JP6033104B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

Description

本発明は、エネルギ発生素子を有する素子基板を、支持部材に対して位置決めして接着剤で固定する液体吐出ヘッドの製造方法に関する。

液体としてインクを吐出するインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するためのヒータを有する記録素子基板と、記録素子基板を支持する支持部材と、を備えて構成されている。記録素子基板は、インクが供給される供給口を有している。支持部材は、記録素子基板の供給口にインクを供給する供給路を有している。

この種のインクジェット記録ヘッドは、支持部材の供給路を構成する壁の端面に、記録素子基板の供給口を構成する壁の端面が、接着剤によって固定されている。インクジェット記録ヘッドの製造方法は、供給路の壁の端面に接着剤を塗布する工程と、記録素子基板を支持部材に対して位置決めして、供給口の壁と供給路の壁とを接着剤で接合する工程と、を有している。

従来、支持部材に対して記録素子基板を位置決めして接着剤で固定する場合、以下のような固定方法が採られていた。特許文献１には、接着剤が塗布された支持部材を、位置決め装置または治具に対して所定の位置に位置決めする。そして、支持部材が位置決めされた位置決め装置または治具を基準として、記録素子基板を所定の位置に位置決めすることで、支持部材に記録素子基板を貼り合わせる方法が開示されている。

特開２００９−２９８１０８号公報

しかしながら、従来の方法には、以下のような課題がある。

図６に、従来の記録素子基板と支持部材との固定方法において、支持部材の寸法精度にばらつきが生じた場合における、記録素子基板の供給口を構成する壁と、支持部材の供給路を構成する壁との位置関係を示す。

図６に示すように、エネルギ発生素子を有する記録素子基板１０６の供給口１１１の壁１１１ａと、支持部材１０７の供給路１１２の壁１１２ａは、接着剤１１３によって固定されている。記録素子基板１０６のサイズを縮小するのに伴い、要求される成形精度または加工精度を充分に確保することが困難になる。そのため、支持部材１０７の供給路１１２の位置は、支持部材１０７の基準位置に対する位置精度にばらつきが生じる場合がある。

上述のような場合には、図６に示すように、記録素子基板１０６の供給口１１１の壁１１１ａと、支持部材１０７の供給路１１２の壁１１２ａとがずれて位置決めされることがある。このような場合、接着剤１１３は、供給路１１２の壁１１２ａの端面１１２ｂ上に塗布されるので、図６に示すように、供給口１１１の壁１１１ａと、供給路１１２の壁１１２ａとの、壁１１１ａ、１１２ａの厚み方向における中心位置が互いにずれる。

このようにずれた状態で、供給路１１２の壁１１２ａの端面１１２ｂに向かって供給口１１１の壁１１１ａの端面１１１ｂを近づけて貼り合わせたとき、接着剤１１３が、記録素子基板１０６の供給口１１１の壁１１１ａの厚み方向の両側で均等に潰れ難くなる。このため、図６に示すように、接着剤１１３が、供給口１１１の壁１１１ａの両方の側面（壁面）１１１ｃに付着せずに、壁１１１ａの一方の側面１１１ｃにだけ付着することになる。

上述のような状態で、供給口１１１の壁１１１ａが供給路１１２の壁１１２ａに固定された場合、供給口１１１の壁１１１ａと供給路１１２の壁１１２ａとの接着強度が弱くなってしまう。このため、支持部材１０７に変形等が生じたときには、壁１１１ａと壁１１２ａとの接着強度が弱いので、接着部が剥離し、隣接する供給口１１１からインクが侵入してしまう問題がある。

このような問題が生じた場合、色が異なる複数種類のインクを備えるインクジェット記録ヘッドでは、供給口１１１の壁１１１ａを挟んで隣接する供給口１１１に、供給口１１１内でインクが混じり合い、記録品位が著しく低下してしまう。

そこで、本発明は、供給口の壁と供給路の壁との位置がずれた場合であっても、供給口の壁が供給路の壁に接着された状態を安定的に保つことができる液体吐出ヘッドの製造方法を示すことを目的とする。

上述した目的を達成するため、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、液体を吐出させるエネルギを発生するエネルギ発生素子と、液体が供給される供給口とを有する素子基板と、
供給口と連通される供給路を有し、素子基板を支持する支持部材と、
が接着剤で接合される液体吐出ヘッドの製造方法において、
供給路を構成する壁の端面に接着剤を塗布する第１工程と、
供給口の壁の端面と、該端面に交差する、供給口の壁の側面とがなす稜線が、供給路の壁に塗布された接着剤の内部に入るように、供給口の壁の端面と供給路の壁の端面とを近づけることによって、供給口の壁の端面で、該端面に交差する高さ方向に接着剤を押し潰す第２工程と、
供給口の壁の稜線を、接着剤の内部に位置させた状態で、供給口の壁の端面に沿った方向に移動させるとともに、供給口の壁の端面を供給路の壁の端面に接着剤で固定する第３工程と、を有する。

本発明によれば、素子基板の供給口の壁における両側の側面に、接着剤を確実に付着させることが可能になり、供給口の壁と供給路の壁との接着力を増すことができる。その結果、支持部材の変形等による外力によって、供給口の壁の端面と供給路の壁の端面との接着面が剥離することを防ぐことができる。

実施形態の製造方法によって製造されるインクジェット記録ヘッドを示す分解斜視図である。 実施形態の製造方法で用いる記録素子基板を示す斜視図である。 実施形態において、供給路の壁の位置を検出する状態、及び供給口の壁と供給路の壁とを接合する方法を説明するための模式図である。 第１の実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 第２の実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。 従来の記録素子基板の供給口の壁と、支持部材の供給路の壁とが接着剤で固定された状態を示す断面図である。

以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。

まず、本実施形態の製造方法によって製造される液体吐出ヘッドの一例としてのインクジェット記録ヘッド（以下、記録ヘッドと称する）について説明する。

実施形態の記録ヘッドは、後述する第１及び第２の実施形態の製造方法のいずれかによって製造される。

実施形態の記録ヘッドは、電気信号に応じた膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギを生成する電気熱変換体を用いたバブルジェット（登録商標）方式のインクジェット記録ヘッドである。

さらに、本実施形態の記録ヘッドは、インクを吐出する吐出口と、インクを吐出させる電気熱変換体とが対向して配置された、いわゆるサイドシュータ型のインクジェット記録ヘッドである。

（１）記録ヘッド
図１に、実施形態の記録ヘッド１の分解斜視図を示す。図１に示すように、記録ヘッド１は、インクを吐出する記録素子基板６と、記録素子基板６を支持する支持部材７と、支持部材７の電極部に電気的に接続されるフレキシブル配線部材（不図示）と、を備えている。そして、記録ヘッド１は、記録素子基板６が、接着剤１３によって支持部材７に接合固定されて構成されている。

（１−１）記録素子基板
図２に、記録素子基板６の構成を説明するために、一部を破断して示す斜視図である。

図２に示すように、記録素子基板６は、インクを吐出する複数の吐出口９と、インクを吐出させるエネルギを発生するエネルギ発生素子として電気熱変換素子１０と、インクが供給される供給口１１と、を有している。

記録素子基板６は、例えば、厚さ０．５ｍｍ〜１ｍｍ程度のＳｉ基板からなる。記録素子基板６には、図２に示すように、インク流路を構成する長溝状の貫通口によって、供給路１２が、Ｓｉの結晶方位を利用した異方性エッチングやサンドブラストなどの加工方法を用いて形成されている。

Ｓｉ基板には、後述する支持部材７の長溝状の供給路１２を間に挟んで、供給路１２の短手方向の両側に、複数の電気熱変換素子１０が１列ずつ並べて配置されている。また、記録素子基板６には、電気熱変換素子１０に電力を供給するための電気配線（不図示）がＡｌなどによって形成されている。これら電気熱変換素子１０と電気配線は、既存の成膜技術を利用して形成されている。

二列をなす各列の電気熱変換素子１０は、互いに千鳥状に位置をずらして配列されている。すなわち、各列の吐出口９の位置が、その列方向に直交する方向において並ばないように、列方向に対して少し位置をずらして配置されている。

記録素子基板６では、供給路１２から供給されたインクは、各電気熱変換素子１０が発熱することで発生した気泡の圧力によって、各電気熱変換素子１０に対向する吐出口９から吐出される。

（１−２）支持部材
図２に示すように、支持部材７は、記録素子基板６の供給口１１と連通される供給路としての長溝状の供給路１２を有している。供給口１１と供給路１２が連通されてインク流路（流路）が構成されている。
また、支持部材７の主面には、長手方向の両端部に、電極部１５が設けられている。
支持部材７は、例えば、セラミックによって矩形板状に形成されている。

そして、記録素子基板６と支持部材７とを接着するために用いられる接着剤１３としては、低粘度で硬化温度が比較的低く、比較的短時間で硬化し、硬化後には、比較的高い硬度を有し、かつ、耐インク性を有する接着剤が望ましい。

このような接着剤１３としては、例えばエポキシ樹脂を主成分とした熱硬化性接着剤が挙げられる。熱硬化性接着剤を用いる場合には、供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂに直交する方向における接着剤（接着層）の厚みを６０μｍ程度にすることが望ましい。

次に、記録素子基板６の供給口１１の壁１１ａの両側の側面１１ｃまで接着剤１３を確実に付着させることを可能にする実施形態の製造方法を以下に示す。

（第１の実施形態）
以下、第１の実施形態の製造方法について説明する。

図３に、第１の実施形態の製造方法における支持部材７を説明するための平面図を示す。図３に、支持部材７を所定の位置に位置決めし、供給路１２の壁１２ａの位置を画像処理によって検出する状態を説明するための概略図を示す。

第１の実施形態の記録ヘッドの製造方法では、インクを吐出させるエネルギを発生する電気熱変換素子１０と、インクが供給される供給口１１とを有する記録素子基板６を、供給口１１と連通される供給路１２を有する支持部材７に、接着剤１３で固定する。これによって、供給口１１を構成する壁１１ａの端面１１ｂと供給路１２を構成する壁１２ａの端面１２ｂとを接合してインク流路を形成する。

第１の実施形態の製造方法は、供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂに接着剤１３を塗布する第１工程と、供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂで、この端面１１ｂに直交（交差）する高さ方向に接着剤１３を押し潰す第２工程と、を有している。

第２工程では、供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂと、この端面１１ｂに直交（交差）する、壁１１ａの側面１１ｃとがなす稜線１４が、壁１２ａに塗布された接着剤１３の内部に入るように、壁１１ａの端面１１ｂと壁１２ａの端面１２ｂとを近づける。また、稜線１４は、供給口１１の壁１１ａの厚み方向の２つの稜線のうち、供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂに沿った（平行な）方向において、稜線１４と供給路１２の壁１２ａとの間の距離が小さい一方の側面１１ｃ側（側面側）の稜線１４である。

また、第１の実施形態の製造方法は、壁１１ａの稜線１４を、接着剤１３の内部に位置させた状態で、壁１１ａの端面１１ｂに沿った方向に移動させるとともに、壁１１ａの端面１１ｂを壁１２ａの端面１２ｂに接着剤１３で固定する第３工程を有している。第３工程では、供給口１１の壁１１ａと供給路１２の壁１２ａとを、各壁１１ａ、１２ａの厚み方向における中心位置を互いにずらした状態で固定する。

また、第３工程では、供給口１１の壁１１ａで接着剤１３を高さ方向に押し潰す際、供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂの高さ方向の位置を検出する。この検出結果に基づいて、供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂと供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂとの間に高さ方向に対して所定の間隙をあける。そして、所定の間隙をあけた状態で、供給口１１の壁１１ａを、この壁１１ａの端面１１ｂに平行な方向に対して供給口１１の壁１１ａの他方の側面１１ｃとは反対側に向かって所定の固定位置まで移動させる。

また、本実施形態の製造方法では、図３に示すように、画像処理モニタ５１を用いて、支持部材７及び記録素子基板６の位置決めを行う。

供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂ上に接着剤１３が塗布された支持部材７を、図示しない接合装置内の所定の基準に対して位置決めを行う。続いて、接合装置が備えるカメラ（不図示）を用いて、供給路１２の壁１２ａを撮影して画像処理を行う。これによって、供給路１２の壁１２ａの位置を検出し、接合装置内における、供給路１２の壁１２ａの位置を算出する。

次に、図４に示すように、記録素子基板６を、支持部材７に対して所定の位置に貼り合わせるために、記録素子基板６の供給口１１の壁１１ａを接合装置内の所望の位置に位置決めする。

その後、図４（ａ）に示すように、上述のように算出した、接合装置内での支持部材７の供給路１２の壁１２ａの位置データを用いて、供給口１１の壁１１ａと供給路１２の壁１２ａとの位置が一致するように、記録素子基板６の位置を補正する。

続いて、図４（ｂ）に示すように、供給口１１の壁１１ａの稜線１４が、供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂ上に塗布された接着剤１３の内部に入るように、壁１１ａを所定の高さまで下降させ、壁１１ａの端面１１ｂと壁１２ａの端面１２ｂを近づける。

図４（ｂ）に示す状態になったとき、壁１２ａの端面１２ｂ上の接着剤１３が、端面１２ｂの厚み方向の中心位置に対して、供給口１１の壁１１ａの厚み方向の中心位置で十分に潰される。これによって、接着剤１３は、供給口１１の壁１１ａの側面１１ｃまで行き渡って付着する。

そして、図４（ｃ）に示すように、供給路１２の壁１２ａに対して、供給口１１の壁１１ａを、接合装置内の指定された所定の固定位置まで、壁１１ａの端面１１ｂに平行な方向に移動させる。これによって、供給口１１の壁１１ａを、両方の側面１１ｃに接着剤１３を付着させた状態で移動させることができる。

最後に、図４（ｄ）に示すように、供給口１１の壁１１ａを、供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂの高さ方向の所望の位置に下降させ、壁１１ａの端面１１ｂを壁１２ａの端面１２ｂに当接させる。

この製造方法によって、記録素子基板６の供給口１１の壁１１ａの側面１１ｃに接着剤１３を付着させた状態で、支持部材７の基準位置に対して、記録素子基板６を所定の位置に貼り合わせることができる。

本実施形態の製造方法によれば、供給口１１の壁１１ａの少なくとも一方の稜線１４が、供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂに塗布された接着剤１３の内部に入るように、供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂで接着剤１３を押し潰す。接着剤１３を押し潰した後、その状態で、供給口１１の壁１１ａを所定の固定位置まで移動させることによって、供給口１１の壁１１ａの両方の側面１１ｃに、接着剤１３を確実に付着させることができる。その結果、実施形態によれば、記録素子基板６と支持部材７とを固定した後での接着強度力が増し、記録ヘッド１の動作信頼性を向上することができる。

（第２の実施形態）
以下、第２の実施形態の製造方法について説明する。図５に、第２の実施形態の製造方法を説明するための模式図を示す。

第２の実施形態の製造方法は、第１の実施形態において、支持部材７における貼り合わせ位置の高さ、すなわち供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂの位置にばらつきが生じている場合に適用される。また、第２の実施形態の製造方法は、記録素子基板６の反り等の影響によって記録素子基板６の供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂの高さが変わる場合にも適用される。

図５（ａ）に示すように、第１の実施形態と同様に、支持部材７が有する供給路１２の壁１２ａの位置を画像処理によって検出する。続いて、供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂの中心位置が、記録素子基板６の供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂの中心位置と一致するように位置を補正する。

図５（ｂ）に示すように、図５（ａ）に示した状態で、供給口１１の壁１１ａを、供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂ上に下降させ、記録素子基板６を保持するフィンガ（不図示）の変位あるいは荷重変化を接合装置内によって検出する。

上述した変位又は荷重変化に生じた位置を、支持部材７上に記録素子基板６が押付けられた位置に設定する。そして、支持部材７上に記録素子基板６が押付けられた位置を基準として、図５（ｃ）に示すように、記録素子基板６の供給口１１の壁１１ａを、支持部材７の供給路１２の壁１２ａから引き離す方向に所望量だけ移動させる。

このように、本実施形態における第３工程では、供給口１１の壁１１ａで接着剤１３を高さ方向に押し潰した後に、供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂと供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂとを、各端面１１ｂ、１２ｂに直交（交差）する高さ方向に引き離す。これによって、供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂと供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂとの間に高さ方向に所定の間隙をあける。

その後、図５（ｄ）、（ｅ）に示すように、第１の実施形態における上述した第３工程と同様に、所定の間隙をあけた状態で、壁１１ａをこの壁１１ａの端面１１ｂに平行な方向に対して所定の固定位置まで移動させる。最後に、壁１１ａの端面１１ｂを、供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂに対して所望の高さに下降させ、壁１１ａの端面１１ｂと壁１２ａの端面１２ｂを貼り合わせて固定する。

本実施形態を適用することで、記録素子基板６の壁１１ａを貼り合わせる位置、すなわち支持部材７の壁１２ａの端面１２ｂの高さがばらつく場合に、供給口１１の壁１１ａの両方の側面１１ｃに、接着剤１３を安定的に付着させて貼り合わせることが可能になる。また、記録素子基板６の反り等によって記録素子基板６毎に貼り合わせ位置、すなわち供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂの高さが異なる場合においても、供給口１１の壁１１ａの両方の側面１１ｃに、接着剤１３を安定的に付着させて貼り合わせることが可能になる。

また、本実施形態では、支持部材７の供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂの高さを検出するとき、記録素子基板６を保持するフィンガ（不図示）の変位あるいは荷重変化をモニタ（検出）することで行われていたが、これに限定されるものではない。供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂの高さの検出が、例えばレーザ変位計や接触式変位計等を用いた測定によって行われた場合であっても同様の効果が得られる。なお、本発明の製造方法を行う際に用いる接合装置の構成や、壁の位置を検出するための検出装置は、必要に応じて適宜選択されればよく、本発明において利用する位置検出方法を限定するものではない。

供給路１２の壁１２ａに対して供給口１１の壁１１ａを移動させるとき、供給口１１の壁１１ａの端面１１ｂと、供給路１２の壁１２ａの端面１２ｂとを当接させた状態で、少なくとも一方の壁を振動させながら移動させてもよい。壁を振動させながら移動させることで、壁１１ａと壁１２ａとの当接面での摩擦力を小さくしながら、壁１１ａをこの壁１１ａの端面１１ｂに平行な方向に対して所定の固定位置まで移動させて固定することができる。

上述した実施形態では、供給口１１の壁１１ａを、供給路１２の壁１２ａに対して移動させたが、供給口１１の壁１１ａに対して供給路１２の壁１２ａを移動させてもよい。この場合であっても、供給口１１の壁１１ａと供給路１２の壁１２ａとの相対的な動作が本実施形態と同じであれば、本実施形態と同一の効果を得ることができる。

１ インクジェット記録ヘッド
６ 記録素子基板
７ 支持部材
１１ 供給口
１１ａ 壁
１１ｂ 端面
１１ｃ 側面
１２ 供給路
１２ａ 壁
１２ｂ 端面
１３ 接着剤
１４ 稜線

Claims (8)

1. 液体を吐出させるエネルギを発生するエネルギ発生素子と、前記エネルギ発生素子に液体を供給するための供給口とを有する素子基板と、
   前記供給口と連通される供給路を有し、前記素子基板を支持する支持部材と、
   が接着剤で接合される液体吐出ヘッドの製造方法において、
   前記供給路を構成する壁の端面に前記接着剤を塗布する第１工程と、
   前記供給口を構成する壁の端面と、該端面に交差する、前記供給口の前記壁の側面とがなす稜線が、前記供給路の前記壁に塗布された前記接着剤の内部に入るように、前記供給口の前記壁の前記端面と前記供給路の前記壁の前記端面とを近づけることによって、前記供給口の前記壁の前記端面で、該端面に交差する高さ方向に前記接着剤を押し潰す第２工程と、
   前記供給口の前記壁の前記稜線を、前記接着剤の内部に位置させた状態で、前記供給口の前記壁の前記端面に沿った方向に移動させるとともに、前記供給口の前記壁の前記端面を前記供給路の前記壁の前記端面に前記接着剤で固定する第３工程と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
2. 前記第３工程では、前記供給口の前記壁と前記供給路の前記壁とを、各前記壁の厚み方向における中心位置を互いにずらした状態で固定する、請求項１に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
3. 前記第３工程では、前記供給口の前記壁の一方の側面側の前記稜線を、前記供給口の前記壁の前記端面に平行な方向に前記供給口の前記壁の他方の側面とは反対側に向かって移動させる、請求項１または２に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
4. 前記稜線は、前記供給口の前記壁の厚み方向の２つの稜線のうち、前記供給口の前記壁の前記端面に平行な方向において、稜線と前記供給路の前記壁との間の距離が小さい稜線である、請求項１ないし３のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
5. 前記第３工程では、前記供給口の前記壁で前記接着剤を前記高さ方向に押し潰す際、前記供給路の前記壁の前記端面の前記高さ方向の位置を検出し、検出結果に基づいて、前記供給口の前記壁の前記端面と前記供給路の前記壁の前記端面との間に前記高さ方向に対して所定の間隙をあけた状態で、前記供給口の前記壁を移動させる、請求項１ないし４のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
6. 前記第３工程では、前記供給口の前記壁で前記接着剤を前記高さ方向に押し潰した後に、前記供給口の前記壁の前記端面と前記供給路の前記壁の前記端面とを、各前記端面に交差する高さ方向に引き離して、前記供給口の前記壁の前記端面と前記供給路の前記壁の前記端面との間の前記高さ方向に所定の間隙をあけた状態で、前記供給口の前記壁を移動させる、請求項１ないし４のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
7. 前記第３工程では、前記供給口の前記壁の前記稜線を該壁の前記端面に平行な方向に移動させた後、前記供給口の前記壁の前記端面を前記供給路の前記壁の前記端面に当接させることで、前記供給口の前記壁の前記端面を前記供給路の前記壁の前記端面に前記接着剤で固定する、請求項５または６に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
8. 前記第１工程では、前記供給口の前記壁の前記端面に塗布する前記接着剤の厚みを、前記第３工程において、前記供給口の前記壁を該壁の前記端面に平行な方向に移動させるときに前記供給口の前記壁と前記供給路の前記壁との間の前記高さ方向にあける前記所定の間隙よりも厚くする、請求項５ないし７のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。

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