JP6024891B2 - ホスホリルコリン基含有(メタ)アクリレート化合物、その製造方法、及びその重合体 - Google Patents
ホスホリルコリン基含有(メタ)アクリレート化合物、その製造方法、及びその重合体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6024891B2 JP6024891B2 JP2012244518A JP2012244518A JP6024891B2 JP 6024891 B2 JP6024891 B2 JP 6024891B2 JP 2012244518 A JP2012244518 A JP 2012244518A JP 2012244518 A JP2012244518 A JP 2012244518A JP 6024891 B2 JP6024891 B2 JP 6024891B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- group
- formula
- compound
- acrylate compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
このような(メタ)アクリレート系のモノマーは、高純度、かつ高機能性が求められる電子材や歯科材等の分野に使用され始めたことに伴い、非水性材料との親和性、接着性や親水性等に優れる性質、更には光重合性等の機能性が新たな課題として要求され始めている。
しかし、このモノマーを含む組成物の重合体や、それを用いた塗料を基板に適用した場合、密着性等における課題解決は十分とは言えない。従って、光重合性、接着性に優れた新規な(メタ)アクリレート系モノマーの開発が熱望されている。
非特許文献1には、メタアクリロイルオキシエチルイソシアナート(MOI)と、グリセロールホスホリルコリン(GPC)とをウレタン化反応させてなるメタアクリレート化合物が報告されている。
しかし、これはモノマーの合成の容易さにおける課題解決が十分とは言えない。具体的には、GPC 1モルに対してMOIが2モル結合した副生成物が生成するために収率が低いこと(42.5%)、精製にカラムクロマトグラフィーを必要とすること等が問題である。
重合体に親水性基を導入する手法としては、例えば、特許文献2に、イソシアネート基を有する重合体にグリセロールホスホリルコリンを高分子反応させる方法が、特許文献3に各種の親水性基を有する重合体を得る方法が提案されている。
しかし、これらは高分子反応時に重合体がゲル化する点や、合成の容易さにおける課題解決が十分とは言えない。従って、重合体の原料であるモノマー自体に接着性や親水性などの機能があることが要求されている。
本発明の別の課題は、前記ホスホリルコリン基含有(メタ)アクリレート化合物を容易に得ることができる製造方法を提供することにある。
また本発明によれば、式(2)で表されるジオキサホスホラン基含有(メタ)アクリレート(以下、化合物(2)と略すことがある)が提供される。
さらにまた本発明によれば、化合物(2)と、トリメチルアミンとを反応させることを特徴とする化合物(1)の製造方法が提供される。
また本発明によれば、化合物(1)を含有する重合性原料を重合してなる重合体が提供される。
本発明の化合物(1)は、前記式(1)で表されるジオキサホスホランリン酸エステル化合物である。また、本発明の化合物(2)は、前記式(2)で表されるジオキサホスホラン基含有(メタ)アクリレート化合物である。
式(1)又は(2)において、R1は水素原子またはメチル基を示す。R2は−(CH2)n−もしくは−CH2CH2OCH2CH2−を示し、ここで、nは1〜4の整数である。R2の−(CH2)n−としては、例えば、メチレン基(−CH2−)、エチレン基(−CH2CH2−)、プロピレン基(−CH2CH2CH2−)、ブチレン基(−CH2CH2CH2CH2−)、−CH2CH2OCH2CH2−が挙げられる。
式(1)又は(2)において、R3は−(CH2)m−を示す。ここで、mは2〜10の整数である。R3としては、例えば、エチレン基(−CH2CH2−)、プロピレン基(−CH2CH2CH2−)、ブチレン基(−CH2CH2CH2CH2−)が挙げられる。(AO)としては、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。
式(1)又は(2)において、(AO)は炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表す。xはオキシアルキレン基の平均モル数であり、x=0〜30の整数である。
式(3)中、R1、R2、R3、(AO)及びxは、式(1)及び式(2)と同様である。
前記式(6)で表される化合物としては、メタクリロイルオキシエチルイソシアナート、アクリロイルオキシエチルイソシアナート、メタクリル酸2-(2-イソシアナート-エトキシ)-エチルエステル等が挙げられる。このような化合物は市販品を用いても良いが、公知の合成方法を駆使することにより既知の原料から合成したものを用いても良い。
開環付加反応における溶媒の使用量は、式(2)で表される化合物に対して重量比で1〜20倍量、好ましくは2〜15倍量、最も好ましくは3〜10倍量である。
本発明の重合体の分子量は、特に限定されず、各用途において要求される性能が発揮しうるように重合条件等を調整して適宜決定できるが、通常、重量平均分子量で5000〜1000000程度である。
前記他のモノマーとしては、例えば、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリル酸エステル;メチルビニルエーテル等の各種ビニルエーテル;その他、アクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリル酸、アリルアルコール、アクリロニトリル、アクロレイン、酢酸ビニル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレン、クロロスチレン、ビニルフェノール、ビニルシンナメート、塩化ビニル、ビニルブロミド、ブタジエン、ビニレンカーボネート、イタコン酸、イタコン酸エステル、フマル酸、フマル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸エステル等の各種ラジカル重合性モノマーが挙げられる。また、重合体を簡便に得る点からは、重合性原料は化合物(1)単独であることが好ましい。
重合性原料において前記他のモノマーを用いる場合、その配合量は任意であって適宜選択できるが、化合物(1)の性能を引き出すために化合物(1)が重合性原料中に5質量%以上含まれることが好ましい。
ラジカル重合は、ラジカル開始剤を用いて行うことができる。該ラジカル開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシネオデカノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ化合物が挙げられるが、作業性の観点から、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルが好ましく挙げられる。
ラジカル開始剤の使用量は、重合性原料100質量部に対して、通常0.1〜5.0質量部が好ましい。重合温度及び重合時間は、ラジカル開始剤の種類、他のモノマーの有無や種類等によって適宜選択して決定できる。例えば、化合物(1)単独からなる重合性原料を、ラジカル開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを用いて重合させる場合、重合温度は好ましくは50〜90℃、重合時間は5〜48時間程度が適当である。
光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられ、溶解性等の点から2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンが好ましく挙げられる。
製造例1−1
ナス型フラスコに、エチレングリコール34.29g、トリエチルアミン0.93g、テトラヒドロフラン34.29gを加え、メタクリロイルオキシエチルイソシアナート28.57g(昭和電工社製)を秤取って、滴下ロート及びカルシウム管を装着した。室温遮光下において、メタクリロイルオキシエチルイソシアナートをゆっくりと滴下させた後、50℃に設定したオイルバス中で7時間反応させた。反応終了後、トリエチルアミンを減圧留去し、水/トルエンで分液して水層を回収後、水/クロロホルムで分液してクロホルム層を減圧留去した。収量32.42g、収率81.1%で、白色固体の(2-ヒドロキシエチル)-N-メタクリロイルオキシエチルウレタン(式(3)のR1がメチル基、R2がエチレン基、R3がエチレン基、(AO)の平均モル数xが0で表される化合物)を得た。1H−NMRおよびESI-MSの測定結果を以下に示す。
1H-NMR(CD3OD):1.9 ppm(s, 3H, CH2=CH(CH 3))、3.4−4.2 ppm(m、8H, OCH 2CH 2N HCOOCH 2CH 2OH)、5.6,6.1ppm(s,2H,CH 2=CH(CH3))
ESI-MS:m/z=218.6[M+H]+、240.6[M+Na]+
ナス型フラスコに、エチレングリコール28.51g、トリエチルアミン0.77g、テトラヒドロフラン28.51gを加え、メタクリル酸2-(2-イソシアナート-エトキシ)-エチルエステル30.50g(商品名:カレンズMOI-EG、昭和電工社製)を秤取って、滴下ロートおよびカルシウム管を装着した。室温遮光下においてメタクリル酸2-(2-イソシアナート-エトキシ)エチルエステルをゆっくりと滴下させた後、50℃に設定したオイルバス中で7時間反応させた。反応終了後、トリエチルアミンを減圧留去し、水/トルエンで分液して水層を回収後、水/クロロホルムで分液してクロホルム層を減圧留去した。収量31.6g、収率79.0%で、2-ヒドロキシエチル-N-[2-(2-メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]ウレタン(式(3)のR1がメチル基、R2が−CH2CH2OCH2CH2−、R3がエチレン基、(AO)の平均モル数xが0で表される化合物)を得た。
ポリエチレングリコール-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンは、特開2003-73331号公報に記載の方法に従い、以下の合成方法により製造した。
製造例1−1において合成した(2-ヒドロキシエチル)-N-メタクリロイルオキシエチルウレタン4.34g(0.02モル、水分量0.1重量%)、ヒドロキノンモノメチルエーテル64mgを気密反応容器に入れて混合した。次いで、トルエン0.7gを添加後、温度25℃で無水塩化第二スズを0.13g仕込み空間部分を窒素ガスで置換しゲージ圧を0.05MPaにした。攪拌しながら圧力を0.4MPa以下、温度25〜40℃でエチレンオキシド8.81g(0.2モル)を8時間で圧入し、1時間熟成反応を行った。10℃に冷却後放出し、キョーワード(登録商標) 500(協和化学工業製)を0.4 g添加して減圧下で攪拌し、60〜70℃で2時間処理した後にろ過を行い、ポリエチレングリコール-N-メタクリロイルオキシエチルウレタン(式(3)のR1がメチル基、R2がエチレン基、R3がエチレン基、(AO)がオキシエチレン基であり、その平均モル数xが10で表される化合物)を得た。収量は10.39g、収率は79%であった。
ナス型フラスコに、製造例1−1で調製した(2-ヒドロキシエチル)-N-メタクリロイルオキシエチルウレタン4.34g、テトラヒドロフラン30.00mL((2-ヒドロキシエチル)-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンに対して重量比で6.2倍量)、トリエチルアミン2.78mL (COPに対して1モル倍量)を加え、COP2.85g((2-ヒドロキシエチル)-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンに対して1モル倍量)を秤取って、滴下ロート及びカルシウム管を装着した。0℃下において、COPをゆっくりと滴下させた後、20℃で30分間攪拌させた。反応終了後、副生成物として析出したトリエチルアミン塩酸塩をろ別し、2-(2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリルオキシ)エチル-N-メタクリロイルオキシエチルウレタン(式(2)のR1がメチル基、R2がエチレン基、R3がエチレン基、(AO)の平均モル数xが0で表される化合物)を得た。
得られた生成物に関する31P-NMRの測定結果を以下に示す。
31P-NMR(CDCL3):18.6ppm
1H-NMR(CD3OD):1.9ppm(s,3H,CH2=CH(CH 3))、3.2 ppm(s,9H,CH2N(CH 3)3)、3.4?4.2 ppm(m、12H,OCH 2CH 2NHCOOCH 2CH 2O、OCH 2CH 2N(CH3)3)、5.6,6.1 ppm(s,2H,CH 2=CH(CH3))
31P-NMR(CD3OD):0.8ppm
ESI-MS:m/z=383.0[M+H]+、405.0[M+Na]+
(2-ヒドロキシエチル)-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンの代わりに、製造例1−2で合成した2-ヒドロキシエチル-N-[2-(2-メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]ウレタン5.23gを用いた以外は実施例1−1と同様に反応させ、2-(2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリルオキシ)エチル-N-メタクリロイルオキシエトキシエチルウレタン(式(2)のR1がメチル基、R2が−CH2CH2OCH2CH2−、R3がエチレン基、(AO)の平均モル数xが0で表される化合物)を得た。この反応終了後、副生成物として析出したトリエチルアミン塩酸塩をろ別した。
次に、得られた生成物のろ液を用いた以外は、実施例1−1と同様に合成し、[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルエチル-N-メタクリロイルオキシエトキシエチルウレタン(式(1)のR1がメチル基、R2が−CH2CH2OCH2CH2−、R3がエチレン基、(AO)の平均モル数xが0で表される化合物)を得た。収量は6.2g(0.015mol)、収率は73%であった。得られた生成物に関する1H-NMR、31P-NMRおよびESI-MSの測定結果を以下に示す。
1H-NMR(CD3OD):1.9ppm(s,3H, CH2=CH(CH 3))、3.2ppm(s,9H,CH2N(CH 3)3)、3.4?4.2 ppm(m、16H,CH 2CH 2OCH 2CH 2NHCOOCH 2CH 2O、OCH 2CH 2N(CH3)3)、5.6,6.1ppm (s,2H, CH 2=CH(CH3))
31P-NMR(CD3OD):0.8ppm
ESI-MS:m/z=427.6[M+H]+、449.6[M+Na]+
(2-ヒドロキシエチル)-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンの代わりに、製造例1−3で合成したポリエチレングリコール-N-メタクリロイルオキシエチルウレタン13.16gを用いた以外は実施例1と同様に反応させ、2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホリルポリエチレングリコール-N-メタクリロイルオキシエチルウレタン(式(2)のR1がメチル基、R2がエチレン基、R3がエチレン基、(AO)がオキシエチレン基であり、その平均モル数xが10で表される化合物)を得た。この反応終了後、副生成物として析出したトリエチルアミン塩酸塩をろ別した。
次に、得られた生成物のろ液を用いた以外は、実施例1−1と同様に合成し、[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルポリエチレングリコール-N-メタクリロイルオキシエチルウレタン(式(1)のR1がメチル基、R2がエチレン基、R3がエチレン基、(AO)がオキシエチレン基であり、その平均モル数xが10で表される化合物)を得た。収量は7.6g(0.01 mol)、収率は46%であった。得られた生成物に関する1H-NMR、及び31P-NMRの測定結果を以下に示す。
1H-NMR(CD3OD):1.9ppm(s,3H,CH2=CH(CH 3))、3.2ppm(s,9H,CH2N(CH 3)3)、3.4?4.3 ppm(m、52H,OCH 2CH 2NH,(CH 2CH 2O)11、OCH 2CH 2N(CH3)3)、5.6,6.1ppm(s,2H,CH 2=CH(CH3))
31P-NMR(CD3OD):0.8ppm
実施例1−1で合成した[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルエチル-N-メタクリロイルオキシエチルウレタン1.0g、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン1mg及びイオン交換水1mlを石英ガラス製の四面透過セルに加えた。続いて、アルゴン雰囲気下、400W高圧水銀ランプを用いてUV光を照射し、重合体としてポリ[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルエチル-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンを得た。
<転化率の評価>
上記重合体の製造の際に、経時的に少量のサンプリングを行い、イオン交換水により1000倍希釈した。各サンプルは吸光光度計を用いて220nmにおける吸光度を定量することにより、[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルエチル-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンモノマー含量を算出した。
[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルエチル-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンのUV照射時間とモノマー転化率の関係を図3に示す。
[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルエチル-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンの代わりに、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を用いた以外は、実施例2−1と同様にして重合体を得た。MPCのUV照射時間とモノマー転化率の関係を同様に測定した。結果を図3に示す。
図3より、[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルエチル-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンは、MPCに比べて優れた光重合性を示すことがわかる。
実施例1−1において合成した[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルエチル-N-メタクリロイルオキシエチルウレタン1.0g、水/メタノール混合溶媒5ml(1/9(v/v))及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5mg(重合性原料の0.5質量%)をねじ口試験管に秤取り、30秒間アルゴンガスでバブリングした。すばやく密栓した後、予め60℃に設定した振とう機によって24時間反応させた。24時間後、反応溶液を透析膜(商品名スペクトラ/ポア、分画分子量3500)にとり、1Lの水中で、3時間毎に水を交換して12時間透析操作を行った。この溶液を300mlのナス型フラスコに取り、凍結乾燥することにより収量890mg、収率89%で、重合体としてのポリ[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルエチル-N-メタクリロイルオキシエチルウレタンを得た。
得られた重合体は容易に水に溶解し、無色粘性の溶液を与えた。この溶液を下記条件においてGPCを用いて分子量を測定した。その結果、得られた重合体の重量平均分子量は、約73000であった。
(GPC条件)
溶離液:20mM燐酸緩衝液、カラム:TSKgelG4000PWXL+TSKgelG2500PWXL、検出器:RI、送液速度:0.6ml/分、カラム槽温度:40℃、標準物質:ポリエチレンオキシド。
実施例1−2において合成した[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]ホスホリルエチル-N-メタクリロイルオキシエトキシエチルウレタン0.92g、メタクリル酸ブチル(東京化成工業(株)製)0.08g(全モノマー中のメタクリル酸ブチルのモル%:10%)、メタノール5ml及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5mg(重合性原料の0.5質量%)をねじ口試験管に秤取り、30秒間アルゴンガスでバブリングした。すばやく密栓した後、予め60℃に設定した振とう機によって24時間反応させた。24時間後、反応溶液をイソプロパノールに滴下することにより重合体を沈殿させた。これを濾別した後、減圧乾燥して白色粉末状の重合体を得た。収量は840mg、収率は84%であった。
得られた重合体は容易に水に溶解し、無色粘性の溶液を与えた。この溶液について実施例2−2と同様の条件でGPC分子量を測定した。その結果、得られた重合体の重量平均分子量は約51000であった。
<配合液の作製>
2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、実施例1−1、1−2、1−3で調製した化合物もしくはMPC、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を表1に示すように組み合わせて配合液を作製した。なお、モノマーとしてHEMA及びMPCを用いた配合液は、比較試験のためのものである。
<含水フィルムの作製>
厚さ0.1mmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)板の両面をポリプロピレン板2枚で挟み、さらにそれを外側からガラス板で挟みこむことでセルを作製した。セル内に配合液を流し込み、窒素置換したオーブンを用いて100℃、2時間加熱することで重合を行った。重合後、硬化したフィルムをセルから取り出し、メタノールに4時間以上浸漬後、イオン交換水に24時間以上浸漬させることで含水フィルムを得た。
<透明性の評価>
含水フィルムを浸漬させておいたイオン交換水から取り出し、これを目視で確認した。フィルムに濁りがなく均一なものを透明とした。結果を表1に示す。
<含水率の評価>
含水フィルムを直径1cmの円状に切り抜き、表面についている水分をふき取った後、重量を測定した。次に125℃のオーブンで2時間加熱した後の重量を測定した。加熱前後の重量差からフィルム中に含まれる水の重量を算出し、含水したフィルムとの重量比を求めることにより含水率を算出した。結果を表1に示す。
Claims (6)
- 請求項2記載のジオキサホスホラン基含有(メタ)アクリレート化合物と、トリメチルアミンとを反応させることを特徴とする請求項1記載のホスホリルコリン基含有(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
- 請求項1記載のホスホリルコリン基含有(メタ)アクリレート化合物の単独重合体。
- 請求項1記載のホスホリルコリン基含有(メタ)アクリレート化合物と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012244518A JP6024891B2 (ja) | 2012-11-06 | 2012-11-06 | ホスホリルコリン基含有(メタ)アクリレート化合物、その製造方法、及びその重合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012244518A JP6024891B2 (ja) | 2012-11-06 | 2012-11-06 | ホスホリルコリン基含有(メタ)アクリレート化合物、その製造方法、及びその重合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014091803A JP2014091803A (ja) | 2014-05-19 |
JP6024891B2 true JP6024891B2 (ja) | 2016-11-16 |
Family
ID=50936134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012244518A Active JP6024891B2 (ja) | 2012-11-06 | 2012-11-06 | ホスホリルコリン基含有(メタ)アクリレート化合物、その製造方法、及びその重合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6024891B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9879250B2 (en) | 2014-08-08 | 2018-01-30 | Nof Corporation | Protein-stabilizing agent and protein-stabilizing method |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07330783A (ja) * | 1994-06-08 | 1995-12-19 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | リン酸エステル誘導体の製造方法 |
JPH10139789A (ja) * | 1996-09-12 | 1998-05-26 | Nof Corp | 重合性有機リン化合物、中間体、製造方法、重合体および生体適合性材料 |
JPH1149788A (ja) * | 1997-08-07 | 1999-02-23 | Nippon Chem Ind Co Ltd | (メタ)アクリロイルウレタン結合を有するホスホニウム化合物及びその製造方法 |
JP2001212807A (ja) * | 2000-01-31 | 2001-08-07 | Showa Denko Kk | 木材処理剤及びその用途 |
JP2004331637A (ja) * | 2003-05-07 | 2004-11-25 | Kazuhiko Ishihara | 二官能性架橋剤モノマーとその製造法及びポリマー架橋体 |
JP4701952B2 (ja) * | 2005-09-22 | 2011-06-15 | 日油株式会社 | 含水性ソフトコンタクトレンズ |
KR101539804B1 (ko) * | 2008-03-31 | 2015-07-27 | 가부시키가이샤 시세이도 | 폴리실록산, 아크릴계 화합물 및 비닐계 화합물 |
JP2009263357A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-11-12 | Shiseido Co Ltd | アクリル系化合物及びビニル系化合物 |
JP5882874B2 (ja) * | 2012-11-02 | 2016-03-09 | クラレノリタケデンタル株式会社 | リン酸エステル化合物及びそれを含む重合性組成物 |
-
2012
- 2012-11-06 JP JP2012244518A patent/JP6024891B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014091803A (ja) | 2014-05-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4315145B2 (ja) | ウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート化合物、その製造方法、及びその重合体 | |
WO2005049667A1 (ja) | 含フッ素光硬化性組成物 | |
CN107849173B (zh) | 含氟化合物、固化性组合物以及固化物 | |
JP5007942B2 (ja) | 重合性組成物及びその重合物 | |
EP0787749B1 (en) | Novel allyl ethers, polymers and polymeric solid electrolytes | |
US7649106B2 (en) | Diol (meth) acrylate compound having urethane bond, method for producing the same, and polymer thereof | |
JP6024891B2 (ja) | ホスホリルコリン基含有(メタ)アクリレート化合物、その製造方法、及びその重合体 | |
JP2006232673A (ja) | ウレタン結合含有グリセロールカーボネート(メタ)アクリレート化合物、その製造方法、及び重合体 | |
WO2021132161A1 (ja) | ホスホリルコリン基含有ポリシロキサンモノマー | |
JP6064766B2 (ja) | 両性イオン型エチレン性不飽和単量体とその製造方法。 | |
JP2021088689A (ja) | シロキサン化合物及びその製造方法 | |
JP2007022991A (ja) | フェノール誘導体及びその製造方法 | |
JP7050630B2 (ja) | (メタ)アクリロイル化合物及びその製造方法 | |
JP2007188889A (ja) | 高分子固体電解質 | |
JP2004331637A (ja) | 二官能性架橋剤モノマーとその製造法及びポリマー架橋体 | |
JP4235795B2 (ja) | 含硫ポリエン化合物および高屈折率硬化物 | |
JPH07247355A (ja) | オリゴオキシアルキレン誘導体および生体適合性材料 | |
JP4069147B2 (ja) | 高分子固体電解質 | |
EP4310131A1 (en) | Siloxane compound and method for producing same | |
JP7157899B2 (ja) | 単分散ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート重合体およびその製造方法 | |
Oishi et al. | Synthesis and polymerization of methacrylate bearing a phosphorylcholine, analogous moiety | |
WO2010024372A1 (ja) | シリコーンモノマー、その製造方法および用途 | |
JP2009019070A (ja) | 化合物、その製造方法及びその重合体 | |
JPS6214860A (ja) | 医用材料 | |
JP2021138876A (ja) | グリセロールデンドロン共重合体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150914 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160525 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160614 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160712 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160914 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160927 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6024891 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |