JP6082577B2 - タングステン配線層の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タングステン配線層の形成方法に関し、特に、タングステン配線層の低抵抗化を図ることができるものに関する。
従来、半導体装置の配線層として、タングステン(W)を利用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1記載のものでは、先ず、シリコン基板上にSiO膜からなる絶縁層を形成し、この絶縁層にシリコン基板に達するコンタクトホ−ルを形成し、四塩化チタンと水素ガスを用いるCVD法によりコンタクトホ−ル内にチタン膜を形成する。そして、チタン膜表面に、四塩化チタンとアンモニアとを導入して、CVD法により窒化チタン膜を形成する。最後に、窒化チタン膜をアンモニアでアニ−ル処理した後、窒化チタン膜上にタングステン膜を形成する。
ところで、上記従来例の如く絶縁層とタングステン膜との間に下地層として窒化チタン膜を形成する場合、絶縁層表面に下地層を形成することなく直接タングステン膜を形成する場合と比較して、タングステン膜自体の抵抗値が倍以上に上昇することが知られている。このタングステン膜を半導体装置の配線層に適用すると、配線抵抗の上昇を招く。
他方で、下地層を、TiN膜と、Ti、Ta、Zr、Hf及びWからなる群から選択される少なくとも一つの金属のシリサイド膜から形成されるバッファ膜との二層構造とすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このように下地層を二層構造とすると、生産工程が増えて生産性が悪くなり、コスト高を招く。
また、下地層を、Ta膜またはTaN膜の一層構造とすることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。これによれば、上記特許文献2記載のものよりも生産工程を減らすことができて生産性が向上する。然し、下地層とタングステン膜とは同一の処理室で形成することができないため、使用する成膜装置は下地層形成用の処理室とタングステン膜形成用の処理室とを別個に備える必要があり、設備コストを低減することができない。
特開2001−210606号公報 特開2006−310842号公報 特開2012−114233号公報
本発明は、以上の点に鑑み、低抵抗のタングステン膜を形成できる低コストのタングステン配線層の形成方法を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、処理室に成膜対象物とタングステン製のターゲットとを配置し、この処理室にスパッタガスを導入し、前記ターゲットに電力投入してプラズマ雰囲気を形成し、前記ターゲットをスパッタリングすることで前記成膜対象物の表面にタングステン膜を形成する本発明のタングステン膜の形成方法は、前記ターゲットに電力投入している間、前記成膜対象物に高周波電力を投入するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、ターゲットに電力投入している間、成膜対象物に高周波電力を投入するようにしたため、成膜対象物に高周波電力を投入しない場合と比較して、低抵抗のタングステン膜を形成できる。これは、得られるタングステン膜の結晶粒が大きくなるためであると考えられる。本発明者らの実験では、タングステン膜の比抵抗値を9以下になることが確認された。尚、本発明では、従来例の如くTiN膜やTa膜といった下地層を形成する必要がないため、使用する成膜装置は下地層形成用の処理室を備える必要がないため、設備コストを大幅に低減できる。
また、上記課題を解決するため、本発明のタングステン配線層の形成方法は、成膜対象物の表面に、タングステンを含有する核形成層をスパッタリングにより形成する第1工程と、第1工程にて核形成層を形成した成膜対象物の表面に、上記タングステン膜の形成方法を用いてタングステン膜を形成する第2工程とを含むことを特徴とする。本発明において、核形成層とは、成膜対象物の表面にタングステンの原子やその化合物の分子が不連続に形成されたものをいう。尚、本発明において、核形成層がタングステン、窒化タングステン及び酸化タングステンの中から選択される少なくとも1種で構成されていれば、タングステン膜の結晶粒をより大きくでき、タングステン膜をより一層低抵抗化できる。
本発明において、第1工程と第2工程とを同一の処理室にて連続して行う場合には、第1工程でターゲットに投入される電力を第2工程でターゲットに投入される電力よりも小さくすると共に、第1工程で投入される高周波電力を第2工程で投入される高周波電力よりも大きくすることが好ましい。これによれば、タングステン製のターゲットを用いたスパッタや反応性スパッタにより核形成層を形成する場合に、容易に核形成層を形成できて有利である。
また、上記課題を解決するため、上記タングステン膜の形成方法または上記タングステン配線層の形成方法を実施する本発明のスパッタリング装置は、処理室と、この処理室に対向配置されたステージ及びタングステン製のターゲットと、処理室にスパッタガスを導入するガス導入手段と、ターゲットに電力投入する電源とを備え、前記ステージに高周波電力を投入する高周波電源を更に備えることを特徴とする。
(a)及び(b)は、本発明の第1実施形態のタングステン配線層の形成工程を概略的に説明する図。 本発明のタングステン配線層の形成方法を実施し得るスパッタリング装置の構成を概略的に示す図。 (a)及び(b)は、本発明の第2実施形態のタングステン配線層の形成工程を概略的に説明する図。 実験結果を示すグラフ。 実験結果を示すグラフ。 (a)及び(b)は、実験結果を示すSEM像。 実験結果を示すグラフ。
以下、図面を参照して、コンタクトホールを形成したSiO膜たる絶縁層の表面に、本発明のタングステン膜の形成方法を用いてタングステン(W)膜からなる配線層を形成する場合を例に、本発明の第1実施形態のタングステン配線層の形成方法を説明する。
本実施形態では、図1(a)に示すように、基板(例えばシリコンウエハ)上に、公知の方法で、SiO膜たる絶縁層Iを所定膜厚で形成し、微細形状たるコンタクトホールHをパターニング形成する。以下、これを成膜対象物たる処理基板Wという。そして、図1(b)に示すように、コンタクトホールHを含むSiO膜I表面に、タングステン膜F1からなる配線層を形成する。本実施形態において、配線層たるタングステン膜F1は、図2に示すスパッタリング装置SWを用いて形成される。以下、スパッタリング装置SWの構成を説明する。
図2に示すように、スパッタリング装置SMは、マグネトロン方式のものであり、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプなどの真空排気手段を介して所定の真空度に保持できる真空チャンバ1を有し、この真空チャンバ1は処理室(成膜室)10を画成する。真空チャンバ1の天井部にはカソードユニットCが取付けられている。以下においては、図1中、真空チャンバ1の天井部側を向く方向を「上」とし、その底部側を向く方向を「下」として説明する。
カソードユニットCは、ターゲット2と、このターゲット2の上方に配置された磁石ユニット3とから構成されている。ターゲット2は、タングステン製であり、処理基板Wの輪郭より大きな表面積でかつ公知の方法で平面視円形や矩形に形成されたものである。また、ターゲット2は、図示省略のバッキングプレートに装着した状態で、そのスパッタ面21を下方にして絶縁体I1を介して真空チャンバ1に取り付けられる。更に、ターゲット2はDC電源E1に接続され、スパッタ中、ターゲット2に負の直流電位が印加されるようになっている。
磁石ユニット3は、ターゲット2のスパッタ面21の下方空間に磁場を発生させ、スパッタ時にスパッタ面21の下方で電離した電子等を捕捉してターゲット2から飛散したスパッタ粒子を効率よく処理基板Wに付着させる公知の構造を有するものであり、ここでは詳細な説明を省略する。
真空チャンバ1の底部には、ターゲット2に対向させてステージ4が絶縁体I2を介して配置され、処理基板Wがその成膜面を上側にして位置決め保持されるようになっている。この場合、ターゲット2と処理基板Wとの間の間隔は、処理基板Wの直径よりも小さくなるように設定されている。ステージ4には高周波電源E2が接続され、DC電源E1からターゲット2に電力投入されている間、ステージ4を介して処理基板Wに高周波電力を投入できるようになっている。また、ステージ4にはヒータ41が内蔵されており、成膜中、処理基板Wを所定温度に加熱できるようになっている。
真空チャンバ1の側壁には、アルゴン等の希ガスたるスパッタガスを導入するガス管5が接続されている。このガス管5には、マスフローコントローラ6が介設され、図示省略のガス源に連通している。これにより、流量制御されたスパッタガスを処理室10に導入できる。尚、スパッタガスには、酸素ガスや窒素ガス等の反応ガスも含まれるものとする。また、ガス管5とマスフローコントローラ6とが、本発明のガス導入手段を構成するものとする。
真空チャンバ1の底部には、ターボ分子ポンプやロータリーポンプなどからなる図示省略の真空排気装置に通じる排気管7が接続されている。上記スパッタリング装置SMは、特に図示しないが、マイクロコンピュータやシーケンサ等を備えた公知の制御手段を有し、制御手段により上記電源E1,E2の稼働、マスフローコントローラ6の稼働や真空排気装置の稼働等を統括管理するようになっている。以下、上記スパッタリング装置SMを用いたタングステン配線層の形成方法について説明する。
先ず、タングステン製のターゲット2が装着された真空チャンバ1内(処理室10)は、予め真空排気手段を作動させて所定の真空度(例えば、10−5Pa)まで真空引きしておく。その後、図示省略の搬送ロボットにより処理室10のステージ4に処理基板Wを載置し、処理基板Wを所定温度(例えば、150℃)に加熱し、マスフローコントローラ6を制御してアルゴンガスを所定の流量で導入し、DC電源E1よりターゲット2に所定の負の電位を印加(電力投入)して処理室10にプラズマ雰囲気を形成する。本実施形態では、ターゲット2に電力投入している間、高周波電源E2よりステージ4を介して処理基板Wに高周波電力を投入する。これにより、スパッタリングにてコンタクトホールHを含む絶縁層Iの表面全体に亘って低抵抗のタングステン膜F1からなる配線層Tが形成される(図1(b)参照)。このとき、ターゲット2に投入される電力は、0.5kW〜10kWの範囲に、ステージ4に投入される高周波電力は、13.56MHz、100〜500Wの範囲に、アルゴンガスの分圧は、0.1〜2.0Paの範囲に設定することが好ましい。
以上説明したように、ターゲット2に電力投入している間、処理基板Wに高周波電力を投入するようにしたため、絶縁層Iの表面全体に亘って低抵抗のタングステン膜F1を形成でき、タングステン配線層の低抵抗化を図ることができる。これは、処理基板Wに高周波電力を投入しない場合と比較して、タングステン膜F1の結晶粒が大きくなることによるものと考える。本実施形態では、従来例の如くTiN膜やTa膜といった下地層を形成する必要がないため、スパッタリング装置SMは下地層形成用の処理室を備える必要がなく、設備コストを大幅に低減できる。
次に、コンタクトホールを形成したSiO膜たる絶縁層表面に、スパッタリングにより、タングステンを含有する核形成層を形成し、この核形成層の表面に、本発明のタングステン膜の形成方法を用いてタングステン膜を形成して配線層を得る場合を例に、本発明の第2実施形態のタングステン配線層の形成方法を説明する。
本実施形態では、上記第1実施形態と同様の処理基板W(図3(a)参照)を用い、図3(b)に示すように、コンタクトホールHを含むSiO膜I表面に、タングステンを含有する核形成層Nを形成する。ここで、核形成層Nとは、SiO膜I表面にタングステンの原子やその化合物の分子が不連続に形成されたものをいう。タングステンの化合物は、窒化タングステンや酸化タングステンであることが好ましく、それらが混在してもよい。そして、この核形成層Nが形成されたSiO膜I表面にタングステン膜F2を形成して配線層Tを得る。本実施形態において、核形成層N及びタングステン膜F2は、図2に示すスパッタリング装置SWを用いて形成される。以下、上記スパッタリング装置SMを用いたタングステン配線層Tの形成方法について、核形成層Nとして窒化タングステンを形成する場合を例に説明する。
先ず、タングステン製のターゲット2が装着された真空チャンバ1内(処理室10)は、予め真空排気手段を作動させて所定の真空度(例えば、10−5Pa)まで真空引きしておく。その後、図示省略の搬送ロボットにより処理室10のステージ4に処理基板Wを載置し、処理基板Wを所定温度(例えば、150℃)に加熱し、マスフローコントローラ6を制御してアルゴンガス及び窒素ガスを所定の流量で導入し、DC電源E1よりターゲット2に所定の負の電位を印加(電力投入)して処理室10にプラズマ雰囲気を形成する。本実施形態においても、ターゲット2に電力投入している間、高周波電源E2よりステージ4を介して処理基板Wに高周波電力を投入する。これにより、コンタクトホールHを含む絶縁層Iの表面に、窒化タングステンからなる核形成層Nが形成される(図3(b)参照)。このとき、ターゲット2に投入される電力は、0.2kW〜5.0kWの範囲に、ステージ4に投入される高周波電力は、13.56MHz、200〜1000Wの範囲に、アルゴンガスの流量は、20〜100sccmの範囲に、窒素ガスの流量は0〜20sccmの範囲に、処理室10の圧力は、0.1〜2.0Paの範囲に設定することが好ましい。また、核形成層Nの厚さdは、0.3nm〜5.0nmの範囲であることが好ましい。この範囲を外れると、タングステン膜の結晶粒を大きくすることができない。尚、核形成層Nの厚さdは、断面視での最大の厚さをいうものとする。
次に、窒素ガスの導入を停止し、ターゲット2に投入する電力を大きくすると共に処理基板Wに投入する高周波電力を小さくする。これにより、プラズマ雰囲気が維持され、上記核形成層Nが形成された絶縁層I表面に、低抵抗のタングステン膜F2が形成され、タングステン配線層Tが得られる(図3(b)参照)。このとき、ターゲット2に投入される電力は、0.5kW〜10kWの範囲に、ステージ4に投入される高周波電力は、13.56MHz、100〜500Wの範囲に、アルゴンガスの流量は、20〜200sccmの範囲に、処理室10の圧力は、0.1〜2.0Paの範囲に設定することが好ましい。
以上説明したように、タングステン膜F2の形成に先立って核形成層Nを形成するようにしたため、核形成層Nを形成しない場合(上記第1実施形態)と比較して、タングステン膜F2をより一層低抵抗化でき、タングステン配線層Tの更なる低抵抗化を達成できる。これは、核形成層Nを形成しない場合と比較して、タングステン膜F2の結晶粒がより大きくなることによるものと考えられる。本実施形態では、従来例の如くTiN膜やTa膜といった下地層を形成する必要がなく、核形成層Nとタングステン膜F2とを同じ処理室10にて連続して形成できるため、設備コストを大幅に低減できる。
次に、本発明の上記効果を確認するために、上記構成のスパッタリング装置SMを用いて以下の実験を行った。実験1では、処理基板W1として、φ300mmのシリコンウエハSの表面全体に亘ってSiO膜Iを形成したものを用いた。この処理基板W1をステージ4上に載置し、処理基板W1の温度を150℃に加熱した。尚、タングステン製のターゲット2と処理基板Wとの間の距離を60mmに設定した。処理室10にスパッタガスとしてアルゴンガスを150sccmの流量で導入し、ターゲット2への投入電力を2.5kWに設定した。ターゲット2に電力投入される間、ステージ4を介して処理基板W1に13.56MHzの高周波電力を投入した。投入する高周波電力を0〜550Wで変化させて、SiO膜I上にタングステン膜F1を60nmの膜厚で形成し、タングステン膜F1の比抵抗値(シート抵抗値)を夫々測定した。比抵抗値は処理基板W1のセンター及びエッジの2箇所で測定し、その測定結果を図4にて実線で示す。本実験によれば、高周波電力が0Wの場合には、センターの比抵抗値は15.76μΩ・cm、エッジの比抵抗値は10.45μΩ・cmと夫々高い一方で、処理基板W1に高周波電力を投入すると、比抵抗値が低くなることが確認された。特に、高周波電力が350Wの場合に、センターの比抵抗値が9.79μΩ・cm、エッジの比抵抗値が9.68μΩ・cmと最も低くなった。
実験2では、SiO膜I表面に、タングステンからなる核形成層Nを1.0nmの厚さでスパッタリングにより形成した。核形成層Nの形成に際しては、基板温度を150℃とし、アルゴンガスの流量を50sccmとし、ターゲット2への投入電力を0.2kWとし、処理基板W1への投入電力を13.56MHz、400Wとした。その後、上記実験1と同様に、処理基板W1に投入する高周波電力を0〜550Wで変化させてタングステン膜F2を59nmの厚さで形成し(すなわち、配線層T全体の厚さを60nmとした)、タングステン膜F2の比抵抗値を夫々測定した。その測定結果を図4にて破線で示す。本実験によれば、核形成層Nを形成することにより、上記実験1よりも低抵抗のタングステン膜F2が得られることが確認された。高周波電力が350Wの場合、センターの比抵抗値が9.14μΩ・cm、エッジの比抵抗値が8.88μΩ・cmであった。
実験3では、核形成層Nの厚さを0〜5nmで変化させ、配線層Tのトータルの厚さが60nmとなるようにタングステン膜F2を形成した。つまり、核形成層Nの厚さが1nmの場合、タングステン膜F2の厚さを59nmとした。得られたタングステン膜F2の比抵抗値を測定し、その測定結果を図5に示す。尚、核形成層Nの形成条件は上記実験2と同じとし、タングステン膜F2の形成条件は上記実験1と同じとした。本実験によれば、低抵抗のタングステン膜F2を得るには、核形成層Nの厚さを0.3以上5.0nm未満の範囲に設定することが好ましく、0.5〜1nmの範囲に設定することがより好ましく、2nm以上では比抵抗値(センター)が上昇することが確認された。
他方で、実験4では、タングステン膜F2の形成に先立ち、SiO膜I上に窒化タングステンからなる核形成層Nを5nmの厚さで反応性スパッタにより形成した。核形成層Nの形成に際しては、基板温度を200℃とし、ターゲット2への投入電力を2kWとし、処理基板W1への投入電力を13.56MHz、1000Wとし、スパッタガスとしてアルゴンガス及び窒素ガスを用い、アルゴンガスの流量を97sccm、窒素ガスの流量を3sccmとした。また、タングステン膜F2の形成に際しては、ターゲット2への投入電力を4kWとし、処理基板W1への投入電力を13.56MHz、300Wとし、スパッタガスたるアルゴンガスの流量を150sccmとした。形成されたタングステン膜F2の比抵抗値を測定したところ、8.74μΩ・cmと低抵抗であった(発明品)。これに対する比較のため、核形成層を形成することなく、上記条件でSiO膜上にタングステン膜を直接形成し、このタングステン膜の比抵抗値を測定したところ、9.58μΩ・cmであった(比較品)。これらの発明品及び比較品のSEM像を図6に示す。図6(a)に示す発明品は、図6(b)に示す比較品よりもタングステン膜の結晶粒が大きいことが確認された。これより、核形成層Nを形成することで、タングステン膜の結晶粒がより大きくなり、より一層低抵抗のタングステン膜が得られることが判った。
実験5では、上記実験4における窒素ガス流量を3〜20sccmで変化させて(このとき、スパッタガスの総流量は100sccm)核形成層Nを形成し、その後、タングステン膜を形成した。得られたタングステン膜の比抵抗値を夫々測定し、その測定結果を図7に示す。本実験によれば、窒素ガスの流量が3〜10sccmの範囲のときに(このとき、総流量基準での窒素ガスの流量比は3〜10%の範囲)、核形成層を形成しない場合の比抵抗値(9.58μΩ・cm)よりも低抵抗のタングステン膜が得られることが判った。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。上記実施形態においては、酸化タングステンからなる核形成層を形成する場合の実験結果を示して説明していないが、この場合も窒化タングステンからなる核形成層を形成した場合と同様に、タングステン膜の比抵抗値を、核形成層を形成しない場合より低くできることが確認された。この場合、スパッタガスとしてアルゴンガスと酸素含有ガス(酸素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等)との混合ガスを用いればよい。
E1…DC電源、E2…高周波電源、F1,F2…タングステン膜、N…核形成層、SM…スパッタリング装置、T…タングステン配線層、W…処理基板(成膜対象物)、2…ターゲット、4…ステージ、5…ガス管(ガス導入手段)、6…マスフローコントローラ(ガス導入手段)、10…処理室。

Claims (5)

  1. 処理室に成膜対象物とタングステン製のターゲットとを配置し、この処理室にスパッタガスを導入し、前記ターゲットに電力投入してプラズマ雰囲気を形成し、前記ターゲットをスパッタリングすることで、前記成膜対象物の表面に、タングステンの原子またはタングステンの化合物の分子が不連続に形成されてなる核形成層を0.3nm〜5nmの厚さで形成する第1工程と、
    処理室に前記第1工程にて核形成層を形成した成膜対象物とタングステン製のターゲットとを配置し、この処理室にスパッタガスを導入し、前記ターゲットに電力投入してプラズマ雰囲気を形成し、前記ターゲットをスパッタリングすることで、前記核形成層を形成した成膜対象物の表面に、タングステン膜を形成する第2工程とを含み、当該第2工程にてタングステン膜を形成する間、前記成膜対象物に高周波電力を投入することを特徴とするタングステン配線層の形成方法。
  2. 前記核形成層は、タングステン、窒化タングステン及び酸化タングステンの中から選択される少なくとも1種で構成されることを特徴とする請求項記載のタングステン配線層の形成方法。
  3. 前記核形成層は、0.5nm以上2nm未満の厚さを有するタングステンで構成されることを特徴とする請求項1または2記載のタングステン配線層の形成方法。
  4. 請求項1または2記載のタングステン配線層の形成方法であって、前記核形成層が、反応性スパッタリングにより形成する窒化タングステンで構成されるものにおいて、
    前記第1工程にて処理室に導入される窒化ガスの流量比を総流量基準で3〜10%の範囲に設定することを特徴とするタングステン配線層の形成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のタングステン配線層の形成方法であって、第1工程と第2工程とを同一の処理室にて連続して行うものにおいて、
    第1工程でターゲットに投入される電力を第2工程でターゲットに投入される電力よりも小さくすると共に、第1工程で投入される高周波電力を第2工程で投入される高周波電力よりも大きくしたことを特徴とするタングステン配線層の形成方法
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