JP6068128B2 - タイヤの製造方法及びタイヤ - Google Patents

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本発明は、トレッドゴム、カーカスプライ、ベルトプライ等のタイヤ構成部材間から効率的に空気を排出して、製品不良を効果的且つ簡便に抑制することのできるタイヤの製造方法、及び、その製造方法を用いて製造したタイヤに関する。
タイヤの製造においては、未加硫ゴム層を表面に有するタイヤ構成部材(例えば、トレッドゴム、カーカスプライ、ベルトプライ等)を成形ドラム上で貼り合わせてグリーンタイヤを形成し、形成したグリーンタイヤを加硫成型してタイヤとする。ここで、積層した2以上のタイヤ構成部材(例えば、トレッドゴムとベルトプライ)間に空気が残留したまま加硫成型を行うと、タイヤ構成部材間に残留する空気に起因した製品不良を生ずることがある。そのため、タイヤ構成部材同士を接着しつつタイヤ構成部材間の空気を排出して製品不良を防止するため、積層した2以上のタイヤ構成部材をローラによって押圧してタイヤ構成部材同士を圧着する、所謂ステッチングが行われている。
しかしながら、タイヤ構成部材の未加硫ゴム同士の間に閉じ込められた空気は、ステッチングを行うだけでは完全に排出することが難しい。そこで、タイヤ構成部材に孔を開け、該孔を介してタイヤ構成部材間から空気を排出する技術が提案されている。具体的には、例えば、孔を開けたタイヤ構成部材をカーカスプライに貼り付け、タイヤ構成部材とカーカスプライとの間の空気を排出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−088586号公報
しかしながら、孔を開けたタイヤ構成部材を使用すると、空気の排出性を向上させることができる反面、そのタイヤ構成部材を設置した部位のタイヤ剛性が低下する可能性がある。また、部材に孔を開ける作業は煩雑であり、タイヤの製造効率が低下する。
そこで、本発明の目的は、タイヤの性能を低下させることなく、タイヤ構成部材間から効率的に空気を排出して、製品不良を効果的且つ簡便に抑制することのできるタイヤの製造方法及び該製造方法を用いて製造したタイヤを提供することにある。
即ち、本発明に係るタイヤの製造方法は、第1タイヤ構成部材の少なくとも一方の表面を形成する第1未加硫ゴムからなる層と、第2タイヤ構成部材の少なくとも一方の表面を形成する第2未加硫ゴムからなる層との間にシート状部材を設置し、シート状部材を介して、第1タイヤ構成部材と第2タイヤ構成部材とを圧着する圧着工程と、シート状部材を介して圧着された第1タイヤ構成部材及び第2タイヤ構成部材を含んだグリーンタイヤを形成するグリーンタイヤ形成工程と、グリーンタイヤ形成工程で形成したグリーンタイヤを加硫金型内で加硫成型する加硫成型工程とを具え、シート状部材が、少なくとも一つのシート状部材延在方向の連通孔と、延在方向の連通孔の何れかに連通して一端が一方のシート部材表面に開口するシート状部材厚さ方向の第1孔と、延在方向の連通孔の何れかに連通して一端が他方のシート部材表面に開口するシート状部材厚さ方向の第2孔とを有し、前記第1孔と前記第2孔とが同一の連通孔に連通しており、前記加硫成型工程において、前記第1孔、前記第2孔及び前記連通孔の中に前記第1未加硫ゴム及び前記第2未加硫ゴムを流入させて加硫し、前記シート状部材内部で前記第1未加硫ゴム及び前記第2未加硫ゴムを互いに結合させることを特徴とする。
本発明のタイヤの製造方法によれば、タイヤの製品不良を効果的且つ簡便に抑制することができる。
本発明における圧着工程を概略的に説明するタイヤ幅方向断面図である。 圧着工程で使用するシート状部材の一例の一部を拡大した模式図である。 圧着工程で使用するシート状部材の別の例の一部を拡大した模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のタイヤの製造方法の一例について詳細に説明する。
本発明の一例に係るタイヤの製造方法は、タイヤ構成部材を2つ以上含んだタイヤを製造するための製造方法である。以下、この製造方法について詳細に説明する。
なお、タイヤ構成部材とは、未加硫ゴムからなる層を少なくとも一方の表面に有する部材であり、内部に及び/又は他方の表面に、金属、繊維又は樹脂等を更に含んでいてもよい。タイヤ構成部材としては、特に限定されることなく、例えば、インナーライナー、カーカスプライ、ベルトプライ、チェーファー、トレッドゴム、サイドゴム、ビードフィラー、クッションゴムを挙げることができる。
以下の説明では、タイヤ構成部材は、未加硫ゴムからなる層を両方の表面に有し、金属製コードを含んだコード層を内部に有するタイヤ構成部材であるとする。
(1)圧着工程
まず、図1に示すように、第1未加硫ゴムからなる層(以下、「第1未加硫ゴム層」という)11,11’を両方の表面に有し、コード層12を内部に有する第1タイヤ構成部材1と、第2未加硫ゴムからなる層(以下、「第2未加硫ゴム層」という)21,21’を両方の表面に有し、コード層22を内部に有する第2タイヤ構成部材2とを圧着する。なお、第1及び第2タイヤ構成部材1,2の形状は特に限定されず、例えば、第1及び第2タイヤ構成部材1,2は、帯状の部材である。
タイヤ構成部材の表面を形成する未加硫ゴムは、タイヤの製造において当該分野で一般的に使用されるゴム材料からなる。なお、「未加硫ゴム」には、部分的に加硫した半加硫ゴムも含まれるものとする。
この圧着工程では、図1に示すように、第1タイヤ構成部材1と第2タイヤ構成部材2とを、第1タイヤ構成部材1の一方の表面を形成する第1未加硫ゴム層11および第2タイヤ構成部材2の一方の表面を形成する第2未加硫ゴム層21が対向するように配置し、第1未加硫ゴム層11と第2未加硫ゴム層21との間に、シート状部材3を設置して、第1タイヤ構成部材1と第2タイヤ構成部材2とを圧着する。なお、ここで、第1及び第2未加硫ゴム層11,21間へのシート状部材3の設置は、第1未加硫ゴム層11にシート状部材3を予め貼り付けておくことによって行ってもよく、第2未加硫ゴム層21にシート状部材3を予め貼り付けておくことによって行ってもよい。また、圧着は、成形ドラム上で行ってもよく、平板上で行ってもよい。
シート状部材3は、少なくとも一つのシート状部材延在方向の連通孔と、シート状部材延在方向の連通孔の何れかに連通して一端が一方の表面に開口するシート状部材厚さ方向の第1孔と、シート状部材延在方向の連通孔の何れかに連通して一端が他方の表面に開口するシート状部材厚さ方向の第2孔とを有する。
具体的には、図2において、シート状部材3の一例の一部を拡大して模式的に示すように、シート状部材3は、シート状部材延在方向の連通孔30a,30bと、シート状部材延在方向の連通孔30aに連通して一端がシート状部材3の一方の表面Xに開口するシート状部材厚さ方向の第1孔31aと、シート状部材延在方向の連通孔30bに連通して一端がシート状部材3の他方の表面Yに開口するシート状部材厚さ方向の第2孔32bとを有する。なお、ここで、「延在方向」とは、シート状部材の厚さ方向に直交する方向をいう。また、図2において、シート状部材延在方向の連通孔30a,30b並びにシート状部材厚さ方向の第1孔31a及び第2孔32bは、複数の微小孔がシート状部材の延在方向及び/又は厚さ方向に連なって構成されたもの(即ち、連続気泡よりなる孔)である。なお、図2では、模式的に、これらの孔は直線状に延在するものとして示したが、蛇行していてもよい。また、シート状部材3は、独立気泡を更に含んでいてもよい。
第1及び第2タイヤ構成部材1,2は、例えば、図1の矢印Aで示すように、ステッチングローラ4を使用して、第1及び第2タイヤ構成部材1,2のタイヤ幅方向の一端からタイヤ幅方向の他端に向けて圧力を負荷することにより圧着される。このとき、タイヤ構成部材間の空気は、シート状部材3の、厚さ方向の第1孔31a及び第2孔32b並びに延在方向の連通孔30a,30bを介して矢印Bの方向に向けて排出される。
具体的には、圧力の負荷に伴い、まず、一方の表面X側から、第1タイヤ構成部材1とシート状部材3との間に存在する空気が、一方の表面Xに開口するシート状部材厚さ方向の第1孔31aに入り込み、次いで、シート状部材厚さ方向の第1孔31aに入った空気が、第1孔31aと連通する、シート状部材延在方向の連通孔30aを通って第1及び第2タイヤ構成部材1,2間から排出される。そして、他方の表面Y側からも同様に、まず、第2タイヤ構成部材2とシート状部材3との間に存在する空気が、他方の表面Yに開口するシート状部材厚さ方向の第2孔32bに入り込み、次いで、シート状部材厚さ方向の第2孔32bに入った空気が、第2孔32bと連通する、シート状部材延在方向の連通孔30bを通って第1及び第2タイヤ構成部材1,2間から排出される。このようにして、シート状部材3の、厚さ方向の第1孔及び第2孔と、延在方向の連通孔とを介して、タイヤ構成部材間に存在する空気を、タイヤ構成部材間から効率的に排出することができる。そして、孔内への空気の流れに伴って、第1未加硫ゴムの一部及び第2未加硫ゴム22の一部が、それぞれ、シート状部材厚さ方向の第1孔31a及びシート状部材厚さ方向の第2孔32bに流入する。
なお、図1では、第1及び第2タイヤ構成部材1,2のタイヤ幅方向の一端からタイヤ幅方向の他端に向けて圧力を負荷することにより圧着される場合を示したが、第1及び第2タイヤ構成部材1,2は、タイヤ構成部材1,2のタイヤ幅方向中央から、タイヤ幅方向両端に向けて圧力を負荷することにより圧着されてもよい。
ここで、タイヤ構成部材1,2間から効率的に空気を排出するには、シート状部材3が、シート状部材延在方向の連通孔と、該延在方向の連通孔の何れかに連通して一端が一方の表面Xに開口するシート状部材厚さ方向の第1孔と、前記延在方向の連通孔の何れかに連通して一端が他方の表面Yに開口するシート状部材厚さ方向の第2孔とを少なくとも1つ有していればよく、シート状部材延在方向の連通孔、一端が一方の表面Xに開口するシート状部材厚さ方向の第1孔、及び、一端が他方の表面Yに開口するシート状部材厚さ方向の第2孔の数は、それぞれ、1つ以上であれば任意の数とすることができる。具体的には、シート状部材3は、シート状部材延在方向の連通孔、一端が一方の表面Xに開口するシート状部材厚さ方向の第1孔、及び、一端が他方の表面Yに開口するシート状部材厚さ方向の第2孔を、多数有する多孔質部材であってもよい。また、シート状部材厚さ方向の第1孔31a及び第2孔32bは、シート状部材3の一部に設けられていてもよいし、シート状部材3の全体に亘って設けられていてもよい。
上記(1)圧着工程で使用するシート状部材3の枚数は、特に限定されず、上述の設置範囲を覆うことができれば、任意の枚数であってよい。例えば、長尺のシート状部材3を複数枚使用し、帯状の未加硫ゴム層11,21の長手方向に沿って設置してもよい。
(2)グリーンタイヤ形成工程
グリーンタイヤ形成工程では、圧着工程で圧着した第1タイヤ構成部材1及び第2タイヤ構成部材2並びにシート状部材3を含んだグリーンタイヤを形成する。具体的には、圧着した第1タイヤ構成部材1,2に加え、所期のタイヤの製造に必要な他のタイヤ構成部材を加えて、常法に従い、成形ドラム上でグリーンタイヤを形成する。
(3)加硫成型工程
加硫成型工程では、グリーンタイヤ形成工程で形成したグリーンタイヤを、常法に従い、加硫金型内で加硫成型する。
加硫成型工程では、加熱及び加圧によって未加硫ゴムから発生した気体、及び、前記(1)圧着工程で除去しきれず、未だタイヤ構成部材1,2間に残留している空気を、シート状部材厚さ方向の第1孔31a及び第2孔32b並びにシート状部材延在方向の連通孔30a,30bを介して、更に排出させることができる。そして、この空気の流れに伴って、未加硫ゴムが、シート状部材厚さ方向の第1孔31a及び第2孔32b内に更に流入する。このとき、未加硫ゴムは、更に、シート状部材延在方向の連通孔30a,30bの一部に流入してもよい。グリーンタイヤを加熱及び加圧して第1未加硫ゴム及び第2未加硫ゴムを加硫することにより、第1未加硫ゴム層11とシート状部材3とを、及び、第2未加硫ゴム層21とシート状部材3とを接着させることができる。このように未加硫ゴム層とシート状部材との接着を介して、第1及び第2タイヤ構成部材1,2が接着され、第1及び第2タイヤ構成部材1,2を含んだタイヤが製造される。
上述したタイヤの製造方法によれば、圧着工程においてタイヤ構成部材同士を圧着する際、第1及び第2未加硫ゴム層11,21間に配置したシート状部材3の有する延在方向の連通孔30a,30bと厚さ方向の第1孔31a及び第2孔32bとを介して、タイヤ構成部材間に存在する空気を、タイヤ構成部材間から効率的に排出することができるため、タイヤ構成部材を含んだグリーンタイヤの加硫成型後、部材間に残留する空気に起因する製品不良を効果的に抑制することができる。また、このような構造のシート状部材3を使用することにより、タイヤ構成部材に穴を開けることなく、一般的なタイヤの製造工程に従って製造することができるため、簡便に製品不良を抑制することができると共に、タイヤ剛性を確保することができる。
上記タイヤの製造方法では、図3に示すように、第1孔と第2孔とが、シート状部材延在方向の同一の連通孔に連通したシート状部材を使用し、上記(3)加硫成型工程において、第1孔、第2孔及び連通孔の中に第1未加硫ゴム及び第2未加硫ゴムを流入させて加硫し、シート状部材3内部で第1未加硫ゴム及び第2未加硫ゴムを互いに結合させることが好ましい。ここで、「結合」には、第1未加硫ゴムと第2未加硫ゴムとの間の化学的結合が含まれるものとする。図3では、シート状部材の一方の表面Xに開口する厚さ方向の第1孔31aと、シート状部材の他方の表面Yに開口する厚さ方向の第2孔32aとが、シート状部材延在方向の連通孔30aに連通しており、且つ、シート状部材の一方の表面Xに開口する厚さ方向の第1孔31bと、シート状部材の他方の表面Yに開口する厚さ方向の第2孔32bとが、シート状部材延在方向の連通孔30bに連通している。
即ち、シート状部材3は、シート状部材延在方向の連通孔30a,30bに加え、該延在方向の連通孔と交差したシート状部材厚さ方向の連通孔(第1孔と、第2孔と、第1及び第2孔を結ぶシート状部材延在方向の連通孔の一部よりなる孔)を有しており、(3)加硫成型工程では、このシート状部材厚さ方向の連通孔を介して、シート状部材3内部で第1及び第2未加硫ゴムを互いに結合させることが好ましい。この場合、グリーンタイヤは、(3)加硫成型工程において、例えば、温度130〜160℃、圧力5kPa〜30kPaで加硫成型されることによって、未加硫ゴムを厚さ方向の連通孔及び延在方向の連通孔内に流入させることができる。
シート状部材3が、シート状部材延在方向の連通孔に加え、シート状部材厚さ方向の連通孔を有することにより、タイヤ構成部材間から空気をより効率的に排出させることができる。そして、シート状部材厚さ方向の第1孔及び第2孔中で、第1未加硫ゴム11と第2未加硫ゴム21とを互いに結合させることによって、未加硫ゴム層とシート状部材3との接着だけでなく、未加硫ゴム同士の結合によっても第1タイヤ構成部材1と第2タイヤ構成部材2とを接着することができるため、第1及び第2タイヤ構成部材1,2をより強固に接着することができる。
シート状部材3の厚さは、第1未加硫ゴム層11及び第2未加硫ゴム層21のいずれの厚さよりも薄いことが好ましい。シート状部材3が、第1未加硫ゴム層11及び第2未加硫ゴム層21よりも厚いと、タイヤ構成部材同士の接着性が低下し、耐久性が低下する可能性があるためである。例えば、シート状部材3の厚さは、1mm以下である。
そして、シート状部材3は、加硫成型工程における加熱温度及び加圧圧力で溶解しない又は孔を完全に塞ぐことがないものであり、且つ、加熱及び加圧によって未加硫ゴムと反応しないものからなることが好ましい。
具体的には、シート状部材3は、例えば、樹脂系材料からなる。樹脂系材料としては、例えば、ウレタン、ナイロン、ゴム、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、並びに、ポリエステル等の熱硬化性樹脂が挙げられる。シート状部材3は、例えば、先述の材料を発泡させてなるものであっても、先述の材料の繊維を織るか、編むか又は絡ませて形成したものであってもよい。具体的には、シート状部材3としては、発泡ウレタン、ナイロンの不織布等が使用されてもよい。シート状部材3が発泡ウレタンの場合、シート状部材延在方向の連通孔30a,30b並びにシート状部材厚さ方向の第1孔31a及び第2孔32bは、例えば、図2及び3に示すような連続気泡よりなる孔であり、シート状部材3は、独立気泡を更に含んでいてよい。
上述の材料の中でも特に、シート状部材3は、ウレタン等の弾性材料からなることが好ましい。シート状部材3が弾性材料からなる場合、加硫成型工程におけるタイヤ構成部材の変形に追従して、シート状部材3を変形させることができる。よって、タイヤ構成部材の変形が大きい箇所にもシート状部材3を配置させることができ、タイヤ構成部材1,2間からより効率的にタイヤ構成部材間に存在する空気を排出することができる。
シート状部材3は、破断伸びが200%以上、好ましくは500%以上であることが好ましい。破断伸びが前記範囲であれば、上記(3)加硫成型工程においてシート状部材3がタイヤ構成部材の変形に良好に追従することができ、破れることがない。従って、シート状部材3を配置した部分において空気をタイヤ構成部材間からより効率的に排出させて、より効果的に製品不良を抑制したタイヤを形成することができる。なお、本発明において、破断伸びは、JIS K6251に準拠し、イントロン引張り試験機(イントロン社製)を使用し、引張り速度20±2mm/min、室温24±2℃の条件で測定することができる。
また、シート状部材3における厚さ方向の第1孔31及び第2孔32の総開口面積は、第1孔及び第2孔が開口していないと仮定したシート状部材3の両表面の面積の50%以上であることが好ましい。第1孔31及び第2孔32の総開口面積を、上記割合とすることによって、圧着工程及び加硫成型工程において、第1孔31及び第2孔32に、未加硫ゴムを十分に流入させて未加硫ゴムとシート状部材の接着性を向上させ、タイヤ構成部材間の接着性を向上させることができるためである。
そして、第1タイヤ構成部材1と第2タイヤ構成部材2とを、ローラを使用して圧着する場合、第1孔31及び第2孔32の大きさはローラの幅以下であることが好ましい。第1孔及び第2孔の大きさが大きすぎると、第1タイヤ構成部材1と第2タイヤ構成部材2との間で空気が閉じ込められやすく、また、閉じ込められた空気をローラによって排出することが難しいためである。ここで、「孔の大きさ」とは、孔の開口部の最大寸法をいう。
更に、本発明に係るタイヤの製造方法では、上記(1)圧着工程において、シート状部材3を、第1未加硫ゴム層11の端部と第2未加硫ゴム層21の端部との間に設置することが好ましい。例えば、第1タイヤ構成部材1の幅が、第2タイヤ構成部材2の幅よりも短い場合、未加硫ゴム層11の端部には段差が生じ、この段差部分に特に空気が溜まりやすい。そこで、シート状部材3を、第2未加硫ゴム層21の端部と、空気が溜まりやすい未加硫ゴム層11の端部との間に設置することによって、段差部分に溜まった空気を排出して、タイヤ構成部材間から空気をより効率的に排出することができる。具体的には、第1未加硫ゴム層11の幅よりも長く且つ第2未加硫ゴム層21の幅よりも短い幅のシート部材3を、シート部材3の端部が、第2未加硫ゴム21の端部と第1未加硫ゴム11の端部との間に位置するように設置することによって、段差部分に溜まった空気を排出し、タイヤ構成部材間から空気をより効率的に排出することができる。
また、例えば、幅の異なる2つのインナーライナーを圧着する場合には、シート状部材3は、一方のインナーライナーを構成する未加硫ゴム層の端部と、他方のインナーライナーを構成する未加硫ゴム層の端部との間に設置される。具体的には、一方のインナーライナーの幅よりも長く且つ他方のインナーライナーの幅よりも短い幅のシート状部材3を、シート部材3の端部が、2つのインナーライナーの未加硫ゴム層の端部間に位置するように設置して、段差部分に溜まった空気を排出して、インナーライナー間の空気をより効率的に排出することができる。
以上説明したタイヤの製造方法によって製造されたタイヤは、タイヤの性能を低下させることなく、製品不良を効果的且つ簡便に抑制することができる。
以上、図面を参照して本発明のタイヤの一例を説明したが、本発明のタイヤの製造方法は上記一例に限定されることはなく、本発明のタイヤの製造方法には適宜変更を加えることができる。例えば、使用されるシート状部材3の形状及び枚数は、タイヤ構成部材に応じて適宜変更することができる。また、上記説明では、未加硫ゴムからなる層を両方の面に有し、コード層を内部に有するタイヤ構成部材を使用する場合について説明したが、タイヤ構成部材は、未加硫ゴム層のみからなっていてもよく、また、未加硫ゴム層がタイヤ構成部材の一方の表面のみに形成されていてもよい。
1…第1タイヤ構成部材、2…第2タイヤ構成部材、3…シート状部材、4…ステッチングローラ、11,11’…第1未加硫ゴム層、12…コード層、21,21’…第2未加硫ゴム層、22…コード層、30a,30b…シート状部材延在方向の連通孔、31a,31b…シート状部材厚さ方向の第1孔、32a,32b…シート状部材厚さ方向の第2孔

Claims (5)

  1. 第1タイヤ構成部材の少なくとも一方の表面を形成する第1未加硫ゴムからなる層と、
    第2タイヤ構成部材の少なくとも一方の表面を形成する第2未加硫ゴムからなる層との間にシート状部材を設置し、前記シート状部材を介して、前記第1タイヤ構成部材と前記第2タイヤ構成部材とを圧着する圧着工程と、
    前記シート状部材を介して圧着された第1タイヤ構成部材及び第2タイヤ構成部材を含んだグリーンタイヤを形成するグリーンタイヤ形成工程と、
    前記グリーンタイヤ形成工程で形成した前記グリーンタイヤを加硫金型内で加硫成型する加硫成型工程とを具え、
    前記シート状部材が、少なくとも一つのシート状部材延在方向の連通孔と、前記延在方向の連通孔の何れかに連通して一端が一方のシート部材表面に開口するシート状部材厚さ方向の第1孔と、前記延在方向の連通孔の何れかに連通して一端が他方のシート部材表面に開口するシート状部材厚さ方向の第2孔とを有し、
    前記第1孔と前記第2孔とが同一の連通孔に連通しており、
    前記加硫成型工程において、前記第1孔、前記第2孔及び前記連通孔の中に前記第1未加硫ゴム及び前記第2未加硫ゴムを流入させて加硫し、前記シート状部材内部で前記第1未加硫ゴム及び前記第2未加硫ゴムを互いに結合させることを特徴とする、タイヤの製造方法。
  2. 前記シート状部材の厚さが、前記第1未加硫ゴムからなる層及び前記第2未加硫ゴムからなる層のいずれの厚さよりも薄いことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記シート状部材が、弾性材料からなる、請求項1又は2のいずれか1項に記載の製造方法。
  4. 前記第1孔及び前記第2孔の総開口面積が、前記第1孔及び前記第2孔が開口していないと仮定したシート状部材の両表面の面積の50%以上であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記圧着工程において、前記シート状部材を、第1未加硫ゴムからなる層の端部と第2未加硫ゴムからなる層の端部との間に設置することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
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