JP6064862B2 - エジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、流体を減圧させるとともに、高速度で噴射される噴射流体の吸引作用によって流体を吸引するエジェクタに関する。
従来、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に適用される減圧装置として、エジェクタが知られている。この種のエジェクタでは、冷媒を減圧させるノズル部を有し、このノズル部から噴射される噴射冷媒の吸引作用によって蒸発器から流出した気相冷媒を吸引し、昇圧部(ディフューザ部)にて噴射冷媒と吸引冷媒とを混合して昇圧させることができる。
従って、減圧装置としてエジェクタを備える冷凍サイクル装置(以下、エジェクタ式冷凍サイクルと記載する。)では、エジェクタの昇圧部における冷媒昇圧作用を利用して圧縮機の消費動力を低減させることができ、減圧装置として膨張弁等を備える通常の冷凍サイクル装置よりもサイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
さらに、特許文献1には、エジェクタ式冷凍サイクルに適用されるエジェクタとして、冷媒を二段階に減圧させるノズル部を有するものが開示されている。より詳細には、この特許文献1のエジェクタでは、第1ノズルにて高圧液相状態の冷媒を気液二相状態となるまで減圧し、気液二相状態となった冷媒を第2ノズルへ流入させている。
これにより、特許文献1のエジェクタでは、第2ノズルにおける冷媒の沸騰を促進してノズル部全体としてのノズル効率の向上を図り、エジェクタ式冷凍サイクル全体として、より一層のCOPの向上を図ろうとしている。
また、一般的なエジェクタでは、ノズル部の軸線方向の延長線上にディフューザ部(昇圧部)が同軸上に配置されている。さらに、特許文献2には、このように配置されたディフューザ部の広がり角度を比較的小さくすることで、エジェクタ効率を向上できることが記載されている。
なお、ノズル効率とは、ノズル部において冷媒の圧力エネルギを運動エネルギに変換する際のエネルギ変換効率であり、エジェクタ効率は、エジェクタ全体としてのエネルギ変換効率である。
特許第3331604号公報 特開2003−14318号公報
ところが、特許文献1のエジェクタでは、例えば、エジェクタ式冷凍サイクルの熱負荷が低くなり、サイクルの高圧側冷媒の圧力と低圧側冷媒の圧力との圧力差(高低圧差)が縮小してしまうと、第1ノズルにて高低圧差分の減圧がなされてしまい、第2ノズルでは殆ど冷媒が減圧されなくなってしまうことがある。
このような場合、第2ノズルへ気液二相冷媒を流入させることによるノズル効率向上効果を得られなくなってしまい、ディフューザ部にて冷媒を充分に昇圧させることができなくなってしまうことがある。
これに対して、特許文献1のエジェクタに特許文献2に開示されている比較的小さい広がり角度のディフューザ部を適用し、エジェクタ効率を向上させることによって、エジェクタ式冷凍サイクルの低負荷時にもディフューザ部にて冷媒を充分に昇圧させる手段が考えられる。
しかし、このようなディフューザ部を適用すると、エジェクタ全体としてノズル部の軸線方向の長さが長くなってしまうので、エジェクタ式冷凍サイクルの通常負荷時においてはエジェクタの体格が不必要に大きくなってしまうことが問題となる。
そこで、本発明者らは、先に、特願2012−184950号(以下、先願例という。)にて、
エジェクタ式冷凍サイクルに適用されるエジェクタであって、
放熱器から流出した冷媒を旋回させる旋回空間、この旋回空間から流出した冷媒を減圧させる減圧用空間、減圧用空間の冷媒流れ下流側に連通して蒸発器から流出した冷媒を吸引する吸引用通路、および減圧用空間から噴射された噴射冷媒と吸引用通路から吸引された吸引冷媒とを混合して昇圧させる昇圧用空間が形成されたボデー部と、
少なくとも一部が減圧用空間の内部および昇圧用空間の内部に配置されて、減圧用空間から離れるに伴って断面積が拡大する円錐状に形成された通路形成部材と、
通路形成部材を変位させる駆動手段とを備え、
ボデーのうち減圧用空間を形成する部位の内周面と通路形成部材の外周面との間に形成される冷媒通路が、旋回空間から流出した冷媒を減圧させて噴射するノズルとして機能するノズル通路を形成し、
ボデーのうち昇圧用空間を形成する部位の内周面と通路形成部材の外周面との間に形成される冷媒通路が、噴射冷媒および吸引冷媒を混合して昇圧させるディフューザとして機能するディフューザ通路を形成し、
さらに、ボデーに、通路形成部材と同軸上に配置された回転体形状の空間によって形成されて、ディフューザ通路から流出した冷媒の気液を遠心力の作用によって分離する気液分離空間が形成されたエジェクタを提案している。
この先願例のエジェクタでは、旋回空間にて冷媒を旋回させることで、旋回空間内の旋回中心側の冷媒圧力を、飽和液相冷媒となる圧力、あるいは、冷媒が減圧沸騰する(キャビテーションを生じる)圧力まで低下させることができる。これにより、旋回中心軸の外周側よりも内周側に気相冷媒が多く存在するようにして、旋回空間内の旋回中心線近傍はガス単相、その周りは液単相の二相分離状態とすることができる。
そして、二相分離状態の冷媒は、ノズル通路へ流入して壁面沸騰および界面沸騰によって沸騰が促進されるので、ノズル通路の最小流路面積部近傍では、気相と液相が均質に混合した気液混合状態となる。さらに、ノズル通路の最小流路面積部近傍にて気液混合状態となった冷媒に閉塞(チョーキング)が生じ、気液混合状態の冷媒の流速が二相音速となるまで加速する。
このように二相音速まで加速した冷媒は、ノズル通路の最小流路面積部から下流側にて、均質に混合された理想的な二相噴霧流れとなって、その流速をさらに増大させることができる。その結果、ノズル通路にて冷媒の圧力エネルギを速度エネルギへ変換する際のエネルギ変換効率(ノズル効率に相当)を向上させることができる。
さらに、先願例のエジェクタでは、通路形成部材として減圧用空間から離れるに伴って断面積が拡大する円錐状に形成されたものを採用して、通路形成部材の軸方向からみたときに、ディフューザ通路の軸方向垂直断面形状を円環状に形成している。そして、ディフューザ通路の形状を減圧用空間から離れるに伴って通路形成部材の外周に沿って広がる形状とするとともに、ディフューザ通路を流通する冷媒を旋回させている。
これにより、ディフューザ通路において冷媒を昇圧させるための冷媒流路を螺旋状に形成することができるので、ディフューザ通路の軸方向寸法が拡大してしまうことを抑制できる。その結果、エジェクタ全体としての体格の大型化を抑制できる。つまり、先願例のエジェクタによれば、体格の大型化を招くことなく、冷凍サイクルの負荷変動によらず高いノズル効率を発揮させることができる。
さらに、先願例のエジェクタでは、通路形成部材を変位させる駆動手段を備えているので、エジェクタ式冷凍サイクルの負荷変動に応じてノズル通路およびディフューザ通路の冷媒通路面積(通路断面積)を変化させることができる。従って、エジェクタ式冷凍サイクルの負荷変動に応じてノズル通路の最小通路面積部の通路断面積を適切に変化させて、エジェクタを適切に作動させることができる。
さらに、先願例のエジェクタでは、ボデーの内部に形成された気液分離空間にて、ディフューザ通路から流出した冷媒の気液を遠心力の作用によって分離しているので、ボデーの外部に気液分離手段を配置する場合に対して、気液分離空間にて効率的に冷媒の気液を分離できるとともに、気液分離空間の容積を効果的に小さくすることができる。
しかしながら、先願例のエジェクタのように、ノズル通路およびディフューザ通路の冷媒通路面積を変化させる構成では、例えば、ノズル通路およびディフューザ通路の冷媒通路面積を変化させてディフューザ通路へ流入する冷媒の流速を低下させた際等に、ディフューザ通路を流通する冷媒の旋回方向の速度が低下してしまうおそれがある。
このようなディフューザ通路を流通する冷媒の旋回方向の速度の低下は、ディフューザ通路において冷媒を昇圧させるための螺旋状の冷媒流路を短縮化させ、ディフューザ通路にて冷媒を充分に昇圧させることができなくなってしまう原因となる。さらに、ディフューザ通路から流出した冷媒に作用する遠心力が小さくなってしまうので、気液分離空間の気液分離性能を低下させてしまう原因となる。
上記点に鑑み、本発明は、体格の大型化を招くことなく、冷凍サイクルの負荷変動によらず高いノズル効率および高い昇圧性能を発揮可能なエジェクタを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、請求項1に記載の発明では、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置(10)に適用されるエジェクタであって、
冷媒流入口(31a)から流入した冷媒を旋回させる旋回空間(30a)、旋回空間(30a)から流出した冷媒を減圧させる減圧用空間(30b)、減圧用空間(30b)の冷媒流れ下流側に連通して外部から冷媒を吸引する吸引用通路(13b)、減圧用空間(30b)から噴射された噴射冷媒と吸引用通路(13b)から吸引された吸引冷媒とを混合させる昇圧用空間(30e)が形成されたボデー(30)と、少なくとも一部が減圧用空間(30b)の内部および昇圧用空間(30e)の内部に配置されるとともに、減圧用空間(30b)から離れるに伴って断面積が拡大する円錐状に形成された通路形成部材(35)と、通路形成部材(35)を変位させる駆動手段(37)とを備え、
ボデー(30)のうち減圧用空間(30b)を形成する部位の内周面と通路形成部材(35)の外周面との間に形成される冷媒通路は、旋回空間(30a)から流出した冷媒を減圧させて噴射するノズルとして機能するノズル通路(13a)であり、ボデー(30)のうち昇圧用空間(30e)を形成する部位の内周面と通路形成部材(35)の外周面との間に形成される冷媒通路は、噴射冷媒および吸引冷媒を混合して昇圧させるディフューザとして機能するディフューザ通路(13c)であり、ディフューザ通路(13c)は、通路形成部材(35)の軸方向に垂直な断面における断面形状が環状に形成されており、
さらに、駆動手段(37)から通路形成部材(35)へ駆動力を伝達する連結部材(38)を備え、連結部材(38)は、板状に形成された板状部(38b)を有し、板状部(38b)の板面は、冷媒の流れを通路形成部材(35)の軸周り方向へ導くように傾斜していることを特徴とする。
これによれば、旋回空間(30a)にて冷媒を旋回させることによって、先願例と同様に、ノズル通路(13a)におけるエネルギ変換効率(ノズル効率に相当)を向上させることができる。さらに、ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒を旋回させることによって、先願例と同様に、ディフューザ通路(13c)の軸方向寸法の拡大を抑制できる。さらに、駆動手段(37)を備えているので、先願例と同様に、エジェクタを適切に作動させることができる。
これに加えて、本請求項に記載の発明によれば、連結部材(38)の板状部(38b)の板面が、冷媒の流れを通路形成部材(35)の軸周り方向へ導くように傾斜しているので、ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒の旋回流れを促進することができる。従って、例えば、ディフューザ通路(13c)の冷媒通路面積を変化させてディフューザ通路(13c)へ流入する冷媒の流速を低下させても、ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒の旋回方向の速度が低下してしまうことを抑制できる。
これにより、ディフューザ通路(13c)にて冷媒を昇圧させるための螺旋状の冷媒流路が短くなってしまうことを抑制して、ディフューザ通路(13c)における冷媒の昇圧量の低下を抑制できる。さらに、連結部材(38)を用いて、ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒の旋回流れを促進することができるので、旋回流れを促進するための専用部材を設ける必要もない。
その結果、体格の大型化を招くことなく、冷凍サイクル装置(10)の負荷変動によらずノズル通路(13a)にて高いエネルギ変換効率(従来技術のノズル効率に相当)を発揮でき、さらに、ディフューザ通路(13c)にて高い昇圧性能を発揮できるエジェクタを提供することができる。
さらに、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載のエジェクタにおいて、連結部材(38)は、通路形成部材(35)の軸方向と平行に伸びる回転軸を中心として回転可能に構成され、通路形成部材(35)の軸方向垂直断面のうち板状部(38b)を含む断面にて、通路形成部材(35)の軸中心から連結部材(38)の回転中心へ向かって延びる線分(L1)と、板状部(38b)の板面のうち通路形成部材(35)の軸中心側に配置される板面における冷媒流れ最上流端部(Q1)から冷媒流れ最下流端部(Q2)へ向かって延びる線分(L2)との間に形成される角度を傾斜角θとしたときに、駆動手段(37)が通路形成部材(35)を変位させるに伴って、傾斜角θが変化するようになっていてもよい。
これによれば、冷凍サイクル装置(10)の負荷変動に応じて、傾斜角θを適切に変化させることができるので、ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒の旋回流れを効果的に促進することができる。従って、より一層、冷凍サイクル装置(10)の負荷変動によらずディフューザ通路(13c)にて高い昇圧性能を発揮できるエジェクタを提供することができる。
また、請求項3に記載の発明では、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置(10)に適用されるエジェクタであって、
冷媒流入口(31a)から流入した冷媒を旋回させる旋回空間(30a)、旋回空間(30a)から流出した冷媒を減圧させる減圧用空間(30b)、減圧用空間(30b)の冷媒流れ下流側に連通して外部から冷媒を吸引する吸引用通路(13b)、減圧用空間(30b)から噴射された噴射冷媒と吸引用通路(13b)から吸引された吸引冷媒とを混合させる昇圧用空間(30e)が形成されたボデー(30)と、少なくとも一部が減圧用空間(30b)の内部および昇圧用空間(30e)の内部に配置されるとともに、減圧用空間(30b)から離れるに伴って断面積が拡大する円錐状に形成された通路形成部材(35)と、通路形成部材(35)を変位させる駆動手段(37)とを備え、
ボデー(30)のうち減圧用空間(30b)を形成する部位の内周面と通路形成部材(35)の外周面との間に形成される冷媒通路は、旋回空間(30a)から流出した冷媒を減圧させて噴射するノズルとして機能するノズル通路(13a)であり、ボデー(30)のうち昇圧用空間(30e)を形成する部位の内周面と通路形成部材(35)の外周面との間に形成される冷媒通路は、噴射冷媒および吸引冷媒を混合して昇圧させるディフューザとして機能するディフューザ通路(13c)であり、ディフューザ通路(13c)は、通路形成部材(35)の軸方向に垂直な断面における断面形状が環状に形成されており、
さらに、ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒の旋回流れを促進する旋回促進部材(38)を備え、旋回促進部材(38)は、冷媒の流れを通路形成部材(35)の軸周り方向へ導く板状部(38b)を有しているとともに、通路形成部材(35)の軸方向と平行に伸びる回転軸を中心として回転可能に構成されており、
通路形成部材(35)の軸方向垂直断面のうち板状部(38b)を含む断面にて、通路形成部材(35)の軸中心から旋回促進部材(38)の回転中心へ向かって延びる線分(L1)と、板状部(38b)の板面のうち通路形成部材(35)の軸中心側に配置される板面における冷媒流れ最上流端部(Q1)から冷媒流れ最下流端部(Q2)へ向かって延びる線分(L2)との間に形成される角度を傾斜角θとしたときに、駆動手段(37)が通路形成部材(35)を変位させるに伴って、傾斜角θが変化することを特徴とする。
これによれば、冷媒の流れを通路形成部材(35)の軸周り方向へ導く板状部(38b)を有して構成される旋回促進部材(38)を備えているので、ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒の旋回流れを促進することができる。さらに、冷凍サイクル装置(10)の負荷変動に応じて、傾斜角θを適切に変化させることができるので、ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒の旋回流れを効果的に促進することができる。
従って、請求項1に記載の発明と同様に、体格の大型化を招くことなく、冷凍サイクル装置(10)の負荷変動によらずノズル通路(13a)にて高いエネルギ変換効率(従来技術のノズル効率に相当)を発揮でき、さらに、ディフューザ通路(13c)にて高い昇圧性能を発揮できるエジェクタを提供することができる。
さらに、ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒が、旋回空間(30a)にて旋回する冷媒と同方向に旋回していることで、ディフューザ通路(13c)にて冷媒を昇圧させるための螺旋状の冷媒流路が短くなってしまうこと効果的に抑制して、ディフューザ通路(13c)における冷媒の昇圧量の低下を効果的に抑制できる。
なお、上記の請求項において、通路形成部材(35)は、厳密に減圧用空間(30b)から離れるに伴って断面積が拡大する形状のみから形成されているものに限定されず、少なくとも一部に減圧用空間(30b)から離れるに伴って断面積が拡大する形状を含んでいることによって、ディフューザ通路(13c)の形状を減圧用空間(30b)から離れるに伴って外側へ広がる形状とすることができるものを含む。
さらに、「円錐状に形成された」とは、通路形成部材(35)が完全な円錐形状に形成されているという意味に限定されず、円錐に近い形状、あるいは一部に円錐形状を含んで形成されているという意味も含んでいる。具体的には、軸方向断面形状が二等辺三角形となるものに限定されず、頂点を挟む二辺が内周側に凸となる形状、頂点を挟む二辺が外周側に凸となる形状、さらに断面形状が半円形状となるもの等も含む意味である。
また、上述した「ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒の旋回流れを促進する」とは、ディフューザ通路(13c)の入口側から出口側へ至る全域の冷媒の旋回流れを促進することのみを意味するものではなく、ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒のうち少なくとも一部の冷媒(例えば、ディフューザ通路(13c)の入口側の冷媒、ディフューザ通路(13c)の出口側の冷媒、ディフューザ通路(13c)から流出する直前の冷媒)の旋回流れを促進することも含む意味である。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの模式的な全体構成図である。 第1実施形態のエジェクタの軸方向断面図である。 第1実施形態のエジェクタの各冷媒通路の機能を説明するための模式的な断面図である。 第1実施形態のエジェクタの作動棒周辺の拡大図である。 図4のV−V断面図である。 第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第2実施形態における図5に対応する断面図である。 第3実施形態における図5に対応する断面図である。 第4実施形態における図5に対応する断面図である。 第5実施形態における図5に対応する断面図である。 他の実施形態のディフューザ通路における冷媒流れを説明するための説明図である。
(第1実施形態)
図1〜図6を用いて、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態のエジェクタ13は、図1に示すように、冷媒減圧手段としてエジェクタを備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置、すなわち、エジェクタ式冷凍サイクル10に適用されている。さらに、このエジェクタ式冷凍サイクル10は、車両用空調装置に適用されており、空調対象空間である車室内へ送風される送風空気を冷却する機能を果たす。
まず、エジェクタ式冷凍サイクル10において、圧縮機11は、冷媒を吸入して高圧冷媒となるまで昇圧して吐出するものである。具体的には、本実施形態の圧縮機11は、1つのハウジング内に固定容量型の圧縮機構11a、および圧縮機構11aを駆動する電動モータ11bを収容して構成された電動圧縮機である。
この圧縮機構11aとしては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用できる。また、電動モータ11bは、後述する制御装置から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。
圧縮機11の吐出口には、放熱器12の凝縮部12aの冷媒入口側が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と冷却ファン12dにより送風される車室外空気(外気)を熱交換させることによって、高圧冷媒を放熱させて冷却する放熱用熱交換器である。
より具体的には、この放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧気相冷媒と冷却ファン12dから送風された外気とを熱交換させ、高圧気相冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮部12a、凝縮部12aから流出した冷媒の気液を分離して余剰液相冷媒を蓄えるレシーバ部12b、およびレシーバ部12bから流出した液相冷媒と冷却ファン12dから送風される外気とを熱交換させ、液相冷媒を過冷却する過冷却部12cを有して構成される、いわゆるサブクール型の凝縮器である。
なお、このエジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。もちろん、冷媒としてHFO系冷媒(具体的には、R1234yf)等を採用してもよい。さらに、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
また、冷却ファン12dは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。放熱器12の過冷却部12cの冷媒出口側には、エジェクタ13の冷媒流入口31aが接続されている。
エジェクタ13は、放熱器12から流出した過冷却状態の高圧液相冷媒を減圧させて下流側へ流出させる冷媒減圧手段としての機能を果たすとともに、高速度で噴射される冷媒流の吸引作用によって後述する蒸発器14から流出した冷媒を吸引(輸送)して循環させる冷媒循環手段(冷媒輸送手段)としての機能を果たす。さらに、本実施形態のエジェクタ13は、減圧させた冷媒の気液を分離する気液分離手段としての機能も果たす。
エジェクタ13の具体的構成については、図2、図3を用いて説明する。なお、図2における上下の各矢印は、エジェクタ式冷凍サイクル10を車両用空調装置に搭載した状態における上下の各方向を示している。また、図3は、エジェクタ13の各冷媒通路の機能を説明するための模式的な断面図であって、図2と同一部分には同一の符号を付している。
まず、本実施形態のエジェクタ13は、図2に示すように、複数の構成部材を組み合わせることによって構成されたボデー30を備えている。具体的には、このボデー30は、角柱状あるいは円柱状の金属にて形成されてエジェクタ13の外殻を形成するハウジングボデー31を有し、このハウジングボデー31の内部に、ノズルボデー32、ミドルボデー33、ロワーボデー34等を固定して構成されたものである。
ハウジングボデー31には、放熱器12から流出した冷媒を内部へ流入させる冷媒流入口31a、蒸発器14から流出した冷媒を吸引する冷媒吸引口31b、ボデー30の内部に形成された気液分離空間30fにて分離された液相冷媒を蒸発器14の冷媒入口側へ流出させる液相冷媒流出口31c、および気液分離空間30fにて分離された気相冷媒を圧縮機11の吸入側へ流出させる気相冷媒流出口31d等が形成されている。
ノズルボデー32は、冷媒流れ方向に先細る略円錐形状の金属部材で形成されており、軸方向が鉛直方向(図2の上下方向)と平行になるように、ハウジングボデー31の内部に圧入等の手段によって固定されている。ノズルボデー32の上方側とハウジングボデー31との間には、冷媒流入口31aから流入した冷媒を旋回させる旋回空間30aが形成されている。
旋回空間30aは、回転体形状に形成され、図2の一点鎖線で示す中心軸が鉛直方向に延びている。なお、回転体形状とは、平面図形を同一平面上の1つの直線(中心軸)の周りに回転させた際に形成される立体形状である。より具体的には、本実施形態の旋回空間30aは、略円柱状に形成されている。もちろん、円錐あるいは円錐台と円柱とを結合させた形状等に形成されていてもよい。
さらに、冷媒流入口31aと旋回空間30aとを接続する冷媒流入通路31eは、旋回空間30aの中心軸方向から見たときに旋回空間30aの内壁面の接線方向に延びている。これにより、冷媒流入通路31eから旋回空間30aへ流入した冷媒は、旋回空間30aの内壁面に沿って流れ、旋回空間30a内を旋回する。
なお、冷媒流入通路31eは、旋回空間30aの中心軸方向から見たときに、旋回空間30aの接線方向と完全に一致するように形成されている必要はなく、少なくとも旋回空間30aの接線方向の成分を含んでいれば、その他の方向の成分(例えば、旋回空間30aの軸方向の成分)を含んで形成されていてもよい。
ここで、旋回空間30a内で旋回する冷媒には遠心力が作用するので、旋回空間30a内では中心軸側の冷媒圧力が外周側の冷媒圧力よりも低下する。そこで、本実施形態では、エジェクタ式冷凍サイクル10の通常運転時に、旋回空間30a内の中心軸側の冷媒圧力を、飽和液相冷媒となる圧力、あるいは、冷媒が減圧沸騰する(キャビテーションを生じる)圧力まで低下させるようにしている。
このような旋回空間30a内の中心軸側の冷媒圧力の調整は、旋回空間30a内で旋回する冷媒の旋回流速を調整することによって実現することができる。さらに、旋回流速の調整は、例えば、冷媒流入通路31eの通路断面積と旋回空間30aの軸方向垂直断面積との面積比を調整すること等によって行うことができる。なお、本実施形態の旋回流速とは、旋回空間30aの最外周部近傍における冷媒の旋回方向の流速を意味している。
また、ノズルボデー32の内部には、旋回空間30aから流出した冷媒を減圧させて下流側へ流出させる減圧用空間30bが形成されている。この減圧用空間30bは、円柱状空間とこの円柱状空間の下方側から連続して冷媒流れ方向に向かって徐々に広がる円錐台形状空間とを結合させた回転体形状に形成されており、減圧用空間30bの中心軸は旋回空間30aの中心軸と同軸上に配置されている。
さらに、減圧用空間30bの内部には、減圧用空間30b内に冷媒通路面積が最も縮小した最小通路面積部30mを形成するとともに、最小通路面積部30mの通路面積を変化させる通路形成部材35が配置されている。この通路形成部材35は、冷媒流れ下流側に向かって徐々に広がる略円錐形状に形成されており、その中心軸が減圧用空間30bの中心軸と同軸上に配置されている。換言すると、通路形成部材35は、減圧用空間30bから離れるに伴って断面積が拡大する円錐状に形成されている。
そして、ノズルボデー32の減圧用空間30bを形成する部位の内周面と通路形成部材35の上方側の外周面との間に形成される冷媒通路としては、図3に示すように、最小通路面積部30mよりも冷媒流れ上流側に形成されて最小通路面積部30mに至るまでの冷媒通路面積が徐々に縮小する先細部131、および最小通路面積部30mから冷媒流れ下流側に形成されて冷媒通路面積が徐々に拡大する末広部132が形成される。
末広部132では、径方向から見たときに減圧用空間30bと通路形成部材35が重合(オーバーラップ)しているので、冷媒通路の軸方向垂直断面の形状が円環状(円形状から同軸上に配置された小径の円形状を除いたドーナツ形状)となる。さらに、本実施形態の通路形成部材35の広がり角度は、減圧用空間30bの円錐台形状空間の広がり角度よりも小さくなっているので、末広部132における冷媒通路面積は、冷媒流れ下流側に向かって徐々に拡大している。
本実施形態では、この通路形状によって減圧用空間30bの内周面と通路形成部材35の頂部側の外周面との間に形成される冷媒通路をノズルとして機能するノズル通路13aとし、冷媒を減圧させるとともに、冷媒の流速を音速となるように増速させて噴射している。さらに、ノズル通路13aへ流入する冷媒は旋回空間30aにて旋回しているので、ノズル通路13aを流通する冷媒およびノズル通路13aから噴射される噴射冷媒も、旋回空間30aにて旋回する冷媒と同方向に旋回する方向の速度成分を有している。
次に、ミドルボデー33は、図2に示すように、その中心部に表裏を貫通する回転体形状の貫通穴が設けられているとともに、この貫通穴の外周側に通路形成部材35を変位させる駆動手段37を収容した金属製円板状部材で形成されている。なお、ミドルボデー33の貫通穴の中心軸は旋回空間30aおよび減圧用空間30bの中心軸と同軸上に配置されている。また、ミドルボデー33は、ハウジングボデー31の内部であって、かつ、ノズルボデー32の下方側に圧入等の手段によって固定されている。
さらに、ミドルボデー33の上面とこれに対向するハウジングボデー31の内壁面との間には、冷媒吸引口31bから流入した冷媒を滞留させる流入空間30cが形成されている。本実施形態では、ノズルボデー32の下方側の先細先端部がミドルボデー33の貫通穴の内部に位置付けられるため、流入空間30cは、旋回空間30aおよび減圧用空間30bの中心軸方向からみたときに、断面円環状に形成される。
なお、冷媒吸引口31bと流入空間30cとを接続する吸引冷媒流入通路30hは、流入空間30cの中心軸方向から見たときに、流入空間30cの内周壁面の接線方向に延びていることが望ましい。その理由は、冷媒吸引口31bから吸引冷媒流入通路30hを介して流入空間30c内へ流入した冷媒を、旋回空間30a内の冷媒と同方向に旋回させることで後述する昇圧用空間30eへ流入する冷媒の旋回流れを促進できるからである。
また、ミドルボデー33の貫通穴のうち、ノズルボデー32の下方側が挿入される範囲、すなわち軸線に垂直な径方向から見たときにミドルボデー33とノズルボデー32が重合する範囲では、ノズルボデー32の先細先端部の外周形状に適合するように冷媒通路面積が冷媒流れ方向に向かって徐々に縮小している。
これにより、貫通穴の内周面とノズルボデー32の下方側の外周面との間には、流入空間30cと減圧用空間30bの冷媒流れ下流側とを連通させる吸引通路30dが形成される。つまり、本実施形態では、流入空間30cおよび吸引通路30dによって、中心軸の外周側から内周側へ向かって吸引冷媒が流れる吸引用通路13bが形成されることになる。さらに、この吸引用通路13bの中心軸垂直断面も断面円環状に形成される。
また、ミドルボデー33の貫通穴のうち、吸引通路30dの冷媒流れ下流側には、冷媒流れ方向に向かって徐々に広がる略円錐台形状に形成された昇圧用空間30eが形成されている。この昇圧用空間30eは、上述したノズル通路13aから噴射された噴射冷媒と吸引通路30dから吸引された吸引冷媒とを混合させる空間である。
昇圧用空間30eの内部には、前述した通路形成部材35の下方側が配置されている。さらに、昇圧用空間30e内の通路形成部材35の円錐状側面の広がり角度は、昇圧用空間30eの円錐台形状空間の広がり角度よりも小さくなっているので、この冷媒通路の冷媒通路面積は冷媒流れ下流側に向かって徐々に拡大する。
本実施形態では、このように冷媒通路面積を拡大させることによって、昇圧用空間30eを形成するミドルボデー33の内周面と通路形成部材35の下方側の外周面との間に形成される冷媒通路をディフューザとして機能するディフューザ通路13cとし、噴射冷媒および吸引冷媒の混合冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換させている。つまり、ディフューザ通路13cでは、噴射冷媒および吸引冷媒を混合して昇圧させている。
さらに、ディフューザ通路13cの中心軸垂直断面形状も円環状に形成されており、ディフューザ通路13cを流通する冷媒も、図3に模式的に示すように、旋回空間30aにて旋回する冷媒と同方向に旋回する方向の速度成分を有している。
次に、ミドルボデー33の内部に配置されて、通路形成部材35を変位させる駆動手段37について説明する。この駆動手段37は、圧力応動部材である円形薄板状のダイヤフラム37aを有して構成されている。より具体的には、図2に示すように、ダイヤフラム37aはミドルボデー33の外周側に形成された円柱状の空間を上下の2つの空間に仕切るように、溶接等の手段によって固定されている。
ダイヤフラム37aによって仕切られた2つの空間のうち上方側(流入空間30c側)の空間は、蒸発器14流出冷媒の温度に応じて圧力変化する感温媒体が封入される封入空間37bを構成している。この封入空間37bには、エジェクタ式冷凍サイクル10を循環する冷媒と同一組成の感温媒体が予め定めた密度となるように封入されている。従って、本実施形態における感温媒体は、R134aとなる。
一方、ダイヤフラム37aによって仕切られた2つの空間のうち下方側の空間は、図示しない連通路を介して、蒸発器14流出冷媒を導入させる導入空間37cを構成している。従って、封入空間37bに封入された感温媒体には、流入空間30cと封入空間37bとを仕切る蓋部材37dおよびダイヤフラム37aを介して、蒸発器14流出冷媒の温度が伝達される。
より詳細には、図2、図3から明らかなように、本実施形態のミドルボデー33の上方側には吸引用通路13bが配置され、ミドルボデー33の中心軸側から下方側へ至る範囲にはディフューザ通路13cが配置されている。従って、駆動手段37の少なくとも一部は、軸線の径方向から見たときに吸引用通路13bおよびディフューザ通路13cによって上下方向から挟まれる位置に配置されることになる。
そして、駆動手段37の封入空間37bは、旋回空間30aや通路形成部材35等の中心軸方向から見たときに、吸引用通路13bおよびディフューザ通路13cと重合する位置であって、吸引用通路13bおよびディフューザ通路13cによって囲まれる位置に配置されている。これにより、封入空間37bに蒸発器14流出冷媒の温度が伝達され、封入空間37bの内圧は、蒸発器14流出冷媒の温度に応じた圧力となる。
さらに、ダイヤフラム37aは、封入空間37bの内圧と導入空間37cへ流入した蒸発器14流出冷媒の圧力との差圧に応じて変形する。このため、ダイヤフラム37aは弾性に富み、かつ熱伝導が良好で、強靱な材質にて形成することが好ましく、例えば、ステンレス(SUS304)等の金属薄板にて形成されることが望ましい。
また、ダイヤフラム37aの中心部には、図4の拡大図に示すように、作動棒38の上端部の球状面が接触している。作動棒38は、通路形成部材35の軸方向へ延びる略円柱状部材で形成されており、駆動手段37から通路形成部材35へ駆動力を伝達する連結部材である。さらに、作動棒38の下端部の球状面には、通路形成部材35の最下方部の外周側が接触している。
これにより、ダイヤフラム37aの変位に伴って通路形成部材35が変位し、ノズル通路13aの冷媒通路面積(最小通路面積部30mにおける通路断面積)およびディフューザ通路13cにおける冷媒通路面積が調整される。さらに、作動棒38の外周側にはネジ山38aが形成されており、ミドルボデー33にはこのネジ山と螺合するネジ溝が形成されている。
従って、作動棒38がダイヤフラム37aの変位に伴って通路形成部材35の軸方向(上下方向)へ変位する際には、作動棒38はネジの中心軸周りに回転しながら軸方向へ変位することになる。つまり、作動棒38は、通路形成部材35の軸方向と平行に伸びる回転軸(ネジの中心軸)を中心として回転可能に構成されている。
なお、本実施形態では、作動棒38の上下端部を球状面とすることで、作動棒38とダイヤフラム37aとの摩擦抵抗および作動棒38と通路形成部材35との摩擦抵抗を低減させて、作動棒38が容易に回転できるようにしている。
また、作動棒38のうち、ディフューザ通路13cの出口側に位置付けられる部位には、板状に形成された板状部38bが形成されている。板状部38bは、通路形成部材35の軸方向に広がる板面を有し、図5のV−V断面図に示すように、通路形成部材35の軸方向から見たときに、旋回流れ方向に沿って湾曲した翼形状に形成されている。
つまり、板状部38bの板面は、冷媒の流れを通路形成部材35の軸周り方向へ導くように傾斜して、ディフューザ通路13cを流通する冷媒の旋回流れを促進している。つまり、本実施形態の作動棒38は、連結部材としての機能のみならず、ディフューザ通路13cを流通する冷媒の旋回流れを促進する旋回促進部材としての機能を兼ね備えている。
さらに、前述の如く、作動棒38は軸方向への変位に伴って回転する。このことは、図5のV−V断面図に示すように、通路形成部材35の軸方向垂直断面のうち板状部38bを含む断面にて、通路形成部材35の軸中心から作動棒38の回転中心へ向かって延びる線分L1と、板状部38bの板面のうち通路形成部材35の軸中心側に配置される板面の冷媒流れ最上流端部Q1から当該板面の冷媒流れ最下流端部Q2へ向かって延びる線分L2との間に形成される角度を傾斜角θとしたときに、作動棒38が軸方向へ変位するに伴って傾斜角θが変化することを意味している。
なお、本実施形態の傾斜角θは、図5に示すように、線分L1と線分L2との間に形成される角度のうち、外周側に位置付けられて鋭角に形成される角度である。つまり、傾斜角θは、線分L1の方向とディフューザ通路13cから流出する冷媒の流れ方向とのなす角度に対応しており、傾斜角θの増加に伴って、冷媒は、旋回方向の速度成分の割合が大きくなる方向に導かれる。
従って、傾斜角θとして、通路形成部材35の軸方向垂直断面のうち板状部38bを含む断面にて、通路形成部材35の軸中心から作動棒38(連結部材、旋回促進部材)の回転中心へ向かって延びる線分L1と、板状部38bの板面のうち通路形成部材35の軸中心側に配置される板面の冷媒流れ最下流部の接線方向に延びる線分との間に形成される角度を採用してもよい。
また、傾斜角θとして、通路形成部材35の軸方向垂直断面のうち板状部38bを含む断面にて、通路形成部材35の軸中心から作動棒38(連結部材、旋回促進部材)の回転中心へ向かって延びる線分L1と板状部38bの板面のうち通路形成部材35の軸中心側に配置される板面側の冷媒のよどみ点から冷媒流れ最下流部の冷媒の剥離点へ向かって延びる線分との間に形成される角度を採用してもよい。
さらに、傾斜角θとして、通路形成部材35の軸方向垂直断面のうち板状部38bを含む断面にて、通路形成部材35の軸中心から作動棒38(連結部材、旋回促進部材)の回転中心へ向かって延びる線分L1と、板状部38bの板面のうち通路形成部材35の軸中心側に配置される板面の内周側の板端部から外周側の板端部へ向かって延びる線分との間に形成される角度を採用してもよい。
また、通路形成部材35の底面は、図2に示すように、ロワーボデー34に固定されたコイルバネ37eの荷重を受けている。コイルバネ37eは、通路形成部材35に対して、ノズル通路13aおよびディフューザ通路13cにおける冷媒通路面積を縮小する側に付勢する荷重をかけており、この荷重を調整することで、通路形成部材35の開弁圧を変更することができる。
従って、本実施形態の駆動手段37では、例えば、蒸発器14流出冷媒の温度(過熱度)が低下して封入空間37bに封入された感温媒体の飽和圧力が低下し、封入空間37bの内圧から導入空間37cの圧力を差し引いた差圧が小さくなると、ダイヤフラム37aが封入空間37b側へ変位する。
これにより、コイルバネ37eの荷重を受けた通路形成部材35が、ノズル通路13aおよびディフューザ通路13cにおける冷媒通路面積を縮小させる方向(鉛直方向上方側)に変位する。この際、本実施形態では、図5の破線で示すように、作動棒38が傾斜角θを増加させる側に回転する。
一方、蒸発器14流出冷媒の温度(過熱度)が上昇して、封入空間37bに封入された感温媒体の飽和圧力が上昇して、封入空間37bの内圧から導入空間37cの圧力を差し引いた差圧が大きくなると、ダイヤフラム37aが導入空間37c側へ変位する。
これにより、ダイヤフラム37aの変位を受けた通路形成部材35が、ノズル通路13aおよびディフューザ通路13cにおける冷媒通路面積を拡大させる方向(鉛直方向下方側)に変位する。この際、本実施形態では、図5の実線で示すように、作動棒38が傾斜角θを減少させる側に回転する。
つまり、本実施形態の駆動手段37では、蒸発器14流出冷媒の過熱度に応じて、ダイヤフラム37aおよびコイルバネ37eが通路形成部材35を変位させることによって、蒸発器14出口側冷媒の過熱度が予め定めた所定値に近づくように、ノズル通路13aの冷媒通路面積(最小通路面積部30mにおける通路断面積)およびディフューザ通路13cにおける冷媒通路面積を調整することができる。
さらに、本実施形態では、ミドルボデー33の外周側に複数(の円柱状の空間を設け、この空間の内部にそれぞれ円形薄板状のダイヤフラム37aを固定して2つの駆動手段37を構成しているが、駆動手段37の数はこれに限定されない。なお、駆動手段37を複数箇所に設ける場合は、それぞれ中心軸に対して等角度間隔で配置されていることが望ましい。
また、軸方向からみたときに円環状に形成される空間内に、円環状の薄板で形成されたダイヤフラムを固定し、複数の作動棒でこのダイヤフラムと通路形成部材35とを連結する構成としてもよい。
次に、ロワーボデー34は、円柱状の金属部材で形成されており、ハウジングボデー31の底面を閉塞するように、ハウジングボデー31内にネジ止め等の手段によって固定されている。ロワーボデー34の上方側とミドルボデー33との間には、前述したディフューザ通路13cから流出した冷媒の気液を分離する気液分離空間30fが形成されている。
この気液分離空間30fは、略円柱状の回転体形状の空間として形成されており、気液分離空間30fの中心軸も、旋回空間30a、減圧用空間30b等の中心軸と同軸上に配置されている。
前述の如く、ディフューザ通路13cでは、冷媒が断面円環形状の冷媒通路に沿って旋回しながら流れるので、このディフューザ通路13cから気液分離空間30fへ流入する冷媒も、旋回方向の速度成分を有している。従って、気液分離空間30f内では遠心力の作用によって冷媒の気液が分離されることになる。さらに、この気液分離空間30fの内容積は、サイクルに負荷変動が生じてサイクルを循環する冷媒循環流量が変動しても、実質的に余剰冷媒を溜めることができない程度の容積になっている。
ロワーボデー34の中心部には、気液分離空間30fに対して同軸上に配置されて、上方側へ向かって延びる円筒状のパイプ34aが設けられている。そして、気液分離空間30fにて分離された液相冷媒は、パイプ34aの外周側に一時的に滞留して、液相冷媒流出口31cから流出する。このパイプ34aの内部には、気液分離空間30fにて分離された気相冷媒をハウジングボデー31の気相冷媒流出口31dへ導く気相冷媒流出通路34bが形成されている。
さらに、パイプ34aの上端部には、前述したコイルバネ37eが固定されている。なお、このコイルバネ37eは、冷媒が減圧される際の圧力脈動に起因する通路形成部材35の振動を減衰させる振動緩衝部材としての機能も果たしている。また、パイプ34aの根本部(最下方部)には、液相冷媒中の冷凍機油を気相冷媒流出通路34bを介して圧縮機11内へ戻すオイル戻し穴34cが形成されている。
エジェクタ13の液相冷媒流出口31cには、図1に示すように、蒸発器14の入口側が接続されている。蒸発器14は、エジェクタ13にて減圧された低圧冷媒と送風ファン14aから車室内へ送風される送風空気とを熱交換させることによって、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。
送風ファン14aは、制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。蒸発器14の出口側には、エジェクタ13の冷媒吸引口31bが接続されている。さらに、エジェクタ13の気相冷媒流出口31dには圧縮機11の吸入側が接続されている。
次に、図示しない制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。この制御装置は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、上述の各種電気式のアクチュエータ11b、12d、14a等の作動を制御する。
また、制御装置には、車室内温度を検出する内気温センサ、外気温を検出する外気温センサ、車室内の日射量を検出する日射センサ、蒸発器14の吹出空気温度(蒸発器温度)を検出する蒸発器温度センサ、放熱器12出口側冷媒の温度を検出する出口側温度センサおよび放熱器12出口側冷媒の圧力を検出する出口側圧力センサ等の空調制御用のセンサ群が接続され、これらのセンサ群の検出値が入力される。
さらに、制御装置の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された図示しない操作パネルが接続され、この操作パネルに設けられた各種操作スイッチからの操作信号が制御装置へ入力される。操作パネルに設けられた各種操作スイッチとしては、車室内空調を行うことを要求する空調作動スイッチ、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ等が設けられている。
なお、本実施形態の制御装置は、その出力側に接続された各種の制御対象機器の作動を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、制御装置のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御手段を構成している。例えば、本実施形態では、圧縮機11の電動モータ11bの作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が吐出能力制御手段を構成している。
次に、上記構成における本実施形態の作動を図6のモリエル線図を用いて説明する。なお、このモリエル線図の縦軸には、図3のP0、P1、P2に対応する圧力が示されている。まず、操作パネルの作動スイッチが投入(ON)されると、制御装置が圧縮機11の電動モータ11b、冷却ファン12d、送風ファン14a等を作動させる。これにより、圧縮機11が冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。
圧縮機11から吐出された高温高圧状態の気相冷媒(図6のa6点)は、放熱器12の凝縮部12aへ流入し、冷却ファン12dから送風された送風空気(外気)と熱交換し、放熱して凝縮する。凝縮部12aにて放熱した冷媒は、レシーバ部12bにて気液分離される。レシーバ部12bにて気液分離された液相冷媒は、過冷却部12cにて冷却ファン12dから送風された送風空気と熱交換し、さらに放熱して過冷却液相冷媒となる(図6のa6点→b6点)。
放熱器12の過冷却部12cから流出した過冷却液相冷媒は、エジェクタ13の減圧用空間30bの内周面と通路形成部材35の外周面との間に形成されるノズル通路13aにて等エントロピ的に減圧されて噴射される(図6のb6点→c6点)。この際、ノズル通路13aの最小通路面積部30mにおける冷媒通路面積は、蒸発器14出口側冷媒の過熱度が予め定めた所定値に近づくように調整される。
そして、ノズル通路13aから噴射された噴射冷媒の吸引作用によって、蒸発器14から流出した冷媒が冷媒吸引口31b、吸引用通路13b(流入空間30cおよび吸引通路30d)を介して吸引される。さらに、ノズル通路13aから噴射された噴射冷媒と吸引用通路13b等を介して吸引された吸引冷媒は、ディフューザ通路13cへ流入する(図6のc6点→d6点、h6点→d6点)。
ディフューザ通路13cでは冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒が混合されながら混合冷媒の圧力が上昇する(図6のd6点→e6点)。ディフューザ通路13cから流出した冷媒は気液分離空間30fにて気液分離される(図6のe6点→f6点、e6点→g6点)。
気液分離空間30fにて分離された液相冷媒は液相冷媒流出口31cから流出して、蒸発器14へ流入する。蒸発器14へ流入した冷媒は、送風ファン14aによって送風された送風空気から吸熱して蒸発し、送風空気が冷却される(図6のg6点→h6点)。一方、気液分離空間30fにて分離された気相冷媒は気相冷媒流出口31dから流出して、圧縮機11へ吸入され再び圧縮される(図6のf6点→a6点)。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、以上の如く作動して、車室内へ送風される送風空気を冷却することができる。さらに、このエジェクタ式冷凍サイクル10では、ディフューザ通路13cにて昇圧された冷媒を圧縮機11に吸入させるので、圧縮機11の駆動動力を低減させて、サイクル効率(COP)を向上させることができる。
さらに、本実施形態のエジェクタ13によれば、旋回空間30aにて冷媒を旋回させることで、旋回空間30a内の旋回中心側の冷媒圧力を、飽和液相冷媒となる圧力、あるいは、冷媒が減圧沸騰する(キャビテーションを生じる)圧力まで低下させることができる。これにより、旋回中心軸の外周側よりも内周側に気相冷媒が多く存在するようにして、旋回空間30a内の旋回中心線近傍はガス単相、その周りは液単相の二相分離状態とすることができる。
このように二相分離状態となった冷媒がノズル通路13aへ流入することで、ノズル通路13aの先細部131では、円環状の冷媒通路の外周側壁面から冷媒が剥離する際に生じる壁面沸騰および円環状の冷媒通路の中心軸側の冷媒のキャビテーションによって生じた沸騰核による界面沸騰によって冷媒の沸騰が促進される。これにより、ノズル通路13aの最小通路面積部30mへ流入する冷媒が、気相と液相が均質に混合した気液混合状態となる。
そして、最小通路面積部30mの近傍で気液混合状態の冷媒の流れに閉塞(チョーキング)が生じ、このチョーキングによって音速に到達した気液混合状態の冷媒が末広部132にて加速されて噴射される。このように、壁面沸騰および界面沸騰の双方による沸騰促進によって、気液混合状態の冷媒を音速となるまで効率よく加速できることで、ノズル通路13aにおけるエネルギ変換効率(従来技術のノズル効率に相当)を向上させることができる。
さらに、本実施形態のエジェクタ13では、通路形成部材35として減圧用空間30bから離れるに伴って断面積が拡大する円錐状に形成されたものを採用して、ディフューザ通路13cの断面形状を円環状に形成しているので、ディフューザ通路13cの形状を減圧用空間30bから離れるに伴って通路形成部材35の外周に沿って広がる形状とすることができるとともに、ディフューザ通路13cを流通する冷媒を旋回させることができる。
これにより、ディフューザ通路13cにおいて冷媒を昇圧させるための冷媒流路を螺旋状に形成することができるので、従来技術の如くディフューザ部がノズル部の軸線方向に延びる形状に形成されている場合に対して、ディフューザ通路13cの軸方向(通路形成部材35の軸方向)の寸法が拡大してしまうことを抑制できる。その結果、エジェクタ13全体としての体格の大型化を抑制できる。
これに加えて、本実施形態のエジェクタ13では、旋回促進部材である作動棒38の板状部38bの板面が、冷媒の流れを通路形成部材35の軸周り方向へ導くように傾斜しているので、ディフューザ通路13cを流通する冷媒の旋回流れを促進することができる。従って、例えば、ディフューザ通路13cの冷媒通路面積を変化させてディフューザ通路へ流入する冷媒の流速を低下させても、ディフューザ通路13cを流通する冷媒の旋回方向の速度が低下してしまうことを抑制できる。
これにより、ディフューザ通路13cにて冷媒を昇圧させるための螺旋状の冷媒流路が短くなってしまうことを抑制して、ディフューザ通路13cにおける冷媒の昇圧量の低下を抑制できる。さらに、ディフューザ通路13cから流出して気液分離空間30fへ流入した冷媒に作用する遠心力が小さくなってしまうことを抑制して、気液分離空間30fにおける気液分離性能の低下を抑制することもできる。
また、本実施形態のエジェクタ13では、旋回促進部材として連結部材である作動棒38を利用しているので、旋回流れを促進するための専用部材を設ける必要もない。
つまり、本実施形態のエジェクタ13によれば、体格の大型化を招くことなく、エジェクタ式冷凍サイクル10の負荷変動によらず、ノズル通路13aにて高いエネルギ変換効率を発揮することができ、さらに、ディフューザ通路13cにて高い昇圧性能を発揮可能なエジェクタを実現することができる。
また、本実施形態のエジェクタ13では、駆動手段37を備えているので、エジェクタ式冷凍サイクル10の負荷変動に応じて通路形成部材35を変位させ、ノズル通路13aおよびディフューザ通路13cの冷媒通路面積を調整することができる。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10の負荷変動に応じてエジェクタ13を適切に作動させることができる。
さらに、駆動手段37が通路形成部材35を変位させてディフューザ通路13cの冷媒通路面積を拡大させるに伴って、作動棒38が回転して傾斜角θを減少させるので、エジェクタ式冷凍サイクル10の負荷変動に応じて、ディフューザ通路13cを流通する冷媒の旋回流れを効果的に促進することができる。
例えば、エジェクタ式冷凍サイクル10の熱負荷が増加して、ディフューザ通路13cの冷媒通路面積を拡大させた際には、これに伴って傾斜角θを減少させることができる。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10の熱負荷が増加して、ディフューザ通路13cへ流入する冷媒の流速が上昇した際には、旋回流れが不必要に促進されることがなくディフューザ通路13cから流出する冷媒の圧力損失を低減できる。
一方、エジェクタ式冷凍サイクル10の熱負荷が減少して、ディフューザ通路13cの冷媒通路面積を縮小させた際には、これに伴って傾斜角θを増加させることができる。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10の熱負荷が減少して、ディフューザ通路13cへ流入する冷媒の流速が低下した際には、ディフューザ通路13cを流通する冷媒の旋回流れを適切に促進することができる。
さらに、駆動手段37のうち、感温媒体が封入された封入空間37bが、吸引用通路13bおよびディフューザ通路13cに挟まれる位置に配置されているので、吸引用通路13bとディフューザ通路13cとの間に形成されるスペースを有効に活用することができる。その結果、より一層エジェクタ全体としての体格の大型化を抑制できる。
しかも、封入空間37bが吸引用通路13bおよびディフューザ通路13cによって囲まれる位置に配置されているので、外気温の影響等を受けることなく吸引用通路13bを流通する冷媒の蒸発器14流出冷媒の温度を感温媒体に良好に伝達して、封入空間37b内の圧力を変化させることができる。つまり、封入空間37b内の圧力を蒸発器14流出冷媒の温度に応じて精度良く変化させることができる。
また、本実施形態のエジェクタ13のボデー30には、ディフューザ通路13cから流出した冷媒の気液を分離する気液分離空間30fが形成されているので、エジェクタ13とは別に気液分離手段を設ける場合に対して、気液分離空間30fの容積を効果的に小さくすることができる。
つまり、本実施形態の気液分離空間30fでは、前述の如く、ディフューザ通路13cから流出する冷媒が既に旋回しているので気液分離空間30f内で冷媒の旋回流れを発生あるいは成長させるための空間を設ける必要がない。従って、エジェクタ13とは別に気液分離手段を設ける場合に対して、気液分離空間30fの容積を効果的に小さくすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、板状部38bの断面形状を変形させた例を説明する。具体的には、本実施形態のエジェクタ13では、板状部38bの断面形状が平板状に形成されている。つまり、本実施形態の板状部38bは、図7の断面図に示すように、板状部38bの板面のうち通路形成部材35の軸中心側の板面と反対側の板面が平行に形成されている。なお、図7は、第1実施形態の図5に対応する図面である。
さらに、本実施形態では、板状部38bが平板状に形成されているので、エジェクタ式冷凍サイクル10の通常作動時に、隣り合う板状部38b間に形成される冷媒通路の出口側通路面積(図7のA2側の面積)を入口側通路面積(図7のA1側の面積)よりも大きい値とすることができる。つまり、図7の断面図に示すように、A1<A2の関係として、複数の板状部38bを減速翼列配置とすることができる。
その他の構成および作動は第1実施形態と同様である。本実施形態のエジェクタ13のように板状部18bの断面形状を形成しても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態では、板状部38bを平板状に形成しているので、第1実施形態のように翼形状に形成する場合に対して、作動棒38を容易に形成することができる。
また、本実施形態のエジェクタ13では、複数の板状部38bが減速翼列配置されているので、板状部38b同士の間に形成される冷媒通路の通路断面積を徐々に拡大させることができる。従って、板状部38b同士の間に形成される冷媒通路を、冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換させるディフューザとして機能させることができる。その結果、エジェクタ13により一層高い昇圧性能を発揮させることができる。
なお、本実施形態では、少なくともエジェクタ式冷凍サイクル10の通常作動時の板状部38bの可動範囲内で、複数の板状部38bが減速翼列配置となるように、板状部38bの断面形状を形成したものである。
つまり、一般的には、傾斜角θの増大に伴って、隣り合う板状部38b間に形成される冷媒通路の入口側通路面積と出口側通路面積が等しい値に近づく。すなわち、傾斜角θの増大に伴って、A1≒A2の関係となって、複数の板状部38bが等速翼列配置に近づく。このことは、以下の実施形態の板状部38bにおいても同様である。
(第3実施形態)
本実施形態では、図8の断面図に示すように、板状部38bの断面形状を変形させた例を説明する。具体的には、本実施形態の板状部38bの断面形状は、通路形成部材35の軸中心側から外周側へ向かって徐々に周方向の板厚が厚くなる形状に形成されている。なお、図8は、第1実施形態の図5に対応する図面である。
これにより、本実施形態では、エジェクタ式冷凍サイクル10の通常作動時に、隣り合う板状部38b間に形成される冷媒通路の入口側通路面積(図8のA1側の面積)と出口側通路面積(図8のA2側の面積)が略同等の値となるようにしている。つまり、本実施形態では、図8の断面図に示すように、A1≒A2の関係として、複数の板状部38bを等速翼列配置とすることができる。
その他の構成および作動は第1実施形態と同様である。本実施形態のエジェクタ13のように板状部18bの断面形状を形成しても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態のエジェクタ13では、複数の板状部38bが等速翼列配置されているので、板状部38b同士の間に形成される冷媒通路の通路断面積を略一定とすることができる。従って、板状部38b同士の間に形成される冷媒通路を流通する冷媒の圧力および流速を変化させにくい。
(第4実施形態)
本実施形態では、図9の断面図に示すように、板状部38bの断面形状を変形させた例を説明する。具体的には、本実施形態の板状部38bの断面形状は、通路形成部材35の軸中心側から外周側へ向かって徐々に周方向の板厚が厚くなる形状に形成され、第3実施形態よりも板厚を厚くさせる度合を増加させている。なお、図9は、第1実施形態の図5に対応する図面である。
これにより、本実施形態では、エジェクタ式冷凍サイクル10の通常作動時に、隣り合う板状部38b間に形成される冷媒通路の入口側通路面積(図9のA1側の面積)が、出口側通路面積(図9のA2側の面積)よりも大きい値となるようにしている。つまり、図9の断面図に示すように、A1>A2の関係として、複数の板状部38bを増速翼列配置(加速翼列配置)とすることができる。
その他の構成および作動は第1実施形態と同様である。本実施形態のエジェクタ13のように板状部18bの断面形状を形成しても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態のエジェクタ13では、複数の板状部38bが増速翼列配置されているので、板状部38b同士の間に形成される冷媒通路の通路断面積を徐々に縮小させることができる。従って、板状部38b同士の間に形成される冷媒通路を流通する冷媒の流速を増速させて、より一層ディフューザ通路13cを流通する冷媒の旋回流れを促進できる。
(第5実施形態)
本実施形態では、図10の断面図に示すように、板状部38bの断面形状を三角形状に形成している。さらに、本実施形態では、隣り合う板状部38b間に形成される冷媒通路の入口側通路面積(図10のA1側の面積)と出口側通路面積(図10のA2側の面積)を略同等の値として、第3実施形態と同様に、A1≒A2の関係として、複数の板状部38bを等速翼列配置としている。
その他の構成および作動は第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のエジェクタ13によれば、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、駆動手段37から通路形成部材35へ駆動力を伝達する連結部材である作動棒38に旋回促進部材としての機能を持たせた例を説明したが、旋回促進部材はこれに限定されない。例えば、作動棒38とは別体に構成された板状部材等によって構成してもよい。
また、上述の実施形態では、図4に示すように、ディフューザ通路13cの冷媒出口側を横切るように配置された作動棒38によって旋回促進部材を構成し、ディフューザ通路13cを流通する冷媒の旋回流れを促進させた例を説明したが、エジェクタ式冷凍サイクル10の運転条件によっては、ディフューザ通路13cの入口側から出口側へ至る全域の冷媒の旋回流れを促進できないことがある。
具体的には、図11の太実線に示すように、ディフューザ通路13cを流通する冷媒の速度成分のうち、軸方向の速度成分に対して旋回方向の速度成分が極めて小さくなってしまうことや、旋回方向の速度成分が殆ど無くなってしまうことがある。なお、図11では、軸方向から見たときに、通路形成部材35の円錐状側面に沿って流れる冷媒の流れ方向を模式的に図示しており、作動棒38の板状部38bについても模式的に平板状に図示している。
このような運転条件であっても、上述の実施形態のエジェクタによれば、ディフューザ通路13cの冷媒出口側に旋回促進部材を備えているので、少なくともディフューザ通路13cの出口側の冷媒およびディフューザ通路13cから流出する直前の冷媒の旋回流れを促進することができる。従って、旋回促進部材は、気液分離空間30fへ流入した冷媒に作用する遠心力が小さくなってしまうことを抑制して、気液分離空間30fにおける気液分離性能の低下を抑制できる点で有効である。
(2)上述の実施形態では、通路形成部材35を変位させる駆動手段37として、温度変化に伴って圧力変化する感温媒体が封入された封入空間37bおよび封入空間37b内の感温媒体の圧力に応じて変位するダイヤフラム37aを有して構成されたものを採用した例を説明したが、駆動手段はこれに限定されない。
例えば、感温媒体として温度によって体積変化するサーモワックスを採用してもよいし、駆動手段として形状記憶合金性の弾性部材を有して構成されたものを採用してもよい。この場合は、上述の実施形態と同様に作動棒38にネジ山を設けることによって、作動棒38を回転させて、板状部の傾斜角θを変化させればよい。
さらに、駆動手段として電動モータによって通路形成部材35を変位させるものを採用してもよい。この場合は、電動モータと通路形成部材35とを連結するシャフトに板状部を設けて、電動モータが通路形成部材35を変位させるに伴って、板状部の傾斜角θを変化させればよい。
(3)上述の実施形態では、駆動手段37が通路形成部材35を変位させてディフューザ通路13cの冷媒通路面積を拡大させるに伴って、傾斜角θを減少させた例を説明したが、ディフューザ通路13cの冷媒通路面積と傾斜角θとの関係はこれに限定されない。
例えば、駆動手段37が通路形成部材35を変位させてディフューザ通路13cの冷媒通路面積を拡大させるに伴って、傾斜角θを増加させるようにしてもよい。つまり、適用されるエジェクタ式冷凍サイクル10の負荷変動に応じて、ディフューザ通路13cを流通する冷媒の旋回流れを促進可能な最適な傾斜角θとなるようにすればよい。
(4)上述の実施形態では、板状部38bが、ディフューザ通路13cの出口側に配置されている例を説明したが、板状部38bによってディフューザ通路13cを流通する冷媒の旋回流れを促進できれば、いずれの位置に配置されていてもよい。また、上述の実施形態では、板状部38bとして、通路形成部材35の軸方向に広がる板面を有するものを採用しているが、板状部38bはこれに限定されず、板面が通路形成部材35の軸方向に対して傾斜していてもよい。
(5)上述の実施形態では、エジェクタ13の液相冷媒流出口31cおよび気相冷媒流出口31dの詳細について説明していないが、これらの冷媒流出口に冷媒を減圧させる減圧手段(例えば、オリフィスやキャピラリチューブからなる側固定絞り)を配置してもよい。例えば、液相冷媒流出口31cに固定絞りを追加して、エジェクタ13を二段昇圧式の圧縮機を備えるエジェクタ式冷凍サイクルに適用してもよい。
(6)上述の実施形態では、通路形成部材35の材質について説明していないが、通路形成部材35は金属(例えば、アルミニウム)で形成してもよいし、樹脂で形成してもよい。例えば、通路形成部材35を樹脂で形成して軽量化を図ることによって、駆動手段37を小型化することができ、エジェクタ13全体としての体格のより一層の小型化を図ることができる。
(7)上述の実施形態では、本発明のエジェクタ13を備えるエジェクタ式冷凍サイクル10を、車両用空調装置に適用した例を説明したが、本発明のエジェクタ13を備えるエジェクタ式冷凍サイクル10の適用はこれに限定されない。例えば、据置型空調装置、冷温保存庫、自動販売機用冷却加熱装置等に適用してもよい。
(8)上述の実施形態では、放熱器12として、サブクール型の熱交換器を採用した例を説明したが、凝縮部12aのみからなる通常の放熱器を採用してもよい。
10 エジェクタ式冷凍サイクル
13 エジェクタ
13a ノズル通路
13b 吸引用通路
13c ディフューザ通路
30 ボデー
35 通路形成部材
38 作動棒
38b 板状部

Claims (7)

  1. 蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置(10)に適用されるエジェクタであって、
    冷媒流入口(31a)から流入した冷媒を旋回させる旋回空間(30a)、前記旋回空間(30a)から流出した冷媒を減圧させる減圧用空間(30b)、前記減圧用空間(30b)の冷媒流れ下流側に連通して外部から冷媒を吸引する吸引用通路(13b)、前記減圧用空間(30b)から噴射された噴射冷媒と前記吸引用通路(13b)から吸引された吸引冷媒とを混合させる昇圧用空間(30e)が形成されたボデー(30)と、
    少なくとも一部が前記減圧用空間(30b)の内部および前記昇圧用空間(30e)の内部に配置されるとともに、前記減圧用空間(30b)から離れるに伴って断面積が拡大する円錐状に形成された通路形成部材(35)と、
    前記通路形成部材(35)を変位させる駆動手段(37)とを備え、
    前記ボデー(30)のうち前記減圧用空間(30b)を形成する部位の内周面と前記通路形成部材(35)の外周面との間に形成される冷媒通路は、前記旋回空間(30a)から流出した冷媒を減圧させて噴射するノズルとして機能するノズル通路(13a)であり、
    前記ボデー(30)のうち前記昇圧用空間(30e)を形成する部位の内周面と前記通路形成部材(35)の外周面との間に形成される冷媒通路は、前記噴射冷媒および前記吸引冷媒を混合して昇圧させるディフューザとして機能するディフューザ通路(13c)であり、
    前記ディフューザ通路(13c)は、前記通路形成部材(35)の軸方向に垂直な断面における断面形状が環状に形成されており、
    さらに、前記駆動手段(37)から前記通路形成部材(35)へ駆動力を伝達する連結部材(38)を備え、
    前記連結部材(38)は、板状に形成された板状部(38b)を有し、
    前記板状部(38b)の板面は、冷媒の流れを前記通路形成部材(35)の軸周り方向へ導くように傾斜していることを特徴とするエジェクタ。
  2. 前記連結部材(38)は、前記通路形成部材(35)の軸方向と平行に伸びる回転軸を中心として回転可能に構成され、
    前記通路形成部材(35)の軸方向垂直断面のうち前記板状部(38b)を含む断面にて、前記通路形成部材(35)の軸中心から前記連結部材(38)の回転中心へ向かって延びる線分(L1)と、前記板状部(38b)の板面のうち前記通路形成部材(35)の軸中心側に配置される板面における冷媒流れ最上流端部(Q1)から冷媒流れ最下流端部(Q2)へ向かって延びる線分(L2)との間に形成される角度を傾斜角θとしたときに、
    前記駆動手段(37)が前記通路形成部材(35)を変位させるに伴って、前記傾斜角θが変化することを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ。
  3. 蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置(10)に適用されるエジェクタであって、
    冷媒流入口(31a)から流入した冷媒を旋回させる旋回空間(30a)、前記旋回空間(30a)から流出した冷媒を減圧させる減圧用空間(30b)、前記減圧用空間(30b)の冷媒流れ下流側に連通して外部から冷媒を吸引する吸引用通路(13b)、前記減圧用空間(30b)から噴射された噴射冷媒と前記吸引用通路(13b)から吸引された吸引冷媒とを混合させる昇圧用空間(30e)が形成されたボデー(30)と、
    少なくとも一部が前記減圧用空間(30b)の内部および前記昇圧用空間(30e)の内部に配置されるとともに、前記減圧用空間(30b)から離れるに伴って断面積が拡大する円錐状に形成された通路形成部材(35)と、
    前記通路形成部材(35)を変位させる駆動手段(37)とを備え、
    前記ボデー(30)のうち前記減圧用空間(30b)を形成する部位の内周面と前記通路形成部材(35)の外周面との間に形成される冷媒通路は、前記旋回空間(30a)から流出した冷媒を減圧させて噴射するノズルとして機能するノズル通路(13a)であり、
    前記ボデー(30)のうち前記昇圧用空間(30e)を形成する部位の内周面と前記通路形成部材(35)の外周面との間に形成される冷媒通路は、前記噴射冷媒および前記吸引冷媒を混合して昇圧させるディフューザとして機能するディフューザ通路(13c)であり、
    前記ディフューザ通路(13c)は、前記通路形成部材(35)の軸方向に垂直な断面における断面形状が環状に形成されており、
    さらに、前記ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒の旋回流れを促進する旋回促進部材(38)を備え、
    前記旋回促進部材(38)は、冷媒の流れを前記通路形成部材(35)の軸周り方向へ導く板状部(38b)を有しているとともに、前記通路形成部材(35)の軸方向と平行に伸びる回転軸を中心として回転可能に構成されており、
    前記通路形成部材(35)の軸方向垂直断面のうち前記板状部(38b)を含む断面にて、前記通路形成部材(35)の軸中心から前記旋回促進部材(38)の回転中心へ向かって延びる線分(L1)と、前記板状部(38b)の板面のうち前記通路形成部材(35)の軸中心側に配置される板面における冷媒流れ最上流端部(Q1)から冷媒流れ最下流端部(Q2)へ向かって延びる線分(L2)との間に形成される角度を傾斜角θとしたときに、
    前記駆動手段(37)が前記通路形成部材(35)を変位させるに伴って、前記傾斜角θが変化することを特徴とするエジェクタ。
  4. 前記駆動手段(37)が前記通路形成部材(35)を変位させて前記ディフューザ通路(13c)の冷媒通路面積を拡大させるに伴って、前記傾斜角θが減少することを特徴とする請求項2または3に記載のエジェクタ。
  5. 前記板状部(38b)は、前記ディフューザ通路(13c)の出口側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のエジェクタ。
  6. 前記ボデー(30)には、前記昇圧用空間(30e)から流出した冷媒の気液を分離する気液分離空間(30f)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のエジェクタ。
  7. 前記ディフューザ通路(13c)を流通する冷媒は、前記旋回空間(30a)にて旋回する冷媒と同方向に旋回していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のエジェクタ。
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