JP6035964B2 - 液晶表示装置、偏光板及び偏光子保護フィルム - Google Patents
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Description
項1.
配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に被覆層を有する偏光子保護フィルムであって、
前記配向ポリエステルフィルムは、4000〜30000nmのリタデーション及び1.70以下のNz係数を有するフィルムであり、
前記被覆層が、架橋剤を含み、
前記架橋剤が、メラミン系架橋剤及び/又はイソシアネート系架橋剤であり、
前記被覆層は、ポリビニルアルコール系樹脂及びポリエステル系樹脂を含み、前記被覆層の表面は、ポリビニルアルコール系樹脂が凝集した相とポリエステル系樹脂が凝集した相から成るナノ相分離構造を有し、ポリビニルアルコール相の面積比率が、30%以上99%未満である、偏光子保護フィルム。
項2.
前記配向ポリエステルフィルムの面配向度が0.13以下であることを特徴とする、項1記載の偏光子保護フィルム。
項3.
前記配向ポリエステルフィルムが少なくとも3層からなり、最外層以外の層に紫外線吸収剤を含有し、380nmの光線透過率が20%以下である、項1又は2に記載の偏光子保護フィルム。
項4.
前記ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度が95%以下である、項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項5.
前記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度が、25℃以上である、項1〜4のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項6.
ポリエステル系樹脂の酸価が、20KOHmg/g以下である、項1〜5のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項7.
前記被覆層に含まれるポリビニルアルコール系樹脂(PVA)とポリエステル系樹脂(PEs)の質量比が、下記式を満足する項1〜6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
0.2≦PVA/PEs≦1.25
項8.
被覆層に含まれるポリエステル系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)と架橋剤(C)の配合比((A)+(B)/(C))が、質量比で2〜50である項1〜7のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
項9.
偏光子の少なくとも片面に項1〜8のいずれかに記載の偏光子保護フィルムが積層された偏光板。
項10.
バックライト光源と、2つの偏光板の間に配された液晶セルとを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト光源が連続した発光スペクトルを有する白色光源であり、
前記2つの偏光板の両方が項9に記載の偏光板である、液晶表示装置。
項11.
入射光側に配される偏光板の入射光側の偏光子保護フィルム及び出射光側に配される偏光板の出射光側の偏光子保護フィルムが、請求項1〜8のいずれかに記載の偏光子保護フィルムである、請求項10に記載の液晶表示装置。
項12.
前記連続した発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、項10又は11に記載の液晶表示装置。
一般に、液晶表示装置は、バックライト光源に対向する側から画像を表示する側(視認側又は出射光側)に向かう順に、後面モジュール、液晶セル及び前面モジュールから構成されている。後面モジュール及び前面モジュールは、一般に、透明基板と、その液晶セル側表面に形成された透明導電膜と、その反対側に配置された偏光板とから構成されている。ここで、偏光板は、後面モジュールでは、バックライト光源に対向する側に配置され、前面モジュールでは、画像を表示する側(視認側又は出射光側)に配置されている。
本発明の液晶表示装置は少なくとも、バックライト光源、2つの偏光板、及び2つの偏光板の間に配された液晶セルを構成部材として含む。本発明の液晶表示装置は、これら以外の他の構成部材、例えば、カラーフィルター、レンズフィルム、拡散シート、反射防止フィルム等を適宜有しても構わない。
偏光板は、PVA等にヨウ素を染着させた偏光子に2枚の偏光子保護フィルムで貼り合せた構成を有する。本発明で使用される偏光板は、2枚の偏光子保護フィルムの少なくとも一方に、特定範囲のリタデーション及び|ny−nz|/|ny−nx|で表されるNz係数という物性を満たす配向ポリエステルフィルムを用いる。
本発明で使用される偏光子保護フィルムに用いられる配向ポリエステルフィルムは、4000〜30000nmのリタデーションを有することが好ましい。リタデーションが4000nm未満では、液晶表示装置を斜め方向から観察した時に干渉色を呈するため、良好な視認性を常に確保することができないためである。配向ポリエステルフィルムの好ましいリタデーションは4500nm以上、次に好ましくは5000nm以上、より好ましくは6000nm以上、更に好ましくは8000nm以上、より更に好ましくは10000nm以上である。
偏光子保護フィルムに用いる配向ポリエステルフィルムは、|ny−nz|/|ny−nx|で表されるNz係数が1.7以下であることが好ましい。Nz係数は次のようにして求めることができる。分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)を用いてフィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向とこれに直交する方向の二軸の屈折率(ny、nx、但しny>nx)、及び厚さ方向の屈折率(nz)をアッべ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)によって求める。こうして求めたnx、ny、nzを、|ny−nz|/|ny−nx|で表される式に代入して、Nz係数を求めることができる。
本発明の液晶表示装置では、上記特定のリタデーション及びNz係数を有する配向ポリエステルフィルムが、一対の偏光板の両方の偏光子保護フィルムとして使用される。一対の偏光板とは、液晶に対して入射光側に配置される偏光板と液晶に対して出射光側に配置される偏光板との組合せを意味する。即ち、当該配向ポリエステルフィルムは、入射光側の偏光板と出射光側の偏光板の両方の偏光板に用いられる。当該配向ポリエステルフィルムは、各偏光板を構成する二枚の偏光子保護フィルムのうち少なくとも一方として使用されていれば良く、その両方に使用されても良い。
配向ポリエステルフィルムのリタデーション値及びNz係数を上記の特定範囲に制御することに加え、(nx+ny)/2−nzで表される面配向度を特定値以下にすることにより、より確実に一対の偏光板の両方に偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた場合の虹斑を完全に解消することができる。ここで、nx、ny及びnzの値は、Nz係数と同様の方法で求められる。配向ポリエステルフィルムの面配向度は0.13以下が好ましく、より好ましくは0.125以下、さらの好ましくは0.12以下である。面配向度が0.13以下にすることで、液晶表示装置を斜め方向から観察した場合に角度によって観察される虹斑を完全に解消することができる。面配向度は0.08以上が好ましく、より好ましくは0.10以上である。面配向度が0.08未満では、フィルムの厚みが変動し、リタデーションの値がフィルム面内で不均一になる場合がある。
配向ポリエステルフィルムは、そのリタデーション(Re)と厚さ方向リタデーション(Rth)の比(Re/Rth)が、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.6以上である。上記リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)が大きいほど、複屈折の作用は等方性を増し、観察角度による虹状の色斑の発生が生じ難くなるためである。完全な1軸性(1軸対称)フィルムでは上記リタデーションと厚さ方向リタデーションの比(Re/Rth)は2.0となる。しかし、後述するように完全な1軸性(1軸対称)フィルムに近づくにつれ配向方向と直行する方向の機械的強度が著しく低下する。
配向ポリエステルフィルムのリタデーションの変動を抑制する為には、フィルムの厚み斑が小さいことが好ましい。この観点から、配向ポリエステルフィルムの厚み斑は5.0%以下であることが好ましく、4.5%以下であることがさらに好ましく、4.0%以下であることがよりさらに好ましく、3.0%以下であることが特に好ましい。
配向ポリエステルフィルムの厚みは、本発明の効果を妨げない限り特に制限されないが、通常15〜300μmであり、好ましくは15〜200μmである。フィルム厚みが15μm未満では、フィルムの力学特性の異方性が顕著となり、裂け、破れ等を生じる場合がある。特に好ましい厚みの下限は25μmである。一方、偏光子保護フィルムの厚みの上限は、300μmを超えると偏光板の厚みが厚くなりすぎてしまい好ましくない。偏光子保護フィルムとしての実用性の観点から、厚みの上限は200μmが好ましい。特に好ましい厚みの上限は一般的なTACフィルムと同等程度の100μmである。
本発明に用いられる配向ポリエステルフィルムは、任意のポリエステル樹脂から得ることができる。ポリエステル樹脂の種類は、特に制限されず、ジカルボン酸とジオールとを縮合させて得られる任意のポリエステル樹脂を使用することができる。
配向ポリエステルフィルムは、偏光子に含まれるヨウ素色素等の光学機能性色素の劣化を抑制する観点から、波長380nmの光線透過率が20%以下であることが望ましい。380nmの光線透過率は15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。前記光線透過率が20%以下であれば、光学機能性色素の紫外線による変質を抑制することができる。光線透過率は、フィルムの平面に対して垂直方法に測定したものであり、分光光度計(例えば、日立U−3500型)を用いて測定することができる。
アクリロニトリル系紫外線吸収剤としては、例えば、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール等が挙げられる。環状イミノエステル系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
配向ポリエステルフィルムには、紫外線吸収剤以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、各種の添加剤を含有させることも好ましい様態である。添加剤として、例えば、無機粒子、耐熱性高分子粒子、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物、帯電防止剤、耐光剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、ゲル化防止剤、界面活性剤等が挙げられる。また、高い透明性を奏するためにはポリエステルフィルムに実質的に粒子を含有しないことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、ケイ光X線分析で無機元素を定量した場合に50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。
本発明の偏光子保護フィルムは、偏光子或いはその片面又は両面に設けられる水系接着剤等のポリビニルアルコール系樹脂層との接着性を向上させるために、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリエステル系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)を含有する樹脂組成物からなる易接着層(被覆層)が積層されている。被覆層は、少なくともポリエステルフィルムの片側に設けられ、両面に設けてもよい。他方の面には異種の樹脂被覆層を設けても良い。ポリエステル系樹脂(A)により基材フィルムとの接着性を図るとともに、ポリビニルアルコール系樹脂(B)により偏光子・水系接着剤との接着性を図ることで、これら両層との接着性を好適に両立することができる。
本発明において、被覆層はバインダー樹脂としてポリビニルアルコール系樹脂とポリエステル系樹脂を含有し、被覆層の表面はポリビニルアルコール系樹脂が凝集した相(PVA相)とポリエステル系樹脂が凝集した相(PEs相)からなるナノ相分離構造を有する。尚、本発明において、被覆層がポリビニルアルコール系樹脂及びポリエステル系樹脂を含有するとは、被覆層がポリビニルアルコール系樹脂及びポリエステル系樹脂を原料成分として形成される樹脂層であることを意味する。同様に、被覆層がこれらの樹脂以外の成分(例えば、架橋剤)を含有する場合は、これらの樹脂及びその他の成分(例えば、架橋剤)を原料として形成される被覆層であることを意味する。
PVA相表面分率(%)=(PVA相の面積/測定面積)×100
PVA相の面積は、後述する走査型プローブ顕微鏡の位相測定モードを利用して測定され、その場合にポリビニルアルコール相は、例えば、位相像で暗色相を示す。測定面積は特に制限されないが、例えば、1μm×1μmで行うことができる。
(ポリビニルアルコール系樹脂)
被覆層の成分として使用されるポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂として認識されるものであれば特に限定されない。その具体例には、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られたポリビニルアルコール;その誘導体;更に酢酸ビニルと共重合性を有する単量体との共重合体のけん化物;ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコール;などが含まれる。前記単量体としては、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸及びそのエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、(メタ)アリルスルホン酸(ソーダ)、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。これらポリビニルアルコール系樹脂は1種のみ用いても良いし2種以上を併用しても良い。
本発明の被覆層に用いられるポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分とが重縮合してなる共重合体であり、ジカルボン酸成分およびジオール成分としては前述の基材として用いるポリエステルフィルムについて説明した成分を用いることができる。ポリエステルフィルム基材との接着性を向上させる観点から、ポリエステルフィルム中のジカルボン酸成分と同一又は類似する構造・性質を有するジカルボン酸成分をポリエステル系樹脂のジカルボン酸成分として用いることが好ましい。よって、例えば、ポリエステルフィルムのジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸が採用される場合は、ポリエステル系樹脂のジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸を使用することが好ましい。そのような芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸およびイソフタル酸が最も好ましい。全ジカルボン酸成分に対し、例えば10モル%以下の範囲で、他の芳香族ジカルボン酸を加えて共重合させてもよい。
被覆層中に架橋剤を併用することでより好適にナノ相分離構造を形成することができる。これはポリビニルアルコール系樹脂の水酸基同士が架橋することでポリビニルアルコール系樹脂が凝集し易くなり、結果として好適な分離構造が形成されるためと考えられる。架橋剤としては、水酸基と架橋性を有するものであれば特に限定されないが、メラミン系、イソシアネート系、カルボジイミド系、オキサゾリン系、エポキシ系等の化合物が挙げられる。塗布液の経時安定性の点からメラミン系、イソシアネート系、カルボジイミド系、オキサゾリン系の化合物が好ましい。さらに、架橋剤はポリビニルアルコール系樹脂の水酸基と好適に架橋反応をするメラミン系化合物もしくはイソシアネート系化合物ものが好ましい。これは、カルボジイミド系架橋剤はカルボキシル基と反応するのに対し、メラミン系化合物もしくはイソシアネート系化合物は水酸基と反応するため、官能基として水酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂とより好適に架橋構造を形成するためであると考えられる。さらに、メラミン系化合物もしくはイソシアネート化合物を用いた場合には、塗布層中のポリビニルアルコールが好適に架橋構造を形成し、ポリエステルフィルムとは反対側の面に移動しやすくなり、PVAの表面分率をより高くし、好適な海島構造を形成することが可能となる。なかでも、ポリビニルアルコール系樹脂の水酸基と好適に架橋反応を形成するとともに、透明性に優れているという観点から、イソシアネート系化合物を用いることが特に好ましい。また、架橋反応を促進させるため、触媒等を必要に応じて適宜使用しても良い。
本発明の偏光子保護フィルムを構成する被覆層には、本発明の効果を阻害しない範囲において公知の添加剤、例えば界面活性剤、酸化防止剤、触媒、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の粒子、帯電防止剤、核剤等を添加しても良い。
偏光子としては、例えばポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性材料を含むものが挙げられる。偏光子保護フィルムは偏光子と直接または接着剤層を介して張り合わされるが、接着性向上の点から、接着剤を介して張り合わすことが好ましい。その際、本発明の偏光子保護フィルムを構成する被覆層は、偏光子又は接着剤層と接する面に配することが好ましい。本発明のポリエステルフィルムを接着させるのに好ましい偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や二色性材料を染色・吸着させ、ホウ酸水溶液中で一軸延伸し、延伸状態を保ったまま洗浄・乾燥を行うことにより得られる偏光子が挙げられる。一軸延伸の延伸倍率は、通常4〜8倍程度である。ポリビニルアルコール系フィルムとしてはポリビニルアルコールが好適であり、「クラレビニロン」[(株)クラレ製]、「トーセロビニロン」[東セロ(株)製]、「日合ビニロン」[日本合成化学(株)製]などの市販品を利用することができる。二色性材料としてはヨウ素、ジスアゾ化合物、ポリメチン染料などが挙げられる。
本発明に用いられる偏光板には、写り込み防止やギラツキ抑制、キズ抑制等を目的として、種々の機能層、すなわちハードコート層、防眩層、反射防止層、低反射層、低反射防止層、及び反射防止防眩層からなる群より選択される1種以上の機能層を配向ポリエステル表面に設けることも好ましい様態である。種々の機能層を設けるに際して、配向ポリエステルフィルムはその表面に易接着層を有することが好ましい。その際、反射光による干渉を抑える観点から、易接着層の屈折率を、機能層の屈折率と配向ポリエステルフィルムの屈折率の相乗平均近傍になるように調整することが好ましい。易接着層の屈折率の調整は、公知の方法を採用することができ、例えば、バインダー樹脂に、チタンやジルコニウム、その他の金属種を含有させることで容易に調整することができる。
本発明の保護フィルムである配向ポリエステルフィルムは、一般的なポリエステルフィルムの製造方法に従って製造することができる。例えば、ポリエステル樹脂を溶融し、シート状に押出し成形された無配向ポリエステルをガラス転移温度以上の温度において、ロールの速度差を利用して縦方向に延伸した後、テンターにより横方向に延伸し、熱処理を施す方法が挙げられる。
(1−1)相分離構造の評価
被覆層の相分離構造の評価は、走査型プローブ顕微鏡(エスアイアイ・ナノテクノロジー製、NaNoNaviシステム/SPA300)を使用し、位相測定モード(フェーズモード)にて行った。位相像では、位相遅れが大きいほど明るく、逆に位相遅れが小さいほど暗く表現される。位相遅れが小さいということは、他の相に比べ、硬いもしくは比較的吸着力が小さいことを意味する。本発明の易接着性ポリエステルフィルムの被覆層において、暗色相が、ポリビニルアルコール層βであり、明色相が、ポリエステル層αである。
(1−2−1)ペーパーウェイト法
PVA表面分率の測定は、以下の手順で測定した。
(1−2−2)画像解析法
2値化した画像を同ソフトウェアにて、輝度(黒、白)を横軸とし、度数を縦軸としたヒストグラムを表示させ、黒色部の面積比率を求める。この測定操作を異なる5箇所から採取した測定サンプルで実施し、その平均値をPVA表面分率とする。なお、ナノ相分離が発生していない場合は、×と記載する。
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ製、DSC6200)を使用して、樹脂サンプル10mgを25〜300℃の温度範囲にわたって20℃/minで昇温させ、DSC曲線から得られた補外ガラス転移開始温度をガラス転移温度とした。
樹脂0.03gをテトラヒドロフラン 10ml に溶かし、GPC−LALLS装置低角度光散乱光度計 LS−8000(東ソー株式会社製、テトラヒドロフラン溶媒、リファレンス:ポリスチレン)を用い、カラム温度30℃、流量1ml/分、カラム(昭和電工社製shodex KF−802、804、806)を用い、数平均分子量を測定した。
樹脂を重クロロホルムに溶解し、ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行ってその積分比より各組成のモル%比を決定した。
1g(固形分)の試料を30mlのクロロホルムまたはジメチルホルムアミドに溶解し、フェノールフタレインを指示薬として0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定して、試料1g当たりのカルボキシル基を中和するのに必要なKOHの量(mg)を酸価として求めた。
JIS−K6726に準じて水酸化ナトリウムを用いて、ポリビニルアルコール樹脂の残存酢酸基(モル%)を定量し、その値をけん化度(モル%)とした。同サンプルについて3回測定し、その平均値をけん化度(モル%)とした。
偏光子保護フィルムの被覆層表面に、固形分濃度5質量%に調整したポリビニルアルコール水溶液(クラレ製 PVA117)を、乾燥後のポリビニルアルコール樹脂層の厚みが、2μmになるようにワイヤーバーで塗布し、70℃で5分間乾燥した。ポリビニルアルコール水溶液には、判定が容易となるよう赤色染料を加えたものを使用した。作成した評価対象フィルムを、両面テープを貼り付けた厚さ5mmのガラス板に、評価対象の積層フィルムのポリビニルアルコール樹脂層が形成された面の反対面を上記両面テープに貼り付けた。次いで、ポリビニルアルコール樹脂層を貫通して、基材フィルムに達する100個の升目状の切り傷を、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、粘着テープ(ニチバン社製セロテープ(登録商標) CT−24;24mm幅)を升目状の切り傷面に貼り付けた。貼り付け時に界面に残った空気を消しゴムで押して、完全に密着させた後、粘着テープを勢いよく垂直に引き剥がす作業を1回、5回、10回実施した。ポリビニルアルコール樹脂層が剥がれていない升目の個数を数え、PVA接着性とした。即ち、PVA層が全く剥がれていない場合を、PVA接着率100とし、PVA層が全て剥がれた場合は、PVA接着率0とした。なお、1個の升目内で部分的に剥がれているものも、剥がれた個数に含めた。
偏光子保護フィルムの被覆層表面に、固形分濃度5質量%に調整したポリビニルアルコール水溶液(クラレ製 PVA117)を、乾燥後のポリビニルアルコール樹脂層の厚みが、2μmになるようにワイヤーバーで塗布し、70℃で5分間乾燥したあとのポリビニルアルコール樹脂層の塗れ具合を以下の基準で評価した。
○: 塗工したほぼ全面ではじくことなく、きれいに塗工できている
△: 塗工した一部ではじいている。
×: 塗工したほぼ全面ではじいている。
リタデーションとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|nx−ny|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性及び異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)は、以下の方法により求めた。分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)を用いて、フィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が長辺となるように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(nx,ny)、及び厚さ方向の屈折率(nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)を用いて測定し、前記二軸の屈折率の差の絶対値(|nx−ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。
|ny−nz|/|ny−nx|で得られる値をNz係数とした。ただし、ny>nxとなるように、ny及びnxの値を選択した。
(nx+ny)/2−nzで得られる値を面配向度(ΔP)とした。
厚さ方向リタデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz(=|nx−nz|)、△Nyz(=|ny−nz|)にそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られるリタデーションの平均を示すパラメーターである。リタデーションの測定と同様の方法でnx、ny、nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)と(△Nyz×d)との平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた。
分光光度計(日立製作所製、U−3500型)を用い、空気層を標準として各フィルムの波長300〜500nm領域の光線透過率を測定し、波長380nmにおける光線透過率を求めた。
PVAとヨウ素からなる偏光子の片側に後述する方法で作成したポリエステルフィルムを偏光子の偏光軸とポリエステルフィルムの配向主軸が垂直になるように貼り付け、その反対側の面にTACフィルム(富士フイルム(株)社製、厚み80μm)を貼り付けて偏光板を作成した。得られた偏光板を液晶を挟んで両側に一枚ずつ、各偏光板がクロスニコルの条件下になるよう配置して液晶表示装置を作製した。各偏光板は、前記ポリエステルフィルムが液晶とは反対側(遠位)となるように配置された。液晶表示装置の光源には、青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色LEDを光源(日亜化学、NSPW500CS)に用いた。このような液晶表示装置の偏光板の正面、及び斜め方向から目視観察し、虹斑の発生有無について、以下のように判定した。
A’:斜め方向から観察したときに、角度によって極薄い虹斑が観察される。
B: 斜め方向から観察したときに、角度によって薄い虹斑が観察できる。
C: 斜め方向から観察した時に、虹斑が観察できる。
D: 正面方向及び斜め方向から観察したときに虹斑が観察できる。
東洋精機製作所製エレメンドルフ引裂試験機を用いて、JIS P−8116に従い、各フィルムの引裂き強度を測定した。引裂き方向はフィルムの配向主軸方向と平行となるように行ない、以下のように判定した。なお、配向主軸方向の測定は分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)で測定した。
○:引裂き強度が50mN以上
×:引裂き強度が50mN未満
攪拌機、温度計、および部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート194.2質量部、ジメチルイソフタレート184.5質量部、ジメチル−5−ナトリウムスルホイソフタレート14.8質量部、ジエチレングリコール233.5質量部、エチレングリコール136.6質量部、およびテトラ−n−ブチルチタネート0.2質量部を仕込み、160℃から220℃の温度で4時間かけてエステル交換反応を行なった。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、30Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂(A−1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂(A−1)は、淡黄色透明であった。共重合ポリエステル樹脂(A−1)の還元粘度を測定したところ,0.70dl/gであった。DSCによるガラス転移温度は40℃であった。
攪拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、ポリエステル樹脂(A−1)30質量部、エチレングリコールn−ブチルエーテル15質量部を入れ、110℃で加熱、攪拌し樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水55質量部をポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分30質量%の乳白色のポリエステル水分散体(Aw−1)を作製した。同様にポリエステル樹脂(A−1)の代わりにポリエステル樹脂(A−2)〜(A−5)を使用して、水分散体を作製し、それぞれポリエステル水分散体(Aw−2)〜(Aw−5)とした。
攪拌機と温度計を備えた容器に、水90質量部を入れ、攪拌しながら重合度500のポリビニルアルコール樹脂(クラレ製)(B−1)10質量部を徐々に添加した。添加後、液を攪拌しながら、95℃まで加熱し、樹脂を溶解させた。溶解後、攪拌しながら室温まで冷却して、固形分10質量%のポリビニルアルコール水溶液(Bw−1)を作成した。同様に、ポリビニルアルコール樹脂(B−1)の代わりにポリビニルアルコール樹脂(B−2)〜(B−8)を使用し水溶液を作成し、それぞれ(Bw−2)〜(Bw−8)とした。ポリビニルアルコール樹脂(B−1)〜(B−8)のけん化度を表2に示す。
攪拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(C−1)を得た。
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)10質量部、粒子を含有しないPET(X)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(Y)を得た。(以後、PET(Y)と略す。)
下記の塗剤を混合し、ポリエステル系樹脂(A)/ポリビニルアルコール系樹脂(B)の質量比が70/30になる塗布液を作成した。ポリエステル水分散体は、酸価が2KOHmg/gであるポリエステル樹脂が分散した水分散体(Aw−1)を使用し、ポリビニルアルコール水溶液は、けん化度が74モル%であるポリビニルアルコールが溶解した水溶液(Bw−4)を使用した。
水 40.61質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Aw−1) 11.67質量%
ポリビニルアルコール水溶液(Bw−4) 15.00質量%
ブロックイソシアネート系架橋剤(C−1) 0.67質量%
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
触媒
(有機スズ系化合物 固形分濃度14質量%) 0.3質量%
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約100μmとすること以外は偏光子保護フィルム1と同様にして一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム1と同様の方法により作製された未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に1.5倍延伸した後、偏光子保護フィルム1と同様の方法で幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約50μmの二軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム3と同様の方法で、走行方向に2.0倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約50μmの二軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム1と同様の方法で、中間層に紫外線吸収剤を含有するPET樹脂(B)を用いずに、フィルム厚み50μmの一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム3と同様の方法で、走行方向に4.0倍、幅方向に1.0倍延伸して、フィルム厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム1と同様の方法で、走行方向に1.0倍、幅方向に3.5倍延伸して、フィルム厚み約75μmの一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更し、横延伸倍率を3.8倍、延伸温度を135℃として、厚み約100μmの一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム1と同様の方法を用い、横延伸倍率を3.8倍、延伸温度を135℃として、厚み約50μmの一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム1と同様の方法を用い、横延伸倍率を3.8倍として、厚み50μmの一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム1と同様の方法を用い、横延伸倍率を4.2倍、延伸温度を135℃として、厚み約50μmの一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更し、横延伸倍率を3.8倍に変更することにより、厚み38μmの一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚みを38μmの一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム3と同様の方法で、走行方向に1.8倍、幅方向に2.0倍延伸して、フィルム厚み約275μmの二軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム3と同様の方法で、走行方向に3.6倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約38μmの二軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルム1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約10μmの一軸配向PETフィルムを得た。
テンター延伸後の加熱処理、弛緩処理の温度を180℃に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
テンター延伸後の加熱処理、弛緩処理の温度を140℃に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
下記の塗剤を混合しポリエステル系樹脂/ポリビニルアルコール系樹脂の質量比が60/40になるように変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
水 37.28質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Aw−1) 10.00質量%
ポリビニルアルコール水溶液(Bw−4) 20.00質量%
ブロックイソシアネート系架橋剤(C−1) 0.67質量%
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
触媒
(有機スズ系化合物 固形分濃度14質量%) 0.3質量%
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
下記の塗剤を混合しポリエステル系樹脂(A)/ポリビニルアルコール系樹脂(B)の質量比が80/20になるように変更した以外は偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
水 43.95質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Aw−1) 13.33質量%
ポリビニルアルコール水溶液(Bw−4) 10.00質量%
ブロックイソシアネート系架橋剤(C−1) 0.67質量%
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
触媒
(有機スズ系化合物 固形分濃度14質量%) 0.3質量%
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
下記の塗剤を混合しポリエステル系樹脂(A)/ポリビニルアルコール系樹脂(B)の質量比が50/50になるように変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
水 33.95質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Aw−1) 8.33質量%
ポリビニルアルコール水溶液(Bw−4) 25.00質量%
ブロックイソシアネート系架橋剤(C−1) 0.67質量%
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
触媒
(有機スズ系化合物 固形分濃度14質量%) 0.3質量%
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
ポリエステル水分散体を酸価が4KOHmg/gのポリエステル樹脂が分散した水分散体(Aw−2)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
ポリエステル水分散体を酸価が6KOHmg/gのポリエステル樹脂が分散した水分散体(Aw−3)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
ポリエステル水分散体を酸価が10KOHmg/gのポリエステル樹脂が分散した水分散体(Aw−5)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
ポリビニルアルコール水溶液を、ポリビニルアルコールのけん化度が67モル%であるポリビニルアルコールが溶解した水溶液(Bw−6)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
ポリビニルアルコール水溶液を、ポリビニルアルコールのけん化度が70モル%であるポリビニルアルコールが溶解した水溶液(Bw−5)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
ポリビニルアルコール水溶液を、ポリビニルアルコールのけん化度が79モル%であるポリビニルアルコール水溶液(Bw−3)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
ポリビニルアルコールのけん化度が83モル%であるポリビニルアルコール水溶液(Bw−2)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
ポリビニルアルコール水溶液を、けん化度が88モル%であるポリビニルアルコールが溶解した水溶液(Bw−1)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
塗布液の組成を下記の通り変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
水 40.87質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Aw−1) 11.67質量%
ポリビニルアルコール水溶液(Bw−4) 15.00質量%
メラミン系架橋剤(C−2) 0.71質量%
(ニカラックMX−042 三和ケミカル製 固形分濃度70%)
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
塗布液の組成を下記の通り変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
水 40.33質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Aw−1) 11.67質量%
ポリビニルアルコール水溶液(Bw−2) 15.00質量%
オキサゾリン系架橋剤(C−3) 1.25質量%
(エポクロスWS−500、日本触媒製、固形分濃度40質量%)
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
塗布液の組成を下記の通り変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
水 40.58質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Aw−1) 11.67質量%
ポリビニルアルコール水溶液(Bw−2) 15.00質量%
エポキシ系架橋剤(C−4) 1.00質量%
(アデカレジンEM−051R ADEKA製 固形分50質量%)
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
下記の塗剤を混合しポリエステル系樹脂(A)/ポリビニルアルコール系樹脂(B)の質量比が100/0になるように変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
水 50.62質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Aw−1) 16.66質量%
ブロックイソシアネート系架橋剤(C−1) 0.67質量%
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
触媒
(有機スズ系化合物 固形分濃度14質量%) 0.3質量%
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
下記の塗剤を混合しポリエステル系樹脂(A)/ポリビニルアルコール系樹脂(B)の質量比が0/100になるように変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
水 17.28質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリビニルアルコール水溶液(Bw−4) 50.00質量%
ブロックイソシアネート系架橋剤(C−1) 0.67質量%
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
触媒
(有機スズ系化合物 固形分濃度14質量%) 0.3質量%
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
下記の塗剤を混合しポリエステル系樹脂(A)/ポリビニルアルコール系樹脂(B)の質量比が90/10になるように変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
水 47.28質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Aw−1) 15.00質量%
ポリビニルアルコール水溶液(Bw−4) 5.00質量%
ブロックイソシアネート系架橋剤(C−1) 0.67質量%
粒子 1.25質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
触媒
(有機スズ系化合物 固形分濃度14質量%) 0.3質量%
界面活性剤 0.5質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
テンター延伸後の加熱処理、弛緩処理の温度を100℃に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
ポリビニルアルコール水溶液を、けん化度が99モル%であるポリビニルアルコールが溶解した水溶液(Bw−8)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
ポリビニルアルコール水溶液を、けん化度が40モル%であるポリビニルアルコールが溶解した水溶液(Bw−7)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
ポリエステル水分散体を酸価が25KOHmg/gのポリエステル樹脂が分散した水分散体(Aw−4)に変更した以外は、偏光子保護フィルム7と同様にして、一軸配向PETフィルムを得た。
偏光子保護フィルムとしてTACフィルム(富士フイルム(株)社製、厚み80μm、けん化処理済)を用い、前記接着性試験を行なった。
表3中、偏光子保護フィルムNo.7**は、偏光子保護フィルムとして偏光子保護フィルム7を用い、光源として冷陰極管を用いた場合を示す。
Claims (12)
- 配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に被覆層を有する偏光子保護フィルムであって、
前記配向ポリエステルフィルムは、4000〜30000nmのリタデーション及び1.70以下のNz係数を有するフィルムであり、
前記被覆層は、ポリビニルアルコール系樹脂及びポリエステル系樹脂を含み、
前記被覆層が、架橋剤を含み、
前記架橋剤が、メラミン系架橋剤及び/又はイソシアネート系架橋剤であり、
前記被覆層の表面は、ポリビニルアルコール系樹脂が凝集した相とポリエステル系樹脂が凝集した相から成るナノ相分離構造を有し、ポリビニルアルコール相の面積比率が、30%以上99%未満である、偏光子保護フィルム。 - 前記配向ポリエステルフィルムの面配向度が0.13以下であることを特徴とする、請求項1記載の偏光子保護フィルム。
- 前記配向ポリエステルフィルムが少なくとも3層からなり、最外層以外の層に紫外線吸収剤を含有し、380nmの光線透過率が20%以下である、請求項1又は2に記載の偏光子保護フィルム。
- 前記ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度が95%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
- 前記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度が、25℃以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
- ポリエステル系樹脂の酸価が、20KOHmg/g以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
- 前記被覆層に含まれるポリビニルアルコール系樹脂(PVA)とポリエステル系樹脂(PEs)の質量比が、下記式を満足する請求項1〜6のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
0.2≦PVA/PEs≦1.25 - 被覆層に含まれるポリエステル系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)と架橋剤(C)の配合比((A)+(B)/(C))が、質量比で2〜50である請求項1〜7のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
- 偏光子の少なくとも片面に請求項1〜8のいずれかに記載の偏光子保護フィルムが積層された偏光板。
- バックライト光源と、2つの偏光板の間に配された液晶セルとを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト光源が連続した発光スペクトルを有する白色光源であり、
前記2つの偏光板の両方が請求項9に記載の偏光板である、液晶表示装置。 - 入射光側に配される偏光板の入射光側の偏光子保護フィルム及び出射光側に配される偏光板の出射光側の偏光子保護フィルムが、請求項1〜8のいずれかに記載の偏光子保護フィルムである、請求項10に記載の液晶表示装置。
- 前記連続した発光スペクトルを有する白色光源が、白色発光ダイオードである、請求項10又は11に記載の液晶表示装置。
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