JP5970769B2 - 太陽電池モジュール用封止材及びそれを用いた太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール用封止材及びそれを用いた太陽電池モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光変換効率の高い太陽電池モジュール用封止材、及び、当該太陽電池モジュール用封止材を用いた太陽電池モジュールの製造方法に関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。太陽電池を構成する太陽電池モジュールには、太陽電池素子が含まれ、この太陽電池素子が太陽光等の光エネルギーを電気エネルギーに変換する役割を担う。
太陽電池素子は、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製することが多い。このため、太陽電池素子は、物理的衝撃に弱く、また屋外に太陽電池モジュールを取り付けた場合に雨等からこれを保護する必要がある。また、太陽電池素子1枚では発生する電気出力が小さいため、複数の太陽電池素子を直並列に接続して、実用的な電気出力が取り出せるようにする必要がある。このため、複数の太陽電池素子を接続し、透明基板及び封止材で封入して太陽電池モジュールを作製することが通常行なわれている。一般に、太陽電池モジュールは、透明前面基板、封止材、太陽電池素子、封止材及び裏面保護シート等を順次積層し、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等により製造される。
太陽電池モジュールに使用される封止材としては、その加工性、施工性、製造コスト、その他等の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)が最も一般的なものとして使用されている。しかしながら、EVA樹脂は、長期間の使用に伴って徐々に分解する傾向があり、太陽電池モジュールの内部で劣化して強度が低下したり、太陽電池素子に影響を与える酢酸ガスを発生させたりする可能性がある。このため、EVA樹脂の代わりに、ポリエチレン等のポリオレフィン系の樹脂を使用した太陽電池モジュール用封止材が提案されている。
例えば、特許文献1には、封止材層が、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体またはその変性ないし縮合体を含む樹脂組成物による樹脂膜から構成される太陽電池モジュ−ル用封止材が開示されている。
一方、太陽電池モジュールでは入射した光を少しでも効率よく太陽電池素子に集光することでモジュールとしての光変換効率の向上が望まれており、封止材においても光拡散や散乱効果(以下、光散乱効果という)を付与することが検討されている。例えば、下記の特許文献2には、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)封止材にガラスビーズなどのEVAと屈折率の異なる透明フィラーを含有させて拡散反射によって太陽電池素子への光到達量を増大させることが、検討されている。
特開2003−46105号公報 特開2000−183381号公報
一般的にポリエチレン系樹脂主体の太陽電池モジュール用封止材では、その密度を低密度にすることによって透明性や柔軟性を向上することができる。しかし、密度を低下させて透明性を維持することと、入射する太陽光を適度に反射散乱して光閉じ込め機能を発揮させることは、一見すると相反することであり、特に、ポリオレフィン系においては従来検討されていない。
また、特許文献2のように、従来の技術は太陽光線に対して屈折率の異なるフィラーを外部添加材料として分散させることで、光拡散効果を付与している。この場合、相溶性などの化学的特性と、屈折率の調整などの光学特性を両立させる材料設計の考慮が必須で非常に煩雑であるのみならず、特に太陽電池モジュールに要求される添加フィラーの長期耐候性などもクリアする必要があるが、特許文献2ではそのような点については開示も示唆もされていない。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、ポリエチレン系の樹脂を使用しながら、太陽電池モジュール用封止材に適する良好な透明性と柔軟性を備えつつ、実質的に外部添加材料なしで光散乱機能を付与することのできる太陽電池モジュール用封止材及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、本来結晶性樹脂である低密度のポリエチレン系樹脂の球晶の大きさ、すなわち結晶性、言い換えればヘーズ値を調整することで、太陽光の入射を妨げない程度の透明性と、光散乱性を両立させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) ポリエチレン系樹脂を主として含有し、
JIS K7136により測定した下記試験試料の厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材。
試験試料:封止材(75mm×35mm×0.4mm)の両面を青板ガラス(75mm×35mm×2.75mm)で挟み、加熱圧着(150℃で真空引き5分、プレス1.5分、100kPaの圧力で7分保持)した後、室温(25℃)で12時間以上静置して状態調節した。
(2) ポリエチレン系樹脂を主として含有し、
SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶が、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在することを特徴とする太陽電池モジュール用封止材。
(3) 実質的に無機系充填材を含有しない(1)又は(2)記載の太陽電池モジュール用封止材。
(4) 前記ポリエチレン系樹脂が、密度0.900g/cm以下であって、前記太陽電池モジュール用封止材の190℃におけるMFRが0.1g/10min以上1.0g/10min未満である(1)から(3)いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材。
(5) 密度0.900g/cm以下の前記ポリエチレン系樹脂と、架橋剤と、架橋助剤と、を含有する封止材組成物を溶融成形して未架橋の封止材シートを得て、前記未架橋の封止材シートを、ゲル分率が2%以上80%以下となるように架橋処理してなる(1)から(3)いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材。
(6) 前記架橋処理が電離放射線の照射による架橋処理である(5)に記載の太陽電池モジュール用封止材。
(7) 前記ポリエチレン系樹脂がメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンである(1)から(6)いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材。
(8) 屈折率が1.40以上1.60以下である(1)から(7)いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材。
(9) 透明前面基板と、前面封止材層と、太陽電池素子と、を少なくとも備える太陽電池モジュールであって、
前記前面封止材層が、(1)から(8)いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材である太陽電池モジュール。
(10) 前記透明前面基板の屈折率が1.51以上1.54以下のガラス基板である(9)記載の太陽電池モジュール。
(11) ポリエチレン系樹脂を主として含有する太陽電池モジュール用封止材の製造方法であって、
前記ポリエチレン系樹脂の結晶化を、JIS K7136により測定した下記試験試料の厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下となるように、及び/又は、SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶が、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在するように、前記ポリエチレン系樹脂の結晶化を調整する結晶化調整工程を備える太陽電池モジュール用封止材の製造方法。
試験試料:封止材(75mm×35mm×0.4mm)の両面を青板ガラス(75mm×35mm×2.75mm)で挟み、加熱圧着(150℃で真空引き5分、プレス1.5分、100kPaの圧力で7分保持)した後、室温(25℃)で12時間以上静置して状態調節した。
本発明によれば、ポリエチレン系の樹脂を実質的に単独で使用しながら、太陽電池モジュール用封止材に適する良好な透明性と柔軟性を備えつつ、更に光散乱性を付与することのできる太陽電池モジュール用封止材及びその製造方法を提供できる。
本発明の太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面図である。 実施例及び比較例における太陽電池モジュール用封止材の全光線透過率を比較した図表である。 実施例1及び比較例2における太陽電池モジュールの屋外曝露評価を比較した図表である。 実施例における太陽電池モジュール用封止材のSEM断面写真であり、実施例1の写真である。 実施例における太陽電池モジュール用封止材のSEM断面写真であり、比較例1の写真である。 実施例における太陽電池モジュール用封止材のSEM断面写真であり、比較例2の写真である。 実施例4及び比較例3における太陽電池モジュールの屋外曝露評価を比較した図表である。
<太陽電池モジュール用封止材組成物>
本発明においては、ポリエチレン系樹脂の結晶化を、実施例記載の試験試料について、JIS K7136により測定した厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下となるように、及び/又は、SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶サイズが、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在するように調整する。これによって球晶部分による光散乱効果が高まり、従来のEVA以下のヘーズ値でありながら、EVA以上の光変換効率が得られる。
結晶性を制御する方法としては、ベース樹脂密度の変更、ベース樹脂分子量の変更、ベースMFRの変更、架橋剤の併用、架橋助剤の併用、熱やEBなどによる架橋工程の併用、モジュール化工程における冷却条件の変更、などの手法を適宜組み合わせて行なうことができる。
<組成物A>
上記範囲内のヘーズ値及び/又は球晶サイズを得る一例としては、組成物Aとして、密度が0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂と、重合開始剤と、を必須成分として含有するものである。以下、これらの必須成分について説明した後、その他の樹脂、その他の成分について説明する。
[ポリエチレン系樹脂]
好ましいベース樹脂として、密度が0.900g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、好ましくは直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる。直鎖低密度ポリエチレンはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、本発明においては、その密度が0.900g/cm以下、好ましくは0.870〜0.890g/cmの範囲である。この範囲であれば、シート加工性を維持しつつ良好な透明性と耐熱性を付与することができる。
メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが可能である。また、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しないばかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、シート状に加工した際の透明性に優れる。したがって、本発明の封止材組成物からなる封止材が透明前面基板と太陽電池素子との間に配置されても発電効率はほとんど低下しない。
直鎖低密度ポリエチレンのα−オレフィンとしては、好ましくは分枝を有しないα−オレフィンが好ましく使用され、これらの中でも、炭素数が6〜8のα−オレフィンである1−ヘキセン、1−ヘプテン又は1−オクテンが特に好ましく使用される。α−オレフィンの炭素数が6以上8以下であることにより、太陽電池モジュール用封止材に良好な柔軟性を付与することができるとともに良好な強度を付与することができる。その結果、封止材と基材との密着性が高まり、封止材と基材との間への水分の浸入を抑えることができる。
ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、190℃において1.0g/10分以上40g/10分以下である必要があり、2g/10分以上40g/10分以下であることが好ましい。MFRが上記の範囲であることにより、製膜時の加工適性に優れる。
「ポリエチレン系樹脂」には、エチレンを重合して得られる通常のポリエチレンのみならず、α−オレフィン等のようなエチレン性の不飽和結合を有する化合物を重合して得られた樹脂、エチレン性不飽和結合を有する複数の異なる化合物を共重合させた樹脂、及びこれらの樹脂に別の化学種をグラフトして得られる変性樹脂等が含まれる。
なかでも、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体を好ましく使用することができる。このような樹脂を使用することにより、透明前面基板や太陽電池素子等といった部材と封止材との接着性が得られる。
シラン共重合体は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されているものである。当該共重合体を太陽電池モジュールの封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造し得る。
シラン共重合体は、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物をコモノマーとし、必要に応じて更にその他の不飽和モノマーをコモノマーとして共重合して得られる共重合体であり、該共重合体の変性体ないし縮合体も含むものである。
具体的には、例えば、α−オレフィンの1種ないし2種以上と、エチレン性不飽和シラン化合物の1種ないし2種以上と、必要ならば、その他の不飽和モノマーの1種ないし2種以上とを、所望の反応容器を使用し、例えば、圧力500〜4000Kg/cm位、好ましくは、1000〜4000Kg/cm位、温度100〜400℃位、好ましくは、150〜350℃位の条件下で、ラジカル重合開始剤及び必要ならば連鎖移動剤の存在下で、同時にあるいは段階的にランダム共重合させ、更には、必要に応じて、その共重合によって生成するランダム共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させて、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体又はその変性ないし縮合体を製造することができる。
また、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体又はその変性ないし縮合体としては、例えば、α−オレフィンの1種ないし2種以上と、必要ならば、その他の不飽和モノマーの1種ないし2種以上とを、所望の反応容器を使用し、上記と同様に、ラジカル重合開始剤及び必要ならば連鎖移動剤の存在下で、同時にあるいは段階的に重合させ、次いで、その重合によって生成するポリオレフィン系重合体に、エチレン性不飽和シラン化合物の1種ないし2種以上をグラフト共重合させ、更には、必要に応じて、その共重合体によって生成するグラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させて、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体又はその変性ないし縮合体を製造することができる。
α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンより選択される1種以上を使用することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
その他の不飽和モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ビニルアルコールより選択される1種以上を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ラウロイルパーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物、分子状酸素、アゾビスイソブチロニトリルアゾイソブチルバレロニトリル等のアゾ化合物等を使用することができる。
連鎖移動剤としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン等のパラフィン系炭化水素、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、n−ブチルアルデヒド等のアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素等を使用することができる。
ランダム共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させる方法、あるいは、グラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させる方法としては、例えば、錫、亜鉛、鉄、鉛、コバルト等の金属のカルボン酸塩、チタン酸エステル及びキレート化物等の有機金属化合物、有機塩基、無機酸、及び、有機酸等のシラノール縮合触媒等を使用し、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とのランダム共重合体あるいはグラフト共重合体を構成するシラン化合物の部分のシラノール間の脱水縮合反応等を行うことにより、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体の変性ないし縮合体を製造する方法が挙げられる。
シラン共重合体としては、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体のいずれであっても好ましく使用することができるが、グラフト共重合体であることがより好ましく、重合用ポリエチレンを主鎖とし、エチレン性不飽和シラン化合物が側鎖として重合したグラフト共重合体が更に好ましい。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける他の部材への封止材の接着性を向上することができる。
α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成する際のエチレン性不飽和シラン化合物の含量としては、全共重合体質量に対して、例えば、0.001〜15質量%位、好ましくは、0.01〜5質量%位、特に好ましくは、0.05〜2質量%位が望ましいものである。本発明において、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成するエチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
上記組成物に含まれる上記の密度が0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂の含有量は、組成物中で好ましくは10質量%以上99質量%以下、より好ましくは50質量%以上99%質量以下であり、更に好ましくは90質量%以上99%質量以下である。逆に言えばこの範囲内であればその他の樹脂を含んでいてもよい。例えば0.900g/cmを超える他のポリエチレン系樹脂等が例示できる。これらは、例えば添加用樹脂として用いてもよく、後述のその他の成分をマスターバッチ化するために使用できる。
[重合開始剤]
従来知られている太陽電池モジュール用封止材組成物の一般的な架橋処理を行う場合とは異なり、太陽電池モジュール用封止材組成物に対する重合開始剤の含有量が、一般的な架橋処理の場合よりも少ない特定の範囲の含有量となるように重合開始剤を使用する(弱架橋処理)。重合開始剤の含有量は、太陽電池モジュール用封止材組成物中に0.02質量%以上0.5質量%未満であり、上限は好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。この範囲内であれば架橋剤の大部分が樹脂の分子量増大に消費され、ネットワーク構造の形成が少量に抑えられるため、適度に結晶性を低下させ、且つ製膜後に成形性を維持することができる。この範囲未満であると上記ポリエチレン系樹脂の弱架橋が進まず耐熱性が不足する。また、この範囲を超えると、成形中にゲルが発生するなどして製膜性が低下し、透明性も低下する。
重合開始剤は公知のものが使用でき特に限定されず、例えば公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルt‐‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;t−アミル−パーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシ2―エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシカーボネート類、等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。
上記のなかでも、t−ブチルパーオキシ2―エチルヘキシルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン等が好ましく使用できる。これらは、活性酸素量が5%以上と高く、また重合開始剤の1分間半減期温度が160から190℃であり成形時点で消費され成形後に残留して余分な後架橋の進行を抑制できるので好ましい。1分間半減期温度が160℃未満であると成形中に重合開始剤を十分に分散させてから架橋反応を進行させることが困難である点から好ましくない。なお、後述の実施例3からも明らかなように、本発明においては必ずしも重合開始剤は必須ではない。
[架橋助剤]
架橋助剤は実質的に使用しないことが好ましい。ここで架橋助剤とは、例えば、多官能ビニル系モノマー及び/又は多官能エポキシ系モノマー等であり、具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等のポリアリル化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等のポリ(メタ)アクリロキシ化合物、二重結合とエポキシ基を含むグリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及びエポキシ基を2つ以上含有する1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物を挙げることができる。
なお、実質的に架橋助剤を使用せずとは、架橋効果を示さない程度の量が不純物的に含有しても本発明の範囲内であることを意味し、その量は例えば組成物中に0.01質量%未満である。
<組成物B>
上記範囲内のヘーズ値及び/又は球晶サイズを得る他の一例としては、組成物Bとして、密度が0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂と、重合開始剤(架橋剤)と、架橋助剤と、を必須成分として含有する組成物である。この場合、未架橋のまま溶融成形して未架橋の封止剤シートを得て。その後に架橋処理を行い封止剤シートとする。
ポリエチレン系樹脂としては上記と同様のものが使用できるが、メルトマスフローレート(MFR)は、JIS−K6922−2により測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFR(本明細書においては、以下、この測定条件による測定値をMFRという。)が0.5g/10分以上40g/10分以下であることが好ましく、6g/10分以上40g/10分以下であることがより好ましい。ベースとなるポリエチレンのMFRが高くても、後の架橋工程で流動性を抑制できる。このため、上記範囲のような高いMFRであっても好適に使用することができる。
重合開始剤としても上記と同様のものが使用できるが、組成物Bの場合、1分間半減期温度が185℃以上の架橋剤も自由に選択することが可能である。又、このように選択範囲が広がることにより、未架橋で成形可能な温度が向上し、生産性が向上するというメリットもある。
架橋処理が一般的な加熱処理である場合には、重合開始剤の含有量としては、封止材の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.5質量部以上2.0質量部以下の含有量であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上1.5質量部以下の範囲である。0.5質量部以上の重合開始剤を添加することにより、封止材に用いるポリエチレン系樹脂にも十分な耐熱耐久性を付与することができる。重合開始剤の含有量が0.5質量部未満であると、耐熱耐久性の向上が不充分であり、一方、重合開始剤の含有量が、1.5質量部を超えると架橋工程における架橋の進行が過剰となり、モジュール化の際の他部材の凹凸への追従性が不十分となり好ましくない。
架橋処理が電離放射線の照射による架橋処理である場合には、従来は重合開始剤は不要と考えられていた。しかし、本発明に用いられる封止材組成物は、その場合においても、少量の重合開始剤を含有するものである。これにより、電離放射線による耐熱性の向上とともに透明性の維持も可能としている。電離放射線の照射による架橋処理における重合開始剤の作用は定かでないが、電離放射線はエネルギーが強いので架橋が進行するが、HAZEの要因になる結晶はある温度以上にならないとほぐれず架橋に関与せず残るためであると推定される。この場合の封止材組成物への重合開始剤の添加量は、封止材の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.2質量部以上であることが好ましい。封止材組成物への重合開始剤の添加量をこの範囲とすることにより、耐熱性、密着性に加えて、透明性においても特に優れた封止材とすることができる。この場合において、重合開始剤の含有量が0.2質量部未満であると透明性向上の効果が不充分であるが、架橋処理が一般的な加熱処理である場合と異なり、重合開始剤の含有量が0.5質量部未満であってもよい。
架橋助剤は上記記載のものが使用でき、架橋助剤の含有量としては、組成物中に0.01質量%〜3質量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量%〜2.0質量%の範囲である。この範囲内であれば適度な架橋反応を促進させて架橋済封止材のゲル分率を2%以上80%以下とすることができる。ゲル分率を2%以上とすることにより、モジュール化前の架橋による流動抑制の効果を奏し得るので好ましい。又、ゲル分率を80%以下にすることによって、従来のEVAと同程度の透明性を有しつつ、−50℃から0℃付近の低温領域でEVA以上の柔軟性を得ることができるので好ましい。
[組成物A、Bに共通のその他の成分]
太陽電池モジュール用封止材組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、本発明の太陽電池モジュール用封止材組成物から作製された太陽電池モジュール用封止材に耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ太陽電池モジュール用封止材組成物中に0.001〜5質量%の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、太陽電池モジュール用封止材組成物に対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
耐候性マスターバッチとは、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び上記の酸化防止剤等をポリエチレン等の樹脂に分散させたものであり、これを太陽電池モジュール用封止材組成物に添加することにより、太陽電池モジュール用封止材に良好な耐候性を付与することができる。耐候性マスターバッチは、適宜作製して使用してもよいし、市販品を使用してもよい。耐候性マスターバッチに使用される樹脂としては、本発明に用いる直鎖低密度ポリエチレンでもよく、上記のその他の樹脂であってもよい。
なお、これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
更に、本発明の太陽電池モジュール用封止材組成物に用いられる他の成分としては上記以外に、シランカップリング剤等の接着性向上剤、核剤、分散剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、難燃剤等を挙げることができる。
なお、本発明においては、実質的に無機系充填材を含有しないことが好ましい。無機系充填材は光学的な散乱などをもたらし、封止材の光散乱性に影響を及ぼすからである。ここで、実質的に無機系充填材を含有しないとは、実施例記載の試験試料について、JIS K7136により測定した厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下となるように、及び/又は、SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶サイズが、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在する範囲内であればフィラーが存在してもよいという意味である。具体的には、太陽電池モジュール用封止材組成物中の無機系充填材の割合は5質量%以下であることが好ましい。
<太陽電池モジュール用封止材>
太陽電池モジュール用封止材(以下単に「封止材シート」ともいう)は、上記の太陽電池モジュール用封止材組成物を、従来公知の方法で成形加工してシート状又はフィルム状としたものである。なお、本発明におけるシート状とはフィルム状も含む意味であり両者に差はない。
上記組成物Aの場合、封止材シートのシート化は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、すなわち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われる。ただし成形中に弱架橋反応を促進させるために、成形温度は前記ポリエチレン系樹脂の融点+50℃以上が好ましい。具体的には150から250℃の高温とすることが好ましく、より好ましくは190から230℃の範囲である。このように、本発明においては、重合開始剤の添加が少量であるため、MFRが低下するものの、その低下の程度が小さい。このため溶融成形中に弱架橋を進行させることができる。そして、たとえ少量の重合開始剤であって実質的に架橋助剤がなくても、ポリエチレン系樹脂の弱架橋が進行する。なお、この成形温度は重合開始剤の1分間半減期温度以上であるので、成形後には重合開始剤はほとんど残留しない。このため、弱架橋はこの成形段階で終了する。
このようにして弱架橋処理された太陽電池モジュール用封止材は、その物性面からは、i)低密度を維持しつつ、ii)耐熱性が向上しているが充分な製膜性有し、iii)ヘーズ値が低下する、という特徴がある。
i)について、本発明の太陽電池モジュール用封止材の密度は、原料ポリエチレン系樹脂の密度とほぼ同等の0.900g/cm以下で増加せず、溶融成形前後の前記樹脂組成物の密度差が0.05g/cm以内である。このため、透明性は維持したままである。
一方、ii)耐熱性は、190℃におけるMFRが0.1g/10min以上1.0g/10min未満であり、好ましくは溶融成形前後の前記樹脂組成物の190℃におけるMFR差が1.0g/10min以上10.0g/10min以下であることから、成形可能なMFRの範囲内でありながら耐熱性が向上している。この太陽電池モジュール用封止材は、ゲル分率は25%以下であり、好ましくは10%以下であり、より好ましくはゼロも含む1%以下である。なお、ここでいうゲル分率とは以下の方法により得られた値である。
ゲル分率(%):架橋後封止材1g秤量し、80メッシュの金網袋に入れる。次いで、ソックスレー抽出器内に金網ごとサンプル投入し、キシレンを沸点下において還流させる。10時間連続抽出したのち、金網ごとサンプルを取出し乾燥処理後秤量し、抽出前後の質量比較を行い残留不溶分の質量%を測定しこれをゲル分率とした。
そして、iii)のヘーズ値の低下は、後述する実施例1(架橋剤有)と実施例3(架橋剤無)との比較からも明らかなように、弱架橋によって、部分的に分子同士が拘束されることにより分子の配向、すなわち結晶化が抑制され、ヘーズ値が低下するものと推定される。
上記組成物Bの場合、溶融成形は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、即ち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われる。その際、成形温度の下限は封止材組成物の融点を超える温度であればよく、上限は使用する架橋剤の1分間半減期温度に応じて、押し出し製膜中に架橋が開始しない温度であればよく、それらの範囲内であれば特に限定されない。本発明の太陽電池モジュール用封止材の製造方法においては、先に説明した通り、従来よりも1分間半減期温度の高い架橋剤を使用することができるため、成形温度を従来よりも高温に設定することにより、押出機にかかる負荷を低減し、封止材組成物の押出量を増やして、生産性を高めることが可能である。
[架橋工程]
組成物Bにおいては、その後、上記のシート化工程後の未架橋封止材を架橋処理を施す架橋処理工程を、シート化工程の終了後、且つ、封止材を他の部材と一体化する太陽電池モジュール一体化工程の開始前に行う。この架橋工程によってゲル分率が2%以上80%以下となる封止材とする。架橋処理はシート化工程に続いて連続的にインラインで行われてもよく、オフラインで行われてもよい。
架橋工程における架橋処理の方法については特に限定されないが、加熱処理よる架橋処理によることが好ましく、電離放射線の照射による架橋処理によることがより好ましい。いずれの架橋処理によっても好ましい物性を備える封止材シートを製造することができるが、後の実施例において示す通り、架橋処理を電離放射線の照射による架橋処理によるものとすることによって、密着性、耐熱性において、より好ましい封止材シートとすることができる。
架橋工程における架橋処理が加熱処理である場合、個別の架橋条件は特に限定されず、一般的な架橋処理条件の範囲内で、トータルな処理結果として、上記のゲル分率となるように適宜設定すればよい。尚、架橋処理が加熱処理である場合には、アニール処理を兼ねてもよい。
架橋処理が電離放射線の照射による架橋処理である場合も、個別の架橋条件は特に限定されず、トータルな処理結果として、上記のゲル分率となるように適宜設定すればよい。具体的には、電子線(EB)、α線、β線、γ線、中性子線等の電離放射線によって行うことができるが、なかでも電子線を用いることが好ましい。電子線照射における加速電圧は、被照射体であるシート厚みによって決まり、厚いシートほど大きな加速電圧を必要とする。例えば、0.5mm厚みのシートでは100kV以上、好ましくは200kV以上で照射する。加速電圧がこれより低いと架橋が充分に行われない。照射線量は10kGy〜1000kGy、好ましくは10〜300kGyの範囲である。照射線量が10kGyより小さいと充分な架橋が行われず、又1000kGyを超えると発生する熱によるシートの変形や着色等が懸念されるようになる。尚、両面側から照射してもよい。又、照射は大気雰囲気下でもよく窒素雰囲気下であってもよい。
上記の架橋工程を経ることによって、封止材のゲル分率が2%以上80%以下となり、架橋済封止材となる。ゲル分率は2%以上80%以下であることが好ましく、30%以上80%以下であることが更に好ましい。ゲル分率が2%未満ではモジュール化工程前の架橋工程による流動抑制の効果が発現せず、真空加熱ラミネートにおいて封止材組成物が流動してしまい膜厚を一定に保つのが困難になる。ゲル分率が80%を超えると封止材組成物の流動性が低くなりすぎてモジュールの凹凸にうまく埋まらず封止材としての使用が困難になる。即ち、ゲル分率が上記範囲であれば、過度の流動を抑制しつつ、凹凸への封止性を良好に維持できる。尚、ゲル分率を30%以上とすることで、成形時の寸法安定性を極めて高いものとすることができる。尚、ゲル分率(%)とは、後述する実施例の方法で得られた値である。熱収縮率は45%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下が最も好ましい。
<ヘーズ値>
本発明の太陽電池モジュール用封止材は、実施例記載の試験試料について、JIS K7136により測定した厚さ400μmにおけるヘーズ値が1%以上6%以下、好ましくは1%以上5%以下である。これにより、光透過性と光散乱性を両立でき、素子への光取り込み量を向上でき、モジュールの発電効率を向上できる。ヘーズ値が2%未満であると、透明ではあるが、結晶化が不十分であり光散乱効果が小さい。一方、ヘーズ値が6%を越えると、結晶化による光散乱効果が大き過ぎて素子へ到達する光量が減少するので好ましくない。
<球晶サイズ>
本発明の太陽電池モジュール用封止材は、SEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶が、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在する。これにより、光透過性と光散乱性を両立でき、素子への光取り込み量を向上でき、モジュールの発電効率を向上できる。球晶サイズが0.1μm未満であると、透明ではあるが、結晶化が不十分であり光散乱効果が小さい。一方、球晶サイズが0.5μmを越えると、結晶化による光散乱効果が大き過ぎて素子へ到達する光量が減少するので好ましくない。
このように、本発明においては、ポリエチレン系樹脂の結晶性を利用して、上記範囲内に結晶化を調整することによって、特許文献2のような透明フィラーを用いることなく、光散乱効果を付与することに成功したものである。従来、EVAに代表されるように、ポリエチレン系であってもより透明な樹脂のほうが素子への光到達の面で有利と考えられてきたが、本発明においては、ポリエチレンの結晶制御によって光散乱効果が得られることを見出した点に本発明の特徴がある。
<太陽電池モジュール>
次に、本発明の太陽電池モジュールの一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を示す断面図である。本発明の太陽電池モジュール1は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。本発明の太陽電池モジュール1は、少なくとも前面封止材層3に上記の太陽電池モジュール用封止材(以下単に「封止材シート」ともいう)を使用する。
太陽電池モジュール1は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
また、太陽電池モジュール1は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、例えば、Tダイ押出成形等により、太陽電池素子4の表面側及び裏面側のそれぞれに、前面封止材層3及び背面封止材層5を溶融積層して、太陽電池素子4を前面封止材層3及び背面封止材層5でサンドし、次いで、透明前面基板2及び裏面保護シート6を順次積層し、次いで、これらを真空吸引等により一体化して加熱圧着する方法で製造してもよい。
ここで、本発明の太陽電池モジュールにおいては、光の入射時には、入射光が前面封止材層にて散乱するために、太陽電池素子4への入射光効率を向上させる。また、裏面保護シート6からの反射光も前面封止材層3で再度散乱するため、ここでも太陽電池素子4への入射光効率を向上させる。なお、背面封止材層5は前面封止材層3と同じものを用いてもよく、白色顔料などを含有させて入射光の反射を促進させてもよい。
なお、このとき透明前面基板2の屈折率が1.51以上1.54以下のガラス基板(代表的な屈折率は1.51)であり、前面封止材層3の屈折率が1.40以上1.60以下、好ましくは1.45以上1.55以下であると、ガラスと前面封止材層3との界面での屈折が少なく光取り込みの効率が良くなるので好ましい。
なお、本発明の太陽電池モジュール1において、前面封止材層3及び背面封止材層5以外の部材である透明前面基板2、太陽電池素子4及び裏面保護シート6は、従来公知の材料を特に制限なく使用することができる。また、本発明の太陽電池モジュール1は、上記部材以外の部材を含んでもよい。なお、本発明の封止材シートは単結晶型に限らず、薄膜型その他のすべての太陽電池モジュールに適用できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[試験例1]
<太陽電池モジュール用封止材の製造>
[実施例1から3のポリエチレン系樹脂]
シラン変性透明樹脂:密度0.881g/cmであり、190℃でのMFRが2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm、190℃でのMFRが1.8g/10分であるシラン変性透明樹脂を得た。
耐候性マスターバッチ:密度0.880g/cmのチーグラー直鎖状低密度ポリエチレンを粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチを得た。
重合開始剤コンパウンド樹脂1:密度0.880g/cm、190℃でのMFRが3.1g/10分のM−LLDPEペレット100質量部に対して、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1質量部を含浸させコンパウンドペレットを得た。
重合開始剤コンパウンド樹脂2:密度0.880g/cm、190℃でのMFRが3.4g/10分のM−LLDPEペレット100質量部に対して、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1質量部を含浸させコンパウンドペレットを得た。
[実施例1]
上記のシラン変性透明樹脂20質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、重合開始剤コンパウンド樹脂1の80質量部を混合し、φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで総厚400μmの実施例1の太陽電池モジュール用封止材を作製した。
[実施例2]
重合開始剤コンパウンド樹脂1を重合開始剤コンパウンド樹脂2に代えた以外は実施例1と同様にして実施例2の太陽電池モジュール用封止材を作製した。
[実施例3]
重合開始剤コンパウンド樹脂1を密度0.880g/cm、190℃でのMFRが3.1g/10分のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンに代えた以外は実施例1と同様にして実施例4の太陽電池モジュール用封止材を作製した(架橋剤含有せず)。
[実施例4から8のポリエチレン系樹脂]
LLDPE(ベース樹脂M1):エチレンと1−ヘキセンとの共重合体であり、密度0.880g/cm、MFR8g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン。
LLDPE2(ベース樹脂M2):ポリエチレン系樹脂(LLDPE):エチレンと1−ヘキセンとの共重合体であり、密度0.880g/cm、MFR30g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン。
シラン変性ポリエチレン系樹脂(ベース樹脂S1):上記ベース樹脂M1、98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練したものであり、密度0.884g/cm、MFR6g/10分であるシラン変性ポリエチレン系樹脂。
架橋剤:t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(アルケマ吉富株式会社製、商品名ルペロックスTBEC)
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート(Statomer社製、商品名SR533)
UV吸収剤:ケミプロ化成株式会社製、商品名KEMISORB12
耐候安定剤:チバ・ジャパン株式会社製、商品名Tinuvin770
酸化防止剤:チバ・ジャパン株式会社製、商品名Irganox1076
[実施例4]
M1の35質量部、M2の40質量部、S1の25質量部、架橋剤1.2質量部、架橋助剤0.8質量部、UV吸収剤0.25質量部、耐候安定剤0.2質量部、酸化防止剤0.05質量部を混合し溶融し、常法Tダイ法により厚さ400μmとなるように成膜して未架橋の封止材シートを得た。成膜温度は90℃以上100℃未満とした。その後、200℃×2分の架橋処理を行い(ゲル分率46.7%)、実施例4の封止材シートを得た。
[実施例5]
架橋処理として加熱の代わりに300kGyの電子線を照射した以外は実施例4と同様にして実施例5の封止材シートを得た(ゲル分率33.0%)。
[実施例6]
実施例1の封止材シートを、後述する評価例1の条件で加熱圧着した後、水冷5℃の鉄板の上で常温まで冷却して実施例6の封止材シートの試験試料を得た。
[実施例7]
実施例1の封止材シートを、後述する評価例1の条件で加熱圧着した後、10℃/minで常温まで冷却して実施例7の封止材シートの試験試料を得た。
[実施例8]
実施例1の封止材シートを、後述する評価例1の条件で加熱圧着した後、5℃/minで常温まで冷却して実施例8の封止材シートの試験試料を得た。
[比較例1]
シラン変性透明樹脂:密度0.898g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレートが2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(以下、M−LLDPEと称する。)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、シラン変性透明樹脂を得た。
耐候性マスターバッチ:密度0.920g/cm3のチーグラー直鎖状低密度ポリエチレンを粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチを得た。
上記のシラン変性透明樹脂20質量部、耐候性マスターバッチ5質量部、添加用ポリエチレンとしての密度0.905g/cm3のメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン80質量部とを混合し、φ150mm押出し機、1000mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度230℃、引き取り速度2.3m/minで総厚400μmの表面用太陽電池モジュール用封止材を作製した。
[比較例2]
比較例2のEVA充填材は、EVA(酢酸ビニル含量28%、三井デュポンポリケミカル製、商品名EVAFLEX/EV250グレード)の100質量部に対して、架橋剤(Lupersol101)1.5質量部、酸化防止剤(NAUGARD−P)0.2質量部、UV吸収剤(Tinuvin7709の0.1質量部とCyasorb UV−531の0.3質量部)を配合したものを用いた。常法Tダイ法により厚さ400μmとなるように成膜して未架橋充填材を得た。成膜温度は90℃〜100℃とした。
[比較例3]
実施例1の封止材シートを、後述する評価例1の条件で加熱圧着した後、1℃/minで常温まで冷却して比較例3の封止材シートの試験試料を得た。
<評価例1>
実施例及び比較例について、全光線透過率(JIS K7361)、ヘーズ値(JIS K7136)を、株式会社村上色彩研究所、ヘーズ・透過率系HM150にて測定した。試験試料は封止材(75mm×35mm×0.4mm)の両面を青板ガラス(75mm×35mm×2.75mm)で挟み、加熱圧着(150℃で真空引き5分、プレス1.5分、100kPaの圧力で7分保持)した後、室温(25℃)で12時間以上静置して状態調節したものを用いた。なお、PV特性は、MOTECH製単結晶セル(AS125−150R)のセル部以外をアルミシールして光の回り込みを防止した状態でセル上に上記封止材を積層し、ソーラーシュミレータ(英弘精機株式会社製EWXS−300S−50)を用いて、セル裏面温度25℃、照度100mW/cm2の条件で測定したIsc値(短絡電流、単位mA)である。その結果を下記表1に示す。なお、屈折率は、いずれも1.49であった。また、表中の発電効率は、評価例3−2における全発電量の比較であり、比較例2を100(−)とした際に、100.1以上を○とし、100.4以上を◎とし、100未満を×とした評価である。
表1より、実施例のヘーズ値は1%以上6%以下で本発明の範囲内であるが、比較例1、3のヘーズ値は、本発明の範囲の上限を超えている。また、比較例2のEVAのヘーズ値は1%未満である。
また、PV特性において、実施例1のものは、EVAの比較例2よりヘーズ値が高いにもかかわらず、短絡電流の維持率がEVAと同程度以上であり、光散乱効果による発電効率向上に資することが理解できる。
<評価例2>
実施例1の封止材と、比較例2のEVA封止材について、分光光度計による透過率測定T%(装置名UV−2550、株式会社島津製作所社製)にて測定した。その結果を図2に示す。図2より、波長400〜550nm付近において、約1%EVAのほうが透過率が高く、上記ヘーズ値の違いを裏付ける結果が得られた。
<評価例3−1>
実施例1の封止材と、比較例2のEVA封止材について、直接暴露試験方法による屋外暴露評価(JIS Z2381 01)を、データロガー:メモリハイロガー8430、日置電機株式会社製、分流器:分流器HS−01(50A)日置電機株式会社製にて南向き45度設置の条件で測定した。Q−Cells社製多結晶セル(Q6LTT3)を2mm幅のリード線(日立電線株式会社製)で4セル直列に接続して、ガラス/封止材/セル/封止材/バックシートの構成でモジュール化したものを用いて測定した。その結果を図3に示す。図3より、実施例1のものは、EVAの比較例2よりヘーズ値が高いにもかかわらず、発電電力が大きく、光散乱効果による発電効率向上に資することが理解できる。
<評価例3−2>
評価例3−1とは別の機会に、実施例4の封止材と、比較例2のEVA封止材について、上記の評価例3−1と同様の試験を行った結果を図7に示す。図7より、架橋を行った実施例4のものは、EVAの比較例3よりヘーズ値が高いにもかかわらず発電電力が大きく、特にモジュールへの入射角度が小さくなる夕方において光散乱効果による発電効率向上に差があることが理解できる。なお、1日の全発電量を比較したところ、比較例2の2878Wに対して、実施例4では2959Wであった。
<評価例4>
実施例1の封止材と、比較例1の封止材と、比較例2のEVA封止材について、断面SEM写真を、装置名S−4800、株式会社日立ハイテクノロジーズ製SEMにて測定した。その結果を図4から6に示す。図4は実施例1、図5は比較例1、図6は比較例2のSEM写真であり、図において右下のスケールは一目盛が0.1μm(全10目盛が1μm)である。
図4において囲んだ丸が球晶の大きさであり、実施例1のものは、0.1μmから0.5μmの球晶が得られており、この球晶によって光散乱効果が生じている。一方、比較例1では更に結晶成長して0.5μm以上の大きさの繊維状の結晶構造が観察されている。また、比較例2では結晶構造は観察されていない。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 裏面保護シート

Claims (8)

  1. ポリエチレン系樹脂を主として含有し、
    JIS K7136により測定した下記試験試料の厚さ400μmにおけるヘーズ値が3.4%以上6%以下であって、且つ、下記試験試料のSEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶が、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在し、
    ゲル分率が2%以上80%以下の太陽電池モジュール用封止材。
    試験試料:試験対象の封止材又はその一部である試験片(75mm×35mm×0.4mm)の両面を青板ガラス(75mm×35mm×2.75mm)で挟み、加熱圧着(150℃で真空引き5分、プレス1.5分、100kPaの圧力で7分保持)した後、室温(25℃)で12時間以上静置して状態調節した。
  2. 無機系充填材の含有量が5質量%以下である請求項1記載の太陽電池モジュール用封止材。
  3. 前記ポリエチレン系樹脂が、密度0.900g/cm以下であって、前記太陽電池モジュール用封止材の190℃におけるMFRが0.1g/10min以上1.0g/10min未満である請求項1又は2記載の太陽電池モジュール用封止材。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂がメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンである請求項1から3いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材。
  5. 屈折率が1.40以上1.60以下である請求項1から4いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材。
  6. 透明前面基板と、前面封止材層と、太陽電池素子と、を少なくとも備える太陽電池モジュールであって、
    前記前面封止材層が、請求項1から5いずれか記載の太陽電池モジュール用封止材である太陽電池モジュール。
  7. 前記透明前面基板が、屈折率が1.51以上1.54以下のガラス基板である請求項6記載の太陽電池モジュール。
  8. ポリエチレン系樹脂を主として含有する太陽電池モジュール用封止材の製造方法であって、
    前記太陽電池モジュール用封止材の製造方法には架橋工程を含み、
    前記ポリエチレン系樹脂の結晶化を、JIS K7136により測定した下記試験試料の厚さ400μmにおけるヘーズ値が3.4%以上6%以下となるように、及び、且つ、下記試験試料のSEM断面観察において、前記ポリエチレン系樹脂由来の球晶が、平均0.1μm以上0.5μm以下の大きさで存在するように、前記ポリエチレン系樹脂の結晶化を前記架橋工程によって調整する結晶化調整工程を備える太陽電池モジュール用封止材の製造方法。
    試験試料:試験対象の封止材又はその一部である試験片(75mm×35mm×0.4mm)の両面を青板ガラス(75mm×35mm×2.75mm)で挟み、加熱圧着(150℃で真空引き5分、プレス1.5分、100kPaの圧力で7分保持)した後、室温(25℃)で12時間以上静置して状態調節した。
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