JP6081422B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、主には失禁パッド、使い捨ておむつ等に使用される吸収性物品に係り、肌側の面に長手方向に沿って少なくとも1条の尿流入用の凹溝が形成された吸収性物品に関する。
従来より、前記吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性裏面シートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性表面シートとの間に吸収体を介在したものが知られている。
この種の吸収性物品にも幾多の改良が重ねられ、特に失禁パッドなどのように一度にドッと出る尿を小さな面積で受け止め、素早く拡散させるための、一時貯留及び尿拡散手段の一つとして、表面側に長手方向に沿って凹溝を形成したものが種々提案されている。
例えば下記特許文献1では、肌当接面を構成する表面シート、非肌当接面を構成する裏面シート、および両シート間に介在される吸収層を備えている吸収性物品であって、吸収層は、面積が異なる上部吸収層と下部吸収層とが積層され、該吸収層には、段差が形成されており、表面シート及び吸収層に一体的に、吸収性物品の長手方向に延びる凹部が形成された吸収性物品が開示されている。
特開2008−173247号公報
前記特許文献1記載の吸収性物品に形成された前記凹部は、比較的に細幅で長手方向に沿って形成された凹部であるため、尿が少量の場合は、尿の拡散・吸収に対して大きな効果を発揮するものの、一度に大量の尿が排出された場合は、凹部に流入する尿量が少なく表面を伝わって横漏れする心配があった。また、前記凹部は細い幅で形成されているため、装着中に吸収性物品が少しでも横ズレしていると、身体の排出部から位置ズレしてしまい凹部に直接、尿が排出されず凹部の外に尿が排出される。その結果、尿が中心側方向と外側方向とに拡散し、外側方向に流れた尿が横漏れを起こしてしまうことがあった。
そこで、本発明の主たる課題は、液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、肌側の面に長手方向に沿って少なくとも1条の尿流入用の凹溝が形成された吸収性物品において、装着中に吸収性物品が横ズレしても、排出された尿を凹溝側に伝い流れるように流動方向を制御するとともに、凹溝の貯留容積の拡大を図ることにより、横漏れさせずに吸収体に素早く尿を吸収させるようにした吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、肌側の面に長手方向に沿って少なくとも1条の尿流入用の凹溝が形成された吸収性物品において、
前記凹溝の横断面形状は、下記(1)〜(3)の条件式を満たし、
(1)前記凹溝の底面部の深さをhとしたとき、凹溝の底部縁Gから凹溝の窪みが始まる上部縁Kまでの距離Sとの関係が1.5h<Sであること。
(2)前記凹溝の底面幅をbとしたとき、この凹溝の底面幅bが5〜30mmであり、凹溝を跨いで両側の上部縁K、K間の距離で表される集液エリアの幅Bとの関係がB≧3bであること。
(3)前記凹溝の底面幅bと底面部深さhとの積で表される凹溝を矩形溝とした場合の面積をaとしたとき、凹溝の断面積Aとの関係がA≧2aであること。
かつ、前記凹溝は底部の吸収体密度ρ1が圧搾を受けていない周辺の一般部吸収体の密度ρ2の1.5倍以上であることを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明は、凹溝の横断面形状に特徴を有するものとなっている。具体的には、前記(1)〜(3)の条件式を満たす凹溝断面となっている。
先ず第1条件式(1)は、凹溝の横断面方向の影響領域、すなわち排出された尿が凹溝の底部側に流れるようにした集液エリアの幅Bを凹溝の深さhとの関係で規定したものである。具体的には、前記凹溝の底面部の深さをhとしたとき、凹溝の底部縁Gから凹溝の窪みが始まる上部縁Kまでの距離Sとの関係が1.5h<Sであると、前記集液エリア幅は2S+bとなり、装着中に吸収性物品が横ズレしても、身体の尿排出部が前記集液エリア幅B内に位置している限り、排出された尿を凹溝底部側に伝い流れるように流動方向を制御することが可能となる。
次に、第2条件式(2)も同様であり、前記集液エリアの幅Bを凹溝の底面幅bとの関係で規定したものである。具体的には、前記凹溝の底面幅をbとしたとき、この凹溝の底面幅bが5〜30mmであり、凹溝を跨いで両側の上部縁K、K間の距離で表される集液エリアの幅Bとの関係がB≧3bであると、前記集液エリア幅として十分な幅が確保でき、装着中に吸収性物品が横ズレしても、排出された尿を凹溝側に伝い流れるように流動方向を制御することが可能となる。
更に、第3条件式(3)は、凹溝の貯留断面積Aを凹溝を矩形状で形成した場合の貯留断面積aとの関係で規定したものである。具体的には、前記凹溝の底面幅bと底面部深さhとの積で表される凹溝を矩形溝とした場合の面積をaとしたとき、凹溝の断面積Aとの関係がA≧2aであると、凹溝の貯留容積として十分な容積を確保することができ、一度に大量の尿が排出された場合であっても、この尿を凹溝内に一旦収容した後、その後素早く吸収体に吸収させることが可能となる。
本発明では、更に前記凹溝は底部の吸収体密度ρ1が圧搾を受けていない周辺の一般部吸収体の密度ρ2の1.5倍以上であることを条件としている。従って、吸収体底部の吸収性密度を他よりも高くしているため、尿を素早く凹溝底部側に流動させ吸収体に吸収させることが可能となる。
請求項2に係る本発明として、記凹溝底部の吸収体目付けβ1は、圧搾を受けていない周辺の一般部吸収体の目付けβ2の55%以下である請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項2記載の発明は、記凹溝底部の吸収体目付けβ1は、圧搾を受けていない周辺の一般部吸収体の目付けβ2の55%以下とするものである。前記吸収体凹部は、尿吸収時の底部の盛り上がりが極めて小さく抑えられ、尿吸収後も凹溝の状態が維持できるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記吸収性物品は、肌面側の両側部にそれぞれ立体ギャザーを備えており、立体ギャザーの起立端内々寸法をWとしたとき、前記集液エリアの幅Bは前記立体ギャザーの起立端内々寸法Wの1/3以上である請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項3記載の発明は、立体ギャザーの起立端内々寸法Wとの関係で前記集液エリアの幅Bを規定したものである。具体的には、集液エリアの幅Bは前記立体ギャザーの起立端内々寸法Wの1/3以上とする。尿が吸収可能な幅である立体ギャザーの起立端内々寸法Wに対して1/3以上の幅で集液エリアの幅Bを形成することにより、より効果的に排出された尿の多くを凹溝内に流入させ、吸収体で吸収することが可能となる。
請求項4に係る本発明として、前記凹溝の長手方向の長さが100〜180mmである請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項4記載の発明は、前記凹溝の長手方向長さを規定したものである。具体的には、前記凹溝の長手方向の長さが100〜180mmであるのが望ましい。
以上詳説のとおり本発明によれば、装着中に吸収性物品が横ズレしても、排出された尿を凹溝側に伝い流れるように流動方向を制御するとともに、凹溝の貯留容積の拡大を図ることにより、横漏れさせずに吸収体に素早く尿を吸収させるようにした吸収性物品を提供することが可能となる。
本発明に係る失禁パッド1の一部破断展開図である。 図1のII−II線矢視図である。 図1のIII−III線矢視図である。 凹溝22の横断面形状を模式的に示した横断面図である。 吸収体4の断面図である。 凹溝22の拡大平面図である。 凹溝22の(A)は変形前、(B)は変形後を示す、図6のVII−VII線矢視図である。 エンボスロールのエンボス凸部を示す断面図である。 他の形態例に係る凹溝22の拡大平面図である。 他の形態例に係る凹溝22の拡大平面図である。 第1エンボス24のみとした場合の凹溝の拡大平面図である。 凹溝の(A)は変形前、(B)は変形後を示す、図11のXII-XII線矢視図である。 (A)〜(C)は凹溝22の他の実施例を示す失禁パッド1の展開図である。 (A)〜(C)は凹溝22の他の実施例を示す失禁パッド1の展開図である。 (A)〜(F)は凹溝22の他の実施例を示す失禁パッド1の展開図である。
以下、本発明の実施の形態(失禁パッド)について、図面を参照しながら詳述する。
〔失禁パッド1の基本構成〕
本発明に係る失禁パッド1は、図1〜図3に示されるように、ポリエチレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、尿などを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2、3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、必要に応じて前記透液性表面シート3と吸収体4との間に配置される親水性のセカンドシート6と、前記吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも尿排出部位Hを含むように長手方向に所定の区間内において肌側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSを形成するサイド不織布7、7とから主に構成され、かつ前記吸収体4の周囲においては、その長手方向端縁部では前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と前記サイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合されている。前記吸収体4は、形状保持および拡散性向上のために、図示しないクレープ紙や不織布等の被包シートによって囲繞することができる。
以下、さらに前記失禁パッド1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他に防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には、防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。
前記吸収体4は、たとえばフラッフ状パルプ等の吸収性繊維と高吸水性ポリマー8とにより構成され、図示例では平面形状がパッド長手方向に長い縦長の略小判形とされている。前記高吸水性ポリマー8は例えば粒状粉とされ、吸収体4を構成するパルプ中に分散混入されている。
前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。図示しないが、吸収体4を被包シートで囲繞する場合には、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間に被包シートが介在することになり、吸収性に優れる前記被包シートによって尿を速やかに拡散させるとともに、これら尿等の逆戻りを防止するようになる。前記パルプの目付(圧搾されていない一般部(β2))は、100g/m〜600g/m、好ましくは200g/m〜500g/mとするのがよい。
前記高吸水性ポリマー8としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性ポリマーは製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力(吸収倍率)と吸水速度の調整が可能である。前記ポリマーの目付は、150g/m〜500g/m、好ましくは200g/m〜450g/mとするのがよい。
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、尿に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
前記セカンドシート6は、尿に対して親水性を有するものであればよい。具体的には、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることにより素材自体に親水性を有するものを用いるか、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維を親水化剤によって表面処理し親水性を付与した繊維を用いることができる。また、前記セカンドシート6は、コシを持たせるため、裏面側(吸収体4)に多孔のフィルム層を有していてもよく、また被包シートとの積層シートとしてもよく、更にはパルプを含む素材を用いてもよい。
本失禁パッド1の表面側両側部にはそれぞれ長手方向に沿って、かつ失禁パッド1の全長に亘ってサイド不織布7,7が設けられ、このサイド不織布7,7の外側部分が側方に延在されるとともに、前記不透液性裏面シート2が側方に延在され、これら側方に延在されたサイド不織布7部分と不透液性裏面シート2部分とをホットメルト接着剤等により接合して側部フラップが形成されている。
前記サイド不織布7としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、尿等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングしたSSMSやSMS、SMMSなどの撥水処理不織布を用いるのが望ましく、尿の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるのが望ましい。かかるサイド不織布7としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができる。
前記サイド不織布7、7は、適宜に折り畳まれて、前記吸収体4の略側縁近傍位置を起立基端として肌側に起立する左右一対の内側立体ギャザー10、10と、相対的に前記内側立体ギャザー10より外側に位置するとともに、前記吸収体4よりも側方に延出する不透液性裏面シート2及びサイド不織布7によって形成された肌側に起立する左右一対の外側立体ギャザー11、11とからなる2重ギャザー構造の立体ギャザーBSを構成している。なお、前記立体ギャザーBSは、内側立体ギャザー10または外側立体ギャザー11のいずれかのみからなる1重ギャザー構造であっても良いし、サイド不織布7を配設するだけで肌側に起立した立体ギャザー状に形成されなくてもよい。
前記内側立体ギャザー10および外側立体ギャザー11の構造についてさらに詳しく説明すると、前記サイド不織布7は、図2に示されるように、幅方向両側端をそれぞれパッド裏面側に折り返して幅方向内側及び幅方向外側にそれぞれ二重シート部分7a、7bを形成するとともに、前記幅方向内側の二重シート部分7a内部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1本または複数本の、図示例では1本の糸状弾性伸縮部材12が配設されるとともに、前記幅方向外側の二重シート部分7b内部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1本または複数本の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材13、13が配設され、前記幅方向内側の二重シート部分7aの基端部が吸収体4の側部に配設される透液性表面シート3の上面にホットメルト接着剤等により接着されるとともに、幅方向外側の二重シート部分7bの基端部が前記吸収体4よりも側方に延出する不透液性裏面シート2の側端部にホットメルト接着剤等により接着されることにより、前記幅方向内側の二重シート部分7aによって肌側に起立する内側立体ギャザー10が形成されるとともに、前記幅方向外側の二重シート部分7bによって肌側に起立する外側立体ギャザー11が形成されている。なお、前記サイド不織布7は、パッド長手方向の両端部では、図3に示されるように、前記糸状弾性伸縮部材12、13が配設されないとともに、前記幅方向内側の二重シート部分7aがホットメルト接着剤等によって吸収体4側に接合されている。
〔凹溝22〕
本形態例に係る失禁パッド1では、表面側(肌面側)に長手方向に沿って尿流入用の凹溝22が1条形成されている。前記凹溝22は、透液性表面シート3の表面に排出された尿を受け止めて、尿を一時貯留するとともに、前後方向に尿の拡散を誘導し、且つ吸収体4への尿の吸収速度を速め、横漏れを防止するためのものである。
前記凹溝22は、透液性表面シート3の表面側から透液性表面シート3から吸収体4にかけての構成部材を一体的に圧搾することにより形成したものでもよいが、予め前記吸収体4に吸収体凹部20を形成しておき、この吸収体凹部20に沿って透液性表面シート3の表面側(肌面側)から吸収体4より上層の構成部材を圧搾するエンボス部21を設けることにより形成したものの方が、脚圧による凹溝22の変形が防止できるなどの理由から望ましい。
前記吸収体4には、前記エンボス部21の形成前に予め、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状に、図示例では凹溝状に形成された吸収体凹部20が形成されている。この吸収体凹部20は、圧搾によることなく、例えば図5に示されるように、(A)積繊、又は(B)吸収体凹部20の底部の厚みで形成された下層吸収体4aと、前記吸収体凹部20に対応する部分が開口した上層吸収体4bとの積層構造などによって形成されている。
前記吸収体凹部20は、図1に示されるように、吸収体4に対して、尿排出部位Hに対応するパッド幅方向の中央部であって長手方向の中間部に、1条のみ形成するのが好ましいが、失禁パッド1の幅方向に離間して複数条で形成したり、パッド長手方向に離間する不連続線状に形成するなど、種々の形態で形成することができる(図13〜図15参照)。なお、複数の吸収体凹部20を設ける場合は、それぞれの吸収体凹部20に対して前記エンボス部21を設けるのが好ましい。
前記吸収体凹部20の平面寸法は、パッド長手方向の長さが100〜180mm、溝幅(底面の溝幅)が5〜30mmとするのがよい。前記吸収体凹部20を予め設けた上で凹溝22を形成する場合、前記エンボス部21を設ける前の前記吸収体凹部20の深さは、一般部吸収体4の厚みの45%以上、具体的には5〜8mm程度とするのがよい。
エンボス部21を設ける前の前記吸収体凹部20の底部(不透液性裏面シート2側の部分、非肌側の部分)に介在する吸収体4部分の目付けβ1(ポリマー含まず)は、70g/m〜280g/m、好ましくは90g/m〜260g/mとするのがよく、圧搾を受けていない一般部吸収体の目付けβ2(ポリマー含まず)の55%以下、好ましくは40〜55%であることが望ましい。また、この部分の吸水性ポリマー8の目付は、0g/m〜270g/m、好ましくは0g/m〜35g/mとするのがよい。
前記エンボス部21を設ける場合の平面寸法は、吸収体凹部20の寸法より大きくしてもよいし、小さくしてもよい。前記エンボス部21の底面には、周辺の凹溝22の底面より更に深く圧搾した高圧搾部23が、適宜のパターンで形成されている。前記高圧搾部23のパターンについては後述する。
<凹溝22の横断面形状>
本形態例に係る失禁パッド1では、前記凹溝22の横断面形状が、凹溝22への流入を促す範囲の拡大を図ることにより、装着中に失禁パッド1が横ズレしても、排出された尿を凹溝22側に伝い流れるように流動方向を制御するとともに、凹溝22の貯留容積の拡大を図ることにより、横漏れさせずに吸収体4に素早く尿を吸収させるようになっている。
具体的には、前記凹溝22の横断面形状は、図4に示される横断面図を参照しながら説明すると、下記(1)〜(3)の条件式を満たすようにする。
(1)前記凹溝22の底面部の深さをhとしたとき、凹溝22の底部縁Gから凹溝22の窪みが始まる上部縁Kまでの距離Sとの関係が1.5h<Sであること(第1条件式)。
(2)前記凹溝22の底面幅をbとしたとき、凹溝22を跨いで両側の上部縁K、K間の距離で表される集液エリアの幅Bとの関係がB≧3bであること(第2条件式)。
(3)前記凹溝22の底面幅bと底面部深さhとの積で表される凹溝22を矩形溝とした場合の面積をaとしたとき、凹溝22の断面積Aとの関係がA≧2aであること(第3条件式)。
前記第1条件式(1)は、凹溝22の横断面方向の影響領域、すなわち排出された尿が凹溝22の底部側に流れるようにした集液エリアの幅(B)を凹溝22の深さhとの関係で規定したものである。従来の吸収性物品の尿流入用凹部は、比較的細い幅で形成されるものが多かったが、一度に大量の尿が排出された場合、凹部に流入する尿量が少なく表面を伝わって横漏れする心配があるとともに、装着中に吸収性物品が少しでも横ズレしていると、身体の排出部位から位置ズレしてしまい凹部に直接、尿が排出されず凹部の外に尿が排出される可能性があったが、本失禁パッド1の場合は、凹溝22の上部開口の幅を幅方向にかなり拡げて形成するようにしている。具体的には、前記凹溝22の底面部の深さをhとしたとき、凹溝22の底部縁Gから凹溝22の窪みが始まる上部縁Kまでの距離Sとの関係が1.5h<S、好ましくは2h<Sであると、前記集液エリア幅Bは2S+bとなり、装着中に失禁パッド1が横ズレしていても、身体の尿排出部が前記集液エリア幅B内に位置している限り、排出された尿を凹溝22の底部側に伝い流れるように流動方向を制御することが可能となる。前記凹溝22の底面部の深さh(高圧搾部23以外の位置までの深さ)は、3〜20mm、好ましくは7〜9mmとするのが望ましい。
なお、前記凹溝22の底部縁Gから凹溝22の窪みが始まる上部縁Kまでは、外側に若干突出する弧状傾斜面(図示例)或いは直線的な傾斜面とすることができる。
前記第2条件式(2)は、前記集液エリアの幅Bを凹溝の底面幅bとの関係で規定したものである。前記第1条件式(1)だけでは深さhが小さい場合、十分な集液エリア幅Bを確保できないため、前記第1条件式(1)に加えて、第2条件式(2)によって集液エリア幅Bの寸法を規定している。具体的には、前記凹溝22の底面幅をbとしたとき、凹溝22を跨いで両側の上部縁K、K間の距離で表される集液エリアの幅Bとの関係がB≧3b、好ましくはB≧4bであると、前記集液エリア幅Bとして十分な幅が確保でき、装着中に失禁パッド1が横ズレしていても、身体の尿排出部が前記集液エリア幅B内に位置している限り、排出された尿を凹溝22の底部側に伝い流れるように流動方向を制御することが可能となる。前記凹溝22の底面幅bは、前述したように、5〜30mmとするのが望ましいが、より望ましいのは10〜20mmである。
前記第3条件式(3)は、一度に大量の尿が排出された場合でも凹溝22で収容できるように、凹溝22の貯留断面積Aを凹溝22を矩形状で形成した場合の貯留断面積aとの関係で規定したものである。具体的には、前記凹溝22の底面幅bと底面部深さhとの積で表される凹溝22を矩形溝とした場合の面積をaとしたとき、凹溝22の断面積Aとの関係がA≧2aであると、凹溝22の貯留容積として十分な容積を確保することができ、一度に大量の尿が排出された場合であっても、この尿を凹溝22内に一旦収容した後、その後素早く拡散させて吸収体4に吸収させることが可能となる。
更に、前記凹溝22では、尿を素早く凹溝22の底部側に流動させるようにするため、前記凹溝22は底部の吸収体密度(ポリマー含まず)ρ1が圧搾を受けていない周辺の一般部吸収体の密度(ポリマー含まず)ρ2の1.5倍以上、好ましくは1.7倍以上であることを条件とする。吸収体密度の相対差は、凹溝22の底部に対するエンボス部21の形成や後述する高圧搾部23の形成によって設けることができる。このような吸収体の密度差を設けることにより、尿を素早く凹溝22の底部側に流動させ吸収体4に吸収させることが可能となる。前記凹溝22の底部の吸収体密度ρ1としては、0.060〜0.150g/cm3、好ましくは、0.070〜0.140g/cm3とするのが望ましく、前記一般部吸収体密度ρ2としては、0.020〜0.070g/cm3、好ましくは、0.030〜0.060g/cm3とするのが望ましい。
さらには、立体ギャザーBSの起立端内々寸法をWとしたとき、前記集液エリアの幅Bは前記立体ギャザーBSの起立端内々寸法Wの1/3以上、好ましくは1/2以上であることが望ましい。尿が吸収可能な幅である立体ギャザーBSの起立端内々寸法Wに対して1/3以上の幅で集液エリアの幅Bを形成することにより、より効果的に排出された尿の多くを凹溝22内に流入させ、吸収体4で吸収することが可能となる。
<凹溝22の高圧搾部23>
以下、前記高圧搾部23について説明する。前記高圧搾部23は、周辺の凹溝22の底面より更に深く圧搾された部分であり、凹溝22の底面に所定のパターンで形成されている。具体的に、前記高圧搾部23は、図6に示されるように、平面視で、凹溝22を長手方向に区画した単位区間26において、溝幅方向に延び溝長手方向に傾斜するとともに、前記凹溝22の一方側の側端から他方側の側端まで横断して形成され、この単位区間26を溝長手方向に繰り返し正反転させた、全体として前記凹溝22に沿うとともに、前記凹溝22の両側縁を往復するように幅方向両側に凹凸を繰り返すパターンで形成された波状の第1エンボス24と、前記波状の第1エンボス24が幅方向外側に突出する凸部24a、24bと対向する反対側の前記凹溝22の側縁部に、前記凹溝22に沿って形成された第2エンボス25とから構成されている。
前記波状の第1エンボス24は、凹溝22の一方の側縁22aと他方の側縁22bとの間を往復するのを繰り返す波状曲線、ジグザグ線(図9参照。)などの波状に形成された連続線からなるものである。前記波状の第1エンボス24は、一方の側縁22aに向けて突出する凸部24aと、他方の側縁22bに向けて突出する凸部24bとが交互に繰り返し設けられている。また、前記波状の第1エンボス24は、1本のエンボスラインが交差したり接続したりすることなく溝長手方向の同一方向に延びるように形成されている。従って、凹溝22の底面にはエンボスラインによって囲まれた閉合した領域が設けられることがない。
前記波状の第1エンボス24は、凹溝22の全幅に亘って形成するのが好ましい。すなわち、第1エンボス24は、凸部24a、24bの頂部が凹溝22の側縁22a、22bに一致するか近接するようにする。これにより、凹溝22を全幅に亘って補強でき、凹溝22の幅方向両側からの圧力による潰れが確実に防止できるようになる。前記の近接するとは、凸部24a、24bの頂部が凹溝22の側縁22a、22bより内側に2mm以下、好ましくは1mm以下の範囲に配置されることである。
前記波状の第1エンボス24は、図6に示されるように、幅方向外側に膨出する丸みを帯びた曲線状に形成するのが望ましい。これにより、外方側からの圧力による潰れが確実に防止できるようになる。前記波状の第1エンボス24は、全体として正弦波状に形成するのが望ましいが、半円弧を交互に逆向きにして連続させたパターンなどによって形成してもよい。
前記波状の第1エンボス24の隣接する同一方向の凸部24a、24a間の距離T(波状の第1エンボス24の周期)は、16mm〜25mm、好ましくは18mm〜22mmとするのがよい。これにより、凹溝22が確実に補強できるとともに、表面材のシワやヨレ、破れが防止でき、操業性が向上する。前記波状の第1エンボス24は、凹溝22の全長に亘ってほぼ同一の距離Tで形成されている(ほぼ同一の周期で形成されている)。
一方、前記第2エンボス25は、所定の範囲において前記凹溝22の溝長手方向に沿って連続線状に形成された複数のエンボスである。前記第2エンボス25が凹溝22に沿って形成されるとは、エンボスの端部同士を結ぶ直線が概ね凹溝22の溝長手方向に沿うことであり、この直線が溝長手方向線と平行する場合の他、この溝長手方向線に対し±20°程度までの角度差を有するものも含まれる。また、長手方向に沿う線は、直線である必要はなく、曲線、折れ線、波線などで形成することも可能である。
前記第2エンボス25は、波状の第1エンボス24が幅方向外側に突出する凸部24a、24bと反対側の凹溝22の側縁部に形成されている。すなわち、凹溝22の一方の側縁22aに向けて突出する凸部24aでは、これと反対側の他方の側縁22bに沿って第2エンボス25が形成され、凹溝22の他方の側縁22bに向けて突出する凸部24bでは、これと反対側の一方の側縁22aに沿って第2エンボス25が形成されている。
前記第2エンボス25は、外方側の縁部が凹溝22の側縁22a又は22bと一致するか近接するように設けられている。前記の近接するとは、第2エンボス25の外方側の縁部が凹溝22の側縁22a、22bより内側に2mm以下、好ましくは1mm以下の範囲に配置されることである。これにより、前記波状の第1エンボス24と同様に、凹溝22を幅方向の広い範囲に亘って補強できるようになる。
前記波状の第1エンボス24が凹溝22の両側縁22a、22bを往復するように設けられるとともに、第2エンボス25が凹溝22の側縁22a、22b部に設けられることにより、第1エンボス24と第2エンボス25とは溝長手方向に対して重なるように配置されている。これにより、前記波状の第1エンボス24と第2エンボス25とが溝幅方向に対し同等の位置で幅方向外方側からの脚圧に対して抵抗力を備えるようにしている。
前記第2エンボス25は、前記波状の第1エンボス24が凹部となる所定の範囲内において、凹溝22の溝長手方向に沿う直線によって形成するのが好ましい。これによって、第2エンボス25が凹溝22の側縁に沿って設けられるため、この第2エンボス25が設けられた側の外方側からの圧力に対してより広い範囲の補強が可能となる。
前記第2エンボス25は、溝長手方向の中央部が前記波状の第1エンボス24の各凸部24a、24bの頂部と溝幅方向に一致する位置に設けられている。つまり、波状の第1エンボス24の各凸部24a、24bの頂部に、溝幅方向線を引いたとき、この溝幅方向線を境に溝長手方向の両側にそれぞれ同じ長さで形成されている。
また、本失禁パッド1では、前記波状の第1エンボス24と第2エンボス25とは接続せずそれぞれのエンボスラインが独立するように離間して形成されている。このため、前記高圧搾部23は、凹溝22に沿って連続する1本の第1エンボス24が形成されるとともに、前記波状の第1エンボス24の凹部となる部分にそれぞれ前記第2エンボス25が配置されている。つまり、前記第2エンボス25は、凹溝22に対し、所定の位置に離間して複数設けられている。
図6に示されるように、前記波状の第1エンボス24と第2エンボス25との離間幅Cは、両エンボス間の直線距離が最短となる部分で、2mm以上5mm以下であるのが好ましい(2mm≦C≦5mm)。この離間幅Cが2mmより小さいと、エンボス圧搾時の圧力が分散されにくくシワなどが発生しやすいとともに、エンボスロールのこの隙間部分に紙粉などが入り込んで目詰まりしやすくなる。一方、前記離間幅Cが5mmより大きいと、波状の第1エンボス24の凹部の強度が十分に補強できず、凹溝22が潰れやすくなる。
以上詳述したように、本失禁パッド1では、凹溝22の底面に前記波状の第1エンボス24及び第2エンボス25からなる高圧搾部23が形成されている。仮に、前記波状の第1エンボス24のみで高圧搾部を構成した場合、図11及び図12に示されるように、前記波状エンボスが形成されない凹部において幅方向外方側からの脚圧に対する抵抗力が弱くなるため、凹溝が潰れて凹溝の尿貯留容量が減少し尿が吸収体に吸収されにくくなる。これに対して、本失禁パッド1では、図7に示されるように、前記波状の第1エンボス24の凹部に対応する部分に第2エンボス25が設けられているため、幅方向両側からの脚圧に対して抵抗力が大きくなり、凹溝22が潰れにくくなる。
また、本失禁パッド1では、前記波状の第1エンボス24と第2エンボス25とは接続せずそれぞれのエンボスラインが独立するように離間して形成されている。このため、凹溝22の底面に連続する高圧搾部23で囲まれた領域が形成されることがなくなる。従って、エンボス加工時に、エンボス同士の離間部が圧搾力の逃げ道となって圧力が分散されるため、圧搾による表面材の歪みが蓄積されることがなく、表面材の破れやエンボスロールの目詰まりなどが生じなくなり、操業性が向上するようになる。
ところで、本失禁パッド1では、前記高圧搾部23の加工時に表面材の破れを防止するため、吸収体4の吸収体凹部20の底部に配置する高吸水性ポリマー8の目付を他の領域の目付より小さくするのが好ましい。この領域に前記高吸水性ポリマー8を多く配置すると、高吸水性ポリマー8によって表面材が破れやすくなるので、ポリマー量を少なくすることによってエンボス加工時の破れのリスクを軽減している。
また、前記高圧搾部23を付与する際には、エンボスロールに所定パターンのエンボス凸部を設けたものが用いられるが、図8に示されるように、エンボスロールのエンボス凸部は、先端の角部にR処理を施したものを用いるのが好ましい。これにより、R処理を施さない角部のままのものや面取りしたC処理したものに比べ、透液性表面シート3の破れが確実に防止できるようになる。
また、前記波状の第1エンボス24及び第2エンボス25の溝幅及び深さは、違えてもよいが、幅方向両側からの圧力に対して均等の抵抗力が生じるように、同一にするのが望ましい。
前記凹溝22は、種々の形態で配置することができる。前記凹溝22は、図1に示されるように、尿排出部位Hに対応するパッド幅方向の中央部であって長手方向の中間部に、1条のみ形成するのが好ましいが、図13(A)、(B)に示されるように、パッド幅方向に離間して複数条形成してもよいし、同図13(C)に示されるように、パッド長手方向に離間して不連続線状に形成してもよい。複数条形成した場合には、多くの尿が一気にドッと出たときでも尿の拡散効果をより確実に高めることができるようになる。また、不連続線状に形成した場合には、凹溝22が幅方向両側から脚圧などの外力を受けたときの潰れがより確実に防止できる。パッド幅方向に離間して複数条形成する場合、同図13(A)に示す偶数条でもよいし、同図13(B)に示す奇数条でもよい。
また、前記凹溝22の平面形状は、図1に示されるように、パッド長手方向に沿って等幅で形成してもよいし、図14に示されるように、異なる溝幅で形成してもよい。図14(A)では、凹溝22のパッド長手方向の前側端部に、溝幅を拡大した拡幅部22aを設けている。前記拡幅部22aを設けることにより、尿の一時貯留空間が拡大でき、特に切迫性失禁などのように大量の尿が一度にドッと出た場合でも確実に凹溝22で尿を受け止めることが可能となる。前記拡幅部22aは、同図14(B)に示すようにパッド後側の端部に設けてもよいし、同図14(C)に示すように前後端部にそれぞれ設けてもよい。
前記凹溝22は、図15に示されるように、1又は複数の枝分かれ部22b、22cを設けてもよい。前記枝分かれ部22b、22cを設けることにより、凹溝22に一時貯留された尿が凹溝22に沿って吸収体4の広い範囲に拡散するようになり、吸収体4のより広い範囲で尿を吸収できるようになる。図15(A)〜(C)に示される例では、前記枝分かれ部22bとして、パッド長手方向の前側、後側又は前側及び後側のそれぞれに、凹溝22の両側縁から外側に延びるとともに、パッド長手方向の端部側に傾斜する複数、図示例では左右それぞれ3本ずつ設けられている。また、図15(D)〜(F)に示される例では、前記枝分かれ部22cとして、パッド長手方向の前端、後端又は前端及び後端のそれぞれに、凹溝22が放射状に複数に、図示例では5本に枝分かれしたものが設けられている。
なお、予め吸収体4の凹溝22の形成予定部分に前記吸収体凹部20を設ける場合、上記凹溝22の形状に沿って吸収体凹部20を設けるようにする。
〔他の形態例〕
(1)前記波状の第1エンボス24は、前記凹溝22を長手方向に区画した単位区間26において、溝幅方向に延び溝長手方向に傾斜するとともに、前記凹溝22の一方側の側端から他方側の側端まで横断して形成され、この単位区間26を溝長手方向に繰り返し正反転させたパターンで形成されていれば、図9に示されるように、幅方向外側に突出する凸部24a、24bが三角形状に形成されたものや、台形状、四角形状に形成されたものでもよい。
(2)前記第2エンボス25は、凹溝22に沿って形成してあれば、図10に示されるように、平面形状が(A)半円形や(B)三角形などの図形パターンで形成してもよい。また、図10(A)に示されるように、波状の第1エンボス24を曲線で形成した場合、この曲線に合わせて前記第2エンボス25はエンボスの外形線が曲線となる半円形パターンで形成するのが好ましく、同図10(B)に示されるように、波状の第1エンボス24を直線のジグザグ線で形成した場合、このジグザグ線に合わせて前記第2エンボス25はエンボスの外形線が直線となる三角形パターンで形成するのが好ましい。
1…失禁パッド、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、7…サイド不織布、8…高吸水性ポリマー、10…内側立体ギャザー、11…外側立体ギャザー、12・13…糸状弾性伸縮部材、20…吸収体凹部、21…エンボス部、22…凹溝、23…高圧搾部、24…第1エンボス、25…第2エンボス、26…単位区間

Claims (4)

  1. 透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、肌側の面に長手方向に沿って少なくとも1条の尿流入用の凹溝が形成された吸収性物品において、
    前記凹溝の横断面形状は、下記(1)〜(3)の条件式を満たし、
    (1)前記凹溝の底面部の深さをhとしたとき、凹溝の底部縁Gから凹溝の窪みが始まる上部縁Kまでの距離Sとの関係が1.5h<Sであること。
    (2)前記凹溝の底面幅をbとしたとき、この凹溝の底面幅bが5〜30mmであり、凹溝を跨いで両側の上部縁K、K間の距離で表される集液エリアの幅Bとの関係がB≧3bであること。
    (3)前記凹溝の底面幅bと底面部深さhとの積で表される凹溝を矩形溝とした場合の面積をaとしたとき、凹溝の断面積Aとの関係がA≧2aであること。
    かつ、前記凹溝は底部の吸収体密度ρ1が圧搾を受けていない周辺の一般部吸収体の密度ρ2の1.5倍以上であることを特徴とする吸収性物品。
  2. 記凹溝底部の吸収体目付けβ1は、圧搾を受けていない周辺の一般部吸収体の目付けβ2の55%以下である請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記吸収性物品は、肌面側の両側部にそれぞれ立体ギャザーを備えており、立体ギャザーの起立端内々寸法をWとしたとき、前記集液エリアの幅Bは前記立体ギャザーの起立端内々寸法Wの1/3以上である請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品。
  4. 前記凹溝の長手方向の長さが100〜180mmである請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品。
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