JP6038091B2 - 金属リングの窒化処理治具 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機等に用いられる無端状金属ベルトの材料となる金属リングを窒化処理等する際に金属リングを保持する、金属リングの窒化処理治具に関する。
自動車等の変速装置として用いられる無段変速機(CVT)のベルトは、複数の金属リングをそれらの厚み方向に積層して組み立てた積層リングにより構成されている。
金属リングは、マルエージング鋼あるいはステンレス鋼等の鋼材料の薄板の端部同士を溶接して形成された円筒状のドラムを所定幅に裁断して得られた無端帯状のリングを、所定の厚さに圧延し、さらに所定の周長とする周長補正を行うことにより得られたものである。そして、周長補正された金属リングに、時効処理及び窒化処理を施して、硬度、耐摩耗性を向上させた後、少しずつ周長の異なる複数の金属リングを相互に積層することにより、積層リングが構成される。
窒化処理としては、金属リングを所定濃度のNガス又はアンモニアを含む雰囲気内に所定時間保持することにより行われる、ガス窒化法、ガス軟窒化法等が知られている。ガス窒化法またはガス軟窒化法では、金属リングが均一に窒化されるために、金属リング全体が雰囲気に曝露されることが好ましい。
そこで、金属リングをガス窒化法またはガス軟窒化法により窒化処理する際に金属リングを保持する治具として、網状部材が知られている(特許文献1、2参照)。
特開2002−161314号公報 特開2004−257462号公報
しかしながら上記公報に開示されている治具においては、一枚ごとに金属リングを懸架する必要があり、量産時に大量に処理を行う場合には適さなかった。このため、より作業性のよい治具が求められていた。
本発明は、複数の金属リングを容易に懸架可能であり、複数の金属リングを懸架した状態で、ガス窒化処理等を行うことができ、且つ、ガス窒化処理等が十分に行われないことによりムラが発生することを抑制可能な、金属リングの窒化処理治具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、鋼材料により構成されCVT用ベルトを構成する金属リング(例えば、後述の金属リング2)のガス窒化処理又はガス軟窒化処理に用いられる窒化処理治具であって、前記金属リングが懸架されるニッケル製又はニッケル合金製の網状の懸架部材(例えば、後述の懸架部材20)を備え、前記懸架部材は、一方向において、複数の前記金属リングを懸架できる寸法を有し、前記懸架部材の最上部分(例えば、後述の最上部分21)が前記金属リングの内周面(例えば、後述の内周面201)に当接して前記金属リングは前記懸架部材に懸架されることを特徴とする金属リングの窒化処理治具を提供する。
本発明によれば、懸架部材は網状を有している。このため、CVT用ベルトを構成する金属リングを懸架する部分、即ち、金属リングの内周面と、懸架部材の最上部分とが、点接触となる。更に、懸架部材は、懸架部材の最上部分が金属リングの内周面に当接して金属リングは懸架部材に懸架される。これにより、金属リングを懸架する部分、即ち、金属リングの内周面と、懸架部材の最上部分とが、より面積の小さな点接触となり、且つ金属リングに接触していない懸架部材の部分は、金属リングからより遠くに位置する。このため、処理ガスの流動を阻害することなく、ムラ無く処理することが可能になる。
また、懸架部材は、一方向において、複数の金属リングを懸架できる寸法を有する。このため、複数の金属リングを懸架部材に同時に懸架することができ、作業性を向上させることができる。
また、前記懸架部材(例えば、後述の懸架部材20)は、前記一方向に直交する方向において、前記金属リング(例えば、後述の金属リング2)の内周面の曲率半径よりも小さい曲率半径を有して、円弧状に湾曲していることが好ましい。
一方向に直交する方向において、金属リングの内周面の曲率半径よりも小さい曲率半径を有して、円弧状に湾曲していることで、懸架部材の形状を維持しやすい構成とすることができる。
また、前記懸架部材(例えば、後述の懸架部材20)の形状を保持するための剛性部材(例えば、後述の剛性部材51)を備え、前記剛性部材は、前記金属リング(例えば、後述の金属リング2)を懸架している前記懸架部材の位置から離間した位置において、前記懸架部材を支持していることが好ましい。
この発明によれば、金属リングの窒化処理治具は、懸架部材の形状を保持するための剛性部材を備えている。剛性部材は、金属リングを懸架している懸架部材の位置から離間した位置において、懸架部材を支持している。これにより、金属リングを懸架している懸架部材の位置である、懸架部材に当接する金属リングの当接位置から、剛性部材を離間させることができる。このため、剛性部材によるガスの流動の阻害を抑制することができ、この結果、ガス窒化処理等の際のムラの発生を抑えることができる。
また、前記懸架部材(例えば、後述の懸架部材20)に懸架された複数の前記金属リング(例えば、後述の金属リング2)において隣接する前記金属リング間にそれぞれ配置され、前記隣接する前記金属リング同士の接触を防止する、複数の仕切り部材(例えば、後述の仕切り部材31、32)を備え、隣接する前記仕切り部材間の最短距離は、前記金属リングの幅よりも長いことが好ましい。
この発明によれば、懸架部材に懸架された隣接する金属リング同士の接触を防止する仕切り部材を備えることで、懸架部材と仕切り部材とで、隣り合うリング同士が接触しないようにした上で、枠部材を積層あるいは整列させて、同時に多数の金属リングに対して同時に窒化処理を行うことができる。このため、窒化処理炉内の空間を有効に活用することができる。
本発明によれば、複数の金属リングを容易に懸架可能であり、複数の金属リングを懸架した状態で、ガス窒化処理等を行うことができ、且つ、ガス窒化処理等が十分に行われずムラが発生することを抑制可能な、金属リングの窒化処理治具を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る金属リングの窒化処理治具1を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る金属リングの窒化処理治具1の懸架部材20を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る金属リングの窒化処理治具1に金属リング2が懸架されている様子を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る金属リングの窒化処理治具1の懸架部材20に金属リング2が懸架されている様子を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る金属リングの窒化処理治具の懸架部材20に金属リング2が懸架されている様子を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る金属リングの窒化処理治具の懸架部材20の最上部分21の近傍に剛性部材51が配置されている比較例を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る金属リングの窒化処理治具の懸架部材20Aにおいて、剛性部材51が取り除かれ、懸架部材20Aが、金属リング2の内周面201の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する構成とされた比較例を示す概略図である。 本発明の第3実施形態に係る金属リングの窒化処理治具の懸架部材20Bに金属リング2が懸架されている様子を示す概略図である。
本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る金属リングの窒化処理治具1を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る金属リングの窒化処理治具1の懸架部材20を示す平面図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る金属リングの窒化処理治具1に金属リング2が懸架されている様子を示す斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る金属リングの窒化処理治具1の懸架部材20に金属リング2が懸架されている様子を示す概略図である。
本実施形態の金属リングの窒化処理治具1は、例えば、次のようにして製造されたCVT用ベルトを構成する金属リング2を、ガス窒化処理又はガス軟窒化処理する際に用いられる。
金属リング2を製造するときには、まず、マルエージング鋼あるいはステンレス鋼等の鋼材料の薄板の端部同士を溶接して円筒状のドラムを形成し、ドラムに対して溶接時の熱により部分的に硬くなった硬度を均質化するために第1の溶体化を行う。次に、溶体化後のドラムを所定幅に裁断して無端帯状の金属リング2を形成し、金属リング2を所定の厚さに圧延する。次に、圧延された金属リング2に対し、圧延組織を再結晶させ圧延により変形された金属組織の形状を復元するために第2の溶体化を行った後、金属リング2を所定の周長とする周長補正を行うことにより、時効処理及び窒化処理の対象となる金属リング2が製造される。
図1等に示すように、金属リングの窒化処理治具1は、それぞれニッケル製又はニッケル合金製の枠部材10と、懸架部材20と、仕切り部材31、32と、を備えている。枠部材10は、6本の垂直柱部101、102、103、104、105、106と、8本の水平柱部111、112、113、114、115、116、117、118と、6本の中間水平柱部121、122、125、126、127、128と、を有しており、全体として、略直方体形状を有している。垂直柱部101〜106は、それぞれ円柱形状を有している。垂直柱部101〜104は、垂直柱部101〜104の長手方向が垂直方向に一致する位置関係で、枠部材10の四隅に位置している。また、垂直柱部105、106は、垂直柱部105、106の長手方向が垂直方向に一致する位置関係で、それぞれ垂直柱部101、104の中間位置、垂直柱部102、103の中間位置に配置されている。
水平柱部111〜118は、それぞれ円柱形状を有している。水平柱部111の両端部は、垂直柱部101の上端部と垂直柱部104の上端部とにそれぞれ接続されている。水平柱部111の中央部は、垂直柱部105の上端部に接続されている。水平柱部112の両端部は、垂直柱部102の上端部と垂直柱部103の上端部とにそれぞれ接続されている。水平柱部112の中央部は、垂直柱部106の上端部に接続されている。水平柱部113の両端部は、垂直柱部101の上端部と垂直柱部102の上端部とにそれぞれ接続されている。水平柱部114の両端部は、垂直柱部103の上端部と垂直柱部104の上端部とにそれぞれ接続されている。水平柱部113、114には、係止爪係止部131、132がそれぞれ設けられている。係止爪係止部131、132は、水平柱部113、114の長手方向における中央部分に設けられている。
また、水平柱部115の両端部は、垂直柱部101の下端部と垂直柱部104の下端部とにそれぞれ接続されている。水平柱部115の中央部は、垂直柱部105の下端部に接続されている。水平柱部116の両端部は、垂直柱部102の下端部と垂直柱部103の下端部とにそれぞれ接続されている。水平柱部116の中央部は、垂直柱部106の下端部に接続されている。水平柱部117の両端部は、垂直柱部101の下端部と垂直柱部102の下端部とにそれぞれ接続されている。水平柱部118の両端部は、垂直柱部103の下端部と垂直柱部104の下端部とにそれぞれ接続されている。
中間水平柱部121、122、125、126、127、128は、それぞれ円柱形状を有している。中間水平柱部121の両端部は、垂直柱部101の上端部近傍の部分と垂直柱部104の上端部近傍の部分とにそれぞれ接続されている。中間水平柱部121の中央部は、垂直柱部105の上端部近傍の部分に接続されている。中間水平柱部122の両端部は、垂直柱部102の上端部近傍の部分と垂直柱部103の上端部近傍の部分とにそれぞれ接続されている。中間水平柱部122の中央部は、垂直柱部106の上端部近傍の部分に接続されている。
また、中間水平柱部125の両端部は、垂直柱部101の下端部近傍の部分と垂直柱部104の下端部近傍の部分とにそれぞれ接続されている。中間水平柱部125の中央部は、垂直柱部105の下端部近傍の部分に接続されている。中間水平柱部126の両端部は、垂直柱部102の下端部近傍の部分と垂直柱部103の下端部近傍の部分とにそれぞれ接続されている。中間水平柱部126の中央部は、垂直柱部106の下端部近傍の部分に接続されている。中間水平柱部127の両端部は、垂直柱部101の下端部近傍の部分と垂直柱部102の下端部近傍の部分とにそれぞれ接続されている。中間水平柱部128の両端部は、垂直柱部103の下端部近傍の部分と垂直柱部104の下端部近傍の部分とにそれぞれ接続されている。
図2に示すように、懸架部材20は、平面視で略長方形状を有する網状の部材により構成されている。懸架部材20において網の目は、懸架部材20の長手方向及び幅方向に平行な辺を有する略正方形状を有している。懸架部材20は、懸架部材20の一方向としての長手方向において、30本以上の金属リング2を懸架できる寸法を有している。即ち、略長方形状を有する懸架部材20は、懸架部材20の長手方向において、金属リング2の幅の30倍以上の長さLを有する長辺を有している。
また、懸架部材20は、一方向としての長手方向に直交する方向において、金属リング2の内周面201の曲率半径よりも小さい曲率半径を有して、円弧状に湾曲している。具体的には、図4に示すように、長手方向に対する幅方向(図4における左右方向)において、中央部分(最上部分21)が最も上方に突出するように、円弧状に湾曲してドーム状をなしている。懸架部材20は、懸架部材20の長手方向における一端側から、金属リング2の内周面201により形成される金属リング2の中央の空間202に挿入されている。懸架部材20の最上部分21の上側の部分に、金属リング2の内周面201が当接することにより、金属リング2は懸架部材20に懸架されている。懸架部材20は、懸架部材20の一方向としての長手方向においては、当該長手方向に平行に延びている。従って、30本以上の金属リング2は、懸架部材20の一方向としての長手方向に金属リング2の軸心が平行となる位置関係で、且つ、全ての金属リング2が同軸的な位置関係を有するように、懸架部材20に懸架される。
図2に示すように、懸架部材20の長手方向における一端部及び他端部には、係止爪23、24が設けられている。係止爪23、24は、懸架部材20の幅方向(図2における上下方向)における中央部分にそれぞれ設けられており、水平柱部113、114の係止爪係止部131、132に係止可能である。係止爪23、24が係止爪係止部131、132にそれぞれ係止されることにより、懸架部材20は、懸架部材20の幅方向(図4における左右方向)の中央部分(最上部分21)が最も上方に突出するような位置関係で、枠部材10に固定され支持される。
仕切り部材31、32は、複数設けられており、懸架部材20に懸架された複数の金属リング2において、隣接する金属リング2の間にそれぞれ配置され、隣接する金属リング2同士の接触を防止するように構成されている。
具体的には、仕切り部材31、32は、懸架部材20に懸架可能な金属リング2の本数よりも1本多い本数の、ニッケル製又はニッケル合金製の細線により、それぞれ構成されている。この本数により、仕切り部材31は、各金属リング2をそれぞれ挟むように位置することができ、また、同様に、仕切り部材32は、各金属リング2をそれぞれ挟むように位置することができる。仕切り部材31は、中間水平柱部121と中間水平柱部122とを架け渡すように、仕切り部材31の一端部は中間水平柱部121に固定され、仕切り部材31の他端部は中間水平柱部122に固定されている。同様に、仕切り部材32は、中間水平柱部125と中間水平柱部126とを架け渡すように、仕切り部材32の一端部は中間水平柱部125に固定され、仕切り部材32の他端部は中間水平柱部125に固定されている。
隣接する仕切り部材31の間の最短距離、隣接する仕切り部材32の間の最短距離は、それぞれ金属リング2の幅よりも長い。具体的には、仕切り部材31、32は、全て平行の位置関係を有しているが、隣接する仕切り部材31の間の最短距離は、すべて同一の所定の長さを有している。同様に、隣接する仕切り部材32の間の最短距離は、すべて同一の所定の長さを有している。この所定の長さは、金属リング2の幅よりも長い。例えば、所定の長さとは10mmであり、金属リング2の幅は、9mmである。
金属リングの窒化処理治具1を用いて、ガス窒化処理を行う前に行う、金属リングの窒化処理治具1への金属リング2のセットについては、以下のとおりである。
先ず、懸架部材20の係止爪23、24の水平柱部の係止爪係止部131、132への係止を解除し、枠部材10から懸架部材20を取り外す。次に、懸架部材20の長手方向における一端側から、懸架部材20を金属リング2の内周面201により形成される金属リング2の中央の空間202に挿入してゆき、図4に示すように、懸架部材20の最上部分21の上側の部分に、金属リング2の内周面201を当接させる。このようにして、30本以上の金属リング2の内周面201を、懸架部材20の最上部分21の上側の部分にそれぞれ当接させることにより、30本以上の金属リング2は、懸架部材20に懸架される。
次に、水平柱部111、112、113、114によって取り囲まれた空間の上方(枠部材10の上方)から、懸架部材20に懸架された30本以上の金属リング2及び懸架部材20を下方へ移動させてゆき、30本以上の金属リング2の下端部を、水平柱部111、112、113、114によって取り囲まれた空間に挿入してゆく。そして、隣接する仕切り部材31と仕切り部材31との間に金属リング2を1本ずつ挿入する。更に、懸架部材20に懸架された30本以上の金属リング2及び懸架部材20を下方へ移動させてゆき、隣接する仕切り部材32と仕切り部材32との間に金属リング2を1本ずつ挿入する。
更に、懸架部材20に懸架された30本以上の金属リング2及び懸架部材20を下方へ移動させてゆき、懸架部材20の係止爪23、24を水平柱部の係止爪係止部131、132にそれぞれ係止させる。これにより、図3に示すように、枠部材10に懸架部材20が支持され、金属リング2が懸架部材20に懸架された状態とされる。そして、図3に示すように、金属リング2の軸心方向視で、仕切り部材32の長手方向における中央部分の上側に、金属リング2の軸心方向に延びる、ニッケル製又はニッケル合金製の棒41が固定されて、金属リング2の下端が、仕切り部材32よりも上方へ抜けることが防止される。このように金属リング2は、枠部材10に固定された懸架部材20に懸架された状態で、ガス窒化処理や、ガス軟窒化処理が行われる。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、金属リングの窒化処理治具1は、鋼材料により構成されCVT用ベルトを構成する金属リング2のガス窒化処理又はガス軟窒化処理に用いられる。金属リングの窒化処理治具1は、金属リング2が懸架されるニッケル製又はニッケル合金製の網状の懸架部材20を備える。懸架部材20は、一方向において、金属リング2を複数懸架できる寸法を有し、懸架部材20の最上部分21が金属リング2の内周面201に当接して金属リング2は懸架部材20に懸架される。
これにより、懸架部材20は網状を有している。このため、金属リング2を懸架する部分、即ち、金属リング2の内周面201と、懸架部材20の最上部分21とが、点接触となる。更に、懸架部材20は、懸架部材20の最上部分21が金属リング2の内周面201に当接して金属リング2は懸架部材20に懸架される。CVT用ベルトを構成する金属リング2はクラウニングされており、金属リング2の周方向に直交する方向における金属リング2の内周面201の断面は、円弧形状を有している。このため、金属リング2の内周面201と、懸架部材20の最上部分21とが、より面積の小さな点接触となり、且つ金属リング2に接触していない懸架部材20の部分は、金属リング2からより遠くに位置する。このため、処理ガスの流動を阻害することなく、特に、図4において二点鎖線で囲んだ金属リング2の部分におけるムラの発生を抑えた、ガス窒化処理等をすることが可能になる。
また、懸架部材20は、一方向において、複数の金属リング2を懸架できる寸法を有する。このため、複数の金属リング2を懸架部材20に同時に懸架することができ、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態では、一方向に直交する方向において、金属リング2の内周面201の曲率半径よりも小さい曲率半径を有して、円弧状に湾曲している。これにより、懸架部材20の形状を維持しやすい構成とすることができる。
また、本実施形態では、金属リングの窒化処理治具1は、懸架部材20に懸架された隣接する金属リング2同士の接触を防止する仕切り部材31、32を備える。隣接する仕切り部材31、32間の最短距離は、金属リング2の幅よりも長い。
これにより、懸架部材20に懸架された隣接する金属リング2同士の接触を防止する仕切り部材31、32を備えることで、懸架部材20と仕切り部材31、32とで、隣り合うリング同士が接触しないようにした上で、枠部材10を積層あるいは整列させて、同時に多数の金属リング2に対して同時に窒化処理を行うことができる。このため、窒化処理炉内の空間を有効に活用することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。
以下では、上記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。本実施形態に係る金属リングの窒化処理治具は、懸架部材20の形状を保持するための剛性部材51を備えている点で、第1実施形態とは異なる。図5は、本発明の第2実施形態に係る金属リングの窒化処理治具の懸架部材20に金属リング2が懸架されている様子を示す概略図である。
図5に示すように、金属リングの窒化処理治具は、懸架部材20の形状を保持するための剛性部材51を備えている。剛性部材51は、懸架部材20の網の目よりも細い円柱状の支柱により構成されている。剛性部材51の長手方向における長さは、懸架部材20の長手方向における長さと略同一である。
剛性部材51は、金属リング2を懸架している懸架部材20の位置から離間した位置において、懸架部材20を支持している。具体的には、剛性部材51の軸心は、金属リング2の軸心に平行の位置関係を有している。図5に示すように、剛性部材51は、最も上方に位置する懸架部材20の中央部(最上部分21)と、最も下方に位置する懸架部材20の両端部26との間の位置にそれぞれ1本ずつ配置されて、懸架部材20に固定20されている。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、金属リングの窒化処理治具は、懸架部材20の形状を保持するための剛性部材51を備えている。剛性部材51は、金属リング2を懸架している懸架部材20の最上部分21から離間した位置において、懸架部材20を支持している。
これにより、金属リング2を懸架している懸架部材20の位置である、懸架部材20に当接する金属リング2の当接位置及び最上部分21から、剛性部材51を離間して配置したので、懸架部材20の剛性を高め、且つ、剛性部材51によるガスの流動の阻害を抑制することができ、この結果、ガス窒化処理等の際のムラの発生を抑えることができる。
例えば、図6に示すように、金属リング2を懸架している懸架部材20の最上部分21の近傍に、剛性部材51が配置されている場合には、最上部分21に位置している金属リング2の部分において、ガス窒化処理等の際のムラの発生が起こりやすい。図6は、本発明の第2実施形態に係る金属リングの窒化処理治具の懸架部材20の最上部分21の近傍に剛性部材51が配置されている比較例を示す概略図である。
これに対して本実施形態では、前述のように、金属リング2を懸架している懸架部材20の位置である、懸架部材20に当接する金属リング2の当接位置及び最上部分21から、剛性部材51を離間して配置しているため、ガス窒化処理等の際のムラの発生を抑えることができる。
また、図7に示すように、懸架部材20Aが、一方向としての長手方向に直交する方向において、金属リング2の内周面201の曲率半径よりも大きい曲率半径を有して、円弧状に湾曲している場合には、2箇所の当接部分22A、22Aにおいて懸架部材20Aは金属リング2の内周面201に当接する。図7は、本発明の第2実施形態に係る金属リングの窒化処理治具の懸架部材20Aにおいて、剛性部材51が取り除かれ、懸架部材20Aが、金属リング2の内周面201の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する構成とされた比較例を示す概略図である。
しかし、この場合には、2箇所の当接部分22A、22A近傍に位置している金属リング2の部分において、ガス窒化処理等の際のムラの発生が起こりやすい。これに対して本実施形態では、前述のように、懸架部材20が、一方向としての長手方向に直交する方向において、金属リング2の内周面201の曲率半径よりも小さい曲率半径を有して、円弧状に湾曲しているため、このような、ガス窒化処理等の際のムラの発生を抑えることができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。
以下では、上記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。本実施形態に係る金属リングの窒化処理治具では、懸架部材20Bの形状が第1実施形態における懸架部材20の形状とは異なる。図8は、本発明の第3実施形態に係る金属リングの窒化処理治具の懸架部材20Bに金属リング2が懸架されている様子を示す概略図である。
図8に示すように、懸架部材20Bは、一方向としての長手方向に直交する方向において、上方へ向かう凸形状を有しており、具体的には、「く」の字形状を有している。「く」の字形状の中央部分は、懸架部材20Bの最上部分21Bを構成する。従って、懸架部材20Bの最上部分21Bが金属リング2の内周面201に当接して金属リング2は懸架部材20Bに懸架される。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、枠部材、懸架部材、仕切り部材等の構成や各部の寸法については、本実施形態における枠部材10、懸架部材20、仕切り部材31、32等の構成や各部の寸法に限定されない。例えば、第2実施形態では、剛性部材51として円柱状の支柱が用いられたが、これに限定されない。例えば、剛性部材として、ニッケル製又はニッケル合金製の網状の懸架部材20を構成するニッケル線又はニッケル合金線が用いられてもよい。また、金属リングの窒化処理治具1は、それぞれニッケル製又はニッケル合金製の枠部材10と、懸架部材20と、仕切り部材31、32と、を備えていたが、ニッケル製又はニッケル合金製に限定されない。例えば、ニッケルメッキが施されていてもよい。
1 金属リングの窒化処理治具
2 金属リング
10 枠部材
20、20A、20B 懸架部材
21、21B 最上部分
31、32 仕切り部材
51 剛性部材

Claims (3)

  1. 鋼材料により構成されCVT用ベルトを構成する金属リングのガス窒化処理又はガス軟窒化処理に用いられる窒化処理治具であって、
    前記金属リングが懸架されるニッケル製又はニッケル合金製の網状の懸架部材を備え、
    前記懸架部材は、一方向において、複数の前記金属リングを懸架できる寸法を有し、前記懸架部材の最上部分が前記金属リングの内周面に当接して前記金属リングは前記懸架部材に懸架され
    前記懸架部材の形状を保持するための剛性部材を備え、
    前記剛性部材は、前記金属リングを懸架している前記懸架部材の最上部分から離間した位置において、前記懸架部材を支持していることを特徴とする金属リングの窒化処理治具。
  2. 前記懸架部材は、前記一方向に直交する方向において、前記金属リングの内周面の曲率半径よりも小さい曲率半径を有して、円弧状に湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の金属リングの窒化処理治具。
  3. 前記懸架部材に懸架された複数の前記金属リングにおいて隣接する前記金属リング間にそれぞれ配置され、前記隣接する前記金属リング同士の接触を防止する、複数の仕切り部材を備え、
    隣接する前記仕切り部材間の最短距離は、前記金属リングの幅よりも長いことを特徴とする請求項1又は請求項に記載の金属リングの窒化処理治具。
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