JP6045031B2 - 成膜装置 - Google Patents

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Description

この発明は、単一のチャンバー内において、ワークに対してスパッタリングによる成膜とプラズマCVDによる成膜とを実行する成膜装置に関する。
例えば、自動車のヘッドランプのリフレクターや計器類は、射出成型されたプラスチック製品が使用される。そして、これらのプラスチック製品に対しては、鏡面仕上げや金属質感を持たせる目的から、アルミ等の金属をターゲットとしたスパッタリングによる成膜がなされる。そして、スパッタリングによる成膜後には、金属膜の酸化防止のため、プラズマCVDによる酸化シリコン保護膜等の成膜が実行される。
このような場合に、従来、射出成型機により射出成型されたワークを、一旦、一定量だけストックした上で、別の工場においてスパッタリングやプラズマCVDによる成膜を実行していた。このような場合においては、高品質の成膜を実行するために、ワークの表面に付着した水分等の吸着ガスを十分に真空排気して取り除く必要がある。このため、従来は、多数のワークをまとめてチャンバー内に設置し、チャンバー内を油拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプなどのような超高真空ポンプで十分に真空排気して水分等の吸着ガスを取り除いた上で成膜作業を行っていた。このため、大型の装置が必要となるばかりではなく、処理に長い時間を要していた。
また、スパッタリングによる成膜後のワークは、別の成膜装置に搬送され、その成膜装置のチャンバー内でHMDSO(ヘキサ−メチル−ジ−シロキサン)等のモノマーガスを利用したプラズマCVDを行うことにより、スパッタリングによる成膜後の表面に保護膜の成膜を行っている。
また、スパッタリングによる成膜と複合成膜あるいは重合成膜とを同一のチャンバー内で実行する装置も提案されている。特許文献1には、スパッタリング用電極と複合成膜あるいは重合成膜用電極とを所定距離だけ離隔した位置に配置した成膜装置が開示されている。この成膜装置においては、最初に、ワークとスパッタリング電極とを対向配置するとともに、チャンバー内に不活性ガスを導入した後、スパッタリング電極に直流を印加してスパッタリングによる成膜を実行する。次に、ワークを移動させてワークと複合成膜あるいは重合成膜用電極とを対向配置するとともに、チャンバー内にHMDSO等のモノマーガスを導入した後、複合成膜あるいは重合成膜用電極に高周波電圧を印加して、複合成膜あるいは重合成膜を実行している。この特許文献1に記載の成膜装置においては、使用しないターゲット上にシャッターを配置する構成を有している。
図10は、ワークに対してスパッタリングによる成膜とプラズマCVDによる成膜とを単一のチャンバー内において実行する成膜装置の一例を示す概要図である。
この成膜装置は、本体111と開閉部112とから構成されるチャンバー110を備える。開閉部112は、ワークWを搬入する搬入位置と、本体111との間でワークを収納するための密閉されたチャンバー110を構成する閉鎖位置との間を移動可能となっており、開閉部112と本体111との間には、パッキング114が配設されている。チャンバー110を構成する本体111の上壁には、ターゲット材料を備えたスパッタ電極123と、CVD電極124とが併設されている。スパッタ電極123は図示しない直流電源と接続されており、CVD電極124は図示しない高周波電源と接続されている。また、チャンバー110は、チャンバー110内に不活性ガスを供給する図示しない不活性ガス供給部と、チャンバー110内に原料ガスを供給する図示しない原料ガス供給部と、チャンバー110内を減圧する図示しない真空排気ポンプ等の減圧手段と、各々、接続されている。
さらに、この成膜装置は、支軸152を中心として揺動可能なシャッター151を備える。このシャッター151は、図10において実線で示すスパッタ電極123に当接する当接位置と、図10において二点鎖線で示す退避位置との間を揺動可能となっている。この成膜装置によりスパッタリングによる成膜を実行するときには、シャッター151は退避位置に配置される。一方、プラズマCVDによる成膜を実行するときには、シャッター151は、スパッタ電極123におけるターゲット材料を保護するために、スパッタ電極123に当接する当接位置に配置される。
特開2011−58048号公報
図10に示すように、スパッタ電極123は、この成膜装置で成膜を行うワークの最大サイズに対応するように、比較的大きなサイズを有する。このため、シャッター151も、スパッタ電極123のサイズに対応して大きなサイズとなる。そして、シャッター151のサイズが大きくなった場合には、チャンバー110の高さが、ワークのサイズにかかわらず、大きなものとなるという問題が生ずる。すなわち、シャッター151の支軸から先端部に至る距離が、図10に示すように、Lであった場合には、チャンバー110の室内の高さをL以上に設定することが必要となる。
一方、このような成膜装置においては、チャンバー内を真空排気するための真空排気時間が生産タクトタイムの大きな部分を占めている。このため、チャンバー110の室内の高さ方向のサイズが大きくなり、チャンバー110の容積が大きくなった場合には、真空排気のために要する時間がさらに長くなり、生産タクトタイムが長くなることになる。これに対応するために、より大型の真空排気ポンプを使用して真空排気の高速化を図ることも可能ではあるが、この場合においては、真空排気ポンプの大型化に伴って装置コストが上昇するという問題がある。
また、スパッタ電極123として小型のものを使用することにより、シャッター151の小サイズ化を測ることも不可能ではないが、この場合にいおては、大サイズのワークに対してスパッタリングによる成膜を行うためには、ワークの全領域がスパッタ電極の下方に配置されるようにワークを移動させる必要があり、装置構成が複雑化するという別の問題が生ずる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、極めて簡単な構成でありながら、チャンバーの容積が大きくなることを防止して、生産タクトタイムを短くすることが可能な成膜装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ワークに対してスパッタリングによる成膜とプラズマCVDによる成膜とを実行する成膜装置であって、ワークを収納するチャンバーと、ターゲット材料を備え、前記チャンバー内に配設されたスパッタ電極と、前記スパッタ電極に直流電圧を印加する直流電源と、前記チャンバー内に配設されたCVD電極と、前記CVD電極に高周波電圧を印加する高周波電源と、前記チャンバー内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記チャンバー内に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、前記チャンバー内を減圧する減圧手段と、前記スパッタ電極と当接することにより前記ターゲット材料を覆う当接位置と、前記チャンバーの底部付近の退避位置との間を昇降可能なシャッターと、シリンダロッドで前記シャッターを下方から支持することにより、前記シャッターを前記退避位置から前記当接位置に向けて上昇させるシリンダを有するシャッター昇降機構と、前記シリンダロッドが前記シャッターから離隔して下降するときに、前記当接位置において前記シャッターを支持するシャッター支持機構と、を備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記チャンバーの側面に、当該チャンバーに対して前記ワークを搬入および搬出する開口部が形成される。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記シャッター支持機構は、前記シャッターが前記シャッター昇降機構により前記退避位置から上昇されたときに、前記シャッターの端縁に形成された複数の凹部内に侵入することにより、前記シャッターを側方から支持する複数のスライドピンを備える。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記シャッターの端縁に形成された凹部がテーパー面を備えるとともに、前記スライドピンの先端部は前記凹部のテーパー面と対応する形状を有するテーパー部を備え、前記スライドピンのテーパー部が前記凹部内に侵入することにより、前記シャッターを、当該シャッターが前記スパッタ電極と当接する当接位置に配置する。
請求項に記載の発明は、請求項から請求項のいずれかに記載の発明において、前記スパッタ電極に高周波電圧を印加する高周波電源をさらに備える。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の成膜装置において、前記シャッターは伝導体から構成されるとともに、前記シャッター支持機構は、前記シャッターを前記チャンバーから絶縁した状態で支持する。
請求項1に記載の発明によれば、スパッタ電極と当接することによりターゲット材料を覆う当接位置とチャンバーの底部付近の退避位置との間を昇降可能なシャッターを使用することにより、チャンバーの容積が大きくなることを防止して、生産タクトタイムを短くすることが可能となる。このため、極めて簡易な構成により、大きな真空排気ポンプ等を使用することなく、短時間でスパッタリングによる成膜とプラズマCVDによる成膜とを実行することが可能となる。
また、シャッター昇降機構とシャッター支持機構の作用により、シャッターを移動させるための機構とワークの配置領域とを干渉させることなく、シャッターを当接位置と退避位置の間で移動させることが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、チャンバーやワークの搬入搬出機構の構成を簡易なものとすることができる。
請求項に記載の発明によれば、簡易な構成でありながら、シャッター昇降機構からシャッターを受け取って当接位置に支持し、また、当接位置にあるシャッターをシャッター昇降機構に引き渡すことが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、スライドピンのテーパー部を凹部内に侵入させることにより、シャッターを当接位置に移動させることができる。これにより、簡易な構成でありながら、シャッターをスパッタ電極に対して確実に当接させることが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、直流スパッタリングと交流スパッタリングの両方を実行することが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、伝導体からなるシャッターをCVD電極として機能させることにより、スパッタ電極を利用してプラズマCVDによる成膜を実行することが可能となる。
この発明に係る成膜装置の正面概要図である。 この発明に係る成膜装置の要部を示す側面概要図である。 シャッター昇降機構によるシャッター51の昇降動作を示す側面概要図である。 シャッター昇降機構によるシャッター51の昇降動作を示す側面概要図である。 シャッター昇降機構によるシャッター51の昇降動作を示す側面概要図である。 シャッター昇降機構によるシャッター51の昇降動作を示す側面概要図である。 シャッター支持機構によるシャッター51の支持動作を示す部分拡大図である。 シャッター支持機構によるシャッター51の支持動作を示す部分拡大図である。 シャッター支持機構によるシャッター51の支持動作を示す部分拡大図である。 ワークに対してスパッタリングによる成膜とプラズマCVDによる成膜とを単一のチャンバー内において実行する成膜装置の一例を示す概要図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る成膜装置の正面概要図であり、図2は、その要部を示す側面概要図である。
この成膜装置は、本体11と開閉部12とから構成されるチャンバー10を備える。開閉部12は、ワークWを搬入する搬入位置と、本体11との間でパッキング14を介して密閉されたチャンバー10を構成する閉鎖位置との間を移動可能となっている。開閉部12が搬入位置に移動した状態においては、チャンバー10の側面に、ワークWをチャンバー10に対して搬入および搬出する開口部が形成されることになる。また、開閉部12に形成された通過孔を通過するようにして、ワークWを載置するためのワーク載置部13が配設されている。このワーク載置部13は、ワークWを載置した状態で開閉部12に対して相対的に移動可能となっている。
また、この成膜装置は、電極部21とターゲット材料22とからなるスパッタ電極23を備える。このスパッタ電極23は、図示を省略した絶縁部材を介して、チャンバー10における本体11に装着されている。なお、チャンバー10を構成する本体11は、接地部19によりアースされている。スパッタ電極23は、スイッチ44を介して、直流電源41に接続されている。また、スパッタ電極23は、スイッチ44を介して、マッチングボックス43および高周波電源42と接続されている。
さらに、この成膜装置は、CVD電極24を備える。このCVD電極24は、スパッタ電極23と同様、図示を省略した絶縁部材を介して、チャンバー10における本体11に装着されている。また、このCVD電極24は、マッチングボックス46および高周波電源45と接続されている。
なお、上述した高周波電源42、45としては、例えば、数十MHz(メガヘルツ)程度の高周波を発生させるものを使用することができる。ここで、この明細書で述べる高周波とは、20kHz(キロヘルツ)以上の周波数を意味する。
チャンバー10を構成する本体11は、開閉弁31および流量調整弁32を介して、アルゴン等の不活性ガスの供給部33と接続されている。また、チャンバー10を構成する本体11は、開閉弁34および流量調整弁35を介して、HMDSOやHMDS(ヘキサ−メチル−ジ−シラザン)等の原料ガスの供給部36と接続されている。さらに、チャンバー10を構成する本体11は、開閉弁39を介して、メカニカルブースタポンプ37およびドライポンプ38と接続されている。
また、この成膜装置は、スパッタ電極23と当接することによりターゲット材料22を覆う当接位置と、チャンバー10の底部付近の退避位置との間を昇降可能なシャッター51を備える。このシャッター51は、金属等の伝導体で、かつ、非磁性体である材料から構成されている。シャッター51の材質としては、例えば、アルミニュウムを採用することができる。
図2に示すように、シャッター51は、エアシリンダ53のシリンダロッド54により下方から支持された状態で、このエアシリンダ53の駆動により、退避位置から当接位置に向けて上昇する。そして、このシャッター51は、当接位置において、チャンバー10における本体11に対してL型金具18により固定されたエアシリンダ61におけるシリンダロッド先端のスライドピン(図7〜図9参照)により支持される。エアシリンダ53は、シャッター51を下方から支持することにより、このシャッター51を退避位置から当接位置に向けて上昇させるシャッター昇降機構として機能し、エアシリンダ61は、当接位置においてシャッター51を支持するシャッター支持機構として機能する。
以下、シャッター51の昇降動作について説明する。図3から図6は、シャッター昇降機構によるシャッター51の昇降動作を示す側面概要図である。また、図7から図9は、シャッター支持機構によるシャッター51の支持動作を示す部分拡大図である。
図3は、シャッター51が、スパッタ電極23の下方で、チャンバー10を構成する本体11の底部付近の退避位置に配置された状態を示している。この状態においては、シャッター51は、本体11の底部に付設された支持部52により支持されている。このときには、エアシリンダ53のシリンダロッド54は、エアシリンダ53の本体内に収納された縮収状態となっている。
シャッター51を、図3に示す退避位置から、スパッタ電極23と当接することによりターゲット材料22を覆う当接位置まで移動させるときには、最初に、エアシリンダ53のシリンダロッド54によりシャッター51を支持した状態でシリンダロッド54を伸張させることにより、図4に示すように、シャッター51をスパッタ電極23の直下の位置まで上昇させる。この状態においては、図7に示すように、スパッタ電極23におけるターゲット材料22の下面とシャッター51の正面とは、微小な距離dだけ離隔した状態となっている。
なお、図7に示すように、シャッター51の端縁には、テーパー面を備えた凹部59が形成されている。この凹部59は、平面視において矩形状のシャッター51の四隅の位置に形成されている。一方、シャッター51がエアシリンダ53の作用により上昇したときの凹部59と対向する位置には、上述したエアシリンダ61が配設されている。このエアシリンダ61は、L型金具18によりチャンバー10における本体11に対して固定されており、このエアシリンダ61におけるシリンダロッド先端のスライドピン62は、本体11を貫通している。そして、このスライドピン62の先端には、シャッター51に形成された凹部59のテーパー面と対応する形状を有するテーパー部が形成されている。
次に、図4および図7に示す状態から、エアシリンダ61におけるシリンダロッド先端のスライドピン62をシャッター51に向けて伸張する。このときには、最初に、図8に示すように、スライドピン62の先端部がシャッター51に形成された凹部59の上端部と対向する位置に配置される。そして、この状態からさらにスライドピン62がシャッター51側に移動することにより、スライドピン62の先端がシャッター51に形成された凹部59内に侵入する。このときには、凹部59のテーパー面と、スライドピン62の先端のテーパー部との作用により、スライドピン62の先端の凹部59内への侵入動作に伴って、シャッター51が上方に移動する。これにより、図5および図9に示すように、シャッター51は、スパッタ電極23と当接することによりターゲット材料22を覆う当接位置に配置され、その位置で支持される。
しかる後、図6に示すように、エアシリンダ53のシリンダロッド54を下降させ、このシリンダロッド54をエアシリンダ53の本体内に収納された縮収状態とする。これにより、スパッタ電極23およびシャッター51の下方に、ワークWを配置可能な空間が形成される。
以上のような構成を有するシャッター昇降機構およびシャッター支持機構によれば、シャッター51を当接位置と退避位置との間で昇降させる構成であることから、シャッター51のサイズが大きくなった場合においても、図10に示す構成のように、チャンバー10の室内の高さを、シャッター51のサイズに合わせて大型化する必要がない。このため、チャンバー10の容積を小さくすることが可能となり、真空排気のために要する時間を短縮することが可能となる。
また、図10に示す構成のように、シャッター151を支軸152を中心として揺動させる構成とした場合には、シャッター151とスパッタ電極123とを完全に面接触させるための調整作業に長い時間を要するが、この実施形態においては、シャッター51を当接位置と退避位置との間で昇降させる構成であることから、シャッター51とスパッタ電極23とを容易に面接触させることができ、後述するプラズマ重合による成膜時に、電極23におけるターゲット材料22が重合堆積物により汚染されるという現象を有効に防止することが可能となる。また、支軸152を中心として揺動させる構成ではないことから、その耐久性も向上する。
さらには、シャッター51とエアシリンダ53のシリンダロッド54が分離した構成であることから、シャッター51当接位置においても、シリンダロッド54とワークWの配置領域とが干渉することはない。そして、シャッター51をその昇降機構から分離できることから、シャッター51に対する着膜物の洗浄作業や、シャッター51の交換作業を容易に実行することが可能となる。
なお、エアシリンダ61におけるシリンダロッド先端のスライドピン62は、絶縁材料から構成されている。後述するように、この成膜装置において、CVD電極24を利用してプラズマCVDによる成膜を実行するだけではなく、スパッタ電極23を利用してプラズマCVDによる成膜をも実行する場合には、チャンバー10に連結されたエアシリンダ61とスパッタ電極23に当接するシャッター51とが導通してチャンバー10とスパッタ電極23とが短絡することを防止する必要がある。このため、この実施形態においては、スライドピン62を絶縁材料から構成することにより、チャンバー10とスパッタ電極23とが短絡することを防止している。なお、シャッター51におけるスライドピン62との当接部分を絶縁材料で構成することにより、シャッター51をチャンバー10から絶縁した状態で支持する構成を採用してもよい。
次に、以上のような構成を有する成膜装置による成膜動作について説明する。この成膜装置により成膜動作を実行するときには、図1において仮想線で示すように、ワーク載置部13に載置されたワークWを、チャンバー10内のスパッタ電極23と対向する位置に配置する。このときには、図1および図2において実線で示すように、シャッター51は、チャンバー10の底部付近の退避位置に配置されている。
この状態において、チャンバー10内を0.1パスカルから5パスカル程度まで減圧する。この時には、最初に、ドライポンプ38を利用して高速でチャンバー10内を減圧した後、メカニカルブースタポンプ37を使用してチャンバー10内を高真空とする。なお、ドライポンプ38により必要な真空圧が得られる場合には、メカニカルブースタポンプ37を省略してもよい。また、メカニカルブースタポンプ37の代わりに、ターボ分子ポンプを使用することもある。
次に、開閉弁31を開放することにより、不活性ガスの供給部33からチャンバー10内にアルゴン等の不活性ガスを供給し、チャンバー10内の真空度が0.1〜5パスカルとなるように、チャンバー10内を不活性ガスで充満させる。そして、スイッチ44を直流電源41側に切り替えることにより、スパッタ電極23に対して直流電源41から直流電圧を付与し、あるいは、スイッチ44を高周波電源42側に切り替えることにより、スパッタ電極23に対してマッチングボックス43を介して高周波電源42から高周波電圧を付与する。これにより、スパッタリング現象でターゲット材料22の薄膜がワークWの表面に形成される。
なお、スパッタ電極23に対して直流電圧を付与した場合には、ターゲット材料22として直流スパッタリングが可能な材質を使用した場合に、スパッタリングによる成膜をより高速に実行することが可能となる。このため、高周波電源42とマッチングボックス43とを省略し、直流電源41のみを利用してスパッタリングを実行するようにしてもよい。
以上の工程によりスパッタリングによる成膜が終了すれば、引き続き、プラズマ重合による成膜を実行する。このプラズマ重合は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)の一種である。プラズマ重合を実行する場合には、図1において実線で示すように、ワーク載置部13に載置されたワークWを、チャンバー10内のCVD電極24と対向する位置に配置する。また、図1および図2において仮想線で示すように、シャッター51を、スパッタ電極23と当接することによりターゲット材料22を覆う当接位置に配置する。この状態においては、シャッター51は、図9に示すように、エアシリンダ61におけるスライドピン62により支持される。また、エアシリンダ53のシリンダロッド54は、図6に示すように、エアシリンダ53の本体内に収納された縮収状態となっている。
この状態において、チャンバー10内を0.1パスカルから5パスカル程度まで減圧する。そして、開閉弁34を開放することにより、原料ガスの供給部36からチャンバー10内に原料ガスを供給し、チャンバー10内の真空度を0.1〜10パスカルとなるように、チャンバー10内を原料ガスで充満させる。そして、CVD電極24に対してマッチングボックス46を介して高周波電源45から高周波電圧を付与することにより、プラズマ重合による成膜を実行する。これにより、プラズマ重合反応で原料ガスの薄膜がワークWの表面に堆積する。
なお、このプラズマ重合による成膜は、CVD電極24だけではなく、スパッタ電極23を利用して実行することもできる。すなわち、この成膜装置においては、伝導体から構成され、かつ、チャンバー10から絶縁した状態で支持さらたシャッター51を使用していることから、プラズマ重合による成膜時に、シャッター51によりスパッタ電極23におけるターゲット材料22を覆った状態で、スパッタ電極23に対してマッチングボックス43を介して高周波電源42から高周波電圧を付与することにより、スパッタ電極23を利用してプラズマ重合による成膜を実行することが可能となる。
10 チャンバー
11 本体
12 開閉部
13 ワーク載置部
18 L型金具
19 接地部
21 電極部
22 ターゲット材料
23 スパッタ電極
31 開閉弁
32 流量調整弁
33 不活性ガスの供給部
34 開閉弁
35 流量調整弁
36 原料ガスの供給源
37 メカニカルブースタポンプ
38 ドライポンプ
39 開閉弁
41 直流電源
42 高周波電源
43 マッチングボックス
44 スイッチ
45 高周波電源
46 マッチングボックス
51 シャッター
52 支持部
53 エアシリンダ
54 シリンダロッド
59 凹部
61 エアシリンダ
62 スライドピン
W ワーク

Claims (6)

  1. ワークに対してスパッタリングによる成膜とプラズマCVDによる成膜とを実行する成膜装置であって、
    ワークを収納するチャンバーと、
    ターゲット材料を備え、前記チャンバー内に配設されたスパッタ電極と、
    前記スパッタ電極に直流電圧を印加する直流電源と、
    前記チャンバー内に配設されたCVD電極と、
    前記CVD電極に高周波電圧を印加する高周波電源と、
    前記チャンバー内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
    前記チャンバー内に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
    前記チャンバー内を減圧する減圧手段と、
    前記スパッタ電極と当接することにより前記ターゲット材料を覆う当接位置と、前記チャンバーの底部付近の退避位置との間を昇降可能なシャッターと、
    シリンダロッドで前記シャッターを下方から支持することにより、前記シャッターを前記退避位置から前記当接位置に向けて上昇させるシリンダを有するシャッター昇降機構と、
    前記シリンダロッドが前記シャッターから離隔して下降するときに、前記当接位置において前記シャッターを支持するシャッター支持機構と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  2. 請求項に記載の成膜装置において、
    前記チャンバーの側面に、当該チャンバーに対して前記ワークを搬入および搬出する開口部が形成される成膜装置。
  3. 請求項に記載の成膜装置において、
    前記シャッター支持機構は、
    前記シャッターが前記シャッター昇降機構により前記退避位置から上昇されたときに、前記シャッターの端縁に形成された複数の凹部内に侵入することにより、前記シャッターを側方から支持する複数のスライドピンを備える成膜装置。
  4. 請求項に記載の成膜装置において、
    前記シャッターの端縁に形成された凹部がテーパー面を備えるとともに、
    前記スライドピンの先端部は前記凹部のテーパー面と対応する形状を有するテーパー部を備え、
    前記スライドピンのテーパー部が前記凹部内に侵入することにより、前記シャッターを、当該シャッターが前記スパッタ電極と当接する当接位置に配置する成膜装置。
  5. 請求項から請求項のいずれかに記載の成膜装置において、
    前記スパッタ電極に高周波電圧を印加する高周波電源をさらに備える成膜装置。
  6. 請求項に記載の成膜装置において、
    前記シャッターは伝導体から構成されるとともに、
    前記シャッター支持機構は、前記シャッターを前記チャンバーから絶縁した状態で支持する成膜装置。
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