以下、図面を参照しつつ、例示的な洗濯機が説明される。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とする。したがって、これらの用語は、洗濯機の原理を何ら限定するものではない。以下に開示される洗濯機は、衣類を洗濯する洗濯機能だけでなく、衣類を乾燥する乾燥機能を有する。代替的に、衣類処理装置は、乾燥機能を有さない洗濯機であってもよい。
<第1実施形態>
<洗濯機>
図1は、第1実施形態の洗濯機100の概略的なブロック図である。図1を参照して、洗濯機100が説明される。尚、図1に示される実線矢印は、水の流れを表す。図1に示される点線矢印は、空気の流れを表す。図1に示される鎖線矢印は、制御信号の伝達経路を表す。
洗濯機100は、主筐体200と、制御部300と、給水機構400と、洗濯機構500と、循環機構600と、乾燥機構700と、を備える。主筐体200は、制御部300と、給水機構400と、洗濯機構500と、循環機構600と、乾燥機構700と、を収容する。制御部300は、給水機構400と、洗濯機構500と、循環機構600と、乾燥機構700と、を制御する。
洗濯機100は、衣類を洗う洗い工程と、衣類を濯ぐ濯ぎ工程と、衣類を脱水する脱水工程と、衣類を乾燥する乾燥工程と、を順次実行してもよい。
洗濯機構500は、衣類が収容される収容槽510と、収容槽510を駆動するモータ520と、を備える。モータ520は、制御部300の制御下で、収容槽510を駆動する。洗い工程において、収容槽510は、洗剤を含む液体中で、衣類を攪拌する。この結果、衣類は、適切に洗浄される。濯ぎ工程において、収容槽510は、洗い工程よりも低い洗剤濃度を有する水中で衣類を攪拌する。また、濯ぎ工程において、収容槽510への給水及び収容槽510からの排水が繰り返される。この結果、洗剤は、衣類から適切に取り除かれる。脱水工程において、収容槽510は、遠心力を利用して、衣類から脱水する。この結果、衣類の乾燥が促進される。乾燥工程において、収容槽510に乾燥空気が供給される。乾燥空気の湿度は低く、且つ、温度は高いので、衣類は収容槽510内で適切に乾燥される。乾燥空気が供給されている間、収容槽510は、衣類を攪拌する。この結果、衣類は、適切に乾燥されることとなる。
給水機構400は、上述の洗い工程及び濯ぎ工程において、収容槽510に水を供給する。給水機構400は、蛇口に接続される給水口410と、切替弁420と、洗剤が収容される洗剤収容部430と、を備える。給水口410に供給された水は、切替弁420に至る。切替弁420は、収容槽510に水が直接的に向かう第1給水経路421と、洗剤収容部430を通じて収容槽510に水が供給される第2給水経路422と、の間で、給水経路を切り替える。第1給水経路421は、例えば、濯ぎ工程において用いられてもよい。この結果、水道水が収容槽510に直接的に供給される。第2給水経路422は、例えば、洗い工程に用いられてもよい。切替弁420が第2給水経路422を開くと、水は、洗剤収容部430に流入する。洗剤収容部430内において、水及び洗剤が混合される。この結果、洗剤を含有する水が、収容槽510に流入する。
循環機構600は、循環ポンプ610と、泡生成部620と、を備える。循環機構600は、上述の洗い工程及び濯ぎ工程において、循環ポンプ610と収容槽510との間で水を循環させてもよい。本実施形態において、循環機構600は、循環ポンプ610と収容槽510との間での水の循環のために、第1循環経路611と第2循環経路612とを備える。第1循環経路611が用いられるとき、循環ポンプ610によって収容槽510から吸引された水は、泡生成部620へ送られる。その後、水は、泡生成部620から収容槽510に流入する。第2循環経路612が用いられるとき、水は、循環ポンプ610から収容槽510へ直接的に送られる。単一のポンプ610によって、水は、泡生成部620及び収容槽510に送られるので、主筐体200内のスペースは有効に利用され、且つ、洗濯機100は、廉価に製造され得る。加えて、単一のポンプ610の使用は、主筐体200内のレイアウト設計の自由度の増大に帰結する。
泡生成部620は、泡を生成する。泡生成部620によって生成された泡は、収容槽510に送られる。泡を形成する泡膜は、高濃度の界面活性剤を含有するので、収容槽510内の衣類は、泡との接触によって、効果的に洗浄されることとなる。
本実施形態において、循環ポンプ610は、制御部300の制御下で、回転数を変動させる。循環ポンプ610が、高い回転数で動作している間、水は、主に第1循環経路611を通じて、収容槽510に流入する。循環ポンプ610が、低い回転数で動作している間、水は、第2循環経路612を通じて、収容槽510に流入する。制御部300が循環ポンプ610の揚水量を変化させることによって、第1循環経路611と第2循環経路612との間での循環経路の切替が適切に行われる。代替的に、水の循環経路の切替のために、切替弁や、水の流れ方向を選択的に規定することができる他の要素が用いられてもよい。
乾燥機構700は、収容槽510から送り出された空気を受けるエアフィルタ710と、エアフィルタ710を通過した空気と熱を交換する熱交換部720と、熱交換部720を通過した空気を送り出す送風ファン730と、送風ファン730から送り出された空気の流れ方向を切り換える切替弁740と、を備える。エアフィルタ710は、収容槽510から送り出された空気からリントを除去する。したがって、清浄化された空気が、熱交換部720に流入する。乾燥工程において、制御部300は、熱交換部720を起動させてもよい。熱交換部720は、空気を除湿並びに加熱する。この結果、衣類を乾燥させるのに適した乾燥空気が生成される。制御部300は、洗い工程から脱水工程の間、熱交換部720を停止させてもよい。この結果、熱交換部720は、電力を不必要に消費しない。代替的に、制御部300は、洗い工程において、熱交換部720を起動させてもよい。この結果、熱交換部720から空気に受け渡された熱を利用して、洗剤が活性化されてもよい。
制御部300は、洗い工程及び乾燥工程において、送風ファン730及び切替弁740を動作させる。洗い工程において、切替弁740は、送風ファン730からの空気の流動経路を、泡生成部620へ向かう第1送風経路741に設定する。上述の如く、洗剤を含有する水が循環ポンプ610によって泡生成部620に送り込まれるので、送風ファン730からの空気が泡生成部620に流入すると、泡生成部620内で大きな泡が生成される。本実施形態の泡の生成技術は、約5mm〜約20mmの大きさの泡を効率的に作り出すことを可能にする。
乾燥工程において、切替弁740は、送風ファン730からの空気の流動経路を収容槽510に向かう第2送風経路742に設定する。この結果、上述の乾燥空気は、収容槽510に流入し、衣類を乾燥する。乾燥空気は、その後、収容槽510とエアフィルタ710との間で規定される戻り経路743を通じて、エアフィルタ710に流入する。
図2は、洗濯機100の概略的な斜視図である。図1及び図2を参照して、洗濯機100が更に説明される。
主筐体200は、前壁210と、前壁210とは反対側の後壁220と、前壁210と後壁220との間で立設された左壁230と、左壁230とは反対側の右壁240と、前壁210、後壁220、左壁230及び右壁240の上縁に囲まれた天壁250と、天壁250とは反対側の底壁260と、を含む。図1を参照して説明された給水口410は、天壁250上で露出している。使用者は、例えば、ホースを用いて、給水口410と蛇口(図示せず)とを接続することができる。
洗濯機100は、前壁210に取り付けられた扉体101を更に備える。扉体101は、前壁210に沿う閉位置と、前壁210から突出した開位置と、の間で回動する。尚、図2に示される扉体101は、開位置に存する。扉体101が開位置に存するとき、収容槽510が規定する投入口511が露出する。使用者は、扉体101を開位置へ回動し、投入口511を通じて、衣類を収容槽510に投入することができる。
図3は、洗濯機100の概略的な断面図である。図1及び図3を参照して、洗濯機100が更に説明される。
収容槽510は、衣類が収容される回転ドラム530と、回転ドラム530が収容される水槽540と、を含む。回転ドラム530は、投入口511を規定する内環壁531と、内環壁531とは反対側の内底壁532と、内環壁531と内底壁532との間の円筒状の内周壁533と、を含む。水槽540は、前壁210と内環壁531との間に配置される外環壁541と、後壁220と内底壁532との間に配置される外底壁542と、外環壁541と外底壁542との間で内周壁533を取り囲む外周壁543と、を含む。
モータ520は、駆動力を発生させる本体部521と、駆動力を回転ドラム530へ伝達する駆動シャフト522と、を含む。駆動シャフト522は、外底壁542を貫通し、内底壁532に接続される。
循環機構600は、循環ポンプ610と泡生成部620(図1を参照)とに加えて、排水弁690と、水槽540から循環ポンプ610へ流れる水の経路を規定する上流循環管640と、循環ポンプ610から水槽540へ戻る水の経路を規定する下流循環管650と、主筐体200外への排水経路を規定する排水管660と、を備える。排水弁690は、排水管660に取り付けられる。制御部300(図1を参照)は、排水弁690を制御する。収容槽510と循環ポンプ610との間で水が循環されている間、制御部300は、排水弁690を閉じる。制御部300は、不要となった水を排出するために排水弁690を開く。
下流循環管650は、循環ポンプ610が吐出した水が流入する主管659と、主管659から分岐し、泡生成部620へ接続される第1枝管651と、主管659から分岐し、外環壁541に接続される第2枝管652と、を含む。第1枝管651は、図1を参照して説明された第1循環経路611を規定する。第2枝管652は、図1を参照して説明された第2循環経路612を規定する。制御部300は、循環ポンプ610の揚水量を制御し、第1枝管651を通じた水の循環と、第2枝管652を通じた水の循環と、を選択的に実行してもよい。
乾燥機構700は、エアフィルタ710と熱交換部720と送風ファン730と切替弁740とに加えて、収容槽510から送風ファン730への空気の流動経路を規定する吸気管750と、送風ファン730から送り出される空気の流れを規定する送気管760と、を備える。エアフィルタ710及び熱交換部720は、吸気管750内に配置される。送風ファン730は、吸気管750と送気管760との接続部に配置される。送風ファン730が回転すると、吸気管750内において負圧環境が作り出される一方で、送気管760内において正圧環境が作り出される。
送気管760は、送風ファン730によって送り出された空気を案内する主送気管769と、主送気管769から分岐し、泡生成部620へ空気を導く第1導気管761と、主送気管769から分岐し、空気を収容槽510へ直接的に導く第2導気管762と、を含む。この結果、単一の送風ファン730によって、泡生成部620及び収容槽510への送風が行われることとなる。したがって、主筐体200内のスペースは有効に利用される。加えて、洗濯機100は、廉価に製造され得る。送風ファン730は、泡生成部620へ大きな風量で空気を送り込むことができる。したがって、泡生成部620内で発生する泡は、大きくなる。加えて、泡は、短時間で発生される。
切替弁740は、主送気管769から第1導気管761と第2導気管762とに分岐する分岐点に配置される。第1導気管761は、図1を参照して説明された第1送風経路741を規定する。第2導気管762は、図1を参照して説明された第2送風経路742を規定する。吸気管750は、図1を参照して説明された戻り経路743を規定する。
図4は、洗濯機100の概略的な斜視図である。図1、図3及び図4を参照して、洗濯機100が更に説明される。
水槽540の外周壁543は、外環壁541が取り付けられる前周壁545と、外底壁542と前周壁545との間に配置される後周壁546と、を含む。泡生成部620は、前周壁545に取り付けられる。図3及び図4には、モータ520によって規定される回転ドラム530の回転軸RXが示されている。本実施形態において、泡生成部620は、回転軸RXよりも上方に配置される。
吸気管750は、前周壁545から上方に突出するベローズ管751と、エアフィルタ710及び熱交換部720を収容する収容ダクト752と、を含む。尚、図4に示される収容ダクト752からは、エアフィルタ710が除去され、熱交換部720が露出している。
送風ファン730が作動すると、ベローズ管751及び収容ダクト752内において、負圧環境が作り出される。この結果、収容槽510内の空気は、ベローズ管751及び収容ダクト752に順次流入する。
図5は、洗濯機100の概略的な斜視図である。図2、図4及び図5を参照して、洗濯機100が更に説明される。
吸気管750は、蓋部753を更に備える。蓋部753は、エアフィルタ710を主筐体200外に取り出すために収容ダクト752に形成された取出口754(図4を参照)を塞ぐために用いられる。図2に示される如く、蓋部753は、天壁250上で露出する。
送風ファン730は、収容ダクト752に取り付けられる。主送気管769は、送風ファン730と、送風ファン730の下方に配置された切替弁740と、に接続される。第1導気管761は、切替弁740から外底壁542に沿って右方に延び、その後、外周壁543に沿って、前方へ延びる。最終的に、第1導気管761は、泡生成部620に接続される。第2導気管762は、切替弁740から下方に延び、外周壁543に接続される。
洗剤収容部430は、収容ダクト752の左方に配置される。給水口410及び切替弁420は、送風ファン730の左方に配置される。切替弁420は、給水口410と送風ファン730との間に配置される。
<泡生成部>
図6は、泡生成部620の概略的な断面図である。図3及び図6を参照して、泡生成部620が説明される。
泡生成部620は、衣類の洗浄に用いられる泡を生成するための生成空間629を規定する筐体621と、筐体621から上方に突出する上筒622と、筐体621から下方に突出する下筒623と、を備える。図3を参照して説明された第1枝管651は、下筒623に接続される。循環機構600の循環ポンプ610が下筒623を通じて、生成空間629へ洗剤を含有する水を上向きに供給すると、筐体621内には、液層WLと空気層ALとの境界BDが形成される。この結果、大きな泡が生成空間629内で生成される。送風口624は、境界BDよりも上方に存在するので、水は、送風口624を通じて、送風ファン730へ向かいにくくなる。したがって、送風ファン730は、高い信頼性を以て、空気を液層WLに向けて吹き付けることができる。このとき、送風ファン730の回転数は、約4000rpm〜約5000rpmの範囲に設定されてもよい。この結果、液層WLを通過する空気の量は、約0.1m3/min〜約0.3m3/minになる。尚、乾燥工程において、送風ファン730の回転数は、約4000rpm〜約6000rpmの範囲に設定されてもよい。この回転数の範囲の下で、送風ファン730は、約2m3/min〜4m3/minの空気を収容槽510へ送り出すことができる。
下筒623は、生成空間629よりも下方に延出するので、送風ファン730が停止すると、水は、下筒623を通じて筐体621から適切に排出される。本実施形態において、循環機構600は、供給部として例示される。循環ポンプ610は、ポンプとして例示される。
図3を参照して説明された第1導気管761は、上筒622に接続される。上筒622は、境界BDの上方において、生成空間629に連通する送風口624を規定する。乾燥機構700の送風ファン730が送り出した空気は、送風口624を通じて、生成空間629に流入する。したがって、送風ファン730が作動すると、第1導気管761、上筒622及び送風口624によって下方に方向付けられた空気は、空気層ALを通じて、境界BDに向けて吹き付けられる。この結果、大きな泡が生成空間629内で生成される。本実施形態において、乾燥機構700は、送風部として例示される。
筐体621は、下筒623が突出する底壁625と、底壁625の上方で横たわる天壁626と、底壁625の前端と天壁626の前端とに接続される前壁627と、前壁627とは反対側の後壁628と、天壁626の後端から後壁628の上端にかけて下方に傾斜した傾斜壁630と、を含む。上筒622は、傾斜壁630から突出する。
筐体621は、L字板631を更に含む。L字板631は、底壁625と天壁626との間で横たわる横板632と、横板632の後端から送風口624に向かって立設された縦板633と、を含む。縦板633と後壁628との間並びに横板632と底壁625との間には、通風路634が形成される。
下筒623は、底壁625から下方に突出した下部635と、底壁625から上方に突出した上部636と、を含む。下筒623は、洗剤を含む水の流動経路637を規定する。通風路634中に現れる上部636は、流動経路637を、通風路634から隔離する。したがって、通風路634中には、水はほとんど漏出しない。
横板632は、液層WLを支持する上面688と、通風路634を規定する下面689と、を含む。上部636は、上面688上で開口部638を規定する。開口部638から下方に延出する下筒623を通じて送り出された水は、開口部638からL字板631上に溢れ出し、横板632上の生成空間629に向かう。この結果、液層WLが形成される。開口部638が形成された上面688は、液層WLと空気層ALとの間の境界BDに対向する。泡が集結する境界BDは、開口部638より上方に存するので、開口部638から流入した水は、泡をほとんど潰さない。本実施形態において、横板632は、支持壁として例示される。上面688は、支持面として例示される。下筒623は、延出管として例示される。支持壁は、液層の下方に存在していなくともよい。支持壁は、液層に接する様々な部材であってもよい。例えば、液層の側面に接する壁部に排水用の開口部が形成されるならば、壁部は、支持壁に該当する。本実施形態において、液層WLを支持する支持面として例示される上面688は平坦且つ水平な面である。代替的に、支持面は、水平面に対して傾斜してもよく、或いは、支持面は、湾曲した面であってもよい。
筐体621は、横板632から上方に立設された制御板641を更に含む。制御板641は、横板632と接続される接続縁642と、接続縁642とは反対の制限縁643と、を含む。生成空間629内の液位が制限縁643を超えると、水は、制限縁643を乗り越え、筐体621から排出される。したがって、制御板641は、生成空間629内の液位を適切に制御することができる。
泡生成部620は、パンチングプレート670を更に備える。パンチングプレート670には、多数のパンチ穴671が形成される。パンチ穴671は、通風路634を通過した空気の通過を許容する。この結果、空気は、パンチングプレートによって整流され、境界BLに向けて略均一に吹き出すことができる。パンチ穴671の直径は、所望の泡の大きさに応じて決定されてもよい。パンチ穴671の密度は、所望の泡の密度(単位体積当たりの泡の数)に応じて決定されてもよい。本実施形態において、パンチングプレート670は、通気部材として例示される。パンチ穴671は、通気穴として例示される。
筐体621は、縦板633と制御板641の間で、天壁626から下方に延出した支持板644を備える。支持板644は、パンチングプレート670の後端を挟持する後支持部645を含む。制御板641は、パンチングプレート670の前端を挟持する前支持部646を含む。パンチングプレート670は、前支持部646と後支持部645とによって、開口部638の上方で適切に支持される。
筐体621は、支持板644から制御板641に向かって延び、開口部638上で横たわる邪魔板647を更に含む。邪魔板647は、パンチングプレート670と横板632との間で横たわる。邪魔板647は、下筒623によって規定された上向きの水の流れに衝突し、水を生成空間629へ促す。縦板633は、支持板644と後壁628との間で立設される。縦板633と支持板644との間並びに邪魔板647と横板632との間には、送風口624から送り込まれた空気を、パンチングプレート670と横板632の上面688との間へ案内する制御風路648が形成される。上述の開口部638は、制御風路648に臨む。また、開口部638は、邪魔板647に対向する。本実施形態において、制御風路648は、流路として例示される。
縦板633は、横板632の後端から送風口624に向かって延びる。縦板633は、送風口624に対向する上縁681を含む。上縁681は、送風口624から流入した空気を、制御風路648に流入する空気と、通風路634に流入する空気と、に分離する。
邪魔板647は、制御板641に対向する先端縁682を含む。制御風路648は、上縁681と支持板644との間で規定される流入端683と、先端縁682と横板632との間で規定される流出端684と、を含む。流入端683は、制限縁643より上方に位置するので、流入端683は、空気層AL内で開口することとなる。したがって、空気は、送風口624から制御風路648へ適切に流入することができる。
流出端684は、生成空間629に向けて開口しているので、循環ポンプ610が泡生成部620に給水すると、流出端684は、液層WL中に沈む。したがって、生成空間629内だけでなく、制御風路648内にも、空気層ALと液層WLとの境界BDが形成される。送風ファン730が、空気を、制御風路648内に形成された境界BDの上方に形成された送風口624を通じて、筐体621に流入させると、空気は、境界BDに衝突し、最終的に、流出端684を越えて、生成空間629に到達することができる。この結果、生成空間629内において大きな泡が生成される。
送風ファン730は、高い圧力で空気を生成空間629に送り込んでもよい。送風ファン730が、高い圧力で空気を生成空間629に送り込むと、制御風路648中の水は押し出される。この結果、制御風路648内に高い圧力の空気が満たされる。したがって、生成空間629内の液層WLが、開口部638から離されたまま、制御風路648は、空気層ALで満たされることとなる。開口部638を規定する下筒623は、流入端683と流出端684との間において、横板632に接続される。流入端683と流出端684との間の空間は、送風ファン730からの送風によって形成された空気層ALで満たされるので、生成空間629内の液層WLは、開口部638から離される。液層WLが開口部638から離間している間、開口部638を通じた水の排出は停止される。送風ファン730が送風を停止すると、液層WLは、制御風路648に進入することができる。この結果、液層WLは、開口部638を通じて、排水される。かくして、制御風路648は、生成空間629からの排水を制御するために利用可能である。上述の如く、循環ポンプ610が停止している間、逆止弁といった制御弁を用いることなしに、液層WLが開口部638から意図せず排出されることが防止される。循環ポンプ610が停止している間、液層WLの排水の制御に開閉弁といった制御弁が必要とされないので、主筐体200内のスペースは有効に利用され、且つ、洗濯機100は廉価に製造され得る。
図7は、筐体621の概略的な断面図である。図4、図6及び図7を参照して、筐体621が説明される。
筐体621は、前周壁545に対向する左壁661を含む。制御板641と前壁627との間において、左壁661には、上排気口663並びに上排気口663に隣接した下排気口662が形成される。制御風路648及び生成空間629は、送風口624と上排気口663との間に形成される。送風口624から制御風路648に流入した空気は、生成空間629上の液層WLに進入し、大きな泡を生成する。生成空間629内で生成された泡は、制御板641を乗り越え、上排気口663から排出される。
通風路634は、送風口624と下排気口662との間に形成される。L字板631は、横板632上の生成空間629と通風路634とを仕切るので、水は、通風路634に入り込みにくい。したがって、通風路634に流入した空気は、水に妨げられることなく、下排気口662から勢いよく排出される。
筐体621は、下排気口662及び上排気口663に沿って左壁661上に形成された前取付部664と、前取付部664よりも後側において左壁661上に形成された後取付部665と、を更に含む。前取付部664及び後取付部665は、泡生成部620を前周壁545に取り付けるために利用される。
図8は、前周壁545に取り付けられた筐体621の概略的な斜視断面図である。図9は、前取付部664の周囲の筐体621の概略的な拡大図である。図4、図8及び図9を参照して、筐体621と前周壁545との接続構造が説明される。
水槽540は、外環壁541と前周壁545との間に配置される案内カバー551と、筐体621と案内カバー551とを連結する連結管552と、を含む。前取付部664は、前周壁545に対向する対向面666を含む。対向面666には、上排気口663と、上排気口663の下方に形成された下排気口662と、を取り囲むシール溝667が形成される。シール溝667には、Oリングといったシール部材が埋設される。連結管552は、対向面666に接続される第1接続端562と、案内カバー551に接続される第2接続端563と、を含む。第1接続端562は、シール溝667に配置されたシール部材を圧縮し、連結管552と筐体621との間の接続部を気密に保つ。第2接続端563及び案内カバー551は、第1接続端562と対向面666との間の接続構造と同様の構造によって気密に接続されてもよい。
図10は、案内カバー551の概略的な拡大図である。図1、図8乃至図10を参照して、案内カバー551が説明される。
案内カバー551は、筐体621から排出された泡及び空気を案内するための案内領域553を含む。案内領域553は、泡及び空気が流入する流入端554と、流入端554とは反対側の流出端555と、を含む。流出端555は、回転ドラム530が規定する投入口511に臨む。したがって、泡及び空気は、投入口511を通じて、衣類に供給される。
案内領域553は、流入端554から流出端555へ延びる下リブ556と、下リブ556の上方で流入端554から流出端555へ延びる上リブ557と、下リブ556と上リブ557との間の空間を、上排気口663に連通する上案内路558と下排気口662に連通する下案内路559とに仕切る中間リブ561と、を含む。尚、連結管552も案内領域553と同様に、上案内路558と下案内路559とに区画されている。したがって、第1接続端562から流出端555まで、下案内路559によって案内される空気は、上案内路558によって案内される空気及び泡から仕切られている。
上リブ557と中間リブ561との間には、上開口部568が形成される。下リブ556と中間リブ561との間には下開口部567が形成される。上開口部568から空気及び泡が収容槽510へ排出される。下開口部567から空気が排出される。
制御風路648に流入した空気は、横板632上を通過する。横板632上には、洗剤を含む水が存在するので、横板632上を流れる空気は、大きな泡を発生させる。その後、空気は、上排気口663から排気される。泡は、上排気口663に向かって流れる空気とともに、上排気口663から排出される。その後、泡は、連結管552及び案内領域553に形成された上案内路558を通じて、上開口部568から回転ドラム530内へ流入する。この結果、泡は、回転ドラム530内の衣類と直接的に接触する。衣類は、高い濃度の界面活性剤を含む泡膜によって、効果的に洗浄されることとなる。本実施形態の原理は、生成空間629内での大きな泡の生成に貢献する。したがって、広い領域に亘る衣類と泡との接触が達成される。かくして、衣類は、効率的に洗浄されることとなる。
上述の如く、通風路634内には、水はほとんど存在しない。したがって、通風路634に流入した空気は、水の抵抗をほとんど受けることなく下排気口662から排気される。その後、空気は、連結管552及び案内領域553に形成された下案内路559を通じて、上開口部568の下方に形成された下開口部567から回転ドラム530内へ高い速度で流入する。上案内路558を通じて排出された泡は、重力によって、下方に移動する。上案内路558の直下に下案内路559が形成されるので、泡は、下案内路559から吹き出される空気によって、回転ドラム530中において広い範囲に拡散される。この結果、広範囲に亘って、衣類と泡との接触が達成される。かくして、衣類は、効率的に洗浄されることとなる。
本実施形態において、循環ポンプ610は、水を連続的に生成空間629に送ってもよい。余剰の水は、制御板641の制限縁643を乗り越え、上排気口663を通じて、筐体621から排出される。その後、水は、連結管552及び案内カバー551を通じて、収容槽510に至る。したがって、洗濯機100は、水を不必要に消費しない。本実施形態において、連結管552及び案内カバー551は、案内管として例示される。
<泡生成部への給水制御>
図3、図4及び図6を参照して、泡生成部620への給水が説明される。
図3に示される如く、循環ポンプ610は、収容槽510よりも下方に配置される。図4に示される如く、泡生成部620は、回転ドラム530の回転軸RXよりも上方(即ち、循環ポンプ610よりも上方)に配置される。循環ポンプ610が高い回転数で回転すると、水は、循環ポンプ610によって、第1枝管651を通じて、泡生成部620に向けて揚水される。第1枝管651は、下筒623に接続される。したがって、水は、下筒623を通じて、筐体621に流入する。
図3に示される如く、第2枝管652は、循環ポンプ610の上方で水槽540に接続される。尚、第2枝管652と水槽540との接続位置は、回転軸RXよりも下方である。したがって、循環ポンプ610は、比較的低い回転数で回転し、水槽540へ水を送り込むことができる。
循環ポンプ610が高い回転数で回転すると、水は、主管659によって案内され、第1枝管651と第2枝管652との分岐部に至る。その後、水は、第1枝管651と第2枝管652とに流入する。第1枝管651は、筐体621へ案内する。したがって、第1枝管651へ流入した水は、泡生成部620に到達する。泡生成部620には、送風ファン730から送り込まれた空気も流入するので、大きな泡が泡生成部620内で生成される。泡生成部620内で発生した泡は、その後、収容槽510へ送り出される。第2枝管652は、水を、水槽540へ直接的に案内する。したがって、第2枝管652へ流入した水は、水槽540内へ直接的に流入する。
図11は、循環ポンプ610の回転数に対する制御構造を表す概略的なブロック図である。図11を参照して、循環ポンプ610の回転数に対する制御が説明される。
循環ポンプ610は、制御部300の制御下で、回転数を調整することができる。循環ポンプ610が第1回転数(X1rpm)で回転すると、循環ポンプ610は、第1レベルPWL1まで揚水することができる。制御部300が、循環ポンプ610を第1回転数以上の回転数で回転させると、第1枝管651に洗剤を含有する水を流入させ、泡生成部620に水及び洗剤を供給することができる。したがって、衣類が泡を用いて洗浄されるとき、制御部300は、第1回転数以上の回転数で、循環ポンプ610を回転させてもよい。循環ポンプ610が、第1回転数よりも低い第2回転数(X2rpm)で回転すると、循環ポンプ610は、第1レベルPWL1よりも低い第2レベルPWL2まで揚水することができる。制御部300が、第2回転数以上第1回転数未満の回転数で、循環ポンプ610を回転させると、循環ポンプ610は、水を、水槽540にのみ第2枝管652を通じて供給することができる。
制御部300は、循環ポンプ610の回転数を用いて、第1枝管651中の水の流量を調整することができる。したがって、制御部300は、循環ポンプ610を制御し、泡生成部620への水の供給量を調整することができる。
制御部300は、循環ポンプ610の回転数を用いて、第2枝管652中の水の流量を調整することができる。したがって、制御部300は、循環ポンプ610を制御し、水槽540と循環ポンプ610との間で循環する水の量を調整することができる。
図12は、洗濯機100の概略的なブロック図である。図3、図6及び図12を参照して、洗濯機100の制御が説明される。
洗濯機100は、収容槽510内の水位を検出する液位センサ310を更に備える。図3には、液位センサ310によって検出される収容槽510内での水位レベルDLが示されている。液位センサ310は、回転ドラム530へ進入を開始した水のレベルを検出するように設定される。尚、このときの収容槽510内の水位は、回転ドラム530の下端より上方であってもよい。したがって、液位センサ310は、回転ドラム530中の衣類が水に埋没する前に、回転ドラム530への水の進入を表す検出信号を制御部300へ送る。
検出信号を受信した制御部300は、循環ポンプ610を制御し、循環ポンプ610の回転数を第1回転数以上に設定する。この結果、第1枝管651内の水の流量が増大する。洗剤を含有する水は、第1枝管651を通じて、泡生成部620へ送られる。
制御部300は、循環ポンプ610に対する制御と同時に、切替弁740を制御し、第1導気管761を開く一方で、第2導気管762を閉じる。このとき、給水機構400による収容槽510内への給水が停止され、高い洗剤濃度が維持されてもよい。この結果、泡は、泡生成部620内で即座に発生され得る。制御部300は、その後、送風ファン730を起動する。この結果、空気は、第1導気管761を通じて、送風ファン730から泡生成部620へ送り込まれる。上述の如く、泡生成部620へは、洗剤を含有する水が供給されているので、泡生成部620内で、大きな泡が生成される。泡は、空気とともに収容槽510へ送り込まれ、衣類に接触する。上述の如く、液位センサ310は、回転ドラム530中の衣類が水に埋没する前に、検出信号を制御部300へ送るので、泡は、収容槽510内に蓄えられた水に妨げられることなく、衣類に直接的に接触することができる。この結果、泡は、衣類を効果的に洗浄することができる。また、洗剤が水に適切に溶解するので、洗剤を含有する水は筐体に効率的に送られることとなる。
液位センサ310が検出信号を制御部300へ送るときにおける収容槽510内の水の体積が筐体621の容積より大きくなるように、液位センサ310が設定されてもよい。この結果、循環ポンプ610は、洗剤を含有する水を、泡生成部620へ連続的に送り出すことができる。
<洗濯機の動作制御>
図13は、洗濯機100の例示的な動作プログラムの概念図である。図1及び図13を参照して、洗濯機100の動作が説明される。
洗濯機100の動作は、泡洗浄工程、シャワー工程、循環攪拌工程及び排水工程を含む動作サイクルを用いてプログラムされてもよい。制御部300は、設定された動作プログラムに従って、給水機構400、洗濯機構500、循環機構600及び乾燥機構700を制御してもよい。洗濯機100は、洗い工程において、プログラムされた動作サイクルを複数回繰り返してもよい。代替的に、洗濯機100は、洗い工程において、プログラムされた動作サイクルを1回だけ行ってもよい。動作サイクルの繰り返し数は、収容槽510に収容された衣類の量、衣類の汚れの程度や他の適切なパラメータに応じて決定されてもよい。
泡洗浄工程において、衣類は、泡生成部620から供給された泡によって効果的に洗浄される。泡洗浄工程の後に、シャワー工程が行われる。シャワー工程において、給水機構400は、回転ドラム530内の衣類に水を直接的に振りかける。この結果、衣類に付着した泡膜中に高い濃度で含まれる界面活性剤は、衣類中に浸透する。シャワー工程の後に、循環攪拌工程が行われる。循環攪拌工程において、衣類は、水中で攪拌される。尚、シャワー工程及び循環攪拌工程は、平行して実行されてもよい。循環攪拌工程の後に排水工程が行われる。この結果、汚れた水は、洗濯機100から排水される。
洗い動作サイクル中において、泡洗浄工程は、早期に実行される。この結果、泡洗浄工程において、不純物(汚れ成分)をほとんど含有しない水が泡生成部620へ供給されることとなる。したがって、泡生成部620は、大きな泡を効率的に生成することができる。
図14は、泡洗浄工程における洗濯機100の例示的な動作を表す概略的なフローチャートである。図1、図3、図12乃至図14を参照して、洗濯機100の動作が説明される。
(ステップS110)
図13に示される如く、洗い工程が開始されると、或いは、直前の動作サイクルの排水工程が完了すると、泡洗浄工程が行われる。泡洗浄工程は、ステップS110から開始される。ステップS110において、制御部300は、給水機構400を制御し、給水口410を開く。その後、ステップS120が実行される。
(ステップS120)
ステップS120において、切替弁420は、制御部300の制御下で、洗剤収容部430への水の流動経路を開く。この結果、水は、洗剤収容部430に流入する。洗剤収容部430内の洗剤は、水に溶け込む。その後、洗剤を含有する水は、収容槽510に流入する。所定量の水が、洗剤収容部430を通じて、収容槽510に供給されると、その後、ステップS130が実行される。
(ステップS130)
ステップS130において、循環ポンプ610は、制御部300の制御下で、動作し、第2枝管652内の水の流量を増大させる。例えば、第2枝管652を通じて収容槽510に流入した水が、内周壁533と外周壁543との間の空隙を通過するような低い回転数で、循環ポンプ610は回転してもよい。循環ポンプ610と収容槽510との間での水の循環の結果、給水機構400から送られた水の中の洗剤濃度が均一化される。循環ポンプ610が作動した後、ステップS140が実行される。
(ステップS140)
ステップS140において、制御部300は、液位センサ310からの検出信号に基づいて、収容槽510内の水位が基準とされる水位レベルDLを超えたか否かを判定する。収容槽510内の水位が、水位レベルDL未満であるならば、ステップS130が実行される。収容槽510内の水位が、水位レベルDL以上であるならば、制御部300は、給水機構400からの給水を停止する。その後、ステップS150が実行される。
(ステップS150)
ステップS150において、制御部300は、計時を開始する。その後、ステップS160が実行される。
(ステップS160)
ステップS160において、制御部300は、循環ポンプ610の回転数を、第1回転数(X1rpm)以上に設定し、第1枝管651内の水の流量を増大させる。この結果、洗剤を含む水は、泡生成部620に供給される。その後、ステップS170が実行される。
(ステップS170)
ステップS170において、制御部300は、切替弁740を制御し、空気の流動経路を泡生成部620へ方向付ける。その後、送風ファン730は、制御部300の制御下で作動する。この結果、洗剤を含有する水だけでなく、空気も泡生成部620に送られることとなる。泡生成部620への空気の供給の結果、泡生成部620内で大きな泡が生成される。生成された泡が、空気の流れに乗って、収容槽510へ供給されると、ステップS180が実行される。
(ステップS180)
ステップS180において、制御部300は、モータ520を制御し、回転ドラム530を回転させる。この結果、衣類は、回転ドラム530内で攪拌される。したがって、泡は、収容槽510内の衣類全体に接触することとなる。
図3に示される如く、回転ドラム530の回転軸RXは、前壁210から後壁220に向けて延びる。したがって、衣類は、回転ドラム530の回転によって、上方に移動した後、重力によって落下する。この結果、衣類は、内周壁533の内面に叩きつけられる。衣類と内周壁533との間で作用する衝突力は、衣類からの汚れ成分の除去に貢献する。本実施形態の原理に従って作り出される泡は、従来技術の原理に従って作り出される泡よりも大きいので、従来の泡洗浄工程に用いられてきた泡とは異なり、衣類と内周壁533との間の衝突力を減衰させるクッション作用をほとんど生じない。したがって、衣類は、効率的に洗浄される。
洗濯機100は、大きな泡を発生させる。大きな泡は、衣類に接触するので、泡当たりの衣類への接触面積は大きい。したがって、本実施形態の原理は、泡洗浄工程を効率的にする。
収容槽510内での衣類の攪拌が開始されると、ステップS190が実行される。
(ステップS190)
ステップS190において、制御部300は、ステップS150からの経過時間と、閾値期間「Tth」と、を比較する。経過時間が、閾値期間「Tth」を超えているならば、泡洗浄工程は終了し、次のシャワー工程が実行される。他の場合には、ステップS160が実行される。
<排水制御>
図15A乃至図15Cは、泡生成部620の概略的な断面図である。図1、図15A乃至図15Cを参照して、泡生成部620からの排水を制御する方法が説明される。
(充填制御)
図15Aに示される如く、制御部300が循環ポンプ610を高い回転数で回転させ、且つ、送風ファン730を停止すると、水は、下筒623を通じて、筐体621に流入する。開口部638に到達した水は、邪魔板647に衝突し、その後、略水平に流れる。循環ポンプ610は、空気層ALと液層WLとの間の境界BDが、パンチングプレート670より上方に位置するまで、水を筐体621内に送り込む。この結果、生成空間629及び制御風路648内で、液層WL及び空気層ALが形成される。流入端683は、制限縁643より上方に位置するので、制御風路648内の液位は、上縁681を越えない。したがって、空気層ALと液層WLとの間の境界BDは、流入端683と開口部638との間に位置することとなる。
(生成制御)
図15Bに示される如く、制御部300が送風ファン730を作動させると、制御風路648に空気が流入する。この結果、空気層ALは、制御風路648を満たす。空気層ALと液層WLとの間の境界BDは、流出端684の近くに位置することとなる。空気は、流出端684を越えて生成空間629内の液層WLに流入する。空気は、浮力によって、上昇し、パンチングプレート670に至る。パンチングプレート670は、多数の気泡を作り出す。この結果、生成空間629の空気層AL内で高密度の泡が形成されることとなる。
空気層ALが制御風路648を満たす結果、液層WLは、開口部638から離間する。したがって、水は、開口部638を通じて、筐体621からほとんど流出しない。必要に応じて、制御部300は、送風ファン730とともに循環ポンプ610を高い回転数で回転させ、筐体621内に水を供給してもよい。開口部638の周囲において、空気は、略水平に流れるのに対し、下筒623を通じて供給される水は、上向きに流れる。したがって、水は、空気にほとんど妨げられることなく、生成空間629へ流入することができる。
(排水制御)
図15Cに示される如く、制御部300が送風ファン730の回転数を下げ、且つ、循環ポンプ610を停止すると、液層WLの水頭によって、液層WLと空気層ALとの間の境界BDは、開口部638と流入端683との間に位置することとなる。邪魔板647と横板632との間の空間は、液層WLによって満たされ、且つ、生成空間629内の境界BDは開口部638より上方に位置するので、水は、水頭によって、下筒623を通じて、泡生成部620から排出される。必要に応じて、制御部300は、その後、送風ファン730の回転数を上げてもよい。この結果、図15Bを参照して説明された如く、境界BDは、流出端684の近くまで変位し、排水が停止される。
<第2実施形態>
図16は、第2実施形態の例示的な洗濯機100Aの概略的なブロック図である。図1、図3、図13乃至図16を参照して、洗濯機100Aが説明される。尚、第1実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第1実施形態の説明が援用される。
第1実施形態と同様に、洗濯機100Aは、主筐体200と、給水機構400と、洗濯機構500と、乾燥機構700と、を備える。洗濯機100Aは、制御部300Aと、循環機構600Aと、を更に備える。制御部300Aは、給水機構400、洗濯機構500及び乾燥機構700に対して、第1実施形態と同様の制御を行う。
循環機構600Aは、第1実施形態に関連して説明された循環機構600の要素を全て含んでもよい。循環機構600Aは、第1循環経路611を開閉する第1弁691と、第2循環経路612を開閉する第2弁692と、を更に備える。第1弁691及び第2弁692は、制御部300Aの制御下で動作する。
図14を参照して説明されたステップS130において、循環ポンプ610が動作している間、制御部300Aは、第1弁691を閉じる一方で、第2弁692を開いてもよい。この結果、循環される水の中の洗剤濃度の均一化処理の間、水は、泡生成部620に不必要に流入しない。
図14を参照して説明されたステップS160において、循環ポンプ610が動作している間、制御部300Aは、第1弁691を開く一方で、第2弁692を閉じてもよい。この結果、泡生成部620から泡が供給されている間、水は、第2循環経路612を通じて、収容槽510へ不必要に流入しない。したがって、泡は、第2循環経路612から流入する水に妨げられることなく、衣類に適切に接触することができる。
図13を参照して説明された如く、泡洗浄工程の後に、シャワー工程が行われてもよい。シャワー工程において、制御部300Aは、第1弁691を閉じる一方で、第2弁692を開いてもよい。また、制御部300Aは、循環ポンプ610の回転数を、ステップS130において設定された回転数と、ステップS160において設定された回転数との間の値に設定してもよい。この結果、第2枝管652内の水の流量は、泡洗浄工程と比べて増大する。比較的多い量の水が、水槽540に流入するので、水は、投入口511に向けて噴射される。その後、水は、回転ドラム530内の衣類に降りかかることとなる。したがって、泡洗浄工程において、衣類に付着した泡膜が含む高濃度の界面活性剤は、衣類に適切に染み込むことができる。この結果、シャワー工程において、衣類は効果的に洗浄される。
図17は、洗濯機100Aの洗い動作サイクルに関するプログラムの概念図である。図16及び図17を参照して、洗濯機100Aの洗い動作サイクルが説明される。
(ステップS210)
図17中の記号「n」は、泡洗浄工程及びシャワー工程の実行回数を表すカウント値に関するパラメータである。ステップS210において、制御部300Aは、カウント値「n」を「0」に設定する。その後、ステップS220が実行される。
(ステップS220)
ステップS220において、泡洗浄工程が実行される。制御部300Aは、第1弁691を開く一方で、第2弁692を閉じる。また、制御部300Aは、循環ポンプ610の回転数を、シャワー工程における回転数よりも高く設定する。この結果、第1循環経路611を通過する水の流量は、シャワー工程と比べて増大される。一方、第2循環経路612を通過する水の流量は、シャワー工程と比べて低減される。泡洗浄工程が完了すると、ステップS230が実行される。
(ステップS230)
ステップS230において、シャワー工程が実行される。制御部300Aは、第1弁691を閉じる一方で、第2弁692を開く。また、制御部300Aは、循環ポンプ610の回転数を、泡洗浄工程における回転数よりも低く設定してもよい。この結果、第1循環経路611を通過する水の流量は、泡洗浄工程と比べて低減される。一方、第2循環経路612を通過する水の流量は、泡洗浄工程と比べて増大される。シャワー工程が完了すると、ステップS240が実行される。
(ステップS240)
ステップS240において、制御部300Aは、カウント値「n」を「1」だけ増大させる。その後、ステップS250が実行される。
(ステップS250)
図17中の記号「N」は、カウント値「n」に対して定められた閾値である。ステップS250において、制御部300Aは、カウント値「n」を閾値「N」と比較する。カウント値「n」が閾値「N」を上回っているならば、ステップS260が実行される。この結果、カウント値「n」が閾値「N」を上回るまで、ステップS220及びステップS230が交互に行われる。他の場合には、ステップS220が実行される。
(ステップS260)
ステップS260において、循環攪拌工程が実行される。循環攪拌工程において、洗濯機100Aは、一般的な洗濯機(泡生成機能を有さない洗濯機)と同様の動作を行い、衣類を洗浄してもよい。その後、ステップS270が実行される。
(ステップS270)
ステップS270において、洗濯機100Aから汚れた水が排水される。
上述の様々な要素の詳細な設計やレイアウトは、本実施形態の原理を何ら制限しない。例えば、上述の泡生成部に対する水や空気の流量制御は、既知の様々な配管技術によって達成可能である。したがって、上述の実施形態からの変更、省略や追加によってもたらされた装置やシステムも、本実施形態の原理から何ら逸脱するものではない。