JP6045875B2 - 表面修飾された複合金属酸化物微粒子の製造方法 - Google Patents
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R1R2R3Si−A−SiR4 nX(3−n) (1)
{式中、R1〜R3は、各々独立に、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換されていてもよいシロキシ基であり、R4は、炭素数1〜4の炭化水素基であり、Aは、炭素数2〜6の二価の炭化水素基であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、そしてnは、0又は1である。}
で表されるケイ素化合物に由来する構造部位を有する、表面修飾複合金属酸化物微粒子。
R1R2R3Si−A−SiR4 nX(3−n) (1)
{式中、R1〜R3は、各々独立に、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換されていてもよいシロキシ基であり、R4は、炭素数1〜4の炭化水素基であり、Aは、炭素数2〜6の二価の炭化水素基であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、そしてnは、0又は1である。}
で表されるケイ素化合物に由来する構造部位を表面に有するものである。
上記表面修飾複合金属酸化物微粒子は、上記一般式(1)で表されるケイ素化合物を用いて、複合金属酸化物微粒子を表面修飾することにより得られる。
上記一般式(1)において、R1〜R3は、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換されていてもよいシロキシ基であり、それぞれ同じでも異なっていてもよい。炭素数1〜18の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、isо−プロピル基、n−ブチル基、isо−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、オクタデシル基等の非環式又は環式の飽和炭化水素基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の芳香族炭化水素基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキセニルエチル基、ノルボルネニルエチル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、スチレニル基等の非環式及び環式の不飽和炭化水素基、及びベンジル基、フェネチル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。また、置換されていてもよいシロキシ基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、メチルジエチルシロキシ基、ジメチルエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基、ジメチルシクロヘキシルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、メチルジフェニルシロキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、反応制御の容易さという観点から、Xは、水素原子又はアルコキシ基であることが好ましく、より好ましくは水素原子、メトキシ基、又はエトキシ基である。
R1R2R3Si−H (2)
{式中、R1〜R3は一般式(1)で定義した通りであるが、不飽和炭化水素基を除くものである。}
で表されるヒドロシラン化合物及び下記一般式(3):
B−SiR4 nX(3−n) (3)
{式中、R4、X及びnは、一般式(1)で定義した通りであるが、Xは水素原子を除くものであり、そしてBは、炭素数2〜6の不飽和炭化水素基である。}
で表されるアルケニルシラン化合物、
又は下記一般式(4):
R1R2R3Si−B (4)
{式中、R1〜R3は一般式(1)で定義した通りであり、そしてBは、炭素数2〜6の不飽和炭化水素基である。}
で表されるアルケニルシラン化合物及び下記一般式(5):
H−SiR4 nX(3−n) (5)
{式中、R4、X及びnは、一般式(1)で定義した通りである。}
で表されるヒドロシラン化合物を組み合わせて用いることができる。
上記一般式(3)及び(4)におけるBは、炭素数2〜6の不飽和炭化水素基である。Bにおいて、不飽和結合の位置、立体構造、及び分岐構造の有無については特に限定されないが、原料物質の入手、或いは合成の容易さという観点から、Bはビニル基及びアリル基であることが好ましい。
本実施形態では、複合金属酸化物微粒子は、2種以上の金属原子及び酸素原子を含む複合金属酸化物の微粒子から構成される。複合金属酸化物としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、珪酸ジルコニウム、ジルコン酸鉛、酸化インジウムスズ、酸化スズアンチモン、ニオブ酸リチウム、コバルト酸リチウム等が挙げられる。これらの中でも、屈折率を向上させるという観点からは、チタン酸バリウム及びチタン酸ストロンチウムが好ましい。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
複合金属酸化物微粒子の具体的な製造方法については、例えば、チタン酸バリウムの場合には、2−メトキシエタノール中において、等モル量の金属バリウムとオルトチタン酸テトラエチルとを加熱溶解させた後、水を添加することによって加水分解反応及び縮合反応を進行させ、チタン酸バリウム微粒子の分散液を得る方法等が挙げられる。必要に応じて、スプレードライ、真空乾燥等の乾燥処理を行うことにより、粉末状のチタン酸バリウム微粒子が得られる。また、電気炉等において焼結処理を行うことにより、焼結処理時間に応じて、チタン酸バリウム微粒子の表面水酸基量を制御できる。
本実施形態では、上記一般式(1)で表されるケイ素化合物を上記複合金属酸化物微粒子に作用させて表面修飾反応を行い、該ケイ素化合物に由来する構造部位を表面に有する表面修飾複合金属酸化物微粒子を製造する方法が開示される。
表面修飾反応において、上記一般式(1)で表されるケイ素化合物の反応性官能基Xと複合金属酸化物微粒子の表面水酸基(M−OH)が縮合反応することにより、酸素原子を介した共有結合(M−O−Si)が生成する。
酸素原子を介した共有結合(M−O−Si)の有無については、透過型、又は拡散反射型赤外線分光装置等により、当該共有結合に由来する吸収ピークを検出することにより確認できる。
本実施形態の別の態様は、上記表面修飾複合金属酸化物微粒子、及び有機溶媒を含む均一分散液を提供する。上記有機溶媒は、複合金属酸化物微粒子を均一に分散できるものであることが好ましく、さらに、樹脂、分散剤、保存安定剤等を添加する場合には、それらの添加剤に対して高い溶解性を有することが好ましい。
上記のアルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素溶媒としては、例えば、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソアミルケトン、エチルヘキシルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ―ブチロラクトン等のケトン;酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、ペンチルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル;ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用しても、複数の溶媒を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の別の態様は、上述の表面修飾された複合金属酸化物微粒子を、溶媒を用いずに成型して得られる成形体を硬化させる工程、又は上記均一分散液を基板上に塗布して得られる薄膜を硬化させる工程を含む、硬化物の製造方法を提供する。
なお、各製造例、実施例、比較例中の物性は以下の方法により測定した。
複合金属酸化物微粒子の粉末、又は分散液を乾燥させたサンプルを、日本ブルカー株式会社製X線回折(XRD)装置、D8 ADVANCEを用いて測定し、文献記載の回折パターンと比較することにより結晶構造の確認を行った。
複合金属酸化物微粒子の分散液を微細試料捕集用の膜(コロジオン膜)に滴下して乾燥させた後、株式会社日立ハイテクノロジーズ製透過型電子顕微鏡(FE−TEM)、HF−2000を用いて加速電圧200kVで一次粒子径の測定を行い、50個の粒子の数平均から平均一次粒子径を算出した。
反応混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で測定し、原料に由来するピークの信号強度を記録した。反応混合液中に含まれる原料の量は、別途作成した検量線を用いて算出した。
[GC測定条件]
・GC装置:GC−14B(島津製作所製)
・カラム:DB−1(30m×250μm×0.25μmF)(アジレントテクノロジー製)
・カラム温度:50℃で5分間ホールドした後、300℃まで毎分10℃ずつ昇温
・キャリアガス:He(流量1.0mL/min)
ケイ素化合物の濃度が5質量%になるように重水素化クロロホルムに溶解させ、得られた溶液のプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルを、日本ブルカー株式会社製FT−NMR装置、AVANCE400を用いて16回積算することにより測定した。
シリコーン樹脂のイソプロピルアルコール溶液、又はプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液を、シリコーン樹脂成分の濃度が1質量%になるようにテトラヒドロフランで希釈して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。重量平均分子量(Mw)は、標準物質であるポリスチレン換算の値として求めた。
[GPC測定条件]
・カラム:TSKgel G1000H−HR、G3000H−HR、及びG5000H−HR(いずれも東ソー製) 3本直列
・溶離液:テトラヒドロフラン(流量:1mL/min)
・カラム使用温度:40℃
表面修飾された複合金属酸化物微粒子の粉末1.0gと結晶セルロース(商品名:アビセル、フナコシ製)2.0gを混合し、自動メノウ乳鉢で30分撹拌した。得られた粉末を25mmφの塩化ビニル製リングに充填して錠剤成形機でサンプルを作製し、リガク製走査型蛍光X線分析装置、ZSX PrimusIIを用いてFPオーダー分析を行うことにより、バリウム原子に対するケイ素原子のモル比を測定し、複合金属酸化物微粒子の表面に存在するケイ素化合物の量を算出した。
上記平均一次粒子径から複合金属酸化物微粒子の表面積を算出し、ケイ素化合物1分子当たりの占有面積を1.3×10−19m2とした場合に、該複合金属酸化物微粒子の表面全体が被覆される状態を表面修飾率100%、該ケイ素化合物が全く存在しない状態を表面修飾率0%とした。
20mLサンプル管に、表面修飾された複合金属酸化物微粒子0.5g、及びトルエン4.5gを入れ、超音波処理を行った。有機溶媒への分散性については、トルエン中に溶解して透明な均一分散液となったものを○、分散して沈降しないが濁りのあるものを△、溶解しなかったものを×とした。
また、300mLフラスコに、表面修飾された複合金属酸化物微粒子0.5g、下記製造例10で得られたシリコーン樹脂4.5g、及びトルエン100gを加えて撹拌し、均一分散液とした。70℃に設定したウォーターバスで加熱しながら、エバポレータにより溶媒を留去し、複合金属酸化物微粒子の分散したシリコーン樹脂を調製した。複合金属酸化物微粒子がシリコーン樹脂中に均一分散しており、透明性が維持されているものを○、透明性は維持されているが濁りのあるものを△、相分離等により白濁して透明性を失っているものを×とした。
[製造例1]
還流管、滴下ロート、及び攪拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気に置換した後、2−メトキシエタノール(ME)120.3g、金属バリウム2.75g、テトラエトキシチタン4.19mLを入れ、撹拌しながら120℃で2時間加熱した。ME102.9g及びイオン交換水18.0gの混合物を滴下しながら加え、120℃で3時間加熱撹拌を継続することにより、チタン酸バリウムの分散液(BT−1)を得た。XRD測定において、チタン酸バリウムの回折パターンと一致することを確認した。また、TEM測定において、BT−1の平均一次粒子径は約7nmであった。
イオン交換水36.0gを用いる以外は上記製造例1と同様にして、チタン酸バリウム微粒子の分散液(BT−2)を得た。XRD測定において、チタン酸バリウムの回折パターンと一致することを確認した。また、TEM測定において、BT−2の平均一次粒子径は約14nmであった。
還流管、滴下ロート、及び攪拌機を備えた2Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気に置換した後、エタノール855mL、金属バリウム24.7g、テトラエトキシチタン37.7mLを入れ、撹拌しながら70℃で2時間加熱した。エタノール576mLとイオン交換水324mLの混合物を滴下しながら加え、70℃で3時間加熱を継続することにより、チタン酸バリウム微粒子のエタノール懸濁液を得た。
上記懸濁液を遠心分離器を用いて8,000rpmで30分処理することによりエタノール及び水を除去し、固形分を分離した。この固形分をエタノールで洗浄した後、70℃の真空乾燥機で8時間減圧乾燥させることにより、チタン酸バリウム微粒子の粉末(BT−3)を得た。XRD測定において、チタン酸バリウムの回折パターンと一致することを確認した。また、TEM測定において、BT−3の平均一次粒子径は約7nmであった。
[製造例4]
還流管、及び攪拌機を備えた2Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気に置換した後、脱水トルエン800g、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン128.6g、トリメトキシビニルシラン71.4g、及び白金のテトラメチルジビニルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)の2質量%キシレン溶液110μLを入れ、ガスクロマトグラフィーにおいて、原料のトリメトキシビニルシランのピークが消失するまで60℃で8時間加熱撹拌した。エバポレータでトルエンを減圧留去した後、減圧蒸留により目的とする1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−2−(2−トリメトキシシリルエチル)トリシロキサン(S−1)を得た。S−1の沸点は、0.57kPaにおいて103℃であった。S−1の1H−NMRチャートを図1に示す。
原料として、トリメチルビニルシラン及びトリエトキシシランを用いる以外は上記製造例4と同様にして、目的とする(2−トリメチルシリルエチル)トリエトキシシラン(S−2)を得た。
1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンの代わりにペンタメチルジシロキサンを用いる以外は上記製造例4と同様にして、目的とするペンタメチル(2−トリメトキシシリルエチル)ジシロキサン(S−3)を得た。
1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンの代わりにトリス(トリメチルシロキシ)シランを用いる以外は上記製造例4と同様にして、目的とするトリス(トリメチルシロキシ)(2−トリメトキシシリルエチル)シラン(S−4)を得た。
トリメトキシビニルシランの代わりにメチルジメトキシビニルシランを用いる以外は上記製造例4と同様にして、目的とする,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−2−(2−メチルジメトキシシリルエチル)トリシロキサン(S−5)を得た。
還流管、滴下ロート、及び攪拌機を備えた1Lフラスコを窒素雰囲気に置換した後、氷水で冷却しながら水素化リチウムアルミニウム3.8g、及び超脱水ジエチルエーテル200mLを入れた。この溶液に、上記製造例4で合成したケイ素化合物(S−1)26.4g及び超脱水ジエチルエーテル50mLの混合物を、フラスコの内温が15℃を超えないように滴下した後、室温で1時間撹拌した。ガスクロマトグラフィーにおいて、原料であるS−1のピークが消失したことを確認した後、再度氷水で冷却し、酢酸エチル17.6gをフラスコの内温が15℃を超えないように滴下した後、室温で8時間撹拌した。この反応液をセライト545を用いて減圧濾過した後、ジエチルエーテル及び過剰の酢酸エチルをエバポレータで減圧留去した。減圧蒸留により、目的とする1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−2−(2−トリヒドロシリルエチル)トリシロキサン(S−6)を得た。S−6の沸点は、0.5kPaにおいて58℃であった。S−6の1H−NMRチャートを図2に示す。
[製造例10]
還流管、滴下ロート、及び攪拌機を備えた1Lセパラブルフラスコに、メチルトリメトキシシラン149.9g、エトキシトリメチルシラン32.5g、及びイソプロピルアルコール(IPA)120gを入れて撹拌し、さらに1M塩酸58mgとイオン交換水128.7gとの混合物を滴下しながら加え、80℃に設定したオイルバスで2時間加熱して反応混合物を得た。
上記反応混合物を1Lフラスコに移し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を360g加え、エバポレータでIPA及び水を留去した。さらに、シリコーン樹脂成分が33.3質量%になるまで濃縮し、シリコーン樹脂のPGMEA溶液を得た。得られたシリコーン樹脂の重量平均分子量(Mw)は957であった。
別に準備した還流管、滴下ロート、及び攪拌機を備えた1Lセパラブルフラスコに、上記シリコーン樹脂のPGMEA溶液288g、ピリジン90.1g、及びPGMEA100gを入れて撹拌し、さらにビニルジメチルクロロシラン68.8g及びトリメチルクロロシラン62.0gの混合物を滴下しながら加え、室温で1時間撹拌した。
シクロヘキサン100g、及びイオン交換水100gを加えたのち、分液操作により水層を除去し、得られた有機層をイオン交換水100gで2度洗浄した。エバポレータで有機溶媒を留去し、目的とするシリコーン樹脂146gを得た。得られたシリコーン樹脂の重量平均分子量(Mw)は2,092であった。
[実施例1]
上記製造例1で得られたチタン酸バリウム微粒子の分散液(BT−1)に、ケイ素化合物(S−1)3.31gを加え、70℃で1時間加熱することにより、白色の懸濁液が得られた。遠心分離機を用いて7,000rpmで30分処理することにより溶媒を除去し、得られた固形成分をアセトン及びエタノールで洗浄した後、40℃で真空乾燥することにより目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子(P−1)を得た。P−1の表面修飾率は29%であった。
S−1の代わりにS−2を用いる以外は上記実施例1と同様にして、目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子(P−2)を得た。
S−1の代わりにS−3を用いる以外は上記実施例1と同様にして、目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子(P−3)を得た。
S−1の代わりにS−4を用いる以外は上記実施例1と同様にして、目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子(P−4)を得た。
S−1の代わりにS−5を用いる以外は上記実施例1と同様にして、目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子(P−5)を得た。
S−1の代わりにS−6を用いる以外は上記実施例1と同様にして、目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子(P−6)を得た。
BT−1の代わりにBT−2を用いた以外は上記実施例1と同様にして、目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子(P−7)を得た。
還流管及び攪拌機を備えた1Lセパラブルフラスコに上記製造例3で得られたチタン酸バリウム微粒子の粉末(BT−3)10g、トルエン323g、及びケイ素化合物(S−6)8.02gを入れ、40℃に設定したオイルバス中で1時間加熱撹拌した。
この反応液をビーズミル(UAM−015、寿工業株式会社製)のタンクに入れ、トルエン100gを追加した。粒子径15μmのジルコニアビーズ(DZB、型番φ15、大研化学工業株式会社製)350gを用いて、ローター回転数12m/秒、流速70mL/分の条件で分散処理することにより、目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子のトルエン分散液(P−8)を得た。P−8の表面修飾率は90%であった。
上記製造例3で得られたチタン酸バリウム微粒子の粉末(BT−3)を表面修飾することなく、そのままP−9とした。
S−1の代わりにデシルトリメトキシシランを用いる以外は上記実施例1と同様にして、目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子(P−10)を得た。
S−1の代わりにビニルトリメトキシシランを用いる以外は上記実施例1と同様にして、目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子(P−11)を得た。
S−1の代わりに(3−メチルメタクリル)プロピルトリメトキシシランを用いる以外は上記実施例1と同様にして、目的とする表面修飾されたチタン酸バリウム微粒子(P−12)を得た。
S−1の代わりにメチルトリメトキシシランを用いる以外は上記実施例1と同様にして実施したが、不溶性のゲル状生成物が得られた。
S−1の代わりに1,1,1−トリメチル−3,3,3−トリメトキシジシロキサン(表1では「トリメチルシロキシトリメトキシシラン」と略記する)を用いる以外は上記実施例1と同様にして実施したが、不溶性のゲル状生成物が得られた。
上記実施例1〜8及び比較例1〜6で得られた複合金属酸化物微粒子P−1〜14について、有機溶媒及びシリコーン樹脂への分散性評価を行った結果を表1に示す。
Claims (5)
- アルコール及び水を含む複合金属酸化物微粒子の均一分散液に、下記一般式(1):
R 1 R 2 R 3 Si−A−SiR 4 n X (3−n) (1)
{式中、R 1 〜R 3 は、各々独立に、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換されていてもよいシロキシ基であり、R 4 は、炭素数1〜4の炭化水素基であり、Aは、炭素数2〜6の二価の炭化水素基であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、そしてnは、0又は1である。}
で表されるケイ素化合物を添加する工程を含む、
前記複合金属酸化物微粒子の表面に、前記一般式(1)で表されるケイ素化合物に由来する構造部位を有する、表面修飾複合金属酸化物微粒子の製造方法。 - 前記複合金属酸化物微粒子の平均一次粒子径が、1nm以上40nm以下である、請求項1に記載の表面修飾複合金属酸化物微粒子の製造方法。
- 前記複合金属酸化物微粒子は、チタン酸バリウム微粒子である、請求項1又は2に記載の表面修飾複合金属酸化物微粒子の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面修飾複合金属酸化物微粒子の製造方法により得られる表面修飾複合金属酸化物微粒子を有機溶媒に均一に分散させる工程を含む、前記表面修飾複合金属酸化物微粒子及び前記有機溶媒を含む均一分散液の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面修飾複合金属酸化物微粒子の製造方法により得られる表面修飾複合金属酸化物微粒子を、溶媒を用いずに成型して得られる成形体を硬化させる工程、又は請求項4に記載の均一分散液の製造方法により得られる均一分散液を、基板上に塗布して得られる薄膜を硬化させる工程を含む、硬化物の製造方法。
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