JP6067229B2 - 伸縮性樹脂加工布帛 - Google Patents

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Description

本発明は、スポーツ、ファッション、インナー等の衣料分野に適した、伸縮性樹脂加工布帛およびその製造方法に関する。
従来、意匠性や機能性を追求した樹脂加工布帛が開発・検討され、これらを利用した様々な商品が上市されている。
例えば、特許文献1には、衣料を構成する裁断されたままの裁ち端の縁辺部に弾性樹脂を塗布することによって、得られる樹脂の伸縮性により着用時のずり下がりやずり上がりを防止するとともに、裁ち端のほつれやカーリングの発生を防ぐ衣料が開示されている。
また、特許文献2では捺染手法により2層以上の樹脂を積層することで応力差の自由度を高め、さらに伸張回復後の応力低下を防止している。
しかしながら、従来技術によるこれらの樹脂加工には、多くの制限や問題があり、自由度の低いものであった。
例えば、特許文献1の樹脂加工では、塗布する樹脂量が少なすぎるとその機能や効果を十分に得ることができず、逆に塗布する樹脂量が多すぎると樹脂が布帛に過度に浸透して布帛の風合いが粗硬となる等の問題がある。このように、従来の樹脂加工においては塗布可能な樹脂量に制限があった。
また、特許文献2でも直接布帛に樹脂液を押し込むため、樹脂の裏漏れや形成される樹脂膜厚が不均一になる等のおそれがあり、用いられる布帛組織には制限があり、応力差の自由度や伸張後の応力低下防止という点では不十分なものであった。
このように直接樹脂液を布帛に塗布する手法においては性能面だけでなく樹脂面の品位が安定しないことも商品上の大きな課題となっている。
特開2007−186829号公報 WO2010−030029号公報
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、樹脂加工された伸縮性布帛の緊締力を、布帛の組織等による樹脂浸透性に左右されることなく、目的とする位置に付与することが可能で、尚且つ、耐久性、堅牢性等、外観品位、風合い、肌触り等にも優れた伸縮性樹脂加工布帛を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る伸縮性樹脂加工布帛は、弾性を有する樹脂皮膜が伸縮性布帛の上に部分的に形成された伸縮性樹脂加工布帛であって、前記弾性を有する樹脂皮膜は水性エマルジョンタイプの樹脂と粉体樹脂とを併用してなる熱接着性を有する樹脂を含有し、前記樹脂皮膜は前記伸縮性布帛の組織によらず均一量で形成され、かつ、前記熱接着性を有する樹脂の量が布帛に対して20〜200g/mであって、前記樹脂皮膜が形成された部分を有する布帛の緊締力が前記樹脂皮膜が形成されていない布帛の緊締力に比べ1.3倍以上である部分を有し、前記樹脂皮膜が形成された部分を有する布帛の繰り返し伸縮後の緊締力保持率が50%以上であることを特徴とする。
また、複数の異なる緊締力を有する前記樹脂皮膜が形成された部分を有していることが好ましい。
また前記樹脂皮膜が形成された部分に植毛加工されていることが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る伸縮性樹脂加工布帛の製造方法は、弾性を有する樹脂皮膜が部分的に形成された伸縮性樹脂加工布帛の製造方法であって、前記弾性を有する樹脂皮膜は水性エマルジョンタイプの樹脂と粉体樹脂とを併用してなる熱接着性を有する樹脂を含有し、捺染手法により離型材上で形成された後、熱圧着により伸縮性布帛に接着されることを特徴とする。
本発明によれば、伸縮性布帛の組織等に左右されることなく、優れた緊締力を目的とする位置に付与することが可能であり、耐久性、堅牢性、外観品位、風合い、肌触り等にも優れた伸縮性樹脂加工布帛を提供することが可能である。
本発明の実施態様例を示す概略図である。 本発明の別の実施態様例を示す概略図である。 本発明の熱接着性樹脂に植毛された例を示す概略図である。
本発明の伸縮性樹脂加工布帛は、伸縮性布帛上の任意の位置に樹脂皮膜を形成することによって、任意の位置に緊締力を付与するものであり、また、一旦樹脂皮膜を形成してから熱接着手法により伸縮布帛上に積層するため、布帛組織によらず均一量の樹脂皮膜を伸縮性布帛上に形成することができ、安定した緊締力と繰り返し伸張後も緊締力低下の少ない伸縮性樹脂加工布帛を提供することができる。
本発明に用いる伸縮性布帛の構成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ナイロン6やナイロン66等のナイロン、アクリル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維や、これらを混繊したもの等が挙げられ、とくに限定するものではない。
また、本発明に用いる伸縮性布帛の構成としては、上記繊維を単独で使用した織物、編物、不織布や、上記繊維の交編織品など、特に限定するものではないが、ポリウレタン弾性糸を含むことによって伸縮性を有していることが好ましい。ポリウレタン弾性糸を含む伸縮性を有する布帛を用いることで、繰り返し伸縮時においても本発明の伸縮性樹脂加工布帛に伸縮性を保持させることができ、本発明の伸縮性樹脂加工布帛を使用して衣料とした際に着用者の動きに追従するため、着用感の優れたものとなる。
伸縮性布帛は後述の伸度測定法において、タテ方向、ヨコ方向共に30〜300%の伸度を有していることが好ましく、さらに好ましくは50〜250%である。30%未満であると衣料とした際に着用者の動きに追従しにくくなり着用感の悪いものとなるおそれがあり、300%を超えると身体への密着性とフィット感が低下するおそれがある。
本発明における弾性を有する樹脂は、熱接着性を有する樹脂を含み、布帛上で樹脂皮膜を形成した際に弾性を有するものである。本発明の樹脂皮膜は、布帛接着面側に熱接着性を有する樹脂層を設けることで、該樹脂層が熱圧着により伸縮性布帛に対して接着することが可能となる。
熱接着性を有する樹脂とは、布帛に合わせて70℃以上にて加圧した場合に、軟化、流動して布帛に対して接着性を有するものを言う。
本発明の樹脂皮膜は熱接着性を有する弾性樹脂層のみでもよく、また、熱接着性を有しない弾性樹脂層を必要に応じて適宜熱接着性を有する樹脂層の反布帛側に積層しても良い。
熱接着性を有する弾性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられるが、物性、堅牢度の点からポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。
また、熱接着性を有しない弾性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられるが、物性、コストの面からのポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。
これらの樹脂の形態としては具体的には水性エマルジョンタイプ、油性タイプ、粉体等が単独もしくは併用して用いられるが、生産性及び性能の観点にて水性エマルジョンタイプと粉体の併用タイプが好ましく使用される。
形成した樹脂皮膜が弾性を有することで樹脂部の繰り返し伸縮後での緊締力低下を防ぐことが出来、また風合いも硬くならないため、着用感に優れた伸縮性樹脂加工布帛を提供することができる。
また、本発明の伸縮性樹脂加工布帛は、樹脂皮膜が接着された部分を有する布帛の緊締力が樹脂皮膜が接着されていない布帛の緊締力に比べ1.3倍以上である部分を有することを特徴とし、さらに1.5倍以上が好ましく、上限は50倍である。
1.3倍未満であると、衣料として着用した際に、機能上必要とされる緊締力を得られないおそれや、着用者の体形の補整または整形、姿勢の矯正、運動機能の向上等の機能を十分に発揮できないおそれがある。また、50倍を超えると風合いが粗硬となり着用感の悪いものとなるおそれがある。
また、本発明の伸縮性樹脂加工布帛は、樹脂皮膜が接着された部分を有する布帛の繰り返し伸縮後の緊締力保持率が50%以上であることを特徴とし、さらに、60%以上であることが好ましい。緊締部における繰り返し伸張回復後の緊締力保持率が50%未満であると、本発明の伸縮性樹脂加工布帛を使用した衣料として着用した際に、樹脂部を有する緊締部の初期の緊締力と繰り返し着用後の緊締力に大きな差を感じ、繰り返し着用しても着用者の体形の補整または整形、姿勢の矯正、運動機能の向上等の機能を十分発揮することができないおそれがある。なお、本発明における繰り返し伸縮の方法は、後述する実施例に示す方法によって行う。
また、本発明の伸縮性樹脂加工布帛は、複数の異なる緊締力を有する樹脂皮膜部分を有していることが好ましい。複数の異なる緊締力を有する樹脂皮膜部分を有しているとは、例えば、同一布帛上に、図1に示す樹脂皮膜層と図2に示す樹脂皮膜部分を設けることにより形成されたり、その他、接着する弾性樹脂皮膜の厚み、面積や柄形状を変えたり、用いる樹脂の種類を変更する等公知の方法を用いることによって緊締力に差を持たせることができる。
樹脂皮膜部分の緊締力が1種類のみであると、必要とされる緊締力に対して柄面積や形状が制限されることで意匠性が低下したり、柄面積が多くなることで風合いの硬化、ムレの発生等不都合が生じ、商品性が低下するおそれが有る。
また、本発明で使用する伸縮性布帛は、弾性を有する樹脂皮膜が接着される前の状態で、その開口率が10〜80%であることが好ましい。開口率が10%未満であると、本来通気度が低下しやすい樹脂加工布帛において製品とした場合に、更にムレが生じやすく快適性を損なうおそれがあり、また、伸縮性布帛の開口率が80%より大きいと、伸縮性布帛自体の伸縮性や強度等において満足するものが得られないおそれがある。
ダイレクトコーティングや直接捺染法では、高い開口率を有する布帛の組織空隙に樹脂液が入り込んでしまい、布帛裏面(製品とした際の肌面)に樹脂液が滲みだしで触感が悪い物となるばかりか、布帛表面にも均一な樹脂皮膜を形成することができず、繰り返し伸縮後の緊締力を保持しにくくなるとともに、外観品位も安定しないものとなる。本発明によれば、一旦、離型材上に樹脂皮膜を形成してから布帛に転写・接着するため、樹脂皮膜の布帛への浸透を制御しやすく、安定した緊締力、外観品位を得ることが出来る。
また、本発明の伸縮性樹脂加工布帛の樹脂部に植毛加工されることが好ましい。植毛加工面を肌側に使用した場合、肌への刺激を弱めたり、ムレの発生を抑制する効果が得られる。また、植毛加工面を表側に使用した場合、優れた意匠性を得ることもできる。
次に、本発明の樹脂皮膜の作製方法について説明する。
本発明で用いる離型材は、離型性と耐熱性を有しておればよく、ポリエステルのような樹脂フィルムや、合成紙、布帛等の概ね平坦な材料を基材として、その表面には離型性を得るためにオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の離型性を有する樹脂を、単独もしくは併用して基材上に塗布するか、または、フィルム状に成型した後、基材に接着して得ることも出来る。また、離型材にエンボス処理を施したり、離型性を有する樹脂液中に粒子等を添加することで、該樹脂皮膜に艶消し外観、パウダー調の触感や滑性等を付与することが出来る。また、離型材にカレンダー等により平滑処理することにより該樹脂皮膜に光沢外観、滑り止め効果を与えることも出来る。
上記の様に作製した離型材上に、弾性を有する樹脂皮膜を形成するための樹脂溶液を塗布する。塗布の方法としては、スクリーン捺染やロータリー捺染の方法を用いることができる。樹脂溶液を塗布後乾燥成膜する。乾燥温度は用いる樹脂の種類等により適宜設定されるが、一般的に80〜130℃の温度で乾燥し、樹脂皮膜を形成する。
また、複数の異なる緊締力を有する樹脂皮膜部を設けるために、同一離型材上に異なる緊締力を有する樹脂皮膜を同時に形成することもできる。
弾性を有する樹脂を含む溶液を、離型材上に捺染法により塗布、乾燥を繰り返すことにより、所定量を積層するため、同一成分の樹脂でも樹脂層の厚みを変えたり、応力の異なる樹脂種を部分的に配置することが可能である。また、より高い緊締力保持率が必要とされる場合には、熱接着性を有しない樹脂層を熱接着性樹脂皮膜中あるいは熱接着性樹脂皮膜に積層して設けることが出来る。また、樹脂部表面側(反肌面側)に熱接着性を有しない樹脂層を設けた場合には、耐熱ブロッキング性に優れた樹脂加工布とすることが出来る。
樹脂皮膜中には物性、機能性、意匠性の向上を目的として、様々な添加剤を添加することができる。例えば、物性を向上させる目的で、ポリエチレンワックスやシリコーン樹脂、耐光向上剤等を添加することができる。また、機能性を向上させるために再帰反射材、蓄光顔料、抗菌剤、遠赤外吸収剤、磁性体、消臭剤等を添加することもできる。また、意匠性を与える場合には有機顔料や無機顔料、グリッター、パール顔料等の光輝顔料の他、凹凸を発現させるための熱発泡剤等を添加することができる。
樹脂皮膜を作成する際に、離型材上に塗布される樹脂量は、衣料とした際に求められる機能に応じて適宜設定できるが、熱接着層を有する樹脂の量は、布帛に対し20〜200g/mであることが好ましい。樹脂量が20g/m未満であると伸縮性布帛に対する接着強度が不十分となり洗濯や繰り返し伸縮によって樹脂が剥離、脱落するおそれが有る。また、200g/mを超えると伸縮素材に対する樹脂浸透が過度なものになり、接着面裏側への樹脂滲み出しが生じたり、風合いが粗硬なものとなる。
本発明でいう熱圧着とは、70〜180℃の温度で5〜50kPaの圧力にて10〜60秒程度の条件にて上記樹脂皮膜と伸縮性布帛を合わせて熱プレスすることをいう。具体的には平面プレス機やフェルトカレンダー機などが用いられるが限定されるものではない。
本発明において、伸縮性布帛に接着された樹脂皮膜部分の形状、厚さや面積は、衣料とした際に求められる機能に応じてさまざまであるが、一定面積範囲内がすべて樹脂皮膜で覆われている必要はなく、樹脂皮膜部分が点在していてもよい。一定範囲内の定義については、緊締力の測定方法において説明するが2.5cm巾5cm長の範囲内を示す。樹脂皮膜を有さない非緊締部についても同様である。
本発明において、弾性樹脂皮膜部分に植毛加工を施すこともできる。植毛加工は、伸縮性布帛に接着された樹脂皮膜おいて、伸縮性布帛に接着された側と反対側にも熱接着性樹脂が面していることが必要である。この場合、布帛に接着された熱接着性を有する弾性樹脂層と同一であってもよく、熱接着層を有しない樹脂層が熱接着性を有する弾性樹脂層間に構成されていてもよい。
この樹脂皮膜が伸縮性布帛に熱接着され、離型材が剥離された後、植毛ペーパーをさらに樹脂面に合わせて再度熱接着、冷却後剥離することによって、樹脂部に植毛加工された伸縮性樹脂加工布帛が得られる。植毛ペーパーとは接着剤が塗布された紙に繊維パイルが静電植毛されたものをいい、繊維パイルとしてはレーヨン、ナイロン等が用いられ、パイル長さは0.3〜2mmのものが好ましく使用される。
また、植毛加工のもう一つの手法として植毛ペーパー上に樹脂皮膜を形成する。布帛接着面に熱接着性を有する樹脂層を積層して樹脂皮膜とし、伸縮性布帛に合わせて熱圧着、冷却後に植毛ペーパーを剥離することで伸縮性布帛の樹脂部に植毛加工が施された伸縮性樹脂加工布帛が得られる。
以下、実施例により本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、実施例における測定および評価の方法については、次のように行った。
[緊締力比]
インストロン型万能引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフAG−1)を用いて、幅2.5cm×長さ10cmに切り出した試験布を、測定間隔5cmでセットし、引張り速度300±20mm/minで、30%伸張した際の応力の値を緊締力とし、弾性を有する樹脂が接着された部分を有する伸縮性布帛(緊締部)と弾性を有する樹脂が接着された部分を有しない伸縮性布帛(非緊締部)について、それぞれ測定し次式によって緊締力比を求めた。なお、本測定における緊締部からのサンプリングは測定面積範囲内(2.5cm×5cm)において樹脂接着部を最も多く含む箇所よりタテ、ヨコ方向より切り出される。非緊締部については樹脂部を有していない箇所からタテ、ヨコ方向に切り出される。
(緊締力比)=(緊締部の緊締力)/(非緊締部の緊締力)
[緊締力保持率]
上述の緊締力測定法において、30%伸張回復を10回行い、1回目と10回目の緊締力から次式によって緊締力保持率(%)を求めた。
(緊締力保持率[%])=(10回目緊締力)/(1回目緊締力)×100%
[開口率]
伸縮性布帛をマイクロスコープにて拡大観察した際、糸、組織により遮蔽されず背面が見える割合によって表される。
[外観品位]
樹脂部の外観品位を次の基準に基づいて評価した。
○:伸縮性布帛の組織に影響を受けず均一な品位である
×:伸縮性布帛の組織の影響を受けて不均一な品位である
[伸縮性布帛の伸度]
伸縮性布帛の伸度はインストロン型万能引張試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフAG−1)を用いて、伸縮性布帛のタテ、ヨコ方向より幅2.5cm×長さ10cmに切り出した試験布を、測定間隔5cmでセットし22.1Nの荷重をかけた際の伸度を求めた。
[実施例1]
(1)伸縮性布帛の作製
ナイロン糸(44デシテックス/34フィラメント)75%と、ポリウレタン弾性糸(308デシテックス)25%とを使用し、パワーネット組織にて編み立てた。作製した伸縮性布帛の厚みは340μm、重量は170g/m、タテ方向に対する伸度は140%、ヨコ方向に対する伸度は120%、開口率は27%であった。
(2)樹脂液Aの作製
下記成分を混合し、粘度を25000cps/20℃に調整した樹脂液Aを作製した。
<樹脂液Aの成分>
熱接着性ポリウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックス500) 50質量部
ポリウレタン粒子(日本ポリウレタン株式会社製、パールセンU−100A) 50質量部
ブロックイソシアネート系架橋剤(林化学工業株式会社製、オキザールUL−3) 5質量部
黒顔料(DIC株式会社製、DEXCEL BLACK HR) 5質量部
ポリアクリル酸系増粘剤(林化学工業株式会社製、増粘剤) 適量
(3)スクリーン捺染版の作製
離型材上に樹脂を付与するためのスクリーン捺染版を作製した。
スクリーン版は、50メッシュの紗を用い、この紗に常法の製版法により所定位置に柄を形成した。この時の柄形状は正方形(10cm×10cm)でスクリーン版の厚みは100μmであった。
(4)樹脂皮膜の作製工程
前記樹脂Aを前記スクリーン版を用いて、自動捺染機によりゴムスキージにて離型材(LINTEC社製、No.FN PXDHタイプ)上に塗布して100℃にて乾燥した。この時の樹脂塗布量は45g/m(乾燥重量)であった。
(5)熱圧着工程
樹脂皮膜が形成された離型紙と伸縮性布帛を合わせて熱プレス機を使用して150℃、15kPaにて30秒間プレスを行い、冷却後に離型紙を剥離した。
以上、(1)〜(5)の工程を経て、実施例1の伸縮性樹脂加工布帛を得た。
実施例1の伸縮性樹脂加工布帛の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
下記成分を混合してなる粘度25000cps/20℃の樹脂液Bを用いて実施例1と同様にして離型紙上に樹脂皮膜を作製した。得られた樹脂皮膜の樹脂塗布量は32g/m(乾燥重量)であった。さらに、前記熱接着性を有しない弾性樹脂皮膜上に、実施例1と同様にして樹脂液Aを塗布して、熱接着性を有する樹脂皮膜を設け、熱接着性を有しない弾性樹脂皮膜と熱接着性を有する弾性樹脂皮膜とが積層された樹脂皮膜を得た。熱接着性を有する弾性樹脂皮膜の樹脂塗布量は43g/mであった。この後、実施例1と同様にして実施例2の伸縮性樹脂加工布帛を得た。評価結果を表1に示す。
<樹脂液Bの成分>
熱接着性を有しないポリウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックスE4800)
100質量部
パラフィン系樹脂(林化学工業株式会社製、粘着防止剤) 10質量部
ブロックイソシアネート系架橋剤(林化学工業株式会社製、オキザールUL−3) 5質量部
黒顔料(DIC株式会社製、DEXCEL BLACK HR) 5質量部
ポリアクリル酸系増粘剤(林化学工業株式会社製、増粘剤) 適量
[実施例3]
実施例1と同様にして伸縮性樹脂加工布帛を得た後、植毛ペーパー(パイル種:ナイロン、繊維長:1.0mm、太さ:1.5d)を樹脂部に合わせて、160℃、20kPaにて30秒プレス、冷却後、植毛ペーパーを剥離して樹脂部に植毛加工された実施例2の伸縮性樹脂加工布帛を得た。
評価結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1における伸縮性布帛をカチオン化ポリエステル(33dtex/26フィラメント)62%と、ポリウレタン弾性糸(44dtex)38%とを、36Gトリコットハーフ組織に編み立てて使用した。作製した伸縮性布帛の厚みは380μm、重量は225g/m、タテ方向に対する伸度は150%、ヨコ方向に対する伸度は125%、開口率は3%であった。伸縮性布帛を変更した以外は実施例1と同様に加工して伸縮性樹脂加工布帛を得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で作製した伸縮性布帛に樹脂液Aを実施例1で作製したスクリーン版を用いて直接塗布し、150℃60秒熱乾燥して、比較例1の伸縮性樹脂加工布帛を得た。この時の樹脂塗布量は58g/m(乾燥重量)であった。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1で使用したスクリーン版を100メッシュ(厚み70ミクロン)に変更した以外は実施例1と同様に加工し、伸縮性樹脂加工布帛を得た。評価結果を表1に示す。
[評価]
実施例1、2、3および4で得られた伸縮性樹脂加工布帛は、いずれも目的とする緊締力比と緊締力保持率を有することで、高い密着性および補正効果を有するものであった。また、外観品位、風合いにも優れたものであった。一方、比較例1で得られた樹脂加工布帛は、目的とする緊締力保持率が得られないばかりか、樹脂液が布帛裏面に滲み出してしまうことで、外観品位や風合いにおいて劣るものであった。また、比較例2においては熱接着を有する樹脂量が不足していたために必要とされる緊締力比を得ることが出来なかった。
1 伸縮性樹脂加工布帛
2 伸縮性布帛
3 熱接着性弾性樹脂皮膜
4 非熱接着性弾性樹脂皮膜
5 植毛
Figure 0006067229

Claims (4)

  1. 弾性を有する樹脂皮膜が伸縮性布帛の上に部分的に形成された伸縮性樹脂加工布帛であって、前記弾性を有する樹脂皮膜は水性エマルジョンタイプの樹脂と粉体樹脂とを併用してなる熱接着性を有する樹脂を含有し、前記樹脂皮膜は前記伸縮性布帛の組織によらず均一量で形成され、かつ、前記熱接着性を有する樹脂の量が布帛に対して20〜200g/mであって、前記樹脂皮膜が形成された部分を有する布帛の緊締力が前記樹脂皮膜が形成されていない布帛の緊締力に比べ1.3倍以上である部分を有し、前記樹脂皮膜が形成された部分を有する布帛の繰り返し伸縮後の緊締力保持率が50%以上であることを特徴とする伸縮性樹脂加工布帛。
  2. 複数の異なる緊締力を有する前記樹脂皮膜が形成された部分を有していることを特徴とする請求項1に 記載の伸縮性樹脂加工布帛。
  3. 前記樹脂皮膜が形成された部分に植毛加工されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮性樹脂加工布帛。
  4. 弾性を有する樹脂皮膜が部分的に形成された伸縮性樹脂加工布帛の製造方法であって、前記弾性を有する樹脂皮膜は水性エマルジョンタイプの樹脂と粉体樹脂とを併用してなる熱接着性を有する樹脂を含有し、捺染手法により離型材上で形成された後、熱圧着により伸縮性布帛に接着されることを特徴とする伸縮性樹脂加工布帛の製造方法。
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