JP6065602B2 - 超音波測定装置、超音波診断装置及び超音波測定用シート - Google Patents

超音波測定装置、超音波診断装置及び超音波測定用シート Download PDF

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Description

本発明は、超音波測定装置、超音波診断装置及び超音波測定用シート等に関する。
超音波診断装置においては、過去に測定した場所と同じ場所を測定したい、或いは常に決められた測定箇所を測定したいという要求がある。このような課題に対して例えば特許文献1には、被検体(患者)と超音波プローブとの位置関係をカメラで撮影した外観画像と、超音波画像とを1フレームに合成させて表示する手法が開示されている。また、特許文献2には、位置情報シートを患者の上に載置し、位置情報シートと超音波プローブとの位置関係をカメラで撮影した動画像と、超音波画像とを重畳して表示する手法が開示されている。
特開2001−112752号公報 特開2007−282792号公報
しかしながら上記特許文献1、2で開示されている手法では、測定場所をユーザーが目視によって確認する必要があり、超音波測定装置の操作に慣れていないユーザーにとっては、超音波プローブが適切な場所にセットされているか否かを判断することが難しいなどの問題がある。
本発明の幾つかの態様によれば、超音波測定用シートを対象物(被検体)に対して定位置に配置することができ、超音波測定用シートに対する超音波プローブのスキャン場所を特定するスキャン場所情報を取得することができる超音波測定装置、超音波診断装置及び超音波測定用シート等を提供できる。
本発明の一態様は、超音波の送信処理を行う送信部と、超音波エコーの受信処理を行う受信部と、超音波測定の制御処理を行う処理部とを含み、前記送信部は、対象物に対する配置位置を規定する位置合わせ部を有する超音波測定用シートを介して、超音波を前記対象物に送信する処理を行い、前記受信部は、前記超音波測定用シート及び前記対象物からの超音波エコーを受信する処理を行って受信信号を前記処理部に対して出力し、前記処理部は、前記受信部からの前記受信信号に基づいて、超音波測定用シートに対する超音波プローブのスキャン場所を特定するスキャン場所情報を取得する超音波測定装置に関係する。
本発明の一態様によれば、受信部が超音波測定用シート及び対象物からの超音波エコーを受信する処理を行って受信信号を処理部に対して出力し、処理部が超音波測定用シートに対する超音波プローブのスキャン場所を特定するスキャン場所情報を取得することができるから、取得したスキャン場所情報に基づいて超音波測定用シートに対するスキャン場所をユーザーに報知することができる。その結果、ユーザーが超音波測定装置の操作に慣れていなくても、超音波測定用シートに対するスキャン場所と位置関係が特定された対象物の適切な場所に超音波プローブをセットすることなどが可能になる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記スキャン場所情報として、前記超音波測定用シートに記録されたコード情報を取得する処理を行い、取得した前記コード情報に基づいて前記スキャン場所を特定してもよい。
このようにすれば、処理部は、超音波測定用シートに記録されたコード情報に基づいて、スキャン場所を特定することができる。
また本発明の一態様では、前記超音波測定用シートには、各場所に対応して情報が異なる複数のコード情報が記録され、前記処理部は、前記複数のコード情報のうちの前記スキャン場所に対応するコード情報を取得し、取得した前記コード情報に基づいて前記スキャン場所を特定してもよい。
このようにすれば、処理部は、取得したコード情報に対応するスキャン場所を特定することができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、特定した前記スキャン場所に基づく報知情報を報知部に対して出力する報知処理を行ってもよい。
このようにすれば、処理部は、特定したスキャン場所に基づく報知情報をユーザーに報知することができる。
また本発明の一態様では、前記報知情報は、基準となるスキャン場所と現在のスキャン場所との一致又は不一致を報知する情報であってもよい。
このようにすれば、処理部は、基準となるスキャン場所と現在のスキャン場所との一致又は不一致をユーザーに報知することができるから、ユーザーは超音波プローブが基準となるスキャン場所にセットされているか否かを容易に知ることができる。
また本発明の一態様では、前記基準となるスキャン場所は、過去の超音波測定におけるスキャン場所、又は、予め超音波測定装置に記憶された所定のスキャン場所であってもよい。
このようにすれば、ユーザーが過去に測定した場所と同じ場所で測定したり、或いは予め決められた場所で測定することなどが容易になる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記超音波プローブを前記基準となるスキャン場所に誘導する前記報知処理を行ってもよい。
このようにすれば、処理部は、ユーザーが超音波プローブを基準となるスキャン場所に移動できるように誘導することができるから、ユーザーは超音波プローブを基準となるスキャン場所に容易にセットすることなどが可能になる。
また本発明の一態様では、前記超音波測定用シートは、超音波透過媒体と、前記超音波透過媒体に埋め込まれた複数の反射体とを有し、前記複数の反射体の反射率、個数、形状、サイズのうちの少なくとも1つにより前記コード情報が記録され、前記受信部は、前記複数の反射体からの超音波エコーを受信する処理を行って受信信号を前記処理部に対して出力し、前記処理部は、前記受信部からの前記受信信号に基づいて前記コード情報の解析処理を行い、前記コード情報に基づいて前記スキャン場所を特定してもよい。
このようにすれば、処理部は、複数の反射体の反射率、個数、形状、サイズのうちの少なくとも1つにより記録されたコード情報を解析して、スキャン場所を特定することができる。
また本発明の一態様では、前記超音波測定用シートは、前記複数の反射体として、前記超音波透過媒体に配列された複数の反射体群を有し、前記複数の反射体群の各反射体群は、前記超音波測定用シートの深さ方向に沿って配列される第1の反射体〜第p(pは2以上の整数)の反射体を有し、前記受信部は、前記第1の反射体〜前記第pの反射体からの超音波エコーを受信する処理を行って受信信号を前記処理部に対して出力し、前記処理部は、前記第1の反射体〜前記第pの反射体により記録された前記コード情報の解析処理を行って、前記スキャン場所を特定してもよい。
このようにすれば、処理部は、反射体群が有する第1の反射体〜第pの反射体により記録されたコード情報の解析を解析して、スキャン場所を特定することができる。
また本発明の一態様では、前記複数の反射体群の各反射体群により、前記各反射体群の配置位置に対応する前記コード情報が記録され、前記処理部は、前記スキャン場所に対応する前記各反射体群により記録された前記コード情報の解析処理を行って、前記スキャン場所を特定してもよい。
このようにすれば、処理部は、スキャン場所に対応する各反射体群により記録されたコード情報を解析して、スキャン場所を特定することができる。
本発明の他の態様は、上記いずれかに記載の超音波測定装置と、表示用画像データを表示する表示部とを含む超音波診断装置に関係する。
本発明の他の態様は、超音波透過媒体と、前記超音波透過媒体に埋め込まれた複数の反射体と、対象物に対する配置位置を規定する位置合わせ部とを含み、前記複数の反射体の反射率、個数、形状、サイズのうちの少なくとも1つにより、超音波測定装置によるスキャン場所情報取得用のコード情報が記録される超音波測定用シートに関係する。
本発明の他の態様によれば、超音波測定用シートは、複数の反射体の反射率、個数、形状、サイズのうちの少なくとも1つにより、スキャン場所情報取得用のコード情報を記録することができる。
また本発明の他の態様では、前記複数の反射体として、前記超音波透過媒体に配列された複数の反射体群を含み、前記複数の反射体群の各反射体群は、前記超音波測定用シートの深さ方向に沿って配列される第1の反射体〜第p(pは2以上の整数)の反射体を有し、前記第1の反射体〜前記第pの反射体により、前記各反射体群の配置位置に対応する前記コード情報が記録されてもよい。
このようにすれば、超音波測定用シートは、各反射体群により各反射体群の配置位置に対応するコード情報を記録することができる。
超音波測定装置及び超音波診断装置の基本的な構成例。 図2(A)、図2(B)は、超音波測定用シートの基本的な構成例。 図3(A)、図3(B)は、超音波測定用シートの製造方法の一例。 図4(A)〜図4(C)は、超音波測定用シートの具体的な構成例。 図5(A)は、超音波測定用シートの使用例。図5(B)は、超音波画像(Bモード画像)の一例。 図6(A)は、反射体の反射率により記録されるコード情報の一例。図6(B)は、輝度テーブルの一例。図6(C)は、コード情報とシート座標との対応の一例。 反射体群の画像の例。 図8(A)、図8(B)は、スキャン場所の特定を説明する図。 図9(A)は、スキャン場所を特定する処理のフローチャートの一例。図9(B)は、スキャン場所の表示処理のフローチャートの一例。 コード情報の解析処理のフローチャートの一例。 表示部に表示されるスキャン場所情報の一例。 図12(A)、図12(B)は、過去の超音波測定におけるスキャン場所を記録し、現在のスキャン場所と比較する処理のフローチャートの一例。 スキャン場所の比較処理のフローチャートの一例。 表示部に表示される過去のスキャン場所情報及び現在のスキャン場所情報の一例。 図15(A)、図15(B)は、超音波診断装置の具体的な構成例。図15(C)は、超音波プローブの具体的な構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.超音波測定装置
図1に本実施形態の超音波測定装置100及び超音波診断装置400の基本的な構成例を示す。本実施形態の超音波測定装置100は、送信部110、受信部120及び処理部130を含み、記憶部140をさらに含んでもよい。また、本実施形態の超音波診断装置400は、超音波測定装置100、表示部410(広義には報知部420)を含む。なお、本実施形態の超音波測定装置100及び超音波診断装置400は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
送信部110は、超音波の送信処理を行う。具体的には、送信部110が超音波プローブ300に対して電気信号である送信信号(駆動信号)を出力し、超音波プローブ300が超音波測定用シート200を介して超音波を対象物に送信する。超音波プローブ300は超音波トランスデューサーデバイス(図示せず)を含み、超音波トランスデューサーデバイスが電気信号である送信信号を超音波に変換する。
受信部120は、超音波エコーの受信処理を行う。具体的には、超音波プローブ300が有する超音波トランスデューサーデバイスが対象物及び超音波測定用シート200からの超音波エコーを電気信号に変換する。受信部120は、超音波トランスデューサーデバイスからの電気信号である受信信号(アナログ信号)に対して増幅、検波、A/D変換、位相合わせなどの受信処理を行い、受信処理後の信号である受信信号(デジタルデータ)を処理部130に対して出力する。
処理部130は、超音波測定の制御処理を行う。具体的には、送信部110及び受信部120の制御処理や受信部120からの受信信号に基づいて超音波画像データを生成する処理を行う。また、処理部130は、受信部120からの受信信号に基づいて、超音波測定用シート200に対する超音波プローブ300のスキャン場所を特定するスキャン場所情報を取得する。具体的には、処理部130は、スキャン場所情報として、超音波測定用シート200に記録されたコード情報を取得する処理(コード情報の解析処理)を行い、取得したコード情報に基づいてスキャン場所を特定する。処理部130は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)で実現することができる。
超音波測定用シート200には、超音波測定用シート200が有する複数の反射体(図示せず)により、各場所に対応して情報が異なる複数のコード情報が記録されている。超音波プローブ300から出射された超音波の一部は、複数の反射体により反射される。処理部130は、複数の反射体からの超音波エコーに基づく受信信号に基づいて、コード情報の解析処理を行う。処理部130は、複数のコード情報のうちのスキャン場所に対応するコード情報を取得し、取得したコード情報に基づいてスキャン場所を特定することができる。
こうすることで、処理部130は、超音波プローブ300が超音波測定用シート200のシート面のどの場所に接触しているのか、即ち超音波プローブ300が超音波測定用シート200のシート面のどの場所をスキャンしているのかを特定することができる。なお、コード情報、コード情報の解析処理及びスキャン場所の特定の詳細については、後述する。
処理部130は、特定したスキャン場所に基づく報知情報を報知部420に対して出力する報知処理を行う。この報知情報は、基準となるスキャン場所と現在のスキャン場所との一致又は不一致を報知する情報である。基準となるスキャン場所は、過去の超音波測定におけるスキャン場所、又は、予め超音波測定装置に記憶された所定のスキャン場所である。また処理部130は、超音波プローブ300を基準となるスキャン場所に誘導する報知処理を行うことができる。
こうすることで、処理部130が基準となるスキャン場所と現在のスキャン場所との一致又は不一致をユーザーに報知することができ、またユーザーが超音波プローブ300を基準となるスキャン場所に移動できるように誘導することができる。その結果、ユーザーが過去に測定した場所と同じ場所で測定すること、或いは予め決められた場所で測定することなどが容易になる。
記憶部140は、基準となるスキャン場所、即ち過去の超音波測定におけるスキャン場所や予め決められた所定のスキャン場所などのスキャン場所情報を記憶する。また、記憶部140は、超音波測定に必要な設定情報などを記憶することができる。記憶部140は、フラッシュメモリーなどの不揮発性記憶装置で実現することができる。
報知部420は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部410やスピーカー(図示せず)等であって、処理部130からの報知情報(例えばスキャン場所を示す画像データや超音波プローブ300を誘導するための音声など)をユーザーに対して報知する。
このように本実施形態の超音波測定装置100によれば、処理部130が、超音波測定用シート200に記録されたスキャン場所特定用のコード情報の解析処理を行うことができる。そして処理部130は、解析したコード情報に基づいて、超音波プローブ300のスキャン場所を特定することができる。また処理部130は、特定したスキャン場所に基づいて、ユーザーに対して報知情報を報知することができる。
このようにすることで、ユーザーが過去に測定した場所と同じ場所で測定すること、或いは予め決められた場所で測定することなどが容易になる。
2.超音波測定用シート
図2(A)、図2(B)に、本実施形態の超音波測定用シート200の基本的な構成例を示す。本実施形態の超音波測定用シート200は、超音波透過媒体210及び複数の反射体220(220−1〜220−4)を含む。なお、本実施形態の超音波測定用シート200は図2(A)、図2(B)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図2(A)は超音波測定用シート200の上面図であり、図2(B)は超音波測定用シート200の断面図である。図2(A)、図2(B)に示すように、超音波測定用シート200の一辺に平行な方向をX方向とし、X方向に垂直でシート面に平行な方向をY方向とする。また、シート面に垂直な方向、即ちシートの厚み方向をZ方向とする。
超音波透過媒体210は、超音波を透過し、音響インピーダンスが人体に近く、減衰が少ない材料で形成されることが望ましい。例えば、オイルゲル、アクリルアミド、ハイドロゲルなどで形成される。そして、この超音波透過媒体210は、人体(被検体)に密着して使用される。
複数の反射体220は、超音波透過媒体210と異なる音響インピーダンスを有する材料で形成され、超音波透過媒体210に埋め込まれる。複数の反射体220は超音波透過媒体210と異なる音響インピーダンスを有するから、超音波が反射される。反射体220の材料として、例えばゴムを用いることができる。複数の反射体220の反射率、個数、形状、サイズのうちの少なくとも1つによりコード情報が記録される。具体的には、反射率、個数、形状、サイズのうちの少なくとも1つを所定の値に設定することで、コード情報が記録される。例えば反射体220の反射率を予め定めた複数の反射率のうちのいずれかに設定することで、コード情報を記録することができる。
超音波透過媒体210の音響インピーダンスをZ1とし、反射体220の音響インピーダンスをZ2とすると、反射体220の反射率Rは、次式で与えられる。
R=(Z2−Z1)/(Z1+Z2) (1)
また、音響インピーダンスZは、次式で与えられる。
Z=ρ×c (2)
ここで、ρは媒質の密度、cは媒質中での音速である。
従って、反射体220の材質を変化させることで、その音響インピーダンスZ2を可変に設定することができる。例えば反射体220の材料としてシリコーン系ゴム等を基材とし、金属等の充填剤を混合することで、反射体220の音響インピーダンスZ2を変化させることができる。具体的には、充填剤の割合を4段階に変えることで、反射体220の反射率Rを4段階に設定することができる。充填剤を多くするほど、充填剤の音響インピーダンスへと近づいていく。
超音波測定用シート200は、複数の反射体220として、超音波透過媒体210にマトリックス状に配列された複数の反射体群230を含んでもよい。複数の反射体群230の各反射体群は、超音波測定用シート200の深さ方向(Z方向)に沿って配列される第1の反射体〜第p(pは2以上の整数)の反射体を含む。図2(B)に示す反射体群230では、例として第1〜第4の反射体220−1〜220−4を含む。1つの反射体群230は、それが含む第1〜第4の反射体220−1〜220−4によりコード情報を記録することができる。処理部130は、第1〜第4(広義には第p)の反射体220−1〜220−4により記録されたコード情報の解析処理を行う。
複数の反射体群230の各反射体群により、具体的には第1〜第4の反射体220−1〜220−4により、各反射体群230の配置位置に対応するコード情報が記録される。即ち、各反射体群230にはその配置位置に応じて異なるコード情報が記録される。こうすることで、処理部130は、取得したコード情報に基づいて、スキャン場所を特定することができる。
図2(A)には、マトリックス状に配列された複数の反射体群230を示したが、配列の仕方はこれに限定されない。例えば、千鳥配置であってもよいし、同心円状に配置されてもよい。図2(B)には、第1〜第4の反射体を有する反射体群230を示したが、1つの反射体群230を構成する反射体220の個数はこれに限定されない。
図3(A)、図3(B)に、本実施形態の超音波測定用シート200の製造方法の一例を示す。図3(A)に示すように、複数の反射体220を配置した超音波透過媒体210−2に、反射体220を含まない超音波透過媒体210−1を接着することで、複数の反射体220を有する超音波測定用シート200を製造することができる。
図3(B)は、複数の反射体群230を含む超音波測定用シート200の製造方法の一例である。複数の反射体220を配置した超音波透過媒体210−5に、複数の反射体220を配置した超音波透過媒体210−4を接着し、さらにその上に複数の反射体220を配置した超音波透過媒体210−3を接着する。そしてさらに複数の反射体220を配置した超音波透過媒体210−2を接着し、最後に反射体220を含まない超音波透過媒体210−1を接着することで、各反射体群230が4個の反射体220を有する超音波測定用シート200を製造することができる。
図4(A)〜図4(C)に、本実施形態の超音波測定用シート200の具体的な構成例を示す。図4(A)〜図4(C)に示す超音波測定用シート200は、いずれも対象物(被検体、診断部位)に対する配置位置を規定する位置合わせ部240を含む。位置合わせ部240は、人体の特定の場所と位置合わせするためのものであって、例えば超音波測定用シート200の一部に穴や切り込みなどを設けたものである。こうすることで、測定時にユーザーが超音波測定用シート200を対象物に対して定位置に配置することができる。
図4(A)は腹部用の超音波測定用シート200であって、位置合わせ部240として人体の臍に位置合わせするための穴が設けられている。図4(B)は腕部用の超音波測定用シート200であって、位置合わせ部240として人体の肘窩(肘を曲げたとき、その内側にできる窪んだ部分)に位置合わせするための切り込みが設けられている。図4(C)は腿部用の超音波測定用シート200であって、位置合わせ部240として人体の膝に位置合わせするための切り込みが設けられている。なお、図4(A)〜図4(C)に示した超音波測定用シート200の形状は一例であって、図示したものに限定されない。
図5(A)に、本実施形態の超音波測定用シート200の使用例を示す。図5(A)に示すように、超音波測定用シート200を被検体(人体)に密着させ、さらに超音波測定用シート200の上に超音波プローブ300を密着させる。超音波プローブ300は超音波トランスデューサーデバイス310を含み、超音波トランスデューサーデバイス310は送信部110からの送信信号に基づいて超音波を出射し、また超音波エコーを電気信号に変換して受信部120に出力する。図示していないが、超音波プローブ300は超音波診断装置400とケーブルによって電気的に接続される。
図5(B)に、超音波エコーによる受信信号に基づいて処理部130により生成される超音波画像(Bモード画像)の一例を示す。図5(B)において、bx方向はスキャン方向であり、bz方向は深さ方向である。
図5(B)に示すように、超音波測定用シート200の厚みに対応する領域には反射体220の超音波画像があり、それより深い領域には体内(被検体)の超音波画像がある。処理部130は、超音波測定用シート200の厚みに対応する領域を表示部410(広義には報知部420)に表示せず、体内の超音波画像だけを表示部410に表示することができる。こうすることで、ユーザーに必要のない超音波測定用シート200の画像領域を取り除いて表示することができる。
3.コード情報及びその解析処理
図6(A)に、反射体220の反射率により記録されるコード情報の一例を示す。図6(A)は、4個の反射体220から構成される反射体群230の超音波画像(Bモード画像)である。各反射体220の反射率は4段階の反射率R1、R2、R3、R4(R1<R2<R3<R4)のうちのいずれかに設定されている。反射率R4が最も大きく、反射率R1が最も小さい。Bモード画像では対象物の反射率が大きいほど輝度が高い画像が得られるから、反射率R1の反射体220の画像は最も輝度が低く、反射率がR2、R3、R4と大きくなるほど反射体220の画像の輝度は高くなる。処理部130は、超音波画像データから各反射体220の輝度を求めることで、反射体群230により記録されたコード情報を解析することができる。
処理部130は、反射体220の画像の輝度(輝度情報)が4つの輝度レベルのうちのどれに相当するかを判定する。そして判定結果に基づいて、各反射体220について輝度レベルdを求める。この輝度レベルdは0、1、2、3のうちのいずれかの値をとる。次に、処理部130は、各反射体220の輝度レベルdからコード情報αを求める。
図6(B)に、輝度レベルdと画像の輝度との対応を示す輝度テーブルの一例を示す。図6(B)では、反射体220の輝度の最大値を100として相対値で表している。例えば、ある反射体220の輝度が21〜40の範囲にある場合には、その反射体220の輝度レベルdは0である。また、ある反射体220の輝度が61〜80の範囲にある場合には、その反射体220の輝度レベルdは2である。このようにして、処理部130は、各反射体220について輝度レベルdをそれぞれ求めることができる。
図6(A)に示す例では、反射体群230に含まれる4個の反射体220の輝度レベルd1〜d4は、bz方向(深さ方向)に沿って順にd1=0、d2=1、d3=2、d4=3である。処理部130は、次式によりコード情報αを求める。
α=4×d1+4×d2+4×d3+d4+1 (3)
例えば、図6(A)の場合では、コード情報αはα=28である。このように、図6(A)に示す反射体群230にはコード情報α=28が記録される。
図7に、コード情報α=1〜16が記録された反射体群230の画像の例を示す。各反射体群230は、図6(A)と同様に4個の反射体220を含む。
4個の反射体220の輝度レベルdを、bz方向(深さ方向)に沿って順にd1、d2、d3、d4とすると、例えばコード情報α=1の場合にはd1=d2=d3=d4=0であり、コード情報α=8の場合にはd1=d2=0、d3=1、d4=3であり、またコード情報α=11の場合にはd1=d2=0、d3=d4=2である。4個の反射体220の各々を4段階の反射率のいずれかに設定することで、4=256通りのコード情報、即ちα=1〜256を記録することができる。
このように本実施形態の超音波測定用シート200によれば、反射体群230に含まれる反射体220の反射率を所定の値に設定することで、コード情報αを記録することができる。そして処理部130は、反射体群230の超音波画像の輝度(輝度情報)に基づいて解析処理を行って、コード情報αを取得することができる。
図6(C)に、各反射体群230に記録されたコード情報αとシート座標(x,y)との対応の一例を示す。シート座標は、超音波測定用シート200のシート面における各反射体群230の配置位置を表す座標であって、例えば図6(C)に示すように、コード情報α=1が記録された反射体群230の配置位置を(0,0)とするx座標値及びy座標値で表す。
図6(C)に示す超音波測定用シート200は、6行6列のマトリックス状に配置された反射体群230を含む。これらの反射体群230により、図6(C)に示すように配置位置に対応するコード情報α=1〜36が記録されている。例えば、コード情報α=28が記録された反射体群230のシート座標は(3,4)である。
処理部130は、上述したコード情報の解析処理によって取得したコード情報αから、解析対象とした反射体群230の配置位置のシート座標(x,y)を求めることができる。具体的には、処理部130は、予め各反射体群230のコード情報αとシート座標(x,y)との対応関係を参照テーブルとして記憶しておくことで、超音波画像データから取得したコード情報αに対応するシート座標(x,y)を求めることができる。そしてこのようにして得られたシート座標(x,y)に基づいて、超音波プローブ300が接触している場所、即ちスキャン場所を特定することができる。
なお、図6(C)に示したシート座標(x,y)は一例であって、原点(0,0)を他の位置にとってもよいし、座標値の単位を反射体群230の配置ピッチではなく他の値にしてもよい。
図8(A)、図8(B)は、超音波測定装置100によるスキャン場所の特定を説明する図である。図8(A)に示す超音波画像は4つの反射体群230を含み、bx方向(スキャン方向)に沿って順にコード情報α=1、2、3、4が記録されている。処理部130は、解析処理によって取得したコード情報αと予め記憶された参照テーブルとに基づいて、4つの反射体群230のシート座標(0,0)、(1,0)、(2,0)、(3,0)を取得する。このようにして、処理部130は、図8(A)に示すスキャン場所SC1を特定することができる。
図8(B)に示す超音波画像は3つの反射体群230を含み、bx方向(スキャン方向)に沿って順にコード情報α=14、9、4が記録されている。処理部130は、解析処理によって取得したコード情報αと予め記憶された参照テーブルとに基づいて、3つの反射体群230のシート座標(1,2)、(2,1)、(3,0)を取得する。このようにして、処理部130は、図8(B)に示すスキャン場所SC2を特定することができる。
図9(A)に、本実施形態の超音波測定装置100によるスキャン場所を特定する処理のフローチャートの一例を示す。図9(A)に示すフローは、処理部130による制御処理に基づいて実行される。
最初に、処理部130の制御処理に基づいて、送信部110及び受信部120が超音波の送信・受信処理を行う(ステップS1)。この送信・受信処理は超音波測定用シート200に記録されたコード情報を解析するための超音波画像データを取得するのが目的である。
次に、処理部130は、コード情報の解析処理を行って、解析対象となった反射体群230の配置位置に関する情報である検出点情報を取得する(ステップS2)。この解析処理については、図10で詳細に説明する。
次に、取得した検出点情報に基づいて、スキャン場所の表示処理を行う(ステップS3)。スキャン場所の表示処理のフローは図9(B)で説明する。
図10に、コード情報の解析処理のフローチャートの一例を示す。図10に示すフローは、処理部130により実行される。
最初に処理部130は、受信信号に基づいて超音波画像データ(Bモード画像データ)を生成する(ステップS11)。この画像データは、例えば図5(B)に示した超音波画像に対応するものである。図5(B)に示すように、Bモード画像におけるスキャン方向をbx方向、深さ方向をbz方向とする。
次に、処理部130は、スキャン方向の座標値bxを初期値(例えばbx=0)に設定し、検出点数nを初期値n=1に設定する。(ステップS12)。このスキャン方向の座標値bxは、具体的には、画像のピクセル(画素)を単位として表すことができる。例えば、bx=k(kは0以上の整数)は画像の原点からスキャン方向に沿ってk+1番目のピクセルに対応する。
次に、処理部130は、画像データからスキャン方向の座標値bx、深さ方向の座標値bz1に対応するピクセルの輝度L(bx,bz1)を求める。そして輝度L(bx,bz1)が規定値以上であるか否かを判断する(ステップS13)。ここでbz1は最も浅い位置にある反射体220の画像に対応するピクセルの深さ方向の座標値bzである。深さ方向の座標値bzも、bxと同様に、ピクセル(画素)を単位として表すことができる。輝度L(bx,bz1)が規定値以上である場合には、ステップS14に進む。ここで規定値とは、例えば反射体220の画像の輝度の最小値であって、具体的には例えば図6(B)に示した輝度(相対値)の最小値21である。
ステップS14では、処理部130は、スキャン方向の座標値bxが同じで深さ方向の座標値bzが異なる4つの反射体220の輝度L(bx,bz1)、L(bx,bz2)、L(bx,bz3)、L(bx,bz4)を求める。ここでbz1<bz2<bz3<bz4である。
続いて処理部130は、4つの反射体220の輝度L(bx,bz1)、L(bx,bz2)、L(bx,bz3)、L(bx,bz4)に対応する輝度レベルd1、d2、d3、d4を求め、さらに輝度レベルd1、d2、d3、d4からコード情報αを求める(ステップS15)。そしてコード情報αと参照テーブルとに基づいて、解析対象としている反射体群230の配置位置に対応するシート座標値(x,y)を求める(ステップS16)。
次に、処理部130は、スキャン方向の座標値bx及びシート座標値(x,y)を成分とする検出点情報detect_point[n]=(bx,x,y)を記憶する(ステップS17)。
そして検出点数nをインクリメント即ちn=n+1とし(ステップS18)、スキャン方向の座標値bxをインクリメント即ちbx=bx+1とする(ステップS19)。こうすることで、処理部130は解析対象とするピクセルをスキャン方向に移動させることができる。
次に、処理部130は、インクリメントされたbxがスキャン幅widthより小さいか否かを判断する(ステップS20)。スキャン幅widthは、例えば超音波画像におけるスキャン方向に沿ったピクセル数に対応する値である。インクリメントされたbxがスキャン幅widthより小さい場合には、ステップS13に戻って、処理部130は、輝度L(bx,bz1)が規定値以上であるか否かを判断する。輝度L(bx,bz1)が規定値以上である場合には、インクリメントされたbxに対応するピクセルを解析対象としてステップS14〜S17の処理が実行される。このようにして、処理部130は、取得した超音波画像に含まれる複数の反射体群230の各々について、検出点情報detect_point[n]=(bx,x,y)を記憶する。
一方、ステップS13の判断において、輝度L(bx,bz1)が規定値未満である場合には、解析対象としているピクセルが反射体220の画像に対応するピクセルではないから、処理部130はスキャン方向の座標値bxをインクリメントする、即ちbx=bx+1とする(ステップS19)。そしてインクリメントされたbxがスキャン幅widthより小さいか否かを判断する(ステップS20)。インクリメントされたbxがスキャン幅widthより小さい場合には、ステップS13に戻って、処理部130は、輝度L(bx,bz1)が規定値以上であるか否かを判断する。ここで再び輝度が規定値未満である場合には、処理部130はさらにbxをインクリメントする(ステップS19)。このようにして、処理部130は、輝度L(bx,bz1)が規定値以上になるまでbxをインクリメントして、解析対象とするピクセルをスキャン方向に移動していく。
ステップS20の判断において、インクリメントされたbxがスキャン幅width以上となった場合には、処理部130は、コード情報の解析処理を終了する。
図9(B)に、スキャン場所の表示処理のフローチャートの一例を示す。図9(B)に示すフローは、処理部130により実行される。
最初に、処理部130は、検出点数nが3以上であるか否かを判断する(ステップS21)。検出点数nが3以上である場合にはステップS22に進むが、3未満である場合には処理を終了する。これは検出点数nが3未満の場合には、スキャン場所を正確に特定できないからである。
検出点数nが3以上である場合には、処理部130は、検出点情報detect_point[n]に基づいて、スキャン場所を特定する(ステップS22)。そして特定したスキャン場所についてのスキャン場所情報を表示部410に表示する(ステップS23)。或いは、報知部420に出力する。
図9(B)のフローでは、スキャン場所を特定するために必要な検出点数nを3以上としているが、超音波プローブ300のスキャン方向のサイズや反射体群230の配置ピッチなどによっては、必要とされる検出点数nを例えば4以上とすることもできる。
図11に、表示部410に表示されるスキャン場所情報の一例を示す。表示部410の具体的な構成例は、図15(A)、図15(B)に示す。図11は、腹部を測定部位とした場合であり、表示画面には、体内の超音波画像及びスキャン場所を示す画像が表示される。スキャン場所を示す画像には、腹部に貼附された超音波測定用シート200を示す画像(イメージ)及びスキャン場所がシートのどこに位置しているかを示す画像が表示される。また、スキャン場所のシート座標(x,y)及び角度θが表示される。このシート座標(x,y)は、例えば図6(C)に示したものである。角度θは、スキャン方向を示す角度であって、例えばシート座標のx方向をθ=0°として反時計回りに測る角度である。
このように本実施形態の超音波測定装置100によれば、処理部130が解析したコード情報に基づいて超音波プローブ300のスキャン場所を特定し、特定したスキャン場所のスキャン場所情報を表示部410に表示し、或いは報知部420に出力することができる。こうすることで、ユーザーは表示部410の表示画面を見ながらスキャン場所を認識することができるから、視線を移動せずに超音波プローブ300を測定したい場所にセットすることなどができる。
図12(A)、図12(B)に、過去の超音波測定におけるスキャン場所(広義には基準となるスキャン場所)を記録しておき、現在のスキャン場所と比較する処理のフローチャートの一例を示す。図12(A)、図12(B)に示すフローは、処理部130による制御処理に基づいて実行される。図12(A)はスキャン場所情報を記録する処理のフローチャートであり、図12(B)は記録された過去のスキャン場所情報と現在のスキャン場所情報とを比較する処理のフローチャートである。
最初に、処理部130の制御処理に基づいて、送信部110及び受信部120が超音波の送信・受信処理を行う(ステップS31)。この送信・受信処理は超音波測定用シート200に記録されたコード情報を解析するための超音波画像データを取得するのが目的である。
次に、処理部130は、コード情報の解析処理を行って、解析対象となった反射体群230の配置位置に関する情報である検出点情報detect_point[n]を取得する(ステップS32)。この解析処理は、図10で説明したものと同じである。
次に、処理部130は、ユーザーからのスキャン場所を記録する指示があるか否かを判断する(ステップS33)。この指示がある場合には、検出点情報detect_point[n]を記録する(ステップS34)。具体的には、処理部130は、超音波測定装置100が有する記憶部140に対して検出点情報detect_point[n]を書き込む。この記憶部140は、例えばフラッシュメモリーなどの不揮発性記憶装置で構成することができる。このようにして、過去に測定した際のスキャン場所情報を記録しておくことができる。
記録された過去のスキャン場所情報と現在のスキャン場所情報とを比較する処理は、図12(B)に示すように、処理部130の制御処理に基づいて、送信部110及び受信部120が超音波の送信・受信処理を行う(ステップS35)。次に処理部130がコード情報の解析処理を行って、現在のスキャン場所情報を取得する(ステップS36)。そして処理部130がスキャン場所の比較処理を行う(ステップS37)。
図13に、スキャン場所の比較処理のフローチャートの一例を示す。図13に示すフローは、処理部130により実行される。
最初に処理部130は、過去に記録された検出点情報old_detect_point[n]を記憶部140から読み出す(ステップS41)。
次に、処理部130は、過去に記録されたスキャン場所情報の検出点数nと現在のスキャン場所の検出点数nが同じか否かを判断する(ステップS42)。両者の検出点数nが同じ場合にはステップS43に進み、両者の検出点数nが異なる場合には過去のスキャン場所と現在のスキャン場所は一致しないから、処理を終了する。
ステップS43では、処理部130は、検出点番号mを初期値m=1に設定する。そして過去の検出点情報と現在の検出点情報との差分dif[m]を求める(ステップS44)。差分dif[m]は、次式で与えられる。
dif[m]=old_detect_point[m]
−detect_point[m]
=(bx1−bx2,x1−x2,y1−y2) (4)
ここでbx1、x1、y1は過去の検出点情報old_detect_point[m]のスキャン方向の座標値及びシート座標値である。また、bx2、x2、y2は現在の検出点情報detect_point[m]のスキャン方向の座標値及びシート座標値である。
次に、処理部130は、差分dif[m]の各成分の絶対値が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS45)。具体的には、以下の条件が全て満たされるか否かを判断する。
ABS(bx1−bx2)≦Abx (5)
ABS(x1−x2)≦Ax (6)
ABS(y1−y2)≦Ay (7)
ここでABS( )は絶対値を表し、Abx、Ax、Ayは各成分の所定値である。Abx、Ax、Ayの値は、例えば超音波測定用シート200に配列された反射体群230の配置ピッチに対応する値よりも小さい値である。
上記の式(5)、(6)、(7)が全て満たされる場合には、処理部130は検出点番号mをインクリメントし(ステップS46)、インクリメントされたmが検出点数n以下であるか否かを判断する(ステップS47)。mが検出点数n以下である場合には、ステップS44及びステップS45を実行する。このようにして、処理部130は、全ての検出点について式(5)、(6)、(7)が全て満たされるか否かを判断する。
全ての検出点について式(5)、(6)、(7)が全て満たされた場合には、処理部130は過去のスキャン場所と現在のスキャン場所とが一致したことをユーザーに報知する(ステップS48)。一方、全ての検出点のうち1つでも式(5)、(6)、(7)が満たされない場合には、過去のスキャン場所と現在のスキャン場所は一致しないから、処理を終了する。
図14に、表示部410に表示される過去のスキャン場所情報及び現在のスキャン場所情報の一例を示す。図14は、図11と同様に腹部を測定部位とした場合であり、表示画面には、体内の超音波画像及びスキャン場所を示す画像が表示される。スキャン場所を示す画像には、腹部に貼附された超音波測定用シート200を示す画像(イメージ)及び過去のスキャン場所と現在のスキャン場所とがシートのどこに位置しているかを示す画像が表示される。また、過去及び現在のスキャン場所のシート座標(x,y)及び角度θがそれぞれ表示される。
過去のスキャン場所と現在のスキャン場所とが一致した場合に、処理部130は一致した旨をユーザーに通知するためのメッセージを表示画面に表示したり、音声で通知したり、或いは超音波測定装置100に設けたLEDを点灯又は点滅させてもよい。
また、処理部130は、超音波プローブ300を過去のスキャン場所(広義には基準となるスキャン場所)に誘導する報知処理を行うこともできる。例えば、処理部130は、超音波プローブ300を誘導するための矢印を表示画面に表示したり、超音波プローブ300の移動方向を音声で通知したり、或いは超音波プローブ300に設けたLEDを点灯又は点滅させて移動方向を指示してもよい。
このように本実施形態の超音波測定装置100によれば、過去の超音波測定におけるスキャン場所を基準となるスキャン場所として現在のスキャン場所と比較し、ユーザーに対して超音波プローブ300を過去のスキャン場所に誘導することができる。こうすることで、ユーザーは過去に測定した場所と同じ場所を容易に測定することが可能になる。
図13、図14では、過去の超音波測定におけるスキャン場所を基準となるスキャン場所として現在のスキャン場所と比較する処理を説明したが、予め超音波測定装置100に記憶された所定のスキャン場所を基準となるスキャン場所としてもよい。このようにすれば、ユーザーは特定の測定部位について予め決められた場所に超音波プローブ300をセットすることができるから、例えば脂肪・筋肉の厚さを測定する場合に決められた測定箇所を測定することなどが可能になる。
以上説明したように、本実施形態の超音波測定装置100及び超音波測定用シート200によれば、処理部130は、超音波測定用シート200が有する複数の反射体220からの超音波エコーに基づく受信信号に基づいてコード情報の解析処理を行って、超音波プローブ300のスキャン場所を特定することができる。そして特定したスキャン場所に基づく報知情報を報知部420に対して出力する報知処理を行う。
こうすることで、処理部130が基準となるスキャン場所と現在のスキャン場所との一致又は不一致をユーザーに報知することができ、またユーザーが超音波プローブ300を基準となるスキャン場所に移動できるように誘導することができる。その結果、ユーザーが過去に測定した場所と同じ場所で測定すること、或いは予め決められた場所で測定することなどが容易になる。
4.超音波診断装置
図15(A)、図15(B)に、本実施形態の超音波診断装置400の具体的な構成例を示す。図15(A)は携帯型の超音波診断装置400を示し、図15(B)は据置型の超音波診断装置400を示す。
携帯型及び据置型の超音波診断装置400は共に、超音波測定装置100、超音波プローブ300、ケーブル350及び表示部410を含む。超音波プローブ300は、超音波トランスデューサーデバイス310を含み、ケーブル350により超音波測定装置100に接続される。表示部410は、表示用画像データを表示する。
超音波測定装置100が有する送信部110、受信部120及び処理部130の少なくとも一部を超音波プローブ300に設けることもできる。
図15(C)に、本実施形態の超音波プローブ300の具体的な構成例を示す。超音波プローブ300はプローブヘッド315及びプローブ本体320を含み、図15(C)に示すように、プローブヘッド315はプローブ本体320と脱着可能である。
プローブヘッド315は、超音波トランスデューサーデバイス310、プローブ基体311、プローブ筐体312、プローブヘッド側コネクター313を含む。
プローブ本体320は、プローブ本体側コネクター323を含む。プローブ本体側コネクター323は、プローブヘッド側コネクター313と接続される。プローブ本体320は、ケーブル350により超音波測定装置100に接続される。なお、超音波測定装置100が有する送信部110、受信部120の少なくとも一部をプローブ本体320に設けることもできる。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また超音波測定装置、超音波診断装置及び超音波測定用シートの構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
100 超音波測定装置、110 送信部、120 受信部、130 処理部、
140 記憶部、200 超音波測定用シート、210 超音波透過媒体、
220 反射体、230 反射体群、240 位置合わせ部、300 超音波プローブ、
310 超音波トランスデューサーデバイス、311 プローブ基体、
312 プローブ筐体、313 プローブヘッド側コネクター、
315 プローブヘッド、320 プローブ本体、323 プローブ本体側コネクター、
350 ケーブル、400 超音波診断装置、410 表示部、420 報知部

Claims (13)

  1. 超音波の送信処理を行う送信部と、
    超音波エコーの受信処理を行う受信部と、
    超音波測定の制御処理を行う処理部とを含み、
    前記送信部は、対象物に対する配置位置を規定する位置合わせ部を有する超音波測定用シートを介して、超音波を前記対象物に送信する処理を行い、
    前記受信部は、前記超音波測定用シート及び前記対象物からの超音波エコーを受信する処理を行って受信信号を前記処理部に対して出力し、
    前記処理部は、前記受信部からの前記受信信号に基づいて、超音波測定用シートに対する超音波プローブのスキャン場所を特定するスキャン場所情報を取得することを特徴とする超音波測定装置。
  2. 請求項1において、
    前記処理部は、
    前記スキャン場所情報として、前記超音波測定用シートに記録されたコード情報を取得する処理を行い、取得した前記コード情報に基づいて前記スキャン場所を特定することを特徴とする超音波測定装置。
  3. 請求項2において、
    前記超音波測定用シートには、各場所に対応して情報が異なる複数のコード情報が記録され、
    前記処理部は、前記複数のコード情報のうちの前記スキャン場所に対応するコード情報を取得し、取得した前記コード情報に基づいて前記スキャン場所を特定することを特徴とする超音波測定装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記処理部は、特定した前記スキャン場所に基づく報知情報を報知部に対して出力する報知処理を行うことを特徴とする超音波測定装置。
  5. 請求項4において、
    前記報知情報は、基準となるスキャン場所と現在のスキャン場所との一致又は不一致を報知する情報であることを特徴とする超音波測定装置。
  6. 請求項5において、
    前記基準となるスキャン場所は、過去の超音波測定におけるスキャン場所、又は、予め超音波測定装置に記憶された所定のスキャン場所であることを特徴とする超音波測定装置。
  7. 請求項5又は6において、
    前記処理部は、前記超音波プローブを前記基準となるスキャン場所に誘導する前記報知処理を行うことを特徴とする超音波測定装置。
  8. 請求項2乃至7のいずれかにおいて、
    前記超音波測定用シートは、
    超音波透過媒体と、
    前記超音波透過媒体に埋め込まれた複数の反射体とを有し、
    前記複数の反射体の反射率、個数、形状、サイズのうちの少なくとも1つにより前記コード情報が記録され、
    前記受信部は、前記複数の反射体からの超音波エコーを受信する処理を行って受信信号を前記処理部に対して出力し、
    前記処理部は、前記受信部からの前記受信信号に基づいて前記コード情報の解析処理を行い、前記コード情報に基づいて前記スキャン場所を特定することを特徴とする超音波測定装置。
  9. 請求項8において、
    前記超音波測定用シートは、
    前記複数の反射体として、前記超音波透過媒体に配列された複数の反射体群を有し、
    前記複数の反射体群の各反射体群は、
    前記超音波測定用シートの深さ方向に沿って配列される第1の反射体〜第p(pは2以上の整数)の反射体を有し、
    前記受信部は、前記第1の反射体〜前記第pの反射体からの超音波エコーを受信する処理を行って受信信号を前記処理部に対して出力し、
    前記処理部は、前記第1の反射体〜前記第pの反射体により記録された前記コード情報の解析処理を行って、前記スキャン場所を特定することを特徴とする超音波測定装置。
  10. 請求項9において、
    前記複数の反射体群の各反射体群により、前記各反射体群の配置位置に対応する前記コード情報が記録され、
    前記処理部は、前記スキャン場所に対応する前記各反射体群により記録された前記コード情報の解析処理を行って、前記スキャン場所を特定することを特徴とする超音波測定装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の超音波測定装置と、
    表示用画像データを表示する表示部とを含むことを特徴とする超音波診断装置。
  12. 超音波透過媒体と、
    前記超音波透過媒体に埋め込まれた複数の反射体と、
    対象物に対する配置位置を規定する位置合わせ部とを含み、
    前記複数の反射体の反射率、個数、形状、サイズのうちの少なくとも1つにより、超音波測定装置によるスキャン場所情報取得用のコード情報が記録されることを特徴とする超音波測定用シート。
  13. 請求項12において、
    前記複数の反射体として、前記超音波透過媒体に配列された複数の反射体群を含み、
    前記複数の反射体群の各反射体群は、
    前記超音波測定用シートの深さ方向に沿って配列される第1の反射体〜第p(pは2以上の整数)の反射体を有し、
    前記第1の反射体〜前記第pの反射体により、前記各反射体群の配置位置に対応する前記コード情報が記録されることを特徴とする超音波測定用シート。
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