JP6071190B2 - 多気筒回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

多気筒回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、多気筒回転式圧縮機及びこの多気筒回転式圧縮機を用いた冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置では、複数(主として、2つ)のシリンダを備えた圧縮機構部とこの圧縮機構部を駆動する電動機部とを密閉ケース内に収容し、各シリンダのシリンダ室内で圧縮された高圧のガス冷媒を密閉ケース内に吐出する方式の多気筒回転式圧縮機が多用されている。この種の多気筒回転式圧縮機において、全てのシリンダ室内でガス冷媒を圧縮する全能力運転と、一部のシリンダ室でガス冷媒の圧縮を停止する能力低減運転とに切換えることができれば、運転効率や消費電力等の点で有利である。
2つのシリンダを有し、必要に応じて全能力運転と能力低減運転とに切換可能な多気筒回転式圧縮機としては、下記特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載された多気筒回転式圧縮機の圧縮機構部には、それぞれシリンダ室を有する2つのシリンダが設けられ、各シリンダには、シリンダ室内で偏心回転するローラと、ローラに接離する方向にスライド可能に設けられて先端部がローラの外周面に当接した場合にシリンダ室内を二つの空間に区画するブレードと、シリンダ室に連通されるとともにブレードの後端側に位置してブレードをローラと接離する方向にスライドさせるための圧力を供給するブレード背室とを有している。
一方のシリンダのブレード背室内には、電磁弁を備えた圧力切換部において切換えられた低圧又は高圧のガス冷媒が背圧用通路内を流れて選択的に導かれる。ブレード背室内に高圧のガス冷媒が導かれている場合には、その圧力によりブレードが付勢されてブレードの先端部がローラの外周面に当接され、このシリンダは圧縮運転状態となる。そして、圧縮運転状態となったこのシリンダにおいては、アキュムレータを通過した低圧のガス冷媒が吸込管を流れてシリンダ室内に吸込まれる。一方、電磁弁の切換によりブレード背室内に低圧のガス冷媒が導かれている場合には、ブレードがローラ側に付勢されず、ブレードの先端部がローラの外周面から離反し、このシリンダは圧縮が停止される非圧縮運転状態(休筒状態)となる。シリンダが休筒状態となった場合には、アキュムレータからシリンダ室内へは低圧のガス冷媒は吸込まれない。
他方のシリンダのブレード背室内にはバネ部材が収容され、ブレードはバネ部材の付勢力によってその先端部がローラの外周面に常時当接されている。これにより、多気筒回転式圧縮機の運転時には、このシリンダは常時圧縮運転状態となり、アキュムレータを通過した低圧のガス冷媒が吸込管内を流れてシリンダ室内に吸込まれる。
ブレード背室内に導かれる低圧のガス冷媒は、冷凍サイクル装置におけるガス冷媒の流れ方向に沿ったアキュムレータより上流側の部分の冷媒配管から圧力切換部に導かれ、圧力切換部で切換えられた後に背圧用通路内を流れてブレード背室内に導かれる。
ところで、密閉ケース内は、シリンダ室内で圧縮された高圧のガス冷媒が吐出されて高圧となっているため、休筒状態となったシリンダのシリンダ室内の圧力より高圧である。このため、休筒状態のシリンダでは、密閉ケース内とシリンダ室内との圧力差により密閉ケース内に貯留されている潤滑油がシリンダ室内に入り込む。シリンダ室内に入り込んだ潤滑油は、ブレードとブレード溝間の隙間を介してブレード背室に流入し、さらに、背圧
用通路を経由して圧力切換部に到達する。そしてさらに、この圧力切換部に接続されている冷媒配管からアキュムレータ内に流入する。
アキュムレータ内に流入した潤滑油は、吸込管のアキュムレータ内に位置する部分に形成されている小孔から吸込管内に流入し、低圧のガス冷媒と共に吸込管内を流れてシリンダ室内に吸込まれ、シリンダ室で圧縮されて高圧になったガス冷媒と共に密閉ケース内に吐出される。即ち、能力低減運転時に密閉ケース内から休筒状態となったシリンダのシリンダ室内に入り込んだ潤滑油は、アキュムレータ内に流入した後に密閉ケース内に戻される構造になっている。
特開2006−22766号公報
しかしながら、潤滑油の粘性のために、吸込管内を流れるガス冷媒の流速が低い場合等には、アキュムレータから密閉ケース内への潤滑油の戻りが少なくなり、密閉ケース内の潤滑油が不足する。
密閉ケース内の潤滑油が不足すると、密閉ケース内の圧縮機構部の摺動部分の潤滑が不十分になり、摺動部分が摩耗するという不都合が発生する。
本発明の実施形態の目的は、密閉ケース内に貯留されている潤滑油が、非圧縮運転状態(休筒状態)となったシリンダのブレード背室を経由して密閉ケース外に流出した場合、その潤滑油をアキュムレータ内に流入させることなく密閉ケース内に戻るようにし、密閉ケース内の潤滑油が不足することを防止することができる多気筒回転式圧縮機及びこの多気筒回転式圧縮機を用いた冷凍サイクル装置を提供することである。
実施形態の多気筒回転式圧縮機は、第1シリンダ室を有して圧縮運転状態と非圧縮運転状態である休筒状態とに切換可能な第1シリンダと、第2シリンダ室を有して常時圧縮運転状態とされる第2シリンダとを備え、アキュムレータから吸込管を介して供給される低圧の作動流体を圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動する電動機部と、これらの圧縮機構部と電動機部とを収容する密閉ケースとを有し、第1シリンダは、第1シリンダ室内で偏心回転する第1ローラと、第1ローラに接離する方向にスライド可能に設けられ先端部が第1ローラの外周面に当接した場合に第1シリンダ室内を二つの空間に区画する第1ブレードと、第1ブレードの後端側に位置し、この第1ブレードを前記第1ローラに接離する方向にスライドさせるための圧力を供給する第1ブレード背室とを有し、第1及び第2シリンダ室内で圧縮された高圧の作動流体を密閉ケース内に吐出する。また、吸込管として、第1シリンダ室に低圧の作動流体を供給する一方の吸込管と、第2シリンダ室に低圧の作動流体を供給する他方の吸込管との二つが設けられている。さらに、第1ブレード背室にその一端が連通された背圧導入管と、背圧導入管の他端が連通され、この背圧導入管を介して第1ブレード背室に低圧又は高圧の作動流体を切換えて導く圧力切換部と、圧力切換部にその一端が連通され、第1シリンダが非圧縮運転状態の場合に背圧導入管に連通されるとともに他端がアキュムレータから低圧の作動流体第2シリンダ室に供給する他方の吸込管に連通された作動流体導入管と、を備え、作動流体導入管と背圧導入管とは、他方の吸込管より小径に形成されている。さらに、密閉ケースの上部に設けられて密閉ケース内の高圧の作動流体を密閉ケース外に吐出させる吐出管と圧力切換部との間に、吐出管から吐出された高圧の作動流体を圧力切換部に導く高圧ガス冷媒導入管が接続されている。さらに、圧縮機構部は、第1ブレード背室内と密閉ケース内とを連通する連通路と、連通路を開閉する逆止弁機構とを備え、逆止弁機構は、第1シリンダが圧縮運転状態である場合において、第1ブレードが第1ブレード背室の容積を拡大する方向にスライドする場合に連通路を閉じ、第1ブレードが前記第1ブレード背室の容積を縮小する方向にスライドする場合に連通路を開放するように構成されている。
断面で示した第1の実施形態の多気筒回転式圧縮機を含む冷凍サイクル装置の構成図である。 圧縮機構部の一部を拡大して示す分解斜視図である。 閉塞部材への逆止弁機構の取付構造を拡大して示す図である。 図3におけるX―X線断面図である。 断面で示した第2の実施形態の多気筒回転式圧縮機を含む冷凍サイクル装置の構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、図1ないし図4に基づいて説明する。図1は、多気筒回転式圧縮機Aの概略の断面図と、この多気筒回転式圧縮機Aを含む冷凍サイクル装置Sの構成図である。
はじめに、多気筒回転式圧縮機Aについて説明する。多気筒回転式圧縮機Aは、圧縮機本体A1とアキュムレータA2とを備えている。圧縮機本体A1は作動流体であるガス冷媒を圧縮する機器であり、アキュムレータA2は、ガス冷媒と液冷媒を分離する機器である。
圧縮機本体A1は、円筒状の密閉ケース1を有し、この密閉ケース1内の下部に圧縮機構部2が収容され、密閉ケース1内の上部に電動機部3が収容されている。これらの圧縮機構部2と電動機部3とは、上下方向に延出する回転軸4を介して連結され、電動機部3で発生する駆動力により圧縮機構部2が駆動される。
圧縮機構部2は、下部側に位置する第1シリンダ5aと、上部側に位置する第2シリンダ5bとを有している。第1シリンダ5aの下端面には軸受6が取付けられ、第2シリンダ5bの上端面には軸受7が取付けられている。これらの第1シリンダ5aと第2シリンダ5bとの間には、仕切板8が介装されている。
回転軸4は、軸受6、7により軸支され、第1及び第2シリンダ5a、5b内を貫通して設けられている。回転軸4には、第1シリンダ5a内に位置する第1偏心部9aと第2シリンダ5b内に位置する第2偏心部9bとが、180°の位相差をもって形成されている。第1偏心部9aと第2偏心部9bとは同一直径に形成され、第1偏心部9aには円筒状の第1ローラ10aが嵌合され、第2偏心部9bには円筒状の第2ローラ10bが嵌合されている。
第1シリンダ5aの内部には、上下方向の両端を仕切板8と軸受6とにより覆われてガス冷媒を圧縮する空間となる第1シリンダ室11aが形成されている。第2シリンダ5bの内部には、上下方向の両端を軸受7と仕切板8とにより覆われてガス冷媒を圧縮する空間となる第2シリンダ室11bが形成されている。これらの第1及び第2シリンダ室11a、11b内には、第1及び第2ローラ10a、10bが収容されている。第1及び第2ローラ10a、10bは、外周面の一部を第1及び第2シリンダ室11a、11bの内周面に線接触させながら偏心回転するように設けられている。
軸受7には、二重に重ねられた吐出マフラ12が取付けられている。この吐出マフラ12は、軸受7に設けられて第2シリンダ室11b内のガス冷媒の圧力が設定値以上になった場合に開弁される吐出弁機構13を覆っている。吐出マフラ12には、密閉ケース1内に連通する吐出孔(図示せず)が形成されている。軸受6には、一重の吐出マフラ14が取付けられている。この吐出マフラ14は、軸受6に設けられて第1シリンダ室11a内のガス冷媒の圧力が設定値以上になった場合に開弁される吐出弁機構(図示せず)を覆っている。
軸受6と第1シリンダ5aと仕切板8と第2シリンダ5bと軸受7とに亘って、吐出マフラ12内と吐出マフラ14内とを連通する吐出ガス案内路(図示せず)が形成されている。これにより、第1シリンダ室11a内から吐出マフラ14内に吐出された高圧のガス冷媒は、吐出ガス案内路内を流れて吐出マフラ12内に流入し、第2シリンダ室11b内で圧縮された高圧のガス冷媒と共に密閉ケース1内に吐出される。
密閉ケース1内の底部には、潤滑油が貯留される油溜まり部15が形成されている。図1において、軸受7のフランジ部を横切る実線は、油溜まり部15に貯留された潤滑油の油面を示している。圧縮機構部2のほとんど全体が、油溜まり部15内に貯留された潤滑油中に浸漬されている。
圧縮機構部2の構造を図2に基づいて説明する。第1シリンダ5aには、一端が第1シリンダ室11aに連通された第1ブレード溝16aと、この第1ブレード溝16aの他端に連通された第1ブレード背室17aとが形成されている。第1ブレード溝16aには、第1ブレード18aがスライド可能に嵌合されている。第1ブレード18aは、第1シリンダ室11a内で偏心回転する第1ローラ10a(図2では図示を省略、図1参照)に接離する方向にスライドし、先端部が第1ローラ10aの外周面に当接した場合に第1シリンダ室11a内を二つの空間に区画する。第1ブレード背室17aは、第1ブレード18aの後端側に位置し、この第1ブレード背室17aには、第1ブレード18aの先端部を第1ローラ10aの外周面に当接する方向にスライドさせるための圧力(高圧のガス冷媒による圧力)が後述する背圧導入管を介して導かれる。
第1ブレード背室17aの奥部には、第1シリンダ5aが後述するようにガス冷媒の圧縮を停止する非圧縮運転状態(休筒状態)となった場合に第1ブレード18aを磁気吸着する永久磁石20とこの永久磁石20を保持する保持部材21とが収容されている。
第2シリンダ5bには、一端が第2シリンダ室11bに連通された第2ブレード溝16bと、この第2ブレード溝16bの他端に連通された第2ブレード背室17bとが形成されている。第2ブレード溝16bには、第2ブレード18bがスライド可能に嵌合されている。第2ブレード18bは、第2シリンダ室11b内で偏心回転する第2ローラ10b(図2では図示を省略、図1参照)に接離する方向にスライドし、先端部が第2ローラ10bの外周面に当接した場合に第2シリンダ室11b内を二つの空間に区画する。第2ブレード背室17bは、第2ブレード18bの後端側に位置している。第2シリンダ5bの壁部には、一端が第2ブレード背室17bに連通して他端が第2シリンダ5bの外周面に連通する横孔22が形成され、この横孔22内にはバネ部材23が収容されている。横孔22内に収容されたバネ部材23は、第2ブレード18bの後端側に当接している。この当接により、第2ブレード18bはバネ部材23の付勢力によってその先端部が第2ローラ10bの外周面に常時当接した状態に維持される。
第1及び第2ブレード18a、18bは、それぞれの先端部の平面視形状が略円弧状に形成されており、その先端部が第1及び第2シリンダ室11a、11b内に出没し、後端部が第1及び第2ブレード背室17a、17b内に出没する寸法に形成されている。
第1及び第2ブレード18a、18bが第1及び第2シリンダ室11a、11b内に突出してその先端部が第1及び第2シリンダ室11a、11b内に位置している第1及び第2ローラ10a、10bの外周面に当接した場合、第1及び第2ブレード18a、18bの先端部は第1及び第2ローラ10a、10bの回転角度にかかわらず線接触する。そして、第1及び第2ブレード18a、18bの先端部が第1及び第2ローラ10a、10bの外周面に当接することにより、第1及び第2シリンダ室11a、11b内が二つの空間
に区画される。第1及び第2シリンダ室11a、11b内が二つの空間に区画されることにより、これらの二つの空間は第1及び第2ローラ10a、10bが偏心回転することにより容積が変化し、容積が次第に小さくなる一方の区画内が高圧側となってガス冷媒の圧縮が行われ、他方の区画が低圧側となる。
図1に戻って説明する。第1シリンダ5aの第1ブレード背室17aは、軸受6のフランジ部周端より外方へ突出した位置に形成され、第1シリンダ5aを上下方向に貫通して形成されている。この第1ブレード背室17aは、上面側開口部が仕切板8により覆われ、下面側開口部が閉塞部材24により覆われている。したがって、第1ブレード背室17aは、上下の開口部が仕切板8と閉塞部材24とにより閉塞された密閉構造となっている。また、第2ブレード背室17bは、下面側開口部が仕切板8により覆われるが、上面開口部は密閉ケース1内空間部に連通している。したがって、第2ブレード背室17b内の圧力は密閉ケース1内の圧力と同一になる。
閉塞部材24における軸受6側の側端面は、軸受6のフランジ部周端面に沿う形状に形成され、反対側の側端面には背圧導入管25の一端が接続され、この背圧導入管25は第1ブレード背室17aに連通されている。背圧導入管25の他端は後述する圧力切換弁に連通されており、背圧導入管25の途中には、この背圧導入管25より拡開した内部空間を有する圧力緩衝空間部25aが設けられている。
さらに、閉塞部材24には逆止弁機構26が取付られている。逆止弁機構26は、図3に示すように、位置固定である弁押え部材29と可撓性を有する弁体30とを有しており、これらの弁抑え部材29と弁体30とが取付ボルト31で閉塞部材24に固定されている。閉塞部材24は、取付ボルト28により第1シリンダ(図示せず)に固定されている。
図4は、図3におけるX−X線断面図である。閉塞部材24には、この閉塞部材24を第1シリンダ5aに取付けた場合に第1シリンダ5aに対向する側に位置する凹部32と、背圧導入管25(図1参照)と凹部32とを連通する孔部33と、凹部32と密閉ケース1内(密閉ケース1の内部空間)を連通する連通路34とが形成されている。この連通路34の先端側に逆止弁機構26が取付けられている。凹部32は、ブレード背室17aと背圧導入管25とを連通する位置に形成されている。
第1シリンダ5aが圧縮運転状態である場合において、第1ブレード18aが第1ブレード背室17a側から第1シリンダ室11a側にスライド(前進)して第1ブレード背室17aの容積を拡大した場合には、第1ブレード背室17a内の圧力が密閉ケース1内の圧力以下になるとともに第1ブレード背室17aに連通されている凹部32内の圧力も密閉ケース1内の圧力以下になり、弁体30は連通路34を閉じる。
一方、第1ブレード18aが第1シリンダ室11a側から第1ブレード背室17a側にスライド(後退)して第1ブレード背室17aの容積を縮小した場合には、第1ブレード背室17a内の圧力が密閉ケース1内の圧力以上になるとともに第1ブレード背室17aに連通されている凹部32内の圧力も密閉ケース1内の圧力以上となり、弁体30は連通路34を開放する。これにより、第1ブレード背室17a内の圧力が過大になることが防止される。特に、第1ブレード背室17a内及び背圧導入管25内に潤滑油や液冷媒等の液流体が存在する場合の圧力上昇の抑制に大きな効果を有する。弁押え部材29は、弁体30が連通路34を開放する場合の最大開度を規制する。また、第1ブレード背室17a内に低圧のガス冷媒が導かれる休筒状態の場合にも、弁体30が連通路34を閉じる。
再び図1に戻って説明する。圧縮機本体A1の密閉ケース1の上端部には、密閉ケース1内の高圧のガス冷媒を密閉ケース1外に吐出させる吐出管35が接続されている。この吐出管35には、凝縮器36、膨張装置37、蒸発器38、アキュムレータA2が順次接続されている。そして、これらの圧縮機本体A1と、凝縮器36と、膨張装置37と、蒸発器38と、アキュムレータA2とを順次配管接続することにより冷凍サイクル装置Sが構成されている。
アキュムレータA2と圧縮機本体A1の第1及び第2シリンダ室11a、11bとは、吸込管40を介して連通されている。アキュムレータA2内に流入した冷媒はアキュムレータA2内でガス冷媒と液冷媒とに分離され、分離された低圧のガス冷媒が吸込管40内を流れ、さらに、仕切板8に形成されている図示しない流路内を流れて第1及び第2シリンダ室11a、11b内に吸込まれる。
一端が第1ブレード背室17aに連通された背圧導入管25の他端は、密閉ケース1の上端部とアキュムレータA2の上端部よりも上方位置まで延出し、その先端部が圧力切換部である圧力切換弁41に連通されている。
この圧力切換弁41により、背圧導入管25を介して第1ブレード背室17aに導かれる低圧又は高圧のガス冷媒の切換が行われる。圧力切換弁41は、4つのポート(第1ポートPa、第2ポートPb、第3ポートPc、第4ポートPd)を有し、第1ポートPaには、一端が吐出管35に連通された高圧ガス冷媒導入管42の他端が連通されている。第2ポートPbには、一端が第1ブレード背室17aに連通された背圧導入管25の他端が連通されている。第3ポートPcには、一端が吸込管40に連通された作動流体導入管である低圧ガス冷媒導入管43の他端が連通されている。第4ポートPdは、栓体44により常時閉塞されている。
圧力切換弁41の内部には、逆U字状通路を有する弁体45が移動可能に設けられている。この弁体45は、実線で示すように、第3ポートPcと第4ポートPdとを連通する位置と、破線で示すように、第2ポートPbと第3ポートPcとを連通する位置とに電磁的に切換可能とされている。第1ポートPaは常時開放されている。
弁体45が実線で示す位置に位置する場合には、第1ポートPaと第2ポートPbとが連通され、第3ポートPcと第4ポートPdとが連通されている。ただし、第4ポートPdは栓体44で常時閉塞されているため、圧力切換弁41内の連通状態としては、第1ポートPaと第2ポートPbとの連通だけが残る。
弁体45が破線で示す位置に移動した場合には、弁体45を介して第2ポートPbと第3ポートPcとが連通され、第1ポートPaと第4ポートPdとが連通される。ただし、第4ポートPdは栓体44により常時閉塞されているため、圧力切換弁41内の連通状態としては、第2ポートPbと第3ポートPcとの連通だけが残る。
この実施形態では、圧力切換部である圧力切換弁41として、通常のヒートポンプ式空気調和機を構成する冷凍サイクルに用いられる標準品である四方切換弁を流用することによりコストの抑制を図っている。しかし、圧力切換部としては、この圧力切換弁41に代えて三方弁を使用し、もしくは、複数の開閉弁を組み合わせても同様の作用効果が得られる。
吸込管40における低圧ガス冷媒導入管43の一端が連通される部分は、冷凍サイクル装置Sにおけるガス冷媒の流れ方向に沿ったアキュムレータA2より下流側に位置する部分であり、かつ、少なくとも第2シリンダ室11b内に供給されるガス冷媒が流れる部分である。この部分には多気筒回転式圧縮機Aの運転中は低圧のガス冷媒が常時流れている。
低圧ガス冷媒導入管43と背圧導入管25とは、吸込管40より小径に形成されている。吸込管40と低圧ガス冷媒導入管43との接続は、吸込管40に対して孔加工を行い、その孔に低圧ガス冷媒導入管43を連通するように溶接して行われている。
このような構成において、この多気筒回転式圧縮機Aでは、圧縮機構部2で圧縮された高圧のガス冷媒が密閉ケース1内に吐出され、密閉ケース1内の高圧のガス冷媒が吐出管35を介して凝縮器36側に供給され、冷凍サイクル装置Sの運転が行われる。
また、この多気筒回転式圧縮機Aは、第1シリンダ5aと第2シリンダ5bとの両方でガス冷媒を圧縮する全能力運転と、第1シリンダ5aを休筒状態として第2シリンダ5bのみで圧縮を行う能力低減運転とに切換可能であり、この全能力運転と能力低減運転とについて説明する。全能力運転と能力低減運転との切換えは、圧力切換弁41の弁体45の位置を切換えることにより行われる。
まず、全能力運転時について説明する。全能力運転時には、弁体45を図1の実線で示す位置に移動させる。弁体45が実線で示す位置に移動することにより、第1ポートPaと第2ポートPbとが連通され、第3ポートPcが閉止された状態となる。第1ポートPaと第2ポートPbとが連通されることにより、高圧ガス冷媒導入管42と背圧導入管25とが連通され、密閉ケース1内から吐出管35に吐出された高圧のガス冷媒の一部が高圧ガス冷媒導入管42内と背圧導入管25内とを流れて第1ブレード背室17aに導かれる。
第1ブレード背室17aに高圧のガス冷媒が導かれることにより、この圧力が第1ブレード18aの後端部に背圧として作用する。この背圧は吸込管40を介して第1シリンダ室11a内に吸込まれる低圧のガス冷媒の圧力より高いため、第1ブレード18aの先端部が第1ローラ10aの外周面に当接され、第1シリンダ室11a内が第1ブレード18aによって二つの空間に区画される。
二つの空間に区画された第1シリンダ室11a内には、第1ローラ10aの偏心回転に伴って吸込管40を介して低圧のガス冷媒が吸込まれる。第1シリンダ室11a内に吸込まれた低圧のガス冷媒は、第1ローラ10aの偏心回転に伴い圧縮されて高圧になり、高圧になったガス冷媒が吐出マフラ14内に吐出される。
また、第2シリンダ5bにおいては、バネ部材23の一端側が第1ブレード18bの後端部に当接している。そして、バネ部材23の付勢力及び密閉ケース1内の高圧が第1ブレード18bに背圧として作用し、第2ブレード18bの先端部が第2ローラ10bの外周面に常時当接され、第2シリンダ室11b内が第2ブレード18bによって二つの空間に区画される。
二つの空間に区画された第2シリンダ室11b内には、第2ローラ10bの偏心回転に伴って吸込管40を介して低圧のガス冷媒が吸込まれる。第2シリンダ室11b内に吸込まれた低圧のガス冷媒は、第2ローラ10bの偏心回転に伴って圧縮されて高圧になり、高圧になったガス冷媒が吐出マフラ12内に吐出される。吐出マフラ12内に吐出された高圧のガス冷媒は、吐出マフラ14内に吐出された後に吐出マフラ12内に流入する高圧のガス冷媒と合流して密閉ケース1内に吐出される。
以上のようにして、全能力運転時には、第1シリンダ5aと第2シリンダ5bとがともに圧縮運転状態となり、ガス冷媒が圧縮される。
つぎに、能力低減運転時について説明する。能力低減運転時には、弁体45を図1の破線で示す位置に移動させる。弁体45が破線で示す位置に移動することにより、第2ポートPbと第3ポートPcとが連通され、第1ポートPaはどこにも連通しない状態となる。第2ポートPbと第3ポートPcとが連通されることにより、低圧ガス冷媒導入管43と背圧導入管25とが連通され、吸込管40内を流れる低圧のガス冷媒の一部が低圧ガス冷媒導入管43内と背圧導入管25内とを流れて第1ブレード背室17aに導かれる。
第1ブレード背室17aに低圧のガス冷媒が導かれることにより、この圧力が第1シリンダ室11a内に吸込まれるガス冷媒の圧力と同じであるため、第1ブレード18aは第1ローラ10aの方向に付勢されず、第1ブレード18aの先端部は第1ローラ10aの外周面に当接されなくなる。このため、第1シリンダ室11a内は二つの空間に区画されず、第1シリンダ室11a内で第1ローラ10aが偏心回転しても低圧のガス冷媒は第1シリンダ室11a内に吸込まれず、第1シリンダ室11a内でのガス冷媒の圧縮は行われずに、第1シリンダ5aは非圧縮状態(休筒状態)になる。
一方、第2シリンダ室11bでは、バネ部材23の力と密閉ケース内の高圧により第2ブレード18bの先端部が第2ローラ10bの外周面に当接され、ガス冷媒の圧縮が行われる。
以上のようにして、能力低減運転時には、第2シリンダ5bのみ圧縮運転状態となってガス冷媒が圧縮され、第1シリンダ5aは休筒状態となってガス冷媒の圧縮が停止される。
第1シリンダ5aが休筒状態となっている場合には、第1ブレード18aはブレード背室17a内に収容された永久磁石20に磁気吸着されている。
能力低減運転時において、休筒状態となった第1シリンダ5aの第1シリンダ室11a内の圧力は、密閉ケース1内の圧力より低圧になる。このため、休筒状態となった第1シリンダ5aでは、第1シリンダ室11a内と密閉ケース1内との圧力差により、密閉ケース1内の油溜まり部15に貯留されている潤滑油が第1シリンダ5aの隙間部分から第1シリンダ室11a内に入り込む。第1シリンダ室11a内に入り込んだ潤滑油は、さらに、第1ブレード溝16aを経由して第1ブレード背室17a内に入り込む。ブレード背室17a内に入り込んだ潤滑油は、凹部32を経由して背圧導入管25内、圧力切換弁41及び低圧ガス冷媒導入管43内を通って、吸込管40内に吸込まれる。吸込管40内に吸込まれた潤滑油は、吸込管40内を流れる低圧のガス冷媒とともに第2シリンダ室11b内に流入し、第2シリンダ5bで圧縮されて高圧になったガス冷媒とともに密閉ケース1内に吐出される。
このように、能力低減運転時において、密閉ケース1内の潤滑油が第1シリンダ室11a及び第1ブレード背室17a内に入り込んでも、その潤滑油は背圧導入管25と低圧ガス冷媒導入管43と吸込管40とを経由して密閉ケース1内に戻され、アキュムレータA2内に溜まることがない。したがって、密閉ケース1内の潤滑油が不足することを防止することができ、密閉ケース1内の潤滑油の不足により圧縮機構部2の摺動部の潤滑が不良になることを防止することができる。また、能力低減運転時に密閉ケース1内に潤滑油が不足することを予測して予め密閉ケース1内に貯留する潤滑油の量を増やすという必要がなく、潤滑油の使用量を抑えることができる。
第1シリンダ5aが圧縮運転状態となる全能力運転時においては、先端部を第1ローラ10aの外周面に当接させている第1ブレード18aは、第1ローラ10aの偏心回転に伴って往復スライドする。そして、第1ブレード18aが第1ブレード背室17aの容積
を縮小する方向にスライドした場合、第1ブレード背室17a内の圧力が上昇する。また、第1ブレード18aが第1ブレード背室17aの容積を拡大する方向にスライドした場合、第1ブレード背室17a内の圧力が低下する。このようにして圧力が変動し、圧力脈動が生じる。しかし、この実施形態では背圧導入管25の途中に圧力緩衝空間部25aが設けられているため、第1ブレード背室17a内の圧力が変動して脈動が生じても、その圧力脈動が圧力緩衝空間部25aで緩和される。そのため、圧力脈動が背圧導入管25や高圧ガス冷媒導入管42や吐出管35に伝わることを抑制することができる。これにより、背圧導入管25や高圧ガス冷媒導入管42や吐出管35内で振動やビビリ音が発生することを抑制することができる。
低圧ガス冷媒導入管43と背圧導入管25と吸込管40との径に関して、低圧ガス冷媒導入管43と背圧導入管25とは吸込管40より小径に形成されている。このため、第1シリンダ5aが休筒状態となる能力低減運転時において、背圧導入管25内や低圧ガス冷媒導入管43内に滞留する潤滑油の量を少なくすることができ、密閉ケース1内の潤滑油の減少を抑制することができる。
また、吸込管40に孔加工を行い、その孔に低圧ガス冷媒導入管43を連通するようにして低圧ガス冷媒導入管43と吸込管40とを溶接する場合、低圧ガス冷媒導入管43が吸込管40より小径であるため、その溶接作業を容易に行うことができる。
閉塞部材24に設けられた逆止弁機構26は、第1シリンダ5aが圧縮運転状態となる全能力運転時において、第1ブレード18aのスライドにより第1ブレード背室17aの圧力が密閉ケース1内の圧力より大きくなった場合に弁体30は連通路34を開放する。これにより、上昇した第1ブレード背室17a内の圧力を密閉ケース1内に逃がすことができ、上昇した第1ブレード背室17a内の圧力が背圧導入管25側に伝わることを抑制することができる。したがって、この逆止弁機構26を設けることにより第1ブレード背室17a内で発生した脈動が背圧導入管25や高圧ガス冷媒導入管42及び吐出管35に伝わることを抑制することができる。これにより、第1ブレード背室17a内の圧力変動に伴い、背圧導入管25や高圧ガス冷媒導入管42や吐出管35内で振動やビビリ音が発生することを抑制することができる。
また、この逆止弁機構26は、第1ブレード背室17a内の圧力が密閉ケース1内の圧力以下になった場合や、第1ブレード背室17a内に低圧のガス冷媒が導かれる休筒状態の場合時には、弁体30が連通路34を閉止する。このため、密閉ケース1内の圧力より低い圧力となった第1ブレード背室17a内に密閉ケース1内の潤滑油が連通路34から流入することを防止することかできる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について、図5に基づいて説明する。なお、第1の実施形態で説明した構成要素と同じ構成要素は同じ符号で示し、重複する説明は省略する。
第2の実施形態の多気筒回転式圧縮機Bの基本的構成は第1の実施形態の多気筒回転式圧縮機Aと同じであり、多気筒回転式圧縮機Bは、圧縮機本体B1とアキュムレータB2とを備えている。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる部分は、アキュムレータB2から圧縮機本体B1に対して低圧のガス冷媒を供給するための配管構造であり、圧縮機本体B1の第1及び第2シリンダ室11a、11bとアキュムレータB2とが二本の吸込管40a、40bにより連通されている。
一方の吸込管40aの一端は、密閉ケース1を貫通して第1シリンダ5aの第1シリンダ室11aに連通されている。他方の吸込管40bの一端は、密閉ケース1を貫通して第
2シリンダ5bの第2シリンダ室11bに連通されている。
したがって、常時圧縮運転状態とされる第2シリンダ5bの第2シリンダ室11bには、吸込管40bを介して常時低圧のガス冷媒が吸込まれる。一方、第1シリンダ5aの第1シリンダ室11a内には、第1シリンダ5aが休筒状態の場合は吸込管40aから低圧のガス冷媒は吸込まれずに、圧縮運転される場合にのみ吸込管40aから低圧のガス冷媒が吸込まれる。
吸込管40bの冷凍サイクル装置Sにおけるガス冷媒の流れ方向に沿ったアキュムレータB2より下流側の位置に、低圧ガス冷媒導入管43の一端が連通されている。この吸込管40bは、多気筒回転式圧縮機Bの運転中は第2シリンダ室11b内に吸込まれるガス冷媒が常時流れている。そして、圧力切換弁41を切換えて低圧ガス冷媒導入管43と背圧導入管25とを連通させて第1シリンダ5aを休筒状態とした場合には、吸込管40b内を流れる低圧のガス冷媒が、低圧ガス冷媒導入管43内と背圧導入管25内とを流れて第1ブレード背室17aに導かれる。
このような構成において、全能力運転時には、弁体45を図5の実線で示す位置に移動させる。弁体45が実線で示す位置に移動することにより、第1ポートPaと第2ポートPbとが連通されるとともに高圧ガス冷媒導入管42と背圧導入管25とが連通され、第3ポートPcは閉止される。第1ポートPaと第3ポートPcとが連通されることにより、高圧ガス冷媒導入管42と背圧導入管25とが連通され、密閉ケース1内から吐出管35に吐出された高圧のガス冷媒の一部が高圧ガス冷媒導入管42内と背圧導入管25内とを流れて第1ブレード背室17aに導かれる。
第1ブレード背室17aに高圧のガス冷媒が導かれることにより、この圧力が第1ブレード18aの後端部に背圧として作用し、第1ブレード18aの先端部が第1ローラ10aの外周面に当接され、第1シリンダ5a内でガス冷媒の圧縮が行われる。また、第2シリンダ5bにおいては、バネ部材23の一端側が第2ブレード18bの後端部に当接して背圧として作用し、第2ブレード18bの先端部が第2ローラ10bの外周面に当接され、第2シリンダ5b内でガス冷媒の圧縮が行われる。
つぎに、第1シリンダ5aが休筒状態となる能力低減運転時には、弁体45を図5の破線で示す位置に移動させる。弁体45が破線で示す位置に移動すると、第2ポートPbと第3ポートPcとが連通されるとともに低圧ガス冷媒導入管43と背圧導入管25とが連通され、吸込管40b内を流れる低圧のガス冷媒の一部が低圧ガス冷媒導入管43内と背圧導入管25内とを流れて第1ブレード背室17aに導かれる。
第1ブレード背室17aに低圧のガス冷媒が導かれることにより、第1ブレード18aの先端部が第1ローラ10aの外周面に当接しなくなり、第1シリンダ5でのガス冷媒の圧縮が停止され、第1シリンダ5aが休筒状態になる。
能力低減運転時において、休筒状態となった第1シリンダ5aの第1シリンダ室11a内の圧力は、密閉ケース1内の圧力より低圧になる。このため、休筒状態においては、第1シリンダ室11a内と密閉ケース1内との圧力差により、密閉ケース1内の油溜まり部15に貯留されている潤滑油が第1シリンダ5aの隙間部分から第1シリンダ室11a内に入り込む。第1シリンダ室11a内に入り込んだ潤滑油は、さらに、第1ブレード溝16aを経由して第1ブレード背室17a内に入り込む。ブレード背室17a内に入り込んだ潤滑油は、背圧導入管25内と低圧ガス冷媒導入管43内とを流れ、吸込管40b内に吸込まれる。吸込管40b内に吸込まれた潤滑油は、吸込管40b内を流れる低圧のガス冷媒とともに第2シリンダ室11b内に流入し、第2シリンダ5bで圧縮されて高圧にな
ったガス冷媒とともに密閉ケース1内に吐出される。
このように、能力低減運転時において、密閉ケース1内の潤滑油が第1シリンダ室11a内に入り込んでも、その潤滑油は背圧導入管25と低圧ガス冷媒導入管43と吸込管40bとを介して密閉ケース1内に戻され、アキュムレータB2内に溜まることがない。したがって、能力低減運転時において密閉ケース1内の潤滑油がアキュムレータB2内に溜まることにより、密閉ケース1内で潤滑油が不足することを防止することができ、圧縮機構部2の摺動部の潤滑が不良になることを防止することができる。また、能力低減運転時に密閉ケース1内に潤滑油が不足することを予測して予め密閉ケース1内に貯留する潤滑油を増やすという必要がなく、潤滑油の使用量を抑えることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…密閉ケース、2…圧縮機構部、3…電動機部、5a…第1シリンダ、5b…第2シリンダ、10a…第1ローラ、11a…第1シリンダ室、11b…第2シリンダ室、17a…第1ブレード背室、18a…第1ブレード、25…背圧導入管、25a…圧力緩衝空間部、26…逆止弁機構、34…連通路、40…吸込管、40a…吸込管、40b…吸込管、41…圧力切換弁(圧力切換部)、43…低圧ガス冷媒導入管(低圧作動流体導入管)、A…多気筒回転式圧縮機、A2…アキュムレータ、B…多気筒回転式圧縮機、B2…アキュムレータ、S…冷凍サイクル装置

Claims (3)

  1. 第1シリンダ室を有して圧縮運転状態と非圧縮運転状態である休筒状態とに切換可能な第1シリンダと、第2シリンダ室を有して常時圧縮運転状態とされる第2シリンダとを備え、アキュムレータから吸込管を介して供給される低圧の作動流体を圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動する電動機部と、これらの圧縮機構部と電動機部とを収容する密閉ケースとを有し、前記第1シリンダは、前記第1シリンダ室内で偏心回転する第1ローラと、前記第1ローラに接離する方向にスライド可能に設けられ先端部が前記第1ローラの外周面に当接した場合に前記第1シリンダ室内を二つの空間に区画する第1ブレードと、前記第1ブレードの後端側に位置し、この第1ブレードを前記第1ローラに接離する方向にスライドさせるための圧力を供給する第1ブレード背室とを有し、前記第1及び第2シリンダ室内で圧縮された高圧の作動流体を前記密閉ケース内に吐出する多気筒回転式圧縮機において、
    前記吸込管として、前記第1シリンダ室に低圧の作動流体を供給する一方の吸込管と、前記第2シリンダ室に低圧の作動流体を供給する他方の吸込管との二つが設けられ、
    前記第1ブレード背室にその一端が連通された背圧導入管と、
    前記背圧導入管の他端が連通され、この背圧導入管を介して前記第1ブレード背室に低圧又は高圧の作動流体を切換えて導く圧力切換部と、
    前記圧力切換部にその一端が連通され、前記第1シリンダが非圧縮運転状態の場合に前記背圧導入管に連通されるとともに他端が前記アキュムレータから低圧の作動流体を前記第2シリンダ室に供給する他方の前記吸込管に連通された作動流体導入管と、
    を備え、
    前記作動流体導入管と前記背圧導入管とは、他方の前記吸込管より小径に形成され、
    前記密閉ケースの上部に設けられて前記密閉ケース内の高圧の作動流体を前記密閉ケース外に吐出させる吐出管と前記圧力切換部との間に、前記吐出管から吐出された高圧の作動流体を前記圧力切換部に導く高圧ガス冷媒導入管が接続され、
    前記圧縮機構部は、前記第1ブレード背室内と前記密閉ケース内とを連通する連通路と、前記連通路を開閉する逆止弁機構とを備え、
    前記逆止弁機構は、前記第1シリンダが圧縮運転状態である場合において、前記第1ブレードが前記第1ブレード背室の容積を拡大する方向にスライドする場合に前記連通路を閉じ、前記第1ブレードが前記第1ブレード背室の容積を縮小する方向にスライドする場合に前記連通路を開放するように構成されていることを特徴とする多気筒回転式圧縮機。
  2. 前記背圧導入管の途中に、拡開した内部空間を有する圧力緩衝空間部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の多気筒回転式圧縮機。
  3. 請求項1又は2記載の多気筒回転式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを備えて冷凍サイクルを構成することを特徴とする冷凍サイクル装置
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