JP6056570B2 - リニアモータ - Google Patents

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Description

本発明は、リニアモータに関するものである。
従来より、例えばクリーンな環境下での半導体関連の物品の搬送など様々な用途で用いられるモータとして、高い位置決め精度と耐摩耗性に優れた多様な形態のリニアモータが知られている。
典型的な磁気回路を用いたものに比べ、同じ大きさでもより大きな推力を取り出すことが可能なリニアモータとして、平板状に構成した可動子を二次側部材として直線方向に移動可能に設けるとともに、可動子の表面及び裏面にそれぞれ対向する一次側磁界発生部材としての固定子を設け、それぞれ対向する面に磁石または鉄心からなる歯(磁極歯)を形成したものが知られている(特許文献1参照)。このように可動子を二次側部材として構成することで、可動子は磁石やコイル、さらには電気的接続部を必要とせず軽量化することができるため、より高速に移動させることが可能となっている。
また、本出願人は、可動子の磁極歯を薄型化しつつ漏れ磁束による損失の少ない可動子を有するリニアモータを提供すべく、一次側磁界発生部材としての固定子と、二次側部材としての可動子とを備えたリニアモータであって、可動子の移動方向に所定ピッチで配置した複数の磁極歯と、それらを連結する樹脂製の連結部とから構成した可動子を2つの固定子に挟まれる位置に配置し、可動子のうち固定子に挟まれる部分を板状に形成した構成を案出し、特許出願している(特許文献2参照)。
特開2010−130892号公報 特開2012−210011号公報
近時では、リニアモータを用いて、例えば軽量物の搬送をより一層早い速度、高加速度で移動させたいという要求が益々増えている。
このような要求に応えるべく、可動子のさらなる軽量化を実現した場合、軽量化に伴って可動子の剛性が低下して撓み変形すれば、固定子との間に所定寸法の均一なギャップを確保することができず、可動子の高速、高加速度での移動を実現できない場面が生じ得る。また、ギャップを介して対向配置された可動子と固定子を備えたリニアモータでは、固定子によって可動子に作用する磁気力を、可動子及び固定子の対向方向である高さ方向において釣り合うように設計することで、可動子に対して移動方向以外の力が略作用しないように構成されているが、実際には、リニアモータの組立時や製造時の公差のため、固定子のうち相対的に可動子に近い部分への吸引力が働き、このようなアンバランスな吸引力に起因して、軽量化した可動子であれば撓み変形の度合いが大きくなってしまうことが想定される。また、可動子に付帯させた被ガイド部をガイドレールに案内させながら可動子を直線移動させる構成を採用した場合、磁気吸引力のアンバランスに起因して被ガイド部やガイドレールに偏荷重が作用する事態も想定され、このような事態になれば被ガイド部やガイドレールの長寿命化を阻害し得る。そこで、偏荷重にも耐え得るように被ガイド部やガイドレールを大型化することも考えられるが、コンパクト化を実現できないため、万全を期す構成であるとは言い難い。
本発明者は、鋭意研究の末、可動子のさらなる軽量化に伴う可動子自体の撓み及びアンバランスな吸引力に起因する可動子の変形を防止・抑制して、固定子と可動子との間に所定寸法のギャップを確保し、可動子を高速、高加速度で移動可能な構成にするとともに、可動子に付帯させた被ガイド部をガイドレールに案内させながら可動子を直線移動させる構成を採用しつつ、被ガイド部及びガイドレールの長寿命化及び小型化を図ることができ、被ガイド部を、可動子の剛性向上に貢献する部材に適切に取り付けることができるように構成したリニアモータを発明するに至った。
すなわち本発明は、コイルを有する一次側磁界発生部材としての固定子と、厚み方向において所定ギャップを介して固定子に対向する位置に配置され且つ固定子に対して直線方向に相対移動可能な二次側部材としての可動子と、固定子の近傍に設けられ且つ可動子を移動方向に案内可能なガイドレールとを備えたリニアモータに関するものである。
そして、本発明に係るリニアモータは、固定子として、磁界を形成可能な第1磁極歯を可動子の移動方向(以下、単に「移動方向」と称す)に沿って所定ピッチで備えたものを適用し、可動子として、磁界を形成可能な第2磁極歯と、第2磁極歯を保持する非磁性体の保持部材の剛性を高める非磁性体の補強部とを備えたものを適用し、補強部が、少なくとも第2磁極歯のうち固定子に対向する面よりも厚み方向において固定子に近い位置に配置される固定子対向面、及びガイドレールに案内される被ガイド部を取り付ける被ガイド部取付面を有し、少なくとも固定子対向面を平滑に形成し且つ第1磁極歯のうち可動子に対向する面に対して平行としていることを特徴としている。
このようなリニアモータであれば、第2磁極歯と非磁性体の補強部とを用いて可動子を構成しているため、可動子の構成部品数を少なくすることで可動子全体の軽量化を実現することが可能であるとともに、第2磁極歯を保持する非磁性体の保持部材の撓みを補強部によって防止し、さらに、補強部のうち、第2磁極歯よりも厚み方向において固定子に近い位置に配置される固定子対向面を平滑に形成し、この固定子対向面を固定子の第1磁極歯のうち可動子に対向する面に対して平行としているため、固定子と可動子の間に所定寸法の均一なギャップを確保することができ、トルク向上に寄与し、可動子を直線的に移動させる正常な動作を確保することができる。また、リニアモータの組立時や製造時の公差のため、固定子のうち相対的に可動子に近い部分への吸引力が働き、このようなアンバランスな吸引力に起因して、軽量化した可動子であれば撓み変形の度合いが大きくなることが想定されるが、本発明のリニアモータでは、第2磁極歯を保持する非磁性体の保持部材の撓みを補強部によって防止する構造を採用しているため、アンバランスな吸引力に起因する可動子の変形も防止・抑制することができる。
しかも、本発明のリニアモータであれば、ガイドレールによって可動子の直線移動を案内する構成を採用して可動子の安定した動作を維持しつつ、磁気吸引力のアンバランスに起因して被ガイド部及びガイドレールに偏荷重が作用する事態を防止・抑制することができ、被ガイド部及びガイドレールの長寿命化を図ることができる。また、本発明のリニアモータであれば、偏荷重にも耐え得るようにガイドレールや被ガイド部を大型化する必要性がなく、ガイドレール及び被ガイド部のコンパクト化をも実現できる。さらに、本発明のリニアモータは、磁気吸引力のアンバランスを解消することができ、磁気吸引力のアンバランスが生じる構成と比較して、被ガイド部及びガイドレールに作用する負荷を軽減することで定格荷重を小さくすることができ、被ガイド部として軽量で小型なものを選択することが可能になり、その結果、小型で軽量の被ガイド部を可動子に付帯させれば、可動子のより一層大きな加速度を得ることができる。
加えて、本発明のリニアモータでは、可動子の剛性向上に貢献する補強部に被ガイド部を取り付ける被ガイド部取付面を確保することで、被ガイド部を取り付けるための専用部材を可動子に設ける必要がなく、部品点数の削減を図ることができる。
このように、本発明のリニアモータであれば、可動子全体の軽量化及び剛性向上を両立させることができ、可動子と固定子の間に均一なギャップを確保して、被ガイド部をガイドレールに案内させながら可動子全体をより一層早い速度、高加速度で移動させることが可能である。
このように、本発明のリニアモータであれば、可動子全体の軽量化及び剛性向上を両立させることができ、可動子と固定子の間に均一なギャップを確保して、被ガイド部をガイドレールに案内させながら可動子全体をより一層早い速度、高加速度で移動させることが可能である。
さらに、本発明のリニアモータでは、補強部の固定子対向面と被ガイド部取付面とを段違いに設定することも可能であるが、加工容易性及び高い寸法精度を確保するのであれば、固定子対向面と被ガイド部取付面とを同一平面上に形成していることが望ましい。
また、本発明のリニアモータにおいて、被ガイド部のうち被ガイド部取付面に接触する面と、被ガイド部取付面をそれぞれ平滑に形成すれば、補強部の被ガイド部面取付面に対する被ガイド部の良好な取付状態及び被ガイド部を介した可動子の安定した直線移動を維持することができる。
本発明において、補強部の好適な一例としては、保持部材を収容可能な非磁性体のケースによって構成したものを挙げることができる。
また、本発明のリニアモータにおいて、ケースによる保持部材の良好な収容状態及びケースに対する被ガイド部の良好な取付状態を確保しつつ可動子の軽量化を図るために、ケースのうち、保持部材の収容に寄与しない部位であり且つ被ガイド部の取り付けに寄与しない部位に肉抜き部を形成することができる。
また、本発明は、ヨークを可動子に設けた(形成した)リニアモータを包含するが、可動子の軽量化という観点からすればヨークを設けていない(ヨークとして機能する部分を有しない)可動子の方が有利である。そこで、本発明のリニアモータでは、可動子を厚み方向において2つの固定子に所定ギャップを介して挟まれる位置に配置した構成を採用することができる。このような構成であれば、ヨークを備えていないことによる可動子の軽量化を図ることができるとともに、可動子に推力を与えるために、可動子と、この可動子を挟む2つの固定子との間に磁気回路を形成した場合、可動子の第2磁極歯がヨークに連続せずにそれぞれ独立して構成されているために、可動子の各第2磁極歯がヨークに連続
している構成と比較して相対的に漏れ磁束を少なくすることも可能であり、各固定子における第1磁極歯と可動子の第2磁極歯との間の磁束密度をより大きくして可動子に対する推力を大きくすることができ、同一の電力であってもさらに可動子の加速度を増大させて、反応を速くすることが可能である。
本発明によれば、固定子によって直線方向に移動可能に駆動される二次側部材としての可動子を、移動方向に沿って所定ピッチで配置され且つ磁界を形成可能な第2磁極歯と、第2磁極歯を保持する非磁性体の保持部材の剛性を高める非磁性体の補強部とを備えたものにし、補強部のうち固定子対向面を平滑に形成しているため、可動子の軽量化及び剛性向上を実現できるとともに、ガイドレールによって可動子の直線移動を案内する構成を採用して可動子の安定した動作を維持しつつ、ガイドレールに案内される被ガイド部を、可動子の剛性向上に貢献する補強部に形成した被ガイド部取付面に取付可能に構成することで、可動子の所定箇所(被ガイド部取付面)に対する被ガイド部の取付処理の簡易化及び補強部に対する被ガイド部の良好な取付状態を維持することが可能なリニアモータを提供することができる。また、上述した構成を採用することによって、可動子の軽量化を図りつつ、アンバランスな吸引力に起因する可動子の変形も防止・抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るリニアモータの分解斜視図。 同実施形態に係るリニアモータのうち筐体を省略した全体斜視図。 同実施形態に係るリニアモータを可動子の移動方向から見た図。 図3のa方向矢視図。 図3のb−b線端面図。 図5の要部拡大図。 図4のd−d線端面図。 同実施形態における可動子の分解斜視図。 同実施形態における可動子を移動方向から見た図。 図9のe方向矢視図。 図10のf−f線断面図。 同実施形態の一変形例における可動子の全体斜視図。 図12に示す可動子を移動方向から見た図。 同実施形態の他の一変形例における可動子を移動方向から見た図。
本発明の一実施形態に係るリニアモータLは、図1乃至図4(図1はリニアモータL全体の分解斜視図であり、図2は筐体1を省略したリニアモータLの斜視図であり、図3は可動子4の移動方向Aから見たリニアモータLの全体図であり、図4は図3のa方向矢視図である)に示すように、対向配置した一対の一次側磁界発生部材としての固定子2,3と、これら一対の固定子2,3同士の間に配置した二次側部材としての可動子4とを主体としてなり、一対の固定子2,3によって可動子4を直線方向(図1及び図2における矢印A方向)に移動可能に構成したものである。
本実施形態のリニアモータLでは、一対の固定子2,3同士が対向する方向である高さ方向において、相対的に下側の固定子3(以下、「下側固定子3」と称し、他方の固定子を「上側固定子2」と称す)の近傍に、可動子4を所定の移動方向Aに案内可能なガイドレール5を設けている。上述の通り、可動子4の移動方向Aは図1の矢印A方向であり、以下における「移動方向A」は可動子4の移動方向Aを意味する。また、以下の説明における「幅方向」は、可動子4の移動方向Aに直交し且つ一対の固定子2,3同士が対向する方向(高さ方向)にも直交する方向を指す。
本実施形態では、これら上側固定子2、下側固定子3、可動子4及びガイドレール55を共通の筐体1内に収容可能に構成している。筐体1は、上側筐体11と下側筐体12とを備えている。
上側筐体11は、図1、図3及び図4に示すように、移動方向A及び下方に開放された下向きコ字状をなし、天井壁111と、天井壁111の両側縁から下方に垂下する一対の垂下壁112とによって形成したものである。本実施形態では、天井壁111の下向き面に、上側固定子2を幅方向に挟んだ状態で保持可能な一対の上側保持板113を設けている。これら一対の保持板113のうち一方の保持板113にセンサブラケットS1を取り付け、このセンサブラケットS1にセンサヘッドS2を固定している。
下側筐体12は、図1、図3及び図4に示すように、移動方向A及び上方に開放された上向きコ字状をなし、底壁121と、底壁121の両側縁から上方に起立する一対の起立壁122と、各起立壁122の上端部からそれぞれ対向する他方の起立壁122に向かって突出させた突出壁123とによって形成したものである。本実施形態では、底壁121の上向き面に、下側固定子3を幅方向に挟んだ状態で保持可能な一対の下側保持板124を設けている。一対の起立壁122の突出端同士の離間寸法を、下側固定子3の幅寸法よりも大きく設定し、各起立壁122の上向き面にそれぞれ移動方向Aに沿って延伸するガイドレール5を固定している。
上側固定子2は、図2、図3及び図5(図5は図3のb−b線端面図である)に示すように、上側固定子コア部21と、上側固定子コア部21に設けたコイルCとを備えている。上側固定子コア部21は、例えば軟磁性の積層鋼板(幅方向に積層した鋼板)によって形成したものであり、高さ方向において相対的に可動子4に近い端部(下端部)に、移動方向Aに沿って一定間隔で上側ティース22(極歯)を形成し、移動方向Aに隣り合う上側ティース22同士の間にそれぞれ永久磁石Mを挿入して固定している。本実施形態では、図6(同図は図5の要部拡大図である)に示すように、各永久磁石Mを、S極またはN極が可動子4の移動方向Aを向く姿勢で配置し、移動方向Aに隣り合う永久磁石M同士は磁化の方向が互いに逆向きとなっている。したがって、移動方向Aに隣り合う永久磁石M同士に挟まれて磁極歯(本発明の「第1磁極歯」)として機能する複数の上側ティース22は、移動方向Aに沿ってS極の上側ティース22とN極の上側ティース22が交互に並ぶ配置になる。なお、各永久磁石Mのピッチは、後述する第2磁極歯41のピッチの半分程度であることが好ましいが、後述する第2磁極歯41のピッチの半分に限定されず、適宜のピッチに設定してもよい。
コイルCは、上側固定子2コアのうち所定数の上側ティース22毎に設けたスロットに巻回したものである。本実施形態では、図示しない三相交流電源によってU相,V相,W相の電流が流れるように設定している。そして、上側固定子2において三相の電流を通電可能なコイルCの数(つまり3本のコイルC)を備えた領域を1セットとして捉えた場合、本実施形態の上側固定子2は、移動方向Aに複数セット(図示例では2セット)配置したものであるといえる。
下側固定子3は、図2、図3、図5乃至図7(図7は図4のd−d線端面図である)に示すように、上側固定子2と同一形状であり、本発明の第1磁極歯として機能する下側ティース32が、高さ方向に対向する上側固定子2の上側ティース22と反対の磁極となるように設定している点で上側固定子2と異なる。つまり、下側固定子3は、下側固定子コア部31と、下側固定子コア部31に設けたコイルCとを備え、例えば軟磁性の積層鋼板(移動方向Aに対して直交する幅方向に積層した鋼板)によって形成した下側固定子コア部31のうち高さ方向において相対的に可動子4に近い端部(上端部)に、複数の下側ティース32を移動方向Aに沿って所定ピッチで設けるとともに、コイルCを巻回する下側スロットを形成している。そして、図6に示すように、移動方向Aに並ぶ下側ティース32同士の間にそれぞれ永久磁石Mを挿入し、移動方向Aに隣り合う永久磁石M同士の磁性を反対の向きに設定することによって、移動方向Aに隣り合う永久磁石M同士に挟まれて磁極歯(本発明の「第1磁極歯」)として機能する複数の下側ティース32は、移動方向Aに沿ってS極の下側ティース32とN極の下側ティース32が交互に並ぶ配置になる。
このような上側固定子2及び下側固定子3は、筐体1内においてそれぞれ上側保持板113、下側保持板124にそれぞれ保持され、この保持状態で可動子4を挟む位置に相互に平行となる関係に維持されている。そして、上述したように、本実施形態のリニアモータLでは、上側固定子2及び下側固定子3のうち高さ方向に対向する位置に配置される上側第1磁極歯22(上側ティース22)と下側第1磁極歯32(下側ティース32)が相互に異なる磁極となるように設定している。
可動子4は、図1乃至図3、図7乃至図11(図8は可動子4の分解斜視図であり、図9は移動方向Aから見た可動子4の全体図であり、図10は可動子4の側面図(図9のe方向矢視図)であり、図11は図10のf−f線断面図である)に示すように、移動方向Aに沿って所定ピッチで配置され且つ磁界を形成可能な複数の第2磁極歯41と、これら複数の第2磁極歯41を保持する非磁性体の保持部材の剛性を高める補強部とを備え、上側固定子2及び下側固定子3に対向する面を平滑に形成したものである。本実施形態では、移動方向Aにおける可動子4の寸法を、上述した上側固定子2及び下側固定子3の1セット分に相当する長さに設定している。
本実施形態では、保持部材として複数の第2磁極歯41を保持する非磁性体のホルダ42を適用している。ホルダ42は、第2磁極歯41を隙間無く保持する保持孔421と、空洞の肉抜き孔422とを移動方向Aに沿って交互に形成した例えば樹脂製の一体成形品である。本実施形態では、保持孔421及び肉抜き孔422として、厚み方向に貫通した孔を適用している。これら保持孔421及び肉抜き孔422は、何れもホルダ42の幅方向に長尺であり且つ厚み方向に平行な断面において略矩形状をなす点が共通である。本実施形態の可動子4では、移動方向Aにおける保持孔421の開口寸法を、移動方向Aにおける肉抜き孔422の開口寸法よりも大きく設定している。なお、移動方向Aにおける肉抜き孔422の開口寸法を、移動方向Aにおける保持孔421の開口寸法よりも大きく設定した構成を採用してもよい。
そして、各保持孔421に第2磁極歯41を隙間無く保持させた状態において、ホルダ42のうち移動方向Aに隣り合う保持孔421と肉抜き孔422との境界部分423が、移動方向Aにおける各第2磁極歯41の位置決め部として機能している。
第2磁極歯41は、強磁性の板材であるいわゆる電磁鋼板としての鋼板を幅方向に積層して構成したものである。なお、電磁鋼板としての鋼板を移動方向Aに積層して構成した第2磁極歯41であってもよい。そして、ホルダ42の保持孔421にそれぞれ保持された各第2磁極歯41のうち上側部分が上側第1磁極歯22と対向し、下側部分が下側第1磁極歯32と対向する。また、各第2磁極歯41は、ホルダ42のうち保持孔421と肉抜き孔422との境界部分423によって移動方向Aに独立している。このような構成及び配置に設定した第2磁極歯41を有する可動子4を備えたリニアモータLでは、各固定子(上側固定子2、下側固定子3)から与えられる磁界によって可動子4内部で発生する渦電流を抑制し、磁気的な効率の低下を防ぐことができる。
本実施形態のリニアモータLでは、第2磁極歯41を保持したホルダ42を収容可能なケース43によって補強部を構成している。ケース43は、内部にホルダ42を収容可能なホルダ収容部431を有し、上向き面及び下向き面をそれぞれ平滑に形成した平板状の非磁性体である。ケース43には、非磁性に加えて、絶縁性、比重が小さい、剛性が高いことが要求され、本実施形態では、これらを全て満たす素材としてCFRP(炭素繊維強化プラスチック: carbon
fiber reinforced plastics)を適用している。すなわち、本実施形態のリニアモータLは、CFRP製の一体成形品であるケース43を備えた可動子4を適用している。ケース43は、第2磁極歯41のうち固定子2,3に対向する面よりも厚み方向(可動子4と固定子2,3がギャップを介して対峙する方向)において固定子2,3に近い位置に配置される固定子対向面43a,43bと、ガイドレール5に案内される被ガイド部44を取り付ける被ガイド部取付面43cとを有するものである。ここで、固定子対向面43a,43bは、第2磁極歯41のうち固定子2,3に対向する面よりも厚み方向(可動子4と固定子2,3がギャップを介して対峙する方向)において優先して固定子2,3に対向する面として捉えることができる。本実施形態のリニアモータLは、可動子4を厚み方向に上側固定子2及び下側固定子3で挟む配置を採用しているため、ケース43の上向き面及び下向き面にそれぞれ固定子対向面43a,43bを設定している。より具体的に本実施形態のリニアモータLは、ケース42の上向き面のうち厚み方向においてホルダ42と重なる面と、ケース42の下向き面のうち厚み方向においてホルダ42と重なる面をそれぞれ上側固定子対向面43a、下側固定子対向面43bとして機能させている。ここで、ケース43のうち、第2磁極歯41における上側固定子2に対向する面(本実施形態では、第2磁極歯41のうち上側固定子2に対向する面は、ホルダ42の上向き面と同一平面上または略同一平面上にある面になる)を被覆する面、換言すれば第2磁極歯41における上側固定子2に対向する面に直接接する面を上側被覆面43dとした場合、上側固定子対向面43aは上側被覆面43dに対して表裏の関係にある面である。同様に、ケース43のうち、第2磁極歯41における下側固定子3に対向する面(本実施形態では、第2磁極歯41のうち下側固定子3に対向する面は、ホルダ42の下向き面と同一平面上または略同一平面上にある面になる)を被覆する面、換言すれば第2磁極歯41における下側固定子3に対向する面に直接接する面を下側被覆面43eとした場合、下側固定子対向面43bは下側被覆面43eに対して表裏の関係にある面である。そして、本実施形態のリニアアクチュエータLでは、フラットな平面を形成する固定子対向面43a,43bを、固定子(上側固定子2,下側固定子3)における第1磁極歯22,32のうち可動子4に対向する面に対して平行となるように設定している。
ケース43のうちホルダ収容部431は、移動方向Aにおいて外部に開放されており、このホルダ収容部431にホルダ42を収容した状態で、ケース43及びホルダ42の移動方向Aにおける端が一致する。ここで、上述したケース43における上側被覆面43d及び下側被覆面43eは、ホルダ収容部431の空間を規定する面であって厚み方向(高さ方向)に対向する面と同義である。また、ケース43の幅寸法は、ホルダ42の幅寸法よりも大きく、ケース43の幅方向中央部にホルダ収容部431を形成し、ホルダ収容部431が形成されていない部分(本実施形態ではケース43の各コーナー部)に、被ガイド部44を取付可能に構成している。本実施形態のケース43では、ケース43の四隅に形成したネジ挿通孔432を利用して被ガイド部44をケース43の下向き面における四隅に固定している。すなわちケース43の下向き面の四隅は、被ガイド部44を取り付けるための被ガイド部取付面43cとして機能する。ここで、本実施形態ではケース43の下向き面全体を平滑に形成しているため、被ガイド部取付面43cも平滑な面である。また、ケース43のうち被ガイド部取付面43c、及び下側固定子3に対向する固定子対向面(下側固定子対向面43b)は同一平面上に形成したフラットな平滑面である。
各被ガイド部44は、ケース43の下向き面に接触する面44aを平滑な面に設定し、ガイドレール5を幅方向から挟み込んだ状態でこのガイドレール5に係合可能なガイド係合部44bを備えたものである。本実施形態のリニアモータLでは、1本のガイドレール5に対して、移動方向Aに沿って所定寸法離間させた位置に配置した2つの被ガイド部44が案内されるように構成している。
また、ケース43の上向き面には移動方向Aに延伸するセンサスケールS3を適宜の方法によって固定している。このセンサスケールS3は、ケース43の上向き面のうち、平面視においてホルダ収容部431に重ならない領域に配置され、上述の筐体1に設けたセンサヘッドS2によって読み取られることで、可動子4の位置把握に寄与するものである。
本実施形態のリニアモータLは、ケース43のうち、ホルダ42の収容に寄与しない部位であり且つ被ガイド部44の取り付けに寄与しない部位に肉抜き部433を形成している。具体的には、図11に示すように、ケース43のうち幅方向においてホルダ収容部431を挟み得る部分にそれぞれケース43の側方にのみ開口する肉抜き部433を形成している。
このような構成を有するケース43は、ホルダ42の剛性を高める補強部としての機能を発揮し、さらには、上述したように、ケース43の上向き面のうち、平面視においてホルダ収容部431に重なる領域が上側固定子対向面43aとして機能し、ケース43の下向き面のうち、平面視においてホルダ収容部431に重なる領域が下側固定子対向面43bとして機能する。
そして、本実施形態に係るリニアモータLは、図6に示すように、可動子4のうち上側固定子2に対向する面(具体的にはケース43の上向き面のうち平面視においてホルダ収容部431に重なる面)と上側固定子2との間、及び下側可動子43に対向する面(具体的にはケース43の上向き面のうち平面視においてホルダ収容部431に重なる面)と下側固定子3との間にはそれぞれ所定の同一寸法のギャップ(磁気ギャップ)を形成している。
このような相対位置関係に設定した可動子4、上側固定子2、下側固定子3を備えた本実施形態のリニアモータLでは、上側固定子2及び下側固定子3によって可動子4に作用する磁気力を高さ方向において釣り合わせて、可動子4に対して移動方向A以外の力が略作用しないように構成している。
このように構成したリニアモータLは、高さ方向に対向する上側第1磁極歯22と下側第1磁極歯32の極性は異なっており、図示しない制御部からコイルCに所定のパターンで三相交流電流を流すとことによって、各固定子(上側固定子2、下側固定子3)と可動子4とを通る種々のパターンの磁気回路を形成し、可動子4と各固定子(上側固定子2、下側固定子3)のギャップには、上側第1磁極歯22、第2磁極歯41、下側第1磁極歯32の間を交番する磁束が通り、上側第1磁極歯22と第2磁極歯41との間、及び第2磁極歯41と下側第1磁極歯32との間に吸引力が発生して可動子4に推力を発生させることができる。
このように本実施形態に係るリニアモータLでは、磁界を形成可能な第1磁極歯(上側第1磁極歯22、下側第1磁極歯32)を可動子4の移動方向Aに沿って所定ピッチで設け且つコイルCを備えた一次側磁界発生部材として機能する固定子(上側固定子2、下側固定子3)に対向する位置に配置され二次側部材として機能する可動子4として、移動方向Aに沿って所定ピッチで配置され且つ磁界を形成可能な第2磁極歯41と、これら複数の第2磁極歯41を保持する非磁性体の保持部材(ホルダ42)の剛性を高める補強部として機能するケース43とを備えたものを適用しているため、可動子4の軽量化を図るべく、第1磁極歯及び保持部材(ホルダ42)を薄く形成した場合であってもケース43によって可動子4全体の剛性を高めることができるとともに、ケース43のうち固定子(上側固定子2、下側固定子3)に対向する固定子対向面43a,43bを平滑に形成し且つ第1磁極歯22,32のうち可動子4に対向する面に対して平行としているため、固定子(上側固定子2、下側固定子3)と可動子4の間に凹凸のない所定寸法の均一なギャップを確保することができ、トルク向上に寄与し、可動子4を固定子2,3に対して相対的に直線移動させる正常な動作を確保することができる。さらに、ケース43を厚み寸法を小さく設定すれば可動子4全体の薄型化に役立ち、ケース43による良好な剛性を有しつつ従来の可動子よりも薄い可動子4を実現できる。その結果、推力の低下を極力抑えて小型軽量化を図ることができ、高加速度を実現可能な可動子4を備えた実用性・機能性に富むリニアモータLを提供することができる。また、従来のリニアモータでは、組立時や製造時の公差のため、固定子のうち相対的に可動子に近い部分への吸引力が働き、このようなアンバランスな吸引力に起因して、軽量化した可動子であれば撓み変形の度合いが大きくなることが想定されるが、本実施形態のリニアモータLでは、第2磁極歯41を保持する非磁性体の保持部材42の撓みを補強部であるケース43によって防止する構造を採用しているため、アンバランスな吸引力に起因する可動子4の変形も防止・抑制することができる。
しかも、本実施形態のリニアモータLは、ガイドレール5に被ガイド部44を案内させながら可動子4を直線移動させる構成を採用することで可動子4の安定した動作を維持しつつ、磁気吸引力のアンバランスに起因して被ガイド部44及びガイドレール5に偏荷重が作用する事態を防止・抑制することができ、被ガイド部44及びガイドレール5を用いて構成されるリニアガイド機構の長寿命化を図ることができる。また、本実施形態のリニアモータLによれば、偏荷重にも耐え得るように被ガイド部44及びガイドレール5を大型化する必要性がなく、被ガイド部44及びガイドレール5のコンパクト化をも実現できる。さらに、本実施形態のリニアモータLは、磁気吸引力のアンバランスを解消することができるため、磁気吸引力のアンバランスが生じる構成と比較して、被ガイド部44及びガイドレール5に作用する負荷を軽減することで定格荷重を小さくすることができ、ガイドレール5にガイドされる被ガイド部44として軽量で小型なものを選択することが可能になり、その結果、小型で軽量の被ガイド部44を可動子4の一部に取り付けることで可動子4のより一層大きな加速度を得ることができる。特に、本実施形態に係るリニアモータLは、相互に離間して設けた複数の被ガイド部44を備えた可動子4を適用しており、磁気吸引力のアンバランスを防止・抑制することで各被ガイド部44が接触するガイドレール5の部分単位で作用する負荷が大きく異なるという事態を回避することができ、各被ガイド部44を介した可動子4全体のスムーズな直線移動を確保しつつ、上述した被ガイド部44及びガイドレール5の長寿命化及び小型化を実現することができる。
加えて、本実施形態に係るリニアモータLは、固定子(上側固定子2、下側固定子3)に干渉しない位置に固定したガイドレール5に案内させる被ガイド部44をケース43の一部に設定した被ガイド部取付面43cに取付可能に構成しているため、被ガイド部44を取り付けるための専用部材をケース43とは別に可動子4に設ける必要がなく、部品点数の削減を図ることができるとともに、被ガイド部44のうち被ガイド部取付面43cに接触する面及びケース43の被ガイド部取付面43cを互いに平行となるフラットな平滑面に形成しているため、ケース43に対する被ガイド部44の取付処理の簡易化及びケース43に対する被ガイド部44の良好な取付状態を維持することができる。特に、本実施形態に係るリニアモータLでは、被ガイド部取付面43cを固定子対向面(下側固定子対向面43b)と同一平面上に形成しているため、被ガイド部取付面と固定子対向面を段違いの面に形成する態様と比較して、加工容易性に優れ、高い加工精度・寸法精度を確保し易いというメリットを得ることができる。
また、本実施形態のリニアモータLは、固定子(上側固定子2、下側固定子3)とは干渉しない位置に固定したガイドレール5にガイドされる被ガイド部44を、ケース43のうち固定子(上側固定子2、下側固定子3)対向しない部分(平面視において固定子2,3と重ならない部分)に設定した被ガイド部取付面43cに取付可能に構成しているため、固定子(上側固定子2、下側固定子3)の第1磁極歯(上側第1磁極歯22、下側第1磁極歯32)と可動子4の第2磁極歯41とを通る磁束の経路から外れた位置にガイドレール5及び被ガイド部44を配置することで、コイルCの通電時には固定子(上側固定子2、下側固定子3)と可動子4の間の磁束密度を所期の値に維持しながら、被ガイド部44をガイドレール5に案内させることで可動子4の安定した動作を維持することができる。
また、本実施形態のリニアモータLでは、ケース43のうち、ホルダ42の収容に寄与しない部位であり且つ被ガイド部44の取り付けに寄与しない部位に肉抜き部433を形成しているため、ケース43によるホルダ42の良好な収容状態及びケース43に対する被ガイド部44の良好な取付状態を確保しつつ可動子4の軽量化を図ることができる。
特に、本実施形態のリニアモータLは、厚み方向(高さ方向)において2つの固定子(上側固定子2、下側固定子3)に所定ギャップを介して挟まれる位置に可動子4を配置した構成であるため、可動子4に推力を与えるために、各固定子(上側固定子2、下側固定子3)と可動子4とを辿る磁気回路を形成した場合、一方の固定子の第1磁極歯から可動子4の第2磁極歯41を通る磁束が、可動子4のうちその第2磁極歯41以外の部分を辿ることなく他方の固定子の第1磁極歯を辿るように構成することが可能になり、可動子4内部で発生し得る漏れ磁束を、可動子4の移動方向Aに隣り合う第2磁極歯41同士をヨークを介して連続して形成した構成と比較して相対的に少なくすることができ、可動子4及び各固定子(上側固定子2、下側固定子3)を通る磁束密度をより一層大きくして可動子4に対する推力を大きくすることができ、同一の電力であってもさらに可動子4の加速度を増大させて、反応を速くすることが可能である。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。例えば、ガイドレールや被ガイド部の形状などに応じて、被ガイド部取付面を固定子対向面よりも固定子に近い面または固定子対向面よりも固定子から離れた面に設定した方がよい場合には、被ガイド部取付面と固定子対向面とを高さ違い(段違い)の面に設定しても構わない。
また、被ガイド部のうち被ガイド部取付面に接触する面の全体又は一部に凹凸(曲面も含む)がある場合には、それらの形状に応じて被ガイド部取付面の形状も、この被ガイド部取付面に対する被ガイド部のがたつきの無い良好な取付状態を実現できるように適宜変更すればよい。
また、補強部のうち固定子対向面以外の部分(被ガイド部取付面も含めて)は凹凸のある形状(平滑でない形状)であっても構わない。
さらに、固定子対向面と被ガイド部取付面が相互に異なる方向を向く面であってもよい。
また、上述の実施形態では、補強部としてケースを例示したが、第2磁極歯における固定子に対向する面を被覆する非磁性材からなる平板状の部材によって補強部を実現してもよい。この場合、可動子の厚み方向に一対の固定子を対向配置したリニアモータであれば、例えば図12及び図13に示すように、保持部材(ホルダ42)のうち固定子(図示省略)に対向する面をそれぞれ個別に被覆する非磁性材からなる2枚の板状部材(平板)49によって補強部を構成している。補強部として機能する各板状部材49のうち、第2磁極歯41に直接接触して第2磁極歯41を被覆する面(上側被覆面49d、下側被覆面49e)に対して表裏関係にある面が固定子対向面(上側固定子対向面49a、下側固定子対向面49b)であり、被ガイド部44を取り付ける面が被ガイド部取付面49cである。なお、図12及び図13では、各板状部材49にそれぞれセンサスケールS3を設けた構成を例示しているが、何れか一方の板状部材49にのみセンサスケールS3を設けた構成であってもよい。
また、可動子の厚み方向における何れか一方の面に対向する位置に固定子を配置したリニアモータであれば、例えば図14に示すように、第2磁極歯41のうち固定子(図示省略)に対向する面を被覆する非磁性材からなる1枚の板状部材(平板)49によって補強部を実現することができる。補強部として機能する板状部材49のうち、第2磁極歯41に直接接触して第2磁極歯41を被覆する面(被覆面49d、下側被覆面49e)に対して表裏関係にある面が固定子対向面(上側固定子対向面49a、下側固定子対向面49b)であり、被ガイド部44を取り付ける面が被ガイド部取付面49cである。なお、図12乃至図14では、上述の実施形態に対応する部分や箇所には同じ符号を付している。
また、保持部材の剛性を高めるべく保持部材に一体に形成した部位によって補強部を実現してもよい。例えば射出成形や接着処理などによって保持部材と補強部を一体又は一体的に構成することも可能である。
また、保持部材の剛性を高める補強部をケースによって構成した場合に、ケースに形成する肉抜き部として、ケースの所定方向(厚み方向や幅方向等)に貫通した孔や、所定方向に開口した切欠やスリット、或いは凹部を採用してもよい。肉抜き部の数や形成箇所も適宜変更・選択することができる。
保持部材や補強部は、非磁性体であればよく、樹脂やCFPR以外の適宜の非磁性素材から形成することができる。保持部材や補強部の素材として、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:glass fiber reinforced plastics)、ステンレス、チタン、セラミックなどを適用してもよい。これらは何れも非磁性体であり、さらに、絶縁体であって比重が小さく、剛性が高いという特性を有し、保持部材や補強部に要求される機能を発揮するためには好適な素材である。
上述の実施形態では、ホルダに形成する肉抜き孔として厚み方向(ギャップを介して固定子に対面する方向)に貫通する孔を例示したが、肉抜き孔として厚み方向に貫通していない凹部を適用してもよい。また、厚み方向に貫通した肉抜き孔と、厚み方向に貫通していない肉抜き孔とを混在させた構成であっても構わない。或いは、肉抜き孔を形成していないホルダであってもよい。
また、固定子と可動子をそれぞれ1つずつ備えたリニアモータであってもよい。この場合、可動子に、移動方向に隣り合う第2磁極歯同士に連続して磁路を形成する部分(ヨーク)を設けることで、1対1の関係で配置した固定子と可動子との間における磁束のスムーズに流れを確保することができる。
1本のガイドレールに対して単一又は3以上の被ガイド部をガイドさせる構成や、リニアモータ全体において、1本又は3本以上のガイドレールを固定子に干渉しない位置に配置した構成を採用してもよい。
また、可動子と固定子とが相互に対向する方向から見た状態において、第1磁極歯又は第2磁極歯の両方または何れか一方を、可動子の移動方向に対して所定角度傾斜した姿勢(スキュー姿勢)で等ピッチで配置した構成にすることもできる。
また、可動子が第2磁極歯を1つだけ有するものであってもよい。この場合、保持部材は単一の第2磁極歯を保持する機能を発揮する非磁性体のものであればよく、補強部はこのような保持部材の剛性を高める非磁性体のものであれば十分である。保持部材は、上述の実施形態で述べた形状のホルダに限られず、第2磁極歯の形状や数に応じて種々の形状に変更したり、ホルダ以外の部品によって構成することも可能である。保持部材は、補強部と一体成形したものや、適宜の処理によって補強部と一体的に構成したものであってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
2,3…固定子(上側固定子,下側固定子)
22,32…第1磁極歯(上側第1磁極歯,下側第1磁極歯)
4…可動子
41…第2磁極歯
42…保持部材(ホルダ)
43…補強部(ケース)
431…ホルダ収容部
433…肉抜き部
43a,43b…固定子対向面(上側固定子対向面,下側固定子対向面)
43c…被ガイド部取付面
44…被ガイド部
49…補強部(板状部材)
49a,49b…固定子対向面(上側固定子対向面,下側固定子対向面)
49c…被ガイド部取付面
49f…固定子対向面
5…ガイドレール
C…コイル
L…リニアモータ

Claims (6)

  1. コイルを有する一次側磁界発生部材としての固定子と、厚み方向において所定ギャップを介して前記固定子に対向する位置に配置され且つ前記固定子に対して直線方向に相対移動可能な二次側部材としての可動子と、前記固定子の近傍に設けられ且つ前記可動子を移動方向に案内可能なガイドレールとを備えたリニアモータであって、
    前記固定子が、磁界を形成可能な第1磁極歯を前記可動子の移動方向に沿って所定ピッチで備えたものであり、
    前記可動子が、
    磁界を形成可能な第2磁極歯と、前記第2磁極歯を保持する非磁性体の保持部材の剛性を高める非磁性体の補強部とを備えたものであり、
    前記補強部が、
    少なくとも前記第2磁極歯のうち前記固定子に対向する面よりも前記厚み方向において前記固定子に近い位置に配置される固定子対向面、及び前記ガイドレールに案内される被ガイド部を取り付ける被ガイド部取付面を有し、少なくとも前記固定子対向面を平滑に形成し且つ前記第1磁極歯のうち前記可動子に対向する面に対して平行としていることを特徴とするリニアモータ。
  2. 前記固定子対向面及び前記被ガイド部取付面を同一平面上に形成している請求項1に記載のリニアモータ。
  3. 前記被ガイド部のうち前記被ガイド部取付面に接触する面、及び前記被ガイド部取付面をそれぞれ平滑に形成している請求項1又は2に記載のリニアモータ。
  4. 前記保持部材を収容可能な非磁性体のケースによって前記補強部を構成している請求項1乃至3の何れかに記載のリニアモータ。
  5. 前記ケースのうち、前記保持部材の収容に寄与しない部位であり且つ前記被ガイド部の取り付けに寄与しない部位に肉抜き部を形成している請求項4に記載のリニアモータ。
  6. 厚み方向において2つの前記固定子に所定ギャップを介して挟まれる位置に前記可動子を配置した構成である請求項1乃至5の何れかに記載のリニアモータ。
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