JP6082935B2 - 導電性材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電池、オゾン水の生成装置、電気分解装置等に利用される電極として好適に利用可能な電気伝導性に優れた導電性材料の製造方法に関する。
電池、電気分解装置等に用いられる電極は、高い導電性が要求されるとともに腐食性がある電解溶液中でも長期間劣化しないような高い耐食性が必要とされる。従来、導電性及び耐食性が高い電極として白金が利用されているがコストが高いことから、比較的安価で耐食性に優れたチタンを電極へ利用する技術の開発が進められている。しかしながら、チタンは酸化しやすく、その表面はほとんど絶縁性の酸化チタンになりやすいことから、高い導電性が要求される電極への適用には制限される問題があり、導電性を向上する技術の開発が望まれている。
一方、特許文献1には、チタン材の表面に酸化チタン層を形成し、その表面にPVD法によってAu、Pt、Pd等の貴金属層を形成した後、加熱処理する電極用チタン材の表面処理方法が開示されている。特許文献2には、チタン又はチタン合金からなる導電性基体の表面に電極活性物質を強固に接合保持させるために、導電性基体の表面を電解質溶液中で電解酸化して多孔質化し、多孔質化された導電性基体の表面に白金族金属等の電極活性物質を層状に形成する電極の製造方法が開示されている。特許文献3には、多孔質発泡チタンを炭窒化処理することにより、多孔質骨格表面に炭窒化チタン層を形成した多孔質発泡チタンの製造方法が開示されている。特許文献4には、サーメットの原料として応用される窒化チタン粉末の製造方法として、酸化チタン粉末とカーボン粉末とを混合したものを窒素ガス中において1350度以上で且つチタンの融点以下の温度で加熱する方法が開示されている。特許文献5には、サーメットの原料として応用される窒化チタン粉末の製造方法として、酸化チタンと炭素粉末を混合してバインダーで混練し造粒ペレットに整粒後、窒素気流中1500度〜1800度で加熱処理し、粉砕機で粉砕して炭窒化チタン粉末を得る方法が開示されている。特許文献6には、チタン系材料の表面を改質する技術として、チタン系材料を加熱炉に収容して、二酸化炭素雰囲気中、600〜900℃で加熱処理し、チタン系材料の表面に酸素及び炭素の拡散層を形成する方法が提案されている。また、特許文献7には、フィールドエミッションディスプレイに利用できる電子源の製造方法として、少なくとも基板上にアルミニウム陽極酸化膜を形成する工程と、炭化水素を原料ガスとし、かつ原料ガスの分解温度未満における気相炭素化法により、炭素系材料を前記アルミニウム陽極酸化膜の細孔のほぼ底部に密着して堆積させ、さらに、細孔内部に繊維状の炭素系材料を形成する工程とを具備する技術が開示されている。
特開2009−228123号公報 特開2009−197284号公報 特開2006−348330号公報 特開平1−96005号公報 特開平8−333107号公報 特開2003−73799号公報 特開2003−31115号公報
特許文献1では、特殊かつ高価なPVD装置が必要であることから、費用負担が大きく設備導入が困難な場合があった。さらに、処理工程が複雑で工程数も多く、製造効率が悪いものであった。また、材料としてAu、Pt等の貴金属を使用する必要があるので表面処理後の製品が高コスト化するとともに、貴金属層の表面は平滑となるので表面積が少ない結果、高コストの割には電気伝導性の大幅な向上を期待できないおそれがあった。特許文献2では、導電性基体の多孔質の細孔内に、電極活性物質を深く、しかも複雑に食い込ませて基体表面上に固定させてアンカー効果によって強固に接合保持させるので、電極表面積が少なくなるおそれがあった。さらに、基体表面へ金属塩溶液の塗布−乾燥−焼成を行う工程を数回から数十回繰り返して目標とする電極活性物質量を確保する必要があるので、工程が煩雑で製造効率に劣る問題があった。また、材料として高価な白金族金属等を使用する必要があるので製造された電極が高コスト化する問題があった。特許文献3では、多孔質のチタンを形成する工程では、チタン粉末の他に結合剤、可塑剤、気泡剤、発泡剤等の多種の材料が必要であるとともに発泡スラリーの成形、乾燥、脱脂、焼結等を含むので複雑かつ煩雑なものとなり、該多孔質チタンを形成した後に炭窒化処理する必要があるので製造工程全体として複雑、煩雑なものであり、製造効率が悪かった。特許文献4、5では、サーメットの原料として窒化チタンや炭窒化チタンの粉末を製造する技術であるが、酸化チタン粉末を窒化や炭窒化するために比較的高い温度で加熱処理する必要があるため、加熱設備に高い費用を要し、中小企業等の場合には負担が大きく設備導入が困難な場合があった。さらに、窒化チタン粉末や炭窒化チタン粉末を仮に電極として応用する場合には、別途に該粉末を焼結して所定の形状に成形したり基板等に固着させたりする必要があるので、電極の形状や性能が制限されやすく、電池や電気分解装置等の電極材料として実用性に劣るとともに製造効率も悪いものであった。特許文献6のチタン系材料の表面処理方法では、チタン系材料の耐摩耗性を向上させようとするものであるが、単にチタン表面に酸素や炭素の拡散層を形成するだけでは大きな導電性の向上を望めず、電気伝導性が要求される電池や電気分解装置等の電極材料としては実用できないおそれがあった。また、特許文献7の電子源の製造方法では、フィールドエミッションディスプレイに利用される低電圧駆動可能な電子源を目的としているが、陽極酸化皮膜自体を改質するものではなく、炭素系材料を陽極酸化膜の細孔に気相炭素化法により堆積させるので、後工程でエッチング処理して電子源を表面に露出させる必要があり、工程数が多く煩雑でコストもかかるおそれがあった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、極めて簡単な設備だけで、簡便にかつ低コストで、電気伝導性に優れた導電性材料を製造できる導電性材料の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、表面が金属酸化物の多孔質構造からなる処理対象物10を、炭素粉末と、鉄、ニッケル、コバルト、鉄合金、ニッケル合金、コバルト合金の少なくとも1種の粉末と、を含む平均粒径が数μm〜数百μm程度のマイクロメートルオーダの炭素源粉末12中に埋没させた状態で、窒素ガス雰囲気(S)中で800℃から1100℃の間の温度で加熱処理し、該多孔質構造の金属酸化物を、金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物で置換し、処理対象物の多孔質構造を保持した導電性材料を得ることを特徴とする導電性材料の製造方法から構成される。処理対象物は、例えば、金属の表面を陽極酸化皮膜処理したもの、その他の金属の表面を酸化処理及び多孔質化処理したもの、又は、金属酸化物粉体を焼結して全体を多孔質構造としたもの等でもよい。
また、処理対象物10を埋没させる炭素源粉末12に、酸化アルミニウム粉末や酸化チタン粉末等の金属酸化物粉末を混合し、前記加熱処理することにより、多孔質構造の金属酸化物の表面にアルミニウムやチタン等の酸化物粉末を構成する金属を拡散させることとしてもよい。例えば、炭素源粉末12に酸化イリジウムのような貴金属酸化物粉末を加えると導電性材料の電気伝導性をさらに高めることも可能になると予想される。
また、金属母材を陽極酸化皮膜処理することにより、表面が金属酸化物の多孔質構造からなる処理対象物10を形成することとしてもよい。
また、処理対象物10の金属酸化物は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムのいずれか1種であることとしてもよい。
本発明の導電性材料の製造方法によれば、表面が金属酸化物の多孔質構造からなる処理対象物を、炭素粉末と、鉄、ニッケル、コバルト、鉄合金、ニッケル合金、コバルト合金の少なくとも1種の粉末と、を含む炭素源粉末中に埋没させた状態で、窒素ガス雰囲気中で加熱処理し、該多孔質構造の金属酸化物を、金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物で置換し、処理対象物の多孔質構造を保持した導電性材料に変換することから、多孔質構造が保持された状態で金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物を得ることができ、導電性及び耐食性に優れ、例えば、電極やオゾン水生成装置、電気分解装置の電極や半導体基板等に適用できる。さらに、形状に左右されることなく処理を行え、簡単な設備で、しかも簡単な操作で、低コストで導電性材料を製造することができる。
また、加熱温度は、800℃から1100℃の間に設定された構成とすることにより、処理対象物の金属酸化物が溶融しない温度で加熱処理でき、元の多孔質構造を保持して金属窒化物、金属炭化物や金属炭窒化物に変換できる。
また、処理対象物を埋没させる炭素源粉末に、酸化アルミニウム粉末や酸化チタン粉末等の金属酸化物粉末を混合し、前記加熱処理することにより、多孔質構造の金属酸化物の表面にアルミニウムやチタン等の酸化物粉末を構成する金属を拡散させる構成とすることにより、導電性材料の電極性能の向上が期待できる。さらに、加熱処理の際に炭素源粉末が焼結するのを良好に防止できる。
また、金属母材を陽極酸化皮膜処理することにより、表面が金属酸化物の多孔質構造からなる処理対象物を形成することから、マイクロメートルオーダ以上の厚い酸化皮膜すなわち表面積が大きい多孔質構造の金属酸化皮膜を簡単に形成することができる結果、導電性が高く電極性能に優れた導電性材料を簡単に製造できる。さらに、目的の導電性材料の形状が限定されにくく、導電性材料を大量生産して、低コストで製造することができる。
また、処理対象物の金属酸化物は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムのいずれか1種であることから、例えば、電池、オゾン水生成装置、電気分解装置の電極又は半導体基板として実用できる導電性材料を提供できる。
上記記載の製造方法により得られ、表面に導電性の金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物の多孔質構造を有する導電性材料であるから、高い耐食性を備えると同時に、多孔質構造で表面積が大きいため高い導電性を発揮できる。その結果、高い導電性と耐食性が要求される電極として実用できる。
本発明の実施形態に係る導電性材料の製造方法の概略図である。 実施例1の導電性材料、比較例2、3の比較材料の表面のSEM(走査型電子顕微鏡)画像である。 実施例1の導電性材料、比較例1、2、3の比較材料の表面のX線回折図形である。 実施例1、2のEPMA(X線マクロアナライザー)分析画像である。 実施例1〜4の導電性材料及び比較例1、2、4の比較材料の表面電気抵抗率の測定結果の表である。 実施例1、比較例1、5の表面の電極反応特性試験の結果のグラフである。 金属の陽極酸化皮膜処理で酸化皮膜の成長過程を説明した模式図である。
以下添付図面を参照しつつ本発明の導電性材料の製造方法の実施形態について説明する。本発明に係る導電性材料の製造方法は、多孔質構造の材料の表面を改質して導電性を向上する方法であり、多孔質構造を保持したまま、導電性の金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物に変換し、導電性及び耐食性に優れた導電性材料を得ることができる。図1は、本発明の導電性材料の製造方法の一実施形態を示している。本実施形態において、図1に示すように、導電性材料の製造方法は、表面が金属酸化物の多孔質構造からなる処理対象物10を炭素源粉末12中に埋没させた状態で、窒素ガス(N)雰囲気中で加熱処理することにより、該多孔質構造の金属酸化物を金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物で置換し、多孔質構造の電気伝導性を高めた導電性材料を得る。
処理対象物10は、表面が金属酸化物の多孔質構造で形成されている金属材料からなる。本実施形態では、処理対象物10は、具体的には、例えば、チタン、ジルコニア又はアルミニウムのいずれかの金属母材の表面を所定の厚さで陽極酸化皮膜処理したものからなる。すなわち、処理対象物の表面は、ほとんど絶縁性の金属酸化物で構成されている。炭素源粉末に埋没して窒素雰囲気中で加熱処理するのに先立って、金属を陽極として電解質溶液中で電気を流すことにより、金属表面に数μm以上の膜厚さで細孔径が数十nm〜数μm程度の陽極酸化皮膜を形成する陽極酸化皮膜処理工程を含む。したがって、チタンやアルミニウムBs等の金属を空気中に放置してできる数十オングストローム程度の薄い酸化皮膜Faの表面(図7(A)参照)とは異なり、処理対象物では金属素材Bsの表面に多孔質構造で膜厚が厚い酸化皮膜Fx(図7(d)参照)を有している。図7に示すように、例えば、アルミニウムの陽極酸化皮膜処理では、時間の経過に伴って(a)アルミニウムBsの表面にバリアー皮膜Fb0が成長し、(b)150〜250オングストロームの厚さで皮膜に細孔Porが発生する。さらに皮膜形成が進むと(c)細孔の部分で皮膜の溶解と生成が同時に生じて細孔Porがアルミニウム素地Bs側に発達し、そして(d)上層側に細孔Porの直径が約100オングストローム程度のポーラス皮膜Fpと下層側の緻密なバリアー層Fbとの二層の酸化アルミニウム皮膜Fxが所定の厚さで形成される。図7中、Lvは元のアルミニウム素地の基準面である。本実施形態では、後述のように、陽極酸化皮膜を構成する金属酸化物の孔壁が還元及び窒化、炭化又は炭窒化され、多孔質構造が保持されたまま同孔壁が金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物に変換される。なお、チタン、ジルコニア等のその他金属や合金でも同様の陽極酸化処理により多孔質構造の酸化皮膜を形成して処理対象物としてもよい。陽極酸化皮膜処理では、例えば、金属表面に1〜数百μm或いはそれ以上の厚い多孔質構造の金属酸化物を簡単に形成することができる。また、陽極皮膜処理では、細孔径が数十nmから数μm程度の微細な多孔質構造を簡単に形成することができる。
図1では、処理対象物10の形状は、例えば板状に成形されているが、棒状、ネットや格子形状、その他任意の形状でもよい。また、処理対象物10は、陽極酸化皮膜処理をした金属に限らず、少なくとも表面に多孔質構造の金属酸化物を有するものであればよい。例えば、金属酸化物の粉末を焼結させて表面を含む全体が多孔質構造の金属酸化物で構成したものを処理対象物としてもよい。
炭素源粉末12は、加熱された際に処理対象物である多孔質構造の金属酸化物を還元後に窒化、炭化又は炭窒化する手段として機能する。さらに、炭素源粉末は、該表面への酸化抑制作用を及しうる酸化抑制手段としても機能しうる。炭素源粉末は、加熱処理時に炭素を供給する炭素供給源である。該処理対象物の表面に炭素源粉末(炭素)を存在させて加熱することにより、炭素が周辺の酸素と反応して一酸化炭素又は二酸化炭素を発生しながら、多孔質構造をもつ金属酸化物のまわりの酸素分圧を下げ、金属酸化物の還元や酸化抑制に寄与する。その結果、炭素源粉末は、窒素ガス雰囲気中において、還元される金属酸化物表面と窒素との反応を促進して金属窒化物又は金属炭窒化物を形成する窒化促進手段として機能する。さらに、炭素源粉末は、処理対象物の多孔質構造の金属酸化物に炭素を拡散させて金属炭化物又は金属炭窒化物を形成する要素ともなりうる。すなわち、炭素源粉末は、還元される金属酸化物表面と炭素との反応を促進して金属炭化物又は金属炭窒化物を形成する炭化促進手段ともいえる。本実施形態では、炭素源は、粉末形態であることから、処理対象物の種々の形状、大きさに対応して該金属酸化物の表面に十分に炭素源を接触又は近接させ、処理対象物の表面の還元、酸化抑制、炭素の拡散を有効に実現する。同時に、炭素源粉末は、粉末粒子間に間隙が形成されるので、金属酸化物表面と雰囲気中の窒素との反応を維持できる。
炭素源粉末の具体例としては、例えば、炭素粉末と、鉄又は鉄を主成分とした鉄合金の粉末と、の少なくとも2種類の粉末を含む混合粉末で構成される。炭素粉末は、例えば、活性炭粉末、グラファイト粉末、木炭粉末等の炭素を主成分とする炭素材料からなる。鉄合金は、例えば、鉄に炭素を含有した炭素鋼、炭素鋼よりも炭素含有量が多い鋳鉄、その他炭素を含有した鉄基合金、鉄・炭素以外にクロム、ニッケル等が含有されたステンレス鋼等、その他の任意の合金元素が含有された特殊鋼(合金鋼)からなる。炭素を含む鉄合金は、例えば、炭素が0.01〜6.7重量%、好ましくは、0.01〜2重量%程度含むものがよい。なお、鉄又は鉄合金の粉末に変えて、同じ鉄族元素であるニッケル、コバルトの粉末、或いは鉄族元素を主成分とした合金であるニッケル合金、コバルト合金の粉末を、炭素粉末と混合して炭素源粉末を構成してもよい。ニッケルやコバルトは、鉄と似た性質を有しているので、炭素粉末と混合することで金属酸化物の還元等の上記同様の作用効果を期待できる。炭素源粉末は、加熱時に粉末同士で焼結したりしにくく、粉末中に埋没させた処理対象物と窒素との反応を阻害しないようなものが好適である。炭素源粉末は、処理が進んでも気体等(窒素や一酸化炭素、二酸化炭素)が通過しうるような粉末間隙が維持されるとよい。
好適には、炭素源粉末は、炭素粉末と、鉄粉末又は炭素鋼等の炭素含有の鉄合金粉末(総称して以後、鉄鋼粉末)と、を混合して構成するとよい。炭素源粉末として炭素粉末のみを使用した場合よりも、炭素粉末と鉄鋼粉末とを所定の割合で混合した方が、処理対象物の処理効果が高くなることが実験的に分かっている。その理由は詳しくは判明していないが、炭素粉末と鉄の接触により遊離炭素の生成が顕著に起こり、酸素と反応して生じた一酸化炭素や二酸化炭素による酸素分圧の低下、それに伴う処理対象物の還元、さらに処理対象物への炭素の拡散が促進されると考えられる。さらに、鉄鋼粉末だけでは加熱時に焼結しやすいので、焼結しにくい炭素粉末を混合することで焼結防止に役立つ。すなわち、炭素粉末と鉄鋼粉末との混合粉末は、反応性の高い炭素源、及び焼結防止機能を同時に提供して、効率良く還元及び炭素拡散を実現できると考えられる。さらに、反応性が高いことから、炭素粉末だけのものと比較的して低温でも有効に金属酸化物の改質処理を実現できる。炭素粉末と鉄鋼粉末との混合比は任意でもよいが、例えば、体積比で3:7〜7:3の範囲で混合されるとよい。
炭素源粉末の平均粒径は、例えば、数μm〜数百μm程度のマイクロメートルオーダに設定される。炭素源粉末の粒径が極端に小さいと加熱時に粉末が焼結しやすくなるので、粉末中の処理対象物の多孔質構造と窒素との反応が抑制されて導電性材料の製造が阻害されたり、処理後の対象物の取り出しが困難となる。また、炭素源粉末の粒径が大きすぎると、処理対象物の表面に対する還元や酸化抑制、炭化及び窒化等の機能が低下し、処理効率が落ちる。なお、炭素粉末と鉄鋼粉末との混合粉末のように2種以上の粉末を混合する際には、粒径を揃えるとよい。
さらに、本実施形態では、炭素源粉末には、酸化アルミニウム(アルミナ)の粉末が混合される。酸化アルミニウムの粉末は、炭素源粉末の焼結防止剤として機能する。炭素粉末と鉄鋼粉末とのみを混合した炭素源粉末を使って処理した場合、粉末が軽く焼結されることがあり、処理後の対象物の取り出し時に表面を傷つける場合がある。炭素源粉末に酸化アルミニウム粉末を加えることにより、処理後の取り出しが容易になり、導電性材料としての品質を保持できる。同時に、炭素源粉末に混合した酸化アルミニウムは、炭素粉末と鉄鋼粉末に起因した還元作用により、アルミニウムとなり、還元され処理対象物の多孔質構造の表面に拡散される。これにより、処理対象物の表面部分に添加したい元素の酸化物を炭素源粉末に事前に混合することで、焼結防止と導電性の向上が両立できるようになる。酸化アルミニウムの粉末の量は、例えば、炭素粉末と鉄鋼粉末とをあわせた体積に対して数割程度の体積比で設定される。例えば、後述の実施例では、炭素源粉末は、炭素粉末:鉄鋼粉末:酸化アルミニウム粉末を4:6:3の体積比割合で混合した組成となっている。これにより、最終的に得られる導電性材料の多孔質構造には、金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物の生成に加えて、アルミニウムの拡散を生じさせることができ、導電性材料の電極としての性能の向上等が期待できる。なお、炭素源粉末には、酸化アルミニウム粉末の他に、例えば、酸化チタン粉末や酸化イリジウム粉末等のように、還元後に処理対象物に拡散させたい金属の酸化物粉末を、焼結防止も兼ねて混合してもよい。また、炭素源粉末に混合する金属酸化物粉末は、例えば、処理対象物の多孔質構造の金属酸化物とは異なる金属酸化物の粉末であってもよいし、同じ金属酸化物の粉末でもよく、1種の金属酸化物粉末のみでもよいし複数種類の金属酸化物粉末を混合してもよい。
図1に示すように、炭素源粉末12は、例えば、処理対象物10全体を完全に覆って埋没させるような量で設定される。炭素源粉末12は、例えば、処理対象物10を完全に収容できるように大きな容積の耐熱容器14内に充填されている。図1では、容器14は、例えば、蓋15で閉蓋されているが、閉蓋した状態でも容器14内に窒素ガスが入るようになっている。この蓋15は、容器14を配置する閉鎖空間S内を真空ポンプで真空引きする際に、炭素源粉末12が飛散したり、真空ポンプ内に吸引されるのを防止するためのものである。蓋15は、例えば、耐熱性のある磁器からなるが、加熱時には焼失して容器を開口する紙等で形成してもよい。なお、蓋15は必ずしも必要とはしない。炭素源粉末12は、例えば、処理対象物10の表面全体に直接接触するように配置されて、さらに該処理対象物の表面からある程度の厚さで覆うように設定される。なお、例えば、容器14の底面に該処理対象物10が接触するように配置し、その上から炭素源粉末を充填して埋没させてもよい。また、炭素源粉末12は、処理対象物10全体を埋没させる態様に限らず、例えば、処理対象物10の一部分のみを表面処理をしたい場合にはその一部分のみを埋没させるようにしてもよい。また、炭素源粉末は容器内に充填する態様に限らず、処理対象物10を埋没させるように平板等の上に山状に盛って処理することとしてもよい。
窒素ガス雰囲気は、図1に示すように、閉鎖空間S内に窒素ガスNを満たすことにより形成される。窒素ガス雰囲気は、処理対象物の多孔質構造の金属酸化物に変えて金属窒化物又は金属炭窒化物を形成させるための窒素源を供給する窒素供給源手段である。図1では、閉鎖空間Sは、例えば、加熱炉16の炉内空間すなわち加熱処理室17で構成される。処理室17は、例えば、図示しない開閉扉が設けられており、処理対象物を出し入れできる。本実施形態では、窒素ガス雰囲気は、ガスボンベ18から供給管を介して窒素ガスNを閉鎖空間Sに一端側から所定の流速で流入させつつ、該閉鎖空間Sの他端側から排気管を介して流出させながら保持されている。なお、窒素ガス雰囲気は、排気管から窒素ガスを流さずに閉鎖空間Sで保持するようにしてもよい。閉鎖空間S内に窒素ガス雰囲気を形成する際には、例えば、まず閉鎖空間S内の空気を真空ポンプ20で除いた後、ガスボンベ18から窒素ガスNを閉鎖空間S内に導入することにより、窒素濃度の高い窒素ガス雰囲気を形成する。図1上では、窒素供給管、排気管、及び真空ポンプ20と供給管との接続管には、それぞれバルブ22、23、24が設置されている。バルブ22、23、24を適宜開閉して、真空ポンプ20による閉鎖空間S内の真空引きと閉鎖空間Sの窒素供給及び排気を切替える。
加熱手段としては、炉内に閉鎖空間Sを有する加熱炉16が利用される。加熱炉16は、例えば、加熱処理室17の周りに発熱体19が配置され、該処理室17内を長時間安定して高温状態に保持できるようになっている。加熱温度は、例えば、500℃〜金属酸化物が溶融する温度未満の間、好ましくは800℃〜1100℃の間に設定される。加熱温度があまりに低いと、炭素源粉末による処理対象物の金属酸化物の還元及び窒化、炭化又は炭窒化反応がほとんど起こらない。一方、加熱温度が高すぎると、炭素源粉末が溶融して、処理対象物の多孔質構造が崩れて表面積が減少しまうおそれがある。また、加熱時間は任意であり、加熱時間が長いほど処理対象の金属酸化物の還元や金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物の形成が促進される。例えば、後述の実施例1及び図2に示すように、加熱温度が1000℃で加熱時間を1時間に設定すると、金属酸化物の還元及び窒素、炭素、アルミニウムの拡散を十分に行うことができ、多孔質構造の導電性材料を得ることができる。
上記のように、本発明に係る導電性材料の製造方法では、表面が金属酸化物の多孔質構造からなる処理対象物を炭素源粉末中に埋没させた状態で、窒素雰囲気中で加熱処理することにより、炭素源粉末由来の炭素を作用させて多孔質構造の金属酸化物の還元を行わせながら、該多孔質構造に窒素又は炭素と反応させて多孔質構造を保持したまま金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物の形成を促進させる。これにより、表面積が大きく電気伝導性に優れた導電性材料を得ることができる。例えば、処理対象物10が表面に陽極酸化皮膜を形成したチタンやジルコニウムの場合には、上記処理により酸化皮膜の酸化チタンや酸化ジルコニウムが炭窒化チタン、炭窒化ジルコニウム等に変換された多孔質構造の皮膜となり、表面を絶縁性の金属酸化物から、高い導電性のものに改質することができる。このように、特殊な装置を用いることなく、陽極酸化用の装置や加熱炉等の極めて簡単な設備や装置だけで、簡便な操作で、しかも低コストで電気伝導性に優れた導電性材料を製造できる。導電性材料は、例えば、電池、オゾン水生成装置、電気分解装置等の腐食性の強い溶液中の電極や半導体基板等へ利用することができると同時に、金属酸化物を炭窒化物に変換しているので、電極等として使用中に腐食劣化や、その他電極性能を低下させるような材料自体の表面の反応変化も生じにくく、長寿命化することができる。
次に、本発明の導電性材料の製造方法及び導電性材料の具体的な実施例について説明する。
<実施例1>チタンからなる縦横サイズ10mm×10mm、厚さ1mmの大きさの板状の小片を陽極として電解質溶液中に浸し電気を流して陽極酸化皮膜処理することにより、表面に皮膜の厚さが約10μm、細孔径が数μm程度の陽極酸化皮膜を形成した処理対象物10を得た。炭素源粉末12としては、グラファイト粉末と炭素鋼粉末(約0.8重量%の炭素を含む)と酸化アルミニウムの粉末とを体積比で6:4:3の割合で混合した混合粉末を用いた。図1に示すように、炭素源粉末12を容器14内に充填するとともに、炭素源粉末12中に陽極酸化皮膜を形成したチタン板材からなる処理対象物10を完全に埋没させ、加熱炉16の処理室17内に配置する。そして、容器14に蓋15を取り付け炭素源粉末が空間内に飛散しないようにした状態で、処理室17内を真空ポンプ20で減圧した後、窒素ガス(純度4N(99.99%以上))を処理室17内に流入する。処理室17内の真空引きと窒素ガスの流入を数回繰り返して閉鎖空間S内を窒素ガス雰囲気とする。処理室の一端側から窒素ガスNを流入しつつ、他端側からは窒素ガスNを流出させながら窒素ガス雰囲気を保持した状態で、加熱炉16を1000℃に加熱し、1時間処理した後、加熱炉を自然冷却し、処理後の導電性材料EX1を取り出した。得られた導電性材料EX1について、表面のSEM(走査型電子顕微鏡)観察、EPMA(X線マイクロアナライザー)分析、X線回折、表面電気抵抗率の測定、及び電極反応特性試験を行った(図2、図3、図4、図5、図6参照)。また、フッ酸を含む水溶液中に処理後に得られた導電性材料を浸して耐食性試験を行った。
<実施例2>加熱温度を800℃に設定した以外は実施例1と同じ条件で処理した。処理後に得られた導電性材料EX2について、EPMA分析、表面電気抵抗率の測定を行った(図4、図5参照)。
<実施例3>加熱温度を900℃に設定した以外は実施例1と同じ条件で処理した。処理後に得られた導電性材料EX3について、表面電気抵抗率の測定を行った(図5参照)。
<実施例4>加熱温度を1100℃に設定した以外は実施例1と同じ条件で処理した。処理後に得られた導電性材料EX4について、表面電気抵抗率の測定を行った(図5参照)。
<比較例1>購入時の未処理のチタンである比較材料TE1について、表面のX線回折、表面電気抵抗率の測定、電極反応特性試験を行った(図3、図4、図6参照)。
<比較例2>チタンを陽極として電解質溶液中に浸し電気を流して陽極酸化皮膜処理することにより、表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成したチタンである比較材料TE2について、SEM観察、表面のX線回折、表面電気抵抗率の測定を行った(図2、図3、図5)。
<比較例3>チタンを陽極酸化皮膜処理して得た処理対象物を炭素源粉末に埋め込まず窒素雰囲気中に置いて加熱処理した以外は、実施例1と同じ条件で処理し、処理後に得られた比較材料TE3について、SEM観察、表面のX線回折を行った(図2、図3参照)。
<比較例4>プラチナTE4について表面電気抵抗率の測定を行った(図5参照)。
<比較例5>陽極酸化皮膜を形成していない通常のチタンを炭素源粉末中に埋没して窒素雰囲気中で加熱処理した以外は、実施例1と同じ条件で処理した。処理後に得られた比較材料TE5について、電極反応特性試験を行った(図6参照)。
図2のSEM像に示すように、比較例2の比較材料TE2と比較して実施例1の導電性材料EX1でも多孔質構造が保持されている。さらに、導電性材料EX1では、多孔質構造の孔壁部分のコントラストが異なっており、窒化チタン、炭化チタンまたは炭窒化チタンと思われる複数の反応相が形成されていることがわかる。なお、比較例3の比較材料TE3では、多孔質構造は保持されているが、窒化チタンと思われる反応相は見られなかった。
図3に示すように、X線回折では、実施例1の導電性材料EX1については、炭窒化チタンTi(C,N)に対応した回折角度(X線の入射方向と反射方向のなす角度2θ)で強い回折強度のピークが観察され、炭窒化チタンTi(C,N)が形成されていることが確認できた。一方、比較例3の比較材料TE3では、酸化チタンTiO2に対応する回折角度(X線の入射方向と反射方向のなす角度2θ)で強い回折強度のピークが観察され、比較例2の比較材料TE2とほぼ同じ結果となった。したがって、図2、図3の結果より、導電性材料EX1では、炭素源粉末に埋没して処理することにより、処理対象物の表面の金属酸化物(酸化チタン)が、多孔質構造を保持した状態で金属炭窒化物(炭窒化チタン)に置換できることが確認できる。
EPMA分析では、酸素、窒素、炭素、アルミニウムの各元素について分析した。図4に示すように、実施例1の導電性材料EX1、実施例2の導電性材料EX2の表面に窒素や炭素が存在していることがわかる。また、導電性材料EX1、EX2には、アルミニウムも存在しており、炭素源粉末中の炭素粉末及び炭素鋼粉末によって同粉末中の酸化アルミニウムが還元されて、多孔質構造中にアルミニウムが拡散されたことも確認できる。導電性材料EX1と導電性材料EX2を比較すると、導電性材料EX1の方が酸素の分布が少なく、窒素、炭素、アルミニウムが多く存在していることがわかる。これにより、加熱処理の温度が高い方が、処理対象物の多孔質構造の金属酸化物(酸化チタン)の還元、及び金属炭窒化物(炭窒化チタン)の形成、アルミニウムの拡散、を促進することができるといえる。
図5に示すように、表面電気抵抗率の測定結果の表では、実施例1〜4の導電性材料EX1〜EX4は、比較例2の比較材料TE2と比較して表面電気抵抗率が著しく小さくなっており、チタンTE1や白金TE4とほぼ同じ程度となっている。なお、図5の表の表面電気抵抗率は、リミッタ電圧を90Vとして測定した数値である。これにより、本発明の製造方法で得られる導電性材料は高い電気伝導性を有することが確認できる。
電極反応特性試験では、比較的低電位で反応が生じるヘキサシアノ鉄(III)イオン−ヘキサシアノ鉄(II)イオン間の電子授受反応を利用した。ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムとヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを0.01mol/lの濃度になるように調整した溶液に、1mol/l(100倍の濃度)の水酸化ナトリウムを加えたものを準備する。この溶液に電極として陽極にニッケル板を、陰極にはそれぞれ実施例1の導電性材料EX1、比較例1、比較例5の比較材料TE1、TE5をセットして電圧を印加し、そのときに流れる電流値を測定した。電圧は1.6〜2.0Vまで0.1Vずつ変化させて測定した。その結果が図6のグラフである。図6に示すように、表面が多孔質構造となっている導電性材料EX1の方が、多孔質構造を有しない比較材料TE1、TE5のものよりも、同じ電圧で流れる電流が大きいことがわかる。比較材料TE5では、チタン表面に炭窒化チタン層が形成されているが、多孔質構造でないので表面積が比較的小さくなり、電極性能が劣る。これにより、本実施例では電極性能として優れた導電性材料を得ることができたことがわかる。
さらに、実施例1の導電性材料EX1を腐食性が高いフッ酸を含む水溶液中に浸けて耐食性試験を行った。導電性材料EX1はフッ酸を含む水溶液中でもほとんど劣化せず、優れた耐食性を示すことが確認できた。これにより、導電性材料は腐食性が高い電解溶液中でも長期間利用でき、電池、オゾン水生成装置、電気分解装置の電極として実用できる。
以上説明した本発明の導電性材料の製造方法は、上記した実施形態、実施例のみの構成に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本発明の導電性材料の製造方法は、例えば、電極や半導体基板等の高い導電性を要求される材料に適用できる。
10 処理対象物
12 炭素源粉末
16 加熱炉
17 処理室
18 ガスボンベ
S 閉鎖空間(窒素ガス雰囲気)

Claims (4)

  1. 表面が金属酸化物の多孔質構造からなる処理対象物を、炭素粉末と、鉄、ニッケル、コバルト、鉄合金、ニッケル合金、コバルト合金の少なくとも1種の粉末と、を含む平均粒径が数μm〜数百μm程度のマイクロメートルオーダの炭素源粉末中に埋没させた状態で、窒素ガス雰囲気中で800℃から1100℃の間の温度で加熱処理し、該多孔質構造の金属酸化物を、金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物で置換し、処理対象物の多孔質構造を保持した導電性材料を得ることを特徴とする導電性材料の製造方法。
  2. 処理対象物を埋没させる炭素源粉末に、酸化アルミニウム粉末や酸化チタン粉末等の金属酸化物粉末を混合し、前記加熱処理することにより、多孔質構造の金属酸化物の表面にアルミニウムやチタン等の酸化物粉末を構成する金属を拡散させることを特徴とする請求項記載の導電性材料の製造方法。
  3. 金属母材を陽極酸化皮膜処理することにより、表面が金属酸化物の多孔質構造からなる処理対象物を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の導電性材料の製造方法。
  4. 処理対象物の金属酸化物は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムのいずれか1種であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の導電性材料の製造方法。
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