JP6056755B2 - 容器成形用エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、容器成形用エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、固有粘度が高く低分子量成分が低減されていると共に、溶融性にも優れ、延伸ブロー成形容器を安定して成形することが可能な容器成形用エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂及びその製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂の延伸成形容器は、優れた透明性、表面光沢を有すると共に、ボトル、カップ等の容器に必要な耐衝撃性、剛性、ガスバリア性をも有しており、各種飲料、食品の容器として利用されている。
このようなポリエステル樹脂の中でもホモポリエチレンテレフタレートは、共重合成分を含むエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂に比して結晶性が高く、延伸ブロー成形の際に配向結晶化を施しやすいという利点を有している。
特に固有粘度の高いホモポリエチレンテレフタレートは、固有粘度の低いものに比して高温条件下での延伸ブロー成形が可能であるため、高い耐熱性と機械的強度を有する延伸成形容器を成形することが可能となる。
しかしながら、固有粘度の高いホモポリエチレンテレフタレートからなるペレットは高い結晶化度を有するため溶融性が悪く、溶融成形時に高い剪断力がかかると成形機がオーバーシュートしたり、剪断発熱に起因する樹脂の熱劣化によりモノヒドロキシエチルテレフタレート(以下、MHETということがある)、ビスヒドロキシエチルテレフタレート(以下、BHETということがある)などの低融点オリゴマー成分や環状三量体などの環状オリゴマー成分、或いはアセトアルデヒド等の揮発性低分子量成分が発生したり、溶融樹脂中に残存した未溶融成分が結晶核剤となって成形品を白化させたりする問題があった。
このようなオリゴマー成分や揮発性低分子量成分を多く含んだ状態のポリエステル樹脂を用いて容器の成形を行うと、圧縮成形の場合には、ドロップ搬送金型に付着したMHETやBHETによって溶融樹脂塊をキャビティに正確に供給することが困難になるため、生産性に劣るようになる。また射出成形の場合には、環状三量体などのオリゴマー成分がMHETやBHETを介して金型のエアーベント口に詰まるため、頻繁な清掃が必要になる。更に容器に耐熱性を付与するために行う熱固定の際には、MHETやBHETの存在を介して金型表面に付着した環状三量体が、容器表面に凹凸を転写して透明性を低下させる、或いは頻繁な金型の清掃が必要になる等の問題を生じることになる。更に大量のアセトアルデヒドの発生により容器のフレーバー性が損なわれる恐れもある。
ポリエステル樹脂が本来有する利点を損なうことなく、その欠点を低減させることも種々行われており、例えば本発明者等は、溶融重合後のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂に160乃至220℃の温度で1時間以上5時間未満の加熱処理を行うことにより得られる、固有粘度が0.65乃至0.80dL/gの範囲にあると共に、モノヒドロキシエチルテレフタレートとビスヒドロキシエチルテレフタレートとの合計含有量が0.005重量%未満であり、アセトアルデヒド濃度が2乃至10ppmであり、且つ210℃の等温結晶化における結晶化のピーク時間が360秒以下及び結晶化エネルギー(ΔH)が30J/g以上である耐熱性容器の製造に適したポリエステル樹脂を提案している(特許文献1)。
また同様の加熱処理を行うことにより得られる、固有粘度が0.65乃至0.85dL/gの範囲にあると共に、モノヒドロキシエチルテレフタレートとビスヒドロキシエチルテレフタレートとの合計含有量が0.005重量%未満であり、且つ融解熱が50J/g以下、融点終了温度が270℃以下、結晶化度が0.48未満であることを特徴とする耐熱性容器の製造に適したポリエステル樹脂も提案している(特許文献2)。
特開2010−150488号公報 特開2010−150487号公報
上記ポリエステル樹脂は、MHET、BHET等の低融点オリゴマー成分が有効に低減され且つ溶融性にも優れた、耐熱性容器の成形に適したエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂であるが、このポリエステル樹脂は溶融重合樹脂により得られた比較的固有粘度の低いものであり、固有粘度の高いエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂に比して延伸成形性に劣ることから、より延伸成形性に優れたポリエステル樹脂が望まれている。
従って本発明の目的は、高い固有粘度を有しながら溶融性に優れていると共に、延伸成形性にも優れたエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂及びその製造方法を提供することである。
本発明によれば、固有粘度が0.80乃至0.90dL/gの範囲にある固相重合により得られたエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂を、該エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の融点Tm(℃)を基準として、Tm+10≦T≦Tm+30の温度T(℃)で溶融押出してペレット化した後、該ペレットを160乃至220℃の温度で1時間以上5時間未満加熱処理を行うことを特徴とするエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の製造方法が提供される。
本発明のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の製造方法においては、
1.加熱処理が、ペレットを180乃至200℃の温度で3乃至4時間加熱処理を行うものであること、
2.固相重合により得られたエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂が、エチレングリコール及びテレフタル酸以外の共重合成分が1.5モル%未満のポリエチレンテレフタレートであること、
が好適である。
本発明のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂(以下、PET樹脂ということがある)は可及的に純粋なホモポリエチレンテレフタレートであるため、共重合成分を含むエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂に比して結晶性が高く、延伸ブロー成形の際に配向結晶化を施しやすいという利点を有している。
特に本発明のPET樹脂は固有粘度が0.80乃至0.90dL/gと高く、固有粘度の低いものに比して高温条件下での延伸ブロー成形が可能であるため、高い機械的強度と耐熱性に優れた延伸成形容器を成形することができる。
また本発明のPET樹脂は、低融点で粘着の原因になると考えられるMHETやBHET等のオリゴマー成分が低減されているため、圧縮成形の際に搬送金型表面に樹脂塊が付着して成形性が低下することや、射出成形の際に金型のエアーベント口に環状三量体等のオリゴマー成分が詰まって頻繁な清掃が余儀なくされること、或いは熱固定の際に環状三量体が金型表面に付着して肌荒れによる透明性低下の原因になったり、頻繁な金型の清掃が余儀なくされたりする等の問題が生じにくい。更に本発明のPET樹脂は溶融性に優れ、溶融成形中の熱劣化に起因するアセトアルデヒドの発生も抑制されるため、フレーバー性にも優れている。
更に本発明のPET樹脂においては、融解熱が50J/g以下及び結晶化度が60%未満と、高い固有粘度を有するポリエステル樹脂から成るペレットに特有の溶融性の悪さが改善されているため、溶融成形時に高い剪断力がかかってオーバーシュートすることがなく、生産性を向上できる。また溶融樹脂中に残存した未溶融成分が結晶核剤となって成形品が白化するという問題も有効に防止されている。
またエチレングリコール及びテレフタル酸以外の共重合成分が1.5モル%未満であり、特にPET樹脂の合成時に複製するジエチレングリコール及びPET樹脂改質のために配合されるイソフタル酸を含有する場合には、これらの含有量が1.5モル%未満と、可及的に純粋なホモPET樹脂であることにより、結晶性が高く、延伸ブロー成形により高度に配向結晶化することができる。加えて、高い固有粘度を有するPET樹脂は固有粘度の低いものに比して高温条件下での延伸ブロー成形が可能であるため、耐熱性と機械的強度に優れた延伸成形容器を成形することができる。
更にまた、本発明のPET樹脂の製造方法においては、固相重合により得られた固有粘度の高いPET樹脂ペレットを所定の温度で溶融押出処理することにより、固有粘度の高いPET樹脂ペレットの溶融性を改善することが可能になり、次いで溶融押出処理によって再ペレット化されたPET樹脂を所定の温度で加熱処理することにより、MHET、BHET、アセトアルデヒドなどの低分子量成分の含有量を低減させることができる。
本発明のPET樹脂の上述した効果は、後述する実施例の結果からも明らかである。
すなわち、本発明の製造方法によって調製された本発明のPET樹脂から成る延伸ブロー成形容器は、金型表面汚れの原因となるMHET及びBHETや、容器のフレーバー性を損なうアセトアルデヒドの量が低減されていると共に、融解熱及び結晶化度が低く溶融性に優れるため溶融成形による樹脂の熱劣化も少なく、また固有粘度が高いことから延伸成形性にも優れていることが明らかである(実施例1〜4)。
これに対して、従来公知の製造方法により調製された固有粘度が本発明の範囲にあるPET樹脂においては、MHET及びBHETの量が少ないため金型汚れが起こりにくく、延伸成形性に優れたものであるが、融解熱及び結晶化度が高く、溶融成形に際してPET樹脂が熱劣化してアセトアルデヒドが発生したためフレーバー性に劣った(比較例3)。
また固有粘度が本発明の範囲よりも低いPET樹脂においては、固有粘度が低いため延伸成形性に劣ると共に、溶融成形に際してPET樹脂が熱劣化してMHET及びBHETが発生しやすく、金型汚れが起こりやすかった(比較例4)。
また固有粘度が本発明の範囲内にある従来公知の製造方法により調製されたPET樹脂に対し、所定温度で溶融押出して再ペレット化する処理を行ったが加熱処理は行わなかったものは、融解熱及び結晶化度は本発明範囲内にあるが、MHET及びBHETの量が多いため金型汚れが発生した(比較例1)。
更に固有粘度が本発明の範囲内にある従来公知の製造方法により調製されたPET樹脂に対し、所定温度での溶融押出を行うことなく加熱処理を行ったものは、延伸成形性や金型表面の汚れ難さにおいては満足するものであったが、融解熱及び結晶化度が高く、溶融成形に際してPET樹脂が熱劣化してアセトアルデヒドが発生したためフレーバー性に劣った(比較例2)。
(ポリエステル樹脂の合成)
本発明のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂(PET樹脂)は、固相重合後、後述する溶融押出処理及び加熱処理を行い、固有粘度が0.80乃至0.90dL/gの範囲にあると共に、モノヒドロキシエチルテレフタレートとビスヒドロキシエチルテレフタレートとの合計含有量が0.005重量%未満であり、且つ融解熱が50J/g以下であり、結晶化度が60%未満となるようにする以外は、従来公知のポリエステル樹脂の合成法により調製することができる。
すなわち、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体とエチレングリコール又はそのエステル形成性誘導体とを主体とする原料を、触媒の存在下に溶融重合を行った後、固相重合を行うことにより得られる。
[溶融重合]
PET樹脂の合成は一般に、高純度テレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)とを直接反応させてポリエチレンテレフタレート(PET)を合成する方法により行われ、通常2つの工程に分けられており、(A)TPAとEGとを反応させて、BHET又はその低重縮合体を合成する方法、(B)BHET又はその低重縮合体からエチレングリコールを除去して重縮合を行う工程から成っている。
BHET又はその低重縮合体の合成はそれ自体公知の条件で行うことができ、例えばTPAに対するEGの量を1.1〜1.5モル倍として、EGの沸点以上、例えば220〜260℃の温度に加熱して、1〜5kg/cmの加圧下に、水を系外に除去しながらエステル化を行う。この場合、TPA自体が触媒となるので通常触媒は必要ないが、それ自体公知のエステル化触媒を用いることもできる。
第二段階の重縮合工程では、第一段階で得られたBHET又はその低重縮合体にそれ自体公知の重縮合触媒を加えた後、反応系を260〜290℃に保ちながら徐々に圧力を低下させ、最終的に1〜3mmHgの減圧下に撹拌し、生成するEGを系外に除去しながら反応を進行させる。反応系の粘度によって分子量を検出し、所定の値に達したら系外に吐出させ、冷却後チップとする。重縮合触媒としては、一般に二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、テトラエチルチタネート等のチタン化合物、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物等が使用されるが、チタン化合物やアンチモン化合物を用いることが重縮合反応の効率や経済的な面において好ましい。
溶融重合で得られたPET樹脂は、一般に0.5乃至0.8dL/gの固有粘度を有する。溶融重合後にペレット化したPET樹脂を結晶化するための熱処理は、例えば加熱窒素ガスなどの加熱不活性ガスを用いて、流動床又は固定床で行うことができ、又真空加熱炉内で行うこともできる。加熱不活性ガスを用いる場合には、ペレットの黄変を防ぐため、加熱槽内の酸素濃度を15%以下にすることが望ましい。この熱処理は、一般に130乃至155℃、特に140乃至150℃の範囲が適当であり、また処理時間は130乃至200分間、特に150乃至180分間の範囲にあることが好ましい。
[固相重合]
次いで、この結晶化されたPETのペレットを固相重合させる。この固相重合に際しては、溶融重合の場合とは異なり、固有粘度の増大に伴ってMHET、BHET、アセトアルデヒドなどの低分子量成分の低減を生じる。また一般に、MHET及びBHET等の含有量は固相重合温度の上昇や重合時間の増大に伴って低下する。固相重合は、一般に200乃至230℃の温度で2乃至20時間行うことが望ましい。固相重合時の加熱は、温度を上記範囲にする以外は上記ペレットの結晶化の場合と同様の方法で行うことができる。この固相重合時にもPET樹脂の結晶化はある程度進行する。
本発明のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂は、エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位が可及的に少ないホモポリエチレンテレフタレートであることが優れた延伸性形成を付与する上で重要であり、具体的にはエチレングリコール及びテレフタル酸以外の共重合成分の含有量が1.5モル%未満、特にジエチレングリコール及びイソフタル酸を含んでいる場合には、その含有量が1.5モル%未満であることが特に好ましい。
このような共重合成分としては、これに限定されないが、ジカルボン酸成分としてフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、ジオール成分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1.6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール,ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙げられる。
本発明のPET樹脂は、エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位が可及的に少ないホモPET樹脂であることが好ましいことから、ガラス転移点(Tg)が50乃至90℃、特に60乃至80℃で、融点(Tm)が200乃至270℃、特に250乃至270℃にあることが好適である。
[溶融押出処理]
本発明においては、固相重合により得られた固有粘度が0.80乃至0.90dL/gのPET樹脂ペレットを、PET樹脂の融点Tm(℃)を基準として、Tm+10≦T≦Tm+30の温度T(℃)で溶融押出してペレット化する。
固相重合により得られた固有粘度の高いPET樹脂を再溶融して非晶質化することによって溶融性を改善することができ、融解熱を50J/g以下、結晶化度を60%未満に低減することが可能になる。
また本発明においては、後述する加熱処理にてペレット同士が融着固化しないよう、溶融押出処理により得られたペレットを更に130乃至155℃、特に140乃至150℃の低温で150乃至180分間の結晶化処理に付することが特に好ましい。尚、結晶化処理の方法は、前述した溶融重合後固相重合前に行う結晶化と同様であるが、結晶化度が上昇しすぎて溶融性が損なわれないよう、上記加熱条件で行うことが望ましい。
[加熱処理]
上記溶融押出処理により形成されたペレットには、PET樹脂の押出時に発生したMHETやBHET、或いはアセトアルデヒドなどの低分子量成分が含有されている。本発明においては、この結晶化されたポリエステル樹脂のペレットを真空中又は不活性ガス雰囲気下において、160乃至220℃、特に180乃至200℃の温度で、1時間以上5時間未満、特に3乃至4時間の加熱処理を行うことにより、上記低分子量成分を取り除くことができる。上記範囲よりも加熱温度が低い場合には、上記低分子量成分を十分低減させることができず、また上記範囲よりも加熱温度が高い場合には、樹脂がゲル化したり、樹脂の固有粘度が上昇して溶融成形性が悪くなったり、樹脂ペレットの結晶化度が上がりすぎて溶融性が損なわれたりする恐れがある。また加熱時間が5時間を過ぎると上記低分子量成分の含有量は平衡に達するため、長時間にわたる処理はかえって生産性の低下をもたらす。
この加熱処理は、前述した溶融重合後固相重合前に行う結晶化と同様に、例えば加熱窒素ガスなどの加熱不活性ガスを用いて、流動床または固定床で行うことができ、また真空加熱炉内で行うことができる。加熱不活性ガスを用いる場合には、ペレットの黄変を防ぐため、加熱槽内の酸素濃度を15%以下にすることが望ましい。
この加熱処理により、金型表面等への付着の原因となるMHETやBHETを0.005重量%未満に低減させることができると共に、フレーバー性低下の原因となるアセトアルデヒド等の揮発性低分子量成分を低減させることができる。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法における加熱処理は、固相重合のように固有粘度が上昇することがほとんどなく、その結果、本発明のポリエステル樹脂は固相重合後の固有粘度である0.80乃至0.90dL/gが維持されており、優れた延伸性形成を発現することができる。
尚、上記範囲よりも固有粘度が低い場合には所望の延伸成形性を得ることができず、一方、上記範囲よりも固有粘度が高いと、溶融樹脂の押出性に劣り、成形性が低下すると共に、圧縮成形等ではカッターマークに起因する疵が発生する恐れがある。加えて、溶融粘度が高くスクリューの剪断を受けやすいことから、容器中のアセトアルデヒド含有量や溶融成形による樹脂の熱劣化を目的の値以下に抑えることが困難になる。
またこのようにして得られた本発明のPET樹脂は、結晶化度が60%未満、特に50乃至58%の範囲にあり、融解熱が50J/g以下、特に40乃至45J/gと溶融性に優れていることから、優れた品質を有する容器を安定的に成形することが可能であり、経済性及び生産性よく容器を製造することができる。
(プリフォーム)
本発明のプリフォームは、上述したPET樹脂を用いる以外は従来公知の圧縮成形または射出成形法により成形することができる。
前述した通り、本発明のPET樹脂は、エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位が可及的に少ないホモPET樹脂であり且つ固有粘度が高いことから延伸成形性に優れていると共に、フレーバー性を低下させるアセトアルデヒドなどの揮発性低分子量成分の含有量が少なく、また溶融性に優れ溶融成形時の熱劣化も抑制されることから、本発明のPET樹脂から成るプリフォームより耐熱性と機械的強度に優れたフレーバー性のよい容器を提供することができる。
圧縮成形によるプリフォーム成形においては、押出機により本発明のPET樹脂の溶融物を連続的に押し出すと共に、合成樹脂供給装置の切断手段(カッター)によりこれを切断して、溶融状態にあるプリフォーム用の前駆体である溶融樹脂塊(ドロップ)を製造し、この溶融樹脂塊を保持手段(ホルダー)で保持し、圧縮成形機のキャビティ型に案内手段(スローと)を介して投入した後、これをコア型で圧縮成形し、冷却固化することによりプリフォームを成形する。
また射出成形によるプリフォーム成形においては、射出条件は特に限定されたものではないが、一般に260乃至300℃の射出温度、30乃至60kg/cmの射出圧力で有底プリフォームを成形することができる。
プリフォームの製法においては、溶融PET樹脂の溶融押出温度が、PET樹脂の融点(Tm)を基準として、Tm+5乃至Tm+40℃、特にTm+10乃至Tm+30℃の範囲であることが、一様な溶融押出物を成形すると共に樹脂の熱劣化やドローダウンを防止する上で好ましい。
また溶融樹脂の混練を押出機で行う際はベントを引いて行うことが特に好ましい。これによりMHET及びBHETのオリゴマー成分の生成に起因する溶融押出物の粘着が抑制されるため、圧縮成形機の搬送金型や金型のエアーベント口へのオリゴマー成分の付着をより効果的に防止することができる。
本発明のプリフォームは、延伸ブロー成形されることによりボトル、広口カップ等の延伸成形容器に成形される。
延伸ブロー成形においては、本発明のPET樹脂を用いて成形されたプリフォームを延伸温度に加熱し、このプリフォームを軸方向に延伸すると共に周方向に延伸成形して二軸延伸容器を製造する。
尚、プリフォームの成形とその延伸ブロー成形とは、コールドパリソン方式の他、プリフォームを完全に冷却しないで延伸ブロー成形を行うホットパリソン方式にも適用できる。延伸ブロー成形に先立って、必要により、プリフォームを熱風、赤外線ヒーター、高周波誘導加熱等の手段で延伸適性温度まで予備加熱する。特に高い耐熱性と機械的強度を延伸容器に付与するにあたっては、その温度範囲はPET樹脂の場合、85乃至130℃、特に100乃至120℃の範囲にあるのがよい。
このプリフォームをそれ自体公知の延伸ブロー成形機中に供給し、金型内にセットして、延伸棒の押し込みにより軸方向に引っ張り延伸すると共に、流体の吹き込みにより周方向へ延伸成形する。金型温度は、一般に室温乃至230℃の範囲にあることが好ましいが、後述するようにワンモールド法で熱固定を行う場合は、金型温度を120乃至180℃に設定することが好ましい。
最終のPET樹脂容器における延伸倍率は、面積倍率で1.5乃至25倍が適当であり、この中でも軸方向延伸倍率を1.2乃至6倍とし、周方向延伸倍率を1.2乃至4.5倍とするのが好ましい。
本発明のPET樹脂においては、MHET及びBHETの合計量が0.005重量%未満に低減されているため、熱固定の際に金型表面へと環状三量体が付着して肌荒れによる透明性低下の原因になること、或いは頻繁な金型の清掃が必要になることが有効に防止されており、生産性よく熱固定することができる。熱固定はそれ自体公知の手段で行うことができ、ブロー成形金型とは別個の熱固定用の金型内で行うツーモールド法で行うこともできる。熱固定の温度は120乃至230℃の範囲が適当である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例にて使用される物性値の評価や測定方法は、以下の方法に従ったものである。
1.PET樹脂ペレットの各種測定
(1)固有粘度(IV)
150℃にて4時間乾燥させたペレット及びボトル容器口部を0.3g秤量した。これに1,1,2,2−テトラクロロエタンとフェノールの混合溶媒(重量比1/1)を加えて1.00g/dlの濃度に調整し、120℃で20分間撹拌して完全に溶解させた。溶解後の溶液を室温まで冷却し、30℃に温調された相対粘度計(Viscotek,Y501)を用いて相対粘度を求め、固有粘度を決定した。
(2)MHET及びBHETの含有量
PET樹脂ペレット及びボトル容器口部を0.5g秤量し、これにヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムの混合溶媒(重量比1/1)を30ml加えて完全に溶解した。溶液に20mlのクロロホルムを加えた後、300mlのテトラヒドロフランを徐々に加え、4時間放置してPETポリマーを析出させた。この懸濁液を濾過し、濾液をエバポレーターにて乾固直前まで濃縮した。濃縮溶液に5mlのジメチルホルムアミド(DMF)を加え一晩放置した後、メスフラスコ内にてDMFを加えて10mlにメスアップした。この溶液を細孔径0.45μmのメンブレンフィルターにて濾過し、濾液を高速液体クロマトグラフィーにて測定した。同時に標準溶液の測定も行い、得られた検量線をもとにペレット及びボトル容器中のMHET及びBHETの合計含有量を計算した。
(3)アセトアルデヒドの含有量
冷凍粉砕装置にて粉砕したボトル容器口部の粉砕試料をガラス瓶に1.0g秤量し、5.0mlの純水を加えて密封した。この懸濁液を120℃に温調したオーブン内にて60分間加熱した後、氷水中にて冷却した。懸濁液の上澄みを3.0ml採取し、これに濃度0.1%の2,4−ジニトロフェニルヒドラジン・リン酸溶液を0.6ml加え、30分間放置した。放置後の上澄みを0.45μmのメンブレンフィルターにて濾過し、濾液を高速液体クロマトグラフィーにて測定した。同時に標準溶液の測定も行い、得られた検量線をもとにペレット及びボトル容器中のアセトアルデヒド含有量を計算した。ボトル容器のフレーバー性については、ボトル容器中のアセトアルデヒド含有量が10ppm以下であるものを「○」、10ppmを超えるものを「×」とした。
(4)PET樹脂ペレットの結晶化度
次式の密度法により結晶化度を求めた。
結晶化度χ={[ρc×(ρ−ρa)]/[ρ×(ρc−ρa)]}
ρ:測定密度(g/cm
ρa:非晶密度(1.335g/cm
ρc:結晶密度(1.455g/cm
尚、密度測定は硝酸カルシウム溶液系密度勾配管(株式会社池田理化)により、20℃の条件下にて行った。
(5)示差走査熱量測定(DSC)
PET樹脂ペレットの融解熱(ΔHTm)について、示差走査熱量測定装置(PerkinElmer,Diamond DSC)を用いて測定を行った。PET樹脂ペレット8mgを秤量し、試料とした。
測定条件は以下の通りである。
ステップ1:25℃で3分間保持
ステップ2:25℃から290℃まで10℃/minで昇温
ステップ2における融解ピーク面積からΔHTmを求めた。
2.樹脂ペレットの溶融押出処理
樹脂ペレットの溶融押出処理には二軸押出機(東芝機械、TEM 26SS)を用いた。押出温度は280℃、スクリュー回転数は100rpm、吐出量は10kg/hとした。押出機よりストランド状に吐出した溶融樹脂をベルトコンベアにて搬送しながら空冷し、ペレタイザーを用いてペレットにした。
3.窒素フロー法によるPET樹脂ペレットの熱処理(結晶化処理及びMHET、BHET、アセトアルデヒドの低減処理)
溶融押出処理にて作製した非晶状態のPET樹脂ペレット15kgを、撹拌式真空乾燥機(株式会社ダルトン、45MV)を用いて減圧乾燥(4mmHg、80℃の条件にて8時間)した。乾燥後のPET樹脂ペレットに結晶化処理(4mmHg、150℃の条件にて3時間処理)を施した後、気体の導入弁及びリーク弁を開放し、窒素フロー条件の下、所定の条件にてペレットの熱処理を行った。撹拌翼の回転数は20rpmとした。窒素ガスはシリカゲルを通過させて乾燥させた後、熱処理温度まで加熱し、流量10L/minで撹拌式真空乾燥機に導入した。
4.減圧法によるPET樹脂ペレットの熱処理(結晶化処理及びMHET、BHET、アセトアルデヒドの低減処理)
溶融押出処理にて作製した非晶状態のPET樹脂ペレット15kgを、撹拌式真空乾燥機(株式会社ダルトン、45MV)を用いて減圧乾燥(4mmHg、80℃の条件にて8時間)した。乾燥後のPET樹脂ペレットに結晶化処理(4mmHg、150℃の条件にて3時間処理)を施した後、減圧条件(4mmHg)の下、所定の条件にてペレットの熱処理を行った。撹拌翼の回転数は20rpmとした。
5.プリフォームの成形
熱処理後のPET樹脂ペレットを射出成形機に供給した。バレル温度、ホットランナーの温度を300℃、金型温度を15℃に設定し、重量25gの500mlボトル用プリフォームを作製した。成形サイクルは25秒とした。
6.耐熱ブロー金型表面の汚れ評価(ヒートセット試験)
口部結晶化装置に備え付けた赤外線ヒーターの出力を1200Wとし、上述したプリフォームの口部を2分間加熱して結晶化させた。口部を十分冷却させた後、一段ブロー成形法による二軸延伸ブロー成形を行い、次いで150℃、2秒の条件にてヒートセットし耐熱PETボトルを作製した。上述したボトル作製を5000回繰り返した後の耐熱ブロー金型表面を観察し、表面が汚れておらず引き続き使用が可能である場合を「○」、表面が汚れているものの使用に耐えられる場合を「△」、表面がひどく汚れており使用に耐えられない場合を「×」とした。
7.PET樹脂の延伸成形性評価試験
口部結晶化装置に備え付けた赤外線ヒーターの出力を1200Wとし、上述したプリフォームの口部を2分間加熱して結晶化させた。口部を十分冷却させた後、プリフォーム胴部に1cm間隔の点を長軸方向に印字し、一段ブロー成形法による二軸延伸ブロー成形を行い、次いで150℃、2秒の条件にてヒートセットし耐熱PETボトルを作製した。作製したボトル胴部を観察し、印字した点の間隔が均一である場合を「○」、点の間隔が不均一である場合を「×」とした。
(実施例1)
固有粘度が0.84dl/g、エチレングリコール及びテレフタル酸以外の共重合成分(ジエチレングリコール)の含有量が1.28モル%、MHETとBHETの合計含有量が0.0038重量%の固相重合PET樹脂ペレットを溶融押出して再ペレット化した後、窒素フロー法にて、樹脂ペレットの結晶化処理と熱処理を施した。熱処理条件は180℃、4時間とした。熱処理後、ペレットの固有粘度、MHETとBHETの合計含有量、融解熱、及び結晶化度を測定した。熱処理したPET樹脂ペレットよりプリフォームを作製し、プリフォームの固有粘度、MHETとBHETの合計含有量、アセトアルデヒド含有量を測定した。作製したプリフォームを用いてヒートセット試験を行い、目視により金型表面の汚れを評価した。ボトル容器のフレーバー性や延伸成形性についても併せて評価した。
(実施例2)
熱処理を減圧法にて行った以外は実施例1と同様に、ペレットの溶融押出処理、熱処理、及びプリフォーム作製を行った。ペレット及びプリフォームの各種測定を行った後、ヒートセット試験をし、目視により金型表面の汚れを評価した。ボトル容器のフレーバー性や延伸成形性についても併せて評価した。
(実施例3)
固有粘度が0.81dL/g、エチレングリコール及びテレフタル酸以外の共重合成分(ジエチレングリコール)の含有量が1.42モル%、MHETとBHETの合計含有量が0.0042重量%の固相重合PET樹脂ペレットを用いた以外は実施例1と同様に、ペレットの溶融押出処理、熱処理、及びプリフォーム作製を行った。ペレット及びプリフォームの各種測定を行った後、ヒートセット試験をし、目視により金型表面の汚れを評価した。ボトル容器のフレーバー性や延伸成形性についても併せて評価した。
(実施例4)
固有粘度が0.81dL/g、エチレングリコール及びテレフタル酸以外の共重合成分(ジエチレングリコール)の含有量が1.42モル%、MHETとBHETの合計含有量が0.0042重量%の固相重合PET樹脂ペレットを用い、熱処理を減圧法にて行った以外は実施例1と同様に、ペレットの溶融押出処理、熱処理、及びプリフォーム作製を行った。ペレット及びプリフォームの各種測定を行った後、ヒートセット試験をし、目視により金型表面の汚れを評価した。ボトル容器のフレーバー性や延伸成形性についても併せて評価した。
(比較例1)
溶融押出後のペレットに熱処理を施さなかった以外は実施例1と同様に、ペレットの溶融押出処理及びプリフォーム作製を行った。ペレット及びプリフォームの各種測定を行った後、ヒートセット試験をし、目視により金型表面の汚れを評価した。ボトル容器のフレーバー性や延伸成形性についても併せて評価した。
(比較例2)
固相重合樹脂ペレットの溶融押出を行わなかった以外は実施例1と同様に、ペレットの熱処理及びプリフォーム作製を行った。ペレット及びプリフォームの各種測定を行った後、ヒートセット試験をし、目視により金型表面の汚れを評価した。ボトル容器のフレーバー性や延伸成形性についても併せて評価した。
(比較例3)
固相重合樹脂ペレットの溶融押出と熱処理を行わなかった以外は実施例1と同様に、プリフォーム作製を行った。ペレット及びプリフォームの各種測定を行った後、ヒートセット試験をし、目視により金型表面の汚れを評価した。ボトル容器のフレーバー性や延伸成形性についても併せて評価した。
(比較例4)
固有粘度が0.74dL/g、エチレングリコール及びテレフタル酸以外の共重合成分(ジエチレングリコール)の含有量が1.96モル%、MHETとBHETの合計含有量が0.0040重量%の固相重合PET樹脂ペレットを用いた以外は実施例1と同様に、ペレットの溶融押出処理、熱処理、及びプリフォーム作製を行った。ペレット及びプリフォームの各種測定を行った後、ヒートセット試験をし、目視により金型表面の汚れを評価した。ボトル容器のフレーバー性や延伸成形性についても併せて評価した。
(比較例5)
固有粘度が0.83dL/g、エチレングリコール及びテレフタル酸以外の共重合成分(ジエチレングリコール)の含有量が4.17モル%、MHETとBHETの合計含有量が0.0021重量%の固相重合PET樹脂ペレットを用いた以外は実施例1と同様に、ペレットの溶融押出処理、熱処理、及びプリフォーム作製を行った。ペレット及びプリフォームの各種測定を行った後、ヒートセット試験をし、目視により金型表面の汚れを評価した。ボトル容器のフレーバー性や延伸成形性についても併せて評価した。
上述した実施例及び比較例の結果を表1及び表2に示す。
Figure 0006056755
Figure 0006056755
本発明のPET樹脂は、固有粘度が高く優れた延伸成形性を有すると共に、溶融性に優れていることから、成形安定化による生産性の向上及び成形品の品質向上を図ることができる。また本発明のPET樹脂ペレットはMHET及びBHETの合計含有量が少なく金型の清掃回数を減少させることができるため、やはり生産性を向上することができると共に、容器の透明性等の外観特性を向上させることもでき、且つアセトアルデヒド含有量も少ないのでフレーバー性に優れている。そのため大量生産される、飲料等に用いられるPETボトルに好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 固有粘度が0.80乃至0.90dL/gの範囲にある固相重合により得られたエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂を、該エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の融点Tm(℃)を基準として、Tm+10≦T≦Tm+30の温度T(℃)で溶融押出してペレット化した後、該ペレットを160乃至220℃の温度で1時間以上5時間未満加熱処理を行うことを特徴とするエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の製造方法。
  2. 前記加熱処理が、ペレットを180乃至200℃の温度で3乃至4時間加熱処理を行うものである請求項記載のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の製造方法。
  3. 前記固相重合により得られたエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂が、エチレングリコール及びテレフタル酸以外の共重合成分の含有量が1.5モル%未満のポリエチレンテレフタレートである請求項1又は2記載のエチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂の製造方法。
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