している隔壁301d、振動板301h、ノズルプレート301i、並びに、ピエゾ素子3010、ノズル孔3031によりノズル3030が構成される。
インクジェットヘッド301は固定ステージSTに対向する面に複数のノズル3030を備えており、これらのノズル3030はインクジェットヘッド301の長手方向に沿って列状に配置されている(図8参照)。インクジェットヘッド301に供給されたインク(液状体)は、各ノズル3030から液滴として塗布対象基板に対して吐出される。
上述したように、各ノズル3030における液滴の吐出動作は、各ノズル3030が備えるピエゾ素子(圧電素子)3010に与えられる駆動電圧によって制御される。吐出制御部300は、各ピエゾ素子3010に与える駆動信号を制御することにより、各ノズル3030からそれぞれ液滴吐出を行わせる。具体的には、図6に示すように、CPU150が所定の制御プログラムを記憶手段151から読み出し、吐出制御部300に対して、所定の電圧を対象のピエゾ素子3010に印加するように指示する。
以上の構成を有するインクジェット装置1000を用い、インクジェット方式による塗布工程を行う。ここでは、長尺状の各開口部17の長辺が、ヘッド部30(インクジェットヘッド301)の走査方向(行(Y)方向)に対して所定の角度で交差するように配置されている場合について説明する。
(ヘッド部と塗布対象基板の開口部との位置関係)
図8は有機EL表示パネルの製造工程における、塗布対象基板とヘッド部30の位置関係を示す図である。
図8において、ヘッド部30の紙面右側には塗布対象基板が配置されており、塗布工程を経る前段階の状態の基板、すなわち、複数の開口部17がピクセル単位に行列状に形成された隔壁層7が設けられた状態の基板を示すものである。インクジェットヘッド301には、インクを吐出するノズル3030が列(X)方向に所定のノズルピッチで複数配置されている。この際、インクジェットヘッド301の長手方向の傾斜角度を変更することでノズル3030の塗布ピッチを調節することができる。なお、図8においては、ノズル3030は、ノズル孔3031の形で表されている。図8に示すように、本実施の形態においては、一つのインクジェットヘッド301には6個のノズル3030が長手方向に沿って列状に配置されており、そのうちの5個のノズル3030が一つの開口部17に対応している。
塗布工程においては、インクジェットヘッド301を行(Y)方向に走査させながら、各開口部17に対し、各開口部17に対応するノズルからそれぞれ所望のインクの液滴を吐出させる。そして、上記の工程を経ることにより、有機発光層11が形成される。このとき、吐出される液滴の体積の総量は、隣接する開口部17間で均一にされる必要がある。
(インク吐出駆動信号)
本実施の形態にいては、1組のインクジェットヘッド301を1つのヘッドグループ(HG)とし、ヘッド部30は、4つのヘッドグループ、即ち8個のインクジェットヘッド301を備える。ここでは、HG301aを構成するインクジェットヘッド301aa,301abを代表例として、それぞれのノズルに印加される駆動信号について以下に説明する。なお、他の3つのHGを構成するインクジェットヘッドについても基本的な構成および駆動信号については同じである。
図9(a)は、ノズル3030のピエゾ素子3010に印加される第1駆動信号SG1の駆動波形(電圧パルス)を示す図であり、図9(b)は、第2駆動信号SG2の駆動波形を示す図である。第1駆動信号SG1および第2駆動信号SG2は、吐出制御部300(図6参照)によりピエゾ素子3010に対して印加される。ピエゾ素子3010は、第1駆動信号SG1が印加された場合、ノズル孔3031からインクを吐出させるが、第2駆動信号SG2が印加された場合、インクを吐出させない。第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさVmは、第1駆動信号SG1のピーク電圧の大きさVhよりも小さく、Vmは、例えば、Vhの40%程度の大きさである。
(インク吐出容易性と駆動信号)
ピエゾ素子は一般に、与えられた電気エネルギーの一部がピエゾ素子の中で熱に変換されることが知られている。(特許第3838488号公報,特開2003−65905号公報,株式会社キーストンインターナショナル ウェブサイト ピエゾ辞典<URL=http://www.keystone-intl.co.jp/products/encyclopedia/index.html>)従って、ピエゾ素子3010に第2駆動信号SG2を印加することにより、インクを吐出させずにピエゾ素子3010を発熱させることができる。これにより、発生した熱を利用してインクの温度を上昇させ粘度を低下させ、吐出容易性を向上させることができる。また、印加される第2駆動信号SG2のピーク電圧が大きいほど発生する熱量も大きくなる。そこで、本実施の形態では、インクジェットヘッド301の吐出容易性を予め試験により評価してランク分けし、それぞれのランクに応じたピーク電圧の第2駆動信号SG2を印加する方法について説明する。本実施の形態では、5つのヘッドランク(HR1〜HR5)に分類する場合を例に説明する。
また、本実施の形態においては、1つのヘッドグループを構成する2個のインクジェットヘッド301のうち、一方のインクジェットヘッド301のノズル3030からは有機発光層を形成するためにインクを吐出させ、他方のインクジェットヘッド301のノズルのピエゾ素子3010に第2駆動信号を印加して発熱させる。そして、発生した熱が他方のインクジェットヘッド301からホルダー303を介して一方のインクジェットヘッド301へと伝導して一方のインクジェットヘッド301のリザーバに貯留されているインクの温度を上昇させることによりインクの吐出容易性を向上させることができる。第1駆動信号SG1および第2駆動信号SG2を印加するノズルや印加のタイミングについては、次の(駆動信号の制御)において詳しく説明する。
図10(a)は、ヘッドランクと第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさとの関係を示す表である。吐出容易性はHR5が最も小さく(最もインクが出にくい)、HR1が最も大きい(最もインクが出やすい)。HR1,HR2,HR3,HR4,HR5に分類されたインクジェットヘッド301のピエゾ素子3010に印加するSG2のピーク電圧の大きさは、それぞれVm1,Vm2,Vm3,Vm4,Vm5である。吐出容易性が低いほどインクを加熱しなくてはならないため、印加するSG2のピーク電圧の大きさも大きくする。従って、Vm1<Vm2<Vm3<Vm4<Vm5である。なお、最も大きいVm5の値としては、インクを吐出させない程度の大きさの値が選択される。また、最も小さいVm1の値としては、0より大きな正の値が選択される。なお、インクジェットヘッド301のピエゾ素子3010に駆動信号を印加することを、以下単に「インクジェットヘッド301に駆動信号を印加する」という場合もある。
(駆動信号の制御)
図11〜図22は、本実施の形態に係るインクジェット装置1000を用いて有機発光層11を形成する工程において時刻t1〜t12における開口部17とインクジェットヘッド301およびノズル3030の位置関係をそれぞれ模式的に示す図である。図23は、HG301aのインクジェットヘッド301aaおよび301abの各ノズルに印加される駆動信号を示すタイミングチャートである。図24は、HG301bのインクジェットヘッド301baおよび301bbの各ノズルに印加される駆動信号を示すタイミングチャートである。
本実施の形態においては、代表例としてヘッドグループHG301aおよび301bのインクジェットヘッド301aa,301ab,301ba,301bbについて説明する。
また、本実施の形態においては、ヘッドグループHG301aおよび301bのインクジェットヘッド301aa,301ab,301ba,301bbがG色用の有機発光層を形成する材料インクを吐出する場合について説明し、インクジェットヘッド301aaのヘッドランクはHR1であり、インクジェットヘッド301baのヘッドランクはHR5である。
本実施の形態においては、HG301aでは、ヘッド部の走査方向前方に位置するインクジェットヘッド301aaに備えられた複数のノズル3030(第1ノズル群)に第1駆動信号SG1を印加してインクを吐出させ、後方に位置するインクジェットヘッド301abに備えられた複数のノズル3030(第2ノズル群)に第2駆動信号SG2を印加して発熱させる場合について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、インクジェットヘッド301aaのノズル3030にSG2を印加して発熱させ、インクジェットヘッド301abのノズル3030からインクを吐出させてもよい。
ここで、第1駆動信号SG1を印加してインクを吐出させるのは、ノズル3030がG色用の開口部17Gと対向しているタイミングである。また、ノズル3030がG色以外のR色およびB色用の開口部17R,17Bと対向している時には、G色のインクは吐出されるべきではない。これは、異なる色のインクが同じ開口部17に吐出されると混色を引き起こし、製造される有機EL表示パネルの画質を低下させるからである。従って、ノズル3030がG色以外のR色およびB色用の開口部17R,17Bと対向している時には、インクの吐出は禁止される。
また、駆動信号SG2がノズル3030に印加されると、インクが吐出されない程度ではあるが、ピエゾ素子3010により振動板301hが変形される。このとき、インクの粘度にもよるが、何らかの原因により不必要な微小インク液滴が滴下されたりインクの飛沫が飛散したりする現象が発生する虞がある。そのような現象が、ノズル3030が開口部17Gと対向しているタイミングで発生した場合には混色の問題を引き起こすことはないが、R色およびB色用の開口部17Rおよび17Bと対向しているタイミングで発生した場合、混色の問題が発生する虞がある。そのため、本実施の形態においては、ノズル3030が開口部17R,17Bと対向している時には、第2駆動信号SG2の印加は行われない。
なお、上記「対向」しているタイミングとは、吐出されたインクの液滴が塗布対象の開口部内に着弾するタイミングを意味する語として用いており、必ずしも物理的に平面視した場合に開口部と重なる位置に存在しているときに限ら得ない。即ち、液滴がノズル孔3031から開口部17まで落下する間にヘッド部30の移動による慣性力の影響を受けてヘッド部30の移動方向に移動する距離の分だけ、平面視した場合の開口部の位置よりもヘッド部30の移動方向後方側にずれた位置にノズル3030が存在するタイミングである。
図11に示すように、時刻t1において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab2が開口部17Rに対向する領域に位置するようになる。ヘッド部30の移動(走査)がスタートしたとき(T=t0とする)からT=t1までの間においては、インクジェットヘッド301aaの各ノズル3030はいずれも開口部17Gと対向する領域にまで達していないので、第1駆動信号SG1も第2駆動信号SG2も印加されない。インクジェットヘッド301abの各ノズル3030は、T=t1となる直前まではいずれの開口部17とも対向する位置にはないため、t0からt1の直前まではノズル3030ab1〜3030ab6にはSG2が印加される。このとき、同じヘッドグループに属するインクジェットヘッド301aaのヘッドランクがHR1であるので、インクジェットヘッド301abの各ノズル3030に印加されるSG2のVmはVm1である。時刻t1において、ノズル3030ab2が開口部17Rに対向する領域に入り、ノズル3030ab2に対するSG2の印加が停止される。
図12に示すように、時刻t2において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab3が開口部17Rに対向する領域に位置するようになる。従って、時刻t2において、ノズル3030ab3に対するSG2の印加が停止される。
図13に示すように、時刻t3において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab4が開口部17Rに対向する領域に位置するようになる。従って、時刻t3において、ノズル3030ab4に対するSG2の印加が停止される。また、時刻t3において、インクジェットヘッド301aaのノズル3030aa1が開口部17Gのヘッド部30の移動方向(Y軸方向)における中央部(以下、単に「中央部」という。)に位置するようになり、このとき、ノズル3030aa1に第1駆動信号SG1が印加され、インク液滴が吐出される。
図14に示すように、時刻t4において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab2が開口部17Rに対向する領域の外に位置するようになる。従って、時刻t4において、ノズル3030ab2に対するSG2の印加が再開される。
図15に示すように、時刻t5において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab5が開口部17Rに対向する領域に位置するようになる。従って、時刻t5において、ノズル3030ab5に対するSG2の印加が停止される。また、時刻t5において、インクジェットヘッド301aaのノズル3030aa2が開口部17Gの中央部に位置するようになり、このとき、ノズル3030aa2に第1駆動信号SG1が印加され、インク液滴が吐出される。
図16に示すように、時刻t6において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab3が開口部17Rに対向する領域の外に位置するようになる。従って、時刻t6において、ノズル3030ab3に対するSG2の印加が再開される。
図17に示すように、時刻t7において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab6が開口部17Rに対向する領域に位置するようになる。従って、時刻t7において、ノズル3030ab6に対するSG2の印加が停止される。また、時刻t7において、インクジェットヘッド301aaのノズル3030aa3が開口部17Gの中央部に位置するようになり、このとき、ノズル3030aa3にSG1が印加され、インク液滴が吐出される。
図18に示すように、時刻t8において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab4が開口部17Rに対向する領域の外に位置するようになる。従って、時刻t8において、ノズル3030ab4に対するSG2の印加が再開される。
図19に示すように、時刻t9において、インクジェットヘッド301aaのノズル3030aa4が開口部17Gの中央部に位置するようになり、このとき、ノズル3030aa4にSG1が印加され、インク液滴が吐出される。
図20に示すように、時刻t10において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab5が開口部17Rに対向する領域の外に位置するようになる。従って、時刻t10において、ノズル3030ab5に対するSG2の印加が再開される。
図21に示すように、時刻t11において、インクジェットヘッド301aaのノズル3030aa5が開口部17Gの中央部に位置するようになり、このとき、ノズル3030aa5にSG1が印加され、インク液滴が吐出される。
図22に示すように、時刻t12において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab6が開口部17Rに対向する領域の外に位置するようになる。従って、時刻t12において、ノズル3030ab6に対するSG2の印加が再開される。それと同時に時刻t12において、インクジェットヘッド301abのノズル3030ab2が開口部17Bに対向する領域に位置するようになり、ノズル3030ab2に対するSG2の印加が停止される。
以上、HG301aのインクジェットヘッド301aa,301abの各ノズルに印加される駆動信号の制御方法について説明した。本実施の形態においては、HG301bのインクジェットヘッド301ba,301bbの各ノズルに印加される駆動信号の制御方法についても、インクジェットヘッド301baのヘッドランクがHR5であるため、インクジェットヘッド301bbの各ノズル3030に印加されるSG2のVmがVm5である点以外は同じである。
[まとめ]
有機EL表示パネルの場合、有機発光層11の膜厚は約20〜100[nm]程度と非常に薄いため、微小な液滴の体積ばらつきが発光輝度差となって表れ、表示品質に与える影響は大きくなる。特に、主走査方向において隣り合うインクジェットヘッド間での吐出されるインク液滴の体積ばらつきが大きい場合には、発光輝度に帯状のばらつきが生じることとなるため、表示品質が損なわれてしまう。表示パネルの高精細化に伴ってより高い表示品質が求められ、インクジェットヘッドから吐出されるインク液滴の体積ばらつきはより一層抑制される必要がある。
本実施の形態に係るインクジェット装置1000は、副走査方向(列方向)にノズル3030が列状に配置されたインクジェットヘッド301が主走査方向(行方向)に2個並行配置され、この2個のインクジェットヘッド301を1組としてホルダー303によって保持されており、複数組のインクジェットヘッド301が副走査方向に並べて配置されたヘッド部30を塗布対象基板上で走査させる。そして、ヘッド部30を走査させながら、塗布対象基板上に設けられた複数の開口部17のうち、インクジェットヘッド301のインク色(実施の形態1においては、G色)と一致した色用の開口部17にノズル3030が対向するタイミングでノズル3030からインク液滴を吐出させて有機発光層を形成する。
その際に、1組のインクジェットヘッド301(実施の形態1においては、代表例としてヘッドグループHG301a)のうち、一方のインクジェットヘッド301(第1ノズル群)(実施の形態1においては、インクジェットヘッド301aa)のノズル3030が目的の開口部(インク色に一致した色用の開口部)17に対向するタイミング、即ち液滴が吐出されるべきタイミング(以下、「第1のタイミング」という。)で、当該ノズル3030のピエゾ素子3010に第1駆動信号SG1を印加してインク液滴を吐出させる。
そして一方のインクジェットヘッド301のノズル3030が異なるインク色(実施の形態1においてはR色およびB色)用の開口部17と対向するタイミングは、液滴の吐出が禁止されるべきタイミング(以下、「第2のタイミング」という。)であり、ピエゾ素子3010には第1駆動信号SG1も第2駆動信号SG2も印加されない。第1駆動信号SG1が印加されないのは、インク色とは異なる色用の開口部に液滴が吐出されると混色を引き起こして表示品質を損なうことになるためである。また、第2駆動信号SG2が印加されてピエゾ素子3010により振動板301hが変形されても、その変形は液滴を吐出させない程度の変形であるのだが、このとき、何らかの原因により不必要な微小インク液滴が滴下されたりインクの飛沫が飛散したりする現象が発生する虞がある。そのため、第2のタイミングでは第2駆動信号SG2も印加されない。
また、実施の形態1においては、第1のタイミングでも第2のタイミングでもない第3のタイミング、即ち、液滴が吐出されてもされなくてもどちらでもよいタイミングでは、一方のインクジェットヘッド301のノズル3030には、第1駆動信号SG1も第2駆動信号SG2も印加されない。第3のタイミングとは、隣り合う開口部17を区画している隔壁層7および、隔壁層7に設けられたコンタクトホール5(窪み部8)と対向しているタイミングである。
ここで、他方のインクジェットヘッド301(第2ノズル群)(実施の形態1においては、インクジェットヘッド301ab)については、ノズル3030が異なる色用の開口部と対向するタイミングである第2のタイミングにおいては、第1駆動信号SG1も第2駆動信号SG2も印加されない。これは、上述と同様の理由からであり、混色を引き起こす不必要なインク吐出を防止するためである。そして、第1のタイミングおよび第3のタイミングにおいては、第2駆動信号SG2が印加される。インク色と一致した色用の開口部17と対向しているタイミングおよび隔壁層7およびコンタクトホール5(窪み部8)と対向しているタイミングであれば、第2駆動信号SG2が印加されて不必要なインク液滴が吐出されたとしても混色の問題を引き起こすことがないからである。
なお、インクジェットヘッド301(第2ノズル群)(実施の形態1においては、インクジェットヘッド301ab)において、ノズル3030が第2のタイミングであるときに、当該ノズル3030のピエゾ素子3010に対して第2駆動信号SG2を印加してもよい。
このようにして、他方のインクジェットヘッド301のノズル3030のピエゾ素子3010に第2駆動信号SG2を印加して発熱させ、発生した熱がホルダー303を通って一方のインクジェットヘッド301へと伝わり、一方のインクジェットヘッド301のインク温度を上昇させてインク粘度を低下させることにより、一方のインクジェットヘッド301のインク吐出容易性を向上させる(インクを出やすくする)ことができる。
このとき、インクジェットヘッド301の吐出容易性の程度に応じて第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさを変えることにより、吐出容易性を向上させる程度を制御することができる。即ち、吐出容易性のより低いインクジェットヘッド301と同一組のインクジェットヘッド301のノズル3030に対しては、印加する第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさVmをより大きなものにしてより多くの熱を発生させ、インクの温度をより高くして粘度をより低くすることにより、吐出容易性をより大きく向上させることができる。
これにより、隣接するヘッドグループ間のインク吐出容易性を均一化して、インク吐出量の帯状のばらつきを抑制し、その結果、有機EL表示パネルの発光輝度に帯状のばらつきが発生するのを防ぐことができる。
また、同一のノズル列の中に第1駆動信号SG1を印加されるノズル3030と第2駆動信号SG2が印加されるノズル3030とが混在している場合、信号のクロストークが生じて正確な吐出制御ができなくなるという問題が発生する虞がある。さらには、駆動信号が印加されてピエゾ素子3010により変形された振動板301hの振動が隣のノズルに伝導し、吐出される液滴の体積に誤差を生じさせたり、不必要な液滴の吐出や飛沫の飛散が多くなったりするという問題が発生する虞がある。第1駆動信号SG1を印加するノズル列と第2駆動信号SG2を印加するノズル列とを分けることにより、上記の問題の発生を抑制することができる。
≪実施の形態2≫
実施の形態1では、1列のノズル列を有するインクジェットヘッド301が2個1組としてホルダー303によって保持され、1組のインクジェットヘッド301のうち一方のインクジェットヘッド301のノズル3030に第1駆動信号SG1を印加してインク液滴を吐出さえ、他方のインクジェットヘッド301のノズル3030に第2駆動信号を印加して発熱させる構成について説明した。
実施の形態2では、1個のインクジェットヘッドがノズル列を2列有する場合について説明する。
図25は、実施の形態2に係るインクジェット装置2000の主要構成を示す図である。インクジェット装置2000は、ホルダー303により保持された1組のインクジェットヘッド301の代わりに、インクジェットヘッド2301がヘッド部2030に備えられている点が実施の形態1に係るインクジェット装置1000と異なっている以外は、基本的な構成はインクジェット装置1000と同じである。
なお、インクジェット装置2000の機能ブロック図については、図6に示すインクジェット装置1000の機能ブロック図においてヘッド部30がヘッド部2030となり、ヘッド部2030の構成は、ヘッド部30の構成と同一であるので、ここでは、図示は省略する。
図26は、インクジェットヘッド2301の概略構成を示す一部切欠き斜視図である。
図27は、有機EL表示パネルの製造工程における、塗布対象基板とヘッド部2030の位置関係を示す図である。
図26に示すように、インクジェットヘッド2301は、流路301gの両側に隔壁301d、キャビティ301e、ノズル孔3031、およびピエゾ素子3010が設けられており、a列とb列の2列のノズル列を備える(図27参照)。a列とb列のノズル列は、一つのリザーバ(流路301g)を共有している。
実施の形態2においては、a列およびb列のノズル列は、それぞれ実施の形態1におけるインクジェットヘッド301aaのノズル列および301abのノズル列と同様の役割を果たし、同様の駆動信号が印加される。即ち、a列のノズル3030(第1ノズル群)のピエゾ素子3010に対しては、第1のタイミングであるときには第1駆動信号SG1を印加してインク液滴を吐出させ、第2および第3のタイミングであるときには、第1駆動信号SG1も第2駆動信号SG2も印加されない。b列のノズル3030(第2ノズル群)のピエゾ素子に対しては、第2のタイミングであるときには第1駆動信号も第2駆動信号も印加されず、第1のタイミングおよび第3のタイミングであるときには、第2駆動信号SG2が印加される。
実施の形態2の構成によっても、b列のノズル3030のピエゾ素子3010に第2駆動信号SG2を印加して発熱させ、発生した熱が隔壁301d、ノズルプレート301i、振動板301h等を介してリザーバに貯留されているインクへと伝導してインク温度を上昇させてインク粘度を低下させるため、リザーバを共有しているb列のノズル3030の吐出容易性を向上させることができる。
このようにして、インクジェットヘッド2301のb列のノズル3030のピエゾ素子3010に第2駆動信号SG2を印加して発熱させ、発生した熱がリザーバに貯留されているインクへと伝わり、インク温度を上昇させてインク粘度を低下させることにより、a列のノズル3030のインク吐出容易性を向上させる(インクを出やすくする)ことができる。
このとき、インクジェットヘッド2301の吐出容易性(a列のノズル3030の吐出容易性)の程度に応じて第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさを変えることにより、吐出容易性を向上させる程度を制御することができる。即ち、吐出容易性のより低いインクジェットヘッド2301のb列のノズル3030に対しては、印加する第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさVmをより大きなものにしてより多くの熱を発生させ、インクの温度をより高くして粘度をより低くすることにより、吐出容易性をより大きく向上させることができる。
これにより、実施の形態2の構成によっても、隣接するインクジェットヘッド2301間のインク吐出容易性を均一化して、インク吐出量の帯状のばらつきを抑制し、その結果、有機EL表示パネルの発光輝度に帯状のばらつきが発生するのを防ぐことができる。
[変形例]
以上、実施の形態1および2について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例等が考えられる。
(1)上記各実施の形態においては、インクジェットヘッドの吐出容易性に応じて第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさを変えて発熱程度を調整する構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさは一定にして、その周波数を変えることにより発熱程度を調節してもよい。ここでは、本変形例の調節方法を実施の形態1のインクジェット装置1000に適用した場合を例に説明する。
図28は、変形例1におけるHG301bのインクジェットヘッド301baおよび301bbの各ノズルに印加される駆動信号を示すタイミングチャートである。なお、HG301aのインクジェットヘッド301aaおよび301abの各ノズルに印加される駆動信号を示すタイミングチャートは、図23に示す実施の形態1のタイミングチャートと同様である。
HG301aのヘッドランクはHR1(吐出容易性大)であり、HG301bのヘッドランクはHR5(吐出容易性小)であるので、実施の形態1においては、HG301aのインクジェットヘッド301abのノズル3030に印加する第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさはVm1であり、HG301bのインクジェットヘッド301bbのノズル3030に印加する第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさはVm5であった。
本変形例においては、図28に示すように、HG301bのインクジェットヘッド301bbのノズル3030に印加する第2駆動信号SG2のピーク電圧はVm1であるが、その周波数が高くなっている。周波数が高いほど単位時間あたりに印加されるパルス数が多いため、ピーク電圧の大きさが同じであっても、周波数が高いほどより多くの熱がピエゾ素子3010において発生する。従って、吐出容易性の低いインクジェットヘッドに対しては、第2駆動信号SG2の周波数をより高くすることによって、発熱程度を調節することができる。
(2)発熱程度の調節は、第2駆動信号SG2を印加するノズル3030のピエゾ素子3010の数を変えることによっても行うことができる。変形例2においては、図29に示すように、HR1のHG301aのインクジェットヘッド301abのノズル3030においては、ノズル3030ab1と3030ab6にのみ第2駆動信号SG2を印加し、残りのノズル3030ab2〜3030ab5に対しては、第2駆動信号SG2を印加していない。なお、HG301bのインクジェットヘッド301baおよび301bbの各ノズルに印加される駆動信号を示すタイミングチャートは、図24に示す実施の形態1のタイミングチャートと同様である。また、このとき、HG301aのヘッドランクはHR1であるが、インクジェットヘッド301abのノズル3030に対して印加される第2駆動信号SG2のピーク電圧の大きさはVm5である。
ここで、例えば、HR2のインクジェットヘッドに対しては、第2駆動信号SG2を3つのノズル3030に対して印加し、HR3については4つのノズル、HR4については5つのノズルというように、第2駆動信号SG2を印加するノズル3030の数をヘッドランク(吐出容易性)に応じて調節することにより、発熱程度を調節することができる。
なお、このとき、インクジェットヘッドの外側の部分ほど熱が大気中に放出されて温度が下がりやすいため、外側に位置するノズル3030を優先的に選択して第2駆動信号SG2を印加するようにしてもよい。
(3)実施の形態1においては、ノズル3030の列が主走査方向に対して所定の角度傾斜する姿勢でインクジェットヘッド301が配置されていたが、これに限られない。例えば、図30に示すように、主走査方向と直交する方向に複数のノズル3030が並ぶ姿勢でインクジェットヘッド301が配置されていてもよい。
(4)実施の形態2においては、ノズル3030の列が主走査方向に対して所定の角度傾斜する姿勢でインクジェットヘッド2301が配置されていたが、これに限られない。例えば、図31に示すように、主走査方向と直交する方向に複数のノズル3030が並ぶ姿勢でインクジェットヘッド2301が配置されていてもよい。
(5)実施の形態2においては、インクジェットヘッド2301には、複数のノズル3030が互いに略等しい間隔を開けて配列されたノズル列が2本並列に配置されていたが、これに限られない。例えば、図32に示すように、2本のノズル列が直列に配置され、さらに別の2本のノズル列が直列に配置され、これらが並列に配置されたインクジェットヘッド3301を備える構成としてもよい。
(6)また、図33に示すように、ノズル列が主走査方向に対して直交する姿勢でインクジェットヘッド3301が配置されてもよい。
(7)さらには、主走査方向に並列配置されるノズル列は2本に限られず、3本以上であってもよい。
(8)上記各実施の形態および各変形例においては、第2ノズル群(実施の形態1においてはインクジェットヘッド301ab、実施の形態2においてはb列)のノズル3030のピエゾ素子3010に対しては、第2駆動信号SG2のみが印加される構成について説明したが、これに限定されるものではない。塗布効率を向上させるために1回の走査で開口部17内に吐出される液滴の数を多くしたい場合など、必要に応じて第2ノズル群のノズル3030の一部もしくは全部に第1駆動信号SG1を印加して液滴を吐出させてもよい。
(9)上記各実施の形態および各変形例においては、液滴を吐出させるべき第1のタイミングは、インク色と一致した色用の開口部17とノズル3030が対向するタイミングであるとしたが、これに限られない。ノズル3030がコンタクトホール5(窪み部8)と対向するタイミングを第1のタイミングに含めてもよい。開口部17だけでなく窪み部8に対しても有機発光層用インクの液滴を吐出させることにより、ノズルの目詰まりを防止する効果が期待できる。
加えて、次のような効果も期待できる。開口部17の周縁部が中央部と比較して溶媒濃度が低いために溶媒の蒸発速度が不均一となり、その結果、形成される有機発光層の膜厚が不均一となる虞がある。そこで、開口部17とコンタクトホール5(窪み部8)の両方に対してインクを塗布することにより、開口部17のコンタクトホール5に近接する領域における溶媒の蒸気濃度が高められ、開口部17の全域に亘って蒸気濃度の均一化が図られる。これにより、均一な膜厚の有機発光層が得られる効果が期待できる。
(10)図1には図示していないが、対向電極14の上方には、各有機発光層11の位置に合わせて、各々の色に対応するカラーフィルターが配設されている。カラーフィルターは、R,G,Bに対応する波長の可視光を透過させるために設けられる透明層である。
カラーフィルターは、具体的には、複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層が設けられたカラーフィルター形成用の基板に対し、カラーフィルター材料および溶媒を含有したインクを塗布する工程により形成される。本発明は、このカラーフィルターを形成する際の塗布工程にも適用することが可能である。
なお、カラーフィルター材料としては、例えば、JSR株式会社製のカラーレジスト等を用いることができる。
(11)開口部17の形状が「長尺状である」とは、開口部が長辺と短辺を有する形状であることを指し、必ずしも矩形状である必要はない。例えば、正方形、円形、楕円形等の形状とすることとしてもよい。
(12)図1において、基板1上にTFT層2〜対向電極14の各層が積層形成されてなる構成を示した。本発明においては、各層のうちの何れかの層を欠いている、もしくは、例えば透明導電層などの他の層をさらに含む構成とすることもできる。
(13)本発明において、コンタクトホールに追従して形成される窪み部は必須の構成要件ではなく、例えば、隔壁層上の窪み部に相当する部分を、隔壁層を構成する材料と同一の材料で埋めた構成であってもよい。
また、上記の実施の形態においては、隔壁層を設ける際に自然形成される窪みを窪み部として利用したが、本発明はこれに限定されない。隔壁層の形状を調整することで窪み部を別途形成することとしてもよい。
(14)上記実施の形態において、リニアモーター部204,205、サーボモーター部221はそれぞれガントリー部210、移動体220の移動手段の例示にすぎず、これらの利用は必須ではない。例えば、タイミングベルト機構やボールネジ機構を利用することにより、ガントリー部または移動体の少なくともいずれかを移動させることしてもよい。
(15)上記の実施の形態においては、1走査当たりの各ノズルからの液滴の吐出回数を1回としていたが、この回数は特に限定されない。1走査当たりの液滴の吐出回数を増やす程、より高い着弾精度が要求されるものの、塗布工程に要する時間の短縮を図ることが可能である。
(16)上記の実施形態においては、塗布対象基板に対してヘッド部側を走査させる方法を示したが、本発明はこれに限定されない。ノズルが複数配列されたヘッド部に対して塗布対象基板側を移動させてもよい。
(17)上記の有機EL表示パネルの製造方法において、塗布対象基板を1枚準備する毎に、インクジェットヘッドを1基準備する必要はない。例えば、10枚毎のように、塗布対象基板を複数枚準備する毎に、インクジェットヘッドを1基準備することとしてもよい。
(18)本発明において、ヘッド部の長さは特に限定されないが、可能な限り長いヘッド部を用いた方が、塗布工程に要する時間を短縮することが可能である。
本発明の有機EL表示パネルの製造方等は、例えば、家庭用もしくは公共施設、あるいは業務用の各種表示装置、テレビジョン装置、携帯型電子機器用ディスプレイ等として用いられる有機EL表示パネルの製造方等に好適に利用可能である。
1 基板
2 TFT層
3 給電電極
4 層間絶縁膜
5 コンタクトホール
6 画素電極
7 隔壁層
8 窪み部
9 正孔注入層
10 正孔輸送層
11 有機発光層
12 電子輸送層
13 電子注入層
14 対向電極
17 開口部
20 インクジェットテーブル
30,2030 ヘッド部
100 有機EL表示パネル
200 基台
201A、201B、202A、202B スタンド
203A,203B ガイドシャフト
204、205 リニアモーター部
210 ガントリー部
220 移動体
300 吐出制御部
301,2301,3301 インクジェットヘッド
301c キャビティプレート
301d 隔壁
301e キャビティ
301f 流路
301g 流路(リザーバ)
302 本体部
303 ホルダー
1000,2000 インクジェット装置
3010 ピエゾ素子
3030 ノズル
3031 ノズル孔

Claims (14)

  1. ノズル孔と、前記ノズル孔から液状体を液滴として吐出させるための圧電素子と、をそれぞれ備えた複数のノズルが列状に配置されたノズル群及び、前記圧電素子を駆動させる駆動信号を前記圧電素子に与える吐出制御部を有するインクジェット装置であって、
    前記圧電素子は、第1駆動信号が印加された場合には液滴を吐出させるが、第2駆動信号が印加された場合には液滴を吐出させず、
    前記吐出制御部は、
    前記ノズル群のノズルの圧電素子それぞれに対しては、
    前記液滴が吐出されるべき第1のタイミングであるときには、前記第1駆動信号を印加し、
    前記液滴の吐出が禁止されるべき第2のタイミングおよび、前記第1のタイミングでも前記第2のタイミングでもない第3のタイミングであるときには、前記第1駆動信号を印加せず、
    前記ノズル群の少なくとも一部のノズルの圧電素子それぞれに対しては、
    前記第1のタイミングであるときには、前記第2駆動信号を印加せず、
    前記第2のタイミングであるときには、前記第2駆動信号を印加せず、
    前記第3のタイミングであるときには、前記第2駆動信号を印加する
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  2. 前記第2駆動信号の印加は、前記液状体を加熱するためである
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット装置。
  3. 前記吐出制御部は、前記ノズル群のインク吐出容易性が低いほど、前記第2駆動信号のピーク電圧を大きくする
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット装置。
  4. 前記吐出制御部は、前記ノズル群のインク吐出容易性が低いほど、前記第2駆動信号の周波数を高くする
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット装置。
  5. 前記液状体は、有機材料および溶媒を含有したインクである
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット装置。
  6. 前記有機材料は、有機EL表示パネルの有機発光層を形成するために用いられる材料であり、
    前記第1のタイミングは、前記有機材料に対応した色の塗布領域に前記ノズルが対向するタイミングであり、
    前記第2のタイミングは、前記有機材料に対応していない色の塗布領域に前記ノズルが対向するタイミングである
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット装置。
  7. 前記第3のタイミングは、前記有機材料に対応した色の塗布領域間に前記ノズルが対向するタイミングである
    ことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット装置。
  8. 複数の開口部をピクセル単位に行列状に形成した隔壁層を設けたEL基板、
    ノズル孔と、前記ノズル孔から有機材料および溶媒を含有したインクの液滴を吐出するための圧電素子と、をそれぞれ備えた複数のノズルが列状に配置されたノズル群を有するヘッド部、
    前記圧電素子を駆動させる駆動信号を前記圧電素子に与える吐出制御部、
    を準備する第1工程と、
    前記EL基板に対し前記ヘッド部を行方向に走査させながら、前記各開口部に対し、当該各開口部に対応するノズルからそれぞれ前記液滴を吐出させる第2工程と、を含み、
    前記第2工程において、前記吐出制御部は、
    前記ノズル群のノズルの圧電素子それぞれに対しては、
    前記液滴が吐出されるべき第1のタイミングであるときには、前記第1駆動信号を印加し、
    前記液滴の吐出が禁止されるべき第2のタイミングおよび、前記第1のタイミングでも前記第2のタイミングでもない第3のタイミングであるときには、前記第1駆動信号も前記第2駆動信号も印加せず、
    前記ノズル群の少なくとも一部のノズルの圧電素子それぞれに対しては、
    前記第1のタイミング時には、前記第2駆動信号を印加せず、
    前記第2のタイミング時には、前記第2駆動信号を印加せず、
    前記第3のタイミング時には、前記第2駆動信号を印加する
    ことを特徴とする有機EL表示パネルの製造方法。
  9. 前記第2駆動信号の印加は、前記液状体を加熱するためである
    ことを特徴とする請求項8に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  10. 前記第2工程において、
    前記吐出制御部は、前記ノズル群のインク吐出容易性が低いほど、前記第2駆動信号のピーク電圧を大きくする
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  11. 前記第2工程において、
    前記吐出制御部は、前記ノズル群のインク吐出容易性が低いほど、前記第2駆動信号の周波数を高くする
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  12. 前記有機材料は、有機発光層を形成するために用いられる材料である
    ことを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  13. 前記有機材料は、有機発光層を形成するために用いられる材料であり、
    前記第1のタイミングは、前記有機材料に対応した色の前記開口部に前記ノズルが対向するタイミングであり、
    前記第2のタイミングは、前記有機材料に対応していない色の前記開口部に前記ノズルが対向するタイミングである
    ことを特徴とする請求項8〜12の何れか1項に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
  14. 前記第3のタイミングは、前記有機材料に対応した色の塗布領域間に前記ノズルが対向するタイミングである
    ことを特徴とする請求項13に記載の有機EL表示パネルの製造方法。
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