以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態であるカラーレーザープリンタの全体構成及び動作について説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。モノクロプリンタや、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置にも本発明の構成を適用可能である。
図1に示すように、カラーレーザープリンタの装置本体(画像形成装置本体)100には、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが着脱可能に装着されている。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的には、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電ローラ3等を備えた帯電装置と、感光体2上の潜像に現像剤を供給する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするためのクリーニングブレード5等を備えたクリーニング装置などで構成されている。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1M,1C,1Bkにおいては符号を省略している。また、本実施形態では、現像剤としてトナーから成る一成分現像剤を用いている。ただし、現像剤は、これに限らず、トナーとキャリアから成る二成分現像剤であってもよい。
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが有する4つの現像装置4の上方には、それぞれ、各現像装置4に補給するためのトナーを収容した現像剤収容器としてのトナーカートリッジ50が配設されている。本実施形態では、各現像装置4と各トナーカートリッジ50との間に、後述のベース部材107を構成する仕切り部108が配設されており、この仕切り部108に形成された4つの装着部106に各トナーカートリッジ50が着脱可能に装着されている。
また、各トナーカートリッジ50の上方付近には、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2の表面を露光する露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザー光を照射するようになっている。
また、装置本体100の上部には、支点110を中心に回動することにより上下方向に開閉可能な上部カバー109が設けられている。また、この上部カバー109には、上記露光装置6が取り付けられている。このため、上部カバー109を開くと、露光装置6をトナーカートリッジ50の上方付近から退避させることができ、その状態でトナーカートリッジ50を装置本体100の上部開口部から着脱できるようになっている。
上記各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、転写体としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト8を有する。中間転写ベルト8は、支持部材としての駆動ローラ9と従動ローラ10に張架されており、駆動ローラ9が図の反時計回りに回転することによって、中間転写ベルト8は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するように構成されている。
4つの感光体2に対向した位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト8の内周面を押圧しており、中間転写ベルト8の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
また、駆動ローラ9に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。この二次転写ローラ12は中間転写ベルト8の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
また、中間転写ベルト8の図の右端側の外周面には、中間転写ベルト8の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置13が配設されている。このベルトクリーニング装置13から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、転写装置7の下方に配設された廃トナー収容器14の入り口部に接続されている。
装置本体100の下部には、記録媒体Sを収容する給紙カセット15が配設されている。給紙カセット15には、収容されている記録媒体Sを送り出す給紙ローラ16が設けてある。一方、装置本体100の上部には、記録媒体を外部へ排出するための一対の排紙ローラ17が配設されている。また、排紙ローラ17によって排出された記録媒体をストックするための排紙トレイ18が、上部カバー109に設けられている。なお、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。
装置本体100内には、記録媒体Sを給紙カセット15から二次転写ニップを通って排紙トレイ18へ搬送するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向上流側には、搬送タイミングを計って記録媒体を二次転写ニップへ搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ19が配設されている。また、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向下流側には、定着装置20が配設されている。
上記画像形成装置は以下のように動作する。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない画像読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置6から各感光体2の帯電面にレーザー光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
続いて、中間転写ベルト8を張架する駆動ローラ9が回転駆動し、中間転写ベルト8を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2上の各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト8はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。また、中間転写ベルト8に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
一方、給紙カセット15では、給紙ローラ16が回転することにより、収容されている記録媒体Sが搬送路Rへ送り出される。搬送路Rへ送り出された記録媒体Sは、レジストローラ19によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト8上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上のトナー画像が記録媒体S上に一括して転写される。また、転写後の中間転写ベルト8上に残留するトナーは、ベルトクリーニング装置13によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー収容器14へ搬送され回収される。
その後、トナー画像が転写された記録媒体Sは、定着装置20へと搬送され、定着装置20において記録媒体S上のトナー画像が当該記録媒体Sに定着される。そして、記録媒体Sは、一対の排紙ローラ17によって装置外に排出され、排紙トレイ18上にストックされる。
以上の説明は、記録媒体にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
図2に示すように、現像装置4は、トナーを収容する現像ハウジング40と、トナーを担持する現像剤担持体としての現像ローラ41と、現像ローラ41にトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ42と、現像ローラ41上に担持されたトナー量を規制する規制部材としての現像ブレード43と、トナーを搬送する搬送部材としての2つの搬送スクリュー44,45とを有する。
現像ハウジング40の内部は、連通口48aを有する隔壁48によって、図の上側の第1の領域E1と、図の下側の第2の領域E2とに分割されている。連通口48aは、隔壁48の両端部(図2の紙面に直交する方向の手前側と奥側)にそれぞれ設けられている。すなわち、第1の領域E1と第2の領域E2は、2つの連通口48aを形成した箇所で互いに連通している。
第1の領域E1内には、一方の搬送スクリュー44が配置されている。第2の領域E2内には、他方の搬送スクリュー45と、供給ローラ42が設けられている。また、第2の領域E2の感光体2と対向する開口部には、現像ローラ41及び現像ブレード43が設けてある。
2つの搬送スクリュー44,45は、それぞれ回転軸440,450の外周に螺旋状の羽根441,451を設けて形成されている。各搬送スクリュー44,45が回転すると、それぞれの軸方向にトナーを搬送するようになっているが、ここでは、各搬送スクリュー44,45によるトナー搬送方向は互いに逆方向となっている。
現像ローラ41は、金属製の芯金と、その芯金の外周に配設された導電性ゴムで構成されている。本実施形態では、芯金の外径をφ6、導電性ゴムの外周をφ12、ゴム硬度Hs75に設定している。また、導電性ゴムは、体積抵抗値を約105〜107Ω程度に調整されている。導電性ゴムとしては、例えば、導電性ウレタンゴムやシリコーンゴム等を使用可能である。現像ローラ41は、図2において反時計回りの方向に回転し、表面に保持した現像剤を現像ブレード43及び感光体2との対向位置へと搬送する。
供給ローラ42には、一般に、スポンジローラなどが用いられる。スポンジローラとしては、金属製の芯金の外周に、カーボンを混合して半導電化させた発泡ポリウレタンを付着したものが適当である。本実施形態では、芯金の外径をφ6、スポンジ部分の外径をφ12に設定している。供給ローラ42は、現像ローラ41に対して当接している。供給ローラ42と現像ローラ41とが当接して形成されるニップ部は、通常約1mm〜3mm程度に設定されている。本実施形態では、ニップを2mmとしている。また、供給ローラ42は、現像ローラ41に対してカウンター方向(図2において反時計回り)に回転することで、現像ハウジング40内のトナーを現像ローラ41の表層まで効率よく供給できるようにしている。さらに、本実施形態では、現像ローラ41と供給ローラ42の回転数比を1に設定することで、良好なトナー供給機能を確保している。
上記現像ブレード43は、例えば、厚さ0.1mm程度のSUSなどの金属板で構成される。現像ブレード43は、その先端側で現像ローラ41の表面に当接している。現像ブレード43による現像ローラ41上のトナー量の制御は、現像特性を安定させ良好な画質を得るために非常に重要なパラメータである。そのため、通常の製品においては現像ローラ41に対する現像ブレード43の当接圧は20〜60N/m程度、ニップ部の位置は現像ブレード43の先端から0.5±0.5mm程度に厳しく管理されている。また、これらのパラメータは、使用するトナー、現像ローラ、供給ローラなどの特性に合わせて適宜決定される。本実施形態では、現像ブレード43を厚さ0.1mmのSUS材で構成し、当接圧45N/m、ニップ部の位置を現像ブレード43の先端から0.2mm、現像ブレード43の支持端部から自由端(先端)までの長さ(自由長)を14mmに設定することで、現像ローラ41上に安定したトナーの薄層を形成できるようにしている。
図2を参照しつつ、現像装置4における現像動作について説明する。
作像動作開始の指示があり、現像ローラ41と供給ローラ42が回転を開始すると、供給ローラ42によって現像ローラ41の表面にトナーが供給され担持される。現像ローラ41上に担持されたトナーは、現像ローラ41と現像ブレード43とのニップ部を通過することにより、トナー層の厚さが規制されると同時に摩擦荷電させられる。そして、現像ローラ41上のトナーが感光体2との対向位置(現像領域)に搬送されると、トナーが感光体2上の静電潜像へ静電的に転移してトナー画像が形成される。
現像剤収容器としてのトナーカートリッジ50は、トナーを収容する現像剤収容部51を内部に有する容器本体70を具備する。容器本体70には、現像剤収容部51内のトナーを外部へ排出する排出口52と、現像剤収容部51内のトナーを排出口52へ搬送する搬送部材としての搬送スクリュー53と、現像剤収容部51内の現像剤を撹拌する撹拌部材としてのアジテータ54等が設けられる。排出口52は現像剤収容部51の下部に設けられている。一方、トナーカートリッジ50が装着される仕切り部108の各装着部106には、トナーカートリッジ50の排出口52と連結される補給口49が形成されている。
搬送スクリュー53は、回転軸530の外周に、螺旋状の羽根531を設けて形成されている。アジテータ54は、搬送スクリュー53の回転軸530と平行に配設された回転軸540に、平面状の変形可能な羽根541を設けて形成されている。アジテータ54の羽根541は、例えば、PETフィルム等から成る可撓性の材料で構成される。また、図2に示すように、現像剤収容部51の底面501を、羽根541の回転軌道に沿った円弧状に形成することで、羽根541によって移動されずに現像剤収容部51内に残ってしまうトナー量を減らすことができる。
なお、本実施形態では、装置本体100に対し、トナーカートリッジ50を単独で着脱可能に構成しているが、この構成に限定されることはない。例えば、トナーカートリッジ50を現像装置4および感光体2等と一体的に構成し、プロセスユニットとして交換可能にしてもよい。あるいは、トナーカートリッジ50を現像装置4と一体的に構成し、現像ユニットとして交換することもできる。その場合、上記仕切り部108をなくし、当該仕切り部108に設けているような装着部106を現像装置4の上部に設けることで、トナーカートリッジ50を現像装置4の上部に直接装着することが可能である。
続いて、現像装置へのトナー補給動作について説明する。
現像装置へのトナーの補給は、現像ハウジング40内のトナー量が所定の基準値以下となった場合に行われる。トナー量が基準値以下であるか否かは、例えば第1の領域E1内に配置した二つの導光部材46,47の各先端部間で光が透過するか否かに基づいて判定することができる。両先端部がトナーに埋まっている場合には、一方の導光部材から他方の導光部材に光が透過しないので、トナー量が基準値以上であると判定することができる。導光部材46,47間で光が透過すれば、両先端部間にトナーが存在せず、従ってトナー量が基準値以下であると判定することができる。
トナー量が基準値以下になると、トナーカートリッジ50内の搬送スクリュー53およびアジテータ54が回転を開始する。搬送スクリュー53の回転によってトナーが排出口52へ向かって搬送され、排出口52から現像ハウジング40の第1の領域E1内にトナーが補給される。また、アジテータ54の回転によって、トナーカートリッジ50内のトナーが撹拌され、さらに搬送スクリュー53の回転領域に移送される。現像ハウジング40内のトナー量が所定の基準値よりも多くなると、搬送スクリュー53とアジテータ54の回転駆動が停止してトナー補給が終了する。
一方、現像ハウジング40では、トナーの補給があると、第1の領域E1内に設けられた搬送スクリュー44と、第2の領域E2に設けられた搬送スクリュー45が回転し、各領域E1,E2でトナーが互いに反対方向に搬送される。各搬送スクリュー44,45によって各領域E1,E2の搬送方向下流端まで搬送されたトナーは、隔壁48の両端部に形成された各連通口48aを通って、他方の領域内(領域E1から領域E2、又は領域E2から領域E1)に送り込まれる。そして、他方の領域内に送り込まれたトナーは、それぞれの領域内で搬送スクリュー44,45によって搬送され、上記とは反対側の連通口48aを通って元の領域内に戻される。この動作を繰り返し行うことにより、トナーが第1の領域E1と第2の領域E2との間で循環し、補給された新しいトナーと現像ハウジング40内にあるトナーとが混ざり合うので、トナーの状態(トナー中の新しいトナーの割合)を均一にし、色ムラや地汚れ等の不具合の発生を防止することができる。
図3および図4は、上記トナーカートリッジの外観を示す斜視図である。図3はトナーカートリッジ50を一端(矢印A方向側の端部)側から見た図であり、図4はこれとは逆にトナーカートリッジ50を他端(矢印B方向側の端部)から見た図である。
図3および図4に示すように、トナーカートリッジ50は、上ケース55と下ケース56とからなる容器本体70と、容器本体70の一端側(A方向)の側面に装着された容器側端子58と、容器本体70の他端側(B方向)の側面を覆うギヤカバー57と、容器本体70の他端側に配置されたシャッタ60とを有する。容器本体70は、上ケース55と下ケース56の開口部に形成された縁部を互いに接合することで製作され、両者を接合することで形成されたフランジ部63は容器本体70の全周にわたって形成されている。容器本体70の内部空間に、トナーや、搬送スクリュー53及びアジテータ54が収容されている。両ケース55,56の接合方法としては、振動溶着や超音波溶着などの溶着、もしくは、両面粘着テープや接着剤などによる接着などの方法が用いられる。
図3に示すように、上ケース55および下ケース56からなる容器本体70の長手方向一端側の側面には、容器側端子58が装着されている。この容器側端子58は、図5に示すように、ホルダ58aとホルダ58aに保持された一つもしくは複数(本実施形態では四つ)の容器側接触子58aとを有する。容器側接触子58bは平板状をなしており、図示しないICチップ等からなる記憶素子に接続されている。記憶素子には、収容されているトナーの色やトナー量などのトナーカートリッジ50に関する情報が記憶されている。各接触子58bを画像形成装置本体100側に設けられた後述の本体側接触子(104b:図16参照)に当接させ、両者を電気的に接続することで、記憶素子に記憶されたトナーカートリッジ50に関する情報が読み取られ、又は記憶素子が記憶している情報が更新される。容器本体70の一端側の側面には、トナーを充填するための充填口を密封するキャップ部材59が設けられている。キャップ部材59は、充填口からトナーカートリッジ50内にトナーが充填された後、充填口からのトナー漏れを防止するために取り付けられる。
シャッタ60を容器本体70の他端側に形成する一方で、容器側端子58をシャッタと離れた容器本体70の一端に設けることで、容器側端子58のトナーによる汚染が生じにくくなり、本体側接触子104bとの間の通電性を向上させることができる。
容器本体70の長手方向他端側の側面には、ギヤカバー57が装着されている。ギヤカバー57内には、装置本体側からの駆動力を搬送スクリュー53やアジテータ54に伝達するためのトルク伝達手段として、複数のギヤが配置されている。
容器本体70の長手方向の他端側には、排出口52を開閉するシャッタ60が設けられている。シャッタ60は、容器本体70の部分円筒状の外周面に沿って回転可能であり、シャッタ60の回転により、図2に示す排出口52が開放された状態と閉鎖された状態との間で切り替えられる。
容器本体70の長手方向の中央部よりも他端側(B方向)には、取っ手状の把持部61が設けられている。トナーカートリッジ50を交換する際に、ユーザーがこの把持部61を把持することで、容易にトナーカートリッジ50を着脱することができる。把持部61の内面には、使用者が把持部61を認識し易くなるように環状のリブ61aが設けられている。
図6に、トナーカートリッジ50から上ケース55とギヤカバー57を取り外した状態の斜視図を示す。
図6において、符号62,63,64は、上記ギヤカバー57内に収容される複数のギヤである。これらのギヤのうち、符号62は搬送駆動ギヤであり、符号63は攪拌駆動ギヤである。両ギヤ62,63は、下ケース56の他端側(B方向)の側面から外部に突出した搬送スクリュー53およびアジテータ54の各回転軸に取り付けられている。また、符号64で示すギヤは、搬送駆動ギヤ62及び撹拌駆動ギヤ63と噛み合って回転トルクを伝達するトルク伝達ギヤである。
装置本体100には後述のように本体側駆動ギヤ105が設けられている(図17、図18参照)。トナーカートリッジ50を装置本体100の装着部106に装着すると、搬送駆動ギヤ62が本体側駆動ギヤ105と噛み合う。この状態で、本体側駆動ギヤ105を回転駆動させると、搬送駆動ギヤ62、トルク伝達ギヤ64及び撹拌駆動ギヤ63がそれぞれ図6の矢印で示す方向に回転し、搬送スクリュー53とアジテータ54とが回転する。本実施形態における搬送駆動ギヤ62は大径のギヤ部と小径のギヤ部とを有する二段ギヤで構成されており、このうち、大径のギヤ部にトルク伝達ギヤ64が噛み合い、小径のギヤ部に本体側駆動ギヤ105が噛み合うようになっている。
図7及び図8は、トナーカートリッジ50のギヤカバー57を取り外した状態を示す側面図である。
本実施形態において、トルク伝達ギヤ64は、図7に示すように、他のギヤ62,63と噛み合ってトルク伝達を行う作動位置と、図8に示すように、他のギヤ62,63との噛み合いが解消される位置まで退避した退避位置との間で移動可能に構成されている。具体的に、トルク伝達ギヤ64は、図9に示すように、搬送スクリュー53(又は搬送駆動ギヤ62)の回転軸530を中心に回転可能に支持されたギヤホルダ71に保持されており、このギヤホルダ71が正逆方向に回転することで、トルク伝達ギヤ64が図7に示す作動位置と図8に示す退避位置との間で切り換えられるようになっている。
図9に示すように、ギヤホルダ71には、シャッタ60(外側シャッタ)が一体に設けられている。ギヤホルダ71が回転軸530を中心に回転すると、これに伴ってシャッタ60も搬送スクリュー53の回転軸530を中心に回転する。この場合、図7に示すように、トルク伝達ギヤ64が作動位置にある状態では、シャッタ60によって排出口52が開放され、図8に示すように、トルク伝達ギヤ64が退避位置にある状態では、シャッタ60によって排出口52が閉鎖される。
図7および図8に示すように、ギヤホルダ71と上ケース55との間には付勢手段としての引張バネ72が配置されている。引張バネ72の一端部がギヤホルダ71に設けた係止部71aに取り付けられ、引張バネ72の他端部が上ケース55の側面に設けられた係止部70aに取り付けられている。この引張バネ72の引張力(付勢力)により、ギヤホルダ71がトルク伝達ギヤ64を撹拌駆動ギヤ63から離間させる方向に付勢される。従って、ギヤホルダ71に外力が作用しない状態では、引張バネ72の引張力により、図8に示すようにトルク伝達ギヤ64が退避位置に移動する。
また、図9に示すように、ギヤホルダ71には操作部71bが設けられている。この操作部71bは、トナーカートリッジ50を装置本体100の装着部106へ装着した際に、装置本体100に設けられたシャッタ制御部材102の上端と当接する。トナーカートリッジ50を装置本体100から取り外した際には、操作部71bがシャッタ制御部材102から離反する。
図10は、トナーカートリッジを搬送スクリューの位置でその軸方向に切断した断面図である。
図10に示すように、本実施形態のトナーカートリッジ50では、既に説明したシャッタ60の他に、もう一つのシャッタ22を備える二重シャッタ構造が採用されている。一方のシャッタ60(以下、「外側シャッタ」という)は、排出口52の外側開口部を開閉し、他方のシャッタ11(以下、「内側シャッタ」という)は、排出口52の内側開口部を開閉する。
内側シャッタ22は、円筒状に形成されており、その周壁には現像剤出口23が設けられている。内側シャッタ22がその軸心回りに回転することで、現像剤出口23が排出口52と重なり合った開放状態と、内側シャッタ22の周壁が排出口52を重なった(現像剤出口23が排出口52を重なり合わない)閉鎖状態とに切換可能となっている。内側シャッタ22の内径部には、搬送スクリュー53が挿入されている。
また、内側シャッタ22には、現像剤出口23を介して排出口52から排出されなかったトナーを内側シャッタ22内から現像剤収容部51内に戻すための戻し口24が設けられている。戻し口24は、現像剤出口23よりもトナー搬送方向の下流側に位置している。
内側シャッタ22の外周側には、半円筒状のひさし部65が配設されている。内側シャッタ22は、このひさし部65と容器本体70の内壁面との間で回転可能に保持されている。
なお、ひさし部65を設けなくても、内側シャッタ22の一端部を容器本体70で片持ちして回転可能に支持することは可能であるが、ひさし部65を設けることで、その内筒面が軸受の役割を果たし、内側シャッタ22の回転姿勢を安定化させることができる。ひさし部65には、内側シャッタ22の戻し口24と対応する位置に、別途戻し口67が設けられている。
内側シャッタ22の外周面とひさし部65の内周面との間、及び、内側シャッタ22の内周面と容器本体70の内壁面との間には、それらの間からトナーが外部に漏れるのを防止するための円筒状のシール部材25が配設されている。
図11(a)は、図10のI−I断面図であり、内側シャッタ22の現像剤出口23が排出口52と重なり合った開放状態を示す。一方、図11(b)は、現像剤出口23が排出口52と重なり合っていない閉鎖状態を示している。
図11(a)に示すように、内側シャッタ22に設けられた戻し口24は、内側シャッタ22の周方向に延在するように形成されており、戻し口24の方が現像剤出口23よりも周方向に大きく開口している。このように内側シャッタ22の戻し口24を形成することで、図11(a)に示す開放状態でも、図11(b)に示す閉鎖状態でも、内側シャッタ22の戻し口24の一部がひさし部65の戻し口67と重なるようになっている。
図12(a)は、内側シャッタ22が駆動手段によって開放状態となった状態を示す断面図、同図(b)は、閉鎖状態となった状態を示す断面図である。また、図13は、内側シャッタ及びその駆動手段を外部から見た斜視図である。なお、図12(a)(b)および図13では、トナーカートリッジ50からギヤカバー57や搬送駆動ギヤ62等の各ギヤが取り外された状態を示している。
図12(a)(b)、さらに図13に示すように、内側シャッタ22の駆動手段は、内側シャッタ22を付勢する付勢手段としての引張バネ26と、内側シャッタ22に設けられた突起27と、装置本体100側に設けられた水平方向に移動可能な移動部材113等で構成される。
突起27は、下ケース56から露出した内側シャッタ22の端部に設けられており、内側シャッタ22の軸方向へ突出している。この突起27と下ケース56の側面に設けられた図示しない取付部との間には、引張バネ26が取り付けられている。
移動部材113は、水平方向に延在する長手状の部材であって、装置本体100の内部で水平移動可能に支持されている。移動部材113は、装置本体100に設けられた図示しない駆動機構によって水平方向に往復移動可能に構成されている。移動部材113の駆動機構としては、ソレノイドやカム機構などの移動量のばらつきが小さい手段を用いるのが望ましい。移動部材113には、突起27と当接可能な突部114が長手方向に沿ってトナーカートリッジ50と同数分だけ設けられている。
続いて、図12(a)(b)を参照しつつ、内側シャッタ22の開閉動作について説明する。
まず、図12(a)に示すように、移動部材113が図の左方向へ移動すると、移動部材113の突部114が、引張バネ26の付勢力に抗して内側シャッタ22の突起27を押し、内側シャッタ22が図の時計回りに回転する。その結果、現像剤出口23が図の下方を向くように配設され、図11(a)に示す開放状態となる。
反対に、図12(b)に示すように、移動部材113が図の右側へ移動すると、突起27を押す力が消失するため、内側シャッタ22は引張バネ26の付勢力によって図の反時計回りに回転する。その結果、現像剤出口23は、図の右側を向くように配設され、図11(b)に示す閉鎖状態となる。
図14は、トナーカートリッジ50をギヤカバー57側から見た側面図である。
図14に示すように、ギヤカバー57の外面(表側の面)には、上下方向に延びる溝73が形成されている(図4参照)。この溝73は、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着する際に、装置本体100に設けられた突起部101(図17参照)との協働により、装置本体100に対して容器本体70の着脱方向をガイドする機能と、装置本体100に対して容器本体70を位置決めする機能とを有する。具体的には、溝73のうち、下端部から上方の幅が狭くなっている部分の手前までが、ガイド機能を有するガイド部73aであり、前記幅が狭くなっている部分が位置決め機能を有する位置決め部73bである。ガイド部73aの下端部は下方に開口している。ガイド部73aは、上端を除いて等しい幅を有し、上端では容器側位置決め部73bに向かって幅が徐々に狭くっている。
また、ギヤカバー57の表側には、装置本体100に対する別のガイド部及び位置決め部として、外周を円筒面状にした凸部79が設けられている。この凸部79は、装置本体100に設けられたガイド溝103(図17参照)との協働により、装置本体100に対して容器本体70を上下方向にガイドすると共に、装置本体100に対して容器本体70の位置決めを行う。このように、本実施形態では、装置本体100に対する容器本体70の位置決めを、図12に示す溝73の位置決め部73bと凸部79との2箇所で行っている。
ギヤカバー57の裏面であって、溝73の容器側位置決め部73bの裏側には、図示しない位置決め用のボスが突出して設けられている。このボスは、ギヤカバー57を各ケース55,56に取り付ける際に、上ケース55の側面に設けられた長孔77(図7参照、長方形の穴)に挿入される。これにより、ギヤカバー57が上ケース55に対して位置決めされる。
また、ギヤカバー57の裏面には、凸部79と同軸に孔部78(図17参照)が形成されている。この孔部78には、搬送スクリュー53の下ケース56から突出した回転軸530の一端部が挿入される。この孔部78によって搬送スクリュー53の回転軸530を保持することで、ギヤカバー57が下ケース56に対して位置決めされるようになっている。
図14では、溝73を設けたギヤカバー57の外面上における、各ギヤ62,63,64の投影領域を点線で示している。また、符号Jで示す領域は、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域であり、符号Uで示す領域は、退避位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域である。このように、本実施形態では、溝73のガイド部73aの一部を、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J内に配設している。なお、ガイド部73aの全部を、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J内に配設することも可能である。一方、溝73の幅の狭い位置決め部73bは、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J外に配設されることが必要である。
次に画像形成装置本体100に設置されるベース部材107について説明する。
図15に示すように、ベース部材107は、底部を構成する概略矩形状の仕切り部108(図1参照)と、仕切り部108の一辺に設けられた背面壁109と、仕切り部108の背面壁109を挟む対向二辺に設けられた一対の側壁111,112とを有する。一対の側壁111,112間に、側面を両側壁111,112に対向させて複数のトナーカートリッジ50が水平姿勢で互いに平行に配置される。以下では、各トナーカートリッジ50の一端側(A方向:容器端子部58の装着側)の側面と対向する側壁を第一の側壁111と称し、各トナーカートリッジ50の他端側(B方向:ギヤケース57の装着側)の側面と対向する側壁を第二の側壁112と称する。
両側壁111,112間に挿入されたトナーカートリッジ50は、図1に示すように、仕切り部108に設けた装着部106に装着される。装着部106はトナーカートリッジ50の本数と同数分設けられており、各トナーカートリッジ50は、そのトナー色に応じて、トナー色ごとに定められた規定位置の装着部106に装着される。
図15に示すように、第一の側壁111には、各トナーカートリッジ50の容器側端子58と対向して4つの本体側端子104が装着されている。本体側端子104の構成を図16に示す。同図に示すように、各本体側端子104は、第一の側壁111に埋め込まれたホルダ104aと、ホルダ104aに保持された一または複数の本体側接触子104bとを有する。本体側接触子104bは、一端(例えば上端)をホルダ104aに固定すると共に、他端(例えば下端)を自由端としている。本体側接触子104bの中間部分は、装置本体100の内部側を凸とする円弧状に形成され、かつその頂点はホルダ104aの端面よりも装置本体100の内部側に突出している。
図17は、装着部106に装着したトナーカートリッジ50を下側から見た断面図である。図17に示すように、第二の側壁112の内面には、装着部106ごとに、水平方向に突出する突起部101が設けられている。この突起部101は、装置本体100にトナーカートリッジ50を装着する際に、ギヤカバー57に設けられた溝73(図14参照)に挿入される。
また、第二の側壁112の内面には、装着部106ごとにガイド溝103が上下方向に設けられている。各ガイド溝103の上端部は上方に開口しており、トナーカートリッジ40を装着する際には、その開口部からトナーカートリッジ50に設けられた凸部79(図14参照)が挿入される。ガイド溝103の下端部には、凸部79を受ける受け部が形成されている。
各ガイド溝103の下端部の近傍には、本体側駆動ギヤ105が設けられている。この本体側駆動ギヤ105は、装置本体100に設けられた図示しない駆動源によって回転駆動されるようになっている。本体側駆動ギヤ105は、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着した状態で、上記搬送駆動ギヤ62(図7参照)と噛み合う。
図17に示すように、第一の側壁111には、装着部106ごとに、トナーカートリッジ50を他端側(B方向)に付勢する板バネ等からなる付勢部材107が設けられている。この付勢部材107によってトナーカートリッジ50が第2の側壁112側に押し付けられ、他端側(B方向)に設けられた凸部79の先端がガイド溝103の溝底に当接する。これにより、トナーカートリッジ50の長手方向(図17の上下方向)への移動が規制され、ガイド溝103からの凸部79の脱落や、容器側位置決め部73bからの突起部101の脱落が防止される。
以下、図18(a)〜(c)を参照しつつ、上記本実施形態に係るトナーカートリッジ50の装置本体100への着脱について説明する。
トナーカートリッジ50を装置本体100に装着する場合、使用者は先ず装置本体100の上部カバー109(図1参照)を二点鎖線で示すように開放状態にする。次いで、使用者によってトナーカートリッジ50の装着操作が行われる。この装着操作は、図18(a)に示すように、使用者が把持部61を把持し、トナーカートリッジ50を、装置本体100の上部開口部を介して下方へ移動させることで行われる。
この装着操作に伴い、図18(b)に示すように、トナーカートリッジ50に設けられた凸部79が第二の側壁112のガイド溝103の上端に挿入される。装着操作中はトナーカートリッジ50の挿入方向がガイド溝103にガイドされるため、トナーカートリッジ50を、こじることなくスムーズに装着部106に案内することができる。
図18(c)に示すように、トナーカートリッジ50が装着部106に装着された状態となると、トナーカートリッジ50の凸部79が、ガイド溝103の下端部(受け部)に当接し、トナーカートリッジ50の位置決めが行われる。
また、トナーカートリッジ50の装着操作に伴い、第二の側壁112に設けた突起部101が、溝73に挿入される。図18(c)に示すように、トナーカートリッジ50が装着部106に装着されると、突起部101が溝73のうち、幅が狭くなっている容器側位置決め部73bに位置する。
この装着操作中は、さらにギヤホルダ71の操作部71bに、装置本体100に設けられたシャッタ制御部材102が当接する。これにより、ギヤホルダ71は、引張バネ72の引張力(付勢力)に抗して図18(c)に示す矢印の方向に回動され、トルク伝達ギヤ64が撹拌駆動ギヤ63と噛み合う作動位置に配設される。また、ギヤホルダ71が回動することによって、ギヤホルダ71に一体的に設けられた外側シャッタ60も回動し、排出口52の外周側は開放された状態となる。しかし、この場合(トナーカートリッジ50が本体に載置された場合)においても内側シャッタ22は閉鎖されたままである。外側シャッタ60が開放する一連の動作中には、トナーカートリッジ50の排出口52が本体側の補給口49に接続していない瞬間がある。その場合、トナーが下方漏れ出してしまうが、内側シャッタ22が閉じたままなのでトナーが漏れることはない。
なお、トルク伝達ギヤ64が作動位置へ移動する際、トルク伝達ギヤ64が溝73に接近した時点では、突起部101はすでに溝73上の作動位置と重なる領域を通過しているので、トルク伝達ギヤ64と突起部101とが干渉することはない。
トルク伝達ギヤ64が作動位置に移動し撹拌駆動ギヤ63と噛み合うと、トナーカートリッジ50内の上記搬送スクリュー53とアジテータ54とが連動するように連結される。また、同時に、ギヤホルダ71に一体的に設けられた外側シャッタ60も図18(b)に示す位置から同図(c)に示す位置へ回動し、排出口52が開放された状態となる。そして、開放された排出口52が装置本体100側の補給口49と連結される。
その後、上記内側シャッタ22が開放状態となる。具体的には、上部カバー109の閉鎖をトリガーにして、上述のソレノイド又はカムなどの移動部材駆動手段が移動部材113を動作させる。即ち、プリンタの電源ONなどにより、図12(a)に示すように、移動部材113が図の左側に移動して内側シャッタ22を開放状態にする。これにより、内外双方のシャッタ22,60が開放状態となり、排出口52からトナーが排出可能となる。
また、図18(c)に示すように、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態では、搬送駆動ギヤ62が本体側駆動ギヤ105と噛み合う。この状態で、本体側駆動ギヤ105が図示しない駆動源によって回転駆動させられると、その駆動力が搬送駆動ギヤ62、トルク伝達ギヤ64、撹拌駆動ギヤ63を介して、上記搬送スクリュー53とアジテータ54に伝達され、それらが回転駆動される。これにより、上記開放された排出口52から補給口49を介して現像装置へトナーが補給される。
次に、トナーカートリッジ50を装置本体から取り外す場合は、まず上部カバー109を開く(図1参照)。この動作に連動して前述の移動部材駆動手段が動作し、図12(b)に示すように、移動部材113が図の右側に移動して内側シャッタ22が閉鎖状態となる。次いで使用者によってトナーカートリッジ50の離脱操作が行われる。この離脱操作は、使用者が把持部61を把持し、装着部106に位置決めされたトナーカートリッジ50を上方へ移動させて、装置本体100の上部開口部から取り出すことで行われる。
図16(b)に示すように、トナーカートリッジ50を引き上げると、ギヤホルダ71の操作部71bに対する装置本体100側のシャッタ制御部材102による当接が解除され、ギヤホルダ71は引張バネ72の引張力(付勢力)によって回転して元の位置に戻される。このギヤホルダ71の回転に伴い、トルク伝達ギヤ64が撹拌駆動ギヤ63と離間する退避位置に配設される。なお、このとき、突起部101が溝73上の作動位置と重なる領域を通過することになるが、突起部101が当該領域に達したときには、トルク伝達ギヤ64はすでに溝73上から退避しているので、突起部101とトルク伝達ギヤ64とが干渉することはない。
また、図16(b)に示すように、ギヤホルダ71が元の位置に回転すると、これに伴って外側シャッタ60も回転して排出口52を閉鎖する。これにより、補給口49との接続に起因して表面が汚れがちな内側シャッタ22を更に外側シャッタ60が隠すことになる。その結果、ユーザーの手がシャッタ部に触れても汚れる恐れが軽減する。内外双方のシャッタ22,60が閉鎖状態となっていることで、排出口52からのトナー飛散の防止性も大幅に向上する。
かかる構成では、トナーカートリッジ50が取り外された状態では、トナーカートリッジ50内の搬送スクリュー53とアジテータ54との連結が解除される。そのため、使用者等が誤ってギヤ62,64に触れて搬送スクリュー53やアジテータ54の一方を駆動させてしまったとしても、他方へは駆動力が伝達されない。そのため、搬送スクリュー53やアジテータ54の双方が駆動されることによる現像剤への負荷を低減することができ、現像剤の劣化を抑制し、また、搬送スクリュー53やアジテータ54の破損を防止することができる。
使用者等が搬送スクリュー53を駆動させたとしても、戻し口24が設けられているために戻し口24から現像剤収容部51へ現像剤を戻すことができる。そのため、現像剤に負荷がかかるのを低減することができる。
また、上記の構成では、内側シャッタ22を開放状態にするタイミングを、トナーカートリッジ50の装着完了後としているので、トナーカートリッジ50からのトナーの飛散を高度に防止することができる。すなわち、トナーカートリッジ50を装着する際、外側シャッタ60は装着動作に連動して先に開くが、内側シャッタ22はまだ閉じているので、排出口52が補給口49と連結される前に内部のトナーが飛散するのを防止できる。なお、外側シャッタ60の開くタイミングを、トナーカートリッジ50の装着完了前にしているのは、装着時に補給口49との干渉を避けるためである。
また、トナーカートリッジ50を取り外す際は、まず、装着状態で内側シャッタ22が閉じられる。その後、外側シャッタ60が取り外し動作に連動して閉じるため、排出口52の内側にトナーが付着していても、そのトナーが飛散することがない。このように、本実施形態では、内側シャッタ22と外側シャッタ60を有する二重シャッタ構造とすることで、トナーカートリッジ50の着脱時における排出口52からのトナーの飛散を確実に防止することができる。
また、本実施形態では、トナーカートリッジ50を取り外す際、その取り外し動作に連動して、外側シャッタ60が自動的に排出口52を閉鎖するので、外側シャッタ60の閉じ忘れによる排出口52からのトナーの漏洩や飛散も防止できる。
次に本発明の他の特徴的構成を説明する。
前述のように本体側端子104の接触子104bは、容器側端子58の平板状の接触子58bに弾性的に接触させるため、ホルダ104aの端面よりも装置本体100の内部側に突出した形態を有する。トナーカートリッジ50の離脱操作は、通常、上方への引き上げだけで行われているため、図19(a)に示すように、離脱操作に際して、トナーカートリッジ50の容器本体70が本体側端子104の接触子104bと衝突し、この接触子104bを変形あるいは損傷させるおそれがある。本体側接触子104bに対する容器本体70の衝突は、上ケース55と下ケース56の接合部に形成されたフランジ部63の直上にある上ケース55の角部Cで特に生じやすい。
これを防止するために、図19(b)に示すように、容器本体70の長さ寸法を同図(a)よりも小さくし、容器本体70のフランジ部63と本体側接触子104bとの間に隙間Gを設けることも考えられる。しかしながら、かかる構成では、容器本体70の容積が小さくなるために、画像形成装置の小型化が困難となる。
これに対し、本発明では、図20および図21に示すように、トナーカートリッジ50の離脱操作中に、トナーカートリッジ50の他端(B方向の端部)を一端(A方向の端部)よりも先行して上昇させることにした。これは、例えばトナーカートリッジ50に図20および図21に示すような回転モーメントMを与え、トナーカートリッジ50を、その一端側を中心として回転させることで実現することができる。このようにトナーカートリッジ50を回転させることで、離脱操作に伴ってトナーカートリッジ50の他端が装着部106から離脱し、位置決め状態を脱する一方で、一端は他端側へのスライド移動を伴いながら他端側に遅れて上昇する。
そのため、トナーカートリッジ50の一端を本体側端子104の直下領域よりも内側に移動させながらトナーカートリッジ50を上昇させることが可能となる。従って、図19(b)に示す隙間Gを小さくした場合、さらに極端にいえば図19(a)に示すように、隙間Gが負である場合でも、容器本体70を本体側接触子104bに接触させることなくトナーカートリッジ50の離脱操作を行うことができる。これにより、容器本体70の容積を大きくし、画像形成装置の小型化を図ることが可能となる。
離脱操作中にトナーカートリッジ50を回転させるための手段として、本発明では、図20に示すように、装置本体100を構成する第一の側壁111に、装置本体100の内部側に突出する突出部210を設けている。この実施形態では、上部と下部がテーパ状になった断面三角形状の突出部210を例示している。
この突出部210は、図16に示すように、本体側端子104の水平方向両側に配置されている。図示は省略するが、各装着部106のそれぞれで、本体側端子104の水平方向両側に突出部210が配置されている。
各突出部210は、図20に示すように、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態では、トナーカートリッジ50の容器本体70と非接触の状態にある。この状態で、トナーカートリッジ50の離脱操作を開始すると、離脱操作の開始直後に、容器本体70のうち、長手方向で突出部210とオーバーラップする領域(本実施形態では、容器本体70のうち、上ケース55の一端部の上面角部C)が突出部210に当接する。
容器本体70の当接部Cと突出部210の当接後、さらに離脱操作を継続することで、トナーカートリッジ50に回転モーメントMが作用し、トナーカートリッジ50が同方向の回転運動を伴いながら装着部106から離脱する。従って、トナーカートリッジ50の一端を他端側(B方向)にずらせながらトナーカートリッジ50を上昇させることができ、これにより容器本体70を本体側接触子104bと接触させることなくトナーカートリッジ50の離脱操作を行うことが可能となる。
離脱操作で容器本体70と当接する突出部210の下側領域は、トナーカートリッジ50の離脱操作を案内する離脱ガイド面211を構成する。図20に示すように、この離脱ガイド面211を、上方ほど装置本体100の内部側に変位するテーパ面状に形成すれば、離脱ガイド面211との当接後は、離脱操作に伴ってトナーカートリッジ50が離脱ガイド面211によって長手方向の他端側(B方向)に案内される。そのため、トナーカートリッジ50の離脱操作を途中で停滞させることなくスムーズに行うことができる。
この場合において、本体側端子104の接触子104bは、離脱操作中のトナーカートリッジ50の移動軌跡を含む平面(図20の紙面と平行な平面)に突出部210を投影して得られる投影領域内に配置する。この場合、図22に示すように、第一の側壁211の内面からの離脱ガイド面211の最大突出幅Xは、容器側端子104の接触子104bの最大突出幅Yよりも大きくなる(X>Y)。かかる構成から、離脱操作中の容器本体70が本体側端子104の接触子104bと衝突する事態を確実に防止することができる。
前述のように、本発明では、使用者がトナーカートリッジ50の装着操作および離脱操作を行うための把持部61をトナーカートリッジの長手方向の中央部よりも他端側(B方向)に設けている。そのため、使用者が離脱操作で上方への引き上げ力を作用させると、使用者が特に意識しなくてもトナーカートリッジ50に図21に示す回転モーメントMを与えることができる。これにより、トナーカートリッジ50の回転運動を助長することができ、離脱操作をさらにスムーズに行うことが可能となる。
図20に示すように、突出部210の上側の領域は、下方ほど装置本体100の内部側に位置するテーパ面状になっている。このテーパ面で、装着操作の際にトナーカートリッジ50を案内する装着ガイド面212が形成される。前述のように、この装着ガイド面212を含む突出部210の投影領域内に本体側端子104の接触子104bを配置することにより、トナーカートリッジ50の装着操作を行った場合でも、容器本体70と本体側接触子104bとの衝突を確実に防止することができる。装着操作により容器本体70が装着ガイド面212に当接すると、トナーカートリッジ50が他端側に案内されるため、その後の装着操作をスムーズに行うことが可能となる。
特に図19(a)に示すように、容器本体70の長さ寸法が長く、容器本体70の一端が本体側接触子104bと長さ方向でオーバーラップした形態のトナーカートリッジ50を使用する場合、トナーカートリッジ50を水平姿勢にしたまま装着操作を行ったのでは、容器本体70の一端が本体側端子58と干渉するため、トナーカートリッジ50を装着部106に装着することができない。この場合、図24に示すように、装着操作でトナーカートリッジ50を装着ガイド面212に当接させると、トナーカートリッジ50を他端側が上になるように傾斜させることができる(この時、フランジ部63の下側角部と下ケース56の側面が装着ガイド面212に接触している)。このようにトナーカートリッジ50を傾斜させた状態で、トナーカートリッジ50をそのまま下方に押し込めば、トナーカートリッジ50を、本体側接触子104bと第二の側壁112との間の空間を通過させて、装着部106にスムーズに装着することができる。
このように突出部210に装着ガイド面212を形成した場合、装着操作に伴い、トナーカートリッジ50が他端側にスライドするので、その後、装着部106に装着されるまでの間にトナーカートリッジ50を一端側にスライドさせ、トナーカートリッジ50の位置を装着部106の直上に修正するのが望ましい。図25はそのための構成を示すもので、第二の側壁112の内面に、テーパ状の他端側ガイド面220を形成した構成を例示している。この他端側ガイド面220は下方ほど装置本体100の内部側に位置する形状とし、かつ装着ガイド面212よりも下方に設ける。このように他端側ガイド面220を設けることで、装着ガイド面212にガイドされて他端側にずれたトナーカートリッジを、その後、他端側ガイド面220でガイドすることで一端側にスライドさせて規定位置に戻すことができる。そのため、トナーカートリッジをスムーズに装着部106に装着することが可能となる。
以下、本発明におけるトナーカートリッジ50の着脱作業の具体例を図25(a)〜(d)に基づいて説明する。
装着操作により、トナーカートリッジ50を降下させると、図25(a)に示すように、トナーカートリッジ50の一端側の下側角部が装着ガイド面212に接触する。引き続いてトナーカートリッジを降下させると、同図(b)に示すように装着ガイド面212のガイド機能により、トナーカートリッジ50が他端側(B方向)にスライドする。さらにトナーカートリッジを降下させると、同図(c)に示すようにトナーカートリッジ50の他端側の下側角部が他端側ガイド面220に当接し、他端側ガイド面220のガイド機能により、トナーカートリッジ50が一端側(A方向)にスライドする。この際、トナーカートリッジ50の他端はギヤカバー57で保護されているため、他端側ガイド面220との当接時にもギヤ62,63が他端側ガイド面と接触して変形・破損等することはない。その後、トナーカートリッジ50を降下させれば、同図(d)に示すように、トナーカートリッジ50を装着部106に装着し、位置決めすることができる。
図16に示すように、本体側端子104の前後方向両側に突出部210を設けた場合、図23に示すように、容器本体70の前後二ヶ所が突出部210に当接する(この場合、容器本体70に二つの当接部Cが形成される)。このように本体側端子104の両側に突出部210を配置することにより、装着操作や離脱操作で容器本体70が突出部210と当接した際にも、トナーカートリッジ50にx−z平面上で回転モーメントを生じることはない。従って、トナーカートリッジ50の装着操作や離脱操作をよりスムーズに行うことが可能となる。かかる作用効果を確実に得るため、二つの突出部210の相互間では、離脱ガイド面211や装着ガイド面212は同じ形状とし、かつ各部の高さ方向(z方向)の位置を揃えるのが望ましい。
図25(a)〜(d)では、トナーカートリッジ50の水平姿勢に保持して装着操作を行う場合を説明したが、トナーカートリッジ50を他端側が上もしくは下となる傾斜姿勢に保持して装着操作を行う場合でも、装着ガイド面212および他端側ガイド面220のガイド機能により、同様に装着部106にトナーカートリッジ50を装着することができる。従って、使用者は、トナーカートリッジ50の姿勢を特に意識することなくトナーカートリッジを降下させるだけで確実に装着部106に装着することが可能となる。
その一方でトナーカートリッジ50の離脱操作の際には、その開始直後に容器本体70の一端のフランジ部63付近が離脱ガイド面211に当接する。離脱操作を継続すると、トナーカートリッジ50は、図21に示すように一端部付近を中心とする回転運動を行いながら、離脱ガイド面211でガイドされて他端側に移動する。そのため、さらに離脱操作を継続することで、フランジ部63と本体側接触子104bとの干渉を回避しつつ、トナーカートリッジ50を装置本体100から取り出すことができる。装着操作中のトナーカートリッジ50は、使用者の意識等に左右されて種々の運動形態をとり得るが、上記のように離脱操作においては必ずトナーカートリッジ50の回転運動を伴うことになる。
トナーカートリッジ50の着脱の際に溝73と突起部101を嵌合・離脱させるタイミング、ガイド溝103と凸部79を嵌合・離脱させるタイミング、制御部71bとシャッタ制御部材102を当接・離反させるタイミング(図18(a)〜(c)参照)は、離脱ガイド面211、装着ガイド面212、および他端側ガイド面220と容器本体70が接触・離反するタイミングとは無関係に定めることができる。なお、トナーカートリッジの着脱に際しては、上記のようにトナーカートリッジ50が一端側(A方向)および他端側(B方向)にスライドするため、このようなスライド運動時にも列挙した嵌合・離脱動作や当接・離反動作が阻害されないように上記各部を設計する必要がある。
図26は、本発明の他の実施形態を示すもので、第一の側壁111に、装着部106に装着したトナーカートリッジ50を上から拘束する拘束部材230を設けた場合を示している。拘束部材230は板ばね等からなるもので、一例としてこの実施形態では、水平方向に延びる取り付け部230aと、取り付け部230aから下方に延びる係合部230bからなる断面L字型の拘束部材230を用いる場合を例示している。拘束部材230は、外力の作用しない自然状態では、図27(a)に示すように、取り付け部230aに対する係合部230bの角度θが90°よりも僅かに大きくなっている。
拘束部材230は、係合部230aの先端が装着部106に装着したトナーカートリッジのフランジ部63に上方から係合するように第一の側壁111に取り付けられる。図示例では、一方の突出部210の下方で、かつ第一の側壁111の高さ方向中間部に設けられた段部111aに取り付け部230aを取り付けた場合を例示している。
かかる構成において、トナーカートリッジ50の装着操作を行うと、係合部230bがトナーカートリッジ50のフランジ部63と当接し、フランジ部63から押し込み力を受けて角度θが減少する方向に弾性変形する。二点鎖線で示すように、トナーカートリッジ50が装着部106に装着されると、拘束部材230が初期形状に弾性復帰し、係合部230bの先端がフランジ部63の上面に係合する。これにより、装着部106に装着したトナーカートリッジ50の浮き上がりを防止することができる。この時、図27(b)に黒塗りの三角で示すように、フランジ部63の長手方向と直交する方向の略中間部を拘束部材230で拘束することで、トナーカートリッジ50にx−z平面上の回転モーメントが作用する事態を回避することができ、トナーカートリッジの装着姿勢を安定化させることができる。
その後、トナーカートリッジ50の離脱操作を行う際には、上記のようにトナーカートリッジ50が拘束部材230によって拘束された一端側付近を中心として回転運動を行うため、係合部230bとフランジ部63の係合状態を容易に解消することができる。従って、トナーカートリッジの離脱操作を行う際に係合部230bがその障害となる事態を防止することができる。
以下に本発明の特徴を列挙する。
本発明では、トナーカートリッジ50の離脱操作に際して、トナーカートリッジの当接部Cを装置本体100側の部材(突出部210)と当接させ、かつ長手方向の他端を一端よりも先行して離脱方向に移動させてトナーカートリッジ50を装置本体100から取り外している。そのため、トナーカートリッジ50の一端を本体側端子104から離反する方向に退避させながら離脱操作を行うことができ、トナーカートリッジ50の一端と本体側端子104との衝突を回避することが可能となる。これにより、現像剤収容器の容積を大型化することができる。
装置本体100に、装置本体の内部側に突出し、離脱操作の開始直後にトナーカートリッジ50の一端と当接する突出部210を設けることで、トナーカートリッジ50の長手方向の他端を一端よりも先行して離脱方向に移動させ、さらにトナーカートリッジ50を回転させることが容易となる。そのため、離脱操作に伴うトナーカートリッジ50の一端と本体側端子104との衝突を回避することができる。
本体側端子104に、装置本体100の内部側に突出する接触子104bを設け、この接触子104bを、離脱操作中のトナーカートリッジ50の移動軌跡を含む平面上に突出部210を投影してなる投影領域内に配置することにより、装着操作および離脱操作時におけるトナーカートリッジ50の一端と本体側端子104との衝突を確実に回避することができる。
突出部210に、離脱操作中のトナーカートリッジ50の一端と当接するテーパ状の離脱ガイド面211を形成することで、離脱操作中にトナーカートリッジ50を他端側にガイドすることができ、離脱操作をスムーズに行うことが可能となる。
突出部210に、装着操作中のトナーカートリッジ50の一端と当接するテーパ状の装着ガイド面を設けることで、装着操作中にトナーカートリッジ50を他端側にガイドすることができ、装着操作をスムーズに行うことが可能となる。
装置本体100に、装着操作中のトナーカートリッジの一端が突出部210の装着ガイド面212と当接した後でトナーカートリッジ50の他端と当接するテーパ状の他端側ガイド面210を設けることにより、装着ガイド面212にガイドされて他端側にずれたトナーカートリッジ50を、他端側ガイド面で一端側にスライドさせて規定位置に戻すことができる。そのため、スムーズにトナーカートリッジ50を装着部106に装着することができる。
本体側端子104の両側に突出部210を配置しているので、装着操作や離脱操作でトナーカートリッジ50が突出部210に当接した際にも、トナーカートリッジ50には、その長手方向と直交する平面上の回転モーメントが作用しない。そのため、トナーカートリッジ50の装着操作や離脱操作をスムーズに行うことができる。
トナーカートリッジ50の長手方向の中央よりも他端側に、使用者が挿入操作および離脱操作を行うための把持部を設けているので、離脱操作の際にトナーカートリッジ50に回転モーメントを与えることができ、トナーカートリッジ50を意識することなく自然に回転させて装置本体から離脱させることができる。
トナーを収容する現像ハウジング40と、現像ハウジング40内のトナーを担持して現像剤を感光体2(潜像担持体)上の潜像に供給する現像ローラ41(現像剤担持体)と、トナーを現像ハウジング40内に供給するトナーカートリッジ50とで現像装置4を構成することができる。また、表面に潜像を担持する感光体2とこの現像装置4とでプロセスユニットを構成することもできる。
図28〜図31には、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す。以下、図28〜図31に基づき、上記実施形態とは異なる部分について説明する。
図28に示すように、この画像形成装置は、装置本体100の上部に設けられた第1カバーとしての上部カバー109と、上部カバー109を開けることでトナーカートリッジ50を着脱可能な容器装着部120と、当該容器装着部120よりも画像形成装置本体の内側に開閉可能に設けられた第2カバーとしての内部カバー116と、当該内部カバー116を開けることでプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkを着脱可能なユニット装着部130とを備える。図29は、上部カバー109を開いた状態、さらに、図30は、内部カバー116を開いた状態を示す。
具体的に、内部カバー116は、装置本体100に対して支点117を中心に回動することにより上下方向に開閉可能に取り付けられている。内部カバー116上には、各色のトナーを収容したトナーカートリッジ50が装着可能となっている。図示省略するが、この内部カバー116の上面は、上記実施形態と同様に、各トナーカートリッジ50を装着するための複数の装着部106(図15参照)が形成されている。トナーカートリッジ50は、図29に示すように、上部カバー109を開いた状態で着脱可能となる。
各色のプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、内部カバー116の内側(下方)に収容されている。従って、プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkを着脱するには、図30に示すように、上部カバー109と内部カバー116の両方を開いた状態にする。また、各感光体2を露光する複数の露光装置6(LEDユニット)は、内部カバー116の下面に揺動可能に取り付けられている。これにより、各露光装置6は、内部カバー116の開閉動作に連動して、図示しないガイド手段によってプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkとの干渉を回避しながら、感光体2に近接した位置とそこから上方に退避した位置との間で移動する。
上記のように構成することで、内部カバー116を開くことにより、トナーカートリッジを装着したままプロセスユニットの上方から退避させることができるので、トナーカートリッジを取り外さなくても、プロセスユニットを着脱することができる。これにより、プロセスユニットの交換作業時における操作性が向上すると共に、そのときのトナーカートリッジから装置内へのトナー飛散のリスクを抑えることができる。
一方で、内部カバー116を閉じた状態では、プロセスユニットを視認することができないため、複数色のプロセスユニットを同時に交換する場合は、一部のプロセスユニットを装着し忘れたまま、上部カバー109と内部カバー116を閉じてしまう可能性がある。そして、万が一、プロセスユニットを装着し忘れた場合に、その装着し忘れた箇所に対応するトナーカートリッジの排出口52が開放されてしまうと、装置内にトナーが飛散する事態となる。
そこで、このようなトナーの飛散を防止するため、ここでは図31に示すように、外側シャッタ60を開くためのシャッタ制御部材102をプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkに設けている。そして、これに伴い、内部カバー116にはシャッタ制御部材102を挿通させるための挿通孔118を形成している。これにより、プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkを装着し、内部カバー116を閉じた状態にすると、シャッタ制御部材102が内部カバー116の挿通孔118に挿通され、容器装着部120内にシャッタ制御部材102が突出するようになっている。
上記のように構成することで、プロセスユニットを装着していない箇所では、外側シャッタ60を開くためのシャッタ制御部材102が存在しないため、外側シャッタ60が開くことはない。従って、プロセスユニットを装着しないまま、内部カバー116を閉じた場合でも、プロセスユニットを装着していない箇所では、外側シャッタ60が開くことがなく、トナーの飛散を防止することが可能となる。
以上、図28〜図31に基づき、本発明の他の実施形態について説明したが、上記実施形態と同様の構成部分については、上記と同様の作用・効果が得られる。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではない。各構成部材の数、形状、配置などにつき、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。