JP6026494B2 - 1,2−プロパンジオールの発酵製造のための基質としてのスクロースの使用 - Google Patents

1,2−プロパンジオールの発酵製造のための基質としてのスクロースの使用 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は、発酵方法、発酵に有用な微生物および基質に関する。特に、本発明は、スクロース含有培地、特に、植物バイオマスからの発酵による1,2−プロパンジオールの製造に関する。
C3ジアルコールである1,2−プロパンジオールまたはプロピレングリコールは、広く用いられている化学物質である。これは、不飽和ポリエステル樹脂、液体洗剤、冷却剤、不凍剤および航空機の徐氷液の成分である。プロピレングリコールは、プロピレン誘導体より有毒であると認識されているエチレン誘導体の代替として1993〜1994年以来、使用が増えてきた。
1,2−プロパンジオールは現在、大量の水を消費するプロピレンオキシド水和法を用いた化学的手段により製造されている。プロピレンオキシドは、一方はエピクロロヒドリンを用い、他方はヒドロペルオキシドを用いる2つの方法のいずれかよって製造することができる。両経路とも、毒性が強い物質を用いる。さらに、ヒドロペルオキシド経路は、tert−ブタノールおよび1−フェニルエタノールなどの副生成物を生じる。プロピレンの製造を有利にするためには、これらの副生成物の用途を見出さなければならない。この化学的経路は一般的にラセミ1,2−プロパンジオールを生成するが、2つの立体異性体(R)1,2−プロパンジオールおよび(S)1,2−プロパンジオールはそれぞれ、ある特定の適用(例えば、特殊化学物質および医薬品のためのキラル出発材料)に関して注目されるものである。
先行技術
これら1,2−プロパンジオールの製造のための化学的方法の欠点に照らすと、生合成を魅力的な選択肢である。微生物による糖からの1,2−プロパンジオールの天然生産に関して2つの経路が同定されている。1つ目の経路では、6−デオキシ糖(例えば、L−ラムノースまたはL−フコース)がジヒドロキシアセトンリン酸および(S)−ラクトアルデヒドに開裂され、さらに(S)−1,2−プロパンジオールへと還元することができる(Badia et al, 1985)。この経路は大腸菌(E. coli)で機能するものの、デオキシヘキソースのコストが高いために経済上実現可能な方法をもたらし得ない。2つ目の経路は、解糖経路とその後のメチルグリオキサール経路を介した汎用糖(例えば、グルコースまたはキシロース)の代謝である。ジヒドロキシアセトンリン酸はメチルグリオキサールへ変換され、これがラクトアルデヒドまたはアセトールのいずれかへ還元され得る。その後、これら2つの化合物は2回目の還元反応を受け、1,2−プロパンジオールを生じ得る。この経路は、クロストリジウム・スフェノイデス(Clostridium sphenoides)およびサーモアナエロバクター・サーモサッカロリチカム(Thermoanaerobacter thermosaccharolyticum)などの天然(R)−1,2−プロパンジオール生産株によって用いられている。これらの2つの微生物は、種々の糖類、すなわち、単糖類(六炭糖としてはD−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、および五炭糖としてはD−キシロースまたはL−アラビノース)または二糖類(ラクトースまたはセロビオース)または混合物から1,2−プロパンジオールを製造するために用いられている(Tran Din and Gottschalk, 1985, Cameron and Cooney, 1986, Sanchez-Rivera et al, 1987, Altaras et al, 2001)。得られた最高性能は力価9g/lであり、グルコースからの収率は0.2g/gであった(Sanchez-Rivera et al, 1987)。しかしながら、これらの生物で得られる性能の改良は、利用可能な遺伝的手段が不足しているために限られていると思われる。同じ合成経路が大腸菌または他の腸内細菌科でも機能的であり、この微生物におけるD−グルコースまたはD−フルクトースに限定された炭素源を用いた1,2−プロパンジオールの製造に関するいくつかの検討がCameronのグループ(Cameron et al, 1998, Altaras and Cameron, 1999, Altaras and Cameron, 2000)およびBennettのグループ(Huang et al, 1999, Berrios-Rivera et al, 2003)によりなされた。嫌気的流加発酵槽で得られた最良の結果は、1,2−プロパンジオールの生産率4.5g/lであり、グルコースからの収率は0.19g/gであった(Altaras and Cameron, 2000)。同じアプローチで得られたものでありながら、より低い力価および収率という結果も特許WO98/37204に記載されているが、違う炭素源、すなわち、ガラクトース、ラクトース、スクロースおよびキシロースを用いたものであり、しなかながらグルコースもまた用いられていた。二糖類(ラクトースおよびスクロース)で得られた力価は極めて低かった(それぞれ6mg/lおよび7mg/l)。特許出願WO2005/073364には、合理的に設計され、進化させた大腸菌株を用い、より良好な製造結果が記載されている。1.8g/lの1,2−プロパンジオール力価が得られ、収率は消費グルコース1g当たり0.35gであった。また、特許WO99/28481には、組換え酵母を用いた1,2−プロパンジオールおよびヒドロキシアセトンの製造が記載されている。
発酵培地に用いられた炭素源は一般に、炭水化物、ほとんどの場合、植物由来の炭水化物からなるものであった。スクロースはテンサイ、サトウキビ、サトウモロコシ、サトウカエデ、サトウヤシまたはブルーアガベなどの砂糖植物から得られる。デンプンは植物において最も多い貯蔵炭水化物である。最も重要なデンプン源は穀類(トウモロコシ、コムギ、イネ)、キャッサバ、サツマイモおよびジャガイモである。デンプンはほとんどの微生物によっては代謝されないが、デンプン工業により発酵可能な原料へと加工することができる。インスリンまたはインスリン様ポリマー(主としてフルクトース単位からなる)は植物において2番目に多い貯蔵炭水化物であり、チコリー、キクイモまたはダリアに見られる。セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンからなるリグノセルロースバイオマスもまた有望な炭水化物源であるが、なお開発中である(Peters, 2006)。バイオテクノロジーにより製造される日用化学製品のコストは、主として、原料のコスト(すなわち、発酵基質のコスト)に関連するので、グルコースまたはスクロースなどの精製糖の使用コストは、工業規模での製造の経済的に持続可能な選択肢ではない。高含量の発酵可能な糖を保持する効果でない基質が必要とされる。この点で、精糖工業からのスクロース含有炭素源はよい選択肢となる。
スクロースは、16〜24%のスクロースを含有するテンサイから数段階のテンサイ加工により製造される。清掃および洗浄したビートを、コセット(cossettes)と呼ばれる細長い片にスライスし、湯で拡散により抽出して、原果汁と呼ばれ、10〜15%のスクロースを含有するスクロース果汁を得る。第二の工程は、不純物を除去し、希薄果汁を得るための石灰および次いで二酸化炭素を用いたアルカリ化および炭酸飽充による原果汁の精製である。蒸発過程で、水を除去することで希薄果汁中のスクロース濃度が高まり、スクロース含量が50〜65%の濃厚果汁が得られる。この濃縮スクロース果汁を次に結晶化させ、結晶を遠心分離により分離した後、洗浄および乾燥させて純粋な糖を得る。1回以上の結晶化工程を適用して様々な純度のスクロースを得ることができる。テンサイ加工の副生成物としては、パルプ(廃棄コセット)および糖蜜(結晶化からの残留母液で、なお40〜60%のスクロース含量を有する)が含まれる。
スクロースはまた、サトウキビ(スクロース含量7〜20%)から精糖工業により製造される。収穫したサトウキビを清掃した後、果汁抽出のための粉砕工程を行う。サトウキビの構造を破壊した後、粉砕すると同時にスクロースを水で抽出して原果汁を得る。糖を取った残りの破砕サトウキビはバガッセ(bagasse)と呼ばれる。この残渣は主としてプロセス蒸気を生成するための燃料源として用いられる。次に、この原果汁を、石灰を加え、加熱することにより清澄化し、沈殿物から清澄化果汁を分離する。このプロセスの最終工程である濃縮シロップを得るための蒸発と結晶化は、テンサイ加工の場合と本質的に同じである。サトウキビ加工の副生成物としては、バガッセ、原果汁の清澄化からの濾過ケーキおよび種々の糖蜜が含まれ、なお相当な量のスクロースを含有している。
精糖プロセスからの種々のスクロース含有中間体、生成物または副生成物(原果汁、希薄または清澄化果汁、濃厚果汁、スクロースシロップ、純粋スクロース、糖蜜)は発酵原料として役立ち得る。例えば、ブラジルの精糖工業では、ガソリンの代替として使用するため、エタノール製造用に清澄化サトウキビ果汁を用いている。未精製スクロース含有製品を用いた文献での最近の例としては、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)によるテンサイ拡散果汁からのエタノール生産(Beckers et al., 1999)、大腸菌による糖蜜からのD−乳酸の生産(Shukla et al., 2004)およびラクトバチルス・デルブリッキー(Lactobacillus delbrueckii)によるサトウキビ糖蜜、サトウキビ果汁またはテンサイ果汁からのD−乳酸の生産(Calabia et al., 2007)が挙げられる。
スクロース陽性細菌(すなわち、スクロースを利用可能な細菌)におけるスクロースの取り込みおよび利用に関して2つの異なる系が同定されている。
1つ目は、ホスホエノールピルビン酸(PEP)を供与体として用いてスクロースの取り込みとリン酸化を行い、細胞内スクロース−6−リン酸を生じる、ホスホエノールピルビン酸(PEP)依存性スクロースホスホトランスフェラーゼ系(スクロースPTS)に基づく。次いで、スクロース−6−リン酸はインベルターゼにより加水分解されてD−グルコース−6−リン酸およびD−フルクトースとなる。D−フルクトースはATP依存性フルクトキナーゼのよりさらにリン酸化されてD−フルクトース−6−リン酸となった後、中枢代謝に入ることができる。このような系はグラム陽性ならびにグラム陰性のいくつかの細菌種で記載されている。腸内細菌科の中では、野生型クレブシエラ属では90%を超えるものが、エシェリキア属では50%未満が、そしてサルモネラ菌属の株では10%未満がスクロース陽性である。
スクロースPTSをコードする遺伝子scrKYABRを担持する接合性プラスミドpUR400が、サルモネラ菌属から単離されている(Schmid et al., 1982, Schmid et al, 1988)。
さらに最近になって、2つ目の非PTS系が大腸菌EC3132で発見された(Bockmann et al., 1992)。この系はスクロース:プロトン共輸送系(CscB)、フルクトキナーゼ(CscK)、インベルターゼ(CscA)およびスクロース特異的レプレッサー(CscR)をコードする遺伝子cscBKARを含む。
大腸菌(Escherichia coli)K12およびその誘導体(MG1655を含む)はスクロースを利用することができない。しかしながら、この能力は、従前に記載した2つの系をコードする遺伝子の導入により付与することができる。このことは、大腸菌K12におけるプラスミドpUR400を導入(Schmid et al. 1982)または大腸菌のスクロース陰性株におけるcscBKAR遺伝子を担持する種々のプラスミド(pKJL101−1を含む)の導入(Jahreis et al., 2002)により実証されている。産業上の利用については、大腸菌K12においてスクロースからのトリプトファン生産が報告され(Tsunekawa et al., 1992)、pUR400プラスミドを担持する大腸菌において水素生産が示され(Penfold and Macaskie, 2004)、特許出願EP1149911で、PTSおよび非PTSの量系の導入による種々のアミノ酸の生産が報告されている。
スクロースからの1,2−プロパンジオールの製造は、Cameron and Cooney (1986)によりクロストリジウム・サーモサッカロリチカム(以下、T.サーモサッカロリチカムと呼ぶ)において述べられているが、微量が記録されているに過ぎず、一方、他の炭素源では3g/lより高い量が得られ、収率は0.1g/g(基質)であった。
スクロースからの1,2−プロパンジオールの製造は特許出願WO98/37204にも述べられている。しかしながら、プラスミドpSEARXで形質転換された大腸菌株AA200が生産するのは10g/lのスクロースから7mg/lの1,2−プロパンジオールに過ぎず、一方、同じ微生物が単糖類からは49〜71mg/lの1,2−プロパンジオールを生産する。これらの極めて低い生産計上の数値から、スクロースから1,2−プロパンジオールを生産するこれらの微生物の能力は疑わしい。本発明者らの考えるところでは、大腸菌K12に由来するAA200株は、スクロースを輸送し、そして代謝する能力を持たない。
これらの過去の報告は、当業者に、1,2−プロパンジオールを製造するためのスクロースの使用は良い選択肢ではないことを明らかに示している。
驚くべきことに、スクロースを利用できない大腸菌株にスクロース利用のための種々の系を導入することにより、本発明者らは、スクロースからの1,2−プロパンジオール製造に関して高い収率を得ることができた。
さらに、本発明者らは、植物原料からの果汁または糖蜜などのスクロース含有培地が、1,2−プロパンジオールの発酵性酸の基質として使用可能であることを実証した。
本発明は、発酵により1,2−プロパンジオールを製造する方法であって、
1,2−プロパンジオールを生産する微生物を、スクロースの供給源を含んでなる適切な培地で培養すること、および
生産された1,2−プロパンジオールを回収すること
を含んでなり、該微生物が、1,2−プロパンジオールの生産のための唯一の炭素源としてスクロースを利用することができるものである方法に関する。
特に、本発明は、唯一の炭素源としてスクロースを利用することができる改変型の微生物の使用を開示し、該スクロースはバイオマス、特に、植物バイオマスから得られる。
発明の具体的説明
本明細書において、特許請求の範囲および明細書の解釈に以下の用語を用いることができる。
本発明によれば、「培養(cultivatin)」、「培養(culture)」「増殖(growth)」および「発酵」とは、単純炭素源を含有する適切な増殖培地での細菌の増殖を表すために互換的に用いられる。発酵は、好気性、微好気性または嫌気性条件下で行うことができる従来からのプロセスである。
本発明によれば、「適切な培地」とは、微生物の増殖に適合された既知のモル組成の培地を表す。特に、該培地は少なくともリン源と窒素源を含有する。該適切な培地は例えば、少なくとも1つの炭素源を含有し、用いる細菌に適合された既知セットの組成の無機培養培地である。該適切な培地はまた、窒素源および/またはリン源を含んでなるいずれの液体も表し、該液体がスクロースの供給源に加えられ、かつ/または混合される。従って、特に、腸内細菌科のための無機増殖培地は、M9培地(Anderson, 1946)、M63培地(Miller, 1992)またはSchaefer et al. (1999)により定義されたものなどの培地、特に、下記のMML11PG1_100と呼ばれる最小培養培地と同一または類似の組成のものであり得る。
Figure 0006026494
培地のpHは水酸化ナトリウムで6.8に調整する。
この培地において炭素源「グルコース」は、他の任意の炭素源、特に、スクロースまたはサトウキビ果汁もしくはテンサイ果汁などの任意のスクロース含有炭素源で置き換えが可能である。
クロストリジウム科のための増殖培地は、クロストリジウム増殖培地(CGM、Wiesenborn et al., 1987)またはMonot et al. (1982)もしくはVasconcelos et al. (1994)により示されている無機増殖培地と同一または類似の組成のものであり得る。
「スクロース」とは、分子式C122211を有する、α(1,2)グリコシド結合により結合したグルコースとフルクトースの二糖類を表す。その組織名はα−D−グルコピラノシル−(1←→2)−β−D−フルクトフラノシドである。
「スクロース源」または「スクロースの供給源」とは、種々の濃度のスクロース、特に、1〜100%のスクロースを含有する任意の培地、液体または固体を表す。
「1,2−プロパンジオールを製造する」とは、培養液中での微生物のその生産が当業者に既知の標準的な分析手段により明白に記録できることを意味する。この化合物の定量に使用される好ましい技術であるHPLCの1,2−プロパンジオールに関する定量限界は25mg/lである。よって、本発明によれば、「1,2−プロパンジオールを製造する」とは、生産レベルが25mg/lを超えなければならないことを意味する。
「唯一の炭素源としてスクロースを利用することができる」とは、その微生物が、独自の炭素源とスクロースを含有する培地で増殖可能であることを示す。よって、「1,2−プロパンジオールの生産のための唯一の炭素源としてスクロースを利用することができる微生物」とは、その微生物が、唯一の炭素源としてスクロースを含有する培地で増殖された場合に、少なくとも25mg/lの1,2−プロパンジオールを生産することができることを意味する。しかしながら、本発明による1,2−プロパンジオールを製造する方法では、培養培地中のスクロース源はスクロースに加え、六炭糖類(グルコース、ガラクトースまたはラクトースなど)、五炭糖類、単糖類、二糖類(スクロース、セロビオースまたはマルトースなど)、オリゴ糖、デンプンまたはその誘導体、ヘミセルロース、グリセロールおよびその組合せといったさらなる炭素源を含んでなってもよいと理解される。
本発明の好ましい態様によれば、微生物は1,2−プロパンジオールの生産のために唯一の炭素源としてスクロースを利用することができるように遺伝的に改変されている。
本発明の特定の実施形態では、微生物はPTSスクロース利用系をコードする機能的遺伝子を含んでなる。PTSスクロース利用系は、ホスホエノールピルビン酸(PEP)依存性スクロースホスホトランスフェラーゼ系(スクロース−PTS)によるスクロースの輸送に基づくスクロース利用のための系である。このホスホトランスフェラーゼ系は、糖(例えば、スクロースまたはグルコース)の輸送とリン酸供与体としてPEPを用いる糖のリン酸化とを結び付ける。細胞へ輸送された後、スクロース−リン酸はインベルターゼによりグルコース−6−リン酸とフルクトースに開裂される。その後、フルクトースはフルクトキナーゼによりリン酸化されてフルクトース−6−リン酸となる。このPTSスクロース利用系をコードする遺伝子は調節タンパク質により制御可能である。
本発明の好ましい態様では、微生物は、サルモネラ菌属由来の遺伝子:scrKYABR(フルクトキナーゼをコードするscrK、ポリンをコードするscrY、タンパク質IIBCをコードするscrA、スクロース−6−PインベルターゼをコードするscrB、レプレッサーをコードするscrK)を自然発現するか、またはこれらの遺伝子の導入により改変されている。該遺伝子scrKYABRを担持する接合性プラスミドpUR400を用いて微生物を形質転換させることができる。これらの遺伝子は総てを一緒に組み合わせて使用することもできるし、またはこれらの遺伝子の少なくとも1つを含んでなる任意の組合せで使用することもできる。特に、遺伝子scrKは省くことができる。
本発明によればこれらの遺伝子の表記はより全般的な意味を有し、他の微生物の対応する遺伝子を包含する。当業者ならば、サルモネラ菌属由来のこれらの遺伝子のGenBank参照番号を用いれば、サルモネラ菌属以外の微生物における等価な遺伝子を特定することができる。
相同配列および相同性%の特定手段は当業者によく知られており、特に、ウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/で、そのウェブサイトに示されているデフォルトパラメーターとともに使用することができるBLASTプログラムが挙げられる。得られた配列を、例えば、プログラムCLUSTALW(http://www.ebi.ac.uk/clustalw/)を、これらのウェブサイトに示されているデフォルトパラメーターとともに用いて、利用(アライン)することができる。
PFAMデータベース(protein families database of alignments and hidden Markov models http://www.sanger.ac.uk/Software/Pfam/)は、タンパク質配列アライメントの大きなコレクションである。各PFAMにより、複数のアライメントを表示し、タンパク質ドメインを視認し、生物内での分布を評価し、他のデータベースにアクセスし、既知のタンパク質構造を表示することができる。
COG(clusters of orthologous groups of proteins http://www.ncbi.nlm.nih. gov/COG/)は、14の主要な系統発生系統を表す、完全に配列決定された66の単細胞ゲノムに由来するタンパク質配列を比較することにより得られる。各COGは少なくとも3系統から定義され、これにより、古くから保存されているドメインを同定することができる。
細菌株にDNAを導入するために、これまでにいくつかの技術が当業者のより用いられている。好ましい技術はエレクトロポレーションであり、当業者によく知られている。
本発明のもう1つの実施形態では、微生物は非PTSスクロース利用系をコードする機能的遺伝子を含んでなる。非PTSスクロース利用系は、ホスホエノールピルビン酸に依存しない系によるスクロース輸送に基づくスクロース利用のための系である。細胞に輸送されら後、スクロースはインベルターゼによりグルコースとフルクトースに開裂される。
その後、フルクトースはフルクトキナーゼによりリン酸化されてフルクトース−6−リン酸となり、グルコースはグルコキナーゼのよりリン酸化されてグルコース−6−リン酸となる。この非PTSスクロース利用系をコードする遺伝子は調節タンパク質により制御可能である。本発明の好ましい態様では、微生物は、大腸菌EC3132由来の遺伝子、すなわち、スクロース:プロトン共輸送系(cscB)、フルクトキナーゼ(cscK)、インベルターゼ(cscA)およびスクロース特異的レプレッサー(cscR)をコードする遺伝子cscBKARを自然発現するか、またはこれらの遺伝子の導入により改変されている。これらの遺伝子は総てを一緒に組み合わせて使用することもできるし、またはこれらの遺伝子の少なくとも1つを含んでなる任意の組合せで使用することもできる。特に、遺伝子cscRは省くことができる。また、他の生物由来の相同遺伝子も使用可能である。
本発明によればこれらの遺伝子の表記はより全般的な意味を有し、他の微生物の対応する遺伝子を包含する。当業者ならば、大腸菌由来のこれらの遺伝子のGenBank参照番号を用いれば、大腸菌以外の微生物における等価な遺伝子を特定することができる。
本発明の特定の態様では、微生物は1,2−プロパンジオールの生合成経路の向上した活性を特徴とする。1,2−プロパンジオールの生産のために至適化された微生物は、引用することにより本明細書の一部とされる特許出願WO2005/073364、WO2008/116853、WO2008/116852およびWO2008/116848に包括的に開示されている。
本発明による微生物は細菌、酵母または真菌である。
好ましくは、微生物は腸内細菌科、バチルス科、クロストリジウム科、ストレプトミセス科およびコリネバクテリア科からなる群から選択される。
より好ましくは、微生物は大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)、サーモアナエロバクター・サーモサッカロリチカム(Thermoanaerobacter thermosaccharolyticum)、クロストリジウム・スフェノイデス(Clostridium sphenoides)またはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae) からなる群から選択される。
発酵プロセスの培養条件は当業者により容易に定義することができる。特に、細菌は20℃〜55℃の間、好ましくは25℃〜40℃の間、好ましくは、クロストリジウム科では約35℃、腸内細菌科では約37℃の温度で発酵される。
このプロセスは回分法、流加法または連続法のいずれかで行うことができる。発酵は、好気性、微好気性または嫌気性条件下で行うことができる従来からのプロセスである。
「好気性条件下」とは、液相に気体を溶解させることにより培養物に酸素を供給することを意味する。これは、(1)酸素含有気体(例えば、空気)を液相に散布するか、または(2)ヘッドスペースに含まれる酸素を液相に移行させるために培養培地を含む容器を振盪することにより得られる。嫌気性条件の代わりに好気性条件下で発酵させることの利点は、電子受容体としての酸素の存在がその株の、細胞プロセスのためにより多くのエネルギーをATPの形態で生産する能力を高めるということである。
微好気性条件は、低パーセンテージの酸素(例えば、0.1〜10%の間の酸素を含有し、窒素で100%ととした混合物を使用)を液相に溶解させる培養条件として定義される。
嫌気性条件は、酸素が培養培地に供給されない培養条件として定義される。厳密には、嫌気性条件は、微量の他の気体を除去するために培養培地に窒素などの不活性ガスを散布することにより得られる。株によるATP生産を高め、その代謝を高めるために電子受容体として硝酸塩が使用できる。
本発明の特定の態様では、スクロース源はバイオマス、特に、植物バイオマスから得られる。植物全体または植物の任意の特定部分を用いて、スクロース源として用いられる原料を調製することができる。この調製は、スクロース含有植物バイオマスからスクロースを抽出するための当業者に既知の任意の処理に基づき得る。
本発明の好ましい態様では、スクロース源はサトウキビ、テンサイ、サトウモロコシ、サトウカエデ、サトウヤシおよびブルーアガベからなる群から選択される植物から得られる。
スクロースの供給源は特にサトウキビまたはテンサイから得ることができる。
本発明によれば、果汁、濃縮果汁、シロップ、清澄化果汁、糖蜜または結晶化スクロースなどの種々の形態のスクロース源を使用することができる。
好ましい形態は、何の処理も行わずに植物から直接抽出されたサトウキビ由来の原果汁である。要するに、収穫したサトウキビを清掃した後、果汁抽出のために粉砕する。サトウキビの構造を破壊した後、粉砕すると同時にスクロースを水で抽出して原果汁を得る。
この原果汁を、石灰を加え、加熱することにより清澄化し、沈殿物から清澄化果汁を分離する。蒸発により濃縮シロップが得られる。
本発明のもう1つの実施形態では、スクロース源はサトウキビまたはテンサイ工業の最終生成物、中間生成物または副生成物であり得る。
いくつかの粗スクロース源として、特に、上述のようなバイオマスから得られるものは、炭素源に加えて微生物の増殖に用いられ得る他の栄養素を含み、微生物の増殖に適切な培地は、スクロース源だけを用いることによるか(すなわち、スクロース源からなる適切な培地)、またはスクロース源をリン源および/または窒素源で補うことによって設計することができる。
好ましくは、スクロース源は少なくとも7%のスクロースを含んでなる。
実施例1:1,2−プロパンジオールを生産し、唯一の炭素源としてスクロースを使用することができる大腸菌2株の構築
大腸菌株MG1655 lpd,ΔtpiA、ΔpflAB,ΔadhE,ΔldhA::Cm,ΔgloA、ΔaldA,ΔaldB,Δeddを嫌気性条件下、ケモスタット培養で進化させ、WO2008/116852に記載のように最小培地での増殖に適応させた。この株を進化株大腸菌MG1655 lpd,ΔtpiA、ΔpflAB,ΔadhE,ΔldhA::Cm,ΔgloA、ΔaldA,ΔaldB,Δeddと呼んだ。
該進化株からクロラムフェニコール耐性カセットを除去し、この株にこれまでに構築された改変の存在をWO2008/116852に従前に記載されているように確認した。
該大腸菌株にスクロース利用能を付与するために2つのプラスミドを用いた。
・Schmid et al. (1982)に記載されているものなどのスクロース−PTS系をコードする遺伝子を担持するpUR400
・Jahreis et al. (2002)に記載されているものなどのスクロース透過酵素およびキナーゼ系をコードする遺伝子を担持するpKJL101.1
これらのプラスミドをエレクトロポレーションにより進化した大腸菌株MG1655 lpd,ΔtpiA、ΔpflAB,ΔadhE,ΔldhA,ΔgloA、ΔaldA,ΔaldB,Δeddにそれぞれ導入した。
得られた2つの株をそれぞれ
・進化型大腸菌MG1655 lpd,ΔtpiA、ΔpflAB,ΔadhE,ΔldhA,ΔgloA、ΔaldA,ΔaldB,Δedd(pUR400)および
・進化型大腸菌MG1655 lpd,ΔtpiA、ΔpflAB,ΔadhE,ΔldhA,ΔgloA、ΔaldA,ΔaldB,Δedd(pKJL101.1)
と呼んだ。
実施例2:唯一の炭素源としてスクロースを用いた1,2−プロパンジオールの製造
実施例1に記載されているように得られた株と対照として用いるプラスミドを含まない株を、エルレンマイヤーフラスコアッセイにて、好気性条件下、唯一の炭素源として20g/lグルコースまたはスクロースを含む最小培地MML11PG1_100(上記の組成を参照)中で培養した。炭素源としてのグルコースを対照として用いた。
培養は34℃で行い、培養培地をMOPSで緩衝させることによりpHを維持した。
培養の終了時に、1,2−プロパンジオールおよび発酵培養液に残留するグルコースまたはスクロースをHPLCにより分析し、グルコースに対する1,2−プロパンジオールの収率またはスクロースに対する1,2−プロパンジオールの収率を計算した。
Figure 0006026494
実施例3:炭素源としてサトウキビ果汁を用いた1,2−プロパンジオールの製造
実施例1に記載されているように得られた株を、エルレンマイヤーフラスコアッセイにて、好気性条件下、炭素源としてサトウキビ果汁(20g/lスクロース当量)を含む最小培地MML11PG1_100中で培養した。
この実験で使用したサトウキビ果汁は東南アジアの精糖所から得られたもので、原果汁の石灰による清澄化の直後に回収したものである。
培養は34℃で行い、培養培地をMOPSで緩衝させることによりpHを維持した。培養の終了時に、1,2−プロパンジオールおよび発酵培養液に残留するスクロース、グルコースおよびフルクトースをHPLCにより分析し、合計炭素源に対する1,2−プロパンジオールの収率を計算した。
Figure 0006026494
実施例4:サトウキビ果汁単独または栄養素を補給したサトウキビ果汁を用いた1,2−プロパンジオールの製造
実施例1に記載されているように得られた株を、エルレンマイヤーフラスコアッセイにて、好気性条件下、リン酸塩およびアンモニウム((NHHPO 2.5g/l)、鉄(クエン酸鉄、HO 0.1g/l)およびチアミン(0.02g/l)を補給しない、または補給した、希釈サトウキビ果汁(20g/lスクロース当量)を含有する培地中で培養した。
培養は34℃で行い、培養培地をMOPS(40g/l)で緩衝させることによりpHを維持した。培養の終了時に、1,2−プロパンジオールおよび発酵培養液に残留するスクロース、グルコースおよびフルクトースをHPLCにより分析し、合計炭素源に対する1,2−プロパンジオールの収率を計算した。
Figure 0006026494
Figure 0006026494
Figure 0006026494

Claims (9)

  1. 発酵により1,2−プロパンジオールを製造する方法であって、
    1,2−プロパンジオールを生産する大腸菌(Escherichia coli)微生物を、スクロースの供給源を含んでなる適切な培地で培養すること、および
    生産された1,2−プロパンジオールを回収すること
    を含んでなり、前記微生物が、1,2−プロパンジオールの生産のための唯一の炭素源としてスクロースを利用することができるように遺伝的に改変されており、前記遺伝的改変が、PTSスクロース利用系をコードする遺伝子scrKYABRの導入または非PTSスクロース利用系をコードする遺伝子cscBKARの導入である、方法。
  2. スクロースの供給源が、バイオマスから得られるものである、請求項に記載の方法。
  3. バイオマスが植物バイオマスである、請求項に記載の方法。
  4. スクロースの供給源が、サトウキビ、テンサイ、サトウモロコシ、サトウカエデ、サトウヤシおよびブルーアガベからなる群から選択される植物から得られるものである、請求項またはに記載の方法。
  5. スクロースの供給源が、果汁、濃縮果汁またはシロップ、清澄化果汁、糖蜜または結晶化スクロースの形態である、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  6. スクロース源が、サトウキビまたはテンサイ工業の最終生成物、中間生成物または副生成物である、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 適切な培地がスクロースの供給源からなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 適切な培地が、スクロースの供給源に加えて、少なくともリン源および/または窒素源を含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. スクロース源が少なくとも7%のスクロースを含んでなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
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