JP6072330B2 - パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物及び無電解めっき皮膜の形成方法 - Google Patents

パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物及び無電解めっき皮膜の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物、無電解めっき皮膜の形成方法、皮膜及び成形品に関する。
ポリプロピレン(PP)やABS樹脂(ABS)等の樹脂成形品に、部分的な装飾めっきを形成する方法として、現在、一般的に実施されている工法は次の通りである。
ABS及びポリカーボネート(PC)の二色成形品で、ABSのみを選択的にめっきする事により部分めっきを表現する方法がある。このプロセスは、成形金型として単色成形金型を用いる方法と比較すると、金型費用が約2倍かかる。また、ABSとPCの見切りに成形ガスによる汚染があると、めっき後の見切りにバリ等の不具合が発生してしまう。その結果、成形金型のメンテナンス周期も短くなる傾向がある。
その他、全面めっきを施し、次いでめっき体裁部にマスキングを行い、非めっき部に塗装等を施して、次いでマスキングを剥離する事により、めっき部と塗装部(非めっき部)の組み合わせにより部分めっきを表現する方法がある。このプロセスは、マスキング等の工程が必要となり、工数も増えるため、より多くの製造費用がかかる。しかも、めっき上の塗装が必要になり、めっきと塗装との間で密着性に問題がある。
また、成形後に未めっき部に塗装等の方法によりマスキングを実施し、次いで未マスキング部にめっきを施し、次いで、マスキングを剥離する事により、部分めっきを表現する方法がある。このプロセスも、マスキング等の工程が必要となり、工数も増えるため、より多くの製造費用がかかる。しかも、めっき上の塗装が必要になり、めっきと塗装との間で密着性に問題がある。
樹脂成形品のめっきでは、樹脂成形品とめっきとの間に、優れた密着性が要求される。そのため、樹脂成形品の表面に微細な凹凸を形成するエッチングを行う(粗化する)ことで、アンカー効果(投錨効果)を付与することができる。しかし、このエッチングは、工程が煩雑である上、クロム酸等の環境負荷の高い薬品を使用する必要がある。
これらの問題点を解決すべく、次の技術が提案されている。
特許文献1では、基材上に導電性又は還元性の高分子微粒子、バインダー及び無機系フィラーを含み、且つ50cps以上の粘度を有する下地塗料を用いて、汎用の印刷法により、パターン化された金属膜を形成し、無電解めっきする方法が提案されている。また、特許文献2では、めっきのパターンを形成したい箇所にレーザー光を照射して、表面を粗化し、その後に触媒を付与することで、部分的に無電解めっきを施す方法が提案されている。
しかし、特許文献1では、無電解めっき工程との間に、塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行う触媒付与工程が必要である。また特許文献2では、無電解めっき工程の前に、錫やパラジウム等の混合触媒液に浸漬し、次いで塩酸、硫酸等の酸で活性化し、表面にパラジウムを析出させる工程、或いは塩化第一錫等の比較的強い還元剤を表面に吸着させ、貴金属イオンを含む触媒溶液に浸漬する工程が必要である。即ち、特許文献2では、工程数は従来のクロム酸によるエッチングと変わらず、工程が煩雑である。
特許文献3では、ポリイミド−シリカ複合微粒子を用いて、無電解メッキする方法が提案されている。その複合微粒子には、アルコキシ基含有シラン変性ポリアミック酸組成物が使用されている。
しかし、特許文献3では、無電解めっき工程との間に、塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行う触媒付与工程が必要であり、工程が煩雑である。また、基材となるポリイミドフィルム中にシリカ粒子が含有されるため、基材本来の特性が損なわれる。
また、特許文献4では、パラジウム粒子と分散剤との複合体、溶媒、及びバインダー樹脂を含有する無電解めっき用塗料組成物を用いて、インクジェット印刷方式、グラビアオフセット印刷方式又はフレキソ印刷方式により、パターン印刷することで、部分的に無電解めっきを施す方法が提案されている。特許文献4では、各種印刷法によりパターンを形成し部分めっきが可能であり、且つ無電解めっき工程の前に煩雑な触媒付与工程を必要としない。
特許文献4では、塗膜中に存在するPd複合体の内部の溶媒が乾燥し、塗膜表面のクレーター状の凹凸にめっき皮膜が形成される。その結果、塗膜とめっき皮膜との間でアンカー効果が生じる。ここで、装飾用めっきとして一般的に用いられる多層めっき工程に対しては、より優れた密着強度が要求される。前記「多層めっき」とは、無電解めっきの後、数μm程度の厚みの電解銅めっき、同程度の厚みの半光沢ニッケルめっき、光沢ニッケルめっき、サブミクロン程度のクロムめっきを施すことを示す。この多層めっきは、自動車に用いられるプラスチック内外装部品として広く用いられている。
特開2010-95776号公報 特開2011-17069号公報 特開2005-325147号公報 特開2013-1955号公報
本発明は、プラスチック上にパターンめっきを行う無電解めっきにおいて、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきまでの多層めっきに耐え得る優れた密着性と、装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性とを発現できる無電解めっき前処理インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明は、更に、前記インキ組成物を用いて、パターンの拡がりを抑えた部分めっき方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、特定のパターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物を用いることで、塗布処理、硬化処理、アルカリ処理、及び無電解めっき処理を行う場合に、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきに耐え得る優れた密着性と、装飾用めっきに耐えうる優れた平滑性を発現できるめっき皮膜を形成することが可能であることを見出した。
本発明者らは、更に、インキ組成物を用いることで、基材上にパターンの拡がりを抑えて、部分めっきを形成することが可能であることも見出した。
即ち、本発明は、次のパターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物等である。
項1.
以下の(1)〜(4):
(1)パラジウム粒子と分散剤との複合体
(2)溶媒
(3)バインダー
(4)ナノ粒子
を含有するパターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物。
項2.
前記ナノ粒子が無機系酸化物である、前記項1に記載のインキ組成物。
項3.
前記ナノ粒子の平均粒子径が10〜1,000nmの範囲である、前記項1又は2に記載のインキ組成物。
項4.
前記ナノ粒子が二酸化ケイ素である、前記項1〜3のいずれかに記載のインキ組成物。
項5.
前記ナノ粒子が表面処理されていることを特徴とする、前記項1〜4のいずれかに記載のインキ組成物。
項6.
前記ナノ粒子の添加量が(3)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲である、前記項1〜5のいずれかに記載のインキ組成物。
項7.
前記項1〜6のいずれかに記載のインキ組成物を用い、塗布処理、硬化処理、アルカリ処理及び無電解めっき処理を行うことで、基材上にパターンめっきを形成する方法。
項8.
前記項7に記載の方法で形成した無電解めっき皮膜。
項9.
前記項8に記載の無電解めっき皮膜を載せた成形品。
本発明のパターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物(以下「インキ組成物」とも記す)を用いて、所定の方法にて、塗布処理、硬化処理、アルカリ処理、次いで無電解めっき処理を行うことで、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきに耐え得る優れた密着性と、装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性を発現できる皮膜を形成することが可能である。前記インキ組成物を用いると、更に、基材上にパターンの拡がりを抑えつつ、部分めっきを形成することが可能である。
また、本発明のインキ組成物を用いて形成させた皮膜は、温度差による基材とめっき皮膜の間に生じる応力を緩和する効果に優れる。通常、樹脂基材とめっき皮膜との間では、温度差が生じた際に両者の膨張係数の差から生じる応力により、密着性の低下が生じる。しかし、本発明のインキ組成物からなる皮膜は、基材とめっき皮膜との間に存在することで、その応力を緩和し、密着力の低下を防ぐことが可能になる。
そのため、本発明のインキ組成物を用いて形成させためっき皮膜は、温度差の大きい環境に長時間曝されても、高い密着性を維持することができる。
本発明のインキ組成物を用いると、無電解めっきの反応性を向上させる目的で、無電解めっきの還元剤濃度を高めたり、反応温度を上げたりする等の処理を必要としない。そのため、無電解めっき液の安定性が向上し、めっき浴管理を容易にすることが可能である。前記インキ組成物を用いると、更に、有害な物質によるエッチング工程、煩雑な触媒付与工程等を必要としない。
基材上に、パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物をマスキングスプレー塗装後、硬化処理、アルカリ処理及び無電解めっき処理を行ったものの断面TEM写真である。 図1の視野におけるパラジウム元素(Pd粒子)の分布状態を示す図である。 図1の視野における銅元素(Cu粒子)の分布状態を示す図である。
以下に本発明を詳細に説明する。但し、この実施の形態は、発明の趣旨をよく理解させため具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
[1]パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物
本発明のパターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物は、以下の(1)〜(4):
(1)パラジウム粒子と分散剤との複合体
(2)溶媒
(3)バインダー
(4)ナノ粒子
を含有することを特徴とする。
本発明の「パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物」とは、前記(1)〜(4)を含むインキ組成物であって、パターンめっき又は部分めっき処理をするために、無電解めっきの前処理で使用されるインキ組成物である。
(1)パラジウム粒子と分散剤との複合体
本発明のインキ組成物は、パラジウム粒子(以下「Pd粒子」とも記す)と分散剤との複合体(以下「パラジウム複合体」、「Pd複合体」とも記す)を含む。
前記Pd複合体は、次の方法で製造することができる。
ポリカルボン酸系高分子等の分散剤の存在下、塩化パラジウム等のパラジウム化合物(以下「Pd化合物」とも記す)から供給されるパラジウムイオン(以下「Pdイオン」とも記す)を、ヒドラジンヒドラート等の2級又は3級アミン類で還元することによって得ることができる。
分散剤
前記分散剤として、ポリカルボン酸系分散剤、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を有するブロック共重合体型高分子分散剤等を用いることが好ましい。分散剤は、市販品を使用することもできる。
ポリカルボン酸系高分子分散剤として、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリカルボン酸トリエチルアミン塩、ポリカルボン酸トリエタノールアミン塩等を使用することが好ましい。例えば、サンノプコ(株)製ノプコサントK,R,RFA、ノプコスパース44-C、SNディスパーサント5020, 5027, 5029, 5034, 5045, 5468、花王(株)製デモールP,EP,ポイズ520, 521, 530, 532A等を使用することができる。
ヒドロキシル基を有するブロック共重合体型高分子分散剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルヒドロキシエーテルカルボン酸塩等を使用することが好ましい。例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製DISPERBYK190, 2010等を使用することができる。
カルボキシル基を有するブロック共重合体型高分子分散剤として、アクリル酸−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸−スルホン酸共重合体等を使用することが好ましい。例えば、ビックケミー・ジャパン(株) DISPERBYK180, 187, 191, 194、(株)日本触媒製アクアリックTL, GL, LSを使用することができる。
分散剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。分散剤の中でも、カルボキシル基を有するブロック共重合体型高分子分散剤が好ましい。
Pd粒子
前記Pd粒子は、分散剤の存在下、Pd化合物から供給されるPdイオンを、還元剤を用いて還元することによって得ることができる。
前記Pdイオンを供給するPd化合物として、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、安息香酸パラジウム、サリチル酸パラジウム、パラトルエンスルホン酸パラジウム、過塩素酸パラジウム、ベンゼンスルホン酸パラジウム等を用いることが好ましい。
Pd化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記還元剤として、ヒドラジンヒドラート(ヒドラジン1水和物)、水素化ホウ素ナトリウム、N,Nジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等の2級又は3級アミン類を用いることが好ましい。
還元する際に使用される溶媒(分散剤及びPdイオンを存在させるための溶媒)は、次の(2)溶媒を使用することができる。溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。Pdイオンを還元する方法としては、溶媒中に分散剤及びPdイオンを存在させた後、還元剤を前記溶媒中に加える方法が挙げられる。これによりPdイオンと還元剤とが接触し、Pdイオンを還元することができる。
Pd粒子の多くは、分散剤の外側に付着していると考えられる。例えば、Pd複合体の形状(分散剤全体の形状)が密集した球状である場合、Pd粒子の多くは当該球状の表面側(外側)に付着していると考えられる。
Pd複合体中のPd粒子と分散剤との重量比は、Pd粒子:分散剤=35:65〜85:15程度が好ましく、Pd粒子:分散剤=50:50〜75:25程度がより好ましい。
Pd粒子単独の平均粒子径は、特に限定されず、2〜10nm程度が好ましい。Pd粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定することが可能である。Pd粒子単独の平均粒子径は、Pd粒子をランダムに10点選択し、そのPd粒子の粒子径を透過型電子顕微鏡で測定して、個数平均することで算出することができる(個数基準平均径)。
Pd複合体の平均粒子径は、特に限定されず、全体としては平均粒子径10〜300nm程度の球形状の構造を有していることが好ましく、10〜100nmがより好ましい。Pd複合体の平均粒子径は、粒径アナライザー(大塚電子株式会社、FPAR-1000)で測定することが可能である(重量基準平均径)。
(2)溶媒
本発明のインキ組成物は、溶媒を含む。
溶媒(分散媒)は、Pd複合体を分散させることができる。また、溶媒はバインダーとの親和性に優れている。無電解めっき用塗料組成物中のPd複合体の分散性を付与できるという観点から、水及びN-メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
非プロトン性極性溶媒として、N-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)等の非プロトン性極性溶媒;ジメチルスルホキシド;γ-ブチロラクトン等を用いることが好ましい。非プロトン性極性溶媒の中でも、NMP、DMF及びDMAcからなる群から選ばれた少なくとも1種がより好ましい。
溶媒は、Pdイオンの還元反応後に変換することが可能である。例えば、溶媒を水からNMPに変換することが可能である。
Pd複合体の分散溶媒の含有量は、特に限定されず、前記Pd複合体100重量部に対して、1×102〜1×106重量部程度が好ましい。溶媒が水である場合は、前記Pd複合体100重量部に対して5×103〜3×105重量部が好ましく、1×104〜2×105重量部がより好ましい。溶媒が非プロトン性極性溶媒である場合は、前記Pd複合体100重量部に対して5×102〜5×103重量部が好ましく、1×103〜3×103重量部がより好ましい。
溶媒は、更に、前記インキ組成物に含まれる(1)パラジウム粒子と分散剤との複合体の分散性、(3)バインダーの溶解性、及び(4)ナノ粒子の分散性等を考慮し、更にインキ組成物の粘度、蒸発速度、インキ組成物と基材(ABS樹脂、ガラス板等)との密着性の観点で選択することが好ましい。これらの観点を満足させるため、前記Pd複合体の分散を目的として使用した溶媒の他に、さらに別種の溶媒を追加して用いることができる。
具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、1-ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル、サリチル酸メチル等の芳香族カルボン酸エステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n-へキサン、n-へプタン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテルエステル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルカノールエステル類;2-フェノキシエタノール(エチレングリコールフェニルエーテル)等を追加で用いることが好ましい。
特に、印刷性及び塗装性、印刷・塗装後のレベリング過程を考慮して、蒸発速度が遅い溶媒の使用が好ましい。蒸発速度が遅い溶媒として、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート及び2-フェノキシエタノールが例示される。これらの溶媒は希釈溶媒として用いることができる。
溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(3)バインダー
本発明のインキ組成物は、バインダーを含む。
バインダーは、インキ組成物の粘度、インキ組成物と基材(ABS樹脂、ガラス板等)との密着性、硬化条件等の観点から、良好に無電解めっきの反応性が得られるものを選択することが好ましい。バインダーは、前記溶媒に分散又は溶解するものである。
具体的には、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、シェラック樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル塩化ビニル共重合樹脂、ブチラール樹脂等を用いることが好ましい。
前記アクリル樹脂は、アクリル酸エステルの重合体若しくはメタクリル酸エステルの重合体又はこれらをコモノマーとする共重合体であり、例えばポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等を用いることが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂とは、ポリイミド主鎖にアミド結合を導入した樹脂であり、無水トリメリット酸とジイソシアネートとの反応や無水トリメリット酸クロライドとジアミンとの反応等で得られる樹脂を用いることが好ましい。
バインダーは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、エポキシ樹脂及びポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種が更に好ましい。
バインダーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
バインダーの含有量は、Pd複合体100重量部に対して、1〜1×105重量部程度が好ましく、50〜5×104重量部程度がより好ましい。
(4)ナノ粒子
本発明のインキ組成物は、ナノ粒子を含む。
ナノ粒子は、無電解めっきの反応の妨げとならなければ、特に限定されるものではない。
ナノ粒子として、無機系酸化物を用いることが好ましい。
無機系酸化物としては、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等を用いることが好ましい。
無機系酸化物の中でも、二酸化ケイ素を主成分とするナノ粒子を用いることが好ましい。二酸化ケイ素(SiO2)を主成分とするナノ粒子としてシリカがある。シリカは、二酸化ケイ素の他に無水ケイ酸、ケイ酸、酸化シリコンと呼ばれる。二酸化ケイ素を主成分とするナノ粒子は、ナノ粒子自体がアルカリ処理にて、溶解するため、無電解めっきの反応性及び密着性が高い。
アルカリ処理にて溶解しないナノ粒子であっても、バインダー樹脂を用いることで、バインダー樹脂がアルカリ処理にて膨潤し、溶解する結果、そのナノ粒子とバインダーとの間に隙間が生じ、またナノ粒子が脱落するため、アルカリ処理にて溶解するナノ粒子と同程度の効果を得ることができる。
ナノ粒子として金属粒子を使用すると、添加した金属が前記バインダーである有機成分の酸化分解触媒として働く場合がある。そのため、本発明では、ナノ粒子として金属粒子を使用することはあまり好ましくない。
ナノ粒子の形状は、特に限定されない。ナノ粒子の形状は、球形、多角形等であることが好ましい。
ナノ粒子添加量は、前記バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部程度が好ましく、0.05〜20重量部程度がより好ましく、0.1〜3重量部程度が更に好ましい。ナノ粒子の添加量が前記範囲であることで、インキ組成物の粘度が良好に維持され、塗布し易いインキ組成物となる。また、インキ組成物と基材との密着性が良好であり、無電解めっき膜が容易に剥離されない。
言い換えると、ナノ粒子の添加量が多過ぎると、粘度上昇が大きくなり過ぎ、塗布し難くなる傾向がある。また、インキ組成物と基材との密着性が低くなり、無電解めっき膜がテープで容易に剥離する現象を引き起こす傾向がある。少ないと添加の効果を十分に得ることができない。
ナノ粒子の平均粒子径は、10〜1,000nm程度の範囲であることが好ましく、10〜500nm程度がより好ましく、10〜250nm程度が更に好ましい。
ナノ粒子に規定する平均粒子径の範囲を満たさない粒子が含まれていても、本発明の効果を損なわない範囲内であれば特に制限されない。
本発明で、ナノ粒子の平均粒子径とは、ナノ粒子の一次粒子の粒子径を意味する。
ナノ粒子の粒子径は、その粒子径範囲により、およそ0.1μm以下であれば動的光散乱法や電子顕微鏡観察によりにより求めることが可能である。また、ナノ粒子の粒子径は、およそ0.1μm以上であればレーザー回折・散乱法により求めることが可能である。
ナノ粒子の平均粒子径は、動的光散乱法で測定したものは散乱光強度基準による調和平均粒子径(直径)とする。ナノ粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法で測定したものは体積基準のメジアン径とする。
ナノ粒子の平均粒子径が10〜1,000nm程度の範囲であることで、粒子は凝集され難く、分散性が良好で、インキ組成物の扱い性が良い。また、ナノ粒子を含むインキ組成物を使用した場合に、めっき後の外観が良好である。言い換えると、ナノ粒子の平均粒子径が10nm未満の粒子は、凝集力が強く、分散し難くなり、インキ組成物の良好な扱い性を得られなくなる傾向がある。また、インキ組成物に平均粒子径が1,000nmを超えるナノ粒子を使用すると、インキ組成物を用いてめっきすると、外観が劣る傾向がある。
ナノ粒子の表面処理
ナノ粒子は表面処理されていることが好ましい。つまり、本発明のインキ組成物は、ナノ粒子を含み、それは表面処理されたナノ粒子であること(表面処理ナノ粒子)が好ましい。
ナノ粒子が表面処理されていることで、ナノ粒子同士が良好に分散し、再凝集が引き起こさず、インキ組成物を用いて均一なめっきを得ることができる。言い換えると、表面処理がないと、粒子同士の分散不良並びに再凝集が起き易く、均一なめっきとならない傾向がある。
ナノ粒子の表面処理として、親水性処理及び疎水性処理を共に利用することができる。ナノ粒子の表面処理は、インキ組成物に含まれる前記溶媒及びバインダーの種類によって、適宜選択することができる。
ナノ粒子の表面処理は、前記バインダー及び溶媒が疎水性を持つものが多いことから、疎水性処理が好ましい。疎水性処理として、シランカップリング剤を用いた表面処理が好ましい。
表面処理に使用されるシランカップリング剤として、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を用いることが好ましい。
表面処理として分散安定性の観点から、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
ナノ粒子(無機系酸化物)の表面処理は、例えば、未処理の無機充填材を混合機で常温にて攪拌分散させながら、前記シランカップリング剤を添加噴霧して5〜15分間攪拌することによって行なうことができる。混合機として、公知の混合機を使用することができ、例えばVブレンダー、リボンブレンダー、バブルコーンブレンダー等のブレンダー、ヘンシェルミキサー、コンクリートミキサー等のミキサー、ボールミル等を用いることが好ましく、ミキサーを用いることがより好ましい。
例えば、シランカップリング剤として、フェニルトリメトキシシラン((CH3O)3SiC6H5)、フェニルトリエトキシシラン((C2H5O)3SiC6H5)等を用いると、ナノ粒子の表面をフェニルシラン処理することが可能である。本発明のインキ組成物は、表面がフェニルシラン処理されたナノ粒子、言い換えると、表面がフェニルシラン基で表面改質されたナノ粒子やりフェニルシラン表面処理ナノ粒子を含むことが好ましい。
シランカップリング剤の処理量はナノ粒子100重量部当たり0.5〜2重量部程度が好ましい。
ナノ粒子は、平均粒子径が10〜1,000nm程度の球状シリカであることが好ましく、シリカはシランカップリング剤で表面処理(疎水性処理)されていることが好ましい。
本発明のインキ組成物はナノ粒子(二酸化ケイ素等)や表面処理されたナノ粒子(フェニルシラン処理されたシリカ等)を含む。これを用いて、所定の方法にて、塗布処理、硬化処理、アルカリ処理、次いで無電解めっき処理を行うことで、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきに耐え得る優れた密着性と、装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性を発現できる皮膜を形成することが可能である。前記インキ組成物を用いると、更に、基材上にパターンの拡がりを抑えつつ、部分めっきを形成することが可能である。
本発明のインキ組成物はナノ粒子や表面処理されたナノ粒子を含むことから、これを用いて形成させた皮膜は、温度差による基材とめっき皮膜の間に生じる応力を緩和する効果に優れる。その皮膜は、基材とめっき皮膜との間に存在することで、その応力を緩和し、密着力の低下を防ぐことが可能になる。
本発明のインキ組成物を用いて形成させためっき皮膜は、温度差の大きい環境に長時間曝されても、高い密着性を維持することができる。
[2]パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物の製造方法
本発明の前記(1)Pd粒子と分散剤との複合体、(2)溶媒、(3)バインダー及び(4)ナノ粒子を含有するインキ組成物は次の方法で製造することができる。Pd粒子は、前述の通り、分散剤の存在下、Pd化合物から供給されるPdイオンを、還元剤を用いて還元することによって得ることができる。
即ち、本発明のインキ組成物は、
(i)(2)溶媒中に、Pdイオンと分散剤とを存在させ、還元剤を用いてそのPdイオンを還元し、(1)Pd粒子と分散剤との複合体を作製する工程、
(ii)(2)溶媒中に、(4)ナノ粒子を分散させ、次いで(3)バインダーを混合して混合物を作製する工程、並びに、
(iii)前記工程(i)で得られた(2)溶媒及び(1)Pd粒子と分散剤との複合体の混合物に、前記工程(ii)で得られた(2)溶媒、(4)ナノ粒子及び(3)バインダーの混合物を混合する工程、
を含む製造方法により製造することが好ましい。
工程(i)及び工程(ii)は、どちらが先の工程であっても良い。
前記製造方法によれば、パターンめっき又は部分めっき処理をするために、無電解めっきの前処理で使用されるインキ組成物を製造することができる。
本発明のインキ組成物を用いると、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきに耐え得る優れた密着性と、装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性を発現できる皮膜形成することが可能である。前記インキ組成物を用いると、更に、基材上にパターンの拡がりを抑えつつ、部分めっきを形成することが可能である。
前記インキ組成物を用いると、無電解めっきの反応性を向上させる目的で、無電解めっきの還元剤濃度を高めたり、反応温度を上げたりする等の処理を必要としない。前記インキ組成物を用いると、更に、有害な物質によるエッチング工程、煩雑な触媒付与工程等を必要としない。
工程(i)
(2)溶媒中に、Pdイオンと分散剤とを存在させ、還元剤を用いてそのPdイオンを還元し、(1)Pd粒子と分散剤との複合体を作製する。
先ず、Pdイオンと分散剤とを溶媒(分散媒)中に存在させる。Pdイオンとして、供給源として前記Pdイオンを供給するPd化合物を使用することができる。
各成分の使用量(重量部)は「Pd化合物」基準とする。
分散剤として、前記分散剤を使用することができる。Pdイオンと分散剤との使用比率(重量比)は、Pd化合物100重量部に対して、分散剤を10〜200重量部程度使用することが好ましく、30〜150重量部程度がより好ましく、50〜100重量部程度が更に好ましい。
溶媒として、前記水等の(2)溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、Pdイオンと分散剤を均一に存在させることができれば特に限定されず、Pd化合物100重量部に対して、1×104〜3×105重量部程度が好ましく、1×104〜1×105重量部程度がより好ましい。
次に、Pdイオンと還元剤とを反応させることにより、Pdイオンが還元剤によって還元される。即ち、Pdイオンの還元反応が生じ、結果として前記(1)Pd粒子と分散剤との複合体(Pd複合体)を得ることができる。その還元剤として、前記Pd複合体を作製するために使用される還元剤を使用することができる。還元剤の使用量は、特に限定されず、Pd化合物100重量部に対して、100〜800重量部程度が好ましく、200〜600重量部程度がより好ましい。
還元剤を用いる反応は、35〜45℃程度の温度で行うことが好ましく、50〜60℃程度まで昇温することが好ましい。反応時間は、特に限定されず、1〜5時間程度とすることが好ましい。
反応の際の圧力及び雰囲気は、特に限定されず、大気圧下又は大気(空気)雰囲気下で行うことが好ましい。反応はビーカー等の開放系で行うことができる。反応方法として、Pdイオン(Pd化合物)、分散剤及び還元剤を含有する溶液を羽根付き撹拌棒で撹拌することが好ましい。
溶媒及びPd粒子と分散剤との複合体を含む混合物(Pd複合体含有液)を限外濾過し、Pd粒子と分散剤との複合体を分離することが好ましい。この操作により、Pd複合体含有液に含まれる無機塩や過剰の分散剤等を除去することができる。例えば、Pd複合体含有液に対して濾過処理を行い、水、NMP等の溶媒を補填することが可能である。この処理は、操作を繰り返すことができる。
Pdイオンの還元反応後に溶媒を変換することが可能である。例えば、前記溶媒として水を使用し、その後、前記水をNMP等(溶媒、分散媒)に変換することにより、NMP((2)溶媒)及び(1)Pd粒子と分散剤との複合体の混合物を作製することが可能である。
工程(ii)
(2)溶媒中に、(4)ナノ粒子を分散させ、次いで(3)バインダーを混合して混合物を作製する。
ナノ粒子を溶媒(分散媒)中に分散させる。ナノ粒子は、前記ナノ粒子を使用することができ、表面処理されたナノ粒子を用いることが好ましい。ナノ粒子は、平均粒子径が10〜1,000nm程度の球状シリカであることが好ましく、シリカはシランカップリング剤で表面処理(疎水性処理)されていることが好ましい。
溶媒として、前記2-フェノキシエタノール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン等の(2)溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、ナノ粒子を均一に存在させることができれば特に限定されず、ナノ粒子100重量部に対して、100〜10,000重量部程度が好ましく、200〜5,000重量部程度がより好ましい。
バインダーとして、前記(3)バインダーを使用することができる。バインダーの使用量は、インキ組成物の粘度、インキ組成物と基材(ABS樹脂、ガラス板等)との密着性、硬化条件等の観点から、ナノ粒子100重量部に対して、1〜10,000重量部程度が好ましく、5〜2,000重量部程度がより好ましく、33〜1000重量部程度が更に好ましい。
混合は、特に限定されず、大気圧下又は大気(空気)雰囲気下で行うことが好ましい。混合はビーカー等の開放系で行うことができる。混合方法として、溶媒、ナノ粒子及びバインダーを含有する混合物を羽根付き撹拌棒で撹拌することが好ましい。
工程(iii)
前記工程(i)で得られた(2)溶媒及び(1)Pd粒子と分散剤との複合体の混合物に、前記工程(ii)で得られた(2)溶媒、(4)ナノ粒子及び(3)バインダーの混合物を混合する。
[3]パターンめっきを形成する方法
本発明のインキ組成物を用い、塗布処理、硬化処理、アルカリ処理及び無電解めっき処理を行うことで、基材上にパターンめっきを形成することができる。本発明のインキ組成物を用い、(i)基材上にインキ組成物を塗布し、(ii)そのインキ組成物に含まれる(2)溶媒を揮発及び/又は乾燥させ、(iii)そのインキ組成物に含まれる(3)バインダーを硬化させ、(iv)インキ組成物が塗布された基材をアルカリ処理し、(v)その基材を無電解めっきすることが好ましい。
基材
本発明で使用される基材は、特に限定されない。
基材として、プラスチック(樹脂)、ガラス、金属、セラミックス等を用いることが好ましい。
プラスチック(樹脂)として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリメチルペンテン(TPX)等のポリオレフィン等を用いることが好ましい。
プラスチック(樹脂)として、また、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン及びスチレンの共重合合成樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル、エチレン及びスチレンの共重合合成樹脂)等を用いることが好ましい。
プラスチック(樹脂)として、更に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸エステル等のポリエステル;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂;ポリカーボネート(PC);PC/ABS;ポリ塩化ビニル;ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリエーテルイミド;ポリアセタール;ポリエーテルエーテルケトン;ノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン;ポリフェニレンスルファイド(PPS);液晶ポリマー(LCP);変性ポリフェニルエーテル;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン(PES);フェノール;ポリフタルアミド(PPA);ポリアリレート等を用いることが好ましい。
セラミックスとしては、ガラス、アルミナ等が挙げられる。また、基材として不織布を使用する場合、木質繊維、ガラス繊維、石綿、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ポリオレフィン繊維等の不織布が挙げられる。
基材の形状としては、特に限定されない。例えば、板状(又はフィルム状)、不織布状(又は織布状)、糸状、金型で成形された各種形状、等のいずれであってもよい。
基材によって、インキ組成物に含まれる溶剤、バインダー等を適宜選択することができる。
塗布処理
基材に対して本発明のインキ組成物を塗布する方法は限定されない。
塗布方法としては、バーコーター、グラビア印刷機(グラビアオフセット)、フレキソ印刷機、インクジェット印刷機、ディスペンサー、ディッピング、スプレー、スピンコーター、ロールコーター、リバースコーター、スクリーン印刷機等を用いる塗布方法がある。マスキングレスや生産効率の観点ではグラビアオフセット印刷やパッド印刷、ディスペンサーが好ましい。パターンによってはスプレー塗装が好ましい。
塗布方法に合わせて、インキ組成物の粘度を調整することが好ましい。
グラビアオフセット印刷やパッド印刷にて塗布する場合、インキ組成物の粘度は50〜1,000mPa・s程度が好ましい。
ディスペンサーにて塗装する場合や、マスキングを施した上で、スプレー塗装する場合、インキ組成物の粘度は100mPa・s程度以下が好ましい。
乾燥及び硬化前のインキ組成物の膜厚は、使用用途によって適宜選択することができ、インキ組成物の粘度に依存する。その膜厚は、インキ組成物を良好に塗布できる観点から、1〜120μm程度が好ましく、10〜100μm程度が更に好ましい。その膜厚が120μmを超えると、インキ組成物が液垂れを引き起こす傾向がある。
硬化処理
基材にインキ組成物を塗布した後、インキ組成物に含まれる溶媒(溶剤)を揮発及び/又は乾燥させ、次いで硬化処理を行う。硬化処理により、バインダーが硬化される。
基材にインキ組成物を塗布した後、乾燥処理を行うことができる。乾燥処理によって、無電解めっきを行う際に不必要な溶媒を効率的に除去するとともに、塗膜と基材との密着性及び塗膜の表面強度を向上させることができる。乾燥処理の温度は、60〜400℃程度が好ましく、80〜150℃程度がより好ましい。乾燥処理の時間は、乾燥温度に合わせて、6秒〜60分程度が好ましく、10分〜30分程度がより好ましい。
硬化処理の温度はインキ組成物に含まれる前記(3)バインダーの種類に合わせて調整することができる。硬化処理の温度は40〜400℃程度が好ましい。また、基材としてプラスチックを用いる場合、プラスチック素材の軟化温度を考慮し、硬化処理の温度を40〜200℃程度に設定することが好ましい。
乾燥及び硬化後のインキ組成物の膜厚は、インキ組成物の固形分濃度に依存する。その膜厚は、無電解めっきを効率良く行うことができ、十分なめっき密着性が発揮されるという点から、0.05〜20μm程度が好ましく、1〜5μmが更に好ましい。その膜厚が0.05μm未満であっても、無電解めっきの反応性を得ることができるが、めっき密着性については十分に発揮されない傾向がある。その膜厚が20μmを超えると、無電解めっきの反応速度が劣る傾向がある。
アルカリ処理
インキ組成物に含まれる溶媒を揮発及び/又は乾燥させ、インキ組成物に含まれるバインダーを硬化した後に、インキ組成物が塗布された基材をアルカリ処理する。
アルカリ処理によりバインダー成分に被覆されていない最表層のナノ粒子を溶解及び/又は脱落させることができる。その結果、その最表層の次の表層(最表層の下層)の薄い膜のバインダー成分で被覆されたナノ粒子層を露出させることができる。
このアルカリ処理は、非常に重要な工程である。
本発明のインキ組成物を用いて、これら一連の処理を行うことにより、基材上にインキ膜を形成することができる。インキ膜には、Pd複合体が含まれる。Pd複合体は、塗膜に対して均一に分散された状態で存在する。そのため、インキ膜上に対して、より効率的に無電解めっきを行うことができる。
無電解めっき処理
アルカリ処理後のインキ(組成物)膜を、水洗した後、無電解めっきを行うことで、基材の上にパターンめっきを形成することができる。インキ膜が形成された基材は、金属を析出させるためのめっき液と接触し、これにより無電解めっき皮膜が形成される。本発明のインキ組成物によって形成されたインキ膜は、無電解めっきの反応性がよく、得られた無電解めっき皮膜はむらがなく、密着性及び外観性に優れる。
めっき液は、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば特に限定されない。めっき液として、例えば、銅、金、銀、ニッケル、クロム等を用いることが好ましい。めっき液として、本発明のインキ組成物によって形成されたインキ膜との関係から、銅又はニッケルを含むめっき液を用いることが好ましい。
めっき条件は、常法に従うことができる。本発明のインキ膜は無電解めっきの反応性が非常に良好であるため、めっき液の還元剤濃度やアルカリ成分濃度を高める必要がない。そのため、めっき液の寿命が長持ちするだけでなく、インキのパターン通りにめっきが選択的に析出される。即ち、本発明のインキ組成物から形成されるインキ膜は、パターン形成能に優れる。
無電解めっき処理で、無電解銅めっき浴を用いる場合、その処理温度は25〜65℃程度が好ましく、その処理時間は10〜20分程度が好ましい。この無電解めっき処理により、0.3〜1.0μm程度の析出膜厚を形成することができる。
無電解めっき処理で、無電解ニッケルボロン浴を用いる場合、その処理温度は55〜70℃程度が好ましく、その析出速度は5μm/hr(60℃)程度が好ましい。
無電解めっき処理で、無電解ニッケルりん浴を用いる場合、その処理温度は30〜95℃程度が好ましく、その析出速度は浴温30℃においては3μm/hr程度、90℃においては20μm/hr程度が好ましい。
本発明のインキ組成物を用いて基材上にめっきを形成する技術は、パターンめっきを対象とすることが好ましい。しかし、本発明では、本発明のインキ組成物を全面めっきに使用しても良い。
加飾を目的とする場合、無電解めっきの後、電解銅めっき、半光沢ニッケル、光沢ニッケル、クロムめっき等の一般的なプロセスを用いることが好ましい。
加飾処理で、電解銅めっき浴を用いる場合、その処理温度は20〜60℃程度が好ましく、電流密度は1〜10A/m2程度が好ましく、処理時間は10〜60分程度が好ましい。この加飾処理により、5〜40μm程度の析出膜厚を形成することができる。
加飾処理で、半光沢ニッケルめっき浴を用いる場合、その処理温度は45〜55℃程度が好ましく、電流密度は1〜10A/m2程度が好ましく、処理時間は10〜60分程度が好ましい。この加飾処理により、5〜20μm程度の析出膜厚となる。
加飾処理で、光沢ニッケルめっき浴を用いる場合、その処理温度は45〜55℃程度が好ましく、電流密度は1〜10A/dm2程度が好ましく、処理時間は10〜60分程度が好ましい。この加飾処理により、5〜20μm程度の析出膜厚となる。
加飾処理で、クロムめっき浴を用いる場合、その処理温度は40〜60℃程度が好ましく、電流密度は10〜60A/m2程度が好ましく、処理時間は1〜5分程度が好ましい。この加飾処理により、0.1〜0.3μm程度の析出膜厚となる。
[3]無電解めっき皮膜及び前記皮膜を載せた成形品
本発明のインキ組成物を基材に塗布し、インキ膜を形成し、無電解めっきを行う。これにより、パターンめっき又は部分めっき処理をするために、無電解めっきの前処理で使用される無電解めっき皮膜を形成することができる。無電解めっき皮膜を載せた成形品(被めっき物)は、めっき皮膜の密着性に優れる。
無電解めっき皮膜を載せた成形品は、例えば、携帯電話、パソコン、冷蔵庫等の電化製品の筐体;エンブレム、スイッチベース、ラジエータグリル、ドアハンドル、ホイールカバー等の自動車用部品等に使用することができる。
本発明のパターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物を用いると、基材(プラスチック(樹脂)等)上に、パターンめっきを行う無電解めっきにおいて、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきまでの多層めっきに耐え得る優れた密着性と装飾用めっきに耐え得る優れた平滑性を発現することができる。その無電解めっきでは、パターンの拡がりを抑え、良好に部分めっきをすることが可能である。
本発明のインキ組成物を用いると、無電解めっきの反応性を向上させる目的で、無電解めっきにおける還元剤の濃度を高める必要が無く、また無電解めっきの反応温度を上げる必要もない。更に、また有害な物質によるエッチング工程、煩雑な触媒付与工程等を必要としない。
本発明のインキ組成物が、無電解めっきの反応性が高く、クロムめっきまでの多層めっきに耐え得る良好な密着性を実現できる理由は、次の原理によるものと考えられる。
まず、基材(プラスチック等)とインキ組成物との密着メカニズムは次の通りである。本発明のインキ組成物に含まれる溶媒(溶剤)成分により、基材表面が浸食され、インキ組成物のバインダー成分が基材に入り込み、基材と相溶し混成層を形成する。例えばABS樹脂であれば、ABS樹脂に含まれるブタジエンゴムが溶解し、膨潤するので、インキ組成物のバインダー成分が基材に入り込む。
無電解めっきの反応性及び密着性向上のメカニズムは次の通りである。本発明のインキ組成物が塗布された基材をアルカリ処理することにより、バインダー成分に被覆されていない最表層のナノ粒子が溶解及び/又は脱落する。これにより、最表層の次の表層(最表層の下層)のバインダー成分で薄く被覆されたナノ粒子層が露出する。その結果、このナノ粒子層を被覆している薄いバインダー被膜に含まれる無電解めっきの触媒作用を持つPd粒子と、無電解めっき液との接触頻度が増える。
また、そのアルカリ処理により、ナノ粒子とバインダー成分との間に隙間が生じ、その隙間で毛細管現象が生じ、めっき液のインキ膜内部への浸透性が良くなり、Pd粒子と無電解めっき液との接触頻度が増える。この現象により、インキ膜の表面から膜内部の深いところに存在するPd粒子により無電解めっき液中の金属イオンが還元され、還元された金属が根をはうように膜内部から析出するため、インキ膜とめっき膜との高い密着性が得られる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
(1)パラジウム粒子(Pd粒子)と分散剤との複合体の作製
3Lフラスコにイオン交換水944.5gと硝酸パラジウム5.0gとを加えて撹拌し、硝酸パラジウム水溶液を作製した。当該水溶液に、カルボキシル基を有するブロック共重合体型高分子分散剤(DISPERBYK194、ビックケミー・ジャパン社製、不揮発分53wt%) 3.8gを更に加えて、溶解させた。
この溶液を42℃になるまで加熱した後、撹拌しながらヒドラジン1水和物10.0gを加えた。この後、当該溶液を、室温下(23℃)で1時間撹拌した。溶液の温度は、ヒドラジン1水和物の添加後に53℃まで上昇したが、1時間撹拌した後の溶液の温度は40℃であった。
この操作により、水溶液中のパラジウムイオン(Pdイオン)が還元された。この溶液を限外濾過フィルターAHP-1010(旭化成株式会社製)にて、還元されたPd複合体含有液と、無機塩含有液とを分離し、Pd複合体(Pd粒子と分散剤との複合体)含有液を得た。
当該Pd複合体含有液を遠心分離機にて、16時間、13,000G荷重のかかる回転速度で回転させ、固形分を沈降させた。上澄み液をデカンテーションで除去した後、当該除去した上澄み液と同じ重量分のN-メチルピロリドン(NMP)を加えた。この操作を幾度と繰り返し、分散媒をNMPとしたPd粒子と分散剤との複合体を得た。
(2)実施例及び比較例
実施例1:無電解めっき前処理インキ組成物1の作製
2-フェノキシエタノール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径50nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA050C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。
当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物をグラビアオフセット印刷に用いた。
グラビアオフセット印刷
ABS樹脂(UMG ABS製3001M)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキ組成物を、グラビアオフセット印刷した。グラビアオフセット印刷は、小型印刷試験機(IGT製F1)を用い、前記平板プレートに幅10mm、長さ120mmの短冊状のパターン4本を印刷した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル1を得た。
実施例2:無電解めっき前処理インキ組成物2の作製
ジアセトンアルコール(DAA)14重量部に、ナノ粒子としてビニルシラン処理された平均粒子径50nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA050C-SV2)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。
当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物をグラビアオフセット印刷に用いた。
グラビアオフセット印刷
実施例1と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル2を得た。
実施例3:無電解めっき前処理インキ組成物3の作製
ジアセトンアルコール(DAA)14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径50nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA050C-SP3)1.9重量部加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。
当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体を1重量部加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物に、ジアセトンアルコールを追加添加し、インキ組成物の粘度を低下させて、スプレー塗装に用いた。
マスキングスプレー塗装
ABS樹脂(UMG ABS製3001M)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキを、スプレー塗装した。スプレー塗装は、市販のエアスプレーガンを用い、前記平板プレートに幅10mm、長さ120mmの短冊状のパターンが4本得られるようマスキングを行ったサンプルに塗装を施した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル3を得た。
比較例1:無電解めっき前処理インキ組成物の作製
2-フェノキシエタノール14重量部に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)を5重量部と前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物をグラビアオフセット印刷に用いた。
グラビアオフセット印刷
実施例1と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル4を得た。
サンプル4にはナノ粒子が含まれていない。
比較例2:無電解めっき前処理インキ組成物の作製
ジアセトンアルコール(DAA)14重量部に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物に、ジアセトンアルコールを追加添加し、インキ組成物の粘度を低下させて、スプレー塗装に用いた。
マスキングスプレー塗装
実施例3と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル5を得た。
サンプル5にはナノ粒子が含まれていない。
実施例4:無電解めっき前処理インキ組成物4の作製
2-フェノキシエタノール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径10nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA010C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。
当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物をグラビアオフセット印刷に用いた。
グラビアオフセット印刷
実施例1と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル6を得た。
実施例5:無電解めっき前処理インキ組成物5の作製
2-フェノキシエタノール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径100nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA100C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。
当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物をグラビアオフセット印刷に用いた。
グラビアオフセット印刷
実施例1と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル7を得た。
実施例6:無電解めっき前処理インキ組成物6の作製
2-フェノキシエタノール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径0.5μmのシリカ(アドマテックス製アドマファインSC2500-SPJ)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。
当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物をグラビアオフセット印刷に用いた。
グラビアオフセット印刷
実施例1と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル8を得た。
実施例7:無電解めっき前処理インキ組成物7の作製
2-フェノキシエタノール14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径0.6μmのアルミナ(アドマテックス製アドマファインAC2500-SPM)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。
当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物をグラビアオフセット印刷に用いた。
グラビアオフセット印刷
実施例1と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル9を得た。
実施例8:無電解めっき前処理インキ組成物8の作製
実施例3のインキ組成物に、ジアセトンアルコールを追加添加し、インキ組成物の粘度を低下させて、スプレー塗装に用いた。
マスキングスプレー塗装
市販のガラス板に、前記無電解めっき前処理インキを、スプレー塗装した。スプレー塗装は、市販のエアスプレーガンを用い、前記ガラス板に幅10mm、長さ120mmの短冊状のパターンが4本得られるようマスキングを行ったサンプルに塗装を施した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル10を得た。
実施例9:無電解めっき前処理インキ組成物9の作製
シクロヘキサノン14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径50nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA050C-SP3)1.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。
当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるポリオレフィン樹脂(固形分35wt%)5重量部及び前記Pd粒子と分散剤との複合体1重量部加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物に、シクロヘキサノンを追加添加し、インキ組成物の粘度を低下させて、スプレー塗装に用いた。
マスキングスプレー塗装
TSOP樹脂(日本ポリプロ製及びプライムポリマー製)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキを、スプレー塗装した。スプレー塗装は、市販のエアスプレーガンを用い、前記平板プレートに幅10mm、長さ120mmの短冊状のパターンが4本得られるようマスキングを行ったサンプルに塗装を施した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル11を得た。
TSOP樹脂:トヨタスーパーオレフィンポリマーの略。従来の複合PP(ポリプロピレン)に比べてリサイクル性を向上させた熱可塑性樹脂。
実施例10:無電解めっき前処理インキ組成物10の作製
実施例7のグラビアオフセット印刷用無電解めっき前処理インキにジアセトンアルコール(DAA)を追加添加し、インキ組成物の粘度を低下させて、スプレー塗装に用いた。
マスキングスプレー塗装
実施例3と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル12を得た。
実施例11:無電解めっき前処理インキ組成物11の作製
ジアセトンアルコール(DAA)14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径50nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA050C-SP3)0.9重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。
当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及びPd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物に、ジアセトンアルコールを追加添加し、インキ組成物の粘度を低下させて、スプレー塗装に用いた。
マスキングスプレー塗装
実施例3と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル13を得た。
実施例12:無電解めっき前処理インキ組成物12の作製
ジアセトンアルコール(DAA)14重量部に、ナノ粒子としてフェニルシラン処理された平均粒子径50nmのシリカ(アドマテックス製アドマナノYA050C-SP3)3.8重量部を加え、薬さじ(小)でステアし分散させた。
当該ナノ粒子分散溶液に、バインダー成分であるエポキシ樹脂溶液(固形分22重量%)5重量部及びPd粒子と分散剤との複合体1重量部を加え、振とう撹拌させ、無電解めっき前処理インキ組成物を作製した。このインキ組成物に、ジアセトンアルコールを追加添加し、インキ組成物の粘度を低下させて、スプレー塗装に用いた。
マスキングスプレー塗装
実施例3と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル14を得た。
実施例13:無電解めっき前処理インキ組成物13の作製
実施例1のグラビアオフセット印刷用無電解めっき前処理インキを用いた。
パッド印刷
ABS樹脂(UMG ABS製3001M)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキを、パッド印刷した。パッド印刷は、パッド印刷機(ナビタス製T-5)を用い、前記平板プレートに、幅10mm、長さ120mmの短冊状のパターン4本を転写した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル15を得た。
実施例14:無電解めっき前処理インキ組成物14の作製
実施例1のグラビアオフセット印刷用無電解めっき前処理インキを用いた。
グラビアオフセット印刷
実施例1と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル16を得た。
実施例15:無電解めっき前処理インキ組成物15の作製
実施例3のインキ組成物に、ジアセトンアルコールを追加添加し、インキ組成物の粘度を低下させて、スプレー塗装に用いた。
マスキングスプレー塗装
実施例3と同様の方法で無電解めっき前処理インキ塗布サンプル17を得た。
実施例16:無電解めっき前処理インキ組成物16の作製
実施例1のグラビアオフセット印刷用無電解めっき前処理インキを用いた。
ディスペンサー塗装
ABS樹脂(UMG ABS製3001M)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキ組成物を、ディスペンサーにより描画した。ディスペンサーは、小型試験機(武蔵エンジニアリング社製)を用い、前記平板プレートに幅10mm、長さ100mmの短冊状のパターン4本を描画した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル18を得た。
実施例17:無電解めっき前処理インキ組成物17の作製
実施例1のグラビアオフセット印刷用無電解めっき前処理インキを用いた。
ディスペンサー塗装
ABS樹脂(UMG ABS製3001M)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキ組成物を、ディスペンサーにより描画した。ディスペンサーは、小型試験機(武蔵エンジニアリング社製)を用い、前記平板プレートに幅10mm、長さ100mmの短冊状のパターン4本を描画した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル19を得た。
実施例18:無電解めっき前処理インキ組成物18の作製
実施例1のグラビアオフセット印刷用無電解めっき前処理インキを用いた。
パッド印刷
ABS樹脂(UMG ABS製TM-25M)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキを、パッド印刷した。パッド印刷は、パッド印刷機(ナビタス製T-5)を用い、前記平板プレートに、幅10mm、長さ120mmの短冊状のパターン4本を転写した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル20を得た。
実施例19:無電解めっき前処理インキ組成物19の作製
実施例1のグラビアオフセット印刷用無電解めっき前処理インキを用いた。
パッド印刷
ポリエーテルイミド樹脂(SABIC社製ULTEM1010)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキを、パッド印刷した。パッド印刷は、パッド印刷機(ナビタス製T-5)を用い、前記平板プレートに、幅10mm、長さ120mmの短冊状のパターン4本を転写した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル21を得た。
実施例20:無電解めっき前処理インキ組成物20の作製
実施例1のグラビアオフセット印刷用無電解めっき前処理インキを用いた。
パッド印刷
PC/ABS樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロンPL-2010)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキを、パッド印刷した。パッド印刷は、パッド印刷機(ナビタス製T-5)を用い、前記平板プレートに、幅10mm、長さ120mmの短冊状のパターン4本を転写した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル22を得た。
実施例21:無電解めっき前処理インキ組成物21の作製
実施例1のグラビアオフセット印刷用無電解めっき前処理インキを用いた。
パッド印刷
ポリカーボネート樹脂(旭硝子社製カーボグラス)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキを、パッド印刷した。パッド印刷は、パッド印刷機(ナビタス製T-5)を用い、前記平板プレートに、幅10mm、長さ120mmの短冊状のパターン4本を転写した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル23を得た。
実施例22:無電解めっき前処理インキ組成物22の作製
実施例1のグラビアオフセット印刷用無電解めっき前処理インキを用いた。
パッド印刷
AES樹脂(UMGABS製HAT550)を原料として射出成形により作製した平板プレートに、前記無電解めっき前処理インキを、パッド印刷した。パッド印刷は、パッド印刷機(ナビタス製T-5)を用い、前記平板プレートに、幅10mm、長さ120mmの短冊状のパターン4本を転写した。これにより無電解めっき前処理インキ塗布サンプル24を得た。
(3)評価項目1:無電解めっき反応性の評価(めっき皮膜の形成)
前記得られた実施例1、2、4〜7、13〜15、16〜22、比較例1の無電解めっき前処理インキ塗布サンプルを、棚型乾燥機に入れ、80℃60分、乾燥処理及び硬化処理を行った。
前記得られた実施例3、8〜12、比較例2の無電解めっき前処理インキ塗布サンプルを、室温に5分間セッティングした後、棚型乾燥機に入れ、80℃60分乾燥処理及び硬化処理を行った。
その後、無電解めっき前処理インキ塗布サンプルを、pH11〜14に調整され、60℃に加温されたアルカリ処理液に、3分間浸した。その後、市水により水洗し、イオン交換水に置換した。
次に、実施例1〜13、16、18〜22、比較例1〜4の無電解めっき前処理インキ塗布サンプルを、無電解銅めっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。
実施例14、15、17の無電解めっき前処理インキ塗布サンプルを、無電解ニッケルめっき浴に浸漬させることにより、めっき皮膜が析出するか否かを評価した。
無電解銅めっき浴は、奥野製薬工業製OPCカッパーHFS(初期Cu濃度2.5g/L、浴容積500mL、40℃、20分)を用いた。
無電解ニッケルめっき浴は、奥野製薬工業製化学ニッケルEXC(初期Ni濃度5.0g/L、浴容積500mL、40℃、5分)を用いた。
無電解めっき反応性の評価基準は次の通りである。
○:浸漬後3分以内に塗布パターン全部にめっきが析出したもの。
△:塗布パターンの部分的にめっきが析出したもの。
×:全く反応しなかったもの、或いは塗布パターン面積の1/10以下のめっき析出で止まったもの。
比較例3は、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル1を当該乾燥工程同様の処理を行い、アルカリ処理を行わず、当該無電解めっき処理を行ったものである。
図1は、基材上に、パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物をマスキングスプレー塗装後、硬化処理、アルカリ処理及び無電解めっき処理を行ったものの断面TEM写真である。
図2は、図1の視野におけるパラジウム元素(Pd粒子)の分布状態を示す図である。
図3は、図1の視野における銅元素(Cu粒子)の分布状態を示す図である。
図1〜3から、インキ膜の表面から深いところに存在するPd粒子により無電解めっき液の金属イオンが還元され、その金属イオンが根をはうように析出していることが確認できた。
(4)評価項目2:パターン形成能の評価
パターン形成能の評価基準は次の通りである。
○:グラビアオフセット印刷やパッド印刷であれば版のパターンの幅寸法に対して、前記無電解めっき皮膜の幅寸法精度が±0.1mm(版パターンの1/100の精度)であるもの。
△:グラビアオフセット印刷やパッド印刷であれば版のパターンの幅寸法に対して、前記無電解めっき皮膜の幅寸法精度が±0.5mm(版パターンの1/20の精度)であるもの。
×:グラビアオフセット印刷やパッド印刷であれば版のパターンの幅寸法に対して、前記無電解めっき皮膜の幅寸法精度が、前記範囲を超える精度のもの。
上記パターン形成能の評価にて△だったものについては、幅パターンがしっかり観察される箇所を用いて評価した。寸法の確認にはキーエンス製マイクロスコープ(キーエンス製VHX-1000)を用いた。
比較例4は、無電解めっき前処理インキ塗布サンプル4(比較例1のサンプル)を用いて、上記乾燥工程及びアルカリ処理を行い、上記当該無電解銅めっき浴に還元剤を所定濃度の2倍量添加した無電解めっき処理を行ったものとした。サンプル4にはナノ粒子が含まれていない。
(5)評価項目3:クロムめっきまでの達成可否
無電解めっき処理の後、無電解銅めっきであれば、電解銅(Cu)めっき、半光沢ニッケル、光沢ニッケル、クロム(Cr)めっきを順次行い、どの工程でめっきが剥離したかを評価した。
無電解ニッケルめっきの場合は、ストライク銅めっきの後、無電解銅めっき同様の工程でクロムめっきまで順次行い、どの工程でめっきが剥離したかを評価した。
クロム(Cr)めっきまでの達成可否の評価基準は次の通りである。
○:クロムめっきまで到達したもの。
×:途中の電解銅や電解ニッケルで剥離したもの。
無電解銅めっき浴は、奥野製薬工業製OPCカッパーHFS(初期Cu濃度2.5g/L、浴容積500mL、40℃、20分)を用いた。
無電解ニッケル浴は、奥野製薬工業製化学ニッケルEXC(初期Ni濃度5.0g/L、浴容積500mL、40℃、20分)を用いた。
ストライク銅めっき浴は、浴温45℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
電解銅(Cu)めっき浴は、浴温30℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
半光沢ニッケル浴は、浴温50℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
光沢ニッケル浴は、浴温50℃電流密度1.5A/dm2を用いた。
クロムめっき浴は、浴温45℃12A/dm2を用いた。
(6)評価項目4:クロムめっきまでの多層めっき膜のピール強度
前記評価項目3でクロム(Cr)めっきまで到達したサンプルは、180°剥離試験方法によりピール強度を評価した。
パターンめっきされた幅10mmの多層めっき皮膜を引き剥がし、その一端を引張試験機(東洋精機製作所製ストログラフV10−C)の引張治具に持たせた。そのパターンめっきされた多層めっき皮膜の剥がしていない側をもう一つの引張治具に持たせ、試験速度5mm/分で引張試験を行いった。その最大荷重をピール強度とした。
なお、クロムめっきまで到達したサンプルはどれも従来のクロム酸エッチングを行った前処理方法同様の光沢が得られ、くもりなどは見受けられなかった。
(7)評価項目5:電気Cuめっき皮膜の熱処理前後でのピール強度
前記評価項目3で電気Cuめっきまで到達したサンプルは、90°剥離試験方法によりピール強度を評価した。また、測定後のサンプルを80℃で5時間放置し、再度ピール強度を評価した。この試験により、熱処理前後での密着性を評価した。
○:熱処理後に密着性の低下が見られない。
×:熱処理後に密着性の低下が見られる。もしくは剥離が起こる。
結果を以下の表1〜3に示した。

Claims (5)

  1. 以下の(1)〜(4):
    (1)パラジウム粒子と分散剤との複合体
    (2)溶媒
    (3)バインダー
    (4)ナノ粒子
    を含有し、前記ナノ粒子が表面処理されており、前記ナノ粒子の添加量が(3)バインダー1重量部に対して0.01〜100重量部の範囲であることを特徴とする、
    パターンめっき用無電解めっき前処理インキ組成物。
  2. 前記ナノ粒子が無機系酸化物である、請求項1に記載のインキ組成物。
  3. 前記ナノ粒子の平均粒子径が10〜1,000nmの範囲である、請求項1又は2に記載のインキ組成物。
  4. 前記ナノ粒子が二酸化ケイ素である、請求項1〜3のいずれか記載のインキ組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のインキ組成物を用い、塗布処理、硬化処理、アルカリ処理及び無電解めっき処理を行うことで、基材上にパターンめっきを形成する方法。
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