JP6036117B2 - 封止材シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法に関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。太陽電池を構成する太陽電池モジュールには、太陽電池素子が含まれ、この太陽電池素子が太陽光等の光エネルギーを電気エネルギーに変換する役割を担う。
太陽電池素子は、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製することが多い。このため、太陽電池素子は、物理的衝撃に弱く、また屋外に太陽電池モジュールを取り付けた場合に雨等からこれを保護する必要がある。また、太陽電池素子1枚では発生する電気出力が小さいため、複数の太陽電池素子を直並列に接続して、実用的な電気出力が取り出せるようにする必要がある。このため、複数の太陽電池素子を接続し、透明基板及び封止材シートで封入して太陽電池モジュールを作製することが通常行なわれている。一般に、太陽電池モジュールは、透明前面基板、封止材シート、太陽電池素子、封止材シート及び裏面保護シート等を順次積層し、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等により製造される。
太陽電池モジュールに使用される封止材シートとしては、その加工性、施工性、製造コスト、その他等の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)が最も一般的なものとして使用されている。しかしながら、EVA樹脂は、長期間の使用に伴って徐々に分解する傾向があり、太陽電池モジュールの内部で劣化して強度が低下したり、太陽電池素子に影響を与える酢酸ガスを発生させたりする可能性がある。このため、EVA樹脂の代わりに、ポリエチレン等のポリオレフィン系の樹脂を使用した太陽電池モジュール用封止材シートが提案されている。
例えば、特許文献1には、組成物中での所定量の架橋剤の存在によって成膜後の封止材シートのMFRが原料ポリエチレンに比べて低く、これによって、透明でありながら耐熱性に優れる封止材シートが開示されている。
WO2011/152314国際公開パンフレット
しかしながら、透明性の改善は、太陽電池モジュールの発電効率に直接影響することから、ポリエチレン系樹脂の封止材シートに耐熱性を付与しつつ、更なる透明性の改善が所望されていた。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、ポリエチレン系の樹脂を使用しながら、太陽電池モジュール用の封止材シートに適する耐熱性を備えつつ、更なる透明性及び熱流動性(凹凸追従性)の向上を可能とする封止材シート及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、ポリエチレン系樹脂の透明性低下の原因は、そもそもポリエチレン系樹脂が結晶性樹脂であり、この結晶化が透明性低下の由来である点に着目し、MFRが異なる2種類のポリエチレン系樹脂を併用することで、結晶性を低下させ、透明性と熱流動性を大幅に向上させることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 下記のポリエチレン系樹脂(A)とポリエチレン系樹脂(B)とを質量比で5:95〜50:50の割合で含有し、更に、組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満の架橋剤を含有する樹脂組成物を溶融成形する、太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法。
ポリエチレン系樹脂(A):密度0.900g/cm以下で、JIS K7210に準拠して測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが0.1g/10min以上1.0g/10min未満。
ポリエチレン系樹脂(B):密度0.900g/cm以下で、JIS K7210に準拠して測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが1g/10min以上40g/10min未満。
(2) 前記ポリエチレン系樹脂(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量が12万以上30万以下であり、
前記ポリエチレン系樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量が5万以上10万以下である、(1)記載の封止材シートの製造方法。
(3) 前記ポリエチレン系樹脂(A)は、密度0.900g/cm以下の原料ポリエチレン系樹脂と、組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満含有する原料架橋剤と、を含む樹脂組成物を溶融成形して得られたものである、(1)又は(2)に記載の封止材シートの製造方法。
(4) 前記原料ポリエチレン系樹脂と前記ポリエチレン系樹脂(B)とが同一樹脂であり、
前記原料架橋剤と前記架橋剤とが同一架橋剤である、(3)に記載の封止材シートの製造方法。
本発明によれば、ポリエチレン系の樹脂を使用しながら、透明性と熱流動性(凹凸追従性)を大幅に向上させることが可能となる太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法を提供することができる。
本発明の太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面図である。
<封止材シート組成物>
本発明の太陽電池モジュール用の封止材シートを製造するための封止材シート組成物は、組成物中に、ポリエチレン系樹脂(A)と、ポリエチレン系樹脂(B)と、架橋剤と、所定の割合で含有する。
[ポリエチレン系樹脂(B)]
ベース樹脂となるポリエチレン系樹脂(B)は、好ましくは密度が0.900g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)か、より好ましくは密度が0.900g/cm以下の直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる。直鎖低密度ポリエチレンはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、本発明においては、その密度が0.900g/cm以下、好ましくは0.870〜0.890g/cmの範囲である。この範囲であれば、シート加工性を維持しつつ良好な透明性と耐熱性を付与することができる。
本発明においてはメタロセン系直鎖低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが可能である。また、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しないばかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、シート状に加工した際の透明性に優れる。したがって、本発明の封止材シート組成物からなる太陽電池モジュール用封止材シートが透明前面基板と太陽電池素子との間に配置されても発電効率はほとんど低下しない。
直鎖低密度ポリエチレンのα−オレフィンとしては、好ましくは分枝を有しないα−オレフィンが好ましく使用され、これらの中でも、炭素数が6〜8のα−オレフィンである1−ヘキセン、1−ヘプテン又は1−オクテンが特に好ましく使用される。α−オレフィンの炭素数が6以上8以下であることにより、太陽電池モジュール用封止材シートに良好な柔軟性を付与することができるとともに良好な強度を付与することができる。その結果、太陽電池モジュール用封止材シートと基材との密着性が高まり、太陽電池モジュール用封止材シートと基材との間への水分の浸入を抑えることができる。
ポリエチレン系樹脂(B)のメルトマスフローレート(MFR)は、190℃、荷重2.16kg、において1.0g/10分以上40g/10分以下であり、好ましくは、2g/10分以上40g/10分以下である。MFRが上記の範囲であることにより、製膜時の加工適性に優れる。そして、このMFR範囲は後述するポリエチレン系樹脂(A)に比べて高い範囲であり高流動である。
本明細書中におけるMFRとは、特に断りのない限り、以下の方法により得られた値である。
MFR(g/10min):JIS K7210に準拠して測定。具体的には、ヒーターで加熱された円筒容器内で合成樹脂を、190℃で加熱・加圧し、容器底部に設けられた開口部(ノズル)から10分間あたりに押出された樹脂量を測定した。試験機械は押出し形プラストメータを用い、押出し荷重については2.16kgとした。
ポリエチレン系樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は5万以上10万以下であることが好ましい。そして、この分子量範囲は後述するポリエチレン系樹脂(A)に比べて低い範囲であり高流動である。
[ポリエチレン系樹脂(A)]
ポリエチレン系樹脂(A)は、密度0.900g/cm以下で、JIS K7210に準拠して測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが0.1g/10min以上1.0g/10min未満であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が12万以上30万以下である。すなわち、密度はポリエチレン系樹脂(B)と同程度であるが、MFRはポリエチレン系樹脂(B)より低く、重量平均分子量はポリエチレン系樹脂(B)より高い。このようなポリエチレン系樹脂(A)を組成物中に含有させることで、透明性と熱流動性を改善できる。この理由は定かでないが、重量平均分子量が低いポリエチレン樹脂(B)に対して高いポリエチレン樹脂(A)を混合することにより、重量平均分子量の高いポリエチレン(A)を混合しないで成膜を行う場合よりも架橋反応の進行が遅れ、重量平均分子量の低いシートが形成される。これによって、重量平均分子量が僅かに低くなることで耐熱性が失われない程度に流動性が向上すると共に、添加してある重量平均分子量の高いポリエチレン(A)がシート冷却時に結晶成長を阻害する核剤のように働きHAZEが低下すると推定される。
ポリエチレン系樹脂(A)は、密度0.900g/cm以下の原料ポリエチレン系樹脂と、組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満含有する原料架橋剤と、を含む樹脂組成物を溶融成形して得ることができ、ここでいう前記原料ポリエチレン系樹脂は特に限定されず前記ポリエチレン系樹脂(B)で説明した範囲内のものを使用できるが、なかでも前記ポリエチレン系樹脂(B)と同一樹脂であることが好ましい。また、原料架橋剤も特に限定されないが、後述する前記架橋剤と同一架橋剤であることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂(A)のメルトマスフローレート(MFR)は、190℃、荷重2.16kg、において0.1g/10分以上1.0g/10分未満である。また、ポリエチレン系樹脂(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は12万以上30万以下であることが好ましい。このようにポリエチレン系樹脂(B)に比べて低いMFR、高い分子量とすることで、上記透明性及び熱流動性の改善効果が得られる。
本発明における、原料ポリエチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂(A)、ポリエチレン系樹脂(B)、には、エチレンを重合して得られる通常のポリエチレンのみならず、α−オレフィン等のようなエチレン性の不飽和結合を有する化合物を重合して得られた樹脂、エチレン性不飽和結合を有する複数の異なる化合物を共重合させた樹脂、及びこれらの樹脂に別の化学種をグラフトして得られる変性樹脂等が含まれる。
なかでも、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体を好ましく使用することができる。このような樹脂を使用することにより、透明前面基板や太陽電池素子等といった部材と太陽電池モジュール用封止材シートとの接着性が得られる。
シラン共重合体は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されているものである。当該共重合体を太陽電池モジュールの封止材シート組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造し得る。
シラン共重合体は、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物をコモノマーとし、必要に応じて更にその他の不飽和モノマーをコモノマーとして共重合して得られる共重合体であり、該共重合体の変性体ないし縮合体も含むものである。
具体的には、例えば、α−オレフィンの1種ないし2種以上と、エチレン性不飽和シラン化合物の1種ないし2種以上と、必要ならば、その他の不飽和モノマーの1種ないし2種以上とを、所望の反応容器を使用し、例えば、圧力500〜4000Kg/cm位、好ましくは、1000〜4000Kg/cm位、温度100〜400℃位、好ましくは、150〜350℃位の条件下で、ラジカル重合開始剤及び必要ならば連鎖移動剤の存在下で、同時に或いは段階的にランダム共重合させ、更には、必要に応じて、その共重合によって生成するランダム共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させて、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体又はその変性ないし縮合体を製造することができる。
また、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体又はその変性ないし縮合体としては、例えば、α−オレフィンの1種ないし2種以上と、必要ならば、その他の不飽和モノマーの1種ないし2種以上とを、所望の反応容器を使用し、上記と同様に、ラジカル重合開始剤及び必要ならば連鎖移動剤の存在下で、同時に或いは段階的に重合させ、次いで、その重合によって生成するポリオレフィン系重合体に、エチレン性不飽和シラン化合物の1種ないし2種以上をグラフト共重合させ、更には、必要に応じて、その共重合体によって生成するグラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させて、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体又はその変性ないし縮合体を製造することができる。
α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンより選択される1種以上を使用することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
その他の不飽和モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ビニルアルコールより選択される1種以上を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ラウロイルパーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物、分子状酸素、アゾビスイソブチロニトリルアゾイソブチルバレロニトリル等のアゾ化合物等を使用することができる。
連鎖移動剤としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン等のパラフィン系炭化水素、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、n−ブチルアルデヒド等のアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素等を使用することができる。
ランダム共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させる方法、或いは、グラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させる方法としては、例えば、錫、亜鉛、鉄、鉛、コバルト等の金属のカルボン酸塩、チタン酸エステル及びキレート化物等の有機金属化合物、有機塩基、無機酸、及び、有機酸等のシラノール縮合触媒等を使用し、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とのランダム共重合体或いはグラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分のシラノール間の脱水縮合反応等を行うことにより、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体の変性ないし縮合体を製造する方法が挙げられる。
シラン共重合体としては、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体のいずれであっても好ましく使用することができるが、グラフト共重合体であることがより好ましく、重合用ポリエチレンを主鎖とし、エチレン性不飽和シラン化合物が側鎖として重合したグラフト共重合体が更に好ましい。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける他の部材への太陽電池モジュール用封止材シートの接着性を向上することができる。
α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成する際のエチレン性不飽和シラン化合物の含量としては、全共重合体質量に対して、例えば、0.001〜15質量%位、好ましくは、0.01〜5質量%位、特に好ましくは、0.05〜2質量%位が望ましいものである。本発明において、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成するエチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
ポリエチレン系樹脂(A)とポリエチレン系樹脂(B)との含有割合は質量比で5:95〜50:50の割合、好ましくは5:95〜40:60、であり、特に好ましくは10:90〜30:70である。ポリエチレン系樹脂(A)が5質量%未満であると、透明性と熱流動性(凹凸追従性)が不十分となり、ポリエチレン系樹脂(B)が50質量%を超えると、耐熱クリープなどの耐熱性が低下するので好ましくない。
[架橋剤]
本発明においては、従来知られている太陽電池モジュール用封止材シート組成物の一般的な架橋処理を行う場合とは異なり、太陽電池モジュール用封止材シート組成物に対する架橋剤の含有量が、一般的な架橋処理の場合よりも少ない特定の範囲の含有量となるように架橋剤を使用する。架橋剤の含有量は、太陽電池モジュール用封止材シート組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満であり、上限は好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。この範囲未満であると上記ポリエチレン系樹脂の弱架橋が進まず耐熱性が不足する。また、この範囲を超えると、成形中にゲルが発生する等して製膜性が低下し、透明性も低下する。
架橋剤は公知のものが使用でき特に限定されず、例えば公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルt‐‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;t−アミル−パーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシ2―エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシカーボネート類、等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。
上記のなかでも、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が好ましく使用できる。これらは、活性酸素量が5%以上と高く、また架橋剤の1分間半減期温度が160から190℃であり成形時点で消費され成形後に残留して余分な後架橋の進行を抑制できるので好ましい。1分間半減期温度が160℃未満であると成形中に架橋剤を十分に分散させてから架橋反応を進行させることが困難である点から好ましくない。
なお、本発明における原料架橋剤も上記架橋剤と同様のものを使用できるので、その説明を省略する。
[架橋助剤]
本発明においては、架橋助剤は任意成分である。ここで架橋助剤とは、例えば、多官能ビニル系モノマー及び/又は多官能エポキシ系モノマー等であり、具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等のポリアリル化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等のポリ(メタ)アクリロキシ化合物、二重結合とエポキシ基を含むグリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及びエポキシ基を2つ以上含有する1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物を挙げることができる。
[その他の成分]
封止材シート組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ封止材シート組成物中に0.001〜5質量%の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材シート組成物に対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
耐候性マスターバッチとは、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び上記の酸化防止剤等をポリエチレン等の樹脂に分散させたものであり、これを封止材シート組成物に添加することにより、封止材シートに良好な耐候性を付与することができる。耐候性マスターバッチは、適宜作製して使用してもよいし、市販品を使用してもよい。耐候性マスターバッチに使用される樹脂としては、本発明に用いる直鎖低密度ポリエチレンでもよく、上記のその他の樹脂であってもよい。
なお、これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
更に、本発明の太陽電池モジュール用封止材シート組成物に用いられる他の成分としては上記以外に、シランカップリング剤等の接着性向上剤、核剤、分散剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、難燃剤等を挙げることができる。
<封止材シート>
太陽電池モジュール用の封止材シートは、上記の封止材シート組成物を、従来公知の方法で成形加工する過程で、成形中に上記の弱架橋処理を施すことにより得られるものであり、単層又は多層のシート状又はフィルム状としたものである。なお、本発明におけるシート状とはフィルム状も含む意味であり両者に差はない。
上記封止材シートのシート化は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、すなわち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われる。尚、封止材シートが多層フィルムである場合のシート化の方法としては、一例として、2種以上の溶融混練押出機による共押出により成形する方法が挙げられる。ただし、いずれの方法においても、成形中に弱架橋反応を促進させるために、成膜温度は前記ポリエチレン系樹脂の融点+50℃以上であることが好ましい。具体的には100℃から250℃の高温とすることが好ましく、より好ましくは190から230℃の範囲である。このように、本発明においては、架橋剤の添加が少量であるため、MFRが低下するものの、その低下の程度が小さい。このため溶融成形中に弱架橋を進行させることができる。そして、たとえ少量の架橋剤であって実質的に架橋助剤がなくても、ポリエチレン系樹脂の弱架橋が進行する。なお、この成形温度は架橋剤の1分間半減期温度以上であるので、成形後には架橋剤はほとんど残留しない。このため、弱架橋はこの成形段階で終了する。
このようにして弱架橋処理された本発明の太陽電池モジュール用封止材シートは、その物性面からは、i)低密度を維持しつつ、ii)耐熱性が向上しているが充分な製膜性を有し、iii)更に透明性が改善されている、という特徴がある。i)について、本発明の太陽電池モジュール用封止材シートの密度は、主たる原料である低密度のポリエチレン系樹脂の密度とほぼ同等の凡そ0.900g/cm以下で増加せず、溶融成形前後の前記樹脂組成物の密度差が0.05g/cm以内である。また、透明性は600μmのヘーズ値で3.0%から5.0%で非常に低い。
一方、ii)耐熱性は、MFRが0.1g/10min以上1.0g/10min未満であり、好ましくは溶融成形前後の前記樹脂組成物のMFR差が1.0g/10min以上10.0g/10min以下であることから、成形可能なMFRの範囲内でありながら耐熱性が向上している。これが本発明における弱架橋処理の効果である。通常、樹脂のMFRと密度とは正の相関があるところ、密度を変えずに、成形可能なMFRの範囲内でMFRを若干増加させることを可能とした。
なお、上記の弱架橋処理の結果は、そのゲル分率からも理解できる。本発明の封止材シートのゲル分率は25%以下であり、好ましくは10%以下であり、より好ましくはゼロも含む1%以下である。なお、ここでいうゲル分率とは以下の方法により得られた値である。
ゲル分率(%):架橋後封止材シート1g秤量し、80メッシュの金網袋に入れる。次いで、ソックスレー抽出器内に金網ごとサンプル投入し、キシレンを沸点下において還流させる。10時間連続抽出したのち、金網ごとサンプルを取出し乾燥処理後秤量し、抽出前後の質量比較を行い残留不溶分の質量%を測定しこれをゲル分率とした。なお、多層フィルムである封止材シートのゲル分率については、全ての層が積層された多層状態のままで、上記処理を行い、得られた測定値を、当該多層の封止材シートのゲル分率とした。
また、別の側面として、弱架橋処理を分子量の観点から確認することもできる。本発明の封止材シートのポリスチレン換算の重量平均分子量が12万以上30万以下であり、弱架橋後の封止材シート/架橋前ポリエチレン系樹脂、の重量平均分子量の比が1.5以上3.0以下の範囲である。このことからも、巨大分子化しているが密な架橋構造は形成しておらず、弱架橋が形成されていることが理解できる。なお、本発明における重量平均分子量は、キシレン6wt%となるように溶解して粘度を測定し、その粘度から、ポリスチレン標品との換算より重量平均分子量を求めたものである。なお、多層フィルムである封止材シートの分子量については、全ての層が積層された多層状態のままで、上記処理を行い、得られた測定値を、当該多層の封止材シートのゲル分率とした。
多層フィルムである封止材シートにおいては、各層ごとのMFRが異なる封止材シートとすることがより好ましい。封止材シートは、後に説明する通り、太陽電池モジュール内において、一方の面が太陽電池素子の電極面と密着して使用されることが一般的である。その場合、封止材シートには、該電極面の凹凸にかかわらず高い密着性を有するものであることが求められる。本発明の封止材シートは、単層の封止材シートである場合においても、好ましい透明性、柔軟性及び耐熱性を備えるものではあるが、太陽電池素子の電極面と密着する面については、更にこのようなモールディング特性に優れるものであることがより好ましい。各層のMFRが異なる多層フィルムである本発明の封止材シートは、MFRの高い層を太陽電池素子の電極面と密着させて使用する側の最外層に配置することにより、封止材シートとして上記の好ましい透明性及び耐熱性を保持しつつ、更に太陽電池素子との密着面におけるモールディング特性を高めることができる。
例えば、3層以上の層からなる多層フィルムである封止材シートにおいては、最外層の厚さは、30μm以上120μm以下であり、且つ、最外層以外の全ての層からなる中間層と最外層の厚さの比は、最外層:中間層:最外層=1:3:1〜1:8:1の範囲であることが好ましい。このようにすることにより、封止材シートとしての好ましい耐熱性を保持しつつ、最外層における好ましいモールディング特性を備えることができ、更に製造コストも低く抑えることができる。
<太陽電池モジュール>
次に、本発明の太陽電池モジュールの一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を示す断面図である。本発明の太陽電池モジュール1は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面封止材シート層3、太陽電池素子4、背面封止材シート層5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。本発明の太陽電池モジュール1は、少なくとも前面封止材シート層3に本発明の封止材シートを使用する。
太陽電池モジュール1は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材シート層3、太陽電池素子4、背面封止材シート層5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
また、太陽電池モジュール1は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、例えば、Tダイ押出成形等により、太陽電池素子4の表面側及び裏面側のそれぞれに、前面封止材シート層3及び背面封止材シート層5を溶融積層して、太陽電池素子4を前面封止材シート層3及び背面封止材シート層5でサンドし、次いで、透明前面基板2及び裏面保護シート6を順次積層し、次いで、これらを真空吸引等により一体化して加熱圧着する方法で製造してもよい。
なお、本発明の太陽電池モジュール1において、前面封止材シート層3以外の部材である背面封止材シート層5、透明前面基板2、太陽電池素子4及び裏面保護シート6は、従来公知の材料を特に制限なく使用することができる。また、本発明の太陽電池モジュール1は、上記部材以外の部材を含んでもよい。なお、本発明の封止材シートは単結晶型に限らず、薄膜型その他の全ての太陽電池モジュールに適用できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<ポリエチレン系樹脂(A)の原料>
以下の原料を使用した。
ベース樹脂:密度0.880g/cm、190℃でのMFRが3.1g/10分のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)ペレットを用いた。
シラン変性透明樹脂:密度0.881g/cmであり、190℃でのMFRが2g/10分であるM−LLDPEの98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、シラン変性透明樹脂を得た。
架橋剤マスターバッチ:密度0.880g/cm、190℃でのMFRが3.1g/10分のM−LLDPEペレット100質量部に対して、架橋剤として2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン0.5質量部を含浸させ、マスターバッチを得た。
耐候性マスターバッチ:密度0.880g/cmのチーグラー直鎖状低密度ポリエチレンを粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチを得た。
<ポリエチレン系樹脂(A)の製造>
ベース樹脂70質量部、シラン変性透明樹脂20質量部、架橋剤マスターバッチ10質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、を組成物(A)とし、単層φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで押し出し成形してペレット化し、ポリエチレン系樹脂(A)を製造した。このポリエチレン系樹脂(A)の密度は0.880g/cm、190℃でのMFRは0.24g/10分であった。
<封止材シートの製造>
(実施例1)
ポリエチレン系樹脂(B)として上記のベース樹脂を用い、上記のポリエチレン系樹脂(A)5質量部、ポリエチレン系樹脂(B)(上記ベース樹脂)60質量部、シラン変性透明樹脂20質量部、架橋剤マスターバッチ10質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、を組成物とし、単層φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度(成膜温度)210℃、引き取り速度1.1m/minで押し出し成形して厚さ600μmの実施例1の封止材シートを製造した。
(実施例2)
ポリエチレン系樹脂(A)10質量部、ポリエチレン系樹脂(B)(上記ベース樹脂)55質量部、シラン変性透明樹脂20質量部、架橋剤マスターバッチ10質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、を組成物とした以外は実施例1と同様にして厚さ600μmの実施例2の封止材シートを製造した。
(実施例3)
ポリエチレン系樹脂(A)40質量部、ポリエチレン系樹脂(B)(上記ベース樹脂)25質量部、シラン変性透明樹脂20質量部、架橋剤マスターバッチ10質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、を組成物とした以外は実施例1と同様にして厚さ600μmの実施例3の封止材シートを製造した。
(比較例1)
ポリエチレン系樹脂(A)を含有せず、ポリエチレン系樹脂(B)(上記ベース樹脂)70質量部、シラン変性透明樹脂20質量部、架橋剤マスターバッチ10質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、を組成物とした以外は実施例と同様にして厚さ600μmの比較例1の封止材シートを製造した。
(比較例2)
ポリエチレン系樹脂(A)60質量部、ポリエチレン系樹脂(B)(上記ベース樹脂)5質量部、シラン変性透明樹脂20質量部、架橋剤マスターバッチ10質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、を組成物とした以外は実施例1と同様にして厚さ600μmの比較例2の封止材シートを製造した。
<評価例>
実施例及び比較例の封止材シートについて、ヘーズ、凹凸追従性、130℃クリープを測定した。
ヘーズ:実施例及び比較例の封止材シート600μmについて、フィルム単独の試験片を作成した後、JISK7136に沿って、株式会社村上色彩研究所 ヘーズ・透過率系HM150にてヘーズ(%)を測定した。
凹凸追従性:250mm角の半強化ガラス上に上記実施例および比較例の太陽電池モジュール用封止材を250mm角の大きさにカットしたものを1枚、バスバーを半田で固定した10cm角の太陽電池セルを縦2枚×横2枚に配列させたものを1組、上記実施例および比較例の太陽電池モジュール用封止材を250mm角の大きさにカットしたものを1枚、任意の250mm角の太陽電池用バックシート1枚を順に積層した積層体を、太陽電池モジュールの製造用の真空ラミネータにて150℃で15分間圧着し、4セル太陽電池モジュールを作成した。上記太陽電池モジュールにおいて、ラミネート不良による気泡残りの数とサイズを評価した。上記気泡が実質存在しない(サイズ0.5mm以上の気泡がない)ものを○、上記気泡のサイズが0.5mm以上2mm未満且つ個数が3個以下のものを△、上記評価△よりも気泡のサイズが大きいものまたは個数が多いものを×とした。
クリープ試験:250mm角の半強化ガラス上に上記実施例および比較例の太陽電池モジュール用封止材を75mm×50mmの大きさにカットしたものを2枚、75mm×50mmの太陽電池モジュール用裏面保護シート1枚を順に積層した上で、太陽電池モジュールの製造用の真空ラミネータにて150℃で15分間圧着し、上記ラミネートサンプルを45度に傾けた状態で130℃のオーブン中で12時間静置し、半強化ガラスのズレた距離を以って耐熱性の評価を実施した。ズレ1.5mm未満を○、ズレ1.5mm以上3mm以下を△、ズレ3mm超を×とした。
Figure 0006036117
標記の評価結果から、本発明の封止材シートは、透明性と熱流動性の改善が図られていることが理解できる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材シート層
4 太陽電池素子
5 背面封止材シート層
6 裏面保護シート

Claims (3)

  1. 密度0.900g/cm 以下の原料ポリエチレン系樹脂と、組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満含有する原料架橋剤と、を含む樹脂組成物を溶融成形して得られたものである下記のポリエチレン系樹脂(A)と、下記のポリエチレン系樹脂(B)とを質量比で5:95〜50:50の割合で含有し、更に、組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満の架橋剤を含有する樹脂組成物を溶融成形する、太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法。
    ポリエチレン系樹脂(A):密度0.900g/cm以下で、JIS K7210に準拠して測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが0.1g/10min以上1.0g/10min未満。
    ポリエチレン系樹脂(B):密度0.900g/cm以下で、JIS K7210に準拠して測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが1g/10min以上40g/10min未満。
  2. 前記ポリエチレン系樹脂(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量が12万以上30万以下であり、
    前記ポリエチレン系樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量が5万以上10万以下である、請求項1記載の封止材シートの製造方法。
  3. 前記原料ポリエチレン系樹脂と前記ポリエチレン系樹脂(B)とが同一であり、
    前記原料架橋剤と前記架橋剤とが同一である、請求項1又は2に記載の封止材シートの製造方法。
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