JP6063644B2 - ろう付け用アルミニウム材の製造方法 - Google Patents

ろう付け用アルミニウム材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ろう付け品の製造に使用されるろう付け用アルミニウム材の製造方法及び該ろう付け用アルミニウム材を用いたろう付け品の製造方法に関する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「アルミニウム」の語は、アルミニウム及びその合金を含む意味で用いる。また、本明細書及び特許請求の範囲において「Al」の表記は、Al金属単体を意味する。
自動車用熱交換器等を量産する時、フラックスを使用しないろう付け方法としては、真空ろう付けがあるが、これ以外にも、MgとBiが微量添加されたAl−Si系合金ろう材層を備えたアルミニウムブレージングシートに水酸化ナトリウム水溶液や硝酸水溶液によりエッチング処理を行ったものを用いて仮組品を構成し、この仮組品を不活性雰囲気のろう付け炉中で加熱することによりろう付け接合して、ろう付け品を得る方法がある(特許文献1、2参照)。
特開平7−164138号公報 特開平7−185797号公報
しかしながら、このようにエッチング処理液として水酸化ナトリウム水溶液や硝酸水溶液を用いた場合には、エッチング処理後にこの処理液が付着したろう付け用材料を水洗し、さらに純水洗する等、洗浄する工程を必要とするので(特許文献1の段落0012、特許文献2の段落0012)、ろう付け用アルミニウム材の生産効率が低いという問題があった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、エッチング処理後のアルミニウム材の水による洗浄を必要としない(省略できる)エッチングを行うことのできるろう付け用アルミニウム材の製造方法及びろう付け品の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]アルミニウム材をモノカルボン酸水溶液で処理するエッチング処理工程を含み、
前記モノカルボン酸水溶液として、70℃以上であって該モノカルボン酸水溶液の沸点以下の温度に設定されたモノカルボン酸水溶液を用いることを特徴とするろう付け用アルミニウム材の製造方法。
[2]前記モノカルボン酸水溶液として、蟻酸含有率が10質量%〜70質量%の蟻酸水溶液であって70℃以上で該蟻酸水溶液の沸点より低い温度に設定された蟻酸水溶液を用いることを特徴とする前項1に記載のろう付け用アルミニウム材の製造方法。
[3]前記モノカルボン酸水溶液として、酢酸含有率が10質量%〜50質量%の酢酸水溶液であって80℃以上で該酢酸水溶液の沸点より低い温度に設定された酢酸水溶液を用いることを特徴とする前項1に記載のろう付け用アルミニウム材の製造方法。
[4]前記エッチング処理工程を経た前記アルミニウム材を、前記モノカルボン酸水溶液の沸点以上の温度に加熱することによって乾燥を行う乾燥工程をさらに含むことを特徴とする前項1〜3のいずれか1項に記載のろう付け用アルミニウム材の製造方法。
[5]前記アルミニウム材を水洗する水洗工程を備えていないことを特徴とする前項1〜4のいずれか1項に記載のろう付け用アルミニウム材の製造方法。
[6]前記アルミニウム材として、アルミニウム材の表面の少なくとも一部にAl−Si系合金ろう材がクラッドされてなるブレージングシートを用いる前項1〜5のいずれか1項に記載のろう付け用アルミニウム材の製造方法。
[7]前項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られたろう付け用アルミニウム材。
[8]前項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られたろう付け用アルミニウム材の複数個を組み付けた後、不活性雰囲気中で加熱することによりろう付け接合を行って、ろう付け品を得ることを特徴とするろう付け品の製造方法。
[1]の発明では、処理液として特定温度範囲のモノカルボン酸水溶液を用いるのでアルミニウム材をエッチング処理できると共に、処理液としてモノカルボン酸水溶液を用いるのでエッチング処理後のアルミニウム材の水による洗浄操作を必要としない(省略できる)。従って、ろう付け用アルミニウム材を高い生産効率で製造することができる。
[2]の発明では、蟻酸含有率が10質量%〜70質量%の蟻酸水溶液であって70℃以上で該蟻酸水溶液の沸点より低い温度に設定された蟻酸水溶液でアルミニウム材を処理するので、エッチング処理効率をより向上させることができる。
[3]の発明では、酢酸含有率が10質量%〜50質量%の酢酸水溶液であって80℃以上で該酢酸水溶液の沸点より低い温度に設定された酢酸水溶液でアルミニウム材を処理するので、エッチング処理効率をより向上させることができる。
[4]の発明では、エッチング処理工程を経たアルミニウム材を、モノカルボン酸水溶液の沸点以上の温度に加熱することによって乾燥を行う乾燥工程をさらに含むから、モノカルボン酸水溶液の乾燥(アルミニウム材に付着しているモノカルボン酸の蒸発除去)を効率良く行うことができて、ろう付け用アルミニウム材の生産効率をさらに向上させることができる。
[5]の発明では、アルミニウム材を水洗する水洗工程を備えていないから、ろう付け用アルミニウム材を高い生産効率で製造することができる。
[6]の発明では、ろう付け性に優れたろう付け用アルミニウム材(ブレージングシート)を製造できる。
[7]の発明では、良好なろう付け性を備えたろう付け用アルミニウム材が提供される。
[8]の発明では、良好にろう付け接合されたアルミニウムろう付け品を高い生産効率で製造することができる。
ろう付け前の組み付け品(仮組品)の一例を示す断面図である。 本発明の製造方法で得られたろう付け品の一実施形態を示す断面図である。
本発明に係るろう付け用アルミニウム材の製造方法は、アルミニウム材をモノカルボン酸水溶液で処理するエッチング処理工程を含み、前記モノカルボン酸水溶液として、70℃以上であって該モノカルボン酸水溶液の沸点より低い温度に設定されたモノカルボン酸水溶液を用いることを特徴とするものである。
本製法では、前処理液として特定温度範囲(70℃以上であって当該モノカルボン酸水溶液の沸点より低い温度)のモノカルボン酸水溶液を用いるので、アルミニウム材を良好にエッチング処理できる。また、処理液としてモノカルボン酸水溶液を用いるので、エッチング処理後のアルミニウム材の水による洗浄を必要とせず(省略することができ)、従ってろう付け用アルミニウム材を高い生産効率で製造することができる。
前記アルミニウム材としては、特に限定されるものではないが、例えば、
・A3003アルミニウム材
・ブレージングシート(アルミニウム板の少なくとも片面にAl−Si系合金等のろう材層が圧接されてなるブレージングシート)
等が挙げられる。
前記モノカルボン酸水溶液におけるモノカルボン酸の含有率は、特に限定されるものではないが、10質量%〜70質量%に設定するのが好ましい。10質量%〜70質量%に設定することで、エッチング処理効率を向上させることができる。
前記モノカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、蟻酸、酢酸等が挙げられる。中でも、蟻酸を用いるのが好ましく、この場合にはエッチング処理効率をより向上させることができる。
前記モノカルボン酸水溶液として蟻酸水溶液を用いる場合には、蟻酸水溶液における蟻酸含有率は10質量%〜70質量%に設定するのが好ましい。中でも、蟻酸含有率が30質量%〜60質量%の蟻酸水溶液を用いるのが特に好ましい。
前記モノカルボン酸水溶液として酢酸水溶液を用いる場合には、酢酸水溶液における酢酸含有率は10質量%〜50質量%に設定するのが好ましい。中でも、酢酸含有率が20質量%〜40質量%の酢酸水溶液を用いるのが特に好ましい。
前記エッチング処理に用いるモノカルボン酸水溶液の温度は、70℃以上であって該モノカルボン酸水溶液の沸点より低い温度に設定される。70℃以上であることでエッチング性能を十分に発現できると共に、モノカルボン酸水溶液の沸点より低い温度であることで効率良くエッチング処理できるものとなる。
前記モノカルボン酸水溶液として蟻酸水溶液を用いる場合には、蟻酸水溶液の温度は、70℃以上であって該蟻酸水溶液の沸点より低い温度に設定するのが好ましい。中でも、蟻酸水溶液の温度は、90℃以上であって該蟻酸水溶液の沸点より低い温度に設定するのがより好ましい。
前記モノカルボン酸水溶液として酢酸水溶液を用いる場合には、酢酸水溶液の温度は、80℃以上であって該酢酸水溶液の沸点より低い温度に設定するのが好ましい。
前記エッチング処理工程において、アルミニウム材をモノカルボン酸水溶液で処理する際の処理手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム材をモノカルボン酸水溶液中に浸漬する、アルミニウム材にモノカルボン酸水溶液を連続的に吹き付ける等の手法が挙げられる。
本発明の製造方法(ろう付け用アルミニウム材の製造方法)では、前記エッチング処理工程の後に、乾燥工程を設けてもよい。即ち、前記エッチング処理工程を経たアルミニウム材を、当該カルボン酸水溶液の沸点以上の温度に加熱することによって乾燥を行って、ろう付け用アルミニウム材を得るようにしてもよい。
前記乾燥工程において、乾燥の手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、エアブロー(エッチング処理に使用したカルボン酸水溶液の沸点以上の温度の空気の吹き付け)を行う、或いは、加熱乾燥炉に入れて乾燥を行う等が挙げられる。
しかして、上記乾燥工程を経たアルミニウム材の複数個を組み付けた後、不活性雰囲気中で加熱することによりろう付け接合を行って、ろう付け品1を得る。
或いは、上記乾燥工程を設けないでろう付け品1を製造することもできる。この場合には、上記乾燥工程を省略し、前記エッチング処理工程を経たアルミニウム材を、そのまま所定温度のろう付け炉(不活性雰囲気)に入れて加熱してろう付け接合を行い、ろう付け品1を得る。なお、アルミニウム材に付着しているモノカルボン酸は、ろう付け炉内に入れた際に炉内の高い温度により、すみやかに蒸発除去され、その後、ろう付け接合が進行する。
前記ろう付け炉内の温度は、590℃〜620℃に設定するのが好ましい。
前記不活性雰囲気としては、特に限定されるものではないが、例えば、窒素雰囲気などが挙げられる。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
図1に示すように、厚さ1.6mmのA3003アルミニウム板(水平板)2に対し、厚さ1.6mmのブレージングシート3(厚さ0.2mmのA4045Al−Si系合金ろう材層12/厚さ1.2mmのA3003アルミニウム板11/厚さ0.2mmのA4045Al−Si系合金ろう材層12)を垂直に組み付けて、逆T継手の組み付け品(仮組品)30を得た。
前記仮組品30を、75℃の蟻酸系処理液(蟻酸含有率が20質量%である蟻酸水溶液、沸点100℃)に5分間浸漬してエッチングを行った後、取り出して液滴を切り、次いでこの仮組品30にエアブロー(150℃の空気の吹き付け)を行うことによって乾燥処理を行った後、該仮組品(ろう付け用アルミニウム材)30を600℃のろう付け炉(窒素雰囲気、露点:−70℃、酸素濃度:5ppm)に5分間入れて加熱してろう付け接合を行い、図2に示すろう付け品1を得た。なお、図2において、20は、フィレットである。
<実施例2>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が40質量%である蟻酸水溶液(沸点100℃)を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<実施例3>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が60質量%である蟻酸水溶液(沸点101℃)を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<実施例4>
蟻酸系処理液として、温度が95℃の蟻酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<実施例5>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が40質量%であり温度が95℃の蟻酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<実施例6>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が60質量%であり温度が95℃の蟻酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例1>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が5質量%であり温度が50℃の蟻酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例2>
蟻酸系処理液として、温度が50℃の蟻酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例3>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が40質量%であり温度が50℃の蟻酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例4>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が60質量%であり温度が50℃の蟻酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例5>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が100質量%であり温度が50℃の蟻酸液を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例6>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が5質量%である蟻酸水溶液(沸点100℃)を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例7>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が100質量%である蟻酸液(沸点101℃)を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例8>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が5質量%であり温度が95℃の蟻酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例9>
蟻酸系処理液として、蟻酸含有率が100質量%であり温度が95℃の蟻酸液を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
Figure 0006063644
<実施例7>
蟻酸系処理液に代えて、酢酸系処理液(酢酸含有率が20質量%であり温度が95℃の酢酸水溶液、沸点104℃)を用いた以外は、実施例1と同様にしてろう付け品1を得た。
<実施例8>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が40質量%である酢酸水溶液(沸点107℃)を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例10>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が5質量%であり温度が50℃の酢酸水溶液を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例11>
酢酸系処理液として、温度が50℃の酢酸水溶液を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例12>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が40質量%であり温度が50℃の酢酸水溶液を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例13>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が60質量%であり温度が50℃の酢酸水溶液を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例14>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が100質量%であり温度が50℃の酢酸液を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例15>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が5質量%であり温度が75℃の酢酸水溶液を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例16>
酢酸系処理液として、温度が75℃の酢酸水溶液を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例17>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が40質量%であり温度が75℃の酢酸水溶液を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例18>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が60質量%であり温度が75℃の酢酸水溶液を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例19>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が100質量%であり温度が75℃の酢酸液を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例20>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が5質量%である酢酸水溶液(沸点101℃)を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例21>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が60質量%である酢酸水溶液(沸点111℃)を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
<比較例22>
酢酸系処理液として、酢酸含有率が100質量%である酢酸液(沸点118℃)を用いた以外は、実施例7と同様にしてろう付け品1を得た。
Figure 0006063644
<参考例1>
実施例1と同様の仮組品30(図1参照)を、50℃の硝酸系処理液(硝酸含有率が34質量%である硝酸水溶液)に5分間浸漬してエッチングを行った後、取り出して純水を用いて水洗を5回行い、次いでこの仮組品30を150℃の加熱炉に入れて乾燥を行った後、該仮組品30を600℃のろう付け炉(窒素雰囲気、露点:−70℃、酸素濃度:5ppm)に5分間入れて加熱してろう付け接合を行い、ろう付け品を得た。
<参考例2>
硝酸系処理液として、硝酸含有率が68質量%である硝酸水溶液を用いた以外は、参考例1と同様にしてろう付け品を得た。
<参考例3>
硝酸系処理液として、温度が75℃の硝酸水溶液を用いた以外は、参考例1と同様にしてろう付け品を得た。
<参考例4>
硝酸系処理液として、硝酸含有率が68質量%であり温度が75℃の硝酸水溶液を用いた以外は、参考例1と同様にしてろう付け品を得た。
Figure 0006063644
上記のようにして得られた各ろう付け品に対して下記評価法に基づいてろう付け性の評価を行った。これらの評価結果を表1〜3に示す。
<ろう付け性評価法>
ろう付け品の外観観察及び断面観察を行い、下記判定基準に基づいて評価した。
(判定基準)
「○」…均一なフィレットが形成されており、ろう付け性が良好である
「△」…母材(水平板)にろうが濡れているがフィレットが不均一である
「×」…母材(水平板)にろうが濡れておらずフィレットも形成されていない。
表から明らかなように、本発明の製造方法で得られたろう付け用アルミニウム材を用いて製造された実施例1〜8のろう付け品は、ろう付け性は良好であった。
これに対し、本発明の製造方法を採用せずに製造された比較例1〜22のろう付け品は、ろう付け性が悪かった。
なお、実施例1〜8について、それぞれ乾燥手法として、エアブロー(150℃の空気の吹き付け)に代えて、150℃の乾燥炉に5分間入れて乾燥するという手法を採用したところ、得られたろう付け品のろう付け性の評価は、いずれも「○」(ろう付け性良好)であった。
また、実施例1〜8について、液滴を切った後、エアブロー(150℃の空気の吹き付け)を行うことなく(乾燥工程を省略して)、仮組品をそのまま600℃のろう付け炉(窒素雰囲気、露点:−70℃、酸素濃度:5ppm)に5分間入れて加熱してろう付け接合を行ったところ、得られたろう付け品のろう付け性の評価は、いずれも「○」(ろう付け性良好)であった。
本発明に係るろう付け用アルミニウム材の製造方法で製造されたアルミニウム材は、例えば、自動車用熱交換器、各種産業用熱交換器等のアルミニウムろう付け品に使用されるが、特にこれら例示した用途に限定されるものではない。
また、本発明に係るろう付け品の製造方法で製造されたろう付け品の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車用熱交換器、各種産業用熱交換器等が挙げられる。
1…ろう付け品
2…板
3…ブレージングシート
11…基層
12…ろう材層
30…組み付け品(仮組品)

Claims (5)

  1. アルミニウム材をモノカルボン酸水溶液で処理するエッチング処理工程と、
    前記エッチング処理工程を経た前記アルミニウム材を、前記モノカルボン酸水溶液の沸点以上の温度に加熱することによって乾燥を行う乾燥工程と、を含み、
    前記エッチング処理工程において、前記モノカルボン酸水溶液として、70℃以上であって該モノカルボン酸水溶液の沸点より低い温度に設定されたモノカルボン酸水溶液を用いることを特徴とするろう付け用アルミニウム材の製造方法。
  2. 前記エッチング処理工程において、前記モノカルボン酸水溶液として、蟻酸含有率が10質量%〜70質量%の蟻酸水溶液であって70℃以上で該蟻酸水溶液の沸点より低い温度に設定された蟻酸水溶液を用いることを特徴とする請求項1に記載のろう付け用アルミニウム材の製造方法。
  3. 前記エッチング処理工程において、前記モノカルボン酸水溶液として、酢酸含有率が10質量%〜50質量%の酢酸水溶液であって80℃以上で該酢酸水溶液の沸点より低い温度に設定された酢酸水溶液を用いることを特徴とする請求項1に記載のろう付け用アルミニウム材の製造方法。
  4. 前記アルミニウム材を水洗する水洗工程を備えていないことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のろう付け用アルミニウム材の製造方法。
  5. 前記アルミニウム材として、アルミニウム材の表面の少なくとも一部にAl−Si系合金ろう材がクラッドされてなるブレージングシートを用いる請求項1〜のいずれか1項に記載のろう付け用アルミニウム材の製造方法。
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