本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明の実施の一形態に係るラジオ受信装置は図1に示すように構成される。このラジオ受信装置100は、中波帯域でのAM変調のアナログ放送の受信と、DRMによる同じ中波帯域のAM変調のデジタル放送の受信とが可能である。前記アナログ放送とDRMによるデジタル放送とは、例えば、図2に示す周波数にてなされているものと仮定する。
図2において、ABC局から周波数f1でアナログ放送A1がなされている。この周波数f1より高い周波数f2でDEF局からデジタル放送D2がなされている。この周波数f2より高い周波数f3でUVW局からデジタル放送D3がなされている。さらに、この周波数f3より高い周波数f4でDEF局からアナログ放送A2がなされている。この周波数f4より高い周波数f5でXYZ局からアナログ放送A3がなされている。そして、この周波数f5より高い周波数f6でABC局からデジタル放送D1がなされている。この周波数f6より高い周波数f7でGHI局からデジタル放送D4がなされている。このようにABC局では、アナログ放送A1とデジタル放送D1とを放送しており、放送形式が異なるが、放送される番組は同一番組である。同じく、DEF局では、アナログ放送A2とデジタル放送D2との両放送にて同一番組を放送している。
これらの周波数の中では、周波数f1が最も低い周波数であり、周波数f2、周波数f3、周波数f4、周波数f5、周波数f6の順で周波数が高くなっており、周波数f7が最も高い周波数となっている。例えば、アナログ放送A1の周波数(f=f1)に対して所定周波数間隔Δf(例えば9kHz)だけ高い周波数は、周波数(f=f1+Δf)で表される。この所定周波数間隔Δfは、常に一定であり、例えば、デジタル放送D2がなされる周波数f2は、f1+20Δfとして表すこともできる。すなわち、これらのアナログ放送及びデジタル放送がなされる周波数は、基本となる周波数f1に所定周波数間隔Δfを複数乗じた数を加算した周波数となっている。
図1に戻って、ラジオ受信装置100は、AMチューナ11、復調回路12、デジタル放送処理ユニット13、アナログ放送処理ユニット14、出力回路15及びスピーカ16を有している。このラジオ受信装置100は、更に、処理ユニット20、操作ユニット21、表示ユニット22、放送情報抽出ユニット23、及び記憶部24を有している。
AMチューナ11が、中波帯域においてAM変調された同調周波数の放送信号を受信し、その放送信号が復調回路12で復調されて実質的な放送内容を表す受信信号が生成される。デジタル放送処理ユニット13は、復調回路12から出力されるデジタル放送についての受信信号を処理して音声信号を生成して出力する。アナログ放送処理ユニット14は、復調回路12から出力されるアナログ放送についての受信信号を処理して音声信号を生成して出力する。出力回路15は、デジタル放送処理ユニット13またはアナログ放送ユニット14からの音声信号に対して増幅などの処理を施し、その処理された音声信号に従ってスピーカ16を駆動する。それにより、スピーカ16から前記音声信号に基づいた音が発せられる。
制御ユニット20には、操作ユニット21、表示ユニット22、放送情報抽出ユニット23及び記憶部24が接続されている。制御ユニット20は、操作ユニット21での操作に従って種々の制御処理を実行する。AMチューナ11、デジタル放送処理ユニット13及びアナログ放送処理ユニット14に対する制御ユニット20の制御により、アナログ放送及びデジタル放送の受信及び音声出力、また、後述するようなシーク動作がなされる。放送情報抽出ユニット23は、制御ユニット20の制御のもと、復調回路12から出力される受信信号から放送局名及び番組名を含む放送番組についての所定事項を表す放送情報を抽出し、制御ユニット20に提供する。これらの制御ユニット20に提供された放送情報から抽出した放送局名、その放送がなされる周波数、及びその放送方式(デジタル放送又はアナログ放送のいずれかを示す情報)等が記憶部24に記憶される。また、制御ユニット20は、記憶部24に記憶される放送局名及び放送情報などを表示ユニット22に表示させる。
制御ユニット20の制御のもと、図3に示す手順に従って放送番組の音声出力をすることなく同調周波数を順次変えて得られる受信可能な放送番組の情報に基づいて、同一の放送局からの同一番組のアナログ放送とデジタル放送との対応関係(アナログ放送及びデジタル放送の両同調周波数)を記憶部24に記憶させる処理がなされる。この処理は、ラジオ受信装置100のバックグラウンド処理としてなされ、この処理がなされているときに、受信した放送番組を音声出力することはない。
図3において、制御ユニット20の制御のもと、AMチューナ11にて、例えば、周波数f=f+Δfの放送局の検索がなされ(S11)、当該同調周波数による放送番組の受信を確認する(S12)。この検索により、例えば、アナログ放送A1(図2参照)が受信されると、制御ユニット20は、放送局名及び番組名含む情報である放送情報とその放送がなされる同調周波数及び当該放送番組がアナログ放送及びデジタル放送のいずれの放送種別であるのかを示す情報とを記憶部24に記憶する(S13)。そして、ステップS13の処理がなされた後、もしくは、ステップS12においてステップS11の同調周波数による放送番組が受信できないと判定されたとき(S12でNO)に、制御ユニット20は、全ての同調周波数による放送番組の検索受信処理が終了したか否かを判定する(S14)。
これによって、全ての同調周波数による放送番組の検索受信処理が終了していないと判定されると(S14でNO)、制御ユニット20は、ステップS11の処理に戻る。このとき、例えば、前述したステップS11において検索された同調周波数がf1であれば、次に検索すべき周波数は、f=f1+Δfとなる。このように、シーク動作は、同調周波数(f)に所定周波数Δfを加えた周波数ごとにステップ的に検索するという所定の規則に基づいてなされる。このような所定の規則に基づいて、制御ユニット20は、全ての同調周波数について前述したステップS11〜S14までの処理を繰り返す。そして、制御ユニット20による全ての同調周波数の検索処理が終了すると(S14でYES)、制御ユニット20は、アナログ/デジタル対応テーブルを作成し(S15)、バックグラウンド処理を終了する。
このとき、図2に示す周波数においてアナログ放送及びデジタル放送がなされている場合において、記憶部24に記憶されるアナログ/デジタル対応テーブルは、図4に示すようになる。
図4において、記憶部24には、同一の放送局による同一番組を放送するアナログ放送の同調周波数(fa)とデジタル放送の同調周波数(fd)とが対応付けられてテーブル形式にて記憶されている。例えば、ABC放送局においては、アナログ放送A1の同調周波数f1とデジタル放送D1の同調周波数f6とが対応付けられて記憶されている。また、DFE局においては、アナログ放送A2の同調周波数f4とデジタル放送D2の同調周波数f2とが対応付けられて記憶されている。このように、記憶部24に記憶されるアナログ/デジタル対応テーブルには、同一の放送局による同一番組を放送するアナログ放送及びデジタル放送の同調周波数のみが対応付けられて記憶されるようになっている。なお、ステップS13において取得した放送情報・アナログ放送/デジタル放送の全ての記憶するようにしているが、アナログ/デジタル対応テーブルを作成した後に、これらの記憶を全て削除するようにしてもよい。
以上のようなバックグラウンド処理によって、アナログ放送及びデジタル放送の両同調周波数が対応付けられて記憶部24に記憶される。このような場合に、ラジオ受信機100そのもののラジオ受信及びラジオ受信時のシーク動作は、図5に示すように実行される。以下に詳しく説明する。
図5において、当初、制御ユニット20の制御(S20)のもと、AMチューナ11にて、例えば、同調周波数(f=f1)のアナログ放送A1(図2参照)が受信され、復調回路12及びアナログ放送処理ユニット14での処理に従って、スピーカ16からそのアナログ放送A1の番組の音声出力がなされおり、また、放送情報抽出ユニット23によって抽出される前記アナログ放送A1についての放送情報が表示ユニット22に表示される。そして、制御ユニット20は、受信される放送番組がアナログ放送であるか否かを確認する(S21)。例えば、同調周波数(f=f1)であれば、制御ユニット20は、受信される放送番組がアナログ放送A1であると判定し(S21でYES)、アナログ放送A1に対応するデジタル放送の同調周波数が記憶部24に記憶されているか否かを判定する(S22:判定手段)。具体的には、制御ユニット20は、受信されるアナログ放送A1の番組の音声出力がされている状態で、アナログ放送A1の番組と同一放送局であるABC放送局からの同一番組のデジタル放送があるか否かを、記憶部24に対応付けられて記憶されるアナログ/デジタル対応テーブルから検索することによって判定する。
これによって、記憶部24にABC放送局によるアナログ放送A1の同調周波数(f=1)に対応付けられた同一の番組を放送するデジタル放送D1の同調周波数(f=f6)が記憶されていると判定されると(S22でYES)、制御ユニット20は、ジャンピング・シークフラグをON状態にして(S23:ジャンプシーク記憶手段)、シーク動作を記憶部24に記憶されたデジタル放送D1の同調周波数(f=f6)から行うように変更する(S24:シーク動作制御手段)。すなわち、制御ユニット20は、アナログ放送A1の番組から同一の放送局であるABC局からのデジタル放送A1の同一番組へのシーク動作があったことを表わすジャンピング・シークフラグ(ジャンプシーク情報)をON状態(記憶)にし、アナログ放送A1の番組の同調周波数(f=f1)から開始されるシーク動作において同調周波数を前述した所定の規則に係らず、デジタル放送D1の番組の同調周波数(f=f6)に変化させる。そして、制御ユニット20はこのデジタル放送D1の同調周波数(f=f6)から行なわれるシーク動作により放送番組の受信を確認する(S25)。そして、AMチューナ11から例えば、デジタル放送D1による放送番組の受信を確認すると(S25でYES)、受信したデジタル放送D1の放送番組を音声出力する(S31)。
これにより、ユーザ(利用者)は、アナログ放送A1の番組の音声出力がされている状態で、アナログ放送A1の番組を放送する放送局と同一放送局であるABC放送局からの同一番組のデジタル放送D1があるか否かを、ABC放送局からの同一番組のアナログ放送の同調周波数(f=f1)とデジタル放送の同調周波数(f=f6)とが対応付けられて記憶された記憶部24のアナログ/デジタル対応テーブル(図4参照)に基づいて判定し、アナログ放送A1の番組を放送する放送局と同一放送局であるABC放送局からの同一番組のデジタル放送D1があると判定されたときに、アナログ放送A1の番組の同調周波数(f=f1)から開始されるシーク動作において同調周波数(f=f1)を所定の規則に係らずデジタル放送D1の番組の同調周波数(f=f6)に変化させるので、受信されているアナログ放送A1の番組と同一番組をより迅速にデジタル放送D1にて受信することができるようになる。
そして、デジタル放送D1による放送番組の放送がなされている状態(S20)で、ユーザがさらにシーク動作を指示すると、制御ユニット20は、受信される放送番組がアナログ放送であるか否かを確認する(S21)。この場合、受信される放送番組がデジタル放送D1により放送されていると判定されるので(S21でNO)、制御ユニット20は、ジャンピング・シークフラグがON状態にあるか否かを判定する(S26:復帰シーク動作制御手段)。すなわち、アナログ放送A1の番組から当該アナログ放送A1と同一の放送局であるABC局からのデジタル放送D1の同一番組へのシーク動作があったのか否かを判定する。この場合、制御ユニット20は、前述したステップS23においてジャンピング・シークフラグをON状態にしているので、ジャンピング・シークフラグがON状態であると判定し(S26でYES)、当該ジャンピング・シークフラグをOFF状態にする(S27)。
そして、シーク動作を行う同調周波数を現在の同調周波数(f=f6)から、記憶部24に当該デジタル放送の同調周波数(f=f6)に対応付けられて記憶されているアナログ放送A1の同調周波数(f=f1)に所定周波数間隔Δfを加算した周波数(f=f1+Δf)に変化させる(S28:復帰シーク動作制御手段)。すなわち、本来、シーク動作は、現在の同調周波数(f=f6)に所定周波数間隔Δfを加算した周波数(f=f6+Δf)からその検索がなされるところ、前述したステップS24においてアナログ放送A1の同調周波数(f=f1)をデジタル放送D1の同調周波数(f=f6)に変化させているので、アナログ放送A1の同調周波数とデジタル放送D1の同調周波数との間の同調周波数のいずれかにおいて放送される放送番組及び当該番組を放送する放送局をシークすることができなくなってしまうことから、アナログ放送A1の同調周波数(f=f1)以降の周波数(f=f1+Δf)に変化させるようにしている。
これにより、ユーザは、シーク動作により受信されたデジタル放送D1の番組の音声出力がなされている状態で開始されるシーク動作において、同調周波数(f=f6)をアナログ放送A1の同調周波数(f=f1)以降の周波数(f=f1+Δf)に変化させるので、アナログ放送A1の同調周波数(f=f1)をデジタル放送D1の同調周波数(f=f6)に変化させた後に、シーク動作がなされる場合であっても、同調周波数を変化させる前のアナログ放送A1の同調周波数(f=f1)以降の周波数(f=f1+Δf)を起点に所定の規則に従って順次放送局をシークするので、アナログ放送A1の同調周波数(f=f1)とデジタル放送D1の同調周波数(f=f6)との間の同調周波数のいずれかにおいて放送される放送番組及び当該番組を放送する放送局をシークすることができなくなってしまうことを防ぐことができるようになっている。
そして、制御ユニット20は、ステップS28によって変化された周波数(f=f1+Δf)において放送番組を受信したか否かを判定する(S30)。この場合、図2を参照するに、デジタル放送及びアナログ放送のいずれの放送もなされていないので(S30でNO)、制御ユニット20は、所定の規則に従って、検索した周波数(f=f1+Δf)にさらに所定周波数間隔Δfを加算し(S29)、再度放送番組を受信したか否かを判定する。制御ユニット20は、このようなシーク動作を繰り返し(S29、S30)、AMチューナ11から例えば、デジタル放送D2による放送番組の受信を確認すると(S30でYES)、受信したデジタル放送D2(同調周波数f=f2)の放送番組を音声出力する(S31)。
そして、デジタル放送D2による放送番組の放送がなされている状態(S20)で、ユーザがさらにシーク動作を指示すると、制御ユニット20は、受信される放送番組がアナログ放送であるか否かを確認する(S21)。この場合、受信される放送番組がデジタル放送D2により放送されているので(S21でNO)、制御ユニット20は、ジャンピング・シークフラグがON状態にあるか否かを判定する(S26)。この場合、ジャンピング・シークフラグはOFF状態であるため、ジャンピング・シークフラグがOFF状態であると判定し(S26でNO)、制御ユニット20は、所定の規則に従って、現在受信しているデジタル放送D2の同調周波数(f=f2)にさらに所定周波数間隔Δfを加算し(S29)、再度放送番組を受信したか否かを判定する。制御ユニット20は、このようなシーク動作を繰り返し(S29、S30)、AMチューナ11から例えば、デジタル放送D3による放送番組の受信を確認すると(S30でYES)、受信したデジタル放送D3(同調周波数f=f3)の放送番組を音声出力する(S31)。
そして、デジタル放送D3による放送番組の放送がなされている状態(S20)で、ユーザがさらにシーク動作を指示すると、制御ユニット20は、受信される放送番組がアナログ放送であるか否かを確認する(S21)。この場合、受信される放送番組がデジタル放送D3により放送されているので(S21でNO)、制御ユニット20は、ジャンピング・シークフラグがON状態にあるか否かを判定する(S26)。この場合、ジャンピング・シークフラグはOFF状態であるため、ジャンピング・シークフラグがOFF状態であると判定し(S26でNO)、制御ユニット20は、所定の規則に従って、現在受信しているデジタル放送D3の同調周波数(f=f3)にさらに所定周波数間隔Δfを加算し(S29)、再度放送番組を受信したか否かを判定する。制御ユニット20は、このようなシーク動作を繰り返し(S29、S30)、AMチューナ11から例えば、アナログ放送A2による放送番組の受信を確認すると(S30でYES)、受信したアナログ放送A2(同調周波数f=f4)の放送番組を音声出力する(S31)。
そして、アナログ放送A2による放送番組の放送がなされている状態(S20)で、ユーザがさらにシーク動作を指示すると、制御ユニット20は、受信される放送番組がアナログ放送であるか否かを確認する(S21)。この場合、受信される放送番組がアナログ放送A2により放送されているので(S21でYES)、アナログ放送A2に対応するデジタル放送の同調周波数が記憶部24に記憶されているか否かを判定する(S22)。これによって、記憶部24にDEF放送局によるアナログ放送A2の同調周波数(f=f4)に対応付けられた同一の番組を放送するデジタル放送D2の同調周波数(f=f2)が記憶されていると判定されると(S22でYES)、制御ユニット20は、ジャンピング・シークフラグをON状態にして(S23)、シーク動作を記憶部24に記憶されたデジタル放送D2の同調周波数(f=f2)から行うように変更する(S24)。そして、制御ユニット20はこのデジタル放送D2の同調周波数(f=f2)から行なわれるシーク動作により放送番組の受信を確認する(S25)。そして、AMチューナ11から例えば、デジタル放送D2による放送番組の受信を確認すると(S25でYES)、受信したデジタル放送D2の放送番組を音声出力する(S31)。
なお、デジタル放送D2の同調周波数(f=f2)から行われるシーク動作により放送番組が受信できなかったと判定されたときに(S25でNO)、制御ユニット20は、前述したステップS26の処理へと移行し、ジャンピング・シークフラグがON状態にあるか否かを確認し(S26)、前述した処理を繰り返すこととなる。
そして、デジタル放送D2による放送番組の放送がなされている状態(S20)で、ユーザがさらにシーク動作を指示すると、制御ユニット20は、受信される放送番組がアナログ放送であるか否かを確認する(S21)。この場合、受信される放送番組がデジタル放送D2により放送されているので(S21でNO)、制御ユニット20は、ジャンピング・シークフラグがON状態にあるか否かを判定する(S26)。この場合、制御ユニット20は、前述したステップS23においてジャンピング・シークフラグをON状態にしているので、ジャンピング・シークフラグがON状態であると判定し(S26でYES)、当該ジャンピング・シークフラグをOFF状態にする(S27)。
そして、シーク動作を行う同調周波数を現在の同調周波数(f=f2)から、記憶部24に当該デジタル放送の同調周波数(f=f2)に対応付けられて記憶されているアナログ放送A2の同調周波数(f=f4)に所定周波数間隔Δfを加算した周波数(f=f4+Δf)に変化させる(S28)。そして、制御ユニット20は、周波数(f=f4+Δf)において放送番組を受信したか否かを判定する(S30)。この場合、図2を参照するに、デジタル放送及びアナログ放送のいずれの放送もなされていないので(S30でNO)、制御ユニット20は、所定の規則に従って、検索した周波数(f=f4+Δf)にさらに所定周波数間隔Δfを加算し(S29)、再度放送番組を受信したか否かを判定する。制御ユニット20は、このようなシーク動作を繰り返し(S29、S30)、AMチューナ11から例えば、アナログ放送A3による放送番組の受信を確認すると(S30でYES)、受信したアナログ放送A3(同調周波数f=f5)の放送番組を音声出力する(S31)。
そして、アナログ放送A3による放送番組の放送がなされている状態(S20)で、ユーザがさらにシーク動作を指示すると、制御ユニット20は、受信される放送番組がアナログ放送であるか否かを確認する(S21)。この場合、受信される放送番組がアナログ放送A3により放送されているので(S21でYES)、アナログ放送A3に対応するデジタル放送の同調周波数が記憶部24に記憶されているか否かを判定する(S22:判定手段)。この場合、記憶部24にアナログ放送A3に対応するデジタル放送の同調周波数は記憶されていないので(S22でNO)、制御ユニット20は、ジャンピング・シークフラグがON状態にあるか否かを判定する(S26)。この場合、ジャンピング・シークフラグをOFF状態であるため、ジャンピング・シークフラグがOFF状態であると判定し(S26でNO)、制御ユニット20は、所定の規則に従って、現在受信しているアナログ放送A3の同調周波数(f=f5)にさらに所定周波数間隔Δfを加算し(S29)、再度放送番組を受信したか否かを判定する。制御ユニット20は、このようなシーク動作を繰り返し(S29、S30)、AMチューナ11から例えば、デジタル放送D1による放送番組の受信を確認すると(S30でYES)、受信したデジタル放送D1(同調周波数f=f6)の放送番組を音声出力する(S31)。
そして、デジタル放送D1による放送番組の放送がなされている状態(S20)で、ユーザがさらにシーク動作を指示すると、制御ユニット20は、受信される放送番組がアナログ放送であるか否かを確認する(S21)。この場合、受信される放送番組がデジタル放送D1により放送されているので(S21でNO)、制御ユニット20は、ジャンピング・シークフラグがON状態にあるか否かを判定する(S26)。この場合、ジャンピング・シークフラグはOFF状態であるため、ジャンピング・シークフラグがOFF状態であると判定し(S26でNO)、制御ユニット20は、所定の規則に従って、現在受信しているデジタル放送D1の同調周波数(f=f6)にさらに所定周波数間隔Δfを加算し(S29)、再度放送番組を受信したか否かを判定する。制御ユニット20は、このようなシーク動作を繰り返し(S29、S30)、AMチューナ11から例えば、デジタル放送D4による放送番組の受信を確認すると(S30でYES)、受信したデジタル放送D4(同調周波数f=f7)の放送番組を音声出力する(S31)。
以後、利用者が制御ユニット20にてシーク動作についての操作を行う毎に、前述したステップS20〜S31までの処理を繰り返す。このようなシーク動作は、中波帯域の所定の上限周波数までなされ得る。
上述したようなシーク動作を行うラジオ受信装置100では、アナログ放送A1の番組の音声出力がされている状態(S21でYES)で、アナログ放送A1の番組と同一放送局であるABC放送局からの同一番組のデジタル放送D1があるか否かを、ABC放送局からの同一番組のアナログ放送の同調周波数(f=f1)とデジタル放送の同調周波数(f=f6)とが対応付けられて記憶された記憶部24のアナログ/デジタル対応テーブル基づいて判定し(S22)、アナログ放送A1の番組を放送する放送局と同一放送局であるABC放送局からの同一番組のデジタル放送D1があると判定されたときに(S22でYES)、アナログ放送A1の番組の同調周波数(f=f1)から開始されるシーク動作において同調周波数(f=f1)を所定の規則に係らずデジタル放送D1の番組の同調周波数(f=f6)に変化させる(S28)ので、本来ならば少なくとも5回以上のシーク動作を行わなければ受信することのできないデジタル放送D1を1度の操作にて受信することができるようになる。従って、受信されているアナログ放送A1の番組と同一番組をより迅速にデジタル放送D1にて受信することが可能となり、利用者にとってより好ましいシーク動作が可能となる。
また、上述したようなシーク動作を行うラジオ受信装置100では、シーク動作により受信されたデジタル放送D1の番組の音声出力がなされている状態(S21でNO)で開始されるシーク動作において、デジタル放送D1の同調周波数(f=f6)をアナログ放送A1の同調周波数(f=f1)以降の周波数(f=f1+Δf)に変化させる(S26でNO、S27、S28)ことから、アナログ放送A1の同調周波数(f=f1)をデジタル放送D1の同調周波数(f=f6)に変化させた後に、シーク動作がなされる場合であっても、同調周波数を変化させる前のアナログ放送A1の同調周波数(f=f1)以降の周波数(f=f1+Δf)を起点に所定の規則に従って順次放送局をシークする(S29、S30)ので、アナログ放送A1の同調周波数(f=f1)とデジタル放送D1の同調周波数(f=f6)との間の同調周波数のいずれかにおいて放送される放送番組及び当該番組を放送する放送局をシークすることができなくなってしまうことを防ぐことができる。従って、必ずしもアナログ放送受信後にデジタル放送受信を希望するわけではないが、他の放送を探す際に再度シーク動作を行う際に通常のシーク動作ができるので、利用者にとってより好ましいシーク動作が可能となる。
さらに、上述したようなシーク動作を行うラジオ受信装置100では、アナログ放送A1の番組から当該アナログ放送A1と同一のABC放送局からのデジタル放送D1の同一番組へのシーク動作があったことを表わすジャンピング・シークフラグがON状態のときに(S26でYES)、受信されたデジタル放送D1の音声出力がなされている状態で開始されるシーク動作において、所定の規則に従って同調周波数(f=f6)をアナログ放送A1の同調周波数(f=f1)以降の周波数(f=f1+Δf)に変化させるので(S28)ジャンピング・シークフラグがON状態にある(ジャンプシーク情報が記憶されている)ときにのみ、アナログ放送A1の同調周波数(f=f1)とデジタル放送D1の同調周波数(f=f6)との間の同調周波数のいずれかにおいて放送される放送番組及び当該番組を放送する放送局をシークすることができなくなってしまうことを防ぐことができる。従って、ジャンピング・シークフラグがON状態のときにのみ、他の放送を探す際に再度シーク動作を行う際に通常のシーク動作ができるので、利用者にとってより好ましいシーク動作が可能となる。
なお、ステップS28における処理では、シーク動作を行う同調周波数を現在の同調周波数(f=f6)から、記憶部24に当該デジタル放送D1の同調周波数(f=f6)に対応付けられて記憶されているアナログ放送A1の同調周波数(f=f1)に所定周波数間隔Δfを加算した周波数(f=f1+Δf)に変化させるようにしたが、例えば、ステップS23においてアナログ放送A1の同調周波数(f=f1)をデジタル放送D1の番組の同調周波数(f=f6)に変化させられたデジタル放送D1の番組の同調周波数(f=f6)をスキップしてシーク動作を行わせるようにしてもよい。これにより、一度シークされたデジタル放送の同調周波数を検索することなく、他の放送局を検索することができるので、この場合においても利用者にとってより好ましいシーク動作が可能となる。
前述したラジオ受信装置100でのシーク動作は、同調周波数を順次上昇させていくものであったが、順次下降させていくものであっても勿論よい。例えば、アナログ放送A2による放送番組の放送がなされている状態(S20)で、ユーザがさらにシーク動作を指示すると、制御ユニット20は、アナログ放送A2に対応するデジタル放送の同調周波数が記憶部24に記憶されているか否かを判定する(S21でYES、S22)。これによって、記憶部24にDEF放送局によるアナログ放送A2の同調周波数(f=f4)に対応付けられた同一の番組を放送するデジタル放送D2の同調周波数(f=f2)が記憶されていると判定されると(S22でYES)、制御ユニット20は、ジャンピング・シークフラグをON状態にして(S23)、シーク動作を記憶部24に記憶されたデジタル放送D2の同調周波数(f=f2)から行うように変更し(S24)受信したデジタル放送D2の放送番組を音声出力する(S25でYES、S31)。このように同調周波数を順次下降させていく場合であっても、前述したような処理がなされる。
前記シーク動作では、同調周波数を、同一の放送局からの同一の番組についてのアナログ放送とデジタル放送との周波数間隔Δfずつ順次ステップ的に変化させるものであったが、同調周波数を変化させるその周波数間隔は、放送局からなされる放送の最小の周波数間隔以下であれば特に限定されない。
表示ユニット22に表示される放送情報は、放送局名及び番組名だけに限られず、放送番組についての事項であれば、例えば、その放送内容の説明、放送時間帯等、他の事項を含めるものであっても、当該他の事項だけであってもよい。