JP6057126B2 - プレミックスセメント用粉体状減水剤及びその製造方法 - Google Patents

プレミックスセメント用粉体状減水剤及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プレミックスセメント用粉体状減水剤及びその製造方法に関するものである。
セメント製品の補修・補強にはプレミックスセメント組成物が用いられる。プレミックスセメント組成物とは、セメントや砂等の粉体、水に容易に溶解する粉体状に加工した(高性能)減水剤等の添加剤を予め均一に配合しておき、そこに適量の水を計量し、添加するだけで使用可能となるセメント製品である。
(高性能)減水剤は、プレミックスセメント組成物に、耐久性、作業時の適度な流動性を付与する目的で配合されている。(高性能)減水剤には、ナフタレン系、メラミン系、アミノスルホン酸系、ポリカルボン酸系減水剤が挙げられる。近年では減水性、流動保持性に優れているポリカルボン酸系減水剤が主流となっており、カルボン酸部位を(メタ)アクリル酸を原料とするタイプ、(無水)マレイン酸を原料とするタイプの2種類に大別され、それぞれ目的に合わせて使い分けられている。
粉体化の簡易的な方法は噴霧乾燥であり、ポリカルボン酸系減水剤であるメタクリル酸・メタクリル酸メチルポリエチレングリコール共重合体の水溶液を噴霧乾燥により高収率で粉体化する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、噴霧乾燥する方法では、ブロッキングを抑制し高収率で回収するためには、多量の無機粉体が必要となりポリカルボン酸系減水剤比率が低くなる問題があった。また、特許文献2では、同じポリカルボン酸系減水剤であっても、マレイン酸・アリルアルコールアルキレンオキシド付加体の共重合体水溶液は単一では噴霧乾燥できないため、メタクリル酸・メタクリル酸メチル・メタクリル酸のアルキレンオキシド付加体の共重合体水溶液と特定の比率で混合し、噴霧乾燥することで粉体化する方法が提案されている。
マレイン酸・アリルアルコールアルキレンオキシド付加体の共重合体の単一での粉体化方法としては、2価の金属塩にしてから粉砕機で粉砕し粉体化する方法(特許文献3)、減水剤水溶液を無機粉体に担持し粉体化する方法(特許文献4)が提案されている。しかしながら、2価の金属塩にすると水溶性が低下する問題、また、無機粉体に吸着させる方法では担持させる無機粉体の量が多くなるため粉体中の減水剤の比率が低くなり、使用時の添加量が多くなる問題があった。
特開平6−239652 特開2007−210843 特開平9−309756 特開平10−45451
本発明の課題は、粉体における減水剤の比率が高く、減水性、流動保持性に優れたプレミックスモルタル用粉体状減水剤を提供すること、および前記プレミックスモルタル用粉体状減水剤を噴霧乾燥により得ることである。
すなわち本発明は、
(1) (a)下記式(1)で示される単量体(ア)50〜99質量%、下記式(2)で表されるマレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50質量%、下記式(3)で示される単量体(ウ)0.1〜5質量%の組成を有する中和度が90%以上の共重合体、および
(b)シリカおよび石灰粉体から選ばれる一種以上の無機粉体を、(a):(b)=96:4〜99:1の質量比で含有することを特徴とする、プレミックスセメント用粉体状減水剤である。
Figure 0006057126


(式(1)において、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、Rは、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であり、q=1〜2、p=30〜140、r=0または1である。)
Figure 0006057126


(式(2)において、Xは、水素原子またはアルカリ金属である。)
Figure 0006057126


(式(3)において、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数2〜5のアルケニル基を表し、AOは、炭素数2〜3のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、50モル%以上が炭素数2のオキシアルキレン基で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、s=60〜280である。)
(2) セメント、骨材、混和材、水および[1]に記載のプレミックスセメント用粉体状減水剤を含有するプレミックスセメント組成物である。
(3) (a)下記式(1)で示される単量体(ア)50〜99質量%、下記式(2)で表されるマレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50質量%、下記式(3)で示される単量体(ウ)0.1〜5質量%の組成を有する中和度が90%以上の共重合体、および
(b)シリカおよび石灰粉体から選ばれる一種以上の無機粉体を、(a):(b)=96:4〜99:1の質量比で含有するスラリーまたは水溶液を噴霧乾燥することによって、プレミックスセメント用粉体状減水剤を製造する方法である。
Figure 0006057126

(式(1)において、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、Rは水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であり、q=1〜2、p=30〜140、r=0または1である。)
Figure 0006057126

(式(2)において、X は、水素原子またはアルカリ金属である。)
Figure 0006057126

(式(3)において、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数2〜5のアルケニル基を表し、AOは、炭素数2〜3のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、50モル%以上が炭素数2のオキシアルキレン基で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、s=60〜280である。)
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤は、粉体における減水剤の比率が高く、減水性、流動保持性に優れており、架橋構造を導入した中和度90%以上の共重合体に少量の無機粉体を配合することで、噴霧乾燥により、前記プレミックスモルタル用粉体状減水剤を得ることができる。
(成分(a))
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤は、(a)一般式(1)で示される単量体(ア)50〜99質量%、一般式(2)で表されるマレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50質量%、一般式(3)で示される単量体(ウ)0.1〜5質量%の組成を有する中和度が90%以上の共重合体を必須成分とする。
式(1)において、R、RおよびRは、水素原子またはメチル基である。好ましくは水素原子である。
式(1)において、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いても良い。AOが2種以上の場合は、オキシエチレン基とオキシプロピレン基であることが好ましく、ブロック状でもランダム状でも良く、またこの場合には、50モル%以上(さらに好ましくは80モル%以上)がオキシエチレン基である場合は、得られる共重合体の親水性が更に向上するため好ましい。
式(1)において、pは炭素数2〜4のオキシアルキレンの付加モル数であり、30〜140である。pの値が140を超えると得られる共重合体が高粘度になるため製造が困難になる。この観点からは、pは,90以下が好ましく、75以下が更に好ましい。また、pの値が30より小さいと、噴霧乾燥性が低下する。この観点からは、pは、45以上が好ましく、60以上が更に好ましい。
qはメチレン基の繰り返し数であり、1〜2の整数であり、好ましくは1である。rはカルボニル基の有無を表し、0または1であり、好ましくはr=0である。
式(1)のRで示される炭化水素基の炭素数が4を超えると製造時および希釈時の起泡性が高くなるので好ましくない。Rで示される炭素数1〜4の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基があり、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。好ましくは、水素原子、メチル基である。また、r=1である場合、Rはメチル基であることがより好ましい。
式(2)において、Xは水素原子またはアルカリ金属である。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、好ましくはナトリウムまたはカリウムである。
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤の(a)共重合体の中和度は90%以上である。中和度が90%未満となると噴霧乾燥性が低下する。中和度は下記式により求められる。

中和度(%)=
(中和反応に使用した水酸化アルカリ金属のモル数)/
{(共重合体中に存在するマレイン酸のモル数)×2}×100
式(3)において、RおよびRで表される炭素数2〜5のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、およびイソプロペニル基が挙げられ、好ましくはアリル基である。
式(3)において、AOは炭素数2〜3のオキシアルキレン基であり、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いても良く、2種以上の場合はオキシエチレン基とオキシプロピレン基であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上がオキシエチレン基であり、ブロック状でもランダム状でも良い。
式(3)において、sは炭素数2〜3のオキシアルキレンの付加モル数であり、60〜280であり、好ましくは90〜180であり、より好ましくは120〜150である。sの値が280を超えると得られる化合物が高粘度になるため製造が困難になるので好ましくない。また、pの値が60より小さいと、共重合体中の架橋構造が十分ではなく、噴霧乾燥性が低下するため好ましくない。
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤は、(a)一般式(1)で示される単量体(ア)50〜99質量%、一般式(2)で表されるマレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50質量%、一般式(3)で示される単量体(ウ)0.1〜5質量%で構成される。好適な実施形態においては、(ア)の比率は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上が更に好ましく、また98質量%以下が好ましい。(イ)の比率は、1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以上が更に好ましく、また20質量%以下が好ましく、更に8質量%以下が更に好ましい。(ウ)の比率は、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、3.5質量%以下が好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
前記共重合体100質量%に対して、共重合可能な他の単量体に基づく構成単位0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%を本発明の効果を低下させない範囲で加えることができ、酢酸ビニル、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
(a)共重合体の重量平均分子量は、10,000〜100,000であり、好ましくは15,000〜50,000である。重量平均分子量が100,000を超える化合物は高粘度のため製造が困難になるので好ましくない。
また、(a)共重合体は、公知の方法により、重合開始剤を用いて重合することにより得ることができる。重合の方法については、塊状重合でも溶液重合でも良い。溶液重合で水を溶剤として用いる場合は、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩や、過酸化水素、水溶性のアゾ系開始剤を用いることができる。また、溶液重合でメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、n−ヘキサン、2−エチルヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の有機溶剤を用いた重合の場合や塊状重合の際には、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソブチレートなどの有機過酸化物やアゾイソブチロニトリルなどのアゾ系化合物を用いることができる。また、その際にはチオグリコール酸、メルカプトエタノールなどの連鎖移動剤を用いることもできる。
この中和反応は、公知の方法により行うことができ、共重合体製造後に行うことが好ましく、水酸化アルカリ金属の水溶液、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液を用いて行うことができる。
(成分(b))
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤に使用される(b)シリカおよび石灰粉体から選ばれる一種以上の無機粉体としては、多孔質シリカ、シリカヒューム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、および炭酸カルシウムが挙げられる。好ましくは、多孔質シリカ、水酸化カルシウムである。
(組成)
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤の(a)と(b)との比率は質量比で(a):(b)=96:4〜99:1であり、好ましくは、97:3〜98:2である。ただし、(a)と(b)との合計質量を100として計算する。(b)の質量比が1未満になると、噴霧乾燥性が低下する。また、(b)の質量比が4を超えると、粉体中の減水剤比率が低下するので好ましくない。
(減水剤の製造)
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤の製造方法は噴霧乾燥であり、公知の方法で行うことがでる。噴霧形式は、ノズル式でも、アトマイザーディスク式でもよく、乾燥機の入口温度は150〜300℃、好ましくは、150〜250℃、より好ましくは160〜210℃であり、排風温度は50〜130℃、好ましくは75〜120℃、より好ましくは90〜110℃である。(a)共重合体の水溶液と(b)無機粉体は事前に混合し、溶解しない場合は、攪拌しながら噴霧乾燥することが好ましく、混合液の濃度は15〜60質量%、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは25〜35質量%であり、噴霧乾燥機への供給量は、10〜100L/hであり、好ましくは30〜80L/hである。
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤の質量基準のメディアン径は、1〜500μmであり、より好ましくは10〜150μmであり、得られた粉体の粒径は1,000μm以下であり、より好ましくは500μm以下であり、さらに好ましくは300μm以下である。粒径が1,000μmを超える場合や粉体内に一部ブロッキングがみられる場合、プレミックスモルタル中への分散性が低下し、また、水に対する溶解速度も低下するため、減水性能の発現が低下するため好ましくない。
プレミックスセメントとしてはセメント、他の粉体状添加剤を混合したものやセメント、細骨材、他の粉体状添加剤を混合したものなどが挙げられ、プレミックスセメントに本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤を混合し、使用することができる。これにより、減水性、流動保持性に優れたプレミックスモルタル用粉体状減水剤を提供できるため、施工現場での作業者にかかる負担を低減させることができる。
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤を適用することができるセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、中庸熱及び耐硫酸塩等のポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、エコセメント、アルミナセメント、白色セメントなどが挙げられる。
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤を適用することができる骨材としては、通常のモルタルに使用できるものであれば特に限定されるものではなく、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、ケイ砂、再生骨材及び人工軽量骨材等の細骨材やスラグ、石炭灰が挙げられる。
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤は効果を阻害しない範囲で、他の粉体状減水剤と併用し、使用することができる。他の粉体状添加剤としては、減水剤、AE剤、AE減水剤、消泡剤、凝結遅延剤、乾燥収縮低減剤、凝結促進剤、撥水剤、防水剤、膨張剤、流動化剤、起泡剤、保水剤、増粘剤、防水剤、繊維等が挙げられる。減水剤としては例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、リグニンスルホン酸の塩、芳香族アミノスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、ポリカルボン酸系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤の塩などを挙げることができる。
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤の使用量は特に限定されないが、セメント100質量部に対し0.01〜10質量部であり、好ましくは0.05〜5質量部であり、より好ましくは0.1〜2質量部である。0.01質量部より少ないとセメントの流動性が低くなり、10質量部より高いとセメント組成物が材料分離を起こす可能性があるため好ましくない。
セメント配合物における細骨材の量は、配合用途に応じて定めることができるが、セメント100質量部に対して50〜500質量部が好ましい。
本発明に係るプレミックスセメント組成物に使用される混和材としては、再乳化形粉末樹脂、水性ポリマーディスパージョン、水溶性ポリマー、液状ポリマー、膨張材、高強度材、高強度混和材、超高強度混和材、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石微粉末等の鉱物系粉体などを用いることができ、これらの1種または2種以上を使用してもよい。
セメント配合物における混和材の量は、配合用途に応じて定めることができるが、セメント100質量部に対して1〜300質量部が好ましい。
本発明のプレミックスセメント用減水剤をプレミックスセメントに混合したものに水を添加することで、プレミックスセメント組成物として使用することができる。プレミックスセメント組成物における水セメント比は、配合用途に応じて定めることができるが、10〜75質量%で使用することができる。
本発明のプレミックスセメント用粉体状減水剤を使用したプレミックスモルタルは、左官材、床材、屋根材、壁材、断面修復材、グラウト材、セルフレベリング材などの土木、建築用途で使用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に説明する。なお、式(1)〜(3)で示される化合物の構造式、その共重合組成および重量平均分子量を表1、表2に示す。
Figure 0006057126

Figure 0006057126

(製造例1)
かき混ぜ機、温度計、窒素ガス導入管、滴下ロート、還流冷却器を装着した5リットルフラスコに、ポリオキシエチレン(n=68)モノアリルモノメチルエーテル1,019g(0.34モル) 、無水マレイン酸33g(0.33モル)、ポリオキシエチレン(n=140)ジアリルエーテルを11g(0.002モル)秤取った。窒素ガス雰囲気下、60℃以下で、重合開始剤として2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル5.0g(0 .030モル)を添加し、85±2℃に昇温し、8時間反応させた。得られた共重合体の動粘度を測定したところ、100℃で1,152mm/sであった。その後、イオン交換水2491gを加え、30分攪拌し、目的とする共重合体の30重量%水溶液を得た。
(製造例2)
かき混ぜ機、温度計、窒素ガス導入管、滴下ロート、還流冷却器を装着した5リットルフラスコに、ポリオキシエチレン(n=68)モノアリルモノメチルエーテル1,019g(0.34モル) 、無水マレイン酸33g(0.33モル)秤取った。窒素ガス雰囲気下、60℃以下で、重合開始剤として2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル5.0g(0 .030モル)を添加し、85±2℃に昇温し、8時間反応させた。得られた共重合体の動粘度を測定したところ、100℃で1,003mm/sであった。その後、イオン交換水2466gを加え、30分攪拌、混合後、目的とする共重合体の30重量%水溶液を得た。
(製造例3)
ポリオキシエチレン(n=68)モノアリルモノメチルエーテルの代わりに、ポリオキシエチレン(n=90)モノアリルモノメチルエーテルを用いた以外は、製造例1と同様に行った。
(製造例4)
ポリオキシエチレン(n=68)モノアリルモノメチルエーテルの代わりに、ポリオキシエチレン(n=23)モノアリルモノメチルエーテルを用いた以外は、製造例1と同様に行った。
(実施例1)
かき混ぜ機、温度計、還流冷却器を装着した2リットルフラスコに、製造例1の30%水溶液1,000g、30%水酸化ナトリウム水溶液25g(中和度100、製造例1の30%水溶液中に含まれる無水マレイン酸の2当量分の水酸化ナトリウム量)を加え、60±2℃に昇温し、30分間中和した。そこに無機粉体(消石灰)を9g加え(製造例1の30%水溶液中に含まれる共重合体質量と中和に使用したアルカリ金属質量の合計に対して3質量%)、30分間攪拌し、スラリーを得た。このスラリーを噴霧乾燥装置(カルタースプレードライヤー)にて、入口温度:200℃、出口温度100℃に維持し、送液速度15kg/hで噴霧乾燥を行った。噴霧乾燥試験結果を表3に示す。
(実施例2、および比較例1〜5)
実施例1と同様の方法で、製造例の種類、中和の有無・中和度、無機粉体の有無・種類を変えたスラリーまたは水溶液を調整し、噴霧乾燥試験を行った。噴霧乾燥試験結果を表3にまとめて示す。
Figure 0006057126

以上の結果から、実施例1〜3は共重合体内に架橋構造があり、中和度も90%以上、式(1)中のオキシアルキレンの付加モル数pも30以上、無機粉体を含有しているため、噴霧乾燥により粉体化ができる。比較例1は、中和度が0であり、無機粉体も含有されていないため噴霧乾燥できない。比較例2は、無機粉体が含有されていないため噴霧乾燥できない。比較例3は中和度80%と低いため噴霧乾燥時に一部ブロッキングしてしまい、水への溶解性速度が低下する。比較例4は中和度70%と低いため噴霧乾燥できない。比較例5は共重合体内に架橋構造がないため噴霧乾燥時に一部ブロッキングしてしまい、水への溶解性速度が低下する。比較例6は式(1)中のオキシアルキレンの付加モル数pが23であるため噴霧乾燥できない。
また、ブロッキングの有無が減水性能に与える影響について得られたプレミックスセメント用粉体状減水剤を用いてモルタル試験を行い確認した。
(モルタル試験)
(モルタルの調整方法)
JIS R5201(セメントの物理試験方法)記載のモルタルミキサにセメント[普通ポルトランドセメント]600g、細骨材[6号ケイ砂]1,200g、プレミックスセメント用粉体状減水剤0.9g、及び消泡剤(シュドックスDEF−001−CS 日油(株)製)0.1gを秤取り、2分間空練り混ぜ後、水道水274gを加え、1分間練り混ぜ、30秒間練り混ぜを休止し、2分間練り混ぜ、セメント組成物を調製した。調製したセメント組成物の単位容積質量が2,000±50gであること、温度が21±2℃であることを確認した。
(フロー試験)
フロー試験は、調製したセメント組成物を用いて、JIS R5201(セメントの物理試験方法)に示される、上端内径70mm、下端内径100mm、高さ60mmの円錐形状のフローコーンを使用し、フローテーブルで15回落下運動を与えた後のモルタルの広がりを練り混ぜ開始から5、30、60分後に測定した。フロー試験結果を表4に示す。
Figure 0006057126

表4の結果から、実施例1はブロッキングがなく容易に水に溶解し、減水性能が発現できるため、減水性、流動保持性に優れたモルタルを提供できる。比較例5は噴霧乾燥可能であるが一部ブロッキングがあるため、水に対する溶解性が低下し、減水性能が十分発現できないため、減水性、流動保持性が低下する結果であった。実施例2及び3、比較例3も同様の結果であることを確認した。

Claims (3)

  1. (a)下記式(1)で示される単量体(ア)50〜99質量%、下記式(2)で表されるマレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50質量%、下記式(3)で示される単量体(ウ)0.1〜5質量%の組成を有する中和度が90%以上の共重合体、および
    (b)シリカおよび石灰粉体から選ばれる一種以上の無機粉体
    を、(a):(b)=96:4〜99:1の質量比で含有することを特徴とする、プレミックスセメント用粉体状減水剤。
    Figure 0006057126

    (式(1)において、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、Rは、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であり、q=1〜2、p=30〜140、r=0または1である。)
    Figure 0006057126

    (式(2)において、Xは、水素原子またはアルカリ金属である。)
    Figure 0006057126

    (式(3)において、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数2〜5のアルケニル基を表し、AOは、炭素数2〜3のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、50モル%以上が炭素数2のオキシアルキレン基で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、s=60〜280である。)
  2. セメント、骨材、混和材、水および請求項1に記載のプレミックスセメント用粉体状減水剤を含有する、プレミックスセメント組成物。
  3. (a)下記式(1)で示される単量体(ア)50〜99質量%、下記式(2)で表されるマレイン酸に基づく構成単位(イ)1〜50質量%、下記式(3)で示される単量体(ウ)0.1〜5質量%の組成を有する中和度が90%以上の共重合体、および
    (b)シリカおよび石灰粉体から選ばれる一種以上の無機粉体を、(a):(b)=96:4〜99:1の質量比で含有するスラリーまたは水溶液を噴霧乾燥することによって、プレミックスセメント用粉体状減水剤を製造する方法。
    Figure 0006057126

    (式(1)において、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、Rは水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であり、q=1〜2、p=30〜140、r=0または1である。)
    Figure 0006057126

    (式(2)において、X は、水素原子またはアルカリ金属である。)
    Figure 0006057126

    (式(3)において、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数2〜5のアルケニル基を表し、AOは、炭素数2〜3のオキシアルキレン基の1種または2種以上で、50モル%以上が炭素数2のオキシアルキレン基で、2種以上の場合はブロック状でもランダム状でも良く、s=60〜280である。)
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