JP6063106B2 - 固体状染毛剤組成物及びそれを用いた染毛方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化染料及び酸化剤から選ばれる少なくとも一種を含有する固体状染毛剤組成物に関し、さらに詳しくは、染毛力に優れ、鮮やかな暖色系の色調で染毛することができる固体状染毛剤組成物に関する。
一般に、毛髪化粧料組成物として、例えば酸化染料及びアルカリ剤を含有する第1剤、並びに酸化剤を含有する第2剤から構成される染毛剤組成物が知られている。第1剤及び第2剤は、例えば水、界面活性剤等を含有し、クリーム状又は液状として構成される。第1剤及び第2剤は、使用時に混合された後、毛髪に塗布して染毛処理に用いられる。また、粉末状の酸化剤及び粉末状の酸化染料を配合する粉末染毛剤組成物が知られている。かかる粉末染毛剤組成物は、例えば使用時に水と混合された後、毛髪に塗布して染毛処理に用いられる。粉末染毛剤組成物は、クリーム状又は液状の染毛剤組成物に比べて使用法が簡便であり、取り扱い性及び携帯性に優れるという特長を有する。
従来より、特許文献1に開示される粉末染毛剤組成物が知られている。特許文献1の粉末染毛剤組成物は、保存安定性を高める為に、酸化剤として過ホウ酸塩又は過炭酸塩、染料として硫酸2,4−ジアミノフェノキシエタノールを用いている。かかる粉末染毛剤組成物は、染色性及び堅牢性に優れた深みのある黒褐色の色調に染毛することができる。一方、粉末染毛剤組成物において、暖色系の色調に染毛する場合、従来、直接染料であるニトロ染料が用いられてきた。しかしながら、直接染料は、染毛処理後の堅牢性が劣るという問題があった。
そこで、特許文献2,3に開示される粉末染毛剤組成物が知られている。特許文献2は、染料としてp−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン及びそれらの塩の中から選ばれる少なくとも一種以上、並びに5−アミノ−2−メチルフェノール、5−(2−ヒドロキシアミノ)−2−メチルフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール及びそれらの塩の中から選ばれる一種以上を含有する粉末染毛剤組成物について開示する。特許文献3は、染料としてp−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン及びそれらの塩の中から選ばれる少なくとも一種以上、4−アミノ−3−メチルフェノール及びその塩の中から選ばれる一種以上、並びに5−アミノ−2−メチルフェノール、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩の中から選ばれる一種以上を含有する粉末状染毛剤組成物について開示する。特許文献2の粉末染毛剤組成物は、堅牢性に優れた青色〜赤紫色の鮮やかな色調に染毛することができる。特許文献3の粉末染毛剤組成物は、堅牢性に優れ、橙色〜赤色〜紫色の鮮やかな色調に染毛することができる。
特開2001−253812号公報 特開2003−104856号公報 特開2003−238369号公報
ところが、特許文献2の粉末染毛剤組成物は、暖色系の色調である橙色を表現することが困難であるという問題があった。また、特許文献3の粉末染毛剤組成物は、必須の染料として含有される4−アミノ−3−メチルフェノールは安定性が悪く、特に酸化剤と一剤中に存在する場合は、劣化しやすくなり、所望の色調が得られない(染毛力が低下する)場合があるという問題があった。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、固体状染毛剤組成物において、特定の酸化染料及び酸化剤を組み合わせて使用することにより上記問題が解決されることを見出したことによりなされたものである。本発明の目的とするところは、染毛力に優れ、鮮やかな暖色系の色調で染毛することができる固体状染毛剤組成物及びそれを用いた染毛方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の固体状染毛剤組成物において、(A)酸化剤及び(B)酸化染料を含有するとともに、暖色系の色調に染毛するための固体状染毛剤組成物において、前記(A)酸化剤は、過炭酸塩であり、前記(B)酸化染料は、少なくとも染料中間体として、(B−1)硫酸p−フェニレンジアミン及び硫酸トルエン−2,5−ジアミンから選ばれる少なくとも一種、(B−2)硫酸p−アミノフェノール、並びに(B−3)硫酸5−アミノ−2−メチルフェノールを含有し、前記固体状染毛剤組成物を、溶媒存在下においてヤギ毛に塗布し、染毛処理した場合、CIE L色空間表示系において、染毛前と染毛後のヤギ毛のb値の差(Δb)が−14以上であり、色の変化ΔEが37.5以上であり、彩度C が15以上になることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の固体状染毛剤組成物において、前記過炭酸塩は、過炭酸ナトリウムであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の固体状染毛剤組成物において、前記過炭酸塩は、20〜60質量%含有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固体状染毛剤組成物において、前記染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計は、1.0〜30質量%であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の固体状染毛剤組成物において、前記染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計に対する過炭酸塩の含有量の質量比が1.0〜18.3であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の固体状染毛剤組成物において、前記固体状染毛剤組成物を、溶媒存在下においてヤギ毛に塗布し、染毛処理した場合、CIE L色空間表示系において、染毛前と染毛後のヤギ毛のa値の差(Δa)が12.5以上であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の固体状染毛剤組成物を用いた染毛方法において、前記固体状染毛剤組成物を、溶媒存在下において毛髪に塗布することにより、染毛処理を施す工程からなることを特徴とする。
本発明によれば、固体状染毛剤組成物及びそれを用いた染毛方法において、染毛力に優れ、鮮やかな暖色系の色調で染毛することができる。
以下、本発明に係る固体状染毛剤組成物を具体化した一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の固体状染毛剤組成物は、(A)酸化剤として過炭酸塩、並びに(B)酸化染料として、少なくとも(B−1)硫酸p−フェニレンジアミン及び硫酸トルエン−2,5−ジアミンから選ばれる少なくとも一種、(B−2)硫酸p−アミノフェノール、並びに(B−3)硫酸5−アミノ−2−メチルフェノールを含有することにより得られる。本実施形態の固体状染毛剤組成物は、毛髪を暖色系の色調に染毛するために用いられる。暖色系の色調とは、好ましくはCIE(国際照明委員会:1976)L色空間表示系において、例えば染毛前の毛がヤギ毛の場合、染毛前後のヤギ毛のa値の差(Δa)が12.5以上であり、b値の差(Δb)が−14以上であり、彩度Cが15以上であって、色の変化ΔEが37.5以上になることを示す。尚、CIEL色空間表示系におけるa値及びb値はJISZ8729にも規定され、物体を色に表わす指数を示すものである。a値は赤方向を示し、b値は黄方向を示し、数値の絶対値が大きくなるにつれて色鮮やかになる。彩度(C)は色の鮮やかさを示し、数値が大きくなるにつれ色鮮やかになる。彩度(C)は{(a+(b1/2によって求めることができる。ΔEは色差を示し、染毛前の色を基準とした染まり具合を表す数値であり、数値が大きいほど、染毛力が高いことを示す。ΔEは{(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2によって求めることができる。これらは、市販の色差計(例えば、ミノルタ社製分光測色計CM−508d(標準光源D65))を使用することにより、容易に測定することができる。
固体状の染毛剤組成物とは、染毛剤組成物中において成分として溶媒、例えば水及び有機溶媒を配合しない状態の染毛剤組成物を示す。したがって、固体状染毛剤組成物の具体的な使用方法としては、例えば使用直前において固体状染毛剤組成物を、溶媒に溶解させた後で毛髪に塗布する方法、予め溶媒を塗布した毛髪に付着させる方法、毛髪に付着させた後で溶媒を塗布する方法が挙げられる。配合成分である(A)酸化剤及び(B)酸化染料は、常温(25℃)で固体(粉末)のものが使用される。それにより、(A)酸化剤と(B)酸化染料とが一剤中に同時に配合された場合でも、互いの反応を避けることができ、固体状染毛剤組成物の取り扱い性及び携帯性を著しく向上させることができる。
(A)酸化剤としての過炭酸塩は、毛髪に含まれるメラニンを脱色するとともに、染料としての(B)酸化染料を酸化して発色させる。過炭酸塩としては、例えば過炭酸ナトリウム及び過炭酸カリウムが挙げられる。過炭酸塩として、好ましくは過炭酸ナトリウムが用いられる。酸化剤として過炭酸塩を使用することにより、(B)酸化染料と一剤中に保存した場合においても、(B)酸化染料の安定性を低下させるおそれがない。また、染毛処理において毛髪を明るく脱色することができるとともに、(B)酸化染料の酸化重合反応により毛髪を鮮やかな暖色系の色調に染毛することができる。
固体状染毛剤組成物中における過炭酸塩の含有量は、好ましくは20〜60質量%であり、より好ましくは25〜60質量%であり、さらに好ましくは30〜55質量%である。過炭酸塩の含有量が20質量%未満では、メラニンを十分に脱色することができない場合があるとともに、酸化染料を十分に酸化することができない場合がある。それにより、染毛力が低下し、鮮やかな暖色系の色調で染毛処理することが困難となる場合がある。過炭酸塩の含有量が60質量%を超えても、それ以上の染毛力の向上効果は得られず、さらに毛髪に損傷等の不具合が発生するおそれがある。
(B)酸化染料は、(A)酸化剤による酸化重合に起因して発色可能な化合物であり、染料中間体及びカプラーに分類される。本実施形態の固体状染毛剤組成物は、少なくとも染料中間体の硫酸塩として、(B−1)硫酸p−フェニレンジアミン及び硫酸トルエン−2,5−ジアミンから選ばれる少なくとも一種、(B−2)硫酸p−アミノフェノール、並びに(B−3)硫酸5−アミノ−2−メチルフェノールを含んでいる。これらの染料中間体の硫酸塩として、(B−1)〜(B−3)を組み合わせて使用することにより、鮮やかな暖色系の色調に染毛することができる。また、(A)酸化剤と一剤中に保存した場合においても、良好な安定性を発揮することができ、染毛力が低下するおそれがない。
固体状染毛剤組成物中における染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計は、好ましくは1.0〜30質量%、より好ましくは2.0〜25.0質量%であり、さらに好ましくは3.0〜20.0質量%である。染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計が、1.0質量%未満では、染毛力が低下する場合がある。染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計が30質量%を超えても、それ以上の染毛力の向上効果は得られない。(B−1)〜(B−3)成分の配合比は、所望の色により適宜設定される。例えば、(B−1)成分の含有量に対する(B−2)成分及び(B−3)成分の含有量の合計は、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上に規定される。
固体状染毛剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で前記酸化染料以外の他の染料、例えば「医薬部外品原料規格」(2006年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料としての染料中間体及びカプラー、並びに直接染料から選ばれる少なくとも一種を適宜含有してもよい。他の染料中間体としては、例えばp−メチルアミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、及びそれらの塩が挙げられる。また、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、及びp−アミノフェノールが挙げられる。カプラーは、染料中間体と結合することにより発色する。カプラーとしては、例えばm−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、2,6−ジアミノピリジン、及びそれらの塩が挙げられる。また、5−アミノ−o−クレゾールが挙げられる。
固体状染毛剤組成物中における(B)染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計に対する(A)酸化剤としての過炭酸塩の含有量の質量比(A/B)は、好ましくは1.0〜18.3、より好ましくは1.25〜18.3である。(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計に対する過炭酸塩の含有量の質量比(A/B)が1.0未満では、メラニンをより十分に脱色することができず、より鮮やかな暖色系の色調で染毛処理することができない場合がある。(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計に対する過炭酸塩の含有量の質量比(A/B)が18.3を超えると、染毛力が低下する場合がある。
固体状染毛剤組成物は、必要に応じて、前述した成分以外の成分、例えば水溶性高分子化合物、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、アルカリ剤、防腐剤、ポリペプチド、pH調整剤、キレート化剤、酸化防止剤、ビタミン、香料、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、賦形剤、色素及び紫外線吸収剤を含有してもよい。
水溶性高分子化合物としては、増粘剤として配合され、固体状染毛剤組成物が溶媒に混合された際、粘度を増加させる。そのため、固体状染毛剤組成物は好ましくは水溶性高分子化合物を含有する。水溶性高分子化合物としては、例えばキサンタンガム、変性キサンタンガム、グアーガム、アルギン酸ナトリウム、トラガントガム、ローカストビーンガム、馬鈴薯デンプン、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、並びに第4級窒素含有セルロースエーテルが挙げられる。
固体状染毛剤組成物中における水溶性高分子化合物の含有量は、目的又は用途等に応じ適宜設定することができるが、塗布性を向上させる観点から、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与する。また、固体状染毛剤組成物が特に粉末状の場合、保存及び使用時における粉末状成分の飛散を防止する。そのため、固体状染毛剤組成物は、好ましくは油性成分を適量含有する。油性成分としては、例えば油脂、ロウ、高級アルコール、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル、及びシリコーンが挙げられる。
油脂としては、例えばラノリン、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウとしては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。高級アルコールとしては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
エステルとしては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、及び2−エチルヘキサン酸セチルが挙げられる。
シリコーンとしては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650〜10,000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、及びフッ素変性シリコーンが挙げられる。これらの油性成分の具体例の内、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
多価アルコールとしては、例えばグリコール、及びグリセリンが挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、及び1,3−ブチレングリコールが挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリンが挙げられる。
界面活性剤は、使用時に乳化剤又は各成分の可溶化剤として染毛剤組成物を乳化し、粘度を調整したり粘度安定性を向上させたりする。そのため、染毛剤組成物は好ましくは界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられる。これらの中で、染毛剤組成物の溶媒である水に対する相溶性が向上する点からアニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。アルキル硫酸塩としては、例えばラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。スルホコハク酸エステルとしては、例えばスルホコハク酸ラウリル二ナトリウムが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルケニルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルケニルジメチルアンモニウム塩、ラノリン脂肪酸アミドプロピルエチルジメチルアンモニウム、アルキロイルアミドプロピルジメチルアミン、アルキルピリジニウム塩、及びベンザルコニウム塩が挙げられる。これらの界面活性剤のカチオン基の対イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルキル硫酸イオン、及びサッカリンが挙げられる。アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、及び塩化ラウリルトリメチルアンモニウムが挙げられる。ベンザルコニウム塩としては、例えば塩化ベンザルコニウムが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、及びアルキルアミンオキサイドが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えばラウレス(ポリオキシエチレン(POE)ラウリルエーテル)、セテス(ポリオキシエチレンセチルエーテル)、ステアレス(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)、オレス(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)、及びパレスが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、及びラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)が挙げられる。
アルカリ剤は、染毛力をより向上させるために配合してもよい。アルカリ剤としては、常温で固体状のものが使用され、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、及びメタケイ酸ナトリウムが挙げられる。防腐剤としては、例えばパラベンが挙げられる。ポリペプチドは、毛髪を保護するために配合してもよい。ポリペプチドとしては、例えば、タンパク質、例えばコラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆タンパク及びカゼインを、酸、アルカリ又はプロテアーゼを用いて加水分解した加水分解物、並びに4級化したカチオン変性タンパク質が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸第一アンモニウム、リン酸第二アンモニウム、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、安息香酸、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び塩基性アミノ酸が挙げられる。キレート化剤としては、例えばエチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、並びに1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその塩が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばアスコルビン酸及び亜硫酸塩が挙げられる。賦形剤としては、例えば硫酸ナトリウムが挙げられる。
本実施形態の固体状染毛剤組成物は、使用時に溶媒の存在下で毛髪に塗布されることにより染毛処理に用いられる。固体状染毛剤組成物の具体的な使用方法としては、例えば、初めに固体状染毛剤組成物に溶媒を適量配合し、得られた混合物を毛髪に塗布することにより染毛処理する方法が挙げられる。また、予め毛髪に溶媒を塗布した後、固体状染毛剤組成物を毛髪に付着させることにより染毛処理する方法、及び初めに固体状染毛剤組成物を毛髪に塗布し、次に毛髪に溶媒を塗布することにより染毛処理する方法を適用してもよい。均染性の向上観点から、固体状染毛剤組成物を予め溶媒に溶解させた後、得られた混合物を毛髪に塗布する方法が好ましい。固体状染毛剤組成物に溶媒として水を適量配合する場合、固体状染毛剤組成物と水の配合比は、質量比として好ましくは1:2〜20、より好ましくは1:3〜10である。固体状染毛剤組成物に対する水の配合比が1未満であると、固体状染毛剤組成物を溶媒中に十分に分散又は溶解させることができない場合がある。それにより、より鮮やかな暖色系の色調で染毛処理することができない場合がある。一方、固体状染毛剤組成物に対する水の配合比が20を超えると、各成分の最終濃度が低下し、適正な粘度及び染毛力が得られない場合がある。
染毛処理時に用いられる溶媒としては、水及び有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、例えばエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、エチルカルビトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で配合してもよいし、複数を組み合わせて配合してもよい。これらの水又は有機溶剤の中でも、利便性の観点から好ましくは水又はエタノール、より好ましくは水が用いられる。
本実施形態の固体状染毛剤組成物は、溶媒に対する分散性及び流動性を改善し、毛髪へのなじみ易さを向上させるために、分散剤をさらに配合してもよい。分散剤としては、例えばステアリン酸金属塩、ケイ酸、ケイ酸金属塩、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、デンプン、及び乳糖が挙げられる。ステアリン酸金属塩としては、例えばステアリン酸カルシウム及びステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
混合物の調製方法は、各種調製用具、例えばボトル、カップ、及びトレーを用い調製することができる。調製用具は、混合物の粘度等により適宜選択される。調製用具の中でも、ボトルを採用することが好適である。すなわち、固体状染毛剤組成物及び溶媒とを所定の比率でボトル内に封入してそのボトルを振とうすることにより、各剤を容易かつ速やかに混合することができる。さらに、ボトルと、そのボトルに連結されるとともに同ボトル内の混合物を吐出する塗布具とを備えたアプリケータ容器を用いることがより好適である。こうしたアプリケータ容器を用いることにより、ボトル内における混合物の調製と、塗布具による混合物の毛髪への塗布を行うことができるため、塗布操作がより簡便となる。アプリケータ容器の備える塗布具としては、櫛状、ブラシ状、ノズル状等の塗布具が挙げられる。アプリケータとしては、櫛体でコーミングしながら毛髪に混合液を塗布することができる櫛付き容器が利便性の観点から好ましい。
固体状染毛剤組成物は、溶媒とともに毛髪に塗布された後、所定時間放置することにより、毛髪は暖色系の色調に染毛される。所定時間放置後、染毛処理された毛髪は、プレーンリンス(水や温水によるすすぎ)が施された後に乾燥処理される。上記一連の染毛処理工程において、まず過炭酸塩の酸化力により、毛髪内のメラニン色素を酸化分解又は共鳴構造を変化させ、外観上視覚的に毛髪を明るく脱色する。それと同時に過炭酸塩の酸化力により、染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分が酸化重合され、毛髪を鮮やかな暖色系の色調に染毛する。
本実施形態に係る固体状染毛剤組成物は以下の利点を有する。
(1)本実施形態に係る固体状染毛剤組成物は、(A)酸化剤として過炭酸塩及び(B)酸化染料として、少なくとも染料中間体として、(B−1)硫酸p−フェニレンジアミン及び硫酸トルエン−2,5−ジアミンから選ばれる少なくとも一種、(B−2)硫酸p−アミノフェノール、並びに(B−3)硫酸5−アミノ−2−メチルフェノールを含有する。したがって、染毛力に優れ、鮮やかな暖色系の色調で染毛することができる。
(2)好ましくは、過炭酸塩として、過炭酸ナトリウムが含有される。したがって、(B)酸化染料と一剤中に保存した場合においても、(B)酸化染料の安定性を低下させるおそれがない。また、染毛処理において毛髪をより明るく脱色することができるとともに、(B)酸化染料の酸化重合反応により毛髪をより鮮やかな暖色系の色調に染毛することができる。
(3)好ましくは、固体状染毛剤組成物中において、過炭酸塩は、20〜60質量%含有する。したがって、毛髪に損傷を与えることなく(毛髪の感触を低下させることなく)、より鮮やかな暖色系の色調で染毛処理することができる。
(4)好ましくは、固体状染毛剤組成物中において、染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計は、1.0〜30質量%である。したがって、より鮮やかな暖色系の色調で染毛処理することができる。また、直接染料によらず鮮やかな暖色系の色調で染毛処理するため、堅牢性をより向上させることができる。
(5)好ましくは、固体状染毛剤組成物中において、染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計に対する過炭酸塩の含有量の質量比は、1.0〜18.3である。したがって、メラニンをより十分に脱色するとともに、より鮮やかな暖色系の色調で染毛処理することができる。
(6)本実施形態の固体状染毛剤組成物は、使用時まで溶媒を含まない状態で保存される。そのため、当初より液状として調製される染毛剤に比べて、保存安定性に優れ、鮮やかな色調に毛髪を染毛することができる。
前記実施形態は以下のように変更されてもよい。
・上記実施形態の固体状染毛剤組成物の剤型は特に限定されず、例えば粉末状及び粒子状が挙げられる。固体状染毛剤組成物の平均粒径は、溶媒に溶解可能な大きさであれば特に限定されないが、溶媒に対する溶解性、混合性、及び流動性向上の観点から、32〜140メッシュ(mesh)が好ましい。
・上記実施形態の固体状染毛剤組成物において、(A)酸化剤として、過炭酸塩の他に、過ホウ酸塩、例えば過ホウ酸ナトリウム及び過ホウ酸カリウム、並びに過硫酸塩、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸カリウムを、本発明の効果を阻害しない範囲で配合してもよい。固体状染毛剤組成物中における過ホウ酸塩の配合量は、好ましくは5質量%以下である。固体状染毛剤組成物中における過硫酸塩の配合量は、好ましくは5質量%以下である。
・上記実施形態の固体状染毛剤組成物の保存形態は特に限定されず、各成分を全て配合する一剤型として構成されてもよく、各成分を別々に分離させて保存する2剤以上の複数剤型として構成されてもよい。利便性・携帯性の観点から一剤式として構成することが好ましい。一方、(B)酸化染料の安定性を向上する観点から(B)酸化染料と(A)酸化剤を分けて保存し、複数剤型として構成してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
各表に示す各成分を含有する固体状染毛剤組成物を調製した。各表における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。そして、各固体状染毛剤組成物と水とを各表に記載の質量比で混合して混合物を調製した。得られた混合物を、スタッフス社製のヤギ毛の毛束(以下、単に毛束という。)に刷毛を用いて塗布し、30℃恒温槽にて30分間放置した。次に、毛束に付着した混合物を水で洗い流した後、毛束にシャンプーを1回、及びリンスを1回施した。続いて、毛束を温風で乾燥した後、一日間放置することにより染毛処理を施した毛束を得た。得られた毛束について色、染毛力、及び感触の評価を行った。また、得られた毛束について目視により色調を評価した。
表中「成分」欄における(A),(B−1)〜(B−3)の表記は、本願請求項記載の各成分に対応する化合物を示す。一方、表中「成分」欄におけるa,bの表記は、本願請求項記載の各成分の対比化合物を示す。
また、各表において、“水の質量比”欄は、混合物を調整する際の固体状染毛剤組成物の含有量に対する水の含有量の質量比(水/固体状染毛剤組成物)を示す。
また、各表において、“(A)過炭酸ナトリウムの質量比”欄は、固体状染毛剤組成物中における、染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計に対する過炭酸ナトリウムの含有量の質量比(過炭酸ナトリウム/(B−1)〜(B−3)の合計)を示す。
<色に関する評価>
未処理の毛束、及び上記のように混合物により染毛処理された毛束について、分光測色計(ミノルタ社製、型番:CM−508d(標準光源D65))でL***値(CIE1976)(L1、a1及びb1)をそれぞれ測定した。
彩度(C)は{(a+(b1/2によって求めることができる。
未処理の毛束及び染毛処理を施した毛束におけるL***値から、下記の(1)式によって未処理の毛束と染毛処理を施した毛束の色差(ΔE1)を算出した。
ΔE1={(L1−L02+(a1−a02+(b1−b021/2…(1)
1,a1,b1は、それぞれ染毛処理後の毛束のL*値、a*値及びb*値を示す。L0,a0,b0は、それぞれ未処理の毛束のL*値、a*値及びb*値を示す。各値を各表に示す。
(色の評価)
各表中の“色の評価”欄における“優れる”は、彩度(C)が19.5以上であることを示し、“良好”は、彩度(C)が17.0以上19.5未満であることを示し、“やや悪い”は、彩度(C)が14.5以上17.0未満であることを示し、“悪い”は、彩度(C)が14.5未満であることを示す。
(染毛力の評価)
各表中の“染毛力”欄における“優れる”は、色差(ΔE)が45.0以上であることを示し、“良好”は、色差(ΔE)が37.5以上45.0未満であることを示し、“やや悪い”は、色差(ΔE)が30.0以上37.5未満であることを示し、“悪い”は、色差(ΔE)が30.0未満であることを示す。
(目視による色調の評価)
「JISハンドブック 色彩−1996」(1996年4月20日第1版第1刷発行、財団法人日本規格協会)に収載された系統色名に従い、染毛後の色調の評価を行った。結果を各表に示す。尚、表4の“目視による色調”欄における下線の色調は、暖色系の色調が得られていないことを示す。
<感触>
未処理の毛束と、染毛処理した毛束とをパネラーが毛束に指を通した感触を比較し、染毛処理毛束の感触が良いか否か評価した。“優れる”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が7人以上であることを示し、“良い”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が5〜6人であることを示し、“やや悪い”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が3〜4人であることを示し、“悪い”は、パネラー10人中「良い」と答えた人が2人以下であることを示す。結果を各表に示す。
Figure 0006063106
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<考察>
表1〜3に示されるように、各実施例に係る固体状染毛剤組成物においては、色、染毛力及び感触の各評価は、優れる又は良好であることが分かった。
実施例3〜5に係る、(A)過炭酸ナトリウムの含有量が20〜60質量%の範囲にある固体状染毛剤組成物は、実施例1,2に係る(A)過炭酸ナトリウムの含有量が20〜60質量%の範囲外にある固体状染毛剤組成物に比べて色の評価が高い結果となった。
実施例6,8に係る、(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計が1.0質量%以上の固体状染毛剤組成物は、実施例3〜5に係る(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計が1.0質量%未満の固体状染毛剤組成物に比べて染毛力の評価が高い結果となった。
実施例7に係る、酸化染料として(B−1)硫酸トルエン−2,5−ジアミンを含有する固体状染毛剤組成物は、実施例6に係る酸化染料として(B−1)硫酸p−フェニレンジアミンを使用する固体状染毛剤組成物に比べて染毛力の評価が同様に優れた結果となった。また、実施例7に係る固体状染毛剤組成物は、色調が鮮やかな暖色系の色に染毛された。
実施例8に係る、(A)過炭酸ナトリウムの質量比が18.3以下の固体状染毛剤組成物は、実施例6に係る(A)過炭酸ナトリウムの質量比が18.3を超える固体状染毛剤組成物に比べて色差(ΔE)の値が高いことが分かった。
実施例9に係る、(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計が8.0質量%の固体状染毛剤組成物は、実施例6,7に係る(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計が実施例9よりも低い固体状染毛剤組成物に比べて色差(ΔE)の値が高いことが分かった。
実施例11,12に係る、水の質量比が3〜10の染毛剤組成物は、実施例10,13に係る水の質量比が3〜10範囲外の染毛剤組成物に比べて色差(ΔE)の値が高いことが分かった。
実施例15に係る、(A)過炭酸ナトリウムの質量比が18.3以下の固体状染毛剤組成物は、実施例14に係る(A)過炭酸ナトリウムの質量比が18.3を超える固体状染毛剤組成物に比べて色差(ΔE)の値が高いことが分かった。
実施例17に係る、(A)過炭酸ナトリウムの質量比が1.0以上の固体状染毛剤組成物は、実施例16に係る(A)過炭酸ナトリウムの質量比が1.0未満の固体状染毛剤組成物に比べてa値及びC値が高いことが分かった。
実施例18に係る、(A)過炭酸ナトリウムの質量比が1.25以上の固体状染毛剤組成物は、実施例17に係る(A)過炭酸ナトリウムの質量比が1.25未満の固体状染毛剤組成物に比べてa値及びC値が高いことが分かった。
実施例19に係る、(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計が34質量%である固体状染毛剤組成物は、実施例9に係る(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計が8質量%である固体状染毛剤組成物と同様に染毛力の評価が優れた結果となった。
実施例20に係る、(B−1)硫酸トルエン−2,5−ジアミンを含有する固体状染毛剤組成物は、実施例9に係る(B−1)硫酸p−フェニレンジアミンを含有する固体状染毛剤組成物と同様に色の評価が良好以上であり、染毛力の評価が優れた結果となった。
実施例21に係る、酸化染料として(B−1)〜(B−3)成分及び(B−1)〜(B−3)成分以外の酸化染料として硫酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール(全酸化染料に対し1質量%以下)を配合する固体状染毛剤組成物は、酸化染料として(B−1)〜(B−3)成分のみを含有する実施例9と同様に暖色系の色調が得られることが分かった。
表4に示されるように、固体状染毛剤組成物中において(B−2)成分を含有しない比較例1は、目的とする暖色系の色調が得られなかった。
固体状染毛剤組成物中において(A)過炭酸ナトリウムを含有しない比較例2は、目的とする暖色系の色調が得られなかった。
固体状染毛剤組成物中において(B−3)成分を含有しない比較例3は、目的とする暖色系の色調が得られなかった。
固体状染毛剤組成物中において(A)過炭酸ナトリウムの代わりに過ホウ酸ナトリウムを含有する比較例4,5は、染毛力が各実施例に対し劣ることが分かった。
固体状染毛剤組成物中において(A)過炭酸ナトリウムの代わりに過ホウ酸ナトリウムを含有し、且つ(B−1)〜(B−3)成分の含有量を比較例5よりも多くした比較例10は、色の評価が比較例5に対し劣ることが分かった。
固体状染毛剤組成物中において(A)過炭酸ナトリウムの代わりに過硫酸ナトリウムを含有する比較例6は、染毛力及び感触が各実施例に対し劣ることが分かった。また、目的とする暖色系の色調が得られなかった。
固体状染毛剤組成物中において(B−2)成分を含有しない比較例7は、目的とする暖色系の色調が得られなかった。
固体状染毛剤組成物中において(B−3)成分を含有しない比較例8は、目的とする暖色系の色調が得られなかった。また、染毛力が各実施例に対し劣ることが分かった。
固体状染毛剤組成物中において(B−1)成分を含有しない比較例9は、染毛力が各実施例に対し劣ることが分かった。
固体状染毛剤組成物中において(B−3)成分を含有せず、且つ4−アミノ−3−メチルフェノールを含有する比較例11は、目的とする暖色系の色調が得られなかった。また、染毛力が各実施例に対し劣ることが分かった。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)前記固体状染毛剤組成物を用いた染毛方法において、前記固体状染毛剤組成物と水とを、質量比として1:2〜20で混合する工程、得られた混合物を毛髪に塗布することにより、染毛処理を施す工程からなることを特徴とする固体状染毛剤組成物を用いた染毛方法。

Claims (7)

  1. (A)酸化剤及び(B)酸化染料を含有するとともに、暖色系の色調に染毛するための固体状染毛剤組成物において、
    前記(A)酸化剤は、過炭酸塩であり、
    前記(B)酸化染料は、少なくとも染料中間体として、(B−1)硫酸p−フェニレンジアミン及び硫酸トルエン−2,5−ジアミンから選ばれる少なくとも一種、(B−2)硫酸p−アミノフェノール、並びに(B−3)硫酸5−アミノ−2−メチルフェノールを含有し、
    前記固体状染毛剤組成物を、溶媒存在下においてヤギ毛に塗布し、染毛処理した場合、CIE L色空間表示系において、染毛前と染毛後のヤギ毛のb値の差(Δb)が−14以上であり、色の変化ΔEが37.5以上であり、彩度C が15以上になることを特徴とする固体状染毛剤組成物。
  2. 前記過炭酸塩は、過炭酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の固体状染毛剤組成物。
  3. 前記固体状染毛剤組成物中において、前記過炭酸塩は、20〜60質量%含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体状染毛剤組成物。
  4. 前記固体状染毛剤組成物中において、前記染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計は、1.0〜30質量%であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固体状染毛剤組成物。
  5. 前記固体状染毛剤組成物中において、前記染料中間体としての(B−1)〜(B−3)成分の含有量の合計に対する過炭酸塩の含有量の質量比は、1.0〜18.3であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の固体状染毛剤組成物。
  6. 前記固体状染毛剤組成物を、溶媒存在下においてヤギ毛に塗布し、染毛処理した場合、CIE L色空間表示系において、染毛前と染毛後のヤギ毛のa値の差(Δa)が12.5以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の固体状染毛剤組成物。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の固体状染毛剤組成物を用いた染毛方法において、前記固体状染毛剤組成物を、溶媒存在下において毛髪に塗布することにより、染毛処理を施す工程からなることを特徴とする固体状染毛剤組成物を用いた染毛方法。
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