以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る撮影機器の回路構成を示すブロック図である。
本実施の形態における撮影機器1は、本体部10及び交換レンズ20によって構成されている。本体部10は、撮影機器1の主要な回路部分が収納された筐体であり、前面に交換レンズ20が着脱自在に取り付けられている。
交換レンズ20は、鏡筒22内に、本体部10の撮像部12に被写体像を導く光路部21を有している。光路部21は、ズームやフォーカシングのためのレンズ及び絞り等を備えており、これらのレンズ及び絞りを駆動するピント制御部21a、ズーム制御部21b及び絞り機構部21cを有する。ピント制御部21a、ズーム制御部21b及び絞り機構部21cは駆動部24及び絞り制御部25によって駆動制御されるようになっている。
光路部21は、物体側から撮像部12の撮像面(像面)に至る光軸上に図示しない複数のレンズが配置されて構成される。光路部21中には、ピント合わせによりフォーカス(合焦)状態に設定するために可動されるフォーカスレンズ及びフォーカス状態で変倍するズームレンズを有する。
フォーカス制御及びズーム制御を行うためには、光路部21中の各レンズの光軸方向の位置(以下、群位置という)を把握する必要がある。交換レンズ20の制御部23が群位置を把握するために、初期位置検出部26a及び群位置検出部26bが設けられている。初期位置検出部26aは各レンズの初期位置を検出し、群位置検出部26bは各レンズの群位置を検出する。絞り機構部21cは、絞り制御部25に制御されて、図示しない絞りを駆動する。絞りは、例えば、光路部21の所定のレンズ相互間に配置される。
鏡筒22には、ユーザによる撮影に関するパラメータ、例えば、ズームや絞りに関するパラメータの設定操作のために、操作リング22aが設けられている。本実施の形態においては、後述するように、操作リング22aを撮像画像の削除処理、保護処理、タグ付け処理等の各種処理のための操作にも用いるようになっている。
操作検出部27は、操作リング22aに対するユーザ操作を検出して検出結果を制御部23に出力する。制御部23は、マイコン等によって構成されており、操作検出部27の検出結果と後述する本体部10の信号処理及び制御部11からの信号とに基づいて、各部を制御する。制御部23の駆動制御部23aは、操作検出部27の検出結果と信号処理及び制御部11の制御とに従って各種制御信号を発生する。例えば、駆動制御部23aは、フォーカス信号及びズーム信号を発生して、駆動部24を制御する。また、駆動制御部23aは、絞り制御信号を発生して、絞り制御部25を制御する。
駆動部24は、フォーカス信号に基づいてピント制御部21aを駆動制御し、ズーム信号に基づいてズーム制御部21bを駆動制御する。また、絞り制御部25は、絞り制御信号に基づいて絞り機構部21cを駆動制御する。
制御部23は、初期位置検出部26a及び群位置検出部26bの検出結果が与えられ、例えば、信号処理及び制御部11の制御に対応したピント位置、ズーム位置、絞り状態となるように駆動部24及び絞り制御部25を制御する。リセット部23bは、電源投入時等におけるリセット動作を制御するものであり、各機構部を初期位置に設定する。
交換レンズ20には、通信部28が設けられている。また、本体部10には通信部13が設けられている。通信部28は、所定の伝送路を介して本体部10の通信部13との間で情報の送受を行う。制御部23は、本体部10の通信部13との間の通信が確立すると、図示しない記録部に格納したレンズ情報及びズーム操作に関する情報、ピント位置、絞り状態等の情報を通信部28,13によって本体部10に送信させることができる。レンズ情報により、本体部10は、交換レンズ20がどのようなズーム機能を有しているか、ズームレンズの焦点距離範囲(倍率)、焦点距離、明るさナンバー等を認識することができる。更に、本実施の形態においては、制御部23は、操作検出部27の検出結果の情報も本体部10に送信するようになっている。
撮影機器1を構成する本体部10は、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子によって構成された撮像部12を有している。撮像部12は、本体部10の前面に設けられた交換レンズ20からの被写体像を光電変換して撮影画像を得る。撮像部12は、信号処理及び制御部11によって駆動制御されて、撮影画像を出力する。
信号処理及び制御部11は、例えばCPU等によって構成されて撮影機器1の各部を制御する。信号処理及び制御部11は、撮像部12に撮像素子の駆動信号を出力すると共に、撮像部12からの撮影画像を読み出す。信号処理及び制御部11は、読み出した撮影画像に対して、所定の信号処理、例えば、色調整処理、マトリックス変換処理、ノイズ除去処理、その他各種の信号処理を行う。
本体部10には、時計部14及び操作判定部15も配設されている。時計部14は信号処理及び制御部11が用いる時間情報を発生する。操作判定部15は、本体部10に設けられた図示しないレリーズボタン、ファンクションボタン、撮影モード設定等の各種スイッチ等を含む操作部に対するユーザ操作に基づく操作信号を発生して、信号処理及び制御部11に出力するようになっている。信号処理及び制御部11は、操作信号に基づいて、各部を制御する。
信号処理及び制御部11の記録再生制御部11bは、撮像画像の記録及び再生に関する処理を行う。例えば、記録再生制御部11bは、信号処理後の撮影画像を圧縮処理し、圧縮後の画像を記録部16に与えて記録させることができる。記録部16としては、例えばカードインターフェースを採用することができ、記録部16はメモリカード等の記録媒体に画像情報及び音声情報等を記録可能である。
信号処理及び制御部11の表示制御部11aは表示に関する各種処理を実行する。表示制御部11aは、信号処理後の撮影画像を接眼表示部19及び表示部35に与えることができる。接眼表示部19及び表示部35は、LCD等の表示画面を有しており、表示制御部11aから与えられた画像を表示する。また、表示制御部11aは、各種メニュー表示等をこれらの表示画面に表示させることもできるようになっている。
記録再生制御部11bは、記録部16に記録されている撮像画像を読み出して伸張処理することができる。表示制御部11aは伸張処理された撮像画像を表示部35に与えることで、記録画像の再生が可能である。
表示部35は、後述するように、撮像画像を表示する表示画面35aを有している。また、表示画面35a上には、タッチパネル36が設けられている。タッチパネル36は、ユーザが指で指し示した表示画面35a上の位置に応じた操作信号を発生することができる。この操作信号は、信号処理及び制御部11に供給される。これにより、信号処理及び制御部11は、ユーザが表示画面35a上をタッチしたりスライドさせたりした場合には、ユーザのタッチ位置、指を離間させる操作、スライド操作やスライド操作によって到達した位置、スライド方向、タッチしている期間等の各種操作を検出することができ、ユーザ操作に対応した処理を実行することができるようになっている。
なお、表示部35は、本体部10の例えば背面の略全域を占めるように配設されており(図4参照)、撮影者は、撮影時に表示部35の表示画面35a上に表示されたスルー画を確認することができ、スルー画を確認しながら撮影操作を行うこともできる。
また、信号処理及び制御部11には、露光時間制御部11cが設けられている。露光時間制御部11cは、バルブ撮影における露光時間を制御するものであり、撮像部12及び記録再生制御部11bを制御して、各露光時間における撮像画像を仮記録部16aに記録させることができるようになっている。
また、本体部10には、通信部18も設けられている。通信部18は、信号処理及び制御部11によって制御されて、外部機器との間で通信が可能であり、撮像画像を外部機器に送信することもできるようになっている。
本実施の形態においては、信号処理及び制御部11は、操作リング22aの操作によって各種処理を実行するために、回転検出部11d及び処理判定部11eを有している。回転検出部11dは、交換レンズ20の制御部23からの情報が与えられて、操作リング22aが回転操作されたこと、回転方向、回転角度等を検出するようになっている。
処理判定部11eは、回転検出部11dの検出結果に基づいて、操作リング22aの回転操作、回転方向、回転角度等を認識して、実行する処理を決定するようになっている。例えば、処理判定部11eは、図示しないメモリに記憶された処理テーブルを参照することで、操作リング22aの回転に対応した処理を決定する。なお、処理テーブルは、ユーザによって修正可能に構成することもでき、この場合には、ユーザは、操作リング22aの回転に応じた処理を適宜設定可能である。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図2乃至図7を参照して説明する。図2はカメラ制御を説明するためのフローチャートであり、図3は図2中の撮影完了時処理の具体例を示すフローチャートである。また、図4は撮影時における撮影機器1の構え方を示す説明図であり、図5は図3中の処理選択の具体例を示すフローチャートである。また、図6はリング操作時の画面表示の一例を示す説明図であり、図7は処理の内容を説明するための図表である。
撮影機器1の電源が投入されると、信号処理及び制御部11は、図2のステップS1において、撮影モードが指定されたか否かを判定する。撮影モードが指定されていない場合には、信号処理及び制御部11は、ステップS2において電源オフ操作が行われたか否かを判定し、行われていない場合には再生モードに移行する(ステップS3)。
撮影モードが指定されている場合には、信号処理及び制御部11は、ステップS5においてスルー画の表示を開始する。即ち、信号処理及び制御部11は、撮像部12からの撮像画像を取り込んで、撮像画像に対し所定の映像信号処理を施す。信号処理及び制御部11の表示制御部11aは、映像信号処理された撮像画像を表示部19,35に与えて表示させる。
次に、信号処理及び制御部11は、ユーザがレリーズボタン41(図4参照)の押下操作やタッチパネル36のタッチ操作による撮影操作を行ったか否かを判定する(ステップS6)。図4に示すように、通常、撮影者は左手42Lで交換レンズ20の鏡筒22部分を支え、本体部10上面のレリーズボタン41に右手42Rの人差し指を軽く触れながら本体部10を把持して、撮影のために構える。図4に示すように、本体部10の筐体背面の表面には、表示部35の表示画面35aが設けられている。操作判定部15は、撮影者の例えばレリーズボタン41の押下操作を撮影操作として判定する。このような撮影操作が行われると、信号処理及び制御部11は、ステップS7において、静止画撮影処理を行う。
即ち、記録再生制御部11bは、映像信号処理された撮像画像の1コマを取り込んで、記録部16に与えて記録する。なお、連写モードが指定されている場合には、記録再生制御部11bは、1回の撮像操作につき複数コマの撮像画像を取り込んで、取り込んだ各撮像画像を順次記録部16に与えて記録する。次に、信号処理及び制御部11は、ステップS8に処理を移行して撮影完了時処理を実行する。
撮影完了時処理として、先ず、信号処理及び制御部11の表示制御部11aは、図3のステップS11において、記録部16に記録されている撮像画像を読み出してレックビュー表示を行う。表示部35の表示画面上には、最後に撮影した撮像画像がレックビュー表示される。
本実施の形態においては、レックビュー表示の表示可能期間において、撮影者が操作リング22aを回転操作することで、撮像画像に対して各種処理を行うことができるようになっている。回転検出部11dは、ステップS12において、操作リング22aのリング操作を検出する。リング操作が行われることなくレックビュー表示の開始からレックビュー表示の表示可能期間が経過すると、回転検出部11dは、ステップS13において、タイムアウトを検出する。これにより、信号処理及び制御部11は、処理をステップS14に移行して、撮影状態、即ち、図2のステップS1における撮影モードの判定に処理を戻す。
レックビュー表示の表示可能期間内において、撮影者が操作リング22aを回転操作すると回転検出部11dはこの回転を検出し、信号処理及び制御部11は、表示制御部11aを制御して、リング操作UI(ユーザインタフェース)表示を表示画面35a上に表示させる。
図6はこのリング操作UI表示の表示例を示している。なお、図6では表示部35に表示する例を示しているが、接眼表示部19に表示してもよい。図6(a)に示すように、表示画面35aの中央の大部分を占める最新画像表示領域51には、一番最後に撮影した最新の撮像画像が表示されている。また、最新画像表示領域51の下方には、2番目、3番目、4番目に新しい撮像画像52a〜52cを表示する3つの縮小表示領域が設けられている。
また、表示画面35aの右上には、処理の内容を示す処理内容表示領域55が設けられている。図6は、リング操作による処理として撮像画像を削除する処理に設定した場合の例を示しており、処理内容表示領域55の表示によってリング操作が撮像画像を削除する処理であることを示している。また、表示画面35aの右下には、処理の内容を示すゴミ箱アイコン53も表示されている。
なお、本実施の形態においては、単写モード時におけるリング操作UI表示では、縮小表示領域に、過去の撮像画像が表示されることになる。また、連写モード時には、1回の連写で撮影された撮像画像を表示画面35a内のリング操作UI表示で表示するようにしてもよい。
回転検出部11dは、ステップS22において操作状態を初期化し、操作リング22aの回転操作の開始位置を初期位置として図示しないメモリに記憶すると共に、この初期位置を基準として、操作リング22aの回転を検出する。処理判定部11eは、次のステップS23において、回転に応じた処理を選択する。図5は、処理判定部11eが回転に応じた枚数だけ、記録部16に記録されている撮像画像を削除する場合の動作フローを示している。
先ず、処理判定部11eは、図5のステップS31において、操作(回転)状態が前回と一致しているか否かを判定する。処理判定部11eは、図3のステップS24,S25において、レリーズボタン41の半押し操作が発生したか否か、処理決定操作が行われたか否かを判定し、更に、ステップS26において、操作リング22aの回転操作による処理のタイムアウトの判定を行う。タイムアウトの判定が行われるまで、ステップS23〜S25の処理が繰り返される。
図5のステップS31は、前回の判定時と操作状態(回転状態)が同一である場合には、ステップS32〜S39の処理を行うことなく、図3のステップS24に処理を移行することを示す。ステップS31において、処理判定部11eは、回転検出部11dの検出結果によって回転状態が変化していると判定された場合には、ステップS32において削除枚数を算出する。
処理判定部11eは、例えば、図7の図表に従って削除枚数を算出する。図7の例では、操作リング22aが15度回転する毎に1枚の撮像画像を削除するようになっている。例えば、操作リング22aの回転量が15度以上30度未満では1枚、30度以上45度未満では2枚、45度以上60度未満では3枚である。そして、回転方向に応じて削除枚数が増加又は減少する。
また、処理判定部11eは、操作リング22aの回転方向によって記録された最後(最新)の撮像画像から削除するか、最も古い最初の撮像画像から削除するかを切り替えるようになっている。なお、連写モード時には、最初の撮像画像として、最後の1回の撮像によって得られた複数枚の撮像画像のうちの最初の撮像画像を選択してもよい。
被写体方向を向いて時計方向の回転方向をCW方向とし、反時計方向をCCW方向とすると、例えば図7の例では、操作リング22aをCW方向に回転させた場合には、回転角度に応じて最新の撮像撮像から削除する枚数を増加させる。なおこの場合には、操作リング22aをCCW方向に戻すことで、15度毎に削除枚数を減少させる。
また、図7の例では、操作リング22aをCCW方向に回転させた場合には、回転角度に応じて最初の撮像撮像から削除する枚数を増加させる。なおこの場合には、操作リング22aをCW方向に戻すことで、15度毎に削除枚数を減少させる。
処理判定部11eは、ステップS33においてリング回転方向がCW方向であるか否かを判定する。リング回転方向がCW方向の場合には、ステップS34において最新の撮像画像を削除し、CCW方向の場合には、ステップS35において最初(先頭)の撮像画像を削除する。
表示制御部11aは、ステップS36において、削除画像をゴミ箱アイコン53側に移動させるアニメーション表示を表示する。処理判定部11eは、ステップS37において削除する撮像画像があるか否かを判定し、ある場合には削除処理を行い(ステップS38)、ない場合には削除処理を行うことなく(ステップS39)処理を終了する。
図6(b)は、撮影者が、図6(a)のリング操作UI表示が表示されている状態から、操作リング22aをCW方向に30度以上45度未満回転させた場合のリング操作UI表示を示している。操作リング22aが15度以上回転した状態で、先ず、図6(a)の最新画像表示領域51に表示されている画像が縮小画像に変換されてゴミ箱アイコン53側に移動すると共に、各縮小表示領域の画像52c〜52aがシフトして、例えば画像52aは最新画像表示領域51に表示される。操作リング22aが更に15度以上回転すると、最新画像表示領域51に表示されている画像が縮小画像54に変換されてゴミ箱アイコン53側に移動すると共に、各縮小表示領域には画像52d〜52bが表示される。なお、操作リング22aを比較的高速に回転させて、一気に30度以上45度未満回転した場合には、図6(a)の状態からいきなり図6(b)の状態に変化することになる。
記録再生制御部11bは、撮影者がレリーズボタン41を半押し操作するか、処理決定操作を行うか又はタイムアウトすることにより、ステップS24,S25から処理をステップS27に移行して、ステップS23の処理選択を確定して、記録部16から削除等を行う。従って、処理の確定操作の前に、操作リング22aをCW方向又はCCW方向に回転させることで、削除する撮像画像を増加させたり減少させたりしながら、簡単に削除画像を決定することができる。
なお、図3では、レックビュー表示後のリング操作によってリング操作UI表示を表示する例について説明したが、レックビュー表示に代えてリング操作UI表示を表示させてもよく、また、レックビュー表示とは無関係に任意のキー操作等によって、リング操作UI表示を表示させるようにしてもよい。
また、回転量は度数ではなく、リングの検出系に依存したカウント値や、リングにクリック感を持たせている場合には、クリック数で規定してもよい。
また、上記実施の形態では、回転量が15度変化する毎に処理を切換える例を説明したが、異なる変化量を検出して処理を切換えてもよく、例えば、重要な処理については、他の場合よりも回転量を大きく変化させることによって、処理が選択されたものと判定してもよい。
このように本実施の形態においては、操作リングを回転させるという簡単な操作によって、削除操作等の所定の処理を実行することができる。操作リングは、撮影のために構えた状態で操作することができ、しかも、接眼表示部に接眼した状態でも操作リングを操作することができ、撮影後に、迅速且つシャッターチャンスを逃すことなく、各種操作を行うことができる。
例えば、撮影直後に似通った複数の撮像画像を比較しながら削除する画像を決定する場合等において、複数の画像を順次切り替えて確認する操作をリング操作で行うことにより、接眼表示部を覗いた状態で画像の切換え及び確認を簡単に行うことができ、短時間に所望の画像の削除が可能である。また、操作リングの回転方向及び回転量によって処理を切り分けることができ、例えば逆回転によって処理を戻すこともできるので、操作のやり直しが容易である。
(第1変形例)
図8は第1変形例における処理選択の動作フローを示すフローチャートである。本変形例は図1と同一のハードウェア構成によって実現することができる。本変形例は、バルブ撮影に適用したものである。
上述したように、露光時間制御部11cは、バルブ撮影における露光時間を制御して、各露光時間における撮像画像を仮記録部16aに記録させることができるようになっている。本変形例においては、処理判定部11eは、回転検出部11dの検出結果に従って、露光時間制御部11cを制御することで、任意の露光時間で記録された撮像画像を簡単に選択することができるようになっている。
次に、このように構成された第1変形例の動作について図8乃至図10を参照して説明する。図9はリング操作UI表示の表示例を示す説明図であり、図10は処理の内容を説明するための図表である。
制御部11の露光時間制御部11cは、バルブ撮影が指示されると、例えば、撮像部12に最短露光時間を設定し、撮像部12から最短露光時間毎に得られる撮像画像を累積加算することで、所定の露光時間(以下、記録単位露光時間という)の撮像画像を得る。記録再生制御部11bは記録単位露光時間毎に、得られる撮像画像を仮記録部16aに記録する。これにより、バルブ撮影時には、記録単位露光時間毎にユーザが設定した最大露光時間まで各露光時間の撮像画像が仮記録部16aに順次記録される。
本変形例においても、バルブ撮影が完了すると、図3と同様の撮影完了時処理が実行される。本変形例においては、図3のステップS23における処理選択として、図8のフローが採用される。図8において図5と同一の手順には同一符号を付して説明を省略する。
初期状態では、ユーザが最終的に選択する露光時間(以下、決定露光時間という)は、最大露光時間に設定されている。処理判定部11eは、ステップS41においてリング回転方向がCW方向であるか否かを判定する。リング回転方向がCW方向の場合には、ステップS42において決定露光時間を回数量に応じて減少させ、リング回転方向がCCW方向の場合には、ステップS43において決定露光時間を回転量に応じて増大させる。
処理判定部11eは、例えば、図10の図表に従って決定露光時間の増減量を算出する。図10の例では、操作リング22aが15度CW方向に回転する毎に所定時間、例えば記録単位露光時間だけ決定露光時間を減少させるようになっている。また、図10の例では、操作リング22aをCCW方向に回転させた場合には、15度毎に決定露光時間を増加させる。例えば、操作リング22aの回転量が15度以上30度未満では1記録単位露光時間、30度以上45度未満では2記録単位露光時間、45度以上60度未満では3記録単位露光時間だけ決定露光時間を増減させる。
処理判定部11eは、ステップS44において、ユーザ操作による決定露光時間が0よりも小さくなったか否かを判定し、ユーザの決定露光時間の減少操作によって決定露光時間が0よりも小さくなった場合には、ステップS45において、決定露光時間を最低露光時間に設定する。
図9は本変形例におけるリング操作UI表示の表示例を示している。なお、図9では表示部35に表示する例を示しているが、接眼表示部19に表示してもよい。図9(a)に示すように、表示画面35a上には、リング操作UI画像として、バルブ撮影終了時における撮像画像が表示されている。表示画面35aの下方には、露光時間を示すタイムバー表示71が表示され、タイムバー表示71の右端の指示表示72によって、現在表示されている撮像画像の露光時間が最大露光時間である30秒であることが示されている。
いま、記録単位露光時間が5秒であるものとして、ユーザが60度以上75度未満の回転量だけ操作リング22aをCW方向に回転させるものとする。処理判定部11eは、回転量から20秒だけ決定露光時間を減少させて決定露光時間を10秒とする。
処理判定部11eは、表示制御部11a及び記録再生制御部11bを制御して、決定露光時間における撮像画像を仮記録部16aから読み出して表示画面35a上に表示させると共に、指示表示72をタイムバー表示71の対応する位置に表示させる(ステップS46)。
図9(b)はこの場合におけるリング操作UI表示の表示例を示しており、表示画面35a上には、ユーザのリング操作に対応した露光時間での撮像画像が表示されると共に、タイムバー表示71及び指示表示72が表示される。ユーザは、自分の露光時間の設定操作を、タイムバー表示71及び指示表示72によって確認することができると共に、露光時間の設定操作に対応した撮像画像を画像表示によって確認することができる。
記録再生制御部11bは、撮影者がレリーズボタン41を半押し操作するか、処理決定操作を行うか又はタイムアウトすることにより、図3のステップS24,S25から処理をステップS27に移行して、ステップS23の処理選択を確定する。こうして、ユーザが指定した決定露光時間での撮像画像が記録部16に記録される。このように、処理の確定操作の前に、操作リング22aをCW方向又はCCW方向に回転させることで、ユーザが露光時間を変化させながら各露光時間における撮像画像を確認し、最終的に希望する露光時間の撮像画像を決定することができる。
このように本変形例においては、操作リングを回転させるという簡単な操作によって、撮影後に、迅速且つシャッターチャンスを逃すことなく、各露光時間での撮像結果を確認しながら、希望する露光時間での撮像画像を記録することができる。
(第2変形例)
図11は第2変形例における処理選択の動作を示すフローチャートである。本変形例は図1と同一のハードウェア構成によって実現することができる。第1変形例においては、リング操作によって、各処理の具体的な処理量を決定した。本変形例はリング操作によって、処理内容を表示して処理を選択するものである。
上述したように、通信部18は、外部機器との間で通信を行って、撮像画像を外部機器に送信することができるようになっている。本変形例においては、処理判定部11eは、回転検出部11dの検出結果に従って、記録再生制御部11b及び通信部18制御することで、撮像画像に対する外部機器への送信等を簡単に制御することができるようになっている。
次に、このように構成された第2変形例の動作について図11乃至図14を参照して説明する。図12はリング操作UI表示の表示例を示す説明図であり、図13は第2変形例によって作成される記録媒体のフォルダ構成の一例を示す説明図である。また、図14は処理の内容を説明するための図表である。
本変形例における処理判定部11eは、操作リング22aの回転量に応じて、撮像画像の転送に対する制御を選択させる。本変形例では、転送制御として、例えば、SNS共用マーク設定、ネットワーク転送設定、削除設定、ネットワーク公開許可設定、プライベートマーク設定及び保護設定を例に説明する。
本変形例においても、撮影が完了すると、図3と同様の撮影完了時処理が実行される。本変形例においては、図3のステップS23における処理選択として、図11のフローが採用される。図11において図5と同一の手順には同一符号を付して説明を省略する。
本変形例では、レックビュー表示の表示可能期間に操作リング22aが操作されることで、表示画面35a又は接眼表示部19に図12(a)に示すリング操作UI表示が表示される。図12に示すように、表示画面35a上には、リング操作UI画像として、実行する処理内容を示す選択枠81a〜81fが表示されている。また、操作リング22aの回転方向を示す円形の矢印表示82及び回転位置を示す指示表示83も表示されている。
指示表示83は、ユーザのリング操作による選択位置を示しており、図12(a)はリング操作UI表示の表示直後でユーザが処理の選択を行っていない状態を示し、図12(b)はユーザが約45度CW方向に操作リング22aを回転させて、選択枠81aを選択している状態を示している。なお、指示表示83によってユーザの選択位置を示したが、ユーザが選択している選択枠については色や模様を他の選択枠と異なるものに変化させるようにしてもよい。
回転検出部11dは、ステップS51において、操作リング22aの回転量を求めてその情報を処理判定部11eに与える。処理判定部11eは、ステップS52においてリング回転方向がCW方向であるか否かを判定する。リング回転方向がCW方向の場合には、ステップS53〜S60の処理を行い、リング回転方向がCCW方向の場合には、ステップS61〜S68の処理を行う。
処理判定部11eは、ステップS53,S55,S57,S59において、CW方向の回転量が45度未満であるか、45度以上90度未満であるか、90度以上135度未満であるか、135度以上であるかを判定する。処理判定部11eは、回転量が45度未満の場合には処理を行わず(ステップS54)、45度以上90度未満の場合にはSNS共有マークを設定し(ステップS56)、90度以上135度未満の場合にはネットワーク転送を設定し(ステップS58)、135度以上の場合には削除を設定する(ステップS60)。
また、処理判定部11eは、ステップS61,S63,S65,S67において、CCW方向の回転量が45度未満であるか、45度以上90度未満であるか、90度以上135度未満であるか、135度以上であるかを判定する。処理判定部11eは、回転量が45度未満の場合には処理を行わず(ステップS62)、45度以上90度未満の場合にはネットワーク公開許可を設定し(ステップS64)、90度以上135度未満の場合にはプライベートマークを設定し(ステップS66)、135度以上の場合には保護を設定する(ステップS68)。処理判定部11eは、ステップS69において、表示制御部11aを制御して、ユーザのリング操作に応じて指示表示83を変化させる。
ステップS56,S66のSNS共用マーク設定及びプライベートマーク設定は、夫々撮像画像にSNS共有マーク及びプライベートマークを設定するものである。処理判定部11eは、操作リング22aの回転量からこれらの処理が選択されたものと判定すると、記録再生制御部11bを制御して、撮像画像をこれらのマークに対応するフォルダに移動して保存させる。
図13は記録部16によって撮像画像が記録される記録媒体上に作成されるフォルダの構成を示しており、図13の例では、画像フォルダであるDCIMフォルダ内に、「100××××」、「101PRIVT」、「102SHARE」、「103TRANS」、「104PUBLIC」フォルダが作成されていることを示している。
記録再生制御部11bは、SNS共有マーク設定された撮像画像については「102SHARE」フォルダに格納し、プライベートマーク設定された撮像画像については「101PRIVT」フォルダに格納する。
SNS共有マークやプライベートマークを撮像画像に設定することにより、例えばパーソナルコンピュータによって記録媒体に記録された撮像画像を参照する場合等において、これらのマークが設定された画像を簡単に検索・選択することが可能となる。
ネットワーク転送処理は、撮影後において、予め登録した外部機器に対して、撮影画像を自動的に送信するものである。処理判定部11eは、ステップS58においてネットワーク転送設定を行った撮像画像については、記録再生制御部11bを制御して、撮像画像を「103TRANS」フォルダに移動して保存させる。更に、処理判定部11eは、図3の処理決定操作が行われた後、通信部18を制御して、「103TRANS」フォルダに格納された最新の撮像画像を、Eye−fiカード、カメラボディのWifi機能、その他のワイヤレス接続機能を用いて、登録された外部機器に送信する。
ネットワーク公開許可は、外部機器からのアクセスを許可し、撮影画像を公開するものである。処理判定部11eは、ステップS64においてネットワーク公開許可設定を行った撮像画像については、記録再生制御部11bを制御して、撮像画像を「104PUBLIC」フォルダに移動して保存させる。更に、処理判定部11eは、図3の処理決定操作が行われた後、通信部18を制御して、「104PUBLIC」フォルダに格納された最新の撮像画像を、Flashairカード、カメラボディのWifi機能、その他のワイヤレス接続機能を用いて、外部機器に公開する。
処理判定部11eは、ステップS60において削除設定を行った撮像画像については、図3の処理決定操作が行われた後、記録媒体から削除する。また、処理判定部11eは、ステップS68において保護設定を行った撮像画像については、図3の処理決定操作が行われた後、記録媒体の撮像画像に保護属性を設定する。
ところで、上記変形例では、一度に複数の処理を選択させてもよい。同時に実施可能な処理をリング状の選択枠に隣接して設定することにより、リング状に繋がっている複数の処理を纏めて選択することができる。
図14は複数の処理を纏めて選択する場合の例を示している。図14の例は図12のリング操作UI表示に対応した処理を示しており、CW方向及びCCW方向の回転量が、45度、90度又は135度における処理を示している。
処理判定部11eは、CW方向の回転量が45度の場合にはSNS共有マークを設定し、90度の場合にはSNS共有マーク設定とネットワーク転送設定とを行う。更に、処理判定部11eは、CW方向の回転量が135度の場合にはネットワーク転送設定と削除設定を行う。即ち、この場合には、ネットワーク転送が終了すると、転送した撮像画像については記録部16によって削除される。
また、処理判定部11eは、CCW方向の回転量が45度の場合にはネットワーク公開許可を設定し、90度の場合にはプライブートマークのみを設定する。更に、処理判定部11eは、CCW方向の回転量が135度の場合にはプライベートマーク設定と保護設定を行う。
このように、操作リング22aの回転量に応じて、リング状に隣接する1つ以上の処理を適宜選択して処理を行うことが可能である。処理に軽重、優劣、順位等がある場合には、より先にすべき処理についての選択枠をより小さい回転量に対応する位置に設定することにより、この処理をすばやく選択することができる。また、連続して選択される可能性がある処理についての選択枠を隣接配置することにより、1回の回転操作によって、複数の処理を選択して実行させることが可能であり、操作性に著しく優れている。
このように本変形例においては、操作リングを回転させるという簡単な操作によって、撮影後に、迅速且つシャッターチャンスを逃すことなく、撮像画像に対して希望する転送制御を設定することができる。
(第3変形例)
図15は第3変形例における処理選択の他の例を示す説明図である。本変形例は図1と同一のハードウェア構成によって実現することができる。本変形例は、処理を大分類と小分類に分け、リング操作によって、大分類の処理を選択した後小分類の処理を選択するようにしたものである。
図15は本変形例におけるリング操作UI表示の表示例を示している。図15(a)はリング操作UI表示の表示直後でユーザが処理の選択を行っていない状態を示しており、表示画面35aには、大分類の選択枠91と操作リング22aの回転方向を示す円形の矢印表示82及び回転位置を示す指示表示83が表示されている。大分類の選択枠91は、CW方向の回転によって選択することができるようになっている。なお、図15の例では、大分類の処理として、ネットワーク、フォルダ分け及び保護/削除が指定可能である。
図15(b)はユーザが約45度CW方向に操作リング22aを回転させて、大分類の選択枠91のうち、ネットワーク関連の処理を選択するための選択枠を選択している状態を示している。この状態で、図3の処理決定操作が行われると、ネットワーク関連の処理が小分類の選択枠92として選択可能となる。
図15(c)はこの状態を示しており、小分類の処理として、SNS共有マーク設定、ネットワーク公開許可設定、ネットワーク転送設定が設定可能であることを示している。小分類の選択枠92は、CCW方向の回転によって選択することができるようになっている。
図15(c)では、指示表示83の位置から、ユーザがCCW方向に45度操作リング22aを回転させて、SNS共有マーク設定を選択したことを示している。また、図15(c)に示すように、選択されていない大分類に関する選択枠の表示を消去することにより、大分類の処理としてネットワークを選択していることをユーザに認識させている。
同様に、図15(d)では、大分類の処理としてフォルダ分けが選択され、フォルダ分けの小分類の処理として、プライベート設定、仕事用設定、イベント用設定の各設定が可能であることを示している。図15(d)では、これらの小分類の処理のうち、プライベート設定が選択されていることが分かる。処理判定部11eは、小分類の処理の選択結果に応じて、撮像画像をプライベート用、仕事用又はイベント用のフォルダに移動させて格納する。
同様に、図15(e)では、大分類の処理として保護/削除が選択され、保護/削除の小分類の処理として、保護設定、削除設定の各設定が可能であることを示している。図15(e)では、これらの小分類の処理のうち、保護設定が選択されていることが分かる。処理判定部11eは、小分類の処理の選択結果に応じて、撮像画像に保護属性を設定するか、又は撮像画像を削除するかを決定する。
このように本変形例では、回転方向によって大分類と小分類の処理を簡単に選択可能であり、操作性に優れている。これにより、本変形例においても、撮影後に、迅速且つシャッターチャンスを逃すことなく、撮像画像に対する処理が可能である。
なお、本変形例では、処理を大分類と小分類の2つに分ける例を説明したが、処理を3つ以上の階層に分け、CW方向とCCW方向とで交互に各階層の処理を選択するようにしてもよい。
このように上記各例では、リング操作によって各処理を選択しており、回転方向及び回転量別に処理内容を分けることができ、選択操作が極めて容易である。なお、上記各変形例においても、回転量は度数ではなく、リングの検出系に依存したカウント値や、リングにクリック感を持たせている場合には、クリック数で規定してもよい。
また、上記各例では、回転量が一定角度変化する毎に処理を切換える例を説明したが、異なる変化量を検出して処理を切換えてもよく、例えば、重要な処理については、他の場合よりも回転量を大きく変化させることによって、処理が選択されたものと判定するようにしてもよい。
さらに、本発明の各実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話やスマートフォンなど携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)等に内蔵されるカメラでも勿論構わない。
本発明は、上記各実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
なお、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。また、これらの動作フローを構成する各ステップは、発明の本質に影響しない部分については、適宜省略も可能であることは言うまでもない。