JP6057606B2 - 光学素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤグリッド偏光板等の光学素子及びその製造方法に関する。
近年のフォトリソグラフィー技術の発達により、光の波長レベルの凹凸を有する微細構造パターンを形成することが可能となってきている。このように非常に小さい凹凸構造を有する部材や製品は、半導体分野だけでなく、光学分野においても利用範囲が広く有用である。
例えば、導電材料で形成された金属ワイヤが所定のピッチで平行に配列してなるワイヤグリッドは、そのピッチが入射光(例えば、可視光の波長400nmから800nm)に比べて十分に小さいピッチ(例えば、2分の1以下)であれば、金属ワイヤに対して平行に振動する電場ベクトル成分の光を反射し、金属ワイヤに対して直交する電場ベクトル成分の光を透過できるため、単一偏光を作り出す直線偏光子となり得る。また、ワイヤグリッド偏光板は、透過しない光を反射して再利用することが可能な反射型偏光子であるため、光の有効利用の観点からも有用な光学素子である。
このようなワイヤグリッド偏光板としては、例えば、特許文献1に開示されているものがある。このワイヤグリッド偏光板は、入射光の波長より小さいグリッド周期で間隔が置かれた金属ワイヤを具備する成形体である。また、樹脂等で形成されたフィルム基材上に金属ワイヤを形成することにより、可撓性を有するワイヤグリッド偏光板を形成することも提案されている。
特開2002−328234号公報
一方で、可撓性を有するフィルム基材上に金属ワイヤが形成されたワイヤグリッド偏光板は、応力等により基材が曲がり易い(カールする)。反射型偏光子であるワイヤグリッド偏光板がカールした場合、その透過光は歪み、反射光は予想しえない方向に反射されて迷光になってしまうといった不具合を生じてしまう。このような不具合を改善するための一手法として、ワイヤグリッド偏光板を、ある程度の厚みを有する支持基板上に貼合する方法がある。しかし、支持基板に貼合されたワイヤグリッド偏光板を直線偏光子として用いる場合、支持基板で貼合された領域を使用することとなるため、支持基板の光学特性次第では、ワイヤグリッド偏光板のみの場合と比較して、良好な偏光分離特性を十分に発揮できないことがある他、広角で傾斜入光する光を偏光分離する場合には、支持基板の厚みの影響で収差が生じてしまう等、様々な問題が発生してしまう。
また、ワイヤグリッド偏光板は、上記のような原理、および可視光から赤外光に及ぶ広い波長域で光の吸収が少ないアルミニウムや銀等の導電材料を用いて微細な金属ワイヤを形成することによって、可視光から近赤外光、赤外光に至る広い範囲で優れた偏光特性を有する。しかし、微細な金属ワイヤは強度が非常に低いため、露出した金属ワイヤが硬質な物体と接触することにより、容易に損傷して偏光分離特性が低下してしまう問題がある。
そのため、金属ワイヤ上に当該金属ワイヤを保護するための保護フィルムを設けて耐久性の向上を図る構成も考えられる。具体的には、金属ワイヤの先端部と保護フィルムに設けられた粘着剤層(以下、保護フィルム粘着層と表記する。)とを接着させることで、物理的な接触による金属ワイヤの損傷を防ぐ方法が考えられる。
しかし、ワイヤグリッド偏光板を厳しい温度および湿度環境下で長期間使用する場合、保護フィルム粘着層と金属ワイヤの先端部だけの接触では十分な密着性が得られず、金属ワイヤと保護フィルム粘着層の界面で剥離してしまう可能性が考えられる。したがって、保護フィルムが剥離した場合には、ワイヤグリッド偏光板の耐久性が低下してしまうおそれがある。また、金属ワイヤ上に保護フィルム粘着層を介して、保護フィルムを設けた偏光子とする場合、保護フィルムを構成する基材や保護フィルム粘着層の屈折率や複屈折特性等に起因した光学的歪みの影響により、偏光分離特性が低下してしまうおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、耐久性及び偏光特性が優れた光学素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光学素子は、微細凹凸構造をフィルム基材表面上に有した、光学的機能を有する光学機能体からなる窓部と、前記光学機能体の外周部に設けられた枠部とを有し、前記枠部は、前記窓部より厚く、かつ、概略平行となる少なくとも一対の辺を有し、前記一対の辺に対して、前記光学機能体の偏光軸または光軸のうち少なくとも一方が、概略平行または概略直交であり、前記枠部を構成する枠構造体が樹脂であると共に、前記枠部の角部内側が、半径0.3mm以上である曲率を有することを特徴とする。
また、本発明の光学素子において、前記光学機能体は、枠部の外周形状が概略矩形状に形成されている構成とすることができる。
また、本発明の光学素子において、前記枠部は、少なくとも2つの辺の幅が互いに異なる構成とすることができる。
また、本発明の光学素子において、前記窓部の厚さが200μm以下であり、前記窓部と前記枠部の厚みの差が100μm以上である構成とすることができる。
また、本発明の光学素子において、前記微細凹凸構造を有する光学機能体表面は、前記枠部の上底よりも低く、下底よりも高い位置にある構成とすることができる。
また、本発明の光学素子において、前記光学機能体表面に設けられた微細凹凸構造は、所定周期で所定方向に平行に延在している構成とすることができる。
また、本発明の光学素子において、前記枠部は、前記光学機能体と、前記光学機能体表面の微細凹凸構造上に粘着層を介して形成された枠構造体とから構成することができる。
また、本発明の光学素子において、前記枠部の透過率が50%以下あるいはヘイズが30%以上で構成することができる。
また、本発明の光学素子の製造方法は、接着層が形成された樹脂に抜き加工を行うことにより枠構造体を形成する工程と、前記枠構造体となる樹脂に光学的機能を有する光学機能体を貼り合わせる工程と、前記光学機能体と前記枠構造体の積層構造を所定形状に裁断する工程と、を有すること特徴とする。
本発明によれば、耐久性及び偏光特性が優れた光学素子及びその製造方法を提供することができる。
実施の形態に係る架枠光学素子の模式図である。 実施の形態に係る架枠光学素子の断面模式図である。 実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板の断面模式図である。 実施の形態に係る架枠光学素子を積層させたスタック構造を示す図である。 実施の形態に係る架枠光学素子の使用形態の一例を示す図である。
本発明者は、偏光分離特性、複屈折特性や反射防止特性といった光学的機能を有する光学機能体からなる窓部と、当該光学機能体の外周部に厚みのある枠部を設けた構成とすることにより、枠部を支持部材として機能させて光学機能体をフラットに保持できると共に、窓部の光学機能体が支持基板と重畳しない構成にすることができることを見出した。
光学機能体を支持基板に貼合して用いる場合には、複屈折特性を考慮した支持基板にしなければ偏光分離特性や複屈折特性を低下させてしまうことがあり、これは使用できる支持基板の材料種を制限することを意味する。また、支持基板貼合による界面増加は透過率を低下させてしまう可能性があるため、反射防止特性の効果を見かけ上低下させてしまう恐れがあったが、本発明品では、このような問題が発生しないことを見出した。
さらに、本発明品は光学機能体をカールさせることなく、容易に取り扱うことができるため、光学機能体の厚みを極力薄くすることができる。これにより、収差低減が可能となるため、使用範囲の拡大が可能となる。窓部を構成する光学機能体の厚さは薄いことが好ましく、200μm以下が光学的には好ましい。以下に、本実施の形態に係る架枠光学素子について、図面を参照して説明する。
図1、図2は、本実施の形態に係る架枠光学素子の一例を示している。図1Aは、架枠光学素子の上面模式図を示し、図1B、1Cは架枠光学素子の断面模式図を示している。また、図2Aは、図1Aにおけるa−a間の断面模式図を示し、図2Bは、図1Aにおけるb−b間の断面模式図を示している。
架枠光学素子100は、光学機能体111で構成される窓部110と、光学機能体111の外周部に設けられた枠部120を有している。枠部120は、窓部110の周辺に設けられ、支持部材として機能する枠構造体121を有している。例えば、枠部120は、図1Bに示すように、架枠光学素子100の外周端部に位置する光学機能体111とその上に設けられた枠構造体121等で構成される場合、図1Cに示すように、枠構造体121のみで構成される場合がある。なお、光学機能体111は、偏光分離特性、複屈折特性や反射防止特性といった光学的機能を有していればよく、前記光学的機能を一つないし複数有することができ、例えば、偏光分離特性を有する吸収型偏光板、反射型偏光板や円偏光板といった偏光子を単数ないし複数種組み合わせたもの(同種の偏光子を重畳したものも含む)や、反射防止特性を有するモスアイ構造や単層ないし複数層の薄膜からなる反射防止層が付与された偏光子や、複屈折特性を有する位相差板そのものや、複屈折特性を有する位相差板を前記偏光子等と組み合わせたもの、光拡散機能を有したフィルムそのものないし光拡散機能を有したフィルムを前記偏光子や位相差板等と組み合わせたもの等を含むことができる。
また、光学機能体111は、図2に示すように、基材101と、基材101上に形成された微細凹凸構造102とで構成することができる。図2Aでは、枠部120が、微細凹凸構造102が形成された光学機能体111と、枠構造体121とが重畳して設けられた構成(図1B参照)である場合を示している。
枠部120は、架枠光学素子100において支持部材として機能し、微細凹凸構造102が形成された光学機能体111の外周部に設けることができる。このように、枠部120を微細凹凸構造102が形成された基材101の外周部に設けることにより、基材101として可撓性を有する樹脂基材を適用する場合であっても、基材101のカールを抑制しフラットな状態を保持することができる。その結果、光学素子の耐久性及び偏光特性を保持することが可能となる。
また、図2に示すように、枠部120は、窓部110を構成する光学機能体111より厚みを有し、粘着剤層104を介して微細凹凸構造102と接着した構成とすることが好ましい。これにより、枠構造体121が重畳しない窓部110の微細凹凸構造102についても効果的に保護することができる。また、この際、粘着剤層104を微細凹凸構造102の凹凸間に充填することにより、接着面積の拡大ができるため、微細凹凸構造102と枠構造体121との密着性を向上することができる。なお、本実施の形態において、粘着剤層104は必ずしも凹凸間に充填しなくてもよい。
図1、図2に示すように、枠部120を外周部に設けて、当該枠部120と重畳しない領域を当該光学素子の窓部110とすることにより、窓部110に厚みを有する支持基板や保護フィルムを有さない構成とすることができる。したがって、支持基板や保護フィルムの屈折率や複屈折特性等に起因した光学歪みの影響による偏光子の光学特性の低下を防止できる。
また、枠部120は、微細凹凸構造102が形成された基材101の外周部に設ければよく、形状は特に限定されない。また、枠部120は、必ずしも微細凹凸構造102が形成された基材101の外周部全周に、連続的な枠構造体121を設ける必要はなく、非連続的な枠部120を作製することも可能ではあるものの、本発明の効果を奏するよう、枠構造体121を設けることは必要である。
また、枠部120は、互いに概略平行となる少なくとも一対の辺を有する構成とすることができる。このとき、光学機能体111が偏光分離特性や複屈折特性を有する場合、前記一対の辺に対して、光学機能体111の偏光軸または光軸のうち少なくとも一方は、概略平行または概略直交であることが好ましい。一般的に、偏光分離特性/複屈折特性の偏光軸方向/光軸方向は、基材として樹脂基材を適用する場合、樹脂基材のMD/TD方向と平行または直交となることにより、高温試験/恒温恒湿試験時の膨張・収縮方向と一致する。この膨張・収縮方向と枠部12の一対の辺を概略平行または概略直交とすることにより、長期信頼性を増すことができる。
また、枠部120が、互いに概略平行となる2辺を有する構成(例えば、矩形状)とすることもできる。この場合、枠部120(枠構造体121)の対向する2辺の幅がそれぞれ異なる構成としてもよい。微細凹凸構造102が基材101の平面において非対称な形状を有する場合(凹凸構造の形状が特定方向に特徴部分を有する場合)には、架枠光学素子100の向きにより偏光分離特性が異なる。そのため、当該微細凹凸構造102の形状と、枠部120の特定の辺(幅が広い辺)を関係付けることにより、目視観察が難しい微細凹凸構造102の形状を容易に把握することが可能となる。これにより、架枠光学素子100の取扱いを容易にすることができる他、架枠光学素子100の剛性を向上させることもできる。なお、枠部120の幅を変化させる以外にも、枠構造体121の角部に切り欠きを作製したり、枠構造体121の角部内側の曲率を変化させたりすることにより、微細凹凸構造102の形状を関係付けることもできる。
また、枠部120を正方形状や矩形状に形成する場合、枠部120の角部内側106が曲率を有するように形成することが好ましい。これにより、様々な方向から架枠光学素子100に加わる応力を効果的に分散でき、また剛性を向上できる。曲率は、剛性と加工性の観点から、半径0.3mm以上とすることが好ましく、さらに好ましくは0.5mm以上である。ただし、大半径化は窓部の有効領域低下を招くため、架枠光学素子100の大きさと枠部の幅等から、適切な半径(曲率)を選択することが好ましい。また、枠部120の角部内側106の曲率が角部間で異なるようにすることで、剛性を向上させることもできる。なお、枠部120は、必ずしも環状とする必要はなく、外周部において不連続な部分があってもよい。
微細凹凸構造102は、偏光分離特性、複屈折特性や反射防止特性等を有する微細凹凸構造(凹凸構造がナノメーターサイズであって、例えば、周期性を有した凹凸のピッチや凹凸の高低差が10ナノメーターから1000ナノメーターのもの)であれば特に限定されない。微細凹凸構造102の一例として、図2に示すように、基材101上に所定の周期で特定の方向(図1AのY方向)に平行に延在して設けられた金属ワイヤが挙げられる。もちろん、微細凹凸構造102は金属ワイヤに限られず、複屈折特性を示す、所定の周期で特定の方向に平行に延在して設けられた微細構造や、モスアイ構造等であれば適用することができる。また、基材101の表面に直接凹凸構造を設けた構成としてもよい。
本発明品は窓部110よりも厚く、剛性のある枠部120を有するため、基材101の両表面に微細凹凸構造102を有した光学機能体111を、微細凹凸構造102の損傷無しに手で保持する、設置するといった取扱いが容易になる。したがって、基材101の両面に微細凹凸構造102を有する構成とすることが可能となり、それは同様の光学特性を示す微細凹凸構造102を基材101両面に有する構成とすることも、異なる光学特性を示す微細凹凸構造102を基材101両面に有する構成とすることもできる。なお、ここでいう枠部の厚みとは、光学機能体の厚み方向の枠部の厚みを指す。
微細凹凸構造102を金属ワイヤで形成する場合、図3に示すように、基材101として、表面に凹凸構造107を有する樹脂基材を適用し、基材101表面の凹凸構造107の一方の側面側に斜め蒸着法等により金属ワイヤ105を形成することができる。この場合、金属ワイヤ105の延在方向や金属ワイヤ105が形成された側面の方向を目視観察で確認することは難しいが、上記のように、枠部120の幅を変えることにより、金属ワイヤ105の形状を容易に把握することが可能となる。図3では、基材101の凸部のうち金属ワイヤ105が形成される側面(偏在面)方向に対応する枠部120の辺の幅(W)を、他の辺の幅(W)より大きくする場合を示している。
粘着剤層104は、微細凹凸構造102が形成される領域の中で、枠部120が形成される外周部に、選択的に形成される構成とすることができる。一般に、微細凹凸構造102を構成する金属ワイヤ105と粘着剤層104が接して設けられる場合、用いる粘着剤種によっては、粘着剤層104に含まれる酸成分等により金属ワイヤ105が腐食し、偏光分離特性が低下する可能性がある。そのため、粘着剤層104を金属ワイヤ105が形成された領域の中で所定の領域に選択的に設けることにより、粘着剤層104と接触する金属ワイヤ105の割合を低減することができる。これにより、金属ワイヤ105の腐食等に起因するワイヤグリッド偏光板の偏光分離特性の低下を低減することができる。また、この場合、測定領域の金属ワイヤ105上に粘着剤層104を設けない構成とすることができるため、測定領域では、金属ワイヤ105間を屈折率が小さい空気層とすることができる。これにより、優れた偏光分離特性を得ることができる。
上記の構成においては、微細凹凸構造102を有した光学機能体111表面(以下、微細凹凸構造面)が、架枠光学素子100の断面における枠部120の上底よりも低く、下底よりも高い位置となるため、微細凹凸構造102に直接接触することが困難となる。微細凹凸構造102は損傷による特性低下が生じ易いため、本構成の採用は有効となる。特に、窓部110と枠部120の厚みの差を100μm以上にすることが好ましく、さらに好ましくは500μm以上とする。
また、本実施の形態に係る架枠光学素子100は、基材101の外周部にある程度の厚みを有する枠部120を有するため、架枠光学素子100を積層させた構造(スタック構造)を好適に適用することができる(図4参照)。スタック構造とする場合、図4に示すように、枠部120を他の架枠光学素子の基材101と接触するように積層することにより、微細凹凸構造102(例えば、上記金属ワイヤ105)の損傷を抑制することができる。また、積層させた架枠光学素子を分離する場合にも、枠部120と基材101との接触部分を剥離させればよいため、容易に剥離することができる。
なお、スタック構造を適用することによって、効率的な輸送が可能となるが、梱包資材としての種々のフィルムは必要となる。例えば、梱包資材としてポリオレフィン系等からなる自己粘着性表面を有した保護フィルムが多く用いられる。しかし、ナノメーターサイズの微細凹凸構造の多くは、自己粘着性表面を有した保護フィルムの粘着面と接着しない。したがって、微細凹凸構造を汚染することはないが、接着しないために保護フィルムとしては機能しなかった。一方、光学機能体111表面の微細凹凸構造102上に粘着剤層104を介して枠構造体121が作製された本実施の形態に係る架枠光学素子100は、光学機能体111よりも厚い枠部120を有するため、枠部120と自己粘着性表面を有した保護フィルムは接着できるが、微細凹凸構造102面とは接着しない(微細凹凸構造102面の汚染もない)。つまり、本発明品は、安価な自己粘着性表面を有した保護フィルムを、好適に用いることができる。
以下、架枠光学素子100を構成する各部材について詳述する。なお、以下の説明では、凹凸構造102を金属ワイヤで形成するワイヤグリッド偏光板を例に挙げて説明する。
<基材>
基材101は、目的とする波長領域において実質的に透明であればよい。例えば、ガラスなどの無機材料や樹脂材料を基材101に用いることができる。他にも、樹脂材料を基材101に用いることができる。基材101として樹脂基材を用いることにより、ロールプロセスが可能になる、ワイヤグリッド偏光板にフレキシブル性を持たすことができる、等のメリットがある。基材101に用いることができる樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。また、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と、ガラスなどの無機基材、上記熱可塑性樹脂、トリアセテート樹脂とを組み合わせたり、単独で用いて基材101を構成させたりすることが出来る。
また、基材101として、図3に示すように、表面に所定の周期を有する凹凸構造107を有する基材を用いることができる。この場合、所定方向に凸部および凹部が延在する凹凸構造107を用いて、凸部に金属膜を選択的に設けることにより金属ワイヤ105を形成することができる(図3参照)。凹凸構造107の周期は特に限定されないが、金属ワイヤ105に要求される周期に対応させることが望ましい。一般にワイヤグリッド構造を有する偏光板は、金属ワイヤ105の間隔(周期)小さくなるほど幅広い波長帯域で良好な偏光特性を示す。金属ワイヤ105が空気(屈折率1.0)と接し、接着性物質で包埋されない場合には、金属ワイヤ105のピッチを対象とする光の波長の1/4〜1/3とすることで、実用的に十分な偏光特性を示すことになるが、導電体を接着性物質で包埋する場合、接着性物質の屈折率の影響を考慮して、対象とする光の波長の1/5〜1/4の周期とすることがさらに好ましい。このため、可視光領域の光の利用を考慮する場合、周期を150nm以下とすることが好ましく、さらに好ましくは130nm以下とすることであり、最も好ましくは100nm以下とすることである。周期の下限は製造工程上50nmである。
基材101表面に形成する凹凸構造107の形状としては、例えば、台形、矩形、方形、プリズム状や、半円状などの正弦波状などが挙げられる。ここで、正弦波状とは凹部と凸部の繰り返しからなる曲線部をもつことを意味する。なお、曲線部は湾曲した曲線であればよく、例えば、凸部にくびれがある形状も正弦波状に含める。透過率の観点から基材断面形状は矩形または正弦波状であることが好ましい。
また、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の樹脂被膜と、ガラスなどの無機基材、または熱可塑性樹脂やトリアセテート樹脂等の樹脂基材とを組み合わせて基材101を構成してもよい。この場合、無機基材または樹脂基材上に形成された樹脂被膜の表面に所定の周期を有する凹凸構造を形成することもできる。鏡面性に優れた平滑性の高い表面が得られるという観点から、樹脂被膜の膜厚は、0.005μm以上3μm以下とすることが好ましい。
<金属ワイヤ>
金属ワイヤ105は、基材101上に所定の周期で所定の方向に略平行に延在するように形成することができる。例えば、基材101として、図3に示すように、表面に所定の周期を有する凹凸構造107を有する基材を用いる場合には、基材101の凸部の少なくとも一方の側の側面に接するように金属膜を形成することにより所定の方向に延在する金属ワイヤ105を設けることができる。
金属ワイヤ105は、アルミニウム、銀、銅、白金、金またはこれらの各金属を主成分とする合金などの導電材料を用いて形成することができる。特に、アルミニウムもしくは銀を用いて金属ワイヤ105を形成することにより、可視域での吸収損失を小さくすることができるため好ましい。
金属ワイヤ105の周期については、上記の通りであるが、所定の方向に対する断面視において、金属ワイヤ105のデューティ比は0.2以上0.8以下であることが好ましい。また、金属ワイヤ105のアスペクト比は0.5以上2.0以下であることが好ましい。これにより、全光透過率を向上することができる。
ここで、金属ワイヤ105のデューティ比とは、断面視における金属ワイヤ105の幅wと、それ以外の部分(空気や樹脂など)の幅Wとの比w/Wをいい、例えば、凹凸構造の平均高さ(半値幅となる高さ)において算出される値である。つまり、デューティ比が十分に小さいということは、平面視において金属ワイヤ105が十分に細いことを示す。また、金属ワイヤ105のアスペクト比とは、金属ワイヤ105の幅wと、金属ワイヤ105の高さhとの比h/wをいうものとする。つまり、アスペクト比が十分に大きいということは、平面視において金属ワイヤ105が十分に細いことを示す。
また、金属ワイヤ105の形成方法に特に制限は無い。例えば、電子線リソグラフィ法または干渉露光法によるマスクパターンニングとドライエッチングとを用いて形成する方法や、斜め蒸着法によって形成する方法などが挙げられる。金属ワイヤ105は非常に薄く形成する必要があるため、生産性、光学対称性の観点からは、斜め蒸着法を用いることが好ましい。
また、光学特性の観点から、不要な金属はエッチングにより除去しても良い。エッチング方法は、基材や誘電体層に悪影響を及ぼさず、金属部分が選択的に除去できる方法であれば特に限定は無いが、生産性の観点からアルカリ性の水溶液に浸漬させる方法が好ましい。ただし、金属ワイヤ105は非常に薄く形成されるため上記のエッチング除去は必須ではない。
<接着層>
光学機能体111と枠構造体121を接着する接着層には、様々な接着剤を用いることができるが、加工性の観点から、固形のシート状のものが好ましく、一例としては、粘着剤を挙げることができる。
図2では、接着層に粘着剤を用いた場合を例示する。粘着剤からなる粘着剤層104は、光学機能体111表面が金属ワイヤ等の低酸耐性であり、前記表面に前記粘着剤層104を貼合する場合には、酸成分を極力含まない材料を用いることも可能である。酸成分を極力含まない材料で金属ワイヤ105を被覆することにより、高温高湿度環境下において水滴の付着による金属ワイヤ105の劣化を抑制すると共に、粘着剤層104に含まれる酸に起因して金属ワイヤ105が劣化することを抑制することができる。酸を極力含まない材料としては、酸価が5.0mgKOH/g以下である材料を用いる。この数値以下の酸強度であれば、粘着剤層104に含まれる酸によって金属ワイヤ105が劣化して、ワイヤグリッド偏光板の偏光度が変動することを抑制することができる。
また、粘着剤層104は、粘着力が強い材料を用いることが好ましい。粘着力が高い材料を用いることにより、金属ワイヤ105と枠構造体121の永久接着を可能とし、高温高湿度環境等においても枠構造体121の剥離を抑制することができる。粘着力が強い材料としては、ガラスに対する粘着力が1.5N/25mm以上である材料を用いればよいが、好ましくは5.0N/25mm以上である。
粘着剤層104の材料としては、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂を使用することができる。耐熱性を考慮する場合には、シリコン系樹脂を主成分とする粘着剤(以下、「シリコン系粘着剤」という)が好ましい。また、透明性や接着力、調達コストなどを考慮する場合には、アクリル系樹脂を主成分とする粘着剤(以下、「アクリル系粘着剤」という)が好ましく、さらに、該粘着剤の樹脂構造中にはヒドロキシル基を有することが偏光特性の低下抑止の観点からより好ましい。
粘着剤層104は、上記したように、基材101上の金属ワイヤ105が形成された領域の全面でなく、所定の領域に設けることが好ましい。また、当該所定の領域において、金属ワイヤ105間を充填するように粘着剤層104を設けることができる。これにより、金属ワイヤ105(及び基材101)と粘着剤層104との密着性を向上することができる。
なお、粘着剤には、添加剤を加えてもよい。添加剤とは、屈折率調整剤や粘着付与剤、充填剤、顔料、希釈剤等であり、粘着剤の安定性を向上させる紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤等が挙げられる。
<枠部・枠構造体>
枠部120を構成する枠構造体121は、ワイヤグリッド偏光板の強度を向上させ、金属ワイヤ105の損傷を防止できる材料・構造が好ましい。また、使用波長領域において、実質的に光を遮光あるいは拡散できる材料で形成することも可能である。これにより、枠構造体121の形状に応じて、測定領域(枠構造体121の内側)を正確に規定することができ、光学系組み込み時には、迷光防止効果も得られる。
枠構造体121の材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)等や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化型樹脂や熱硬化型樹脂が挙げられる。また、UV硬化型樹脂や熱硬化型樹脂と、ガラスや金属等からなる無機系材料、ガラスを含む樹脂基材、熱可塑性樹脂等を単独ないし組み合わせて用いることもできる。なお、組み合わせて用いることができるとは、複数材料を混ぜ合わせて一形状としたものだけでなく、同様ないし異なる材料からなるものを貼着ないし接触させて用いることができることを意味する。例えば、金属からなる枠構造体とポリカーボネート樹脂からなる枠構造体121を接触させた構成を採ることも可能であり、このような構成を採ることで、高温環境下での窓部の膨張および収縮をポリカーボネート樹脂からなる枠構造体が追従でき、金属からなる枠構造体が放熱性と剛直性を付与できる。
また、加工性、耐熱性等の観点から、ポリカーボネート樹脂、PETを用いることが好ましい。また、これらの樹脂等を着色することにより、架枠光学素子100の表裏判別を容易なものとすることができ、特に、枠部120の透過率が50%以下あるいはヘイズが30%以上となるように調整することによって、光学系組み込み時に迷光防止効果を発揮できるため、好ましい。
枠部120の厚みに制限はないもの、窓部110の光学機能体111よりも厚くすることが好ましく、窓部110と枠部120の厚みの差を設けることで、窓部110への接触を防止できる。また、架枠光学素子100の低温あるいは高温環境、高湿度環境への耐性を向上させるために、枠部120の厚みと幅を調整したり、温度変化時の膨張収縮を考慮して枠構造体121の材料を選択したり、枠構造体121の材料をあらかじめアニール処理したりすることも可能である。
<誘電体層>
基材101を構成する材料と金属ワイヤ105との密着性向上の為に、両者の間に両者と密着性の高い誘電体材料を設けてもよい。基材101と金属ワイヤ105の密着性が高いと、基材101からの金属ワイヤ105の剥離を防ぎ、偏光度の低下を抑えることが出来る。好適に用いることが出来る誘電体としては、例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体またはその複合物(誘電体単体に他の元素、単体または化合物が混じった誘電体)や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体またはそれらの複合物を用いることができる。誘電体材料は、透過偏光特性を得ようとする波長領域において実質的に透明であることが好ましい。誘電体材料の積層方法には特に限定は無く、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。
<光学素子の製造方法>
次に、架枠光学素子100の製造方法の一例について説明する。最初に、枠構造体121となる材料に接着層を作製し、続いて抜き加工を施す。これにより、窓部110となる領域が作製できる。枠構造体121の材料種としては、加工性の観点から、樹脂が好ましく、PC、PET等を例示できる。その後、枠構造体121となる材料に光学機能体111を貼合し、所定の枠部外形状に裁断することで、架枠光学素子100が作製できる。
上記の製造方法では、接着層をあらかじめ作製した枠構造体121となる材料に抜き加工を施しているが、抜き加工を施した枠構造体121となる材料に、ディスペンサ等を用いて接着層の塗布を行い、光学機能体111を貼合するといった方法を選択することも可能である。その他、光学機能体111上に、選択的に接着層を形成した後、枠構造体121と貼り合わせることも可能である。
なお、光学機能体111をフィルムとし、枠構造体121となる材料種を樹脂とした場合には、貼合および裁断加工性が良好となるため、一面から複数の架枠構造体を連続的に一括作製することができるようになり、製造コストを安価とすることが可能となる。
(使用形態)
本実施の形態に係るワイヤグリッド偏光子等の架枠光学素子100は、偏光を利用する様々な光学機器に適用することができる。以下に一例として、投影型映像表示機器である反射型液晶プロジェクターでの適用例を説明する。当然ではあるが、これに適用範囲が制限されるものではなく、ヘッドアップディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、デジタルカメラ、各種センサー等に適用することができる。
図5は、反射型液晶プロジェクターの偏光ビームスプリッタとして、本実施の形態に係る架枠光学素子(ここでは、ワイヤグリッド偏光板)を適用する場合を示している。
図5に示すように、反射型液晶プロジェクター20は、LEDなどの光源21と、偏光ビームスプリッタとしてのワイヤグリッド偏光板10と、光源光に映像情報を付加する反射型液晶表示素子22とを備える。必要に応じて、映像光を拡大投影する投射レンズ23や、光源光を所定の偏光とするプレ偏光板等を備えることができる。
光源21から出射した光源光は、偏光ビームスプリッタであるワイヤグリッド偏光板10に入射する。ワイヤグリッド偏光板10で偏光分離され反射した偏光は、反射型液晶表示素子22に入射する。反射型液晶表示素子22に入射し、反射された出射光のうち、前記反射型液晶表示素子22で偏光状態が変調された光は、ワイヤグリッド偏光板10を透過し、投射レンズ23で拡大された後、スクリーンに投影される。
図5に示す構成において、ワイヤグリッド偏光板10は、微細凹凸構造面である導電体(金属ワイヤ105)構造面が反射型液晶表示素子22と面するよう配置することが好ましい。これは、ワイヤグリッド偏光板10の導電体構造面は高い偏光反射率を有し、一方で逆側の面は偏光反射率が相対的に低いため、映像光は明るくしながらも、不要な反射光の低減、つまり迷光の低減が可能となり、投影される映像の品位を向上させることが可能となるからである。
また、プレ偏光板にもワイヤグリッド偏光板からなる架枠光学素子を用いることができるが、光源光が平行光ではなく、広角である場合には、プレ偏光板に用いた架枠光学素子の導電体構造面を偏光ビームスプリッタである架枠光学素子(ワイヤグリッド偏光板10)と面するように配置することが好ましい。このような配置により、ワイヤグリッド偏光板を構成する基材の面内および厚み方向の複屈折特性の影響を排除できるため、投影される映像のコントラスト向上が可能となる。その他、光学系内の光の多重反射防止(迷光防止)の観点から、吸収型偏光板と反射型偏光板からなる光学機能体の架枠光学素子も、好適に用いることができる。
また、ワイヤグリッド偏光板10には、偏光ビームスプリッタとして用いる場合の好ましい配置が存在する。しかし、ワイヤグリッド偏光板を自然光下で目視観察した場合、導電体構造面とそうでない面を判別することや、導電体の延在方向と直交ないし平行となる直線偏光の透過軸方向および反射軸方向を判別することは難しい。例えば、断面視において、基材101表面の凸部の金属ワイヤ105偏在面の逆側から映像光が傾斜入光するように配置する場合、ワイヤグリッド偏光板10の光学特性を確認しながら組込み作業を行う必要があるため、多くの作業時間を要することとなる。
したがって、本実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板10を反射型液晶プロジェクターの偏光ビームスプリッタとして用いる場合、基材101の外周部に形成される枠部120の各辺の幅を変えて設けることが好ましい。例えば、基材101表面の凸部のうち金属ワイヤ105が形成される偏在面側に位置する枠部120の辺の幅を、対向する辺の幅より大きくする。これにより、ワイヤグリッド偏光板10の構造を容易に把握することが可能となる。他にも、枠部120の辺の幅を変化させる代わりに、枠部120の外形形状の特定部位に切れ欠きを設けてもよいし、枠構造体121の角部内側の曲率を変化させたりすることも可能である。
また、本実施の形態に係る架枠光学素子100の窓部110は薄くできるため、偏光ビームスプリッタである架枠光学素子100を透過する光(映像光)への収差等の影響を小さくでき、したがって、投射レンズ23の設計自由度を高めることができる。
なお、本実施の形態に係るワイヤグリッド偏光板1は、可視光、近赤外光、そして赤外光の領域において、光学特性を損なうことなく用いることができるため、領域を用いる映像表示用途、ピックアップ用途やセンサー用途等において好ましく用いられる。ただし、上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。また、上記実施の形態における材質、数量などについては一例であり、適宜変更することができる。また、その他、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。
本発明の光学素子及びその製造方法は、偏光が有用な光学機器等において、好適に用いられる。
10 ワイヤグリッド偏光板
20 反射型液晶プロジェクター
21 光源
22 反射型液晶表示素子
23 投射レンズ
100 架枠光学素子
101 基材
102 微細凹凸構造
104 粘着剤層
105 金属ワイヤ
106 角部内側
107 凹凸構造
110 窓部
111 光学機能体
120 枠部
121 枠構造体

Claims (9)

  1. 微細凹凸構造をフィルム基材表面上に有した、光学的機能を有する光学機能体からなる窓部と、前記光学機能体の外周部に設けられた枠部とを有し、
    前記枠部は、前記窓部より厚く、かつ、概略平行となる少なくとも一対の辺を有し、前記一対の辺に対して、前記光学機能体の偏光軸または光軸のうち少なくとも一方が、概略平行または概略直交であり、
    前記枠部を構成する枠構造体が樹脂であると共に、
    前記枠部の角部内側が、半径0.3mm以上である曲率を有する
    ことを特徴とする光学素子。
  2. 前記枠部の外周形状が概略矩形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記枠部は、少なくとも2つの辺の幅が互いに異なることを特徴とする請求項または請求項に記載の光学素子。
  4. 前記窓部の厚さが200μm以下であり、前記窓部と前記枠部の厚みの差が100μm以上であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光学素子。
  5. 前記微細凹凸構造を有する光学機能体表面は、前記枠部の上底よりも低く、下底よりも高い位置にあることを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の光学素子。
  6. 前記光学機能体表面に設けられた微細凹凸構造は、所定周期で所定方向に平行に延在していることを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の光学素子。
  7. 前記枠部は、前記光学機能体と、前記光学機能体表面の微細凹凸構造上に粘着層を介して形成された枠構造体とから構成されることを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の光学素子。
  8. 前記枠部の透過率が50%以下あるいはヘイズが30%以上であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の光学素子。
  9. 接着層が形成された樹脂に抜き加工を行うことにより枠構造体を形成する工程と、前記枠構造体となる樹脂に光学的機能を有する光学機能体を貼り合わせる工程と、前記光学機能体と前記枠構造体の積層構造を所定形状に裁断する工程と、を有すること特徴とする光学素子の製造方法。
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