JP6080545B2 - ガラス加工用保護膜 - Google Patents

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本発明は、ガラスレンズやレンズ成型用ガラス型等のガラス製品を研磨等して加工する際に用いるガラス加工用保護膜に関するものである。
従来、ガラスレンズやレンズ成型用ガラス型等のガラス製品を研磨する際には、ガラス基材の非加工面を保護するために、該非加工面の表面に保護膜が被覆されている(例えば、特許文献1参照。)。該保護膜はポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系のポリマー、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、セルロース系フィルムが用いられており、接着剤を用いてガラス基材に接着して用いられる(例えば、特許文献2参照。)。また、ポリビニルピロリドン等の水溶性保護フィルムを用いる場合もある(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、これらの保護膜は、加工中は容易に剥離せず、加工が終了した後には剥離する必要があるため、接着剤を用いて貼り付ける場合には加工終了後の剥離が困難であるという問題があった。また、ポリビニルピロリドン等の水溶性保護フィルムを用いた場合には、水で容易に剥離してしまうため、加工時の発熱を抑制するための冷却方法として水冷を用いることが困難であった。
特開昭47−14776号公報(第2〜3頁) 特開昭55−77461号公報(第2〜3頁) 特開平7−156052号公報(第2〜3頁)
解決しようとする問題点は、加工時には容易に剥離せず、加工が終了した際には容易に剥離できるガラス加工用保護膜を提供する点である。
請求項1に記載のガラス加工用保護膜についての発明は、ガラス基材を加工する際に該ガラス基材の非加工面に被覆するガラス加工用保護膜であって、該保護膜が水酸化ナトリウムで中和された合成樹脂エマルジョンを含有し、前記合成樹脂がスチレン−アクリル共重合樹脂又はアクリル樹脂であることを最も主要な特徴とする。
請求項に記載のガラス加工用保護膜についての発明は、請求項1に記載のガラス加工用保護膜を被覆したガラス基材を加工した後、温水浸漬させて前記ガラス加工用保護膜を剥離することを最も主要な特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ガラス加工用保護膜をガラス基材から温水浸漬により容易に剥離することができるという利点がある。
請求項に記載の発明によれば、ガラス基材の加工工程で水冷を用いた場合の保護膜の剥がれにくさと、加工終了後に温水浸漬させた場合の保護膜の剥がれやすさを両立させることができるという利点がある。
請求項に記載の発明によれば、ガラス加工用保護膜をガラス基材から剥離する工程が容易であるという利点がある。
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。
本発明のガラス加工用保護膜の組成は例えば、以下のようなものである。
ガラス加工用保護膜の組成例:合成樹脂エマルジョンとしてのスチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン(水酸化ナトリウム中和、不揮発分55質量%、スチレン含有量35質量%、アクリル酸の含有量1.5質量%、平均粒子径0.25μm、ガラス転移点1℃)100質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート10質量部、消泡剤0.1質量部、着色顔料1質量部、凍結防止剤としてのプロピレングリコール0.2質量部。
前記合成樹脂エマルジョンは水酸化ナトリウムで中和されていることが必要である。合成樹脂エマルジョンが水酸化ナトリウムで中和されていることにより、ガラス基材に被覆した保護膜を温水浸漬させると、該保護膜中のナトリウムが湯浴中に溶け出して塗膜欠陥を生じることによりガラス基材との密着性が低下して、容易に剥離することができる。なお、中和とは、pH調整剤によって合成樹脂エマルジョンのpHを中性領域に調整することをいう。pH調整剤には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、トリメチルアミン等が挙げられる。
前記合成樹脂エマルジョンはスチレン−アクリル共重合樹脂に限らず任意に設定することができる。例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2以上を混合して用いても良い。また、それぞれを構成するモノマーを共重合させて用いても良い。これらのうち、スチレンとアクリルとの共重合樹脂を用いることが好ましい。スチレンとアクリルとの共重合樹脂を用いることにより、レンズ加工時の発熱を抑制するために水冷を用いた場合の保護膜の剥がれにくさ(以下、「耐水密着性」という。)と、加工終了後に温水浸漬させた場合の保護膜の剥がれやすさ(以下、「温水剥離性」という。)とに優れる。
前記スチレン−アクリル共重合樹脂中のスチレン含有量は、好ましくは20〜50質量%であり、より好ましくは25〜40質量%であり、最も好ましくは30〜35質量%である。この範囲にあるとき、保護膜の耐水密着性と温水剥離性により優れる。前記スチレン−アクリル共重合樹脂中のスチレン含有量が20質量%未満の場合には、保護膜の耐水密着性が低下するおそれがある。逆に50質量%を超える場合には保護膜の温水剥離性が低下するおそれがある。
前記合成樹脂エマルジョン中のアクリル酸の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.2〜3質量%であり、最も好ましくは0.5〜1.5質量%である。この範囲にあるとき、保護膜の耐水密着性と温水剥離性により優れる。前記アクリル酸の含有量が0.1質量%未満の場合には保護膜の温水剥離性が低下するおそれがある。逆に5質量%を超える場合には、保護膜の耐水密着性が低下するおそれがある。
前記合成樹脂エマルジョンの平均粒子径は、好ましくは0.08〜0.5μmであり、より好ましくは0.12〜0.4μmであり、最も好ましくは0.2〜0.3μmである。この範囲にあるとき、保護膜の耐水密着性と温水剥離性により優れる。前記合成樹脂エマルジョンの平均粒子径が0.08μm未満の場合には保護膜の温水剥離性が低下するおそれがある。逆に0.5μmを超える場合には保護膜の耐水密着性が低下するおそれがある。
前記合成樹脂エマルジョンのガラス転移点は任意に設定することができる。前記合成樹脂エマルジョンのガラス転移点を調整することによりガラス基材を加工する際に該ガラス基材を保持する部材に対するガラス基材の滑りやすさを調整することができる。前記ガラス転移点が10℃以下の場合にはガラス基材が保持部材に対して滑りにくくなり、回転による研磨加工の際に保持部材とガラス基材とを同じ回転速度で回転させることができる。逆に10℃を超える場合にはガラス基材が保持部材に対して滑りやすくなることにより、回転による研磨加工の際に保持部材とガラス基材とを別の回転速度で回転させることができる。これらは目的とする研磨加工の種類やガラス基材の種類などによって任意に選択することができる。
前記造膜助剤は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレートに限らず、任意に設定することができる。例えば、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル等、通常のコーティング剤組成物に使用されるものを用いることができる。これらのうち、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレートとプロピレングリコールモノブチルエーテルとを併用することにより、コーティング剤組成物により形成される塗膜を水に浸漬した場合に、該塗膜が白く変色する現象(以下、「耐水白化現象」という)が生じることを抑制することができる。
前記造膜助剤は合成樹脂エマルジョンの最低造膜温度が0℃以下である場合には使用しなくても良い。また、造膜助剤の配合量を調整することにより、ガラス基材を加工する際に該ガラス基材を保持する部材に対するガラス基材の滑りやすさを調整することができる。前記造膜助剤の使用量を増やすことによりガラス基材が保持部材に対して滑りにくくなり、逆に造膜助剤の使用量を減らすことによりガラス基材が保持部材に対して滑りやすくなる。
前記ガラス加工用保護膜には消泡剤、着色顔料、凍結防止剤に限らず、通常のコーティング剤組成物に使用されているものを用いることができる。例えば、pH調整剤、エチレングリコール、プロピレングリコール等の凍結防止剤、分散剤、染料、シリカ等の艶消し材、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、フタロシアニン銅、キナクリドン等の着色顔料、炭酸カルシウム、タルク等の体質顔料、防腐剤等が挙げられる。
以上のように構成されたガラス加工用保護膜は以下のように使用される。
<第1実施形態>
はじめに、ガラス基材としての研磨加工されていない一眼レフカメラ用ガラスレンズをポリメチレン製保持部材に保持させ、回転させながら研磨剤としての水分散酸化セリウムスラリーを流して砥石によりレンズ片面の研磨を2〜5分間行う。片面の研磨加工が終了したレンズを洗浄して乾燥させた後、スプレーを用いて非研磨面にガラス加工用保護膜を乾燥膜厚50μmになるよう塗付して50℃の恒温槽で10分間乾燥させ、室温に戻す。続いて、前記保持部材の内面にガラス加工用保護膜の塗付面を合わせて保持させ、回転させながら研磨剤としての水分散酸化セリウムスラリーを流して砥石によりもう一方のレンズ片面の研磨を2〜5分間行う。この工程の中で、最初に研磨された面はガラス加工用保護膜により被覆されているため、傷付きを抑制することができる。
その後、ガラス加工用保護膜を塗付したレンズを80℃の温水に5分間浸漬しておくことにより、塗付されたガラス加工用保護膜は容易に剥離することができる。
前記ガラス基材は一眼レフカメラ用ガラスレンズに限らず、ガラス製の基材であれば任意に設定することができる。例えば、カメラ、望遠鏡、顕微鏡、双眼鏡、各種測定機器用のガラスレンズであって、一般レンズ、低屈折率レンズ、中屈折率レンズ、高屈折率レンズ、超高屈折率レンズ等が挙げられる。また、レンズ成形用のガラス型として、例えばプラスチックレンズの注型成形用のガラス型等が挙げられる。また、ガラス基材の材質も任意に設定することができる。例えばクラウンガラス、重バリウムクラウンガラス、フリントガラス、超重フリントガラス等が挙げられる。
前記保持部材はポリメチレン製に限らず、任意に設定することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の合成樹脂、ステンレス等の金属などが挙げられる。
前記研磨剤は酸化セリウムに限らずガラス基材を研磨するものであれば任意に設定することができる。例えば、ベンガラ、シリカ等が挙げられる。
前記レンズの研磨時間は2〜5分間に限らず、目的とする研磨状態に合わせて任意に設定することができる。
前記ガラス加工用保護膜の塗付方法はスプレーに限らず、通常のコーティング剤組成物を塗付する方法であれば任意に設定することができる。例えば、刷毛、ローラー等でも良い。また、ガラス加工用保護膜の水溶液にガラス基材を浸して引き上げる方法(以下、「ディッピング」という。)を用いても良い。
前記ガラス加工用保護膜の乾燥膜厚は好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜80μm、最も好ましくは30〜70μmである、この範囲にあるとき、ガラス基材の傷付抑止効果に優れるとともに、温水剥離性に優れる。前記ガラス加工用保護膜の乾燥膜厚が10μm未満の場合には、ガラス基材を回転研磨する際に剥がれてしまうおそれがある。逆に100μmを超える場合には温水剥離性が十分でない。また、20μm未満の場合には、ガラス中の可溶性成分と水が反応し、ガラス表面が侵食されて表面が白く曇って見える現象(以下、「白ヤケ」という。)、ガラスの表面が水分や酸等によって侵されて表面に干渉色の反射光が見える現象(以下、「青ヤケ」という。)、研磨工程でガラス表面に生じた微少傷が、洗浄工程で表面の侵食を受ける現象(以下、「潜傷」という。)を抑制することが十分でない。
前記ガラス加工用保護膜の塗付後の乾燥温度は好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、最も好ましくは15〜80℃である。この範囲にあるとき、ガラス加工用保護膜を効率よく乾燥させることができる。前記ガラス加工用保護膜の塗付後の乾燥温度が0℃未満である場合には、塗付したガラス加工用保護膜が凍結してしまうおそれがある。逆に100℃を超える場合にはガラス加工用保護膜中の水分が急激に沸騰することにより、乾燥後のガラス加工用保護膜に塗膜欠損が生ずるおそれがある。
前記ガラス加工用保護膜の塗付後の乾燥時間は任意に設定することができる。短時間で乾燥させたい場合はより高温で、熱源を使用したくない場合は室温でも良い。より短時間で乾燥させることにより、白ヤケや青ヤケを抑制することができる。前記ガラス加工用保護膜を加熱乾燥させた場合には、乾燥炉から取り出した直後の保護膜は軟化して削れやすくなっているので、加工環境の雰囲気温度まで冷却させてから使用することが好ましい。
前記ガラス加工用保護膜を温水に浸漬させて剥がす際の温水の温度は好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜90℃、最も好ましくは70〜85℃である。この範囲にあるとき、ガラス加工用保護膜の温水剥離性に優れる。前記温水の温度が50℃未満である場合にはガラス加工用保護膜の温水剥離性が十分でない。逆に温水の温度が100℃を超える場合にはガラス加工用保護膜を通して水蒸気がガラス基材まで浸透し、白ヤケや青ヤケを生じるおそれがある。
<第2実施形態>
前記ガラス基材としてのプレスレンズの両端を切り落とす工程(以下、「Dカット」という。)において、該Dカットの前にレンズの両面にガラス加工用保護膜を塗付し、ディッピングにより、レンズ全体に塗付する。続いて80℃の恒温槽内で10分間乾燥させ、室温に冷却してからDカットを行う。その後、前記レンズを90℃の温水に3分間浸漬させることにより、容易にガラス加工用保護膜を剥離することができる。
前記ガラス基材の加工工程は研磨や切り落としに限らず、任意に設定することができる。例えば、研磨、切り落とし、溝掘り、孔開け、ガラス基材同士又は異種材料との接着等が挙げられる。
本実施形態は以下に示す効果を発揮することができる。
・前記合成樹脂エマルジョンが水酸化ナトリウムで中和されていることにより、保護膜を被覆したガラス基材を温水浸漬させると容易に剥離することができる。
・前記合成樹脂エマルジョンがスチレンとアクリルとの共重合樹脂を用いることが好ましい。スチレンとアクリルとの共重合樹脂を用いることにより、ガラス加工用保護膜の耐水密着性と温水剥離性に優れる。
・前記スチレン−アクリル共重合樹脂中のスチレン含有量が20〜50質量%であることにより、ガラス加工用保護膜の耐水密着性と温水剥離性により優れる。
・前記合成樹脂エマルジョンの平均粒子径が0.08〜0.5μmであることにより、ガラス加工用保護膜の耐水密着性と温水剥離性により優れる。
・前記ガラス加工用保護膜の乾燥膜厚が10〜100μmであることにより、ガラス基材の傷付抑止効果に優れるとともに、温水剥離性に優れる。
・前記ガラス加工用保護膜の乾燥膜厚が20μm以上であることにより、白ヤケ、青ヤケ及び潜傷の発生を抑制する効果に優れる。
・前記ガラス加工用保護膜を温水に浸漬させて剥がす際の温水の温度が50〜100℃であることにより、白ヤケや青ヤケの発生を抑制することができる。
なお、本発明の前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記実施形態においては、ガラス加工用保護膜は透明であったが、半透明であったり、着色されていても良い。
このように構成することにより、似たような形状の異なる種類のレンズが混在していても色分けを行うことによって容易に識別することができる。
次に、前記実施形態から把握される請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に記載する。
(1)前記スチレンとアクリルの共重合樹脂中のスチレン含有量が20〜50質量%であることを特徴とする請求項2に記載のガラス加工用保護膜。
このように構成した場合、コーティング剤組成物により形成される塗膜の耐溶剤性及び耐温水密着性に優れる。
以下、前記実施形態を具体化した実施例及び比較例について説明する。
試験は、ガラス基材としての150mm×150mmのガラス板にガラス加工用保護膜を乾燥膜厚55μmになるように塗付し、60℃の恒温室内で7分間乾燥させて試験体とした。試験は耐水密着性と温水剥離性の試験を行った。
耐水密着性の試験は、試験体を23℃の水中に10分間浸漬し、塗膜の外観変化を観察することにより行った。評価は、試験前後で変化が見られないもの・・・○、白く変色するが塗膜の膨れ又は剥がれがないもの・・・△、塗膜が膨れるか剥がれるかしたもの・・・×とした。
温水剥離性の試験は、耐水密着性の試験を行った後の試験体を80℃の温水に5分間浸漬させた後に、塗膜の外観変化を観察することにより行った。評価は、5分以内に塗膜が自然に剥がれるか、手でめくると容易に剥がれるもの・・・○、手でめくると剥がれるが、塗膜がちぎれてしまうもの・・・△、手でめくることができないもの・・・×とした。
(実施例1)
実施例1のガラス加工用保護膜の組成は、合成樹脂エマルジョンとしてのスチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン(水酸化ナトリウム中和、不揮発分55質量%、ガラス転移点1℃、平均粒子径0.25μm)90質量部、消泡剤0.1質量部とした。
試験の結果、耐水密着性は○、温水剥離性は○であった。
(実施例2)
実施例2のガラス加工用保護膜の組成は、合成樹脂エマルジョンとしてのアクリル樹脂エマルジョン(水酸化ナトリウム中和、不揮発分45質量%、ガラス転移点−4℃、平均粒子径0.4μm)110質量部、消泡剤0.1質量部とした。
試験の結果、耐水密着性は○、温水剥離性は○であった。
(実施例3)
実施例3のガラス加工用保護膜の組成は、合成樹脂エマルジョンとしてのアクリル樹脂エマルジョン(水酸化ナトリウム中和、不揮発分52質量%、ガラス転移点−13℃、平均粒子径0.4μm)100質量部、消泡剤0.1質量部とした。
試験の結果、耐水密着性は○、温水剥離性は○であった。
(比較例1)
比較例1のガラス加工用保護膜の組成は、合成樹脂エマルジョンとしてのスチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン(アンモニア水中和、不揮発分50質量%、ガラス転移点2℃、平均粒子径0.12μm)100質量部、消泡剤0.1質量部とした。
試験の結果、耐水密着性は○、温水剥離性は×であった。
(比較例2)
比較例2のガラス加工用保護膜の組成は、合成樹脂エマルジョンとしてのアクリル−シリコーン共重合樹脂エマルジョン(アンモニア水中和、不揮発分45質量%、ガラス転移点−10℃、平均粒子径0.13μm)110質量部、消泡剤0.1質量部とした。
試験の結果、耐水密着性は○、温水剥離性は×であった。
(比較例3)
比較例3のガラス加工用保護膜の組成は、合成樹脂エマルジョンとしてのアクリル樹脂エマルジョン(アンモニア水中和、不揮発分48質量%、ガラス転移点30℃、平均粒子径0.13μm)100質量部、消泡剤0.1質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート12質量部とした。
試験の結果、耐水密着性は○、温水剥離性は×であった。
(比較例4)
比較例4のガラス加工用保護膜の組成は、合成樹脂エマルジョンとしてのスチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン(水酸化カリウム中和、不揮発分50質量%、ガラス転移点2℃、平均粒子径0.12μm)100質量部、消泡剤0.1質量部とした。
試験の結果、耐水密着性は○、温水剥離性は×であった。
(比較例5)
比較例5のガラス加工用保護膜の組成は、合成樹脂エマルジョンとしてのアクリル−シリコーン共重合樹脂エマルジョン(水酸化カリウム中和、不揮発分45質量%、ガラス転移点−10℃、平均粒子径0.13μm)110質量部、消泡剤0.1質量部とした。
試験の結果、耐水密着性は○、温水剥離性は×であった。
(比較例6)
比較例6のガラス加工用保護膜の組成は、合成樹脂エマルジョンとしてのアクリル樹脂エマルジョン(水酸化カリウム中和、不揮発分48質量%、ガラス転移点30℃、平均粒子径0.13μm)100質量部、消泡剤0.1質量部、造膜助剤としての2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレート12質量部とした。
試験の結果、耐水密着性は○、温水剥離性は×であった。

Claims (2)

  1. ガラス基材を加工する際に該ガラス基材の非加工面に被覆するガラス加工用保護膜であって、該保護膜が水酸化ナトリウムで中和された合成樹脂エマルジョンを含有し、前記合成樹脂がスチレン−アクリル共重合樹脂又はアクリル樹脂であることを特徴とするガラス加工用保護膜。
  2. 請求項1に記載のガラス加工用保護膜を被覆したガラス基材を加工した後、温水浸漬させて前記ガラス加工用保護膜を剥離することを特徴とするガラス加工用保護膜の剥離方法。
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