JP6059779B1 - ダイポールアンテナ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】共振周波数を大きく変化させることなく特性インピーダンスを変化させることが可能なダイポールアンテナを実現する。【解決手段】端部に第1の給電点Pが設けられた第1のエレメント11と、中間部に第2の給電点Qが設けられ、第2の給電点Qが第1の給電点Pと対向するように配置された第2のエレメント12と、を備え、第2のエレメント12は、第2の給電点Qにより放射部12aと整合部12bとに二分されており、整合部12bの少なくとも一部が第1のエレメント11と並走している。【選択図】図1

Description

本発明は、2つのエレメントを備えたダイポールアンテナに関する。また、そのようなダイポールアンテナの製造方法に関する。
無線通信機能を有する電子機器の普及に伴い、このような電子機器への搭載に適した各種アンテナの開発が進められている。例えば、エレメント(線状又は帯状導体)とグランド(面状導体)とにより構成されるモノポールアンテナは、フレキシブルプリント基板等の誘電体基板への実装が可能であるため、電子機器への搭載に適している。また、2つのエレメント(線状又は帯状導体)により構成されるダイポールアンテナも、同様の理由で電子機器への搭載に適している。
ところで、アンテナ設計においては、その共振周波数を送受信しようとする電磁波の周波数に一致させることに加え、その特性インピーダンスを給電線路の特性インピーダンスに一致させることが重要である。ところが、特性インピーダンスを所望の値に一致させるべくエレメントの形状に変更を加えると、共振周波数が所望の値から外れてしまうといった事態がしばしば生じ、このことがアンテナ設計の困難性を高めている。
このような問題が考慮されたアンテナとしては、例えば、特許文献1に記載のアンテナ装置が知られている。特許文献1に記載のアンテナ装置は、アンテナ素子(上述したエレメントに相当)とグランド部(上述したグランドに相当)とを備えたアンテナである。このアンテナ装置においては、アンテナ素子から分岐した調整素子をグランド部と容量結合させる構成が採用されており、調整素子の長さを変更することによって、共振周波数を大きく変化させることなく特性インピーダンスを変化させることが可能になっている。
特開2013−21418(公開日:2013年1月31日)
しかしながら、特許文献1に記載のアンテナ装置は、一定以上の面積を有するグランドを要するモノポール型のアンテナである。このため、電子機器に搭載されるアンテナには小型化及び軽量化が求められるところ、特許文献1に記載のアンテナ装置では、この要求に応えることが困難であるという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、グランドを要さないダイポールアンテナにおいて、共振周波数を大きく変化させることなく特性インピーダンスを変化させることが可能な構造を実現することにある。
本発明に係るダイポールアンテナは、端部に第1の給電点が設けられた第1のエレメントと、中間部に第2の給電点が設けられ、上記第2の給電点が上記第1の給電点と対向するように配置された第2のエレメントと、を備え、上記第2のエレメントは、上記第2の給電点により放射部と整合部とに二分されており、上記整合部の少なくとも一部が上記第1のエレメントと並走している、ことを特徴とする。
上記のように構成されたダイポールアンテナは、上記第1のエレメントの長さと上記第2のエレメントの上記放射部の長さの和(以下、「エレメント長」と記載)に応じた共振周波数を有する。したがって、上記エレメント長を適宜変更することによって、上記のように構成されたダイポールアンテナの共振周波数を所望の周波数に一致させることができる。より具体的には、上記エレメント長を所望の周波数に対応する波長の1/2程度に設定することによって、上記ダイポールアンテナの共振周波数を当該所望の周波数に一致させることができる。
また、上記の構成によれば、上記整合部の少なくとも一部が上記第1のエレメントと並走するので、上記整合部と上記第1のエレメントとの間に、上記整合部と上記第1のエレメントとが並走する区間の長さ(以下、「並走区間長」と記載)に応じた容量が生じる。このため、上記のように構成されたダイポールアンテナは、上記並走区間長に応じた特性インピーダンスを有する。したがって、上記並走区間長を適宜変更することによって、上記ダイポールアンテナの特性インピーダンスを所望のインピーダンス(例えば、同軸ケーブルの特性インピーダンス)に一致させることができる。
このように、上記ダイポールアンテナにおいては、上記エレメント長の変更による共振周波数の調整と並走区間長の変更による特性インピーダンスの調整とを互いに独立に行うことができる。したがって、上記エレメント長を変更することなく上記並走区間長を変更することよって、上記ダイポールアンテナの共振周波数を大きく変化させることなく上記ダイポールアンテナの特性インピーダンスを変化させることができる。
本発明に係るダイポールアンテナにおいて、上記第1のエレメントは、上記第1の給電点から第1の方向に伸びる直線部により構成されており、上記整合部は、上記第2の給電点を始端とし、上記第1の方向と直交する第2の方向に伸びる第1の直線部と、上記第1の直線部の終端を始端とし、上記第1の方向に伸びる第2の直線部と、を含んで構成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記第2の直線部の長さを変更することによって、上記並走区間の長さを変化させることができる。したがって、上記整合部の上記第2の直線部の長さを適宜変更することによって、上記ダイポールアンテナの特性インピーダンスを所望のインピーダンスに一致させることができる。すなわち、上記ダイポールアンテナにおける特性インピーダンスの調整を更に容易にすることができる。
本発明に係るダイポールアンテナにおいて、上記整合部の上記第2の直線部と上記第1のエレメントとが並走する区間の長さは、上記第1のエレメントの長さの1/2以上2/3以下である、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記整合部の上記第2の直線部の長さを変更しても、上記ダイポールアンテナの共振周波数は殆ど変化しない。したがって、上記エレメント長を変更することなく上記整合部の上記第2の直線部の長さを変更することよって、上記ダイポールアンテナの共振周波数を殆ど変化させることなく上記ダイポールアンテナの特性インピーダンスを変化させることができる。すなわち、上記ダイポールアンテナにおける特性インピーダンスの調整を更に容易にすることができる。
本発明に係るダイポールアンテナにおいて、上記放射部は、上記第2の給電点を始端とし、上記第2の方向と反対方向に伸びる第1の直線部と、上記第1の直線部の終端を始端とし、上記第1の方向に伸びる第2の直線部と、を含んで構成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記整合部の上記第2の直線部に加えて、上記放射部の上記第2の直線部が上記第1のエレメントと並走するので、上記整合部と上記第1のエレメントとの間に加えて、上記放射部と上記第1のエレメントとの間に容量が生じる。このため、上記放射部の上記第2の直線部のみが上記第1のエレメントと並走する場合と比べて、上記第1のエレメントと上記第2のエレメントとの間に生じる容量を大きくすることができる。これにより、上記放射部の上記第2の直線部のみが上記第1のエレメントと並走する場合と比べて、上記ダイポールアンテナの特性インピーダンスの調整範囲を広げることができる。
また、上記の構成によれば、上記第1のエレメント、上記整合部の上記第2の直線部、及び上記放射部の上記第2の直線部がコプレナー伝送路を構成する。このため、上記第1の給電点を介して上記第1のエレメントに入力された高周波電流が上記第1の方向に流れ易くなり、その結果、上記第1の方向を電界の振動方向とする直線偏波が上記ダイポールアンテナから効率よく放射される。
本発明に係るダイポールアンテナにおいて、上記放射部は、上記第1の直線部と、上記第2の直線部と、上記第2の直線部の終端を始端とし、上記第2の方向と反対方向に伸びる第3の直線部と、上記第3の直線部の終端を始端とし、上記第1の方向と反対方向に伸びる第4の直線部と、により構成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記エレメント長を短くすることなく、上記放射部の配置に要する領域を狭小化することができる。すなわち、上記ダイポールアンテナの共振周波数を高周波側にシフトさせることなく、上記ダイポールアンテナを小型化することができる。
本発明に係るダイポールアンテナにおいて、上記放射部は、上記第2の給電点を始端とし、上記第2の方向と反対方向に伸びる直線部により構成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記放射部が折れ曲がっている場合と比べて、上記ダイポールアンテナの放射利得を大きくすることができる。
なお、上記ダイポールアンテナの製造方法において、上記ダイポールアンテナの特性インピーダンスが給電線路の特性インピーダンスと整合するように、上記第1のエレメントと上記整合部とが並走する区間の長さを設定する工程を含む製造方法も、本発明の範疇に含まれる。
本発明によれば、グランドを要さないダイポールアンテナにおいて、共振周波数を大きく変化させることなく特性インピーダンスを変化させることができる。すなわち、共振周波数を大きく変化させることなく特性インピーダンスを変化させるということが可能なアンテナを、特許文献1に記載のアンテナ装置よりも小型かつ軽量に実現することができる。
(a)は、本発明の第1の実施形態に係るダイポールアンテナの平面図である。(b)は、(a)に示すダイポールアンテナの断面図である。 図1に示すダイポールアンテナの周波数特性を示すグラフである。実線は、VSWRの周波数依存性を示し、点線は、平均放射利得の周波数依存性を示す。 図1に示すダイポールアンテナの放射パターンを示すグラフである。(a)は、yz面における放射パターンを示し、(b)は、xy面における放射パターンを示し、(c)は、zx面における放射パターンを示す。 図1に示すダイポールアンテナの周波数特性を示すグラフである。並走区間長Lを第1のエレメントの長さL1の1/3、1/2、2/3、5/6としたときに得られる、VSWRの周波数依存性を示す。 本発明の第2の実施形態に係るダイポールアンテナの平面図である。 図5に示すダイポールアンテナの周波数特性を示すグラフである。実線は、VSWRの周波数依存性を示し、点線は、平均放射利得の周波数依存性を示す。
≪第1の実施形態≫
本発明の第1の実施形態に係るダイポールアンテナについて、図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。
〔ダイポールアンテナの構成〕
まず、本実施形態に係るダイポールアンテナ1の構成について、図1を参照して説明する。図1において、(a)は、ダイポールアンテナ1の平面図であり、(b)は、ダイポールアンテナ1のAA’断面図である。
ダイポールアンテナ1は、図1(a)に示すように、互いに絶縁された2つのエレメント11,12を備えた平面ダイポールアンテナである。本実施形態において、これら2つのエレメント11,12は、図1(b)に示すように、誘電体基板2の一方の表面に接着固定されている。
第1のエレメント11は、一方の端部に第1の給電点Pが設けられた帯状導体であり、その長さL1は、送受信しようとする電磁波の周波数に応じて定められている。第1の給電点Pには、例えば、給電線路の信号ライン(例えば、同軸ケーブルの内側導体)が接続される。本実施形態においては、第1のエレメント11として、第1の給電点Pから、図示した座標系においてy軸負方向(特許請求の範囲における「第1の方向」)に直線的に伸びる帯状導体を用いている。
第2のエレメント12は、中間部に第2の給電点Qが設けられ、第2の給電点Qが第1の給電点Pと対向するように配置された帯状導体である。第2の給電点Qには、給電線路のグランドライン(例えば、例えば、同軸ケーブルの外側導体)が接続される。第2のエレメント12は、第2の給電点Qによって放射部12aと整合部12bとに二分される。
放射部12aは、第2のエレメント12において放射機能を担う部分であり、その長さL2は、送受信しようとする電磁波の周波数に応じて定められている。本実施形態においては、放射部12aとして、折れ曲がった帯状導体を用いている。より具体的には、以下に説明する第1の直線部12a1、第1の角部12a2、第2の直線部12a3、第2の角部12a4、第3の直線部12a5、第3の角部12a6、及び第4の直線部12a7により構成された帯状導体を用いている。
第1の直線部12a1は、第2の給電点Qを始端とし、第1の角部12a2を終端とする帯状導体であり、図示した座標系においてx軸負方向(特許請求の範囲における「第2の方向と反対方向」)に伸びる。第1の角部12a2は、第1の直線部12a1の幅と同じ長さの辺と、第2の直線部12a3の幅と同じ長さの辺とを有する矩形導体である。
第2の直線部12a3は、第1の角部12a2を始端とし、第2の角部12a4を終端とする帯状導体であり、図示した座標系においてy軸負方向(特許請求の範囲における「第1の方向」)に伸びる。第2の角部12a4は、第2の直線部12a3の幅と同じ長さの辺と、第3の直線部12a5の幅と同じ長さの辺とを有する矩形導体である。
第3の直線部12a5は、第2の角部12a4を始端とし、第3の角部12a6を終端とする帯状導体であり、図示した座標系においてx軸負方向(特許請求の範囲における「第2の方向と反対方向」)に伸びる。第3の角部12a6は、第3の直線部12a5の幅と同じ長さの辺と、第4の直線部12a7の幅と同じ長さの辺とを有する矩形導体である。
第4の直線部12a7は、第3の角部12a6を始端とする帯状導体であり、図示した座標系においてy軸正方向(特許請求の範囲における「第1の方向と反対方向」)に伸びる。第4の直線部12a7の終端は、開放されている。
なお、放射部12aの形状が複数の直線部からなる折れ曲がった帯状導体である場合、放射部12aの長さL2は、各直線部の長さの和により与えられる。図示した例に即して言うと、放射部12aの長さL2は、L2=L21(第1の直線部12a1の長さ)+L22(第2の直線部12a3の長さ)+L23(第3の直線部12a5の長さ)+L24(第4の直線部12a7の長さ)により与えられる。
整合部12bは、第2のエレメント12において整合機能を担う部分であり、少なくとも一部が第1のエレメント11と並走するように構成されている。本実施形態においては、整合部12bとして、T字型の帯状導体を用いている。より具体的には、以下に説明する第1の直線部12b1、分岐部12b2、第2の直線部12b3、及び第3の直線部12b4により構成された帯状導体を用いている。
第1の直線部12b1は、第2の給電点Qを始端とし、分岐部12b2を終端とする帯状導体であり、図示した座標系において、第2の給電点Qからx軸正方向(特許請求の範囲における「第2の方向」)に伸びる。分岐部12b2は、第1の直線部12b1の幅と同じ長さの辺と、第2の直線部12b3及び第3の直線部12b4の幅と同じ長さの辺とを有する矩形導体である。
第2の直線部12b3は、分岐部12b2を始端とする帯状導体であり、図示した座標系においてy軸負方向(特許請求の範囲における「第1の方向」)に伸びる。第2の直線部12b3の終端は、開放されている。
第3の直線部12b4は、分岐部12b2を終端とする帯状導体であり、図示した座標系においてy軸正方向に伸びる。第3の直線部12b4の終端は、開放されている。
上記のように構成されたダイポールアンテナ1は、第1のエレメント11の長さL1と第2のエレメント12の放射部12aの長さL2の和(以下、「エレメント長」と記載)L0に応じた共振周波数を有する。したがって、エレメント長L0を適宜変更することによって、ダイポールアンテナ1の共振周波数を所望の周波数f(ダイポールアンテナ1によって送受信しようとする電磁波の周波数)に一致させることができる。より具体的には、エレメント長L0を所望の周波数fに対応する波長λの1/2程度に設定することによって、ダイポールアンテナ1の共振周波数を所望の周波数fに一致させることができる。
なお、ダイポールアンテナ1が自由空間に配置されている場合、λo[m]=c[m/s]/f[1/s]により与えられる自由空間波長λoが周波数fに対応する波長λとなる。一方、ダイポールアンテナ1が誘電体中に配置されている場合(本実施形態のように、ダイポールアンテナ1が誘電体基板2の表面に形成されている場合を含む)、誘電体による波長短縮を見込んだ、自由空間波長λoよりも短い波長が周波数fに対応する波長λとなる。
また、ダイポールアンテナ1においては、整合部12bの少なくとも一部が第1のエレメント11と並走するので、整合部12bと第1のエレメント11との間に、整合部12bと第1のエレメント11とが並走する区間の長さ(以下、「並走区間長」と記載)Lに応じた容量が生じる。このため、ダイポールアンテナ1は、並走区間長Lに応じた特性インピーダンスを有する。したがって、並走区間長Lを適宜変更することによって、ダイポールアンテナ1の特性インピーダンスを所望のインピーダンス(例えば、給電線路の特性インピーダンス)に一致させることができる。
このように、ダイポールアンテナ1の共振周波数は、エレメント長L0を変更することによって調整することができ、ダイポールアンテナ1の特性インピーダンスは、並走区間長Lを変更することによって調整することができる。したがって、エレメント長L0を変更することなく並走区間長Lを変更することよって、ダイポールアンテナ1の共振周波数を大きく変化させることなくダイポールアンテナ1の特性インピーダンスを変化させることができる。
なお、整合部12bが、図1(a)に示すように、第2の給電点Qからx軸正方向に伸びる第1の直線部12b1と第1の直線部12b1の終端からy軸負方向に伸びる第2の直線部12b3とを含んでいる場合には、ダイポールアンテナ1における特性インピーダンスの調整が更に容易になる。なぜなら、第2の直線部12b3の長さを変更するだけで、並走区間長Lを変化させること、すなわち、ダイポールアンテナ1の特性インピーダンスを変化させることができるからである。
また、放射部12aが、図1(a)に示すように、第2の給電点Qからx軸負方向に伸びる第1の直線部12a1と第1の直線部12a1の終端からy軸負方向に伸びる第2の直線部12a3とを含んでいる場合には、ダイポールアンテナ1の特性インピーダンスの調整範囲を広げることができる。なぜなら、整合部12bと第1のエレメント11との間に加えて、放射部12aと第1のエレメント11との間に容量が生じるので、第1のエレメント11と第2のエレメント12との間に生じる容量が大きくなるからである。
また、この場合には、y軸方向を電界の振動方向とする直線偏波をダイポールアンテナ1から効率よく放射することができる。なぜなら、第1のエレメント11、放射部12aの第2の直線部12a3、及び整合部12bの第2の直線部12b3の三者によりコプレナー伝送路が構成されるので、第1の給電点Pを介して第1のエレメント11に入力された高周波電流がy軸方向に流れ易くなるからである。
また、放射部12aが、図1(a)に示すように、折れ曲がった帯状導体である場合には、ダイポールアンテナ1の共振周波数を高周波側にシフトさせることなく、ダイポールアンテナ1を小型化することができる。なぜなら、放射部12aの全長を短くすることなく、放射部12aの配置に要する領域を狭小化することができるからである。
〔アンテナの特性〕
次に、本実施形態に係るダイポールアンテナ1の特性について、図2〜図4を参照して説明する。
なお、図2及び図3に示す特性は、各部の寸法を以下のように設定したダイポールアンテナ1を、28.8mm×9.9mmの誘電体基板2の表面に形成した場合に得られる特性である。図4に示す特性は、整合部12bの第2の直線部12b3の長さと並走区間長Lとを除き、各部の寸法を以下のように設定したダイポールアンテナ1を、28.8mm×9.9mmの誘電体基板2の表面に形成した場合に得られる特性である。
第1のエレメント11の長さ(L1):20.5mm
第2のエレメント12の放射部12a
第1の直線部12a1の長さ(L21): 0.75mm
第2の直線部12a3の長さ(L22):17.00mm
第3の直線部12a5の長さ(L23): 1.00mm
第4の直線部12a7の長さ(L24):17.25mm
第2のエレメント12の整合部12b
第1の直線部12b1の長さ: 1.5mm
第2の直線部12b3の長さ:11.5mm
第3の直線部12b4の長さ: 2.0mm
並走区間長L:10.5mm。
なお、このダイポールアンテナ1は、2.4GHz帯(2412MHz以上2484MHz)に属する電磁波の送受信を目的とするものである。ただし、誘電体基板2による波長短縮を見込んで、エレメント長L0(第1のエレメント11の長さL1と、第2のエレメント12の放射部12aの長さL2との和)は、中心周波数2448MHzに対応する自由空間波長λo≒122.5mmの1/2の約92%に当たる56.5mmに設定している。
図2は、ダイポールアンテナ1の周波数特性を示すグラフである。図2において、実線は、VSRW(Voltage Standing Wave Ratio)の周波数依存性を示し、点線は、平均放射利得の周波数依存性を示す。図2に示すグラフからは、以下のことが確かめられる。
(1)ダイポールアンテナ1のVSWRは、2.4GHz帯において最小値を取る。すなわち、ダイポールアンテナ1は、2.4GHz帯に共振周波数を有する。
(2)ダイポールアンテナ1の平均放射利得は、2.4GHz帯において−4dBを超える。すなわち、ダイポールアンテナ1は、2.4GHz帯において実用に足る平均放射利得を有する。
図3は、2412MHzにおけるダイポールアンテナ1の放射パターン(放射電界の方向依存性)を示すグラフである。図3において、(a)は、yz面における放射パターンを示し、(b)は、xy面における放射パターンを示し、(c)は、zx面における放射パターンを示す(座標系の定義については、図1を参照されたい)。図3に示すグラフからは、以下のことが確かめられる。
(1)ダイポールアンテナ1の放射パターンは、標準ダイポールアンテナの放射パターン(8の字型の放射パターン)よりも無指向に近い。
(2)yz面の放射パターンに関し、z軸正方向における放射電界は、Eφ成分と比べてEθ成分が圧倒的に大きい(Eθ≫Eφ)。すなわち、ダイポールアンテナ1からz軸正方向に放射される電磁波は、y軸方向を電界の振動方向とする直線偏波である。
図4は、整合部12bの第2の直線部12b3の長さを変更することによって、並走区間長Lを第1のエレメント11の長さL1の1/3、1/2、2/3、5/6としたときに得られる、VSWRの周波数依存性を示すグラフである。図4に示すグラフからは、以下のことが確かめられる。
(1)並走区間長Lを変更しても、ダイポールアンテナ1の共振周波数は、大きく変化しない。すなわち、並走区間長Lの変更による特性インピーダンスの調整は、共振周波数を大きく変化させることなく行い得る。
(2)(1/2)×L1≦L≦(2/3)×L1の範囲内で並走区間長Lを変更した場合、ダイポールアンテナ1の共振周波数は、殆ど変化しない。すなわち、並走区間長Lの上記範囲内での変更による特性インピーダンスの調整は、共振周波数を殆ど変化させることなく行い得る。
≪第2の実施形態≫
本発明の第2の実施形態に係るダイポールアンテナについて、図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。
〔ダイポールアンテナの構成〕
まず、本実施形態に係るダイポールアンテナ1’の構成について、図5を参照して説明する。図5は、本変形例に係るダイポールアンテナ1’の平面図である。
本実施形態に係るダイポールアンテナ1’は、図5に示すように、第1の実施形態に係るダイポールアンテナ1(図1参照)において、折れ曲がった帯状導体からなる放射部12aを、x軸負方向(特許請求の範囲における「第2の方向と反対方向」)に直線的に伸びる帯状導体からなる放射部12a’に置き換えたものである。その余の構成については、第1の実施形態に係るダイポールアンテナ1と同様である。
本実施形態に係るダイポールアンテナ1’においても、共振周波数は、エレメント長L0=L1+L2を変更することによって調整することができ、特性インピーダンスは、並走区間長Lを変更することによって調整することができる。したがって、本実施形態に係るダイポールアンテナ1’においても、エレメント長L0を変更することなく並走区間長Lを変更することよって、共振周波数を大きく変化させることなく特性インピーダンスを変化させることができる。
〔ダイポールアンテナの特性〕
次に、本実施形態に係るダイポールアンテナ1’の特性について、図6を参照して説明する。図6は、ダイポールアンテナ1’の周波数特性を示すグラフである。
図6において、実線は、VSRWの周波数依存性を示し、点線は、平均放射利得の周波数依存性を示す。図2に示すグラフからは、以下のことが確かめられる。
(1)ダイポールアンテナ1’のVSWRは、2.4GHz帯において最小値を取る。すなわち、ダイポールアンテナ1は、2.4GHz帯に共振周波数を有する。
(2)ダイポールアンテナ1’の平均放射利得は、2.4GHz帯において−2dBを超える。すなわち、直線的な帯状導体からなる放射部12a’を有するダイポールアンテナ1’は、折れ曲がった帯状導体からなる放射部12aを有するダイポールアンテナ1よりも高い平均放射利得を有する。
≪付記事項≫
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、各種電子機器に搭載するためのダイポールアンテナ、特に、フレキシブルプリント基板の表面に形成されるプリントダイポールアンテナに好適に適用することができる。
1 ダイポールアンテナ
11 第1のエレメント
12 第2のエレメント
12a 放射部
12a1 第1の直線部
12a3 第2の直線部
12a5 第3の直線部
12a7 第4の直線部
12b 整合部
12b1 第1の直線部
12b3 第2の直線部

Claims (6)

  1. 端部に第1の給電点が設けられた第1のエレメントと、
    中間部に第2の給電点が設けられ、上記第2の給電点が上記第1の給電点と対向するように配置された第2のエレメントと、を備え、
    上記第1のエレメントは、上記第1の給電点から第1の方向に伸びる直線部により構成されており、
    上記第2のエレメントは、上記第2の給電点により放射部と整合部とに二分されており、上記整合部の少なくとも一部が上記第1のエレメントと並走しており
    上記放射部は、上記第2の給電点を始端とし、上記第1の方向と直交する第2の方向と反対方向に伸びる第1の直線部と、上記第1の直線部の終端を始端とし、上記第1の方向に伸びる第2の直線部と、上記第2の直線部の終端を始端とし、上記第2の方向と反対方向に伸びる第3の直線部と、上記第3の直線部の終端を始端とし、上記第1の方向と反対方向に伸びる第4の直線部と、により構成されている、
    ことを特徴とするダイポールアンテナ。
  2. 上記整合部は、上記第2の給電点を始端とし、上記第2の方向に伸びる第1の直線部と、上記第1の直線部の終端を始端とし、上記第1の方向に伸びる第2の直線部と、を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のダイポールアンテナ。
  3. 上記整合部の上記第2の直線部と上記第1のエレメントとが並走する区間の長さは、上記第1のエレメントの長さの1/2以上2/3以下である、
    ことを特徴とする請求項2に記載のダイポールアンテナ。
  4. 端部に第1の給電点が設けられた第1のエレメントと、
    中間部に第2の給電点が設けられ、上記第2の給電点が上記第1の給電点と対向するように配置された第2のエレメントと、を備え、
    上記第1のエレメントは、上記第1の給電点から第1の方向に伸びる直線部により構成されており、
    上記第2のエレメントは、上記第2の給電点により放射部と整合部とに二分されており、上記整合部の少なくとも一部が上記第1のエレメントと並走しており、
    上記放射部は、上記第2の給電点を始端とし、上記第1の方向と直交する第2の方向と反対方向に伸びる直線部により構成されている、
    ことを特徴とするダイポールアンテナ。
  5. 上記整合部は、上記第2の給電点を始端とし、上記第2の方向に伸びる第1の直線部と、上記第1の直線部の終端を始端とし、上記第1の方向に伸びる第2の直線部と、を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載のダイポールアンテナ。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載のダイポールアンテナを製造するダイポールアンテナの製造方法において、
    上記ダイポールアンテナの特性インピーダンスが給電線路の特性インピーダンスと整合するように、上記第1のエレメントと上記整合部とが並走する区間の長さを設定する工程を含んでいる、
    ことを特徴とするダイポールアンテナの製造方法。
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