JP6051178B2 - プレストランスファー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、上下に重畳され、金型の列設方向に直進往復移動する搬送用の移動支持板と、該搬送用の移動支持板上において金型の方向に直進往復移動し、クランプ開閉機構を作動させる作動軸の後端部を連結する作動板を取り付けたクランプ用の移動支持板と、前記搬送用の移動支持板の金型寄りの端部上面に固定した支持台の上部に備えたクランプ機構とを使用して複数の供給ワークをプレス機械の金型上に順次搬送するプレストランスファー装置に関するものである。
本発明者は、先に特許文献1に示されるプレストランスファー装置を案出した。
該プレストランスファー装置は、図12〜図15に示す通りであり、複数の供給ワークWを、プレス機械Mの金型K1、K2、K3上に順次搬送すべく駆動機構Dにより直進往復移動可能に上下に重畳されて基台101上に案内支持される一対のフィードバーFBとクランプバーCBとから成るトランスファバーTBを備え、先端側が、上記金型K1、K2、K3内部に臨むように延設された上記一対のフィードバーFBとクランプバーCBの搬送方向後端側に夫々連結される一対のクランク機構102a、102bと、制御装置によって上記両クランク機構102a、102bの回転角度を制御する一対の電動機M1、M2とを備えた上記駆動機構Dとから構成されるプレストランスファー装置に於いて、
上記クランプバーCBは、前方側に上記プレス機械Mの各金型K1、K2、K3に対応するようにクランプバーCB上に一定間隔毎に連設されて搬送方向と直交する一方側に延出し、複数の供給ワークWを同時に把持して搬送する複数のクランプハンドH1、H2、H3を備え、該クランプハンドH1、H2、H3は、先端に上記供給ワークWを把持する一対の把持爪Jを装着した一対の把持アームR1、R2を水平に開閉する動作を順次連続して行なう爪開閉機構103と、上記爪開閉機構103を収容して上記一対の把持アームR1、R2を延出方向に進退移動する動作を行うべく上記クランプバーCBの上面に取付けたハウジング104内に移動可能に収容される移動ケーシング105とを備え、
上記各クランク機構102a、102bの回転角度差により得られる上記フィードバーFBとクランプバーCBの相対的な往復直進移動を搬送方向と直交する横方向の動きに変換する変換機構106a、106bと、該変換機構106a、106bによって搬送方向と直交する横方向の動きを行い上記クランプバーCBに対して進退移動する作動フレーム107と、該作動フレーム107の側端の垂直フレーム107aに後端側が連結されて横方向にオフセットされた先端側が上記爪開閉機構103に係合する作動軸DSと、上記作動フレーム107に保持されて内部に収容された圧縮ばねSPを介して上記移動ケーシング105を押圧付勢する一対のばね収容ケース108a、108bとから構成されて成り、
上記フィードバーFBとクランプバーCBの同期的且つ相対的な往復直進移動の相互作用により上記変換機構106a、106bを介して進退移動する上記作動軸DSが上記爪開閉機構103と連携して上記一対の把持アームR1、R2を開閉すると共に上記移動ケーシング105を介して進退移動し、上記複数の供給ワークWを同時に上記プレス機械Mの各金型K1、K2、K3上のプレス加工タクト内で工程順に搬送するプレストランスファー装置であって、
上記爪開閉機構103は、上記ハウジング104内に前後に直進移動可能に支持される移動ケーシング105と、該移動ケーシング105内に臨む上記作動軸DSの先端に回転可能に軸支された開閉カムフォロア109と該開閉カムフォロア109後方の上記作動軸DSの両側対称位置にあって上記移動ケーシング105の内部底面に回転可能に軸支される一対のガイドカムフォロア110a、110bとを備え、上記ハウジング104内に先端が臨むように上記作動フレーム107の側面から延出した状態で保持される一対のばね収容ケース108a、108bと、該両ばね収容ケース108a、108b内に収容され上記移動ケーシング105を前方に押圧付勢する一対の圧縮ばねSPと、互いに重畳する平板であって上記移動ケーシング105内に収容され上記両平板前方側の夫々に左右対称に形成される傾斜長孔111a、111bの交差する部位に上記開閉カムフォロア109が挿通嵌合すると共に、上記各傾斜長孔111a、111b後方の上記各平板の両側端に端部が開口するように形成された上下が重なる横長孔112a、112bに上記一対のガイドカムフォロア110a、110bが夫々挿通嵌合するように構成された上下一対の爪開閉板113a、113bと、該両爪開閉板113a、113b先端側の反対側端部から離間して夫々前方に延出する両先端部がばねSP1の作用で内方に向けて付勢される一対の把持アームR1、R2と、該両把持アームR1、R2先端に夫々着脱可能に装着され上記供給ワークWの両側面を水平に把持する一対の把持爪Jとから構成されることを特徴とするプレストランスファー装置である。
そしてまた、上記プレストランスファー装置において、上記クランプハンドH1、H2、H3は、後退位置にある一対の把持爪Jが、上記トランスファバーTBの側面から最も離間した位置にある作動フレーム24の作動軸DSにより上記圧縮ばねSPの付勢力に抗して後退位置に保持されて上記移動ケーシング105内の爪開閉機構103により開放状態にあり、上記開放状態にある把持爪Jは、上記フィードバーFBとクランプバーCBの相対的な直進移動により搬送方向と直交する上記クランプバーCBの一方側に直進前進移動する上記作動軸DSと協働する上記圧縮ばねSPの付勢力により上記移動ケーシング105が前進端まで移動した後、上記作動軸DSの更なる前進移動により上記爪開閉機構103を介して前進端に移動した上記把持爪Jが閉じて上記供給ワークWを把持し、前進位置で上記供給ワークWを把持した状態にある把持爪Jは、上記フィードバーFBとクランプバーCBの相対的な直進移動により上記トランスファバーTBの側面から最も接近した位置にある作動フレーム24の作動軸DSの後退動作で、上記移動ケーシング105を前進端に保持している上記両圧縮ばねSPの付勢力に抗して上記爪開閉機構103を作動させて上記一対の把持アームR1、R2を開放し、上記作動軸DSの更なる後退動作で後退位置まで移動するように構成されている。
尚、その他図中、105aは前記移動ケーシング105の前端内壁、CR1、CR2は前記駆動機構Dにおけるクランクアーム、114a、114bはカムフォロア、115a、115bはステー、116a、116bはガイド溝、117a、117bはガイドレール、118a、118bはリニアガイドである。また、上記変換機構106a、106bは、クランプバーCBの下面に搬送方向と直交する方向に形成された横溝(図示せず。)に一対の支持アーム119a、119bが摺動可能に挿嵌支持されており、これら支持アーム119a、119bの上下面にはカムフォロア120a、121a(図示せず。)及び120b、121b(図示せず。)が夫々同軸上に軸支され、上面に軸支されたカムフォロア120a、120bは、クランプバーCBに搬送方向と直交する方向に形成された一対の横長孔122a、122bに挿嵌すると共に、下面に軸支されたカムフォロア121a、121bは、上面フィードバーFBに搬送方向と斜めに交差する方向に形成された一対の斜め長孔123a、123bに挿嵌してなるものである。
而して、上面プレストランスファー装置によれば、一対のフィードバーとクランプバーを上下に重畳したトランスファバーから搬送方向と直交する一方側に複数のクランプハンドを延出した配置とすることで、各種構造のプレス機械への適用範囲が拡大されると共に上記一対のフィードバーとクランプバーを、回転角度が制御される一対の電動機に夫々連結された一対のクランク機構によって同期的且つ相対的な往復直進移動によって供給ワークの種類に対応するプレス加工タクトに合わせたタイミングで迅速、且つ確実に搬送することができる。また、爪開閉機構は、上下に重畳される一対のフィードバーとクランプバーの相対的な直線往復移動のみにより、搬送方向と直交する方向に往復移動する作動軸と同期して前後移動する把持爪を、移動端で開放又は閉じる動作を行なうことができる。また、往復移動端における把持爪の開閉動作に圧縮ばねの付勢力を利用しているので、上記作動軸から爪開閉機構や把持爪へ動力を伝達する際に作用する過大な負荷を回避することができる。
特許第4495735号公報
本発明者が先に案出した上記プレストランスファー装置は、上記の如き有益な効果を奏するものであるが、実用上において次の如き問題点があることも判明した。
それは、一対のフィードバーFBとクランプバーCBを上下に重畳したトランスファバーTBは、それにおけるフィードバーFBとクランプバーCBを適宜のタイミングで直進往復移動させる駆動機構Dが、プレス機械Mの基台から側方に大きく張り出していることによるものである。
このため、プレス機械を設置する際において左右方向、即ち金型の列設方向に沿って相当に広い空間をとらなければならない。したがって、設置場所が大きく制約されるという問題点がある。
そこで、本発明は斯かる点に鑑みなされたものであって、本発明者が先に案出した上記プレストランスファー装置と同様に、平行する一対の把持アームでワークを金型の一方側からクランプして搬送するようになしたものであって、左右方向、即ち金型の列設方向への大きな空間は必要なく、前後方向に然程大きくない適度の空間さえあれば設置することができるようになしたプレストランスファー装置を提供しようとするものである。
而して、本発明の要旨とするところは、複数の供給ワークを、プレス機械の金型上に順次搬送するプレストランスファー装置において、プレス機械における基台上に、上下に重畳されて支持され、下部の搬送用の移動支持板は、金型の列設方向に沿って移動自在とする一方、上部のクランプ用の移動支持板は、前記下部の搬送用の移動支持板の移動方向と直交する方向に移動自在とした上下一対の移動支持板と、前記上下一対の移動支持板の夫々を適宜のタイミングで且つ所定のストロークで往復直進移動させる、電動機と、該電動機によって回転駆動されるボールねじと、該ボールねじに螺合されるナット部材とからなる移動支持板作動機構と、前記上下一対の移動支持板における上部のクランプ用の移動支持板の上面に垂直に立設した、金型の列設方向と平行する作動板と、前記作動板に後端側が連結されて、金型の方向に向かって延出し、先端側が後記爪開閉機構に係合する、後記ハウジングに対応する間隔及び個数の作動軸と、前記上下一対の移動支持板における下部の搬送用の移動支持板の上面に、金型の列設方向に沿って固定した支持台と、該支持台の上面に金型の列設方向に沿って、金型相互の間隔に対応させて一定間隔で取り付けられたハウジングと、前記ハウジング内に備えられた爪開閉機構とからなり、該爪開閉機構は、前記ハウジング内に前記作動軸と同一方向に移動自在に収容される移動ケーシングと、該移動ケーシング内に臨む前記作動軸の先端に回転自在に軸支された開閉カムフォロアと、該開閉カムフォロア後方の前記作動軸の両側対称位置にあって前記移動ケーシングの内部底面に回転自在に軸支された一対のガイドカムフォロアとを備え、互いに重畳する平板であって、前記移動ケーシング内に収容され、両平板前方側の夫々に左右対称に形成される傾斜長孔の交差部位に前記開閉カムフォロアが挿通嵌合すると共に、前記各傾斜長孔後方の前記各平板の両側端に端部が開口するように形成された上下が重なる横長孔に前記一対のガイドカムフォロアが夫々挿通嵌合するように構成された上下一対の爪開閉板と、該両爪開閉板先端側の反対側端部から離間して夫々金型方向に向けて延出する、両先端部がばねの作用で内方に向けて付勢される一対の把持アームと、該両把持アームの先端に夫々着脱可能に装着され、前記ワークの両側面を水平に把持する一対の把持爪とから構成され、更に、前記爪開閉機構における上下一対の爪開閉板の夫々を、その後端側における前記一対の把持アームを延出した側と反対側の部分を後方側に突出させると共に、夫々の突出部に垂直に規制杆を貫挿し、該規制杆を、前記移動ケーシングの上下の壁面に、前記上下一対の爪開閉板の横長孔の夫々と平行するよう形成される横長孔と、前記ハウジングの底面における前記作動軸の両側に形成される、前記作動軸と平行に延び、前端が夫々前記移動ケーシングの横長孔の夫々と重なるように外方に向けて直角に延出したガイド孔とに挿通嵌合してなることを特徴とするプレストランスファー装置にある。
本発明は上記の如き構成であり、本発明者が先に案出した上記プレストランスファー装置と同様に、平行する一対の把持アームでワークを金型の一方側からクランプして搬送するようになしたものであるから、本発明者が先に案出した上記プレストランスファー装置と同様の効果を奏するものである。そしてまた、本発明者が先に案出した上記プレストランスファー装置におけるが如く、トランスファバーを構成する、重畳して支持され、直進往復移動する一対のフィードバーとクランプバーの駆動機構がプレス機械の基台から側方に大きく張り出すことがないから、左右方向、即ち金型の列設方向への大きな空間は必要なく、重畳して支持され、交差して左右方向、即ち金型の列設方向又は前後方向、即ち金型の列設方向と直交する方向に移動する上下一対の移動支持板の移動によってワークのクランプと搬送を行うものであるから、前後方向に然程大きくない適度の空間さえあれば設置することができるものである。したがって、本発明者が先に案出した上記プレストランスファー装置に比して設置場所の制約を軽減することができるものである。
本発明の実施形態に係るプレストランスファー装置の一対の把持爪を省略して示した平面図である。 図1中A−A線断面図である。 同背面図である。 同クランプ機構部分のクランプ状態の部分拡大平面図である。 図4中B−B線断面図である。 同クランプ機構部分のアンクランプ状態の部分拡大平面図である。 図6中C−C線断面図である。 同ハウジングの底部部分の平面図である。 同移動ケーシングとハウジングの底部部分の平面図である。 同クランプ機構の作用説明図であり、クランプする状態を示すものである。 同クランプ機構の作用説明図であり、アンクランプ状態を示すものである。 本発明者が先に案出したプレストランスファー装置の部分拡大平面図である。 同駆動機構部分の部分拡大平面図である。 同クランプ機構部分の部分拡大平面図である。 (a)は図14中D−D線断面図、(b)は(a)中E−E線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図中、1はプレストランスファー装置である。また、該プレストランスファー装置1は、複数の供給ワーク(図示せず。)をプレス機械Mの金型K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8上に順次搬送するものであり、後記上下一対の移動支持板と、移動支持板作動機構と、作動板と、作動軸と、支持台と、ハウジングと、爪開閉機構とからなるものである。
2は上下一対の移動支持板であり、プレス機械Mの基台M−1及びこれから張り出した基台M−2の上面に、上下に重畳されて支持され、下部の搬送用の移動支持板3は、前記金型K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8の列設方向に沿って移動自在とする一方、上部のクランプ用の移動支持板4は、前記下部の搬送用の移動支持板3の移動方向と直交する方向に移動自在となしている。
また、前記下部の搬送用の移動支持板3は、前記プレス機械Mの基台M−1、M−2の上面に、前記金型の列設方向に沿って平行に取り付けた一対のガイドレール5、5及び該下部の搬送用の移動支持板3の下面に取り付けたリニアガイド6、6をもって移動自在に支持されている。
また、前記上部のクランプ用の移動支持板4は、前記下部の搬送用の移動支持板3の上面に、前記金型の列設方向と直交する方向に平行に取り付けた一対のガイドレール7、7及び該上部のクランプ用の移動支持板4の下面に取り付けたリニアガイド8、8をもって移動自在に支持されている。
9、10は前記上下一対の移動支持板3、4の夫々を適宜のタイミングで且つ所定のストロークで往復直進移動させる移動支持板作動機構であり、一方の移動支持板作動機構9は前記下部の搬送用の移動支持板3用の作動機構、またもう一方の移動支持板作動機構10は前記上部のクランプ用の移動支持板4用の作動機構である。
また、前記移動支持板作動機構9は、前記プレス機械Mの基台M−2の上面に固定される電動機11と、該電動機11によって回転駆動されるボールねじ12と、前記下部の搬送用の移動支持板3の下面に取り付けられ、前記ボールねじ12に螺合されるナット部材13とをもって構成されている。尚、前記電動機11は、本実施形態ではサーボモータを用いている。
また、前記移動支持板作動機構10は、前記下部の搬送用の移動支持板3の上面に、前記電動機11と直交する方向に固定される電動機14と、該電動機14によって回転駆動されるボールねじ15と、前記上部のクランプ用の移動支持板4の上面に取り付けられ、前記ボールねじ15に螺合されるナット部材16とをもって構成されている。尚、前記電動機14は、本実施形態ではサーボモータを用いている。
17は上下一対の移動支持板2における上部のクランプ用の移動支持板4の上面に垂直に立設した、前記金型の列設方向と平行する作動板である。
18は前記作動板17に後端側が連結されて、前記金型の方向に向かって延出し、先端側が後記爪開閉機構に係合する、後記ハウジングに対応する間隔及び個数の作動軸である。
19は前記上下一対の移動支持板2における下部の搬送用の移動支持板3の上面に、金型の列設方向に沿って固定した支持台である。
20は前記支持台19の上面に金型の列設方向に沿って、金型相互の間隔に対応させて一定間隔で取り付けられたハウジングである。
21は前記ハウジング20内に備えられた爪開閉機構である。
また、前記爪開閉機構21は、前記ハウジング20内に前記作動軸18と同一方向に移動自在に収容される移動ケーシング22と、該移動ケーシング22内に臨む前記作動軸18の先端に回転自在に軸支された開閉カムフォロア23と、該開閉カムフォロア23後方の前記作動軸18の両側対称位置にあって前記移動ケーシング22の内部底面に回転自在に軸支された一対のガイドカムフォロア24、25とを備え、互いに重畳する平板であって、前記移動ケーシング22内に収容され、両平板前方側の夫々に左右対称に形成される傾斜長孔26、27の交差部位に前記開閉カムフォロア23が挿通嵌合すると共に、前記各傾斜長孔26、27後方の前記各平板の両側端に端部が開口するように形成された上下が重なる横長孔28、29、30、31に前記各一対のガイドカムフォロア24、25が夫々挿通嵌合するように構成された上下一対の爪開閉板32、33と、該両爪開閉板32、33先端側の反対側端部から離間して夫々金型方向に向けて延出する、両先端部が緊縮ばね34の作用で内方に向けて付勢される一対の把持アーム35、36と、該両把持アーム35、36の先端に夫々着脱可能に装着され、前記ワークの両側面を水平に把持する一対の把持爪37、38とをもって構成されている。
そしてまた、上記プレストランスファー装置1は、更に、前記爪開閉機構21における上下一対の爪開閉板32、33の夫々を、その後端側における前記一対の把持アーム35、36を延出した側と反対側の部分を後方側に突出32A、33Aさせると共に、夫々の突出部32A、33Aに垂直に規制杆39、40を貫挿し、該規制杆39、40を、前記移動ケーシング22の上下の壁面に、前記上下一対の爪開閉板32、33の横長孔28、29、30、31の夫々と平行するよう形成される横長孔41、42と、前記ハウジング20の底面における前記作動軸18の両側に形成される、前記作動軸18と平行に延び、前端43A、44Aが夫々前記移動ケーシング22の横長孔41、42の夫々と重なるように外方に向けて直角に延出したガイド孔43、44とに挿通嵌合してなるものである。
次に、本実施形態の作用について説明する。
ワークを搬送する際の初期位置は、上下一対の移動支持板2における下部の搬送用の移動支持板3が、金型K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8上のワークの搬送開始側、即ち図1において左側に位置し、また、上部のクランプ用の移動支持板4が、後退位置、即ち金型K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8から最も離れた位置(図1において上側)に位置している。
そして、この状態から、次に一対の把持爪37、38によるワークのクランプが行われる。これは、先ず移動支持板作動機構10における電動機14を作動し、ボールねじ15とナット部材16を介して上部のクランプ用の移動支持板4を前進、即ち金型K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8に接近する方向に移動させる。そして、これに伴い該上部のクランプ用の移動支持板4の上面に立設した作動板17を介して作動軸18が前進、即ち金型K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8に接近する方向に移動する。尚、作動板17が前進を開始する状態は、図6及び図11に示す通りであり、一対の把持アーム35、36は離間した位置にある。
そしてこれにより押し出されて、下部の搬送用の移動支持板3の上面に固定した支持台19上に一定間隔毎に取り付けられたハウジング20の夫々の内部において、爪開閉機構21における移動ケーシング22が金型K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8に接近する方向に移動し、ハウジング20の前端内壁20aに当接して停止する。また、これまでの間、上下一対の爪開閉板32、33の後方側の突出部32A、33Aに垂直に貫挿した規制杆39、40は、夫々ハウジング20のガイド孔43、44の直線部分にガイドされて作動軸18と平行して前方へ移動する。
そして、前記作動板17及び作動軸18の更なる前進移動により上下一対の爪開閉板32、33は、傾斜長孔26、27に挿嵌した前記作動軸18の先端の開閉カムフォロア23を介して上下一対の横長孔28、29、30、31がガイドカムフォロア24、25に案内されて内側に移動する。そしてまた、このときには、該上下一対の爪開閉板32、33の後方側の突出部32A、33Aに垂直に貫挿した規制杆39、40は、夫々ハウジング20のガイド孔43、44の直線部分の前端に突き当たった後、移動ケーシング22の横長孔41、42とハウジング20のガイド孔43、44の前端43A、44Aの外方に向けて直角に延出した部分に沿って外方に移動する。
これにより、一対の把持アーム35、36が内側に移動し、且つまた緊縮ばね34との共働作用により、その先端に夫々装着された一対の把持爪37、38が供給位置にある供給ワークを確実に把持する。
そして、この状態において一対の把持爪37、38によって把持アームされた供給ワークはプレス機械による各金型で夫々加工が行われる。
プレス機械の各金型での加工が終了すると、次に移動支持板作動機構9における電動機11が作動してボールねじ12を逆方向に回転させる。これにより下部の搬送用の移動支持板3は、隣接する金型の相互間隔に対応する距離分だけワークの搬送方向(図1において右方向)に移動し、一対の把持爪37、38に把持したワークを隣接する金型上に搬送する。
次に、移動支持板作動機構10における電動機14が作動してボールねじ15を逆方向に回転させる。これにより、上部のクランプ用の移動支持板4は後退、即ち金型から離れる方向に移動し、作動板17を介して作動軸18も後退移動を開始する。
そして、作動軸18が後退移動を開始した直後、上下一対の爪開閉板32、33は、傾斜長孔26、27に貫挿した前記作動軸18の先端の開閉カムフォロア23を介して上下一対の横長孔28、29、30、31がガイドカムフォロア24、25に案内されて外側に移動する。また、作動軸18が後退を開始するときには、該上下一対の爪開閉板32、33の後方側の突出部32A、33Aに垂直に貫挿した規制杆39、40がハウジング20のガイド孔43、44の前端43A、44Aの外方に延出した部分に入り込んでいるから、作動軸18を移動ケーシング22内において後退させるときのストッパーとして作用する。そして、該上下一対の爪開閉板32、33が夫々外側に移動するに伴って夫々の規制杆39、40が内側に向けて徐々に移動する。
これにより、一対の把持アーム35、36が外側に移動し、その先端に夫々装着された一対の把持爪37、38が開き、把持していたワークのクランプを解除する。また、一対の把持爪37、38が開ききった状態になったときには、上下一対の爪開閉板32、33の夫々の規制杆39、40はハウジング20のガイド孔43、44の前端の直線部分に位置し、作動軸18が更に後退するときには、夫々の規制杆39、40は該ガイド孔43、44に沿って移動する。
作動軸18が後退移動し、最後端、即ち図6及び図11に示した状態に戻ったところで移動を停止する。次に、移動支持板作動機構9における電動機11が作動してボールねじ12を逆方向に回転させる。これにより下部の搬送用の移動支持板3は、隣接する金型の相互間隔に対応する距離分、即ち前記搬送方向に移動した距離分だけ元の方向に移動する。これにより初期位置に戻った状態となり、一回の搬送工程を終了するものである。
本実施形態は上記の如き構成、作用であり、本発明者が先に案出した上記プレストランスファー装置と同様に、平行する一対の把持アームでワークを金型の一方側からクランプして搬送するようになしたものであるから、本発明者が先に案出した上記プレストランスファー装置と同様の効果を奏するものである。そしてまた、本発明者が先に案出した上記プレストランスファー装置におけるが如く、トランスファバーを構成する、重畳して支持され、直進往復移動する一対のフィードバーとクランプバーの駆動機構がプレス機械の基台から側方に大きく張り出すことがないから、左右方向、即ち金型の列設方向への大きな空間は必要なく、重畳して支持され、交差して左右方向、即ち金型の列設方向又は前後方向、即ち金型の列設方向と直交する方向に移動する上下一対の移動支持板の移動によってワークのクランプと搬送を行うものであるから、前後方向に然程大きくない適度の空間さえあれば設置することができるものである。したがって、本発明者が先に案出した上記プレストランスファー装置に比して設置場所の制約を軽減することができるものである。
1 プレストランスファー装置
2 上下一対の移動支持板
3 下部の搬送用の移動支持板
4 上部のクランプ用の移動支持板
5、5 ガイドレール
6、6 リニアガイド
7、7 ガイドレール
8、8 リニアガイド
9、10 移動支持板作動機構
11 電動機
12 ボールねじ
13 ナット部材
14 電動機
15 ボールねじ
16 ナット部材
17 作動板
18 作動軸
19 支持台
20 ハウジング
21 爪開閉機構
22 移動ケーシング
23 開閉カムフォロア
24、25 一対のガイドカムフォロア
26、27 傾斜長孔
28、29、30、31 横長孔
32、33 上下一対の爪開閉板
34 緊縮ばね
35、36 一対の把持アーム
37、38 一対の把持爪

Claims (1)

  1. 複数の供給ワークを、プレス機械の金型上に順次搬送するプレストランスファー装置において、プレス機械における基台上に、上下に重畳されて支持され、下部の搬送用の移動支持板は、金型の列設方向に沿って移動自在とする一方、上部のクランプ用の移動支持板は、前記下部の搬送用の移動支持板の移動方向と直交する方向に移動自在とした上下一対の移動支持板と、前記上下一対の移動支持板の夫々を適宜のタイミングで且つ所定のストロークで往復直進移動させる、電動機と、該電動機によって回転駆動されるボールねじと、該ボールねじに螺合されるナット部材とからなる移動支持板作動機構と、前記上下一対の移動支持板における上部のクランプ用の移動支持板の上面に垂直に立設した、金型の列設方向と平行する作動板と、前記作動板に後端側が連結されて、金型の方向に向かって延出し、先端側が後記爪開閉機構に係合する、後記ハウジングに対応する間隔及び個数の作動軸と、前記上下一対の移動支持板における下部の搬送用の移動支持板の上面に、金型の列設方向に沿って固定した支持台と、該支持台の上面に金型の列設方向に沿って、金型相互の間隔に対応させて一定間隔で取り付けられたハウジングと、前記ハウジング内に備えられた爪開閉機構とからなり、該爪開閉機構は、前記ハウジング内に前記作動軸と同一方向に移動自在に収容される移動ケーシングと、該移動ケーシング内に臨む前記作動軸の先端に回転自在に軸支された開閉カムフォロアと、該開閉カムフォロア後方の前記作動軸の両側対称位置にあって前記移動ケーシングの内部底面に回転自在に軸支された一対のガイドカムフォロアとを備え、互いに重畳する平板であって、前記移動ケーシング内に収容され、両平板前方側の夫々に左右対称に形成される傾斜長孔の交差部位に前記開閉カムフォロアが挿通嵌合すると共に、前記各傾斜長孔後方の前記各平板の両側端に端部が開口するように形成された上下が重なる横長孔に前記一対のガイドカムフォロアが夫々挿通嵌合するように構成された上下一対の爪開閉板と、該両爪開閉板先端側の反対側端部から離間して夫々金型方向に向けて延出する、両先端部がばねの作用で内方に向けて付勢される一対の把持アームと、該両把持アームの先端に夫々着脱可能に装着され、前記ワークの両側面を水平に把持する一対の把持爪とから構成され、更に、前記爪開閉機構における上下一対の爪開閉板の夫々を、その後端側における前記一対の把持アームを延出した側と反対側の部分を後方側に突出させると共に、夫々の突出部に垂直に規制杆を貫挿し、該規制杆を、前記移動ケーシングの上下の壁面に、前記上下一対の爪開閉板の横長孔の夫々と平行するよう形成される横長孔と、前記ハウジングの底面における前記作動軸の両側に形成される、前記作動軸と平行に延び、前端が夫々前記移動ケーシングの横長孔の夫々と重なるように外方に向けて直角に延出したガイド孔とに挿通嵌合してなることを特徴とするプレストランスファー装置。
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