JP6034202B2 - 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

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Description

本発明はポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、重合性モノマー、および硬化剤からなる、延性、耐熱性、耐溶剤性などの特性に優れている熱可塑性樹脂組成物およびその成形品に関するものである。
ポリカーボネート樹脂は、事務機器外装部品、電気・電子部品の成形用樹脂として広く使用されている。該樹脂は、機械的強度、熱的性質に優れているが、溶融粘度が高く、比較的高い成形温度、成形圧力での成形が必要であることが難点とされている。また、耐溶剤性が低く、用途が限定されている。一方、ポリプロピレン、ポリエチレンに代表される結晶性のポリオレフィン系樹脂は、成形加工性、耐溶剤性などに優れ、かつ安価であることから、電気・電子部品、家庭電化製品、ハウジング、包装材料、自動車部品など、工業的に幅広く用いられている。しかし、耐熱性がそれほど高くないことが、エンジニアリングプラスチック用途への利用に対する障害となっている。
そこで、ポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂を配合して、耐熱性、耐溶剤性がよく、成形性の改良された材料を提供しようという試みがなされている。しかしながら、単純にブレンドするだけでは、層状剥離による強度の大幅な低下を招くため、ポリオレフィン系樹脂を変性して相溶性を向上させたり少量の熱可塑性エラストマーを配合したりして層状剥離の抑制を図っている。
例えば、水酸基含有ビニルモノマーでグラフト変性させたエラストマーを相溶化剤として使用する樹脂組成物が提案されている。(特許文献1、2参照)しかし、この組成物では耐衝撃性は良好であるが、相溶化効果が十分ではないため耐熱性や機械的強度の改良が必要である。また、水酸基含有ビニルモノマーで変性させたポリプロピレンを相溶化剤とし、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンからなるエチレン−α−オレフィン共重合体を耐衝撃剤とする樹脂組成物が提案されている。(特許文献3参照)しかしながら、この組成物は耐衝撃性、剛性は優れているものの相溶性についての記載はない。さらに、スチレンーエチレン・ブチレンースチレンブロック共重合体を相溶化剤とする樹脂組成物が提案されている。(特許文献4参照)しかしながら、この組成物は相溶性に優れているものの、ポリプロピレン樹脂とスチレンーエチレン・ブチレンースチレンブロック共重合体とのメルトフローレイトの比が大きく、衝撃特性や引張特性の改良効果が不十分である。
特開平7−330972号公報 特開平8−134277号公報 特開2005−132937号公報 特開平5−17633号公報
上述の如く、層状剥離がなく、延性、耐熱性、耐溶剤性を兼ね備えた樹脂組成物が求められているものの、かかる樹脂組成物を得るための手法は何ら開示されていないのが現状である。したがって、本発明は、かかる樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の従来技術の問題点に鑑み、鋭意検討した結果、硬化剤によって重合性モノマーが重合することで、高耐熱性を得ること、およびポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂との界面に重合性モノマーとポリオレフィン系樹脂との反応物を形成させることによって、層状剥離を解消し、高延性を得ることを見出し、更に検討を重ねた結果本発明に到達した。
本発明によれば上記課題は、(1)ポリカーボネート樹脂(A成分)95〜5重量部、およびポリオレフィン系樹脂(B成分)5〜95重量部からなる樹脂成分100重量部に対し、重合性モノマー(C成分)0.5〜95重量部、並びに重合性モノマー100重量部に対し、硬化剤(D成分)0.5〜10重量部を溶融混練してなる熱可塑性樹脂組成物であって、上記重合性モノマーが、溶融混練前においてはポリカーボネート樹脂と相溶し、溶融混練中に重合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物により達成される。
本発明の好適な態様の1つは、(2)重合性モノマーがアリル基を2つ以上含有することを特徴とする上記構成(1)の樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の1つは、(3)重合性モノマーの含有量が、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、10〜100重量部であることを特徴とする上記構成(1)または(2)の樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の1つは、(4)ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が1.4×10〜3×10であることを特徴とする上記構成(1)〜(3)のいずれかの樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の1つは、(5)硬化剤が有機過酸化物であることを特徴とする上記構成(1)〜(4)のいずれかの樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の1つは、(6)上記構成(1)〜(5)のいずれかの熱可塑性樹脂組成物を用いた電気・電子部品用成形品、自動車部品用成形品および家電用成形品よりなる群より選択される成形品である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
(A成分:ポリカーボネート樹脂)
本発明でA成分として使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。好ましい二価フェノールは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでも靭性や変形特性に優れる点からビスフェノールAが特に好ましく、汎用されている。
本発明では、汎用のポリカーボネートであるビスフェノールA系のポリカーボネート以外にも、他の二価フェノール類を用いて製造した特殊なポリカーボネ−トをA成分として使用することが可能である。例えば、二価フェノール成分の一部又は全部として、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis−TMC”と略称することがある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いたポリカーボネ−ト(単独重合体又は共重合体)は、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に適当である。これらのBPA以外の二価フェノールは、該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。
殊に、高剛性かつより良好な耐加水分解性が要求される場合には、樹脂組成物を構成するA成分が次の(1)〜(3)の共重合ポリカーボネートであるのが特に好適である。
(1)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPM成分が20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBCF成分が20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPA成分が10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCF成分が5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(3)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPM成分が20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBis−TMC成分が20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
これらの特殊なポリカーボネートは、単独で用いてもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。また、これらを汎用されているビスフェノールA型のポリカーボネートと混合して使用することもできる。
これらの特殊なポリカーボネートの製法及び特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報及び特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
なお、上述した各種のポリカーボネートの中でも、共重合組成等を調整して、吸水率及びTg(ガラス転移温度)を下記の範囲内にしたものは、ポリマー自体の耐加水分解性が良好で、かつ成形後の低反り性においても格段に優れているため、形態安定性が要求される分野では特に好適である。
(i)吸水率が0.05〜0.15%、好ましくは0.06〜0.13%であり、かつTgが120〜180℃であるポリカーボネート、あるいは
(ii)Tgが160〜250℃、好ましくは170〜230℃であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%、好ましくは0.13〜0.30%、より好ましくは0.14〜0.27%であるポリカーボネート。
ここで、ポリカーボネートの吸水率は、直径45mm、厚み3.0mmの円板状試験片を用い、ISO62−1980に準拠して23℃の水中に24時間浸漬した後の水分率を測定した値である。また、Tg(ガラス転移温度)は、JISK7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる値である。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、炭酸ジエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法によってポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤などを使用してもよい。また本発明のポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂、芳香族または脂肪族(脂環式を含む)の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂、二官能性アルコール(脂環式を含む)を共重合した共重合ポリカーボネート樹脂、並びにかかる二官能性カルボン酸および二官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーボネート樹脂を含む。また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
分岐ポリカーボネート樹脂は、本発明の樹脂組成物の溶融張力を増加させ、かかる特性に基づいて押出成形、発泡成形およびブロー成形における成形加工性を改善できる。結果として寸法精度により優れた、これらの成形法による成形品が得られる。
かかる分岐ポリカーボネート樹脂に使用される三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、および4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノールが好適に例示される。その他多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、並びにトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が例示される。中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンおよび1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
分岐ポリカーボネート樹脂における多官能性芳香族化合物から誘導される構成単位は、二価フェノールから誘導される構成単位とかかる多官能性芳香族化合物から誘導される構成単位との合計100モル%中、好ましくは0.03〜1モル%、より好ましくは0.07〜0.7モル%、特に好ましくは0.1〜0.4モル%である。
また、かかる分岐構造単位は、多官能性芳香族化合物から誘導されるだけでなく、溶融エステル交換反応時の副反応の如き、多官能性芳香族化合物を用いることなく誘導されるものであってもよい。尚、かかる分岐構造の割合についてはH−NMR測定により算出することが可能である。
脂肪族の二官能性のカルボン酸は、α,ω−ジカルボン酸が好ましい。脂肪族の二官能性のカルボン酸としては例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、およびイコサン二酸などの直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸、並びにシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸が好ましく挙げられる。二官能性アルコールとしては脂環式ジオールがより好適であり、例えばシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、およびトリシクロデカンジメタノールなどが例示される。
さらにポリオルガノシロキサン単位を共重合した、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法である界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などの反応形式は、各種の文献および特許公報などで良く知られている方法である。
本発明の樹脂組成物を製造するにあたり、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、特に限定されないが、好ましくは1.4×10〜3×10であり、より好ましくは1.8×10〜3×10であり、さらに好ましくは1.8×10〜2.4×10である。粘度平均分子量が1.4×10未満のポリカーボネート樹脂では、実用上十分な靭性や割れ耐性が得られない場合がある。一方、粘度平均分子量が3×10を超えるポリカーボネート樹脂から得られる樹脂組成物は、概して高い成形加工温度を必要とするか、または特殊な成形方法を必要とすることから汎用性に劣る。高い成形加工温度は、樹脂組成物の変形特性やレオロジー特性の低下を招きやすい。
なお、上記ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が上記範囲外のものを混合して得られたものであってもよい。殊に、上記値(3×10)を超える粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、本発明の樹脂組成物の溶融張力を増加させ、かかる特性に基づいて押出成形、発泡成形およびブロー成形における成形加工性を改善できる。かかる改善効果は、上記分岐ポリカーボネートよりもさらに良好である。
より好適な態様としては、A成分が粘度平均分子量7×10〜2×10のポリカーボネート樹脂(A−3−1成分)、および粘度平均分子量1×10〜3×10のポリカーボネート樹脂(A−3−2成分)からなり、その粘度平均分子量が1.6×10〜3×10であるポリカーボネート樹脂(A−3成分)(以下、“高分子量成分含有ポリカーボネート樹脂”と称することがある)も使用できる。
かかる高分子量成分含有ポリカーボネート樹脂(A−3成分)において、A−3−1成分の分子量は7×10〜3×10が好ましく、より好ましくは8×10〜2×10、さらに好ましくは1×10〜2×10、特に好ましくは1×10〜1.6×10である。またA−3−2成分の分子量は1×10〜2.5×10が好ましく、より好ましくは1.1×10〜2.4×10、さらに好ましくは1.2×10〜2.4×10、特に好ましくは1.2×10〜2.3×10である。
高分子量成分含有ポリカーボネート樹脂(A−3成分)は上記A−3−1成分とA−3−2成分を種々の割合で混合し、所定の分子量範囲を満足するよう調整して得ることができる。好ましくは、A−3成分100重量%中、A−3−1成分が2〜40重量%およびA−3−2成分が60〜98重量%であり、より好ましくはA−3−1成分が5〜20重量%およびA−3−2成分が80〜95重量%である。通常ポリカーボネート樹脂の分子量分布は2〜3の範囲である。したがって、本発明のA−3−1成分およびA−3−2成分においてもかかる分子量分布の範囲を満足することが好ましい。尚、かかる分子量分布は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定により算出される数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)で表されるものであり、該MnおよびMwは標準ポリスチレン換算によるものである。
また、A−3成分の調製方法としては、(1)A−3−1成分とA−3−2成分とを、それぞれ独立に重合しこれらを混合する方法、(2)特開平5−306336号公報に示される方法に代表される、GPC法による分子量分布チャートにおいて複数のポリマーピークを示す芳香族ポリカーボネート樹脂を同一系内において製造する方法を用い、かかる芳香族ポリカーボネート樹脂を本発明のB−1成分の条件を満足するよう製造する方法、および(3)かかる製造方法((2)の製造法)により得られた芳香族ポリカーボネート樹脂と、別途製造されたA−3−1成分および/またはA−3−2成分とを混合する方法などを挙げることができる。
本発明でいう粘度平均分子量は、まず、次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
尚、本発明の樹脂組成物における粘度平均分子量の算出は次の要領で行なわれる。すなわち、該組成物を、その20〜30倍重量の塩化メチレンと混合し、組成物中の可溶分を溶解させる。かかる可溶分をセライト濾過により採取する。その後得られた溶液中の溶媒を除去する。溶媒除去後の固体を十分に乾燥し、塩化メチレンに溶解する成分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、上記と同様にして20℃における比粘度を求め、該比粘度から上記と同様にして粘度平均分子量Mを算出する。
(B成分:ポリオレフィン系樹脂)
本発明の樹脂組成物はB成分としてポリオレフィン系樹脂を含有する。ポリオレフィン系樹脂は、ラジカル重合性二重結合を有するオレフィン系単量体を重合又は共重合させてなる合成樹脂である。オレフィン系単量体としては、特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンや、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンなどが挙げられる。オレフィン系単量体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンの単独重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、ブテンの単独重合体、ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体又は共重合体などが挙げられ、プロピレンの単独重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。更に好ましくは、プロピレンの単独重合体である。ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
B成分の配合量は、A成分とB成分との合計100重量部中、5〜95重量部、好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは20〜90重量部である。B成分が95重量部を超えると、耐熱性の改良効果が小さく、5重量部未満では流動性、剥離性および耐溶剤性が悪い。
(C成分:重合性モノマー)
本発明の樹脂組成物はC成分として重合性モノマーを含有する。本願発明で使用される重合性モノマーは、溶融混練前においてはポリカーボネート樹脂と相溶し、溶融混練中に重合することが必要である。溶融混練前においてポリカーボネート樹脂と相溶しない場合は、ポリカーボネート樹脂とポリオレフィン樹脂との混練性が悪くなり、層状剥離が生じ、強度が低下する。溶融混練中に重合しない場合はポリカーボネート樹脂のガラス転移温度を低下させるので耐熱性が悪化する。
重合性モノマーは1分子内に2つ以上の2重結合を持つことを特徴とし、アクリル系およびメタクリル系のモノマー、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどでも多少の効果はあるが、比較的低濃度で高い架橋度を得るには、アリル基を含有するモノマー、特にアリル基を2つ以上含有するモノマーが好ましい。
アリル基を含有するモノマーとしては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、トリメタアリルシアヌレート、ジアリルアミン、トリアリルアミン、ジアリルクロレンテート、ジアリルアセテート、トリアリルアセテート、ジアリルベンゼン、トリアリルベンゼン、ジアリルジプロピルイソシナヌレート、ジアリルオクチルオキサレート、ジアリルアジペート、ジアリルカーボネート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルフマレート、ジアリルマロネート、ジアリルオキサレート、ジアリルセバネート、ジアリルサクシネート、ジアリルタトレート、ジアリルイソシアヌレート、ジメチルジアリルフタレート、エチルアリルマレート、メチルアリルフマレート等が挙げられる。特に、その中でも、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、トリアリルシアヌレートが好ましく、特に好ましくは、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレートである。
C成分の含有量はA成分とB成分との合計100重量部に対し、0.5〜95重量部であり、0.6〜70重量部が好ましく、1.0〜50重量部がより好ましい。含有量が0.5重量部未満であると、層状剥離が発生して延性の改善効果が不十分となり、95重量部を超えると、重合性モノマーがゲル化し、外観不良や機械強度が低下する。
さらに、本発明の樹脂組成物中における重合性モノマーの含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、10〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜80重量部、さらに好ましくは10〜50重量部である。重合性モノマーの含有量が10重量部未満では、層状剥離が発生し、延性の改善効果が不十分となる場合がある。100重量部を超えると、重合性モノマーがゲル化するため、押出によるペレット化ができなかったり、外観不良や機械強度が低下する。
(D成分:硬化剤)
本発明の樹脂組成物はD成分として硬化剤を含有する。硬化剤としては有機過酸化物が好ましく使用される。有機過酸化物としては、具体的には、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ハレレート、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、p−メタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ジイソブチリルパーオキサイド、ジ(3,3,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド、ジサクサイニック酸パーオキサイド、ジ−(3−メチルベンゾイルパーオキサイド)、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、α、α´−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカーボニルベンゾフェノン)、2,3−ジメチル−2,3−ジヘニルブタンなどが挙げられる。その中でも、ジクミルパーオキサイド、α、α´−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゾエートが好ましく、特に好ましくは、ジクミルパーオキサイドである。
D成分の含有量はC成分100重量部に対し、0.5〜10重量部であり、好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは1〜5重量部である。A成分がマトリックスとなる場合、D成分の含有量が0.5重量部未満では層状剥離が生じるとともに、C成分の可塑化効果によって流動性は向上するものの、耐熱性が著しく低下する。一方、B成分がマトリックスとなる場合では同様に層状剥離が生じるのとともに、流動性および耐熱性の改良効果が得られない。D成分の含有量が10重量部を超えると重合性モノマーとの反応が速くなるため重合性モノマーがゲル化し、外観不良や機械強度が低下する。
(その他の添加剤について)
また、本発明の組成物は必要に応じてさらに、無機充填剤、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの添加剤を含んでいてもよい。
(熱可塑性樹脂組成物の製造)
本発明の組成物は、各成分を溶融混練して得られ、特に、高混練の二軸押し出し機を用いて溶融混練して製造されることが好ましい。以下、その製造方法について説明する。
本発明の組成物は、
1)供給機を用いて各種成分を二軸押出し機に供給する工程(工程1)、
2)二軸押出し機のシリンダーおよびダイ設定温度180〜300℃に設定して、前記二軸押出し機内を真空脱気装置で真空脱気しながら溶融混練する工程(工程2)
を経て製造されることが好ましい。
工程1において、各成分は予めタンブラーもしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、供給機に供給してもよい。供給機とは、一定量の原料を、二軸押出し機(以下「混練装置」という)に供給しうる装置であり、混練装置に装備される。供給機の例には、定量フィーダー、一軸押出し機、または混練装置とは異なる二軸押出し機が含まれる。
工程2の溶融混練においては、混練装置のシリンダーおよびダイの設定温度は180〜300℃とすることが好ましく、190〜270℃とすることがより好ましい。また、溶融混練の時間は、各成分の配合割合、溶融混練温度等により異なり一概には限定されるものではないが、1〜30分程度とすることが好ましい。本工程における混練装置は、高混練の二軸押出し機であることが好ましい。
(本発明の樹脂組成物からなる成形品について)
本発明における樹脂組成物は、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、中空成形、回転成形、トランスファー成形、熱プレス成形、チューブ成形等の周知の加工方法により、射出成形体、押し出し成形体、ブロー成形体、中空成形体、回転成形体、トランスファー成形体、プレス成形体、チューブ成形体等に成形することができる。また、上記本発明の樹脂組成物を、例えば、Tダイから溶融樹脂を押出し巻き取るTダイ法、環状ダイスを設置した押出し機から溶融樹脂を円筒状に押出し、冷却し巻き取るインフレーション成膜法、あるいは、熱プレス法や溶媒キャスト法により、フィルムまたはシートとして成形品を得ることもできる。
本発明の組成物は、延性、耐熱性、耐溶剤性に優れ、しかも安価である。そのため、本発明の組成物は、電気・電子機器部品、家電部品、OA機器部品、または自動車内外装部品として好適である。自動車内外装部品の例には、自動車外板、ドア、ドアトリム、クォータートリム、バンパー、インスツルメンツパネル、フロントエンドモジュール、エアバッグ周辺部品、コックピット、ファンシュラウド、ラジエータークーリングファン、リザーブタンク、自動車用ホイールカバー、カウジング、ウインドウオッシャー液タンク、スポイラー、インスツルメントパネル、ボンネット、燃料ポンプハウジング、エアクリーナー、スロットボディ、インテークマニフィールド、ヒーターハウジング、ボンネット、ピラー、安全ベルト部品などの自動車部品が含まれる。中でも、自動車外板、ドア、バンパー、自動車用ホイールカバー、ドア、ドアトリム、ピラー、インスツルメンツパネル、エアバッグ周辺部品が、特に好ましい。その他にも、本発明の組成物は、電気・電子部品、家電部品、包装材、建築用内装材、コンテナ、フィルム、シート、ボトル、ハウジング、機械部品などへ幅広く適用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、層状剥離がなく、延性、耐熱性、耐溶剤性などに優れる。よって本発明の熱可塑性樹脂組成物は、自動車用途、電気電子用途、その他の各種分野において幅広く有用である。従って本発明の奏する産業上の効果は極めて大である。
本発明者が現在最良と考える発明の形態は、上記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
以下に実施例を挙げてさらに説明する。なお、評価は下記の方法によって実施した。
(i)メルトフローレイト(MFR)
ISO1133に準拠して230℃、5kg荷重にてMFR(g/10min)を測定した。なお、測定には、ペレットを100℃で8時間乾燥させたものを使用した。
(ii)引張特性(破壊ひずみ、破壊強度)
ISO527に準拠して引張速度100mm/minで測定した。試験片はダンベル型試験片を用い、平行部形状は、長さ25mm×幅4mm×厚み2mmであった。
(iii)荷重たわみ温度
ISO75に準拠して0.45MPa荷重にて荷重たわみ温度(℃)を測定した。試験片形状は、長さ80mm×幅10mm×厚み4mmであった。
(iv)剥離試験
縦50mm×横45mm×厚さ2mmの試験片にカッターで1mm角の格子を100個碁盤目状に切り込み、ついでセロハンテープを碁盤目上に貼り付け、剥離したときのサンプル表面の剥離の有無で評価した。
(v)耐溶剤性試験
長さ80mm×幅10mm×厚み4mmの試験片を23℃の溶剤(アセトン)中に12時間浸漬した後、溶剤から取り出し、試験片に付着している溶剤をウェスに染み込ませた。浸漬した試験片の表面を目視で観察し、外観に異常が見られないものを○、外観に異常が見られるものを×とした。
[実施例1〜8、比較例1〜8]
表1および表2記載の配合割合からなる樹脂組成物を以下の要領で作成した。表1および表2に示す組成でポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、重合性モノマー、および硬化剤を、径30mmφのベント式二軸押出機[(株)日本製鋼所製TEX30XSST]に供給し、シリンダー温度250℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量20kg/h、およびベント減圧度3kPaで溶融押出してペレット化した。スクリュー構成はサイドフィーダー以前に第1段のニーディングゾーン(送りのニーディングディスク×2、送りのローター×1、戻しのローター×1および戻しニーディングディスク×1から構成される)を、サイドフィーダー以後に第2段のニーディングゾーン(送りのローター×1、および戻しのローター×1から構成される)を設けてあった。
なお、硬化剤のD−1は第2供給口からサイドフィーダーを用いて供給し、残りの成分はタンブラーで予備混合して第1供給口から供給した。
得られたペレットを100℃で8時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機を用いて評価用の試験片を成形した。射出成形機は日精樹脂工業(株)製:NP7型Real Miniを使用し、成形条件は、シリンダー温度230℃、金型温度50℃とした。各評価結果を表1および表2に示した。
なお、表1および表2中記号表記の各成分は下記の通りである。
(A成分)
A−1:ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製パンライトL−1225WX(製品名)、Mv=19,700]
A−2: ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製パンライトL−1250WP(製品名)、Mv=23,900]
(B成分)
B−1:ホモポリプロピレン樹脂[住友化学(株)製ノーブレンH501(製品名)、MFR(230℃、2.16kg荷重)=2.0g/10min、比重0.9]
(C成分)
C−1:ジアリルフタレート[ダイソー(株)製ダイソーダップ(製品名)]
C−2:トリアリルシアヌレート[和光純薬(株)製試薬]
(D成分)
D−1:ジクミルパーオキサイド[日油(株)製パークミルD(製品名)、1分間半減期温度=175℃]
D−2:α、α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン[日油(株)製パーブチルP(製品名)、1分間半減期温度=175℃]
Figure 0006034202

Figure 0006034202
実施例1〜8および比較例1〜8より、ポリカーボネート樹脂、重合性モノマー、ポリオレフィン系樹脂および硬化剤からなる熱可塑性樹脂組成物が、成形性、延性、耐熱性、耐溶剤性、剥離性に優れることは明らかである。

Claims (4)

  1. (A)ポリカーボネート樹脂(A成分)95〜5重量部、および(B)ポリオレフィン系樹脂(B成分)5〜95重量部からなる樹脂成分100重量部に対し、(C)アリル基を2つ以上含有する重合性モノマー(C成分)〜95重量部、並びに重合性モノマー100重量部に対し、(D)硬化剤(D成分)0.5〜10重量部を溶融混練してなる熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、上記重合性モノマーが、溶融混練前においてはポリカーボネート樹脂と相溶し、溶融混練中に重合することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法
  2. 重合性モノマーの含有量が、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、10〜100重量部であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法
  3. ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が1.4×10〜3×10であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法
  4. 硬化剤が有機過酸化物であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法
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