JP6079298B2 - 車両の車体構造 - Google Patents

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Description

この発明は、車両のフロアフレーム、サイドシル、ピラー、ルーフレール、フロアクロスメンバ等の第1車体部材と第2車体部材とにより形成される閉断面部に、該閉断面部を覆うように結合配置された隔壁として機能する節部材を有する車両の車体構造に関する。
一般に、フロアフレーム、サイドシル、ピラー、ルーフレール、フロアクロスメンバ等の車両用フレームは、剛性確保のため、第1車体部材と第2車体部材とを結合し、両車体部材間に閉断面部を有するように形成されている。このような閉断面部を有する車体部材において、乗り心地を向上させるために、当該車両用フレームに伝達される振動を抑制するように構成した種々の技術が知られている。
例えば、特許文献1には、断面ハット形状の第1車体部材である骨格部材とパネル形状の第2車体部材である副材とから成るフレーム部材の閉断面部の内部に、節部材として機能する隔壁部材を設けると共に、該隔壁部材に一体に折曲げ形成したフランジ部を、断面ハット形状の第1車体部材の内壁部と結合して、フレーム部材の剛性を高めたものが開示されている。
特開2006−131125号公報
特許文献1に開示された従来構造においては、上述の節部材として機能する隔壁部材により閉断面部の断面崩れを抑えて、フレーム部材の剛性を高めることにより、ある程度振動の伝達を抑制することができる。しかし、特許文献1の単に剛性を高める方法では限界があり、さらなる振動伝達抑制効果の向上には新たな方法が望まれる。
これに対しては、本願発明者らは、第1車体部材と第2車体部材とにより形成される閉断面部の内壁部と節部材との結合部に、第1車体部材と節部材とが当接した状態で剛結される剛結合部と、第2車体部材と節部材のフランジ部とが所定距離離間して形成された隙間に粘弾性部材が第2車体部材とフランジ部とに当接するように配設された柔結合部とを設ける、という新たな方法を見出した。これにより、前記閉断面部の剛性向上による振動伝達抑制の効果に加えて、柔結合部の粘弾性部材によって前記閉断面部の振動エネルギーが熱エネルギーに変換され散逸されることにより、高い振動減衰効果が得られる。その結果、当該車体構造の振動が抑制され、当該車両の乗り心地を向上させることが可能となる。
しかして、上述の車体構造は、通常以下のようにして製造される。まず、第1車体部材に節部材を溶接等により剛結する。そして、ペースト状の粘弾性部材を節部材のフランジ部に塗布し、第2車体部材で粘弾性部材を押圧しつつ、第2車体部材と節部材のフランジ部とが所定距離離間するよう重ね合わせた後、第1車体部材と第2車体部材とを結合して閉断面部を形成する。その後、図9に示すように、防錆のための電着塗装工程で、矢印Z方向に車体(ワークW)を電着槽70内を移動させつつ通常5分ほど電着液71に浸漬する。最後に、加熱乾燥炉で粘弾性部材を加熱固化することで、上述の車体構造が得られる。このとき、柔結合部の振動減衰効果を発現させるためには、粘弾性部材に所定の厚さが必要であるため、上述した第2車体部材と節部材のフランジ部との重ね合わせ工程では、振動減衰効果を発現できる程度に両者を所定距離離間させて重ね合わせる必要がある。
しかしながら、上述のように第2車体部材と節部材のフランジ部とを所定距離離間させた場合に、以下のような新たな問題が発生することが判明した。すなわち、ペースト状の粘弾性部材を、一般的に車体で使用される剛結合部形成用の構造用接着剤と同様に、節部材のフランジ部の閉断面部の周方向(図10の矢印X方向)に沿った長尺の形状で塗布すると、上述した所定距離離間した隙間があるため、粘弾性部材の塗布量や塗布経路のばらつきに伴う凹み形状が、閉断面部の形成後もそのまま残されることがある。つまり、図10で示すように、パネル部材20と節部材のフランジ部54と粘弾性部材60とに囲繞された空間(いわゆるエアポケットP)を生じることがある。このとき、図10のフレーム部材40を電着液に浸漬し、電着液が閉断面部内に流入するとともに、第1車体部材、第2車体部材の存在により矢印Y方向に流れた場合、エアポケットPではエアが抜けにくく、エアポケットP周辺のパネル部材20の電着液への浸漬が不十分となる。その結果、未浸漬により電着塗装が施されない未電着部を生じ、パネル部材20の防錆が不十分となる虞があった。なお、一般的に車体で使用される構造用接着剤の場合には、実質的にほとんど隙間がない部位に塗布されるため、上述のような問題は発生しにくい。
そこで、本発明は、柔結合部にエアポケットを生じることなく振動の伝達を効果的に抑制することができる車両の車体構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願発明は、電着塗装が施された車両の車体構造であって、第1車体部材と、前記第1車体部材に結合されて前記第1車体部材との間に閉断面部を形成する第2車体部材と、前記閉断面部を覆うように前記第1車体部材及び前記第2車体部材に結合された節部材と、を備えている。前記節部材は、前記第2車体部材に所定距離離間して対峙する所定幅のフランジ部と、前記フランジ部と一体に形成されて前記閉断面部に面する節本体と、前記節本体に形成された切欠部と、を有し、前記閉断面部の内壁部と前記節部材との結合部は、前記第1車体部材と前記節部材とが当接した状態で結合された剛結合部と、前記第2車体部材と前記フランジ部との間の隙間に粘弾性部材が前記第2車体部材と前記フランジ部とに当接するように配設された柔結合部とからなり、前記柔結合部は、2つ以上の前記粘弾性部材が前記フランジ部の離間した位置に配設されることによって構成され、前記切欠部とともに、隣接する2つの前記粘弾性部材の間を電着液が通過可能になっており、前記粘弾性部材が、温度が20℃であるとともに加振力の周波数が30Hzである条件下において、貯蔵弾性率が500MPa以下で損失係数が0.2以上の物性を有していることを特徴とする。
また、本願発明では、前記柔結合部の隣接する2つの粘弾性部材の間に位置するフランジ部に空間部が形成されていてもよい。
前記空間部は、前記柔結合部の隣接する2つの粘弾性部材の間に位置する前記フランジ部に、当該フランジ部の一部が切り出された部を設けることにより形成することができる。
また、前記空間部は、前記柔結合部の隣接する2つの粘弾性部材の間に位置する前記フランジ部に前記閉断面部の内方側に突出する段差部を設けることにより形成することもできる。
以上の構成により、本願発明によれば、次の効果が得られる。
まず、閉断面部の内壁部と節部材との結合部は、剛結合部と粘弾性部材が配設された柔結合部とからなるので、閉断面部の剛性向上による振動伝達抑制の効果に加えて、柔結合部の粘弾性部材によって、閉断面部のエネルギーが熱エネルギーに変換され散逸されることにより、高い振動減衰効果が得られる。これにより、当該車体構造の振動が抑制され、当該車両の乗り心地を向上させることが可能となる。
そして、2つ以上の粘弾性部材は、閉断面部が形成された状態においてフランジ部の閉断面部の周方向において離間した位置に配設されるので、各粘弾性部材は、フランジ部の閉断面部の周方向において短尺の形状となり、各粘弾性部材の間には、第2車体部材と節部材のフランジ部と各粘弾性部材とに囲繞されたエアポケットを生じない。これにより、後工程の電着塗装において電着液が浸漬しない未電着部を生じることが少なくなる。
また、前記柔結合部の隣接する2つの粘弾性部材の間に位置するフランジ部に空間部が形成されていれば、車体構造の製造時における、節部材のフランジ部に塗布されたペースト状の粘弾性部材を、押圧して押し広げつつ第2車体部材を重ね合わせる工程において、隣接する押し広げられた粘弾性部材同士の融着を確実に防止することが可能である。
また、前記空間部が、フランジ部における隣接する2つの粘弾性部材の間の部分が切り出されて形成された切出部を設けることにより形成されていれば、節部材のフランジ部の閉断面部の周方向の長さが短く、隣接する粘弾性部材同士の間隔が狭い場合に、隣接する粘弾性部材の周縁部同士が押圧により接近しても、前記切部に到達した部分が、閉断面部の内方側に逃げることができるため、隣接する粘弾性部材同士の融着によるエアポケットを生じない。
また、前記空間部が、柔結合部の隣接する2つの粘弾性部材の間に位置するフランジ部に閉断面部の内方側に突出する段差部を設けることにより形成されていれば、節部材のフランジ部の閉断面部の周方向の長さが短く、隣接する粘弾性部材同士の間隔が狭い場合に、隣接する粘弾性部材の周縁部同士が押圧により接近しても、前記段差部に到達した部分が、閉断面部の内方側に逃げることができるため、隣接する粘弾性部材同士の融着によるエアポケットを生じない。さらに、節部材のフランジ部が閉断面部の周方向に連続しているので、節部材のフランジ部の剛性が高くなり、振動入力時の第2車体部材と節部材のフランジ部とが接近と離反を繰り返すような変形において、節部材のフランジ部が第2車体部材の変形に追従しにくくなり、その結果、粘弾性部材の変形量を大きくすることが可能となり、振動減衰効果を高めることができる。
本発明の第1実施形態を示す分解斜視図 図1の平面図 図2におけるA−A線に沿った断面図 振動入力時の変形挙動の説明図 第2実施形態を示す斜視図 第2実施形態を示す断面図 第3実施形態を示す斜視図 第3実施形態を示す断面図 電着塗装装置の概略構成図 比較例(従来構造)を示す斜視図
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る車体構造を適用したフレーム部材40の分解斜視図、図2はその平面図、図3は図2におけるA−A線に沿った断面図である。図1〜図3において、断面ハット状部材(第1車体部材)10と、平板としてのパネル部材(第2車体部材)20とで閉断面部30を形成したフレーム部材40を設け、このフレーム部材40で車体部材、具体的には車両のフロアパネル下のフレーム部材を構成している。
上述の断面ハット状部材10は、基壁11と、この基壁11に連続する一対の側壁12,13と、これら側壁12,13の反基壁側の端部から外方に延びるフランジ部14,15とを一体形成した車体部材である。
図3に示すように、上述のフレーム部材40は断面ハット状部材10のフランジ部14,15とパネル部材20とを結合して形成されたものである。2つの部材(断面ハット状部材10とパネル部材20)により形成された閉断面部30を有するフレーム部材40の内部には、閉断面部30を覆う方向、すなわち閉断面部30の基壁11と側壁12,13とに略垂直な方向に節部材50を設けている。
図1,図3に示すように、節部材50は、平板状の節本体51と、この節本体51の左右両側部に一体に折曲げ形成された剛結合フランジ部52,53と、節本体51の下端部に一体に折曲げ形成された剛結合フランジ部54とを備えている。さらに、節部材50は、節本体51の上端部に一体に折曲げ形成され、パネル部材20(第2車体部材)に対峙する所定幅の柔結合フランジ部55を備えている。ここで、剛結合フランジ部52,53は、閉断面部30の側壁12,13と略平行な方向に延びており、剛結合フランジ部54は、閉断面部30の基壁11と略平行な方向に延びており、柔結合フランジ部55はパネル部材20に略平行な方向に延びている。また、節本体51の四隅部には節本体切欠部56がそれぞれ形成されている。
図3に示すように、節部材50下部の剛結合フランジ部54を断面ハット状部材10の基壁11の内壁部に当接させ、これら両者55,11を複数のスポット溶接部a,aにて結合している。また、図3に示すように、節部材50の一方の側部の剛結合フランジ部52を断面ハット状部材10の対応する側壁12の内壁部に当接させ、これら両者52,12を複数のスポット溶接部b,bにて結合している。
同様に、図3に示すように、第1節部材50の他方の側部の剛結合フランジ部53を断面ハット状部材10の対応する側壁13の内壁部に当接させ、これら両者53,13を複
数のスポット溶接部c,cにて結合している。
つまり、閉断面部30と節部材50との結合部は、互に当接した状態で結合された剛結合部を有し、この実施例では各スポット溶接部a,b,cが剛結合部を形成するものである。なお、各スポット溶接部a,b,cによる溶接箇所の数は図示実施例の数に限定されるものではない。また、剛結合部としては、スポット溶接部に代えて、ボルト、ナットなどによる締結部であってもよく、あるいは、接着剤による接着部であってもよい。ここで、剛結合部の接着剤としては、一般的に車体で使用される構造用接着剤である、温度が20℃、かつ加振力の周波数が30Hzである条件下において、貯蔵弾性率が2000MPa以上で、かつ、損失係数が0.05以下のものを用いる。また、剛結合部としては、剛結合フランジ部を介さずに、節本体の端部を閉断面部の内壁部に隅肉溶接等で結合してもよい。
さらに、図1〜図3に示すように、パネル部材20と柔結合フランジ部55とが所定距離離間して形成された隙間に第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62とがパネル部材20と柔結合フランジ部55とに当接するように各々配設されている。このとき、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62とは、閉断面部30が形成された状態において柔結合フランジ部55の閉断面部30の周方向(矢印X方向)において離間した位置に配設されている。
つまり、閉断面部30と節部材50との結合部は、パネル部材20と柔結合フランジ部55とが所定距離離間して形成された隙間に、2つ以上の粘弾性部材がパネル部材20と柔結合フランジ部55とに当接するように各々配設された柔結合部を有し、この実施例では第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62が柔結合部を形成するものである。なお、粘弾性部材の数は図示実施例の数に限定されず、3つ以上であってもよい。第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62の材料は特に限定されないが、例えば、シリコーン系材料またはアクリル系材料が使用される。また、粘弾性部材の物性としては、温度が20℃、かつ加振力の周波数が30Hzである条件下において、貯蔵弾性率が500MPa以下で、かつ、損失係数が0.2以上のものを用いることで、振動の伝達を効果的に抑制できる。
そして、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62は、閉断面部30が形成された状態において柔結合フランジ部55の閉断面部30の周方向(矢印X方向)において離間した位置に配設されている。そのため、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62とは、フランジ部の閉断面部の周方向において短尺の形状となり、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62の間には、パネル部材20と柔結合フランジ部55と第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62とにより、エアポケットとなりうる空間が形成されることはない。これにより、電着塗装工程において電着液の浸漬が不十分な未電着部を生じることが少なくなる。また、フレーム部材40を電着液に浸漬し、電着液が矢印Y方向に流れた場合でも、節本体切欠部56に加えて、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62との間にも電着液71が通過するため、電着液のフレーム部材40の内壁部への浸漬がより確実に達成される。
ここで、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62の上述の部位への配設は、例えばペースト状の両粘弾性部材61,62を点塗布することにより実現される。また、両粘弾性部材61,62それ自体にもエアポケットとなるような凹み形状が形成されないことが好ましいが、上述の点塗布により、凹み形状を形成することなく両粘弾性部材61,62を塗布することが可能である。
図4は、振動入力時のフレーム部材40の変形挙動の説明図である。エンジンやサスペンションの振動がフレーム部材40に入力すると、パネル部材20が図4の実線の形状と仮想線の形状を交互に繰り返すように変形する。すなわち、パネル部材20と柔結合フランジ部55とが接近と離反を繰り返すように変形する。なお、パネル部材20の実線と仮想線の変形形状は、分かり易いように誇張して図示している。
ところで、粘弾性部材は、振動エネルギーをひずみエネルギーとして吸収し、これを熱エネルギーに変換して散逸することにより、振動を減衰する。このとき、粘弾性部材が蓄えるひずみエネルギーが最も大きくなる、すなわち変形量が最も大きい部位に粘弾性部材を配設することが効率の点で望ましい。図4に示すように、柔結合フランジ部55の閉断面部30の周方向(矢印X方向)の両端近傍において、パネル部材20と柔結合フランジ部55とが接近と離反することによる変形量が最も大きい。従って、当該両端近傍に粘弾性部材を配設することにより振動減衰効果をさらに高めることが可能となる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る車両の車体構造の斜視図であり、図6は、図5における図2のA−A線に相当する線に沿った第2実施形態に係る車両の車体構造の断面図である。
第2実施形態に係る車両の車体構造は、第1実施形態に係る車両の車体構造と、柔結合フランジ部の形状が異なっていること以外は同様であるので、第1実施形態に係る車両の車体構造と同様の構成については同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。また、パネル部材20は図示を省略している。
図5に示される本発明の第2実施形態に係る車両の車体構造は、柔結合フランジ部55に空間部としての柔結合フランジ切部57を有している。柔結合フランジ切部57は、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62との間に位置し、両粘弾性部材61,62が配設されていない柔結合フランジ部55の一部を切り出すことにより形成されている。
パネル部材20と柔結合フランジ部55と両粘弾性部材61,62とによって柔結合部を形成する際には、ペースト状の第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62とを柔結合フランジ部55に塗布した後、両粘弾性部材61,62にパネル部材20を重ね合わせつつ押圧する。その際、両粘弾性部材61,62は押し広げられるため、押圧前に比して押圧後の両粘弾性部材61,62の平面視での面積は大きくなる。このとき、隣接する第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62との間隔が短い場合は、平面視で略円形状または略楕円形状の第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62との端部同士が融着して、エアポケットを生じる虞がある。しかし、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62との間に位置する柔結合フランジ部55の柔結合フランジ切部57により空間部Sが形成されているため、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62の周縁部同士が上述の押圧によって接近しても、柔結合フランジ切部57に到達した部分が、閉断面部の内方側(基壁11側)に逃げることができるため、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62との融着によるエアポケットが発生することはない。
図7は、本発明の第3実施形態に係る車両の車体構造の斜視図であり、図8は、図7における図2のA−A線に相当する線に沿った第3実施形態に係る車両の車体構造の断面図である。
第3実施形態に係る車両の車体構造は、第1実施形態に係る車両の車体構造と、柔結合フランジ部の形状が異なっていること以外は同様であるので、第1実施形態に係る車両の車体構造と同様の構成については同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。また、パネル部材20は図示を省略している。
図7に示される本発明の第3実施形態に係る車両の車体構造は、柔結合フランジ部55に空間部としての柔結合フランジ段差部58を有している。柔結合フランジ段差部58は、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62との間に位置し、両粘弾性部材61,62が配設されていない柔結合フランジ部55の一部を閉断面部の内方側(基壁11側)に突出させることにより形成されている。
上述した第2実施形態と同様に、柔結合フランジ段差部58により空間部Sが形成されているため、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62の周縁部同士が、上述した押圧により接近しても、柔結合フランジ段差部58に到達した部分は閉断面部の内方側(基壁11側)に逃げることができるため、第1粘弾性部材61と第2粘弾性部材62との融着によるエアポケットが発生することはない。
さらに、柔結合フランジ部55が閉断面部の周方向(矢印X方向)において途切れることなく連続しているため、柔結合フランジ部55の剛性を高くすることができる。柔結合フランジ部55の剛性を高くすることにより、図4のような振動入力時の第2車体部材と節部材のフランジ部とが接近と離反を繰り返すような変形において、柔結合フランジ部55がパネル部材20の変形に追従しにくくなり、その結果、パネル部材20と柔結合フランジ部55とが接近と離反する際の変形量を大きくすることが可能となり、振動減衰効果を高めることができる。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、パネル部材20としては平板部材を例示したが、これは断面ハット状部材10と同様に断面がハット形状の部材であってもよい。また、第1車体部材と第2車体部材は、それぞれ一体の部材を例示したが、これらは2つ以上の部材からなるものであってもよい。また、車両の車体構造における柔結合フランジ部55の方向としては、水平方向、垂直方向、および水平または垂直方向から傾斜させた方向があり得るが、柔結合フランジ部55の閉断面部30の周方向が垂直方向となる場合は比較的エアポケットを生じにくいので、柔結合フランジ部55の閉断面部30の周方向が垂直方向以外の場合に本発明が特に有用である。
以上説明したように、本発明は、フロアフレーム、サイドシル、ピラー、ルーフレール、フロアクロスメンバ等の第1車体部材と第2車体部材とにより形成される閉断面部に、該閉断面部を覆うように結合配置された隔壁として機能する節部材を有する車両の車体構造について有用である。
10…断面ハット状部材(第1車体部材)
14、15…フランジ部
20…パネル部材(第2車体部材)
21…内壁部
30…閉断面部
40…フレーム部材
50…節部材
51…節本体
55…柔結合フランジ部
57…柔結合フランジ切
58…柔結合フランジ段差部
60…粘弾性部材(柔結合部)
61…第1粘弾性部材(柔結合部)
62…第2粘弾性部材(柔結合部)
70…電着槽
71…電着液
P…エアポケット
S…空間部
W…ワーク(車体)
X…閉断面部の周方向
Y…電着液の流れる方向
Z…ワーク(車体)の移動方向
a、b、c…スポット溶接部(剛結合部)

Claims (5)

  1. 電着塗装が施された車両の車体構造であって、
    第1車体部材と、
    前記第1車体部材に結合されて前記第1車体部材との間に閉断面部を形成する第2車体部材と、
    前記閉断面部を覆うように前記第1車体部材及び前記第2車体部材に結合された節部材と、
    を備え、
    前記節部材は、
    前記第2車体部材に所定距離離間して対峙する所定幅のフランジ部と、
    前記フランジ部と一体に形成されて前記閉断面部に面する節本体と、
    前記節本体に形成された切欠部と、
    を有し、
    前記閉断面部の内壁部と前記節部材との結合部は、
    前記第1車体部材と前記節部材とが当接した状態で結合された剛結合部と、
    前記第2車体部材と前記フランジ部との間の隙間に粘弾性部材が前記第2車体部材と前記フランジ部とに当接するように配設された柔結合部とからなり、
    前記柔結合部は、2つ以上の前記粘弾性部材が前記フランジ部の離間した位置に配設されることによって構成され、
    前記切欠部とともに、隣接する2つの前記粘弾性部材の間を電着液が通過可能になっており、
    前記粘弾性部材が、温度が20℃であるとともに加振力の周波数が30Hzである条件下において、貯蔵弾性率が500MPa以下で損失係数が0.2以上の物性を有し
    前記フランジ部における隣接する2つの前記粘弾性部材の間の部分が切り出されて形成された切出部を設けることにより、当該粘弾性部材どうしの融着を阻止する空間部が形成されていることを特徴とする車両の車体構造。
  2. 電着塗装が施された車両の車体構造であって、
    第1車体部材と、
    前記第1車体部材に結合されて前記第1車体部材との間に閉断面部を形成する第2車体部材と、
    前記閉断面部を覆うように前記第1車体部材及び前記第2車体部材に結合された節部材と、
    を備え、
    前記節部材は、
    前記第2車体部材に所定距離離間して対峙する所定幅のフランジ部と、
    前記フランジ部と一体に形成されて前記閉断面部に面する節本体と、
    前記節本体に形成された切欠部と、
    を有し、
    前記閉断面部の内壁部と前記節部材との結合部は、
    前記第1車体部材と前記節部材とが当接した状態で結合された剛結合部と、
    前記第2車体部材と前記フランジ部との間の隙間に粘弾性部材が前記第2車体部材と前記フランジ部とに当接するように配設された柔結合部とからなり、
    前記柔結合部は、2つ以上の前記粘弾性部材が前記フランジ部の離間した位置に配設されることによって構成され、
    前記切欠部とともに、隣接する2つの前記粘弾性部材の間を電着液が通過可能になっており、
    前記粘弾性部材が、温度が20℃であるとともに加振力の周波数が30Hzである条件下において、貯蔵弾性率が500MPa以下で損失係数が0.2以上の物性を有し
    前記フランジ部における隣接する2つの前記粘弾性部材の間の部分に、当該フランジ部に前記閉断面部の内方側に突出する段差部を設けることにより、当該粘弾性部材どうしの融着を阻止する空間部が形成されていることを特徴とする車両の車体構造。
  3. 前記柔結合部は、点塗布された2つ以上の前記粘弾性部材が前記フランジ部の離間した位置に押し広げられた状態で配設されることによって構成されている、請求項1又は請求項2に記載の車両の車体構造。
  4. 第1車体部材と、前記第1車体部材に結合されて前記第1車体部材との間に閉断面部を形成する第2車体部材と、少なくとも前記第2車体部材に対峙する所定幅のフランジ部を具備するとともに、前記閉断面部側の前記両車体部材の各内壁部に結合される結合部を具備することによって、前記閉断面部を覆うように結合配置された節部材と、を備えた車両の車体構造であって、
    前記閉断面部の内壁部と前記節部材との結合部は、
    前記第1車体部材と前記節部材とが当接した状態で剛結される剛結合部と、
    前記第2車体部材と前記節部材のフランジ部とが所定距離離間して形成された隙間に2つ以上の粘弾性部材が前記第2車体部材と前記フランジ部とに当接するように各々配設された柔結合部とからなり、
    前記柔結合部の2つ以上の粘弾性部材は、前記閉断面部が形成された状態において前記フランジ部の前記閉断面部の周方向において離間した位置に配設されており、
    前記柔結合部の隣接する2つの粘弾性部材の間に位置する前記フランジ部に、当該フランジ部の一部が切り出されて形成された部を設けることにより、前記粘弾性部材どうしの融着を阻止する空間部が形成されていることを特徴とする車両の車体構造。
  5. 第1車体部材と、前記第1車体部材に結合されて前記第1車体部材との間に閉断面部を形成する第2車体部材と、少なくとも前記第2車体部材に対峙する所定幅のフランジ部を具備するとともに、前記閉断面部側の前記両車体部材の各内壁部に結合される結合部を具備することによって、前記閉断面部を覆うように結合配置された節部材と、を備えた車両の車体構造であって、
    前記閉断面部の内壁部と前記節部材との結合部は、
    前記第1車体部材と前記節部材とが当接した状態で剛結される剛結合部と、
    前記第2車体部材と前記節部材のフランジ部とが所定距離離間して形成された隙間に2つ以上の粘弾性部材が前記第2車体部材と前記フランジ部とに当接するように各々配設された柔結合部とからなり、
    前記柔結合部の2つ以上の粘弾性部材は、前記閉断面部が形成された状態において前記フランジ部の前記閉断面部の周方向において離間した位置に配設されており、
    前記柔結合部の隣接する2つの粘弾性部材の間に位置する前記フランジ部に前記閉断面部の内方側に突出する段差部を設けることにより、前記粘弾性部材どうしの融着を阻止する空間部が形成されていることを特徴とする車両の車体構造。
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