JP6053667B2 - ペダル反力発生装置、ペダル反力発生装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
予め定められた速度に対応する力より大きな力でアクセルペダルを運転者が踏み込んだ場合、車両の速度は、目標としている速度を上回ることがある。触覚警告システムでは、速度の実際値が目標値を上回った場合、アクセルペダルに力を与えるためのモータが、当該モータとアクセルペダルとに接続されている伝動装置によって調節力をアクセルペダルに加える。このように、触覚警告システムは、アクセルペダルの操作に逆らう力をアクセルペダルに与えることでアクセルペダルを押し戻し、運転者が直感的に理解できる情報を提供する(例えば、特許文献1参照)。
なお、本実施形態のペダル反力発生装置1は、例えば車両に搭載される。
図1は、本実施形態に係るアクセルペダル40とアクセルペダル40に反力を与えるためのモータ10との連結の概略を説明する図である。図1に示すように、アクセルペダル40は、一端がアクセルペダル40の裏面に当接し、他端が2段目のギア60に接続されたアーム50を介して、2段目のギア60に機械的に接続される。2段目のギア60は、1段目のギア70と噛み合い、回転力を伝達可能に接続される。1段目のギア70は、モータ10に取り付けられているギア80と噛み合い、回転力を伝達可能に接続される。ここで、アクセルペダル40は、踏み込み量に応じて車両の速度を加速する操作手段としてのペダルである。モータ10は、アクセルペダル40に反力を与えるためのものである。図1において、アーム50、2段目のギア60、1段目のギア70、ギア80、及びモータ10を含めて、反力アクチュエータという。なお、図1に示したアクセルペダル40とモータ10との接続は、一例であり、これに限られない。
まず、矢印f1に示すようにアクセルペダル40が運転者によって踏み込まれると、アーム50がアクセルペダル40の動作と連動して矢印f2の方向に回転する。すると、アーム50を介して、2段目のギア60が矢印f3に示したように時計回りの方向に回転する。この2段目のギア60の回転に応じて、1段目のギア70が矢印f4に示したように反時計回りの方向に回転する。そして、この1段目のギア70の回転に応じて、モータ10に取り付けられているギア80が矢印f5に示したように時計回りの方向に回転する。この結果、モータ10の軸が時計回りに回転するため、モータ10には、例えば反力を与えるときと逆極性の電圧が発生する。
コイル2011とダイオード2012とは並列に接続される。コイル2011の一端とダイオード2012の一端との交点は、電圧源231に接続され、コイル2011の他端とダイオード2012の他端との交点は、リレー駆動回路221の出力端子に接続される。また、スイッチ2013の一端には、駆動電流が供給され、他端はコイル202の一端に接続される。
抵抗203の両端は、過電流検出回路222の入力端子に接続される。また抵抗203の他端は、コンデンサ204の一端と第1スイッチング素子205のドレインとダイオード206のカソードとダイオード208のカソードとの交点に接続される。
コンデンサ204の他端は、接地される。
ダイオード206は、第1スイッチング素子205のドレインとソースとの間に接続される寄生ダイオードである。
ダイオード208のアノードは、第2監視回路229の入力端子、モータ10の負極、第2スイッチング素子209のドレイン、及びダイオード210のカソードに接続される。ダイオード208は、モータ10の負極に流れる過電流を過電流検出回路222が検出するためのものである。
ダイオード210は、第2スイッチング素子209のドレインとソースとの間に接続される寄生ダイオードである。
駆動回路224の入力端子は、制御部30に接続され、出力端子は、第1スイッチング素子205のゲートに接続される。駆動回路224は、昇圧回路223から供給された電力を用いて、制御部30の制御に応じて第1スイッチング素子205を駆動する。
ダイオード2252のカソードは、抵抗2253の一端に接続される。
抵抗2253の他端は、モータ10の正極に接続される。
駆動回路228の入力端子は、制御部30に接続され、出力端子は、第2スイッチング素子209のゲートに接続される。駆動回路228は、電圧源232から供給された電力を用いて、制御部30の制御に応じて第2スイッチング素子209を駆動する。
第2監視回路229は、モータ10の負極の電圧値を監視し、電圧値がHiであるか、Loであるか判別し、判別した第2監視結果を制御部30に出力する。
タイマー301は、所定の時間を計時する。所定の時間は、例えば10msecである。
カウンタ302は、タイマー301が所定の時間を計時した回数をカウントする。
モータ10の正極には、駆動電流がリレー201、コイル202、抵抗203、第1スイッチング素子205、及び抵抗207を介して供給される。
そして、モータ10の負極からの電流は、第2スイッチング素子209を介してグランドに流れる。
一方、アクセルペダル40が踏み込まれたことによってモータ10に電力が発生した場合、モータ10の負極から、ダイオード208を介して駆動回路224に電流が流れる閉回路が形成される。
図3は、本実施形態に係るアクセルペダル40が踏み込まれた場合の駆動回路224への入力信号、プリチャージ回路225の出力信号、第1監視回路227の出力信号(第1監視結果)、駆動回路228への入力信号、第2監視回路229の出力信号(第2監視結果)の各波形例を説明する図である。図3において、横軸は時刻、縦軸は電圧である。また、図3において、Hiはハイレベル、Loはローレベルである。
このため、図3において、第2監視結果は、時刻0〜t2の期間、Loであり、時刻t2〜t4の期間、Hiである。そして、時刻t2〜t3の期間、第1監視結果はLo、第2監視結果はHiであるので、モータ10に電圧が発生している状態ため、制御部30は、異常状態であると判別する。このような場合、制御部30は、後述するように、所定の時間だけ判定を行うタイミングを遅延させて、再度、第1監視結果及び第2監視結果を判別する。
時刻t3〜t4の期間に、仮にアクセルペダル40が運転者によって踏み込まれた場合、第1監視結果はHi、第2監視結果はLoになる。このような状態である場合、制御部30は、異常状態であると判別する。
時刻t5以降、制御部30はリレー201をオン状態に切り替えるためにリレー駆動回路221に出力信号を出力する。そして、符号g2及びg3のように、駆動回路224及び駆動回路228には、制御部30の制御に応じた入力信号が入力される。この結果、モータ10が正常に回転しているため、符号g4及びg5のように第1監視結果はHi、第2監視結果はHiになる。
このように、先にプリチャージ回路225の出力信号をLoに制御して故障検知を行う理由は、図4の時刻t4〜t5の符号g5のように、プリチャージ回路225の出力信号をHiからLoに切り替えた後、第2監視回路229の波形に影響が残るためである。これにより、本実施形態によれば、故障検知中にアクセルペダル40が踏み込まれた場合であっても、モータ10に発生する電圧の影響を受けずに、正確な故障検知を行うことが可能になる。
図4は、本実施形態に係る制御部30が行う故障検知の処理手順のフローチャートである。
(ステップS6)制御部30は、第1監視結果と第2監視結果とを取得する。次に、制御部30は、第1監視結果がLoかつ第2監視結果がHiであるか否かを判別する。制御部30は、第1監視結果がLoかつ第2監視結果がHiであると判別した場合(ステップS6;YES)、モータ10に電力が発生している状態であるためステップS3に戻る。制御部30は、第1監視結果がLoかつ第2監視結果がHiではないと判別した場合(ステップS6;NO)、ステップS7に進む。
(ステップS12)制御部30は、第1監視結果と第2監視結果とを取得する。次に、制御部30は、第1監視結果がLoかつ第2監視結果がHiであるか否かを判別する。制御部30は、第1監視結果がLoかつ第2監視結果がHiであると判別した場合(ステップS12;YES)、モータ10に電力が発生している状態であるためステップS9に戻る。制御部30は、第1監視結果がLoかつ第2監視結果がHiではないと判別した場合(ステップS12;NO)、ステップS13に進む。
以上で、制御部30が行う故障検知の処理手順を終了する。
まず、故障検知中にアクセルペダル40が踏み込まれなかった場合の例について説明する。まず、プリチャージ回路225の出力信号がLoのとき、第1監視結果がLoかつ第2監視結果がLoであるため、制御部30は、カウント値1を保持したまま、処理をステップS8に進める。次に、プリチャージ回路225の出力信号がHiのとき、第1監視結果がHiかつ第2監視結果がHiであるため、制御部30は、モータ10の状態が正常であると判別する。なお、モータ10の状態とは、モータ10に発生する電流、または電圧の状態である。
なお、制御部30は、予め定められている時間、ステップS1〜S14を複数回、繰り返すようにしてもよい。ここで、予め定められている時間とは、イグニッションがオン状態になった後、故障検知を行ってもよい最大時間であり、例えば250msecである。
これにより、イグニッションがオン状態になりモータ出力回路20及び制御部30に電力が供給されたとき、故障検知処理中にアクセルペダル40が踏み込まれても、所定の時間内に駆動回路224及び228、モータ10等の故障検知を正しく行うことができる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、USB(Universal Serial Bus) I/F(インタフェース)を介して接続されるUSBメモリ、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
Claims (7)
- アクセルペダルに反力を付加するモータを制御するペダル反力発生装置であって、
前記モータと電源との間に接続される第1スイッチング素子と、
前記モータと接地端子との間に接続される第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子と前記モータとの接続点に発生する電圧を検出する第1監視回路と、
前記第2スイッチング素子と前記モータとの接続点に発生する電圧を検出する第2監視回路と、
前記第1スイッチング素子を介して前記モータに流れる電流を検出する電流検出回路と、
制御部の制御に応じて、前記第1スイッチング素子を介して前記モータに駆動電流を供給するように切り替えるリレーと、
前記電流検出回路とモータとの間に接続され、前記制御部の制御に応じて前記第1スイッチング素子と前記モータとの接続点に電圧を出力するプリチャージ回路と、を備えるモータ出力回路と、
前記リレーと前記プリチャージ回路と前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子を駆動する駆動回路それぞれを制御し、前記プリチャージ回路の出力状態と前記第1監視回路及び前記第2監視回路が各々検出した信号から前記駆動回路の故障を検出する前記制御部と、
を備え、
前記制御部は、
電源投入をするためのイグニッションがオン状態になったときに、前記リレーをオフ状態になるように制御し、前記プリチャージ回路の出力電圧をローレベルに制御し、前記駆動回路それぞれに前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子それぞれをオン状態にする故障検出信号を入力し、前記駆動回路の故障を検知し、
前記第1監視回路が検出した前記信号がローレベル、前記第2監視回路が検出した前記信号がハイレベルの場合、前記モータが外力によって回されていると判断し、前記故障検出信号がオン状態の期間において、前記故障の検出後、所定の時間後に、前記プリチャージ回路の出力をハイレベルに切り替えて再度、前記プリチャージ回路による出力状態と前記第1監視回路及び前記第2監視回路が各々検出した信号から前記駆動回路の故障を検出する
ことを特徴とするペダル反力発生装置。 - 前記制御部は、
前記プリチャージ回路がローレベルを出力しているとき、前記第1監視回路及び前記第2監視回路がおのおの検出した結果が共にローレベルではない場合、または前記プリチャージ回路がハイレベルを出力しているとき、前記第1監視回路及び前記第2監視回路がおのおの検出した結果が共にハイレベルではない場合に前記駆動回路が故障していると判別する
ことを特徴とする請求項1に記載のペダル反力発生装置。 - 前記制御部は、
電源投入時に、前記プリチャージ回路がローレベルを出力するように制御し、当該プリチャージ回路がローレベルを出力しているとき前記駆動回路が故障していないと判別されたときに、前記プリチャージ回路がハイレベルを出力するように制御する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のペダル反力発生装置。 - 前記第1監視回路が検出した結果がローレベルかつ前記第2監視回路が検出した結果がハイレベルの回数をカウントするカウンタを備え、
前記制御部は、
前記カウンタがカウントしたカウント値が所定の回数以上であるとき、前記駆動回路が故障していると判別する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のペダル反力発生装置。 - 前記制御部は、
前記第1監視回路が検出した結果がローレベルかつ前記第2監視回路が検出した結果がハイレベルの状態が、予め定められている時間以上継続しているとき、前記駆動回路が故障していると判別する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のペダル反力発生装置。 - アクセルペダルに反力を付加するモータを制御するペダル反力発生装置の制御方法であって、
制御部が、電源投入をするためのイグニッションがオン状態になったときに、前記モータと電源との間に接続される第1スイッチング素子を介して前記モータに駆動電流を供給するように切り替えるリレーをオフ状態になるように制御し、前記第1スイッチング素子を介して前記モータに流れる電流を検出する電流検出回路とモータとの間に接続され、前記第1スイッチング素子と前記モータとの接続点に電圧を出力するプリチャージ回路の出力電圧をローレベルに制御し、前記リレーと前記プリチャージ回路と前記第1スイッチング素子及び前記モータと接地端子との間に接続される第2スイッチング素子を駆動する駆動回路それぞれに前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子それぞれをオン状態にする故障検出信号を入力する手順と、
第1監視回路が、前記モータと電源との間に接続される第1スイッチング素子と、前記モータとの接続点に発生する電圧を検出する第1監視手順と、
第2監視回路が、前記モータと接地端子との間に接続される第2スイッチング素子と、前記モータとの接続点に発生する電圧を検出する第2監視手順と、
前記制御部が、プリチャージ回路の出力電圧がローレベルの期間に、前記プリチャージ回路による出力状態と前記第1監視手順及び前記第2監視手順によって各々検出された信号から前記駆動回路の故障を検出する手順と、
前記制御部が、前記第1監視手順によって検出された前記信号がローレベル、前記第2監視手順によって検出された前記信号がハイレベルの場合、前記モータが外力によって回されていると判断し、前記故障検出信号がオン状態の期間において、前記故障の検出後、所定の時間後に、前記プリチャージ回路の出力をハイレベルに切り替えて再度、前記プリチャージ回路による出力状態と前記第1監視手順及び前記第2監視手順によって各々検出された信号から前記駆動回路の故障を検出する手順と、
を含むことを特徴とするペダル反力発生装置の制御方法。 - ペダル反力発生装置のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
電源投入をするためのイグニッションがオン状態になったときに、アクセルペダルに反力を付加するモータと電源との間に接続される第1スイッチング素子を介して前記モータに駆動電流を供給するように切り替えるリレーをオフ状態になるように制御し、前記第1スイッチング素子を介して前記モータに流れる電流を検出する電流検出回路とモータとの間に接続され、前記第1スイッチング素子と前記モータとの接続点に電圧を出力するプリチャージ回路の出力電圧をローレベルに制御し、前記リレーと前記プリチャージ回路と前記第1スイッチング素子及び前記モータと接地端子との間に接続される第2スイッチング素子を駆動する駆動回路それぞれに前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子それぞれをオン状態にする故障検出信号を入力する手順と、
前記第1スイッチング素子と、前記モータとの接続点に発生する電圧を検出する第1監視手順と、
前記モータと接地端子との間に接続される第2スイッチング素子と、前記モータとの接続点に発生する電圧を検出する第2監視手順と、
プリチャージ回路の出力電圧がローレベルの期間に、前記プリチャージ回路による出力状態と前記第1監視手順及び前記第2監視手順によって各々検出された信号から前記駆動回路の故障を検出する手順と、
前記第1監視手順によって検出された前記信号がローレベル、前記第2監視手順によって検出された前記信号がハイレベルの場合、前記モータが外力によって回されていると判断し、前記故障検出信号がオン状態の期間において、前記故障の検出後、所定の時間後に、前記プリチャージ回路の出力をハイレベルに切り替えて再度、前記プリチャージ回路による出力状態と前記第1監視手順及び前記第2監視手順によって各々検出された信号か前記駆動回路の故障を検出する手順と、
を実行させるプログラム。
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