JP6067473B2 - 繊維強化複合体の製造方法及び繊維強化複合体 - Google Patents

繊維強化複合体の製造方法及び繊維強化複合体 Download PDF

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本発明は、繊維強化複合体の製造方法及び繊維強化複合体に関する。
近年、繊維で強化された繊維強化合成樹脂は軽量で且つ高い機械的強度を有していることから、自動車分野、船舶分野、航空機分野などの高い機械的強度及び軽量性が求められる分野において使用が拡大している。その中でも自動車用途においては、機械的強度及び軽量性のみならず、衝撃吸収性を有していることも求められている。
上述の要求を満たすものとして、芯材に発泡体を用い、芯材の表面に繊維強化合成樹脂を積層一体化させてなる繊維強化複合体が提案されている。この繊維強化複合体は、自動車のルーフ、ボンネット、フェンダーなどの部材に用いられることが考えられるが、所望の形状に成形することが難しいという問題点を有する。
特許文献1には、熱可塑性樹脂を主構成材料とし一部に発泡材を含む繊維強化複合シート素材を所定波長のヒータを用いて加熱して金型により立体成形を行うようにした熱可塑性樹脂シートの加熱成形方法が開示されている。
しかしながら、上記熱可塑性樹脂シートの加熱成形方法では、繊維強化複合シートを全体的に把持していることから、繊維強化複合シートを所望の立体形状に賦型することができないという問題点を有しており、繊維強化複合シート中に連続繊維が含まれている場合や繊維強化材が織物や編物などである場合には賦型すらできない虞れがあるという問題点を有している。
特許文献2には、芯材と、該芯材の両面に配される強化繊維にマトリックス樹脂が含浸された繊維強化樹脂を含む表皮材とから構成されるサンドイッチパネルにおいて、前記表皮材中の強化繊維が引張弾性率が200〜850GPaの範囲内の強化繊維を含み、該表皮材中の強化繊維含有率が40〜80重量%の範囲内であり、前記芯材に表皮材より見かけ密度が小さい樹脂を使用するとともに、サンドイッチパネルの全体厚みが0.5〜5mmの範囲内である繊維強化樹脂製サンドイッチパネルが開示されている。
しかしながら、上記繊維強化樹脂製サンドイッチパネルの製造方法として、表皮材と芯材とを積層後、ホットプレス装置及び/又はオートクレーブ装置などを用いて、加熱、加圧同時成形する方法が記載されているにすぎず、この方法では平板状の繊維強化樹脂製サンドイッチパネルしか製造できず、所望の立体形状を有する繊維強化樹脂製サンドイッチパネルの製造方法は特許文献2には開示されていない。
特開平7−276490号公報 特開2005−313613号公報
本発明は、所望形状を有し且つ機械的強度、衝撃吸収性及び軽量性に優れた繊維強化複合体を製造することができる繊維強化複合体の製造方法及びこの製造方法によって製造された繊維強化複合体を提供する。
本発明の繊維強化複合体の製造方法は、発泡シートの少なくとも一面に熱可塑性樹脂又は未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化材を積層して積層体を製造する積層工程と、上記積層体を加熱して上記繊維強化材に含浸されている熱可塑性樹脂又は未硬化の熱硬化性樹脂を軟化させて流動性を有する状態とした後、上記積層体の繊維強化材を把持することなく上記発泡シートを把持した状態で上記積層体を雌雄金型によってプレス成形して上記積層体を成形する成形工程とを有することを特徴とする。
先ず、発泡シート1の少なくとも一面に熱可塑性樹脂又は未硬化の熱硬化性樹脂(以下、「強化用合成樹脂」ということがある)が含浸された繊維強化材2を積層して積層体Mを製造する(積層工程)。本発明で用いられる発泡シート1は、プレス成形によって成形できるものであれば、特に限定されない。なお、後述する図4では、発泡シート1の両面に繊維強化材2、2を積層した場合を示したが、発泡シート1の片面にのみ繊維強化材2を積層してもよい。
発泡シートを構成している合成樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などが挙げられ、繊維強化材に含浸されている熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂との接着性に優れていることから、熱可塑性ポリエステル樹脂及びポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましい。なお、合成樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸と二価アルコールとが、縮合反応を行った結果得られた高分子量の線状ポリエステルである。熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
芳香族ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分とを含むポリエステルであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられ、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。なお、芳香族ポリエステル樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
なお、芳香族ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分及びジオール成分以外に、例えば、トリメリット酸などのトリカルボン酸、ピロメリット酸などのテトラカルボン酸などの三価以上の多価カルボン酸やその無水物、グリセリンなどのトリオール、ペンタエリスリトールなどのテトラオールなどの三価以上の多価アルコールなどを構成成分として含有していてもよい。
又、芳香族ポリエステル樹脂は、使用済のペットボトルなどから回収、再生したリサイクル材料を用いることもできる。
ポリエチレンテレフタレートは架橋剤によって架橋されていてもよい。架橋剤としては、公知のものが用いられ、例えば、無水ピロメリット酸などの酸二無水物、多官能エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物などが挙げられる。なお、架橋剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレンテレフタレートを架橋剤によって架橋する場合には、押出機にポリエチレンテレフタレートと共に架橋剤を供給すればよい。押出機に供給する架橋剤の量は、少なすぎると、ポリエチレンテレフタレートの溶融時の溶融粘度が小さくなりすぎて、破泡してしまうことがあり、多すぎると、ポリエチレンテレフタレートの溶融時の溶融粘度が大きくなりすぎて、発泡体を押出発泡によって製造する場合には押出発泡が困難となることがあるので、ポリエチレンテレフタレート100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜1重量部がより好ましい。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリ乳酸系樹脂が挙げられる。ポリ乳酸系樹脂としては、乳酸がエステル結合により重合した樹脂を用いることができ、商業的な入手容易性及びポリ乳酸系樹脂発泡粒子への発泡性付与の観点から、D−乳酸(D体)及びL−乳酸(L体)の共重合体、D−乳酸又はL−乳酸のいずれか一方の単独重合体、D−ラクチド、L−ラクチド及びDL−ラクチドからなる群から選択される1又は2以上のラクチドの開環重合体が好ましい。なお、ポリ乳酸系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリ乳酸系樹脂は、成形工程及び得られる繊維強化複合体の物性に影響を与えない限り、乳酸以外の単量体成分として、例えば、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸などの脂肪族多価カルボン酸;エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットなどの脂肪族多価アルコールなどを含有していてもよい。
ポリ乳酸系樹脂は、成形工程及び得られる繊維強化複合体の物性に影響を与えない限り、アルキル基、ビニル基、カルボニル基、芳香族基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基などのその他の官能基を含んでいてもよい。ポリ乳酸系樹脂はイソシアネート系架橋剤などによって架橋されていてもよく、エステル結合以外の結合手により結合していてもよい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物、ポリフェニレンエーテルにスチレン系モノマーをグラフト共重合してなる変性ポリフェニレンエーテル、この変性ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物、フェノール系モノマーとスチレン系モノマーとを銅(II) のアミン錯体などの触媒存在下で酸化重合させて得られるブロック共重合体、このブロック共重合体とポリスチレン系樹脂との混合物などが挙げられる。なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリ(2、6−ジメチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジエチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジクロロフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジブロモフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−メチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−イソプロピルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2、6−ジ−n−プロピルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−ブロモ−6−メチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−ブロモフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−エチルフェニレン−1、4−エーテル)などが挙げられる。ポリフェニレンエーテル系樹脂の重合度は、通常、10〜5000のものが用いられる。
アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマーを重合させることによって製造される。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルの何れか一方又は双方を意味する。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、特に限定されず、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
又、アクリル系樹脂は、上記(メタ)アクリル系モノマー以外にこれと共重合可能なモノマー成分を含有していてもよい。このようなモノマーとしては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸アミド、マレイン酸イミドなどが挙げられる。
発泡シートは、成形工程において二次発泡することが好ましい。発泡シートは、成形工程において、部分的に又は全体的に伸長されて厚みが薄くなる部分を生じることがある。そこで、発泡シートを成形工程時の加熱によって二次発泡させることによって、得られる繊維強化複合体の厚みが薄くなるのを防止し、所望厚みを有する繊維強化複合体を得ることができる。繊維強化複合体を構成している発泡シートの厚みを十分な厚さとすることによって、繊維強化複合体に優れた衝撃吸収性を付与することができる。
発泡シートの成形工程時における二次発泡の目安として、発泡シートにおける150℃での1分間加熱厚み膨張率(以下、単に「加熱厚み膨張率」ということがある)が挙げられる。
発泡シートの加熱厚み膨張率が低すぎると、得られる繊維強化複合体において、発泡シートの厚みが薄くなる部分を生じ、繊維強化複合体の衝撃吸収性が低下することがある。発泡シートの加熱厚み膨張率が高すぎると、繊維強化複合体の機械的強度が低下する虞れや、金型への負荷が大きくなりすぎる虞れがある。発泡シートの加熱厚み膨張率は0.5%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、8%以上が特に好ましい。発泡シートの加熱厚み膨張率の上限としては、特に限定されないが、150%以下が好ましく、100%以下がより好ましい。
なお、発泡シートの加熱厚み膨張率は下記の要領で測定された値をいう。発泡シートから一辺が15cmの平面正方形状の試験片を切り出す。試験片の厚みを任意の9箇所において測定し、その相加平均値を加熱前厚みT1とする。次に、試験片を雰囲気温度150℃にて1分間に亘って加熱した後、25℃にて60分間に亘って放置する。しかる後、試験片の厚みを任意の9箇所において測定し、その相加平均値を加熱後厚みT2とする。加熱前厚みT1及び加熱後厚みT2に基づいて下記式により発泡シートの加熱厚み膨張率を算出する。
発泡シートにおける150℃での1分間加熱厚み膨張率(%)
=100×(T2−T1)/T1
発泡シートの加熱厚み膨張率は、発泡シートに含まれている残存ガス量又は結晶化度を調整することによって制御することができる。即ち、発泡シートに含まれている残存ガス量を多くすることによって発泡シートの加熱厚み膨張率を高くすることができる。又、発泡シートの結晶化度を低くすることによって発泡シートの加熱厚み膨張率を高くすることができる。
発泡シートの見掛け密度は、0.05〜1.2g/cm3が好ましく、0.08〜0.9g/cm3がより好ましい。なお、発泡体の密度は、JIS K7222「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」に準拠して測定された値をいう。
発泡シートの見掛け密度は、低すぎると、プレス成形時に繊維強化材からの押圧力によって発泡シートが破断する虞れがある。発泡シートの見掛け密度は、高すぎると、プレス成形時の成形性が低下し、所望形状を有する繊維強化複合体を得ることができない虞れがある。
発泡シート中の残存ガス量(残存発泡ガス量)は、少なすぎると、プレス成形時に発泡シートの二次発泡が不足し、得られる繊維強化複合体において、発泡シートの厚みが薄くなる部分を生じ、繊維強化複合体の衝撃吸収性が低下することがあるので、0.05重量%以上が好ましいが、多すぎると、繊維強化複合体の機械的強度が低下する虞れや、金型への負荷が大きくなりすぎる虞れがあるので、0.05〜2重量%が好ましく、0.05〜1重量%がより好ましい。
発泡シート中の残存ガス量は、例えば、押出発泡時の圧入ガス量、押出発泡後、製造された発泡シートを高温下で所定時間に亘って放置する養生工程、又は、製造された発泡シートを耐圧容器に密封してガスを容器内に圧入する内圧付与工程などの方法によって制御することができる。
なお、発泡シート中の残存ガス量は下記の要領で測定される。先ず、発泡シート全体の重量W1を測定する。次に、発泡シート中における残存ガス量はガスクロマトグラフを用いて測定することができ、例えば、下記装置を用いて下記条件にて発泡シート中における残存ガス量を測定することができる。
発泡シートの試料10〜30mgを20mLバイアル瓶に入れて精秤し、バイアル瓶を密閉してオートサンプラー付ガスクロマトグラフにセットし、バイアル瓶を210℃で20分間に亘って加熱した後、バイアル瓶の上部空間の気体をMHE(Multiple Headspace Extraction)法にて定量分析し、発泡シート中の含有ガス量W2を測定する。
ここでいうMHE法とは、気固平衡にある気相ガスの放出を繰り返すことで得られるピーク面積の減衰を利用する定量方法である。
〔GC測定条件〕
測定装置:ガスクロマトグラフ Clarus500(Perkin-Elmer社製)
カラム:DB−1(1.0μm×0.25mmφ×60m:J&W社製)
検出器:FID
GCオーブン昇温条件:初期温度50℃(6分)
昇温速度:40℃/分(250℃まで)
最終温度:250℃(1.5分)
キャリアーガス(He),注入口温度:230℃,検出温度:310℃
レンジ:20
ベントガス 30mL/分(He)、追加ガス 5mL/分(He)
ガス圧力:初期圧力18psi(10分),昇圧速度:0.5psi/min(24psiまで)
〔HS測定条件〕
測定装置:HSオートサンプラー TurboMatrix HS40(Perkin-Elmer社製)
加熱温度:210℃,加熱時間:20分,加圧ガス圧:25psi,加圧時間:1分
ニードル温度:210℃,トランスファーライン温度:210℃,試料導入時間:0.08分
〔算出条件〕
検量線用標準ガス:混合ガス(ジーエルサイエンス社製)
混合ガス含有量:i-ブタン 約1重量%,n-ブタン 約1重量%,バランス 窒素
算出方法:MHE法により試料の含有ガス量を算出した。結果は全てi-ブタン換算量とした。
発泡シート中における残存ガス量は下記式に基づいて算出することできる。
発泡シート中における残存ガス量(重量%)=100×W2/W1
発泡シートの結晶化度は、高すぎると、発泡シートの二次発泡性が低下し、得られる繊維強化複合体の発泡シートの厚みが部分的に又は全体的に薄くなり、繊維強化複合体の衝撃吸収性が低下することがあるので、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
発泡シートの結晶化度は、発泡直後の発泡シートの冷却速度を調整することによって制御することができる。例えば、押出発泡直後の発泡シートの冷却速度を遅くすればするほど得られる発泡シートの結晶化度は高くなる。
なお、発泡シートの結晶化度は、JIS K7122:1987「プラスチックの転移熱測定方法」に記載されている方法で測定する。
具体的には、示差走査熱量計装置(エスアイアイナノテクノロジー社製 商品名「DSC6220型」)を用い、アルミニウム製の測定容器の底に隙間のないように、発泡シートから切り出した好ましくは直方体形状の試料を約6mg充填して、試料を窒素ガス流量30mL/分の条件下にて30℃で2分間に亘って保持する。
しかる後、試料を速度10℃/分で30℃から290℃まで昇温した時のDSC曲線を得る。その時の基準物質はアルミナを用いた。熱可塑性ポリエステル樹脂発泡シートの結晶化度は、融解ピークの面積から求められる融解熱量(mJ/mg)と結晶化ピークの面積から求められる結晶化熱量(mJ/mg)の差を合成樹脂の完全結晶の理論融解熱量ΔH0で徐して求められる割合である。例えば、ポリエチレンテレフタレートのΔH0は140.1mJ/mgである。発泡シートの結晶化度は下記式に基づいて算出される。
発泡シートの結晶化度(%)
=100×(│融解熱量(mJ/mg)│−│結晶化熱量(mJ/mg)│)/ΔH0(mJ/mg)
発泡シートの厚みは、薄すぎると、得られる繊維強化複合体の衝撃吸収性が低下することがあり、厚すぎると、プレス成形性が低下することがあるので、1〜10mmが好ましく、1〜5mmがより好ましく、1〜3mmが特に好ましい。
発泡シートの製造方法としては、プレス成形ができれば、公知の製造方法を用いることができる。具体的には、発泡シートの製造方法としては、(1)合成樹脂発泡粒子を金型内に充填し、熱水や水蒸気などの熱媒体によって合成樹脂発泡粒子を加熱して発泡させ、合成樹脂発泡粒子の発泡圧によって発泡粒子同士を融着一体化させて所望形状を有する発泡体を製造する方法(型内発泡成形法)、(2)合成樹脂を押出機に供給して化学発泡剤又は物理発泡剤などの発泡剤の存在下にて溶融混練し押出機から押出発泡させて発泡体を製造する方法(押出発泡法)、(3)合成樹脂及び化学発泡剤を押出機に供給して化学発泡剤の分解温度未満にて溶融混練し押出機から発泡性樹脂成形体を製造し、この発泡性樹脂成形体を発泡させて発泡体を製造する方法などが挙げられ、所望形状の発泡体を容易に製造することができることから、上記(2)の押出成形法が好ましい。
上記(1)の型内発泡成形法で用いられる合成樹脂発泡粒子の製造方法としては、(1)合成樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型から合成樹脂押出物を押出発泡させながら切断した後に冷却して合成樹脂発泡粒子を製造する方法、(2)合成樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型から押出発泡してストランド状の合成樹脂押出物を製造し、この合成樹脂押出物を所定間隔毎に切断して合成樹脂発泡粒子を製造する方法、(3)合成樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けた環状ダイ又はTダイから押出発泡して発泡シートを製造し、この発泡シートを切断することによって合成樹脂発泡粒子を製造する方法などが挙げられる。
上記(2)の押出発泡法の製造方法としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂を押出機に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練した後に押出機の先端に取り付けたダイから押出発泡させて押出発泡シートを製造する方法が挙げられる。なお、上記ダイとしては、押出発泡において汎用されているものであれば、特に限定されず、例えば、Tダイ、サーキュラダイなどが挙げられる。
上記製造方法において、ダイとしてTダイを用いた場合には、押出機からシート状に押出発泡することによって発泡シートを製造することができる。一方、ダイとしてサーキュラダイを用いた場合には、サーキュラダイから円筒状に押出発泡して円筒状体を製造し、この円筒状体を徐々に拡径した上で冷却マンドレルに供給して冷却した後、円筒状体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断し切り開いて展開することによって発泡シートを製造することができる。
化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾイルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウムなどが挙げられる。なお、化学発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
物理発泡剤は、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテル類、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタンなどのフロン、二酸化炭素、窒素などが挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素が好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、ノルマルブタン、イソブタンが特に好ましい。なお、物理発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
次に、上記発泡シート1の一面に積層される、熱可塑性樹脂又は未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化材2は、プレス成形によって成形することができれば、特に限定されない。繊維強化材を構成している繊維としては、特に限定されず、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、金属繊維などが挙げられ、優れた機械的強度及び耐熱性を有していることから、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましく、炭素繊維がより好ましい。
繊維強化材の形態としては、特に限定されず、例えば、織物、編物、不織布、繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)をポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂糸又はガラス繊維糸などのステッチ糸で結束(縫合)してなる面材などが挙げられる。織物の織り方としては、平織、綾織、朱子織などが挙げられる。
繊維強化材は、(1)織物、編物又は不織布を含む面材同士又はこれらの面材を任意の組み合わせで複数枚、積層してなる多層面材、(2)繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)をポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂糸又はガラス繊維糸などのステッチ糸で結束(縫合)してなる複数枚の面材を繊維束の繊維方向が互いに相違した方向を指向するように重ね合わせ、重ね合わせた面材同士をポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂糸又はガラス繊維糸などのステッチ糸で一体化(縫合)してなる多層面材であってもよい。
上記(1)の多層面材において、織物を複数枚、積層してなる多層面材の場合、各織物を構成している経糸(緯糸)の長さ方向が織物の平面方向からみて放射状に配列されていることが好ましい。具体的には、図1及び図2に示したように、各織物を構成している経糸(緯糸)の長さ方向をそれぞれ1a、1b・・・としたとき、これら経糸(緯糸)の長さ方向1a、1b・・・が放射状に配列されていることが好ましく、経糸(緯糸)の長さ方向1a、1b・・・のうちの任意の経糸(緯糸)の長さ方向1aを特定したとき、特定の経糸(緯糸)の長さ方向1aを中心にして他の経糸(緯糸)の長さ方向1b、1c・・・が線対称となるように配列していることがより好ましい。
また、各織物を構成している経糸(緯糸)の長さ方向1a、1b・・・同士の交差角度は、繊維強化材の強度が一方向に偏らず任意の方向において略同一の機械的強度を付与することができるので、織物を二枚重ね合わせる場合には90°が好ましく、織物を三枚以上重ね合わせる場合には45°が好ましい。
上記(2)の多層面材において、各面材を構成している繊維束の繊維の長さ方向が面材の平面方向からみて放射状に配列されていることが好ましい。具体的には、図1及び図2に示したように、各面材を構成している繊維束の繊維の長さ方向をそれぞれ1a、1b・・・としたとき、これら繊維の長さ方向1a、1b・・・が放射状に配列されていることが好ましく、繊維の長さ方向1a、1b・・・のうちの任意の長さ方向1aを特定したとき、特定の長さ方向1aを中心にして線対称となるように他の長さ方向1b、1c・・・が配列していることがより好ましい。
また、各面材を構成している繊維束の繊維の長さ方向1a、1b・・・同士の交差角度は、繊維強化材の強度が一方向に偏らず任意の方向において略同一の機械的強度を付与することができることから、面材を二枚重ね合わせる場合には90°が好ましく、面材を三枚以上重ね合わせる場合には45°が好ましい。
繊維強化材には熱可塑性樹脂又は未硬化の熱硬化性樹脂が含浸されているが、未硬化の熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂とを予備重合した樹脂などが挙げられ、耐熱性、衝撃吸収性又は耐薬品性に優れていることから、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤などの添加剤が含有されていてもよい。なお、熱硬化性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
又、熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、アミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、サルファイド系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられ、発泡シートとの接着性又は繊維強化材を構成している繊維同士の接着性に優れていることから、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性エポキシ樹脂としては、エポキシ化合物同士の重合体又は共重合体であって直鎖構造を有する重合体や、エポキシ化合物と、このエポキシ化合物と重合し得る単量体との共重合体であって直鎖構造を有する共重合体が挙げられる。具体的には、熱可塑性エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性エポキシ樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、ジオールとジイソシアネートとを重合させて得られる直鎖構造を有する重合体が挙げられる。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。ジオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートが挙げられる。ジイソシアネートは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
繊維強化材中における強化用合成樹脂の含有量は、少なすぎると、繊維強化材のプレス成形時に繊維強化材に亀裂が生じて、得られる繊維強化複合体の機械的強度が低下し、繊維強化材を構成している繊維同士の結合が弱くなり若しくは繊維強化材と発泡体との接着が不十分となって、得られる繊維強化複合体の機械的強度が低下し、又は、繊維強化材を構成している繊維が、得られる繊維強化複合体の表面に露出しやすくなり、繊維強化複合体の表面平滑性が低下することがあり、多すぎると、繊維強化材を構成している繊維間に存在する強化用合成樹脂の量が多くなりすぎ、かえって繊維強化材の機械的強度が低下し、得られる繊維強化複合体の機械的強度が低下することがあるので、20〜70重量%が好ましく、30〜60重量%がより好ましい。
繊維強化材中に強化用合成樹脂を含浸させる方法としては、特に限定されず、例えば、(1)繊維強化材を強化用合成樹脂中に浸漬して繊維強化材中に強化用合成樹脂を含浸させる方法、(2)繊維強化材に強化用合成樹脂を塗布し、繊維強化材に強化用合成樹脂を含浸させる方法などが挙げられる。
なお、強化用合成樹脂を含浸した繊維強化材及び繊維強化材は市販されているものを用いることができる。熱硬化性樹脂を含浸した繊維強化材は、例えば、三菱レイヨン社から商品名「パイロフィルプリプレグ」にて市販されている。繊維強化材は、例えば、三菱レイヨン社から商品名「パイロフィル」にて市販されている。熱可塑性樹脂を含浸した繊維強化材は、例えば、長瀬ケムテック社から商品名「NNGF60−03s」にて市販されている。
強化用合成樹脂を含浸させた後の繊維強化材の厚みは、薄すぎると、繊維強化材のプレス成形時に繊維強化材に亀裂が生じて、得られる繊維強化複合体の機械的強度が低下することがあり、厚すぎると、繊維強化材のプレス成形時の成形性が低下することがあるので、0.02〜2mmが好ましく、0.05〜1mmがより好ましい。
強化用合成樹脂を含浸させた後の繊維強化材の目付は、小さすぎると、繊維強化複合体の機械的強度が低下することがあり、大きすぎると、繊維強化複合体の軽量性が低下することがあるので、50〜4000g/m2が好ましく、100〜1000g/m2がより好ましい。
繊維強化材2には、図3に示したように、プレス成形時の成形を容易にするために切り込み部21を形成しておいてもよい。なお、図3においては、平面矩形状の繊維強化材の四方角部に切り込み部21を形成した場合を示したが、これに限定されるものではなく、繊維強化材のプレス成形後の形状に合わせて適宜、位置及び形状を変更すればよい。
発泡シート1の少なくとも一面に、強化用合成樹脂が含浸された繊維強化材2を積層させるにあたって、後続する工程における積層体の取り扱い性向上の観点から、発泡シート1の一面に繊維強化材2を仮接着させることが好ましい。発泡シート1と繊維強化材2との仮接着は、繊維強化材2に含浸させている強化用合成樹脂によって行ってもよいし、別途用意した公知の接着剤を用いてもよい。なお、発泡シート1と繊維強化材2との仮接着は、後続する成形工程のプレス成形時において、繊維強化材2が発泡シート1上において自由に移動可能となるように行うことが必要である。
発泡シート1と繊維強化材2との仮接着力は、低すぎると、積層体の取り扱い時に発泡シート1と繊維強化材2とが不測に分離することがあり、高すぎると、積層体のプレス成形時に、繊維強化材と発泡シートとの一体化が解除されず、繊維強化材を発泡シート上において滑らしながらプレス成形することができないことがあるので、1〜300N/cm2が好ましく、1〜100N/cm2がより好ましい。なお、発泡シート1と繊維強化材2との仮接着力は、JIS K6850(1999)に準拠して、積層体から切り出したものを試験片とし、試験速度10mm/分にて測定されたせん断引張力をいう。なお、発泡シート1と繊維強化材2との仮接着力は、小型卓上試験機(日本電産シンポ社製 商品名「FGS−1000TV/1000N+FGP−100」)を用いて測定することができる。
更に、積層体Mの繊維強化材2上に雌雄金型からの離型性を向上させるために離型フィルム3を積層させてもよい。離型フィルム3は、合成樹脂フィルムから構成されている。離型フィルムを構成している合成樹脂としては、繊維強化材2及び雌雄金型に対して剥離性を有しておれば、特に限定されず、例えば、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(4フッ化エチレン−エチレン共重合体)などのフッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
次に、上記積層工程に続いて成形工程を行う。先ず、図4に示したように、成形工程において、積層体Mの発泡シート1を把持する一方、繊維強化材2は一切把持しない。
このように、繊維強化材2を把持しないことによって、積層体Mのプレス成形時に、発泡シート1上において自由に移動可能な状態とし、発泡シート1のプレス成形に伴う伸びに繊維強化材2が追従する必要がなくなり、繊維強化材2を独立して雌雄金型41、42によって円滑にプレス成形することができ、プレス成形が困難とされている繊維強化材2を発泡シート1上において容易に且つ正確にプレス成形することができる。
又、発泡シート1の把持は、積層体Mをプレス成形する際に発泡シート1を雌雄金型41、42に対して正確な位置に保持して発泡シート1を安定的に支持し、発泡シート1を正確にプレス成形可能にすると共に、安定的に支持された発泡シート1上にて繊維強化材2を安定的にプレス成形して所望形状に成形することができるようにしており、積層体Mの発泡シート1及び繊維強化材2を所望形状に正確にプレス成形することができる。
発泡シート1の把持は、例えば、発泡シート1が後述する加熱によって収縮する場合には、発泡シート1が加熱によって収縮するのを阻止し、発泡シート1が雌雄金型41、42に対して正確な位置に配設されるように保持する。逆に、発泡シート1が加熱によって膨張する場合には、発泡シート1の膨張によるドローダウンを防止するために発泡シート1を引っ張ることによって発泡シート1に皺などが発生するのを防止し、発泡シート1が雌雄金型41、42に対して皺などを発生させることなく正確な位置に配設されるように保持する。又、発泡シート1が加熱によって膨張又は収縮を生じない場合も、発泡シート1を把持しておくことによって、発泡シート1がプレス成形時に雌雄金型41、42の接合面内に引き込まれるのを防止して、発泡シート1を皺なく正確にプレス成形できるようにする。
発泡シート1の把持は公知のクランプ5を用いて行われればよい。又、発泡シート1を把持する位置は、上記目的が達成されるのであれば、特に限定されず、例えば、発泡シート1の対向する外周縁部や、発泡シートの四方外周縁部などが挙げられる。
上述のように、発泡シート1を把持した上で、積層体Mを加熱する。積層体Mの加熱によって繊維強化材2中に含浸されている強化用合成樹脂を軟化させる。強化用合成樹脂が未硬化の熱硬化性樹脂を含む場合、未硬化の熱硬化性樹脂を軟化させて硬化させることなく流動性を有する状態とする。熱硬化性樹脂は、加熱によって熱硬化する前に流動性を有する状態となるので、この流動性を有する状態を維持するように温度制御する。強化用合成樹脂が熱可塑性樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂が流動性を有する状態となるように温度制御する。なお、積層体Mの加熱手段は、赤外線ヒータなどの公知の加熱装置を用いればよい。
積層体Mの加熱温度は、低すぎると、繊維強化材に含浸させている強化用合成樹脂の軟化が不十分となって、繊維強化材を雌雄金型の形状に沿って正確に成形することができないことがあり、高すぎると、発泡シートの気泡が熱によって破壊されて、得られる繊維強化複合体の軽量性及び衝撃吸収性が低下することがあるので、(強化用合成樹脂のガラス転移温度−60℃)〜(強化用合成樹脂のガラス転移温度+80℃)が好ましく、(強化用合成樹脂のガラス転移温度−50℃)〜(強化用合成樹脂のガラス転移温度+70℃)がより好ましい。なお、本発明において、積層体Mの加熱温度とは、積層体Mの繊維強化材の表面温度をいう。強化用合成樹脂中に二種類以上の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が含有されている場合、強化用合成樹脂のガラス転移温度は、強化用合成樹脂に含まれている合成樹脂のガラス転移温度のうちの最も高いガラス転移温度とする。強化用合成樹脂中に二種類以上の熱硬化性樹脂が含有されている場合、全ての熱硬化性樹脂が硬化することなく流動性を有する状態となるように積層体Mの加熱温度を調整する必要がある。
なお、本発明において、熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定する。但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下のように行う。示差走査熱量計装置を用いアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんして、窒素ガス流量20mL/分のもと、試料を30℃から−40℃まで降温した後に10分間に亘って保持した後、試料を−40℃から290℃まで昇温(1st Heating)し290℃に10分間に亘って保持した後に290℃から−40℃まで降温(Cooling)、10分間に亘って保持した後に−40℃から290℃まで昇温(2nd Heating)した時のDSC曲線を得た。なお、全ての昇温速度及び降温速度は10℃/分で行い、基準物質としてアルミナを用いる。本発明において、ガラス転移点とは、2nd Heating過程で得られたDSC曲線より得られた中間点ガラス転移温度のことをいう。又、この中間点ガラス転移温度はJIS K7121:1987(9.3「ガラス転移温度の求め方」)より求める。なお、示差走査熱量計装置としては、例えば、エスアイアイナノテクノロジー社から商品名「DSC6220型」で市販されている示差走査熱量計装置を用いることができる。
本発明において、熱硬化性樹脂のガラス転移温度は下記の要領で測定された温度をいう。熱硬化性樹脂のガラス転移温度を測定する場合には熱硬化性樹脂を予め硬化させる必要がある。熱硬化性樹脂の硬化温度はJIS K7121:1987において測定される発熱ピーク温度±10℃が目安とされる。熱硬化性樹脂の硬化時間は60分間が目安とされ、硬化後の熱硬化性樹脂の発熱ピークをJIS K7121:1987に準拠して測定した際に、発熱ピークが観察されなければ、硬化が完了されたとみなせ、この硬化後の熱硬化性樹脂を用いて、後述する要領で熱硬化性樹脂のガラス転移温度を測定する。なお、上述した熱硬化性樹脂の硬化温度の目安となる発熱ピーク温度の詳細な測定方法は、下記の通りである。熱硬化性樹脂の発熱ピーク温度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定する。但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下の要領で行う。示差走査熱量計装置を用いてアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんして、窒素ガス流量20mL/分のもと、基準物質としてアルミナを用い、試料を30℃から220℃まで速度5℃/分で昇温させる。本発明において、熱硬化性樹脂の発熱ピーク温度とは1回目昇温時のピークトップの温度を読みとった値である。なお、示差走査熱量計装置としては、例えば、エスアイアイナノテクノロジー社から商品名「DSC6220型」にて市販されている示差走査熱量計装置を用いることができる。
熱硬化性樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121(1987)「プラスチックの転移温度測定方法」における規格9.3「ガラス転移温度の求め方」に準拠して測定された温度とする。具体的には、ガラス転移温度を測定する、硬化後の熱硬化性樹脂6mgを試料として採取する。示差走査熱量計装置を用い、装置内で流量20mL/分の窒素ガス流の下、試料を20℃/分の昇温速度で30℃から200℃まで昇温して200℃にて試料を10分間に亘って保持する。その後、試料を装置から速やかに取出して25±10℃まで冷却した後、装置内で、流量20mL/分の窒素ガス流の下、20℃/分の昇温速度で試料を200℃まで再度、昇温した時に得られるDSC曲線よりガラス転移温度(中間点)を算出する。測定においては基準物質としてアルミナを用いる。なお、示差走査熱量計装置としては、例えば、エスアイアイナノテクノロジー社から商品名「DSC6220型」にて市販されている示差走査熱量計装置を用いることができる。
上記積層体Mの加熱によって、繊維強化材2は、これに含浸させている強化用合成樹脂を流動性を有する状態としてプレス加工可能な状態となっていると共に、発泡シート1も加熱によって軟化しプレス成形によって容易に成形可能な状態となっている。
この状態で、図4及び図5に示したように、上記積層体Mを雌雄金型41、42間に配設し、雌雄金型41、42を型締めすることによって、プレス成形によって、積層体Mの発泡シート1を所望形状に成形すると共に、繊維強化材2を発泡シート1上にて滑らしながら所望形状に成形する。プレス成形中、繊維強化材2の強化用合成樹脂が流動性を保持するように雌雄金型の温度を制御する。プレス成形時、積層体Mは、雌雄金型41、42によって押圧されることから、繊維強化材2に含まれている強化用合成樹脂は繊維強化材2の表面に滲出して繊維強化材2の表面に表皮層を形成し、よって、得られる繊維強化複合体Aの表面は、繊維強化材の繊維が露出することのない平滑面に形成される。
なお、積層体Mの発泡シート1と繊維強化材2とを仮接着させている場合、積層体Mの加熱又はその他の応力によって、積層体Mのプレス成形時、繊維強化材2と発泡シート1との一体化は解除され、繊維強化材2は発泡シート1上において自由に滑り、移動可能な状態となっている。又、雌雄金型41、42において、積層体Mと接触する面には、積層体Mをプレス成形して得られる繊維強化複合体Aを容易に型から取り出すことができるように離型処理が施されていてもよい。
上記では、積層体Mを加熱した上で雌雄金型41、42間に配設した場合を説明したが、積層体Mを雌雄金型41、42間に配設した上で、積層体Mを加熱してもよい。
積層体Mのプレス成形時に発泡シート1が伸ばされて部分的に又は全体的に厚みが薄くなることがある。従って、積層体Mの発泡シート1をプレス成形時に二次発泡させることが好ましい。積層体Mの発泡シート1を二次発泡させることによって、得られる繊維強化複合体の発泡シート1が薄くなるのを防止して、所望の厚み及び衝撃吸収性を繊維強化複合体に付与することができる。
更に、積層体Mのプレス成形時に、発泡シート1を二次発泡させることによって、繊維強化材2を雌雄金型41、42に強く押圧することができ、繊維強化材2を雌雄金型41、42に沿って正確に成形することができると共に、繊維強化材2を発泡シート1の表面に両者の界面に隙間がないように密着した状態に積層させることができる。
加えて、発泡シート1自身も自らの二次発泡力によって発泡シート1を雌雄金型41、42に強く押圧することができ、発泡シート1を雌雄金型41、42に沿って正確に成形することができ、所望形状を有する繊維強化複合体Aを容易に製造することができる。
又、積層体Mのプレス成形時及び必要に応じて行われる後述する硬化工程において、発泡シート1が結晶性樹脂を含む場合には、結晶性樹脂の結晶化度を上昇させて、得られる繊維強化複合体の耐熱性及び機械的強度を向上させることが好ましい。
次に、積層体Mを雌雄金型41、42によってプレス成形して所望形状に成形した後、繊維強化材2に未硬化の熱硬化性樹脂が含浸されている場合には、積層体Mの繊維強化材2に含有されている未硬化の熱硬化性樹脂を硬化させて、繊維強化材の繊維同士を硬化した熱硬化性樹脂で結着、固定して繊維強化材2を繊維強化複合材A1とし、この繊維強化複合材A1を硬化した熱硬化性樹脂によって発泡シート1の少なくとも一面に積層一体化させて繊維強化複合体Aを製造する(硬化工程)。
積層体Mの繊維強化材2に含有されている未硬化の熱硬化性樹脂を硬化させるための加熱温度は、プレス成形時の積層体Mの加熱温度と同一であってもよいし変化させてもよいが、熱硬化性樹脂の硬化を促進するために積層体Mの加熱温度を上昇させることが好ましい。
積層体Mの繊維強化材2に含有されている未硬化の熱硬化性樹脂を硬化させるための加熱温度は、低すぎると、熱硬化性樹脂の硬化が不十分となって、得られる繊維強化複合体の機械的強度が低下することがあり、高すぎると、発泡シートの気泡が熱によって破壊されて、得られる繊維強化複合体の軽量性及び衝撃吸収性が低下することがあるので、(熱硬化性樹脂のガラス転移温度−50℃)〜(熱硬化性樹脂のガラス転移温度+50℃)が好ましく、(熱硬化性樹脂のガラス転移温度−40℃)〜(熱硬化性樹脂のガラス転移温度+40℃)がより好ましい。強化用合成樹脂中に二種類以上の熱硬化性樹脂が含有されている場合、熱硬化性樹脂のガラス転移温度は、強化用合成樹脂に含まれている熱硬化性樹脂のガラス転移温度のうちの最も高いガラス転移温度Tgとする。
又、繊維強化材2に含浸させている強化用合成樹脂が熱可塑性樹脂である場合、熱硬化性樹脂の場合と異なり、上述した硬化工程は必要なく、後述するように冷却することによって熱可塑性樹を固化させて、繊維強化材の繊維同士を固化した熱可塑性樹脂で結着、固定して繊維強化材2を繊維強化複合材A1とし、この繊維強化複合材A1を固化した熱可塑性樹脂によって発泡シート1の少なくとも一面に積層一体化させて繊維強化複合体Aを製造する。
次に、繊維強化複合体Aを必要に応じて冷却した後、雌雄金型41、42を開いて繊維強化複合体Aを取り出して繊維強化複合体Aを得ることができる(図6参照)。得られた繊維強化複合体Aは、熱可塑性樹脂又は硬化した熱硬化性樹脂によって繊維同士が結着され且つ雌雄金型41、42に沿って所望形状に成形された繊維強化複合材A1が発泡シート1の表面に沿って全面的に密着した状態に積層一体化されている。なお、図6においては、繊維強化複合材A1上に離型フィルム3が積層された状態を示したが、離型フィルム3は、繊維強化複合体Aの繊維強化材A1から容易に剥離、除去することができる。又、図6において、発泡シート1は、その両端部を切除した状態を示した。
このようにして得られた繊維強化複合体Aは、発泡シート1の表面に、熱可塑性樹脂又は硬化した熱硬化性樹脂で繊維同士が強固に結着されてなる繊維強化複合材A1が強固に積層一体化されており、優れた機械的強度を有していると共に、一部に発泡体を有していることから軽量性及び衝撃吸収性にも優れている。
繊維強化複合体Aの発泡シート1の結晶化度は、低すぎると、繊維強化複合体の機械的強度又は耐熱性が低下することがあり、高すぎると、繊維強化複合体が脆く割れやすくなり、繊維強化複合体の不要部分を切除する際に繊維強化複合体に割れが生じることがあるので、10〜35%が好ましく、15〜30%がより好ましい。
本発明の繊維強化複合体の製造方法は、上述の通り、繊維強化材を把持することなく発泡シートを把持して雌雄金型によりプレス成形していることから、繊維強化材及び発泡シートを雌雄金型に沿って正確に成形することができる。
本発明の繊維強化複合体の製造方法で得られた繊維強化複合体は、その表面に繊維強化複合材を有していることから優れた機械的強度を有していると共に、一部に発泡シートを有していることから、優れた軽量性及び衝撃吸収性を有している。
更に、上記繊維強化複合体の製造方法において、発泡シートをプレス成形時に二次発泡させている場合には、得られる繊維強化複合体において発泡シートの厚みを十分に確保することができ、繊維強化複合体はより優れた軽量性及び衝撃吸収性を有している。更に、プレス成形時の発泡シートの二次発泡力によって、繊維強化材及び発泡シートを雌雄金型に強固に押圧して所望形状により正確に成形することができると共に、繊維強化材と発泡シートとの密着性をより高くして、発泡シートの少なくとも一面に繊維強化複合材をより強固に積層一体化させてなる繊維強化複合体を容易に得ることができる。
繊維強化材を構成している繊維の配向性を示した図である。 繊維強化材を構成している繊維の配向性を示した図である。 繊維強化材に切り込みを入れた状態の一例を示した模式図である。 積層体を雌雄金型間に配設した状態を示した模式図である。 積層体を雌雄金型によってプレス成形している状態を示した模式図である。 雌雄金型を型開きして繊維強化複合体を取り出して発泡シートの両端部を切除した状態を示した模式図である。 実施例で得られた繊維強化複合体を示した平面図である。 実施例で得られた繊維強化複合体を示した断面図である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本実施例に何ら限定されるものでない。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(PET、三井化学社製 商品名「SA−135」、ガラス転移温度:79℃、融点:247.1℃、IV値:0.86)100重量部、タルク0.72重量部、及び、無水ピロメリット酸0.2重量部を含む熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を口径が65mmで且つL/D比が35の単軸押出機に供給して290℃にて溶融混練した。
次に、押出機の途中から、イソブタン35重量%及びノルマルブタン65重量%を含むブタンをポリエチレンテレフタレート100重量部に対して1.0重量部となるように溶融状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物に圧入して、熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物中に均一に分散させた。
しかる後、押出機の前端部において、溶融状態の熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を220℃に冷却した後、押出機の前端に取り付けたサーキュラダイから円筒状に押出発泡させて円筒状体を製造し、この円筒状体を徐々に拡径した上で冷却マンドレルに供給して冷却した後、円筒状体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断し切り開いて展開することによってポリエチレンテレフタレート発泡シートを製造した。ポリエチレンテレフタレート発泡シートを一辺350mmの平面正方形状に切り出した。ポリエチレンテレフタレート発泡シートの発泡倍率、厚み、目付及び加熱厚み膨張率、結晶化度及び残存ガス量を表1に示した。
次に、炭素繊維からなる綾織の織物から形成された面材(三菱レイヨン社製 商品名「パイロフィルプリプレグ TR3523−395GMP」、目付:200g/m2、厚み:0.23mm)を2枚、用意した。面材は、一辺250mmの平面正方形状であった。面材には、熱硬化性樹脂として未硬化のエポキシ樹脂(ガラス転移温度:121℃)が40重量%含有されていた。
2枚の面材をそれらの経糸の長さ方向が互いに90°の角度をなすように重ね合わせて多層面材とした。面材同士は、面材に含まれているエポキシ樹脂によって一体化した。同様の要領で多層面材を更に一枚作製した。
上記ポリエチレンテレフタレート発泡シート1の両面に繊維強化材2として多層面材を積層し、圧着用器具(石崎電機製作所社製 商品名「シェアーショットアイロン SI−39S」、器具重量860g)を用いて、圧着用器具の圧着面温度が18±3℃、圧着用器具のみの重量で圧着〔559±196Pa(5.7±2gf/cm2)〕して繊維強化材に含まれているエポキシ樹脂によって、繊維強化材をポリエチレンテレフタレート発泡シート1の両面に仮接着して、次に、離型フィルム3(クラボウ社製 商品名「オイディス」、特殊ポリスチレン系樹脂フィルム、厚み50μm)を繊維強化材2上に積層して積層体Mを製造した(積層工程)。ポリエチレンテレフタレート発泡シート1と繊維強化材2との仮接着力を表1に示した。
次に、積層体Mのポリエチレンテレフタレート発泡シート1をその対向する二辺の縁部においてクランプを用いて把持する一方、繊維強化材2は一切把持しなかった。しかる後、積層体Mをその繊維強化材2の表面温度が150℃となるように5秒間に亘って加熱して繊維強化材2に含浸されている未硬化のエポキシ樹脂を軟化させて硬化させることなく流動性を有する状態とした。この状態において、発泡シート1と繊維強化材2との仮接着は完全に解除され、繊維強化材2は発泡シート1上において自由に移動可能な状態となっていた。
続いて、図4及び図5に示したように、上記積層体Mを雌雄金型41、42間に配設し、雌雄金型41、42を型締めすることによって、プレス成形により、積層体Mの発泡シート1を所望形状に成形すると共に、繊維強化材2を発泡シート1上にて滑らしながら所望形状に成形した。プレス成形時、積層体Mの繊維強化材2の表面温度が140℃となるように保持し、繊維強化材2に含まれているエポキシ樹脂が硬化することなく流動性を保持するように制御した。
プレス成形時、上記積層体Mの発泡シート1を二次発泡させると共に発泡シートを構成しているポリエチレンテレフタレートの結晶化度を上昇させた。
次に、積層体Mをその繊維強化材2の表面温度が140℃となるように5分間に亘って加熱して、繊維強化材2に含有されている未硬化のエポキシ樹脂を硬化させて、繊維強化材の繊維同士を硬化したエポキシ樹脂で結着、固定して繊維強化材2を繊維強化複合材A1とし、この繊維強化複合材A1を硬化したエポキシ樹脂によって発泡シート1の両面に積層一体化させて繊維強化複合体Aを製造した(硬化工程)。
しかる後、繊維強化複合体Aをその繊維強化複合材A1の表面温度が30℃以下となるまで冷却した後、雌雄金型41、42を開いて繊維強化複合体Aを取り出して繊維強化複合体Aを得た。得られた繊維強化複合体Aは、硬化した熱硬化性樹脂によって繊維同士が結着され且つ雌雄金型41、42に沿って所望形状に成形された繊維強化複合材A1が発泡シート1の表面に沿って全面的に密着した状態に積層一体化されていた。繊維強化複合体Aの平面部及び断面図を図7、8に示した。なお、図7、8において、層構成は省略した。
(実施例2)
押出機の途中から、ブタンをポリエチレンテレフタレート100重量部に対して0.6重量部となるように圧入したこと以外は実施例1と同様の要領で繊維強化複合体Aを得た。
(実施例3)
熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物の代わりに、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物(ジーイープラスチックス社製 商品名「NORYL NLV025−111」、ポリフェニレンエーテル量:70重量%、ポリスチレン系樹脂量:30重量%)57.1重量%及びポリスチレン(東洋スチレン社製 商品名「HRM−26」)42.9重量%からなる変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(フェニレンエーテル(PPE)成分:40重量%、スチレン(PS)成分:60重量%)100重量部及び粉末タルク0.55重量部を含む変性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を単軸押出機に供給したこと、押出機の途中から、ブタンをポリエチレンテレフタレート100重量部に対して0.7重量部となるように圧入して変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートを製造し、この変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートをポリエチレンテレフタレート発泡シートの代わりに用いたこと以外は実施例1と同様の要領で繊維強化複合体Aを得た。なお、表1において、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂は「変性PPE」と表記した。
(実施例4)
圧着器具(KAISEL社 商品名「ウレタンローラー」、器具重量155g)を用いて繊維強化材をポリエチレンテレフタレート発泡シート1の一面に仮接着し、ポリエチレンテレフタレート発泡シートと繊維強化材との仮接着力が表1に示した通りであったこと以外は実施例1と同様の要領で繊維強化複合体Aを得た。
(実施例5)
表1に記載の通りの残存ガス量を有すること以外は実施例1と同様の構成を有するポリエチレンテレフタレート発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様の要領で繊維強化複合体Aを得た。
(実施例6)
圧着用器具の圧着面温度を45±5℃として繊維強化材をポリエチレンテレフタレート発泡シート1の一面に仮接着し、ポリエチレンテレフタレート発泡シートと繊維強化材との仮接着力が表1に示した通りであったこと以外は実施例1と同様の要領で繊維強化複合体Aを得た。
(実施例7)
実施例2と同様の要領でポリエチレンテレフタレート発泡シートを製造した。次に、ガラス繊維(日東紡績社製 商品名「WE181D」)からなる朱子織の織物から形成された面材(長瀬ケムテック社製 商品名「NNGF60−03s」、目付:300g/m2、厚み:0.3mm)を2枚、用意した。面材は、一辺250mmの平面正方形状であった。面材には、熱可塑性エポキシ樹脂(ガラス転移温度:97℃)が40重量%含有されていた。
2枚の面材をそれらの経糸の長さ方向が互いに90°の角度をなすように重ね合わせて多層面材とした。面材同士は、面材に含まれている熱可塑性エポキシ樹脂によって一体化した。同様の要領で多層面材を更に一枚作製した。
上記ポリエチレンテレフタレート発泡シート1の両面のそれぞれに繊維強化材2として多層面材を積層し、圧着用器具(石崎電機製作所社製 商品名「シェアーショットアイロン SI−39S」、器具重量860g)を用いて、圧着用器具の圧着面温度が100℃、圧着用器具のみの重量で圧着〔559±196Pa(5.7±2gf/cm2)〕して繊維強化材に含まれている熱可塑性エポキシ樹脂によって、繊維強化材2をポリエチレンテレフタレート発泡シート1の両面に仮接着して、次に、離型フィルム3(クラボウ社製 商品名「オイディス」、特殊ポリスチレン系樹脂フィルム、厚み50μm)を繊維強化材2上に積層して積層体Mを製造した(積層工程)。ポリエチレンテレフタレート発泡シート1と繊維強化材2との仮接着力を表1に示した。
次に、積層体Mのポリエチレンテレフタレート発泡シート1をその対向する二辺の縁部においてクランプを用いて把持する一方、繊維強化材2は一切把持しなかった。しかる後、積層体Mをその繊維強化材2の表面温度が150℃となるように30秒間に亘って加熱して繊維強化材2に含浸されている熱可塑性エポキシ樹脂を軟化させて流動性を有する状態とした。この状態において、発泡シート1と繊維強化材2との仮接着は完全に解除され、繊維強化材2は発泡シート1上において自由に移動可能な状態となっていた。
続いて、図4及び図5に示したように、上記積層体Mを雌雄金型41、42間に配設し、雌雄金型41、42を型締めすることによって、プレス成形により、積層体Mの発泡シート1を所望形状に成形すると共に、繊維強化材2を発泡シート1上にて滑らしながら所望形状に成形した。プレス成形時、積層体Mの繊維強化材2の表面温度が110℃となるように保持し、繊維強化材2に含まれている熱可塑性エポキシ樹脂が流動性を保持するように制御した。
プレス成形時、上記積層体Mの発泡シート1を二次発泡させると共に発泡シートを構成しているポリエチレンテレフタレートの結晶化度を上昇させた。
次に、積層体Mをその繊維強化材2の表面温度が30℃以下となるまで冷却した後、雌雄金型41、42を開いて繊維強化複合体Aを取り出して繊維強化複合体Aを得た。得られた繊維強化複合体Aは、熱可塑性エポキシ樹脂によって繊維同士が結着、固定され且つ雌雄金型41、42に沿って所望形状に成形された繊維強化複合材A1が、熱可塑性エポキシ樹脂によって、発泡シート1の両面にそれらの表面に沿って全面的に密着した状態に積層一体化されていた。繊維強化複合体Aの平面部及び断面図を図7、8に示した。なお、図7、8において、層構成は省略した。
(実施例8)
ポリエチレンテレフタレート発泡シートの代わりに実施例3で製造した変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡シートを用いたこと以外は実施例7と同様の要領で繊維強化複合体Aを得た。
(比較例1)
プレス成形時に発泡シート及び繊維強化材を共にクランプで把持したこと以外は実施例1と同様の要領で繊維強化複合体を製造しようとしたが、繊維強化材をプレス成形することができず、繊維強化複合体を得ることができなかった。
(比較例2)
プレス成形時に発泡シート及び繊維強化材を共にクランプで把持したこと以外は実施例3と同様の要領で繊維強化複合体を製造しようとしたが、繊維強化材をプレス成形することができず、繊維強化複合体を得ることができなかった。
(比較例3)
実施例1と同様の要領でポリエチレンテレフタレート発泡シートを製造し、このポリエチレンテレフタレート発泡シートを用いたこと、プレス成形時に発泡シート及び繊維強化材を共にクランプで把持したこと以外は実施例7と同様の要領で繊維強化複合体を製造しようとしたが、繊維強化材をプレス成形することができず、繊維強化複合体を得ることができなかった。
得られた繊維強化複合体Aの肉厚ばらつき、深絞り性及び外観を下記の要領で、並びに発泡シートの結晶化度を上述の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(肉厚ばらつき)
図7に示した繊維強化複合体Aの(a)〜(d)部分の厚みを測定した。(a)〜(d)部分の厚みの最大差をT1とし、(a)〜(d)部分の厚みの相加平均値をT2とした。下記式に基づいて肉厚ばらつきを算出した。なお、繊維強化複合体Aの(a)〜(d)部分は、発泡シート1の両面に繊維強化複合材A1、A1が積層一体化されていた。
肉厚ばらつき(%)=100×T1/T2
(深絞り性)
図7に示した形状に正確に成形可能であるか否かの指標として、図7の繊維強化複合体Aの(b)及び(c)部分の高さ(mm)を測定し、その相加平均値を深絞り性の指標とした。測定には、繊維強化複合体Aをその長さ方向の端部が載置面に接し且つ(b)及び(c)部分が載置面から浮いた状態となるように平坦な載置面上に静かに置き、載置面からの(b)及び(c)部分の高さをノギスを用いて測定した。金型の設計は、繊維強化複合体Aの(b)及び(c)部分の高さを10mmとしているため、深絞り良好な繊維強化複合体Aの高さは、成形収縮率を加味しても10mmとなる。(b)及び(c)部分の高さの相加平均値は6〜10mmが好ましく、7〜10mmがより好ましい。これらの範囲外である場合、深絞り性が不良であると判断できる。
(外観)
得られた繊維強化複合体Aの外観を目視観察し、下記の基準に基づいて評価した。
○・・・繊維強化複合体に形成された、皺又は空気溜まりなどによる線状又は斑点状凹部
が2箇所以下であった。
△・・・繊維強化複合体に形成された、皺又は空気溜まりなどによる線状又は斑点状凹部
が3〜4箇所発生していた。
×・・・繊維強化複合体に形成された、皺又は空気溜まりなどによる線状又は斑点状凹部
が5箇所以上発生していた。
Figure 0006067473
1 発泡シート
2 繊維強化材
3 離型フィルム
5 クランプ
41、42 雌雄金型
A 繊維強化複合体
A1 繊維強化複合材
M 積層体

Claims (6)

  1. 発泡シートの少なくとも一面に熱可塑性樹脂又は未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された面材状の繊維強化材を積層して積層体を製造する積層工程と、上記積層体を加熱して上記繊維強化材に含浸されている熱可塑性樹脂又は未硬化の熱硬化性樹脂を軟化させて流動性を有する状態とした後、上記積層体の繊維強化材を把持することなく上記発泡シートを把持した状態で上記積層体を雌雄金型によってプレス成形して上記積層体を成形する成形工程とを有することを特徴とする繊維強化複合体の製造方法。
  2. 繊維強化材に未硬化の熱硬化性樹脂が含浸されており、成形工程後に行われ且つ積層体の繊維強化材に含まれている上記熱硬化性樹脂を硬化させる硬化工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合体の製造方法。
  3. 発泡シートの少なくとも一面に熱可塑性樹脂又は未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化材を積層して積層体を製造する積層工程と、上記積層体を加熱して上記繊維強化材に含浸されている熱可塑性樹脂又は未硬化の熱硬化性樹脂を軟化させて流動性を有する状態とした後、上記積層体の繊維強化材を把持することなく上記発泡シートを把持した状態で上記積層体を雌雄金型によってプレス成形して上記積層体を成形する成形工程とを有し、上記成形工程において、発泡シートが二次発泡することを特徴とする繊維強化複合体の製造方法。
  4. 発泡シートは、150℃における1分間加熱厚み膨張率が0.5%以上であることを特徴とする請求項に記載の繊維強化複合体の製造方法。
  5. 発泡シートの一面に繊維強化材を仮接着させていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の繊維強化複合体の製造方法。
  6. 積層体の繊維強化材上に離型フィルムを積層した上で積層体を成形することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の繊維強化複合体の製造方法。
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