JP6033651B2 - プラズマ発生体及びプラズマ発生装置 - Google Patents

プラズマ発生体及びプラズマ発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマ発生体及びプラズマ発生装置に関する。
プラズマ発生体は、有害ガス等のガスの改質、半導体ウェハ等の加工、光源等の種々の用途に利用されている。
特許文献1では、放電空間(貫通孔)が形成された誘電体と、当該誘電体に埋設され、放電空間を挟んで対向する1対の電極とを有するプラズマ発生体が開示されている。当該プラズマ発生体では、1対の電極間に電圧が印加されることにより、放電空間においてプラズマが発生する。
また、特許文献2では、平板状の誘電体と、当該誘電体の主面に設けられた1対の電極とを有するイオン風発生体(プラズマ発生体)が開示されている。このイオン風発生体では、1対の電極間に電圧が印加されることにより、誘電体の主面においてプラズマが発生し、ひいては当該主面に沿って流れるイオン風が発生する。
特開2008−117532号公報 特開2008−290711号公報
特許文献1の技術では、放電空間が狭くなると、放電空間内の流体の圧力損失が大きくなり、流速が低下する。その結果、例えば、放電空間にガスを供給して当該ガスの改質を行う場合において、ガスの処理効率が低下する。
特許文献2は、翼周りの流れの制御に関する技術であり、放電空間にプラズマを発生させるものではない。また、仮に、特許文献2の誘電体の主面によって放電空間の内周面を構成したとしても、特許文献2の技術では、誘電体の主面近傍においてしかプラズマを発生させることができないから、放電空間が広くなると、放電空間全体にプラズマが充満しない。その結果、例えば、放電空間にガスを供給して当該ガスの改質を行う場合において、ガスの処理効率が低下する。
本発明の目的は、放電空間におけるプラズマの分布及び流れを好適化できるプラズマ発生体及びプラズマ発生装置を提供することにある。
本発明の第1の観点に係るプラズマ発生体は、放電空間内の流れ方向に交差する方向において前記放電空間を挟んで対向する第1誘電部及び第2誘電部と、前記第1誘電部の前記放電空間側に設けられた第1上流側電極と、前記第1誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第1上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第1下流側電極と、前記第2誘電部の前記放電空間側に設けられた第2上流側電極と、前記第2誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第2上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第2下流側電極と、前記放電空間内に位置し、前記第1下流側電極及び前記第2下流側電極に対向する中間電極と、を有する。
好適には、前記プラズマ発生体は、前記放電空間内に位置し、前記中間電極が埋設された第3誘電部を更に有する。
好適には、前記第3誘電部は、前記中間電極に対して前記第1誘電部側となる部分の厚みと、前記中間電極に対して前記第2誘電部側となる部分の厚みとが互いに異なる。
好適には、前記第3誘電部は、前記中間電極に対して前記第1誘電部側となる部分の誘電率と、前記中間電極に対して前記第2誘電部側となる部分の誘電率とが互いに異なる。
好適には、前記中間電極と前記第1下流側電極との距離と、前記中間電極と前記第2下流側電極との距離とが互いに異なる。
本発明の第2の観点に係るプラズマ発生体は、放電空間内の流れ方向に交差する方向において前記放電空間を挟んで対向する第1誘電部及び第2誘電部と、前記第1誘電部の前記放電空間側に設けられた第1上流側電極と、前記第1誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第1上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第1下流側電極と、前記第2誘電部の前記放電空間側に設けられた第2上流側電極と、前記第2誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第2上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第2下流側電極と、前記放電空間内に位置する第3誘電部と、前記第3誘電部に埋設され、前記第1上流側電極及び前記第2上流側電極に対向する中間電極と、を有する。
本発明の第3の観点に係るプラズマ発生装置は、プラズマ発生体と、前記プラズマ発生体に電圧を印加する電源装置と、を有し、前記プラズマ発生体は、放電空間内の流れ方向に交差する方向において前記放電空間を挟んで対向する第1誘電部及び第2誘電部と、前記第1誘電部の前記放電空間側に設けられた第1上流側電極と、前記第1誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第1上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第1下流側電極と、前記第2誘電部の前記放電空間側に設けられた第2上流側電極と、前記第2誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第2上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第2下流側電極と、前記放電空間内に位置し、前記第1下流側電極及び前記第2下流側電極に対向する中間電極と、を有し、前記電源装置は、前記第1上流側電極と前記第1下流側電極との間、前記第2上流側電極と前記第2下流側電極との間、前記第1下流側電極と前記中間電極との間、及び、前記第2下流側電極と前記中間電極との間に交流電圧を印加する。
好適には、前記電源装置は、前記第1上流側電極、前記第2上流側電極及び前記中間電極を同電位とし、前記第1下流側電極及び前記第2下流側電極を同電位とする。
好適には、前記電源装置は、前記第1下流側電極と前記第2下流側電極との間にも交流電圧を印加する。
上記の構成によれば、放電空間におけるプラズマの分布及び流れを好適化できる。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るプラズマ発生体の外観を示す斜視概略図、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線における断面概略図。 本発明の第2の実施形態に係るプラズマ発生装置の断面概略図。 本発明の第3の実施形態に係るプラズマ発生装置の断面概略図。 本発明の第4の実施形態に係るプラズマ発生装置の断面概略図。 本発明の第5の実施形態に係るプラズマ発生装置の断面概略図。 本発明の第6の実施形態に係るプラズマ発生装置の断面概略図。
以下、本発明の複数の実施形態に係るプラズマ発生体及びプラズマ発生装置について、図面を参照して説明する。各実施形態の説明において、既に説明された実施形態の構成と共通又は類似する構成について、既に説明された実施形態と共通の符号を用い、また、図示や説明を省略することがある。
また、互いに同様又は類似する構成について、名称の頭に「第1」及び「第2」等の番号を付すと共に、その符号に「A」及び「B」等の大文字のアルファベットを付し、また、これら番号及びアルファベットを省略することがある。
<第1の実施形態>
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るプラズマ発生体1の外観を示す斜視概略図であり、図1(b)は、プラズマ発生体1を含むプラズマ発生装置51を示す、図1(a)のIb−Ib線における断面概略図である。
なお、プラズマ発生体1は、いずれの方向が上方、下方とされてもよいものである。以下では、直交座標系xyzを定義して、xyzを参照して方向を特定することがある。
プラズマ発生装置51は、プラズマ発生体1と、プラズマ発生体1に電圧を印加してプラズマ発生体1にプラズマを発生させる電源装置53(図1(b))と、電源装置53を制御する制御装置55(図1(b))とを有している。
プラズマ発生体1は、誘電体3と、誘電体3に設けられた複数の電極とを有している。複数の電極は、イオン風の発生に供される第1上流側電極5A及び第2上流側電極5B、イオン風の発生及びプラズマの発生に供される第1下流側電極7A及び第2下流側電極7B(図1(b))、並びに、プラズマの発生に供される中間電極9(図1(b))である。プラズマ発生体1は、この他、各電極と電源装置53とを接続するための配線等を有していてもよい。
誘電体3には、x方向に貫通する貫通孔が形成されており、当該貫通孔は放電によってプラズマを発生させるための放電空間11となっている。また、放電空間11は、その貫通方向の一方側(x方向の正側)へ流れるイオン風の発生にも利用される。放電空間11は、イオン風の下流側(x方向の正側)において、厚み方向(z方向)に分岐されている。
別の観点では、誘電体3は、放電空間11内の流れ方向に交差する方向において放電空間11を挟んで対向する第1誘電部15A及び第2誘電部15Bと、放電空間11内に位置する第3誘電部15Cとを有している。そして、放電空間11の下流側部分は、第3誘電部15Cによって第1分岐路13Aと第2分岐路13Bとに仕切られている。
誘電体3の外形及び放電空間11の形状は、適宜に設定されてよい。図1の例では、誘電体3の外形は直方体とされており、放電空間11の形状(第3誘電部15Cを考慮しないときの形状)は直方体とされており、各分岐路13の形状は直方体とされている。別の観点では、第1誘電部15A、第2誘電部15B及び第3誘電部15Cは、それぞれ厚みが一定の平板状とされており、互いに平行に配置されている。
誘電体3は、例えば、z方向において面対称の形状とされている。従って、第3誘電部15Cは、z方向において、放電空間11の中央に位置しており、第1分岐路13A及び第2分岐路13Bの形状及び大きさは互いに同一である。
誘電体3は、無機絶縁物により形成されてもよいし、有機絶縁物により形成されてもよい。無機絶縁物としては、例えば、セラミック、ガラスが挙げられる。セラミックとしては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、ガラスセラミック焼結体(ガラスセラミックス)、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、コーディライト焼結体、炭化珪素質焼結体が挙げられる。有機絶縁物としては、例えば、ポリイミド、エポキシ、ゴムが挙げられる。誘電体3は、その全体が同一材料により一体的に形成されていてもよいし、異なる材料により形成された部材が互いに固定されて形成されていてもよい。
上流側電極5、下流側電極7及び中間電極9それぞれは、例えば、厚さが一定の平板状(層状)に形成されている。その平面形状は、例えば、矩形とされている。これらの電極の幅(y方向における長さ)は、例えば、放電空間11の幅と同等とされ、互いに同一とされている。
第1上流側電極5Aは、第1誘電部15Aの放電空間11側に設けられている。より詳細には、例えば、第1上流側電極5Aは、第1誘電部15Aの放電空間11側の表面に重ねられている。従って、上流側電極5は、放電空間11に露出している。同様に、第2上流側電極5Bは、第2誘電部15Bの放電空間11側に設けられ、放電空間11に露出している。第1上流側電極5A及び第2上流側電極5Bの形状及び位置は、例えば、z方向において面対称とされている。
第1下流側電極7Aは、第1誘電部15Aに埋設され、また、第1上流側電極5Aに対して下流側にずれている。同様に、第2下流側電極7Bは、第2誘電部15Bに埋設され、また、第2上流側電極5Bに対して下流側にずれている。第1下流側電極7A及び第2下流側電極7Bの形状及び位置は、例えば、z方向において面対称とされている。
なお、本願において、下流側電極が上流側電極に対して下流側にずれているというとき、下流側電極は、上流側電極の下流側縁部よりも下流側に位置する部分を有していればよいものとする。換言すれば、下流側電極7は、その上流側部分が、平面視において(z方向に見て)、上流側電極5に重ならないように隣接していてもよいし、上流側電極5の下流側の一部又は上流側電極の全部に重なっていてもよいし、上流側電極から下流側に離れていてもよい。
下流側電極7は、例えば、第1誘電部15A又は第2誘電部15Bの放電空間11側の表面に平行に配置されている。また、下流側電極7は、例えば、流れ方向(x方向)において上流側電極5よりも大きく形成されている。
中間電極9は、第3誘電部15Cに埋設されている。換言すれば、中間電極9は、放電空間11内に位置している。中間電極9は、例えば、第3誘電部15Cの中央に位置している。従って、第3誘電部15Cにおいて、中間電極9に対して第1誘電部15A側となる部分の厚みと、中間電極9に対して第2誘電部15B側となる部分の厚みとは同一である。
中間電極9は、下流側電極7と分岐路13を挟んで対向している。中間電極9と第1下流側電極7Aとの距離、中間電極9と第2下流側電極7Bとの距離は、例えば、互いに同一である。また、中間電極9の流れ方向(x方向)の大きさは、例えば、下流側電極7よりも小さい。そして、中間電極9は、例えば、下流側電極7の下流側部分と対向している。
上流側電極5、下流側電極7及び中間電極9は、金属等の導電性材料により形成されている。金属としては、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム、白金、ニッケル、コバルトまたはこれらを主成分とする合金が挙げられる。
電源装置53は、第1上流側電極5Aと第1下流側電極7Aとの間、第2上流側電極5Bと第2下流側電極7Bとの間、第1下流側電極7Aと中間電極9との間、及び、第2下流側電極7Bと中間電極9との間に交流電圧を印加する。好適には、第1上流側電極5A、第2上流側電極5B及び中間電極9は同電位とされ、第1下流側電極7A及び第2下流側電極7Bは同電位とされる。
電源装置53により印加される交流電圧は、正弦波等により表わされる、電位が連続的に変化するものであってもよいし、パルス状の、電位の変化が不連続なものであってもよい。また、交流電圧は、1対の電極の双方において基準電位に対して電位が変動するものであってもよいし、1対の電極の一方が基準電位に接続され、他方においてのみ電位が基準電位に対して変動するものであってもよい。電位の変動は、基準電位に対して正及び負の双方に変動するものであってもよいし、基準電位に対して正及び負の一方のみに変動するものであってもよい。
制御装置55は、例えば、電源装置53による電圧印加のON・OFF、並びに、電源装置53による電圧印加における電圧値及び周波数を制御する。
なお、誘電体3、上流側電極5、下流側電極7及び中間電極9の各部寸法、各種電極の埋設深さ等の位置、並びに、交流電圧の大きさ及び周波数は、プラズマ発生装置51(プラズマ発生体1)が適用される技術分野、要求されるプラズマ量等の種々の事情に応じて適宜に設定されてよい。
プラズマ発生体1の製造方法は、例えば、多層基板の製造方法と同様の製造方法とされてよい。誘電体3が複数のセラミックグリーンシートを高さ方向(z方向)に積層して焼成したセラミック焼結体により構成される場合を例にとると、以下のとおりである。
まず、複数のセラミックグリーンシートを用意する。セラミックグリーンシートは、例えば、スラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法等によりシート状に成形することによって形成される。スラリーは、原料粉末に適当な有機溶剤及び溶媒を添加混合して作製される。原料粉末は、アルミナセラミックを例にとると、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、カルシア(CaO)及びマグネシア(MgO)等である。
次に、複数のセラミックグリーンシートのうち一部のセラミックグリーンシートに、放電空間11となる空所をパンチング若しくはレーザ加工等により形成する。また、複数のセラミックグリーンシートのうち一部のセラミックグリーンシートに、各種電極となる導電ペーストを設ける。例えば、第1誘電部15Aは、2以上のセラミックグリーンシートが積層されて形成され、その重ね合わされる面に下流側電極7となる導電ペーストが設けられる。
導電ペーストは、例えば、タングステン、モリブデン、銅または銀等の金属粉末に有機溶剤及び有機バインダを添加し混合することによって作製される。導電ペーストは、必要に応じて分散剤や可塑剤などが添加されていてもよい。混合は、例えば、ボールミル、三本ロールミル、またはプラネタリーミキサー等の混練手段により行われる。また、導電ペーストは、例えば、スクリーン印刷法等の印刷手段を用いてセラミックグリーンシートに印刷塗布される。
そして、複数のセラミックグリーンシートを積層し、導電ペースト及びセラミックグリーンシートを同時焼成する。これにより、各種電極が埋設若しくは表面に形成されるとともに放電空間11が形成された誘電体3、すなわち、プラズマ発生体1が形成される。
以下では、プラズマ発生体1の作用を説明する。
プラズマ発生体1は、空気、処理対象のガス若しくはその他の適宜なガスが放電空間に充満している状態で使用される。なお、処理対象のガスは、例えば、窒素酸化物(NOx)、フロン、CO、揮発性有機溶剤(VOC)、又は、これらを含む空気である。自動車の排ガスは、窒素酸化物(NOx)を含むガスとしてよく知られている。
第1上流側電極5A及び第1下流側電極7Aに電圧が印加されると、第1誘電部15Aの放電空間11側の表面近傍には電界が形成される。そして、その電界の強度が所定の放電開始電界強度を超えると誘電体バリア放電が開始され、プラズマが発生する。
このプラズマ中の電子又はイオンは、第1上流側電極5A及び第1下流側電極7Aにより形成された電界により移動する。また、中性分子も電子又はイオンに随伴して移動する。これにより、放電空間11をその貫通方向に流れるイオン風が誘起される。
より具体的には、第1上流側電極5Aが露出し、第1下流側電極7Aが誘電体3内に埋設されていることから、第1上流側電極5Aから第1下流側電極7A側に誘電体バリア放電が生じ、矢印y1で示すように、第1上流側電極5A側から第1下流側電極7A側へ流れるイオン風が生じる。
同様に、第2上流側電極5B及び第2下流側電極7Bに電圧が印加されると、矢印y2で示すように、第2誘電部15Bの放電空間11側の表面近傍において、第2上流側電極5B側から第2下流側電極7B側へ流れるイオン風が生じる。
また、第1下流側電極7A及び中間電極9に電圧が印加されると、点線r1で示す、第1下流側電極7Aと中間電極9との対向領域(本実施形態では第1分岐路13Aと略一致)には電界が形成される。そして、その電界の強度が所定の放電開始電界強度を超えると誘電体バリア放電が開始され、プラズマが発生する。第1下流側電極7A及び中間電極9は、第1分岐路13Aを挟んで対向していることから、プラズマは、第1分岐路13Aにおける高さ方向(z方向)の全体に亘って発生、充満する。
同様に、第2下流側電極7B及び中間電極9に電圧が印加されると、点線r2で示す、第2下流側電極7Bと中間電極9の対向領域(本実施形態では第2分岐路13Bと略一致)においてプラズマが発生する。
以上のとおり、本実施形態では、プラズマ発生体1は、放電空間11内の流れ方向に交差する方向において放電空間11を挟んで対向する第1誘電部15A及び第2誘電部15Bと、第1誘電部15Aの放電空間11側に設けられた第1上流側電極5Aと、第1誘電部15Aの内部に設けられ、第1上流側電極5Aに対して下流側にずれている第1下流側電極7Aと、第2誘電部15Bの放電空間11側に設けられた第2上流側電極5Bと、第2誘電部15Bの内部に設けられ、第2上流側電極5Bに対して下流側にずれている第2下流側電極7Bと、放電空間11内に位置し、第1下流側電極7A及び第2下流側電極7Bに対向する中間電極9と、を有している。
従って、放電空間11が大きくても、下流側電極7及び中間電極9の放電により、放電空間11にプラズマを充満させることができ、その一方で、放電空間11が小さくても、上流側電極5及び下流側電極7により、放電空間11の内周面近傍においてイオン風を発生させ、圧力損失による流速低下を補償することができる。すなわち、種々の大きさの放電空間において好適にプラズマを充満させつつ流れさせることができる。その結果、例えば、プラズマ発生体1の設計の自由度を向上させたり、放電空間11にてガスを効率的にプラズマ処理したりすることができる。しかも、下流側電極7がイオン風の発生と、分岐路13全体に亘るプラズマの発生とに兼用されることから、構成が簡素である。
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態に係るプラズマ発生装置251の構成を示す図1(a)と同様の断面図である。
プラズマ発生装置251のプラズマ発生体201は、第3誘電部215Cの構成のみが第1の実施形態のプラズマ発生体1と相違する。具体的には、以下のとおりである。
中間電極9は、z方向において、第3誘電部215Cの中央に位置しておらず、第2誘電部15B側に偏っている。すなわち、第3誘電部215Cのうち、中間電極9に対して第2誘電部15B側となる第2誘電層216bは、中間電極9に対して第1誘電部15A側となる第1誘電層216aに対して、薄くなっている。
なお、第1下流側電極7A及び第2下流側電極7Bに対する中間電極9の位置は、例えば、上記の偏りの分、第2下流側電極7B側に偏っている。ただし、中間電極9は、第1下流側電極7Aと第2下流側電極7Bとの中間に位置してもよい。この場合は、第2誘電層216bが第1誘電層216aよりも薄くなったことに対応して、第2分岐路213Bは、第1分岐路213Aよりも厚み方向(z方向)において大きくなる。
第2誘電層216bが第1誘電層216aよりも薄くなっていることにより、第2分岐路213Bにおいては、第1分岐路213Aに比較して、プラズマが強くなる、又は、低電圧で放電が生じる。
従って、例えば、z方向の正側が鉛直上方である場合において、改質対象のガスのうち、改質されにくく軽い成分が第2分岐路213Bに流れ込み、改質されやすく重い成分が第1分岐路213Aに流れ込むような場合において、ガス全体を効率的に改質することができる。
また、本実施形態の第3誘電部215Cにおいては、第2誘電層216bの誘電率は、第1誘電層216aの誘電率よりも高くなっている。例えば、第3誘電部215Cの材料としては、シリカ(SiO、比誘電率:3〜4)、アルミナ(Al、比誘電率:8〜11)、二酸化チタン(TiO、比誘電率:83〜183)、チタン酸バリウム(BaTiO、比誘電率:1200〜3000)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、比誘電率:300)、チタン酸カルシウム(CaTiO、比誘電率:200)、チタン酸バリウムストロンチウム(Ba1−xSrTiO、比誘電率:800〜1500)、チタン酸バリウムカルシウム(Ba1−xCaTiO、比誘電率:600〜1200)を挙げることができ、これらのうち一つは、第1誘電層216aの材料とされ、当該材料よりも誘電率が高い他の一つは第2誘電層216bの材料とされてよい。
このように誘電率が設定されることにより、第2分岐路213Bにおいては、第1分岐路213Aに比較して、プラズマが強くなる、又は、低電圧で放電が生じる。従って、上述した第1誘電層216a及び第2誘電層216bの厚みの相違による効果と同様の効果が奏される。
なお、誘電率を互いに異ならせる方法は、厚みを互いに異ならせる方法に比較して、例えば、中間電極9と下流側電極7との距離、及び、第1分岐路213A及び第2分岐路213Bの大小関係とは独立してプラズマの強度等を調整可能なメリットがある。一方、厚みを互いに異ならせる方法は、誘電率を互いに異ならせる方法に比較して、例えば、2種の材料を用意する必要が無いというメリットがある。
<第3の実施形態>
図3は、第3の実施形態に係るプラズマ発生装置351の構成を示す図1(a)と同様の断面図である。
プラズマ発生装置351のプラズマ発生体301は、第3誘電部15C(中間電極9)の位置のみが第1の実施形態のプラズマ発生体1と相違する。具体的には、以下のとおりである。
第3誘電部15Cは、放電空間311において、第2誘電部15B側へ偏って配置されている。従って、中間電極9と第2下流側電極7Bとの距離は、中間電極9と第1下流側電極7Aとの距離よりも短くなっている。
従って、第2分岐路313Bにおいては、第1分岐路313Aに比較して、プラズマが強くなる、又は、低電圧で放電が生じる。従って、第2の実施形態と同様の効果が奏される。相対的に狭い第2分岐路313Bにおいて相対的に強いプラズマを発生させることによって、より集中的に第2分岐路313Bにおいてガスの改質処理が行われることも期待される。
<第4の実施形態>
図4は、第4の実施形態に係るプラズマ発生装置451の構成を示す図1(a)と同様の断面図である。
プラズマ発生装置451のプラズマ発生体401は、第3誘電部15Cが設けられておらず、中間電極9が放電空間411に露出している点のみが第1の実施形態のプラズマ発生体1と相違する。
このように、中間電極9が放電空間411に露出している場合においても、下流側電極7は、第1誘電部15A又は第2誘電部15Bに埋設されていることから、中間電極9と下流側電極7との間においては、コロナ放電等に比較して制御が容易な誘電体バリア放電が生じる。
なお、本実施形態においては、上流側電極5及び中間電極9は同電位とされていることから、これらの間においては放電は生じない。また、上流側電極5と中間電極9とが異なる電位とされた場合においても、上流側電極5と中間電極9との距離を下流側電極7と中間電極9との距離よりも長くしたり、上流側電極5と中間電極9との間に印加される電圧を下流側電極7と中間電極9との間に印加される電圧よりも低くしたりすることにより、下流側電極7と中間電極9との間に誘電体バリア放電を生じさせる一方で、上流側電極5と中間電極9との間にコロナ放電等が生じることを抑制することができる。ただし、上流側電極5と中間電極9との間に放電が生じるようにしてもよい。
本実施形態のように中間電極9を設ける方法としては、例えば、放電空間411の幅(y方向の大きさ)よりも幅が大きい板金により中間電極9を構成することとし、第1誘電部15Aと第2誘電部15Bとの間において積層される複数のセラミックグリーンシートの間に中間電極9の両端を挟み込めばよい。
以上のとおり、本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が奏される。また、第3誘電部15Cが設けられていない分、第1の実施形態に比較して、放電空間411を広くすることができる。また、第2の実施形態において、中間電極9を覆う誘電層が薄くなるほどプラズマが強くなる、又は、低電圧で放電が生じることを述べたが、本実施形態においては、中間電極9を覆う誘電層が設けられていないことから、さらにプラズマを強くする、又は、低電圧で放電を生じさせることができる。
<第5の実施形態>
図5は、第5の実施形態に係るプラズマ発生装置551の構成を示す図1(a)と同様の断面図である。
プラズマ発生装置551のプラズマ発生体1は、第1の実施形態のプラズマ発生体1と同様であり、プラズマ発生装置551は、各電極に付与する電位(電源装置の構成)のみが第1の実施形態のプラズマ発生装置51と相違する。具体的には、以下のとおりである。
プラズマ発生装置551は、第1上流側電極5Aと第1下流側電極7Aとの間に電圧を印加する第1電源装置53Aと、第2上流側電極5Bと第2下流側電極7Bとの間に電圧を印加する第2電源装置53Bとを有している。
従って、第1の実施形態と同様に、矢印y1及びy2で示すように、第1誘電部15A及び第2誘電部15Bの放電空間11側の表面においてはイオン風が発生する。
また、第1電源装置53Aと第2電源装置53Bとは同期がとられるとともに、第1下流側電極7A及び第2下流側電極7Bには、互いに異なる電位が付与される。すなわち、第1下流側電極7Aと第2下流側電極7Bとの間にも交流電圧が印加される。
より具体的には、例えば、第1上流側電極5A、第2上流側電極5B及び中間電極9は、第1の実施形態と同様に、同電位とされている。また、例えば、第1上流側電極5A、第2上流側電極5B及び中間電極9には基準電位が付与され、第1下流側電極7A及び第2下流側電極7Bに変動電位が付与される。
第1下流側電極7A及び第2下流側電極7Bに付与される変動電位は、例えば、周波数が同一である。また、これら電極に付与される変動電位は、極性(正負)が互いに逆、又は、極性が互いに同一で振幅が互いに異なる。これにより、第1下流側電極7Aと第2下流側電極7Bとの間には電圧が印加される。
なお、変動電位の極性を互いに逆にする方法は、電位が正負の双方に変動する変動電位の位相を180°ずらすことにより実現されてもよいし、一方の変動電位が正のみにおいて変動し、他方の変動電位が負のみにおいて変動することにより実現されてもよい。
以上のように、第1下流側電極7Aと第2下流側電極7Bとの間に電圧が印加されることにより、点線r3で示す、第1下流側電極7Aと第2下流側電極7Bとの対向領域であって第3誘電部15Cが配置されていない領域において、誘電体バリア放電が生じる。すなわち、第1の実施形態と同様のイオン風の発生及びプラズマの発生に加えて、第1下流側電極7Aと第2下流側電極7Bとの間においてもプラズマが発生する。その結果、プラズマの発生領域を拡張したり、プラズマの発生態様を多様化したりすることができる。
なお、第1の実施形態は、第5の実施形態に比較して、電源部の構成が簡素であり、安価にプラズマ発生装置を構成できるメリットがある。
第5の実施形態において、第1電源装置53A及び第2電源装置53Bは、これら全体として、一つの電源装置554として捉えられてよい。また、電源装置554に代えて、上流側電極5及び中間電極9のグループと、第1下流側電極7Aと、第2下流側電極7Bとに三相交流電力を供給する電源装置が設けられてもよい。
<第6の実施形態>
図6は、第6の実施形態に係るプラズマ発生装置651の構成を示す図1(a)と同様の断面図である。
第1の実施形態においては、下流側電極7と中間電極9との間にプラズマを発生させたのに対し、本実施形態では、上流側電極5と中間電極9との間にプラズマを発生させる。具体的には、以下のとおりである。
第3誘電部15Cは、第1上流側電極5Aと第2上流側電極5Bとの間に位置している。従って、第3誘電部15Cに埋設された中間電極9は、第1上流側電極5Aに対向するとともに、その反対側において第2上流側電極5Bに対向している。なお、第3誘電部15C(中間電極9)は、例えば、第1下流側電極7Aと第2下流側電極7Bとの間には位置していない。
電源装置53は、第1の実施形態と同様に、上流側電極5と下流側電極7との間に電圧を印加する。また、第1の実施形態とは異なり、電源装置53は、上流側電極5と中間電極9との間に電圧を印加する。
より具体的には、例えば、第1の実施形態と同様に、第1上流側電極5Aと第2上流側電極5Bとは同電位とされ、第1下流側電極7Aと第2下流側電極7Bとは同電位とされ、これらグループ間には電圧が印加される。一方、中間電極9は、第1の実施形態と異なり、下流側電極7と同電位とされ、これにより、上流側電極5との間に電圧が印加される。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、放電空間611のz方向の全体に亘ってプラズマを発生させつつ、放電空間11の内周面においてイオン風を発生させ、且つ、その2種の機能に共通の電極(本実施形態では上流側電極5)を用いることができる。
なお、イオン風は、下流側電極7が流れ方向(x方向)に大きくなるほど強くなり、その一方で、上流側電極5のx方向の大きさは、イオン風の強さにあまり影響しない。また、中間電極9とこれに対向する電極(上流側電極5又は下流側電極7)との間に生じるプラズマは、電極の対向面積が大きくなるほど放電空間に充満しやすくなる。
従って、第1〜第5の実施形態は、第6の実施形態に比較して、上流側電極5をx方向において小さくしつつ下流側電極7をx方向において大きくすることにより、プラズマ発生体をx方向において小型化しつつ、イオン風を強くし、プラズマを充満させやすくすることができると考えられる。
一方、第6の実施形態は、例えば、上流側電極5上において放電空間611の高さ方向(z方向)に亘ってイオン又は電子が充満し、そのイオン又は電子が上流側電極5及び下流側電極7の形成する電界により移動するから、流れに厚みが生じることが期待される。
第6の実施形態のプラズマ発生体601は、下流側電極7が、第1誘電部615A又は第2誘電部615Bに埋設されるのではなく、第1誘電部615A又は第2誘電部615Bの放電空間611とは反対側に設けられている点においても第1の実施形態のプラズマ発生体1と相違する。
このように下流側電極7が設けられている場合においても、放電空間611においては、下流側電極7が埋設されている場合と同様に、プラズマ乃至はイオン風が生じる。
なお、このように下流側電極7が設けられている場合、放電空間611とは反対側の表面においては、下流側電極7から上流側電極5へのイオン風(放電空間611内のイオン風とは逆方向のイオン風)が生じる。当該イオン風は利用されなくてもよいし、適宜に利用されてもよい。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
第1〜第6の実施形態は適宜に組み合わされてよい。例えば、中間電極が第3誘電部に埋設されている場合において、第2の実施形態(図2)における2つの誘電層(216a,216b)の厚みが互いに異なる特徴、同実施形態における2つの誘電層の誘電率が互いに異なる特徴、第3の実施形態(図3)の中間電極と2つの下流側電極との距離が互いに異なる特徴、及び、第5の実施形態(図5)の第1下流側電極と第2下流側電極との間でプラズマを発生させる特徴は、これらから適宜に2以上の特徴が選択されて組み合わされてよいし、第6の実施形態の上流側電極と中間電極との間でプラズマを発生させる態様に適用されてもよい。また、例えば、第4の実施形態(図4)の中間電極を覆う第3誘電部が設けられていない特徴は、第3の実施形態(図3)の中間電極と2つの下流側電極との距離が互いに異なる特徴、及び/又は、第5の実施形態(図5)の第1下流側電極と第2下流側電極との間でプラズマを発生させる特徴と組み合わされてよいし、第6の実施形態の上流側電極と中間電極との間でプラズマを発生させる態様に適用されてもよい。また、例えば、第1〜第5の実施形態のように中間電極が下流側電極に対向する態様において、第6の実施形態のように下流側電極が第1誘電部又は第2誘電部の放電空間とは反対側に設けられてもよいし、第6の実施形態のように中間電極が上流側電極に対向する態様において、第1〜第5の実施形態のように下流側電極が第1誘電部又は第2誘電部に埋設されてもよい。
誘電体の形状は実施形態に例示されたものに限定されない。
例えば、誘電体は、放電空間の入口部分において、上流側ほど高さ方向(z方向)に拡径するように形成されてもよい。この場合、放電空間への被処理流体の流入を容易化できる。なお、上流側電極は、この拡径する内周面に設けられてもよい。この場合、第1上流側電極と第2上流側電極との距離が大きくなるから、これら電極に互いに異なる電位を付与しても、これら電極間にコロナ放電等が生じることを抑制できる。
また、例えば、実施形態では、第3誘電部15C及び/又は中間電極9は、放電空間を下流側においてのみ、又は、上流側においてのみ仕切ったが、第3誘電部及び/又は中間電極9は、放電空間を流れ方向(x方向)の全体に亘って仕切ってもよい。
また、誘電体は、セラミック多層基板からなるものに限定されない。例えば、誘電体は、金型内に絶縁材料が充填されて形成されるものであってもよい。
各種電極の誘電体に対する位置は適宜に設定されてよい。
例えば、上流側電極(又は下流側電極)は、誘電体の表面に重ねられるのではなく、誘電体の表面に形成された凹部に嵌合され、その表面が誘電体の上面と面一とされていてもよい。この場合、流路抵抗を低減することができる。また、上流側電極は、誘電材料によってコーティングされる(薄膜に覆われる)ことによって、放電空間に露出しないようにされていてもよい。
また、例えば、中間電極は、第3誘電部の第1誘電部側の表面又は第2誘電部側の表面に設けられてもよい。この場合も、第1分岐路と第2分岐路とでプラズマの強さ又は放電開始電圧を異ならせることができる。
各種の電極は、矩形の平板状等の実施形態において例示した形状に限定されない。また、その大きさ等も適宜に設定されてよい。
例えば、上流側電極は、流れ方向(x方向)において殆ど面積を有しない形状とされてもよい。例えば、第1誘電部又は第2誘電部の放電空間側の表面に上流側が下流側よりも高くなる段差を設け、当該段差の下流側に向く面に上流側電極を設けてもよい。この場合、プラズマ発生体の流れ方向の小型化を図りつつ、上流側電極の露出面積を大きくすることができる。
また、例えば、下流側電極は、側方(y方向の端部側)ほど、イオン風の流れ方向(x方向)において長くなるように形成されてもよい。この場合、上述のように、下流側電極が流れ方向において長くなるほどイオン風は強くなるから、放電空間の側面における圧力損失を補償できる。また、このような下流側電極の平面形状に合わせて、中間電極の平面形状も側方ほど流れ方向に長くされてよい。
また、例えば、下流側電極は、下流側ほど放電空間に近づく形状及び/又は配置とされてよい。より詳細には、例えば、下流側電極は、階段状とされたり、流れ方向(x方向)に傾斜する平板状とされたりしてよい。この場合、下流側電極の全体に亘って上流側電極との距離を均一化することができるから、下流側電極上においてイオン風の強さが均一化される。
また、例えば、中間電極は、上流側電極及び下流側電極の双方に対向してもよい。なお、この場合、中間電極は、実施形態のように、上流側電極及び下流側電極の一方のみとの間において電圧が印加されて、プラズマの発生に寄与してもよいし、双方の電極との間に電圧が印加されてプラズマの発生に寄与してもよい。
また、例えば、下流側電極にのみ対向する中間電極は、下流側電極の下流側部分だけでなく、下流側電極の全体に対向する広さを有していてもよい。なお、この場合、中間電極は、下流側電極の下流側部分にのみ対向する場合に比較して、上流側電極との距離が近づく。このとき、中間電極は、実施形態のように、上流側電極と同電位とされることなどにより上流側電極との間においてはプラズマを発生しないようにされてもよいし、上流側電極との間においてもプラズマを発生するように電位が付与されてもよい。
また、実施形態に例示した電極以外の電極が誘電体に設けられてもよい。
例えば、下流側電極の下流側に、閉ループを構成しない状態で直流電圧が印加される(直流電源装置の正の端子及び負の端子の一方のみが接続される)直流電極が設けられてもよい。この場合、イオン又は電子を直流電極の形成する電界によって引き付け、イオン風を加速することができる。
また、例えば、放電空間に露出する中間電極(図4)の下流側に、当該中間電極との間でイオン風を発生する、誘電体により中間電極と隔てられた電極が設けられてもよい。
プラズマ発生体は、高さ方向(z方向)において対称の構成又は形状とされていなくてもよい。例えば、第1上流側電極と第2上流側電極とは互いに異なる形状又は大きさであってもよいし、第1下流側電極と第2下流側電極とは互いに異なる形状、大きさ又は埋設深さであってもよい。
各種電極に付与される電位の組み合わせは、実施形態に例示されたものに限定されない。
例えば、既に少し述べたように、上流側電極、下流側電極及び中間電極に互いに異なる電位を付与して、中間電極と上流側電極との間、中間電極と下流側電極との間の双方においてプラズマを発生させてもよい。
より詳細には、例えば、上流側電極、下流側電極及び中間電極に三相交流電極を供給してもよい。また、例えば、上流側電極、下流側電極及び中間電極のいずれか一つに基準電位を付与し、他の2つに極性が逆の変動電位を付与してもよい。なお、2つの変動電位の極性を互いに逆にする方法の例は、第5の実施形態において既に述べた。
本発明のプラズマ発生体及びプラズマ発生装置の用途は、ガスの改質に限定されるものではない。例えば、本発明のプラズマ発生体は、半導体ウェハの加工等において、小型且つ効率的にプラズマを供給可能なプラズマ供給装置を構成し得る。
1…プラズマ発生体、5…上流側電極、7…下流側電極、9…中間電極、11…放電空間、15A…第1誘電部、15B…第2誘電部。

Claims (9)

  1. 放電空間内の流れ方向に交差する方向において前記放電空間を挟んで対向する第1誘電部及び第2誘電部と、
    前記第1誘電部の前記放電空間側に設けられた第1上流側電極と、
    前記第1誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第1上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第1下流側電極と、
    前記第2誘電部の前記放電空間側に設けられた第2上流側電極と、
    前記第2誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第2上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第2下流側電極と、
    前記放電空間内に位置する第3誘電部と、
    前記第3誘電部に埋設され、前記第1下流側電極及び前記第2下流側電極に対向する中間電極と、
    を有しており、
    前記第3誘電部は、前記中間電極に対して前記第1誘電部側となる部分の厚みと、前記中間電極に対して前記第2誘電部側となる部分の厚みとが互いに異なる
    プラズマ発生体。
  2. 放電空間内の流れ方向に交差する方向において前記放電空間を挟んで対向する第1誘電部及び第2誘電部と、
    前記第1誘電部の前記放電空間側に設けられた第1上流側電極と、
    前記第1誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第1上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第1下流側電極と、
    前記第2誘電部の前記放電空間側に設けられた第2上流側電極と、
    前記第2誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第2上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第2下流側電極と、
    前記放電空間内に位置する第3誘電部と、
    前記第3誘電部に埋設され、前記第1下流側電極及び前記第2下流側電極に対向する中間電極と、
    を有しており、
    前記第3誘電部は、前記中間電極に対して前記第1誘電部側となる部分の誘電率と、前記中間電極に対して前記第2誘電部側となる部分の誘電率とが互いに異なる
    ラズマ発生体。
  3. 前記中間電極と前記第1下流側電極との距離と、前記中間電極と前記第2下流側電極との距離とが互いに異なる
    請求項1又は2に記載のプラズマ発生体。
  4. 放電空間内の流れ方向に交差する方向において前記放電空間を挟んで対向する第1誘電部及び第2誘電部と、
    前記第1誘電部の前記放電空間側に設けられた第1上流側電極と、
    前記第1誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第1上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第1下流側電極と、
    前記第2誘電部の前記放電空間側に設けられた第2上流側電極と、
    前記第2誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第2上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第2下流側電極と、
    前記放電空間内に位置する第3誘電部と、
    前記第3誘電部に埋設され、前記第1上流側電極及び前記第2上流側電極に対向する中間電極と、
    を有しており、
    前記第3誘電部は、前記中間電極に対して前記第1誘電部側となる部分の厚みと、前記中間電極に対して前記第2誘電部側となる部分の厚みとが互いに異なる
    プラズマ発生体。
  5. 放電空間内の流れ方向に交差する方向において前記放電空間を挟んで対向する第1誘電部及び第2誘電部と、
    前記第1誘電部の前記放電空間側に設けられた第1上流側電極と、
    前記第1誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第1上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第1下流側電極と、
    前記第2誘電部の前記放電空間側に設けられた第2上流側電極と、
    前記第2誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第2上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第2下流側電極と、
    前記放電空間内に位置する第3誘電部と、
    前記第3誘電部に埋設され、前記第1上流側電極及び前記第2上流側電極に対向する中間電極と、
    を有しており、
    前記第3誘電部は、前記中間電極に対して前記第1誘電部側となる部分の誘電率と、前記中間電極に対して前記第2誘電部側となる部分の誘電率とが互いに異なる
    プラズマ発生体。
  6. プラズマ発生体と、
    前記プラズマ発生体に電圧を印加する電源装置と、
    を有し、
    前記プラズマ発生体は、
    放電空間内の流れ方向に交差する方向において前記放電空間を挟んで対向する第1誘電部及び第2誘電部と、
    前記第1誘電部の前記放電空間側に設けられた第1上流側電極と、
    前記第1誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第1上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第1下流側電極と、
    前記第2誘電部の前記放電空間側に設けられた第2上流側電極と、
    前記第2誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第2上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第2下流側電極と、
    前記放電空間内に位置し、前記第1下流側電極及び前記第2下流側電極に対向する中間電極と、を有し、
    前記電源装置は、前記第1上流側電極と前記第1下流側電極との間、及び、前記第2上流側電極と前記第2下流側電極との間に交流電圧を印加し、前記第1下流側電極と前記中間電極との間にこれら電極間に誘電体バリア放電が生じる大きさの交流電圧を印加し、かつ前記第2下流側電極と前記中間電極との間にこれら電極間に誘電体バリア放電が生じる大きさの交流電圧を印加する
    イオン風発生装置。
  7. 前記電源装置は、前記第1上流側電極、前記第2上流側電極及び前記中間電極を同電位とし、前記第1下流側電極及び前記第2下流側電極を同電位とする
    請求項に記載のイオン風発生装置。
  8. 前記電源装置は、前記第1下流側電極と前記第2下流側電極との間にも交流電圧を印加する
    請求項に記載のイオン風発生装置。
  9. プラズマ発生体と、
    前記プラズマ発生体に電圧を印加する電源装置と、
    を有し、
    前記プラズマ発生体は、
    放電空間内の流れ方向に交差する方向において前記放電空間を挟んで対向する第1誘電部及び第2誘電部と、
    前記第1誘電部の前記放電空間側に設けられた第1上流側電極と、
    前記第1誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第1上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第1下流側電極と、
    前記第2誘電部の前記放電空間側に設けられた第2上流側電極と、
    前記第2誘電部の内部又は前記放電空間とは反対側に設けられ、前記第2上流側電極に対して前記放電空間の下流側にずれている第2下流側電極と、
    前記放電空間内に位置する第3誘電部と、
    前記第3誘電部に埋設され、前記第1上流側電極及び前記第2上流側電極に対向する中間電極と、を有し、
    前記電源装置は、前記第1上流側電極と前記第1下流側電極との間、及び、前記第2上流側電極と前記第2下流側電極との間に交流電圧を印加し、前記第1上流側電極と前記中間電極との間にこれら電極間に誘電体バリア放電が生じる大きさの交流電圧を印加し、かつ前記第2上流側電極と前記中間電極との間にこれら電極間に誘電体バリア放電が生じる大きさの交流電圧を印加する
    イオン風発生装置。
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