JP6071762B2 - ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムおよびポリ塩化ビニル系粘着テープ - Google Patents

ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムおよびポリ塩化ビニル系粘着テープ Download PDF

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Description

本発明は、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムおよびポリ塩化ビニル系粘着テープに関する。
フィルム上に粘着剤層を設けた粘着テープをロール状の巻き取り粘着テープとして製造することが行われている。このとき、粘着剤層の粘着剤が、粘着テープの粘着剤層と逆側の表面(粘着テープ背面:樹脂フィルム側の表面)に貼り付いてしまい、ロール状の巻き取り粘着テープから粘着テープを巻き戻し難いという不具合が生じる。
特に、フィルムの主たる材料がポリ塩化ビニルである場合(以下、本明細書においては、主たる材料がポリ塩化ビニルであるフィルム上に粘着剤層を設けた粘着テープを、「ポリ塩化ビニル系粘着テープ」と称することがある)、ロール状の巻き取り粘着テープから粘着テープを巻き戻し難いだけでなく、巻き戻す際の強い力でフィルムが過度に引っ張られてしまい、ポリ塩化ビニル系粘着テープ自体が破れてしまうという問題が生じる。また、主たる材料がポリ塩化ビニルであるフィルムが破壊されないように巻き戻しても、粘着剤の粘着テープ背面に対する粘着力が、粘着剤の凝集力や粘着テープ背面との投錨力を上回り、粘着テープ背面に糊残りを起こすという問題が生じる。
ロール状の巻き取り粘着テープからの粘着テープの巻き戻しをスムーズに行うために、例えば、シリコーン離型剤などによって離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの剥離ライナーの離型処理面を粘着テープの粘着剤層表面に貼りつけることがある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方法では、巻き戻した粘着テープを被着体に貼りつけるために、剥離ライナーを粘着剤層表面から剥離する作業が必要であるため、貼り付け作業が煩雑になる。また、剥離した剥離ライナーは廃棄する必要があるため、廃棄処理にかかるコスト上の問題が生じ、また、環境保護の観点から好ましくない。
ロール状の巻き取り粘着テープからの粘着テープの巻き戻しをスムーズに行うための別の方法として、例えば、粘着テープ背面にシリコーン離型剤を塗布するなどして、粘着テープ背面に離型処理(粘着剤が粘着テープ背面に貼りつかないような処理、もしくは、巻き戻し作業が簡便にできる程度に粘着剤が粘着テープ背面に弱く貼りつく処理)を施すことがある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、従来の、粘着テープの離型処理に使用されているシリコーン離型剤は、ポリ塩化ビニルとの化学的親和性が低い。
このため、従来のシリコーン離型剤を、主たる材料がポリ塩化ビニルであるフィルムの表面である粘着テープ背面に塗布しようと試みたところ、シリコーン離型剤が粘着テープ背面に均一に塗布できないという不具合が生じてしまうことが判った。
また、主たる材料がポリ塩化ビニルであるフィルムの表面である粘着テープ背面にシリコーン離型剤を塗布した粘着テープで、絞り加工や曲げ加工などの粘着テープ延伸を伴う加工を行おうと試みたところ、シリコーン離型剤による処理層が延伸に追随できない場合があることが判り、また、該処理層が破砕されて汚染の原因となるという問題が生じることも判った。
以上のように、従来のシリコーン離型剤のポリ塩化ビニルに対する適用には多くの課題があることが判った。
特開2013−72074号公報 特開2009−46647号公報
シリコーン離型剤のポリ塩化ビニルとの化学的親和性を良くするため、架橋型シリコーン離型剤を利用する方法について検討した。しかし、架橋型シリコーン離型剤は、一般に伸び率が非常に小さく、従って、金属板などの絞り加工や曲げ加工などでの表面保護を目的に、架橋型シリコーン離型剤を用いたポリ塩化ビニル系粘着テープを表面保護テープとして貼り付けた場合、加工での延伸に架橋型シリコーン離型剤によって形成される離型層が追随できず、架橋型シリコーン離型剤が脱離する問題が生じた。
粘着テープの離型剤として、シリコーン離型剤や架橋型シリコーン離型剤以外に、長鎖アルキル系離型剤が知られている。しかし、長鎖アルキル系離型剤もポリ塩化ビニルとの化学的親和性が低いことが判った。また、長鎖アルキル系離型剤も、従来の架橋型シリコーン離型剤と同様に、伸び率が非常に小さいことが判った。
本発明の課題は、ポリ塩化ビニルとの化学的親和性が高く、延伸等の変形に対する追随性が良好で、被着体の汚染も抑制できる離型剤を見出し、このような離型剤によって離型処理されたポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することにある。また、このようなポリ塩化ビニル系樹脂フィルムと粘着剤層とを有するポリ塩化ビニル系粘着テープであって、延伸等の変形に対する追随性が良好で、ロール状の巻き取り粘着テープから該粘着テープを巻き戻す際に該粘着テープ自体が裂けたり破れたりすることなく、また、粘着剤層の粘着剤の粘着テープ背面に対する粘着力が粘着テープ背面に糊残りを起こさない程度に良好にコントロールされ、さらに、離型剤による被着体の汚染も抑制された、ポリ塩化ビニル系粘着テープを提供することにある。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムは、ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムの少なくとも一方の表面に、長鎖アルキル系離型剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を主成分として含む離型剤層を設けたものである。
好ましい実施形態においては、上記離型剤層の表面に対する水の接触角が90.0°〜130.0°である。
好ましい実施形態においては、上記離型剤層の厚みが0.01μm〜10.0μmである。
好ましい実施形態においては、上記離型剤層に含まれる長鎖アルキル系離型剤が炭素数12以上の直鎖アルキル基を含む。
好ましい実施形態においては、上記ポリ塩化ビニルが軟質ポリ塩化ビニルである。
本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープは、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの離型剤層が設けられていない側の表面上に粘着剤層が設けられたものである。
好ましい実施形態においては、上記粘着剤層が、(メタ)アクリル系ポリマーまたはゴム系粘着剤を含む。
好ましい実施形態においては、上記ポリ塩化ビニル系粘着テープの粘着剤層を上記ポリ塩化ビニル系粘着テープの離型剤層に貼り合せて引張速度0.3m/分で剥離した場合の粘着力が0.1N/20mm〜3.0N/20mmである。
好ましい実施形態においては、本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープは、ステンレス板、アルミ板、塗装鋼板から選ばれる少なくとも1種の被着体の表面保護に用いられる。
好ましい実施形態においては、本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープは、金属板加工に用いられる。
本発明によれば、ポリ塩化ビニルとの化学的親和性が高く、延伸等の変形に対する追随性が良好で、被着体の汚染も抑制できる離型剤によって離型処理されたポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することができる。また、このようなポリ塩化ビニル系樹脂フィルムと粘着剤層とを有するポリ塩化ビニル系粘着テープであって、延伸等の変形に対する追随性が良好で、ロール状の巻き取り粘着テープから該粘着テープを巻き戻す際に該粘着テープ自体が裂けたり破れたりすることなく、また、粘着剤層の粘着剤の粘着テープ背面に対する粘着力が粘着テープ背面に糊残りを起こさない程度に良好にコントロールされ、さらに、離型剤による被着体の汚染も抑制された、ポリ塩化ビニル系粘着テープを提供することができる。
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの一例の概略断面図である。 本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープの一例の概略断面図である。
≪ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム≫
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムは、ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムの少なくとも一方の表面に、長鎖アルキル系離型剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を主成分として含む離型剤層を設けたものである。図1に、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの一例の概略断面図を示す。図1においては、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルム10は、ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルム1と離型剤層2との積層構造からなる。また、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を有していても良い。
<ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルム>
ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムは、ポリ塩化ビニルを、好ましくは50重量%〜100重量%含み、より好ましくは60重量%〜100重量%含み、さらに好ましくは70重量%〜100重量%含み、特に好ましくは80重量%〜100重量%含み、最も好ましくは90重量%〜100重量%含む。上記フィルム中のポリ塩化ビニルの含有割合を上記範囲内に調整することにより、成膜性が良く且つ柔軟で破断し難いフィルムとなり得る。
ポリ塩化ビニルは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なポリ塩化ビニルを採用し得る。ポリ塩化ビニルは、例えば、塩化ビニルモノマーのホモポリマーであっても良いし、塩化ビニルモノマーと1種以上の他のモノマーとの共重合体であっても良いし、これらホモポリマーや共重合体と他のポリマーとの混合物であっても良い。また、ポリ塩化ビニルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリ塩化ビニルとしては、好ましくは、軟質ポリ塩化ビニルである。より具体的には、ポリ塩化ビニルは、その弾性率(JIS−K−7127(1999)による)が、好ましくは100MPa〜1000MPaであり、その最大伸び(JIS−K−7127(1999)による)が、好ましくは100%〜1000%である。ポリ塩化ビニルとして、このようなポリ塩化ビニルを採用することにより、延伸等の変形に対する追随性が良好なものとなり得る。
ポリ塩化ビニルの重合度は、好ましくは500〜2000であり、より好ましくは500〜1500であり、さらに好ましくは800〜1500である。ポリ塩化ビニルの重合度を上記範囲内に調整することにより、柔軟で破断し難いフィルムとなり得る。
ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤を含有し得る。このような添加剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。このような添加剤としては、好ましくは、可塑剤が挙げられる。ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムが可塑剤を含有することにより、一層優れた柔軟性を付与し得る。
可塑剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な可塑剤を採用し得る。このような可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤(大日本インキ(株)製、W−700、トリメリット酸トリオクチル等)、アジピン酸エステル系可塑剤((株)ジェイプラス製、D620、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等)、リン酸エステル系可塑剤(リン酸トリクレシル等)、クエン酸エステル系可塑剤(アセチルクエン酸トリブチル等)、セバシン酸エステル系可塑剤、アセライン酸エステル系可塑剤、マレイン酸エステル系可塑剤、安息香酸エステル系可塑剤、ポリエーテルポリエステル系可塑剤、エポキシポリエステル系可塑剤(エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等)、ポリエステル系可塑剤(カルボン酸とグリコールからなる低分子ポリエステル等)などが挙げられる。本発明においては、これらのようなエステル系可塑剤を用いることが好ましい。可塑剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムが可塑剤を含有する場合、可塑剤の含有割合としては、目的に応じて任意の適切な含有割合を採用し得る。このような可塑剤の含有割合としては、ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルム中の樹脂成分に対して、好ましくは0.5重量%〜50重量%であり、より好ましくは1.0重量%〜40重量%である。可塑剤の含有割合を上記範囲内に調整することにより、延伸等の変形に対する本発明の粘着テープの追随性が一層良好なものとなる。
ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムの厚みとしては、目的に応じて任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、好ましくは40μm〜200μmであり、より好ましくは50μm〜150μmであり、さらに好ましくは60μm〜130μmである。ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムの厚みを上記範囲内に調整することにより、粘着テープとした際に十分な加工性が得られ得る。
ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムは、本発明の効果を発現できる範囲内で、任意の適切な製造方法によって製造し得る。このような製造方法としては、例えば、射出成形、押出成形、インフレーション成形、カレンダー成形、ブロー成形などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果をより効果的に発現させ得る点で、カレンダー成形が好ましい。
<離型剤層>
離型剤層は、長鎖アルキル系離型剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を主成分として含む。
離型剤層は、長鎖アルキル系離型剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を、好ましくは50重量%〜100重量%含み、より好ましくは60重量%〜100重量%含み、さらに好ましくは70重量%〜100重量%含み、特に好ましくは80重量%〜100重量%含み、最も好ましくは90重量%〜100重量%含む。離型剤層中の長鎖アルキル系離型剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物の含有割合を上記範囲内に調整することにより、ポリ塩化ビニルとの化学的親和性がより高く、延伸等の変形に対する追随性がより良好で、被着体の汚染もより抑制できる離型剤によって離型処理されたポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することができる。
長鎖アルキル系離型剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な長鎖アルキル系離型剤を採用し得る。このような長鎖アルキル系離型剤は、好ましくは、炭素数12以上の直鎖アルキル基を含む。また、このような長鎖アルキル系離型剤は、好ましくは、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種を有する。長鎖アルキル系離型剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
すなわち、長鎖アルキル系離型剤としては、より好ましくは、分子内に、低極性の炭素数12以上の直鎖アルキル基と、高極性のエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種とを有する。このとき、高極性部位は、後述するエチレン−酢酸ビニル共重合体中の高極性部位であるアセトキシ基(エステル基)と親和性を示して吸着することになり、離型剤がポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムから脱離することを抑制するものと推察される。他方、低極性部位は、相分離により空気面に対して配向し、離型剤としての機能を果たすことになると推察される。
長鎖アルキル系離型剤としては、具体的には、例えば、長鎖アルキルアクリレートの重合物、長鎖アルキルアクリレートと他のビニルモノマーとの共重合物、ポリビニルアルコールに長鎖アルキルイソシアネート等の長鎖アルキル成分を反応させて得られる長鎖アルキル変性高分子などが挙げられる。
上記共重合物としては、例えば、ステアリルアクリレートとアクリル酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル等の共重合物;ステアリルアクリルアミド・アクリロニトリル・アクリル酸等の共重合物;ステアリルビニルエーテル・アクリル酸、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の共重合物;等が挙げられる。また、上記長鎖アルキル変性高分子としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール等と塩化ステアロイルとの反応物;ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、セルロース誘導体やポリエステル等の活性水素を持つポリマーをステアリルイソシアネート等の脂肪族イソシアネートでアルキル変性したもの;等が挙げられる。
長鎖アルキル系離型剤は、市販品を使用することができる。例えば、アシオレジンRA−30(アシオ産業株式会社製)、ピーロイル1010やピーロイル1050(一方社油脂工業株式会社製)などが挙げられる。
離型剤層中の長鎖アルキル系離型剤の含有割合は、離型剤層中のエチレン−酢酸ビニル共重合体に対して、好ましくは0.5重量%〜80重量%であり、より好ましくは1重量%〜80重量%であり、さらに好ましくは1重量%〜75重量%であり、特に好ましくは1重量%〜70重量%である。離型剤層中の長鎖アルキル系離型剤の含有割合を上記範囲内に調整することにより、ポリ塩化ビニルとの化学的親和性がより高く、延伸等の変形に対する追随性がより良好で、被着体の汚染もより抑制できる離型剤によって離型処理されたポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することができる。離型剤層中の長鎖アルキル系離型剤の含有割合が、離型剤層中のエチレン−酢酸ビニル共重合体に対して少な過ぎると、離型性が十分に発現できないおそれがあり、一方、離型剤層中の長鎖アルキル系離型剤の含有割合が、離型剤層中のエチレン−酢酸ビニル共重合体に対して多過ぎると、長鎖アルキル系離型剤がエチレン−酢酸ビニル共重合体から脱落したりするおそれがある。
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なエチレン−酢酸ビニル共重合体を採用し得る。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000〜200,000であり、より好ましくは30,000〜190,000である。エチレン−酢酸ビニル共重合体の重量平均分子量(Mw)を上記範囲内に調整することにより、有機溶媒へのエチレン−酢酸ビニル共重合体の溶解性が良くなり、離型剤層を形成するために塗工する際に均一な層を形成し得る。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の融点は、好ましくは30℃〜120℃であり、より好ましくは40℃〜100℃であり、さらに好ましくは50℃〜95℃である。エチレン−酢酸ビニル共重合体の融点を上記範囲内に調整することにより、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの離型剤層が設けられていない側の表面上に粘着剤層を設けてポリ塩化ビニル系粘着テープとし、ロール状にした場合、粘着テープの粘着剤層が粘着テープ背面に過度に貼り付いてしまったり、あるいは、離型剤層が他の被着体に貼り付いてしまったりするおそれがある。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の硬度は、好ましくは10〜100であり、より好ましくは20〜100であり、さらに好ましくは30〜100である。エチレン−酢酸ビニル共重合体の硬度を上記範囲内に調整することにより、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの離型剤層が設けられていない側の表面上に粘着剤層を設けてポリ塩化ビニル系粘着テープとし、ロール状にした場合、粘着テープの粘着剤層が粘着テープ背面に過度に貼り付いてしまったり、あるいは、離型剤層が他の被着体に貼り付いてしまったりするおそれがある。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は、好ましくは10.0重量%〜50.0重量%であり、より好ましくは10.0重量%〜40.0重量%であり、さらに好ましくは20.0重量%〜40.0重量%である。エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量を上記範囲内に調整することにより、有機溶媒へのエチレン−酢酸ビニル共重合体の溶解性が良くなり、離型剤層を形成するために塗工する際に均一な層を形成し得るとともに、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの離型剤層が設けられていない側の表面上に粘着剤層を設けてポリ塩化ビニル系粘着テープとし、ロール状にした場合、粘着テープの粘着剤層が粘着テープ背面に過度に貼り付いてしまったり、あるいは、離型剤層が他の被着体に貼り付いてしまったりするおそれがある。
離型剤層は、本発明の効果を損なわない範囲で、長鎖アルキル系離型剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体以外の、任意の適切な添加剤を含有していても良い。
離型剤層の厚みは、好ましくは0.01μm〜10.0μmであり、より好ましくは0.01μm〜3.0μmであり、さらに好ましくは0.05μm〜1.0μmである。離型剤層の厚みを上記範囲内に調整することにより、ポリ塩化ビニルとの化学的親和性がより高く、延伸等の変形に対する追随性がより良好で、被着体の汚染もより抑制できる離型剤によって離型処理されたポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することができる。離型剤層の厚みが小さ過ぎると、離型剤層の離型効果が十分に得られ難いおそれがあり、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの離型剤層が設けられていない側の表面上に粘着剤層を設けてポリ塩化ビニル系粘着テープとし、ロール状にした場合、粘着テープの粘着剤層が粘着テープ背面に過度に貼り付いてしまい、巻き戻すことが困難となり、巻き戻す際に粘着テープ自体が裂けたり破れたりするおそれがある。また、離型剤層の厚みが大き過ぎると、不経済であるだけでなく、粘着テープそのものの厚みが増すため、粘着テープの剛性が上昇し、ロール形状にする際に巻き付け難くなり、また巻き戻しに余計な外力が必要となるほか、巻き戻し時に離型剤層そのもの、あるいは、その成分が粘着剤層に転写しやすくなり、被着体汚染の原因になるおそれがある。
離型剤層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法によって形成し得る。このような方法としては、例えば、長鎖アルキル系離型剤と粒状のエチレン−酢酸ビニル共重合体を混合しておき、熱溶融させながら押し出しによって、ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルム上に形成する方法や、長鎖アルキル系離型剤と粒状のエチレン−酢酸ビニル共重合体を溶解する溶剤にこれらを溶かして溶液とし、これをコーター等でポリ塩化ビニルを主成分とするフィルム上に塗布して乾燥する方法が挙げられる。
離型剤層の表面に対する水の接触角は、離型処理機能上において重要である。なぜならば、離型処理機能は、離型剤と樹脂を単に混合するだけでは十分に発現するものではなく、離型剤が樹脂に均一に分散されて十分に発現されるものであり、離型剤層の表面に対する水の接触角はその分散の度合いを示す重要な指標となるからである。本発明においては、長鎖アルキル系離型剤がエチレン−酢酸ビニル共重合体に均一に分散できることによって、離型剤層表面全面において十分な離型処理機能が発現される。
本発明において、離型剤層の表面に対する水の接触角は、好ましくは90.0°〜130.0°であり、より好ましくは90.0°〜105°である。離型剤層の表面に対する水の接触角を上記範囲内に調整することにより、ポリ塩化ビニルとの化学的親和性がより高く、延伸等の変形に対する追随性がより良好で、被着体の汚染もより抑制できる離型剤によって離型処理されたポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することができる。離型剤層の表面に対する水の接触角が上記範囲を外れて小さ過ぎると、長鎖アルキル系離型剤がエチレン−酢酸ビニル共重合体に微分散されすぎ、十分な離型処理機能が発現できないおそれがある。他方、離型剤層の表面に対する水の接触角が上記範囲を外れて大き過ぎると、長鎖アルキル系離型剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体との相分離が過度に生じ、離型剤層の表面には、長鎖アルキル系離型剤が多く凝集した部位と、長鎖アルキル系離型剤が疎に凝集した部位あるいは長鎖アルキル系離型剤が無い部位とが生じてしまうおそれがある。このような状態では、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの離型剤層が設けられていない側の表面上に粘着剤層を設けてポリ塩化ビニル系粘着テープとし、ロール状にした場合、容易に巻き戻すことが可能な場所と、巻き戻すことが困難となって巻き戻す際に粘着テープ自体が裂けたり破れたりするおそれがある場所とが併存することになってしまう。
≪ポリ塩化ビニル系粘着テープ≫
本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープは、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの離型剤層が設けられていない側の表面上に粘着剤層が設けられたものである。図2に、本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープの一例の概略断面図を示す。図2においては、本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープ100は、離型剤層2とポリ塩化ビニルを主成分とするフィルム1と粘着剤層3との積層構造からなる。離型剤層2とポリ塩化ビニルを主成分とするフィルム1との積層体は、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム10である。また、本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を有していても良い。
粘着剤層としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着剤層を採用し得る。粘着剤層は、1層のみであっても良いし、2層以上であっても良い。
粘着剤層の厚みは、好ましくは1.0μm〜30μmであり、より好ましくは1.0μm〜20μmであり、さらに好ましくは3.0μm〜15μmである。粘着剤層の厚みが1.0μm未満の場合、十分な粘着力を発現できないおそれがある。粘着剤層の厚みが30μmより大きい場合、用途によっては粘着力が大きくなりすぎて、剥離等の際に被着体を破砕するおそれがある。
粘着剤層の材料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着剤を採用し得る。
粘着剤層の材料としては、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー、ゴム系粘着剤などが挙げられる。ゴム系粘着剤としては、天然ゴム;メタクリル酸メチルなどのモノマーをグラフトした特殊天然ゴム;SBS、SBR、SEPS、SIS、SEBS、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリイソブチレン、ブチルゴムなどの合成ゴム;などが挙げられる。これらの中でも、剥離後の被着体への糊残りが少なく、高凝集性を有し、透明性に優れる点で、(メタ)アクリル系ポリマーが好ましい。粘着剤層の材料は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。例えば、(メタ)アクリル系ポリマーが選択される場合は、そのポリマーは1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
粘着剤層が(メタ)アクリル系ポリマーを含む場合、粘着剤層中の(メタ)アクリル系ポリマーの含有割合は、目的に応じて適宜設定し得る。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーを主モノマーとして含むモノマー成分から構成される樹脂である。上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の(メタ)アクリル系モノマーの含有割合は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%〜100重量%、さらに好ましくは90重量%〜100重量%、特に好ましくは95重量%〜100重量%である。上記モノマー成分中のモノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、炭素数が1〜30のアルキル基(シクロアルキル基も含む)の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
炭素数が1〜30のアルキル基(シクロアルキル基も含む)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の、炭素数が1〜30のアルキル基(シクロアルキル基も含む)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルの中でも、好ましくは、炭素数が2〜20のアルキル基(シクロアルキル基も含む)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくは炭素数が4〜18のアルキル基(シクロアルキル基も含む)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分は、粘着剤としての効果を十分に発現させるために、好ましくは、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーから選ばれる少なくとも1種を含む。より好ましくは、カルボキシル基含有モノマーである。
また、上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分は、粘着剤としての効果を十分に発現させるために、アクリロニトリルを含有し得る。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリルアルコールなどが挙げられる。水酸基含有モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。カルボキシル基含有モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分が水酸基含有モノマーを含む場合、上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の水酸基含有モノマーの含有割合は、好ましくは0.1重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜10重量%である。上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分がカルボキシル基含有モノマーを含む場合、上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中のカルボキシル基含有モノマーの含有割合は、好ましくは0.1重量%〜20重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜10重量%である。このように、上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分が、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーから選ばれる少なくとも1種を含むことにより、架橋剤を用いた場合に、該架橋剤との架橋反応を効率的に生じさせることが可能となり、粘着剤としての効果を十分に発現させることができる。さらに、上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の水酸基含有モノマーの含有割合や、上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中のカルボキシル基含有モノマーの含有割合を、上記の範囲内に収まるように調整することによって、剥離操作の際の被着体の破砕を効果的に防止できる。上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中の水酸基含有モノマーの含有割合や、上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中のカルボキシル基含有モノマーの含有割合が、上記の範囲よりも多すぎる場合には、粘着力が大きくなりすぎてしまい、ブロッキングが生じやすくなるおそれがあり、また、剥離操作の際に被着体の破砕が発生しやすくなるおそれがある。
粘着剤層は、好ましくは、架橋剤を含む。粘着剤層が架橋剤を含む場合、粘着剤層中の架橋剤の含有割合は、目的に応じて適宜設定し得るが、主たる樹脂成分(好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマー)100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜30重量部であり、より好ましくは1.0重量部〜27重量部であり、さらに好ましくは3.0重量部〜25重量部であり、特に好ましくは5.0重量部〜23重量部である。粘着剤層中の架橋剤の含有割合を上記範囲内に収めることによって、粘着力の経時上昇を抑制でき、ハンドリングが容易であり、かつ、被着体への糊残りが抑制できる、粘着テープを提供し得る。また、粘着剤層中の架橋剤の含有割合を上記範囲内に収めることによって、適度な架橋反応を生じさせることができ、剥離操作の際の被着体の破砕を効果的に防止できる。
架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。架橋剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
架橋剤は、好ましくは、エポキシ系架橋剤を含む。架橋剤としてエポキシ系架橋剤が必須に含まれることにより、粘着力の経時上昇を抑制でき、ハンドリングが容易であり、かつ、被着体への糊残りが抑制できる、粘着テープを提供し得る。
架橋剤としてエポキシ系架橋剤が必須に含まれる場合、粘着剤層中のエポキシ系架橋剤の含有割合は、目的に応じて適宜設定し得るが、主たる樹脂成分(好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマー)100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜30重量部であり、より好ましくは0.2重量部〜25重量部であり、さらに好ましくは0.5重量部〜20重量部であり、特に好ましくは0.7重量部〜15重量部である。粘着剤層中のエポキシ系架橋剤の含有割合を上記範囲内に収めることによって、粘着力の経時上昇を抑制でき、ハンドリングが容易であり、かつ、被着体への糊残りが抑制できる、粘着テープを提供し得る。
エポキシ系架橋剤としては、任意の適切なエポキシ系架橋剤を採用し得る。市販品としては、例えば、三菱ガス化学(株)製の「テトラッドC」、(株)ADEKA製の「アデカレジンEPUシリーズ」や「アデカレジンEPRシリーズ」、(株)ダイセル製の「セロキサイド」などが挙げられる。特に、これらのような液状エポキシ樹脂は、粘着剤層を製造する際の粘着剤混合操作が容易になる点で、好ましい。
架橋剤としてエポキシ系架橋剤が必須に含まれる場合、他の架橋剤が併用されていても良い。このような架橋剤としては、上記のイソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。これらの架橋剤の中でも、本発明の効果を十分に発現できる点で、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤が好ましく、メラミン系架橋剤がより好ましい。
粘着剤層は、可塑剤を含んでいても良い。粘着剤層が可塑剤を含む場合、粘着剤層中の可塑剤の含有割合は、目的に応じて適宜設定し得るが、主たる樹脂成分(好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマー)100重量部に対して、0.1重量部〜70重量部である。粘着剤層中の可塑剤の含有割合を上記範囲内に収めることによって、本発明の効果をより一層効果的に発現することが可能となる。粘着剤層中の可塑剤の含有割合が、主たる樹脂成分(好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマー)100重量部に対して、70重量部より大きいと、粘着剤層が柔軟になりすぎてしまい、糊残りや被着体汚染が発生しやすくなるおそれがある。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系、トリメリット酸エステル系(大日本インキ(株)製、W−700、トリメリット酸トリオクチル等)、アジピン酸エステル系((株)ジェイプラス製、D620、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等)、リン酸エステル系(リン酸トリクレシル等)、アジピン酸系エステル、クエン酸エステル(アセチルクエン酸トリブチル等)、セバシン酸エステル、アセライン酸エステル、マレイン酸エステル、安息香酸エステル、ポリエーテル系ポリエステル、エポキシ系ポリエステル(エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等)、ポリエステル(カルボン酸とグリコールからなる低分子ポリエステル等)などが挙げられる。本発明においては、エステル系可塑剤を用いることが好ましい。可塑剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
粘着剤層は、架橋反応等を促進させるために、任意の適切な触媒を含んでいても良い。粘着剤層が触媒を含む場合、粘着剤層中の触媒の含有割合は、目的に応じて適宜設定し得るが、主たる樹脂成分(好ましくは、(メタ)アクリル系ポリマー)100重量部に対して、0.01重量部〜20重量部である。粘着剤層中の触媒の含有割合を上記範囲内に収めることによって、本発明の効果をより一層効果的に発現することが可能となる。
このような触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート等の有機金属化合物;ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、イミダゾール、水酸化リチウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性化合物;p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、燐酸、モノアルキル燐酸、ジアルキル燐酸、β−ヒドロキシエチルアクリレートの燐酸エステル、モノアルキル亜燐酸、ジアルキル亜燐酸等の酸性化合物;などが挙げられる。触媒は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープは、該ポリ塩化ビニル系粘着テープの粘着剤層を該ポリ塩化ビニル系粘着テープの離型剤層に貼り合せて引張速度0.3m/分で剥離した場合の粘着力が、好ましくは0.1N/20mm〜3.0N/20mmであり、より好ましくは0.2N/20mm〜3.0N/20mmであり、さらに好ましくは0.3N/20mm〜2.9N/20mmであり、特に好ましくは0.4N/20mm〜2.8N/20mmである。なお、ここでいう「該ポリ塩化ビニル系粘着テープの粘着剤層を該ポリ塩化ビニル系粘着テープの離型剤層に貼り合せ」とは、本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープの粘着剤層を、同一のポリ塩化ビニル系粘着テープにおける離型剤層に貼り合せることであっても良いし、本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープの粘着剤層を、別途用意した本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープの離型剤層に貼り合せることであっても良い。上記粘着力を上記範囲内に収めることによって、例えば、本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープをロール状にした場合、ロール状の巻き取り粘着テープから該粘着テープを巻き戻す際に該粘着テープ自体が裂けたり破れたりすることなく、また、粘着剤層の粘着剤の粘着テープ背面に対する粘着力が粘着テープ背面に糊残りを起こさない程度に良好にコントロールされ、さらに、離型剤による被着体の汚染も抑制された、ポリ塩化ビニル系粘着テープを提供することができる。
粘着剤層には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤が含まれていても良い。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、充填剤、老化防止剤、粘着付与剤、顔料、染料、シランカップリング剤などが挙げられる。
本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープは、粘着剤層の表面に剥離ライナーを備えていても良い。
剥離ライナーとしては、任意の適切なセパレータを採用し得る。このような剥離ライナーとしては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等の剥離層を有する基材;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系ポリマーからなる低接着性基材;オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)等の無極性ポリマーからなる低接着性基材;などが挙げられる。
粘着剤層を、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの離型剤層が設けられていない側の表面上に設ける方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段として、好ましくは、粘着剤層を形成する塗工液を、本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの離型剤層が設けられていない側の表面上に塗工することによって粘着剤層を設ける方法である。
塗工方式としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意の適切な塗工方式を採用し得る。このような塗工方式としては、例えば、リバース方式、ダイレクト方式、メタリングロールを組み合わせた各種方式などが挙げられる。
≪用途≫
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムおよび本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープは、任意の適切な用途に用い得る。好ましい用途としては、例えば、金属板の表面保護が挙げられ、具体的には、好ましくは、ステンレス板、アルミ板、塗装鋼板から選ばれる少なくとも1種の被着体の表面保護に用いられる。特に好ましくは、これらの金属板を加工する際に用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
≪接触角測定≫
測定対象の粘着テープを5.0cm×5.0cmの大きさに切り取り、粘着剤層の無い面側に水を10ml設置した後、23.0℃、湿度50%の環境下、接触角測定装置(「CA−X」、協和界面科学社製)を用いて1種の粘着テープ試料につき任意10箇所で接触角を測定し、その平均値を接触角とした。
≪粘着テープの粘着剤層を粘着テープの離型剤層に貼り合わせた際の粘着力≫
測定対象の粘着テープを、23.0℃、湿度50%の環境下、1時間放置した後、その粘着テープの一部を20mm幅×100mm長さに切断し、そのテープの粘着剤層を、100mm×100mmに切断した同一の粘着テープの背面側(粘着剤層と反対側)に流れ方向が一致するように線圧78.5N/cm、速度0.3m/分で貼り合せた後、23.0℃、湿度50%の環境下で30分間放置し、剥離角度180°、引張速度0.3m/分で粘着テープを剥離し、その時の剥離力を測定した。
≪ロール状粘着テープの巻き戻し試験≫
測定対象の粘着テープを230mm幅3インチボール紙芯に50m巻きつけて、40.0℃、相対湿度92%の環境下で3日間保存して、ロール状粘着テープを得た。
ロール状粘着テープのボール紙芯に、3インチボール紙芯を宙づりするための金属棒を通して宙づりにした。この状態で、粘着テープを1m/秒で1mずつ巻き戻しを行うことで1つのロール状粘着テープで50回巻き戻しと巻き戻し停止を繰り返して、下記の判断基準に基づき、巻き戻し性の評価を行った。
×:巻き戻し時に粘着テープの粘着剤層が隣接する粘着テープの背面(粘着剤層と反対側の表面)に粘着するなどして、粘着テープの破れや千切れ、粘着剤層の粘着剤脱落など、粘着テープに破損が起きた。
△:巻き戻し時に粘着テープの粘着剤層が隣接する粘着テープの背面(粘着剤層と反対側の表面)に粘着するなどして、延伸されるなどの粘着テープの変形が起き、巻き戻し作業が困難となった。もしくは、巻き戻し時に粘着テープの粘着剤層が隣接する粘着テープの背面(粘着剤層と反対側の表面)に貼りつくことはないが、巻き戻し中に巻きずれが生じた。
○:上記の問題がなく、ロールから粘着テープを巻き戻すことができた。
≪被着体汚染性≫
測定対象の粘着テープを、35℃、湿度80%の環境下で24時間加熱後、SUS304片面#8研磨板に貼付け、35℃、湿度80%の環境下に24時間投入し、30分以上放置後、手で剥がした。SUSのテープ剥離面を目視で観察して、下記の判断基準に基づき、被着体汚染性を確認した。
○:SUS板表面の汚れ曇り(SUS表面が白くなる)なし。
×:SUS板表面の汚れ曇りあり。
≪離型剤層のテープへの追従性≫
測定対象の粘着テープを23℃、湿度50%の環境下で1時間放置した後、粘着テープを長さ150mm×幅10mmにカットした。そのサンプルを、チャック間50mm、引張速度300mm/分で200%引っ張った際、チャック間にあった粘着テープの背面側(粘着剤層と反対の表面側)の離型剤層のひび割れを目視で確認した。
○:ひび割れなし。
×:ひび割れあり。
≪総合判定≫
評価項目≪ロール状粘着テープの巻き戻し試験≫、≪被着体汚染性≫、≪離型剤層のテープへの追従性≫について、すべてが○であったものを合格品、ひとつでも×があったものを不合格品とした。
〔製造例1〕:ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムの製造
重合度P=1050のポリ塩化ビニル100重量部に対してDOP可塑剤(フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、ジェイプラス製)27重量部を含んだ軟質ポリ塩化ビニルフィルムをカレンダー法によって製造した。この軟質ポリ塩化ビニルフィルムの厚みは70μmであり、JIS−K−7127に従って測定される弾性率(MD)が250MPa、JIS−K−7127に従って測定される最大伸び(MD)が400%であった。また、製造直後の表面粗さ(算術平均表面粗さRa)は0.1μmであった。
〔実施例1〕
長鎖アルキル系離型剤(ピーロイル1010、直鎖アルキル基の鎖長=炭素数18、一方社油脂製、オクタデシルイソシアナートとポリビニルアルコールの付加物)20重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(エバフレックスEV−150、三井デュポン社製)100重量部を、溶液状態で混合して、混合溶液(1A)を得た。混合溶液(1A)中の長鎖アルキル系離型剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体の混合比は、重量比で、長鎖アルキル系離型剤:エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)=1:5であった。
製造例1で製造した軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片方の面に、上記混合溶液(1A)を塗布して、厚さ1.0μm、算術平均表面粗さRa=0.5μmの離型剤層を形成させた。
このようにして、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(1B)を得た。
続いて、ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)/ヒドロキシエチルアクリレート=92/5/2/0.3(重量比)から構成されるアクリル共重合ポリマー100重量部、メラミン系架橋剤(ブタノール変性メラミンホルムアルデヒド樹脂、「スーパーベッカミンJ−820−60N」、日本ポリウレタン製)1重量部、エポキシ系架橋剤(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ジクロルヘキサン「テトラッドC」、三菱瓦斯化学製)0.5重量部からなる粘着剤をトルエン溶液とした粘着剤溶液を、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(1B)の離型剤層と反対側の面に塗布した後、130℃×90秒で乾燥し、厚み10μmの粘着剤層をポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(1B)の離型剤層と反対側の面に形成した。
このようにして、ポリ塩化ビニル系粘着テープ(1C)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例2〕
長鎖アルキル系離型剤(ピーロイル1010、直鎖アルキル基の鎖長=炭素数18、一方社油脂製)1.0重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(エバフレックスEV−150、三井デュポン社製)100重量部を、溶液状態で混合して、混合溶液(2A)を得た。混合溶液(2A)中の長鎖アルキル系離型剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体の混合比は、重量比で、長鎖アルキル系離型剤:エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)=1:100であった。
製造例1で製造した軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片方の面に、上記混合溶液(2A)を塗布して、厚さ1.0μm、算術平均表面粗さRa=0.5μmの離型剤層を形成させた。
このようにして、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(2B)を得た。
続いて、ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)/ヒドロキシエチルアクリレート=92/5/2/0.3(重量比)から構成されるアクリル共重合ポリマー100重量部、メラミン系架橋剤(ブタノール変性メラミンホルムアルデヒド樹脂、「スーパーベッカミンJ−820−60N」、日本ポリウレタン製)1重量部、エポキシ系架橋剤(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ジクロルヘキサン「テトラッドC」、三菱瓦斯化学製)0.5重量部からなる粘着剤をトルエン溶液とした粘着剤溶液を、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(2B)の離型剤層と反対側の面に塗布した後、130℃×90秒で乾燥し、厚み10μmの粘着剤層をポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(2B)の離型剤層と反対側の面に形成した。
このようにして、ポリ塩化ビニル系粘着テープ(2C)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例1〕
ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)/ヒドロキシエチルアクリレート=92/5/2/0.3(重量比)から構成されるアクリル共重合ポリマー100重量部、メラミン系架橋剤(ブタノール変性メラミンホルムアルデヒド樹脂、「スーパーベッカミンJ−820−60N」、日本ポリウレタン製)1重量部、エポキシ系架橋剤(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ジクロルヘキサン「テトラッドC」、三菱瓦斯化学製)0.5重量部からなる粘着剤をトルエン溶液とした粘着剤溶液を、製造例1で製造した軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片方の面に塗布した後、130℃×90秒で乾燥し、厚み10μmの粘着剤層を軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片方の面に形成した。
このようにして、離型剤層を有さないポリ塩化ビニル系粘着テープ(C1C)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例2〕
長鎖アルキル系離型剤(ピーロイル1010、直鎖アルキル基の鎖長=炭素数18、一方社油脂製)100重量部を、溶液状態にして、希釈溶液(3A)を得た。
製造例1で製造した軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片方の面に、上記希釈溶液(C2A)を塗布して、厚さ1.0μm、算術平均表面粗さRa=0.5μmの離型剤層を形成させた。
このようにして、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(C2B)を得た。
続いて、ブチルアクリレート(BA)/アクリロニトリル(AN)/アクリル酸(AA)/ヒドロキシエチルアクリレート=92/5/2/0.3(重量比)から構成されるアクリル共重合ポリマー100重量部、メラミン系架橋剤(ブタノール変性メラミンホルムアルデヒド樹脂、「スーパーベッカミンJ−820−60N」、日本ポリウレタン製)1重量部、エポキシ系架橋剤(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ジクロルヘキサン「テトラッドC」、三菱瓦斯化学製)0.5重量部からなる粘着剤をトルエン溶液とした粘着剤溶液を、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(C2B)の離型剤層と反対側の面に塗布した後、130℃×90秒で乾燥し、厚み10μmの粘着剤層をポリ塩化ビニル系樹脂フィルム(C2B)の離型剤層と反対側の面に形成した。
このようにして、ポリ塩化ビニル系粘着テープ(C3C)を得た。
結果を表1に示した。
Figure 0006071762
本発明のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムおよび本発明のポリ塩化ビニル系粘着テープは、例えば、金属板の表面保護に用いられる。特に好ましくは、これらの金属板を加工する際に用いられる。
1 ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルム
2 離型剤層
3 粘着剤層
10 ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム
100 ポリ塩化ビニル系粘着テープ

Claims (9)

  1. ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムの少なくとも一方の表面に、長鎖アルキル系離型剤とエチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を主成分として含む離型剤層を設けた、該離型剤層の表面に対する水の接触角が90.0°〜130.0°である、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム。
  2. 前記離型剤層の厚みが0.01μm〜10.0μmである、請求項に記載のポリ塩化ビニル系樹脂フィルム。
  3. 前記離型剤層に含まれる長鎖アルキル系離型剤が炭素数12以上の直鎖アルキル基を含む、請求項1または2に記載のポリ塩化ビニル系樹脂フィルム。
  4. 前記ポリ塩化ビニルが軟質ポリ塩化ビニルである、請求項1からまでのいずれかに記載のポリ塩化ビニル系樹脂フィルム。
  5. 請求項1からまでのいずれかに記載のポリ塩化ビニル系樹脂フィルムの離型剤層が設けられていない側の表面上に粘着剤層が設けられた、ポリ塩化ビニル系粘着テープ。
  6. 前記粘着剤層が、(メタ)アクリル系ポリマーまたはゴム系粘着剤を含む、請求項に記載のポリ塩化ビニル系粘着テープ。
  7. 前記ポリ塩化ビニル系粘着テープの粘着剤層を前記ポリ塩化ビニル系粘着テープの離型剤層に貼り合せて引張速度0.3m/分で剥離した場合の粘着力が0.1N/20mm〜3.0N/20mmである、請求項またはに記載のポリ塩化ビニル系粘着テープ。
  8. ステンレス板、アルミ板、塗装鋼板から選ばれる少なくとも1種の被着体の表面保護に用いられる、請求項からまでのいずれかに記載のポリ塩化ビニル系粘着テープ。
  9. 金属板加工に用いられる、請求項からまでのいずれかに記載のポリ塩化ビニル系粘着テープ。
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